JP3062039B2 - 非焼成鉛筆芯 - Google Patents
非焼成鉛筆芯Info
- Publication number
- JP3062039B2 JP3062039B2 JP7107004A JP10700495A JP3062039B2 JP 3062039 B2 JP3062039 B2 JP 3062039B2 JP 7107004 A JP7107004 A JP 7107004A JP 10700495 A JP10700495 A JP 10700495A JP 3062039 B2 JP3062039 B2 JP 3062039B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pencil lead
- calcium carbonate
- fired pencil
- parts
- color
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非焼成型の鉛筆芯に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】一般に非焼成型の鉛筆芯は、樹脂等の有
機高分子物質やワックスを結合材とし、着色材の他に体
質材などが配合されて成る混練物を押出成形して作製さ
れているが、非焼成鉛筆芯の結合材として使用している
有機高分子物質やワックスは、焼成鉛筆芯の結合材であ
る粘土、炭化物に比べて曲げ強度などの機械的特性に劣
るという問題を有している。そこで、非焼成鉛筆芯の機
械的特性を向上するために、体質材として短繊維状ある
いは針状結晶のチタン酸カリウムを使用する方法(特開
昭52−88419号公報)や、繊維状黒鉛、繊維状顔
料を添加する方法(特開昭48−18347号公報)が
提案されている。
機高分子物質やワックスを結合材とし、着色材の他に体
質材などが配合されて成る混練物を押出成形して作製さ
れているが、非焼成鉛筆芯の結合材として使用している
有機高分子物質やワックスは、焼成鉛筆芯の結合材であ
る粘土、炭化物に比べて曲げ強度などの機械的特性に劣
るという問題を有している。そこで、非焼成鉛筆芯の機
械的特性を向上するために、体質材として短繊維状ある
いは針状結晶のチタン酸カリウムを使用する方法(特開
昭52−88419号公報)や、繊維状黒鉛、繊維状顔
料を添加する方法(特開昭48−18347号公報)が
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チタン酸カリ
ウムを使用した場合、強度は向上するものの、短繊維状
物あるいは針状結晶物自体の硬度がモース硬度4〜5
で、通常の体質材と比べてかなり硬いために、書き味は
滑らかさに欠ける。また繊維状黒鉛や顔料を使用する場
合も、その繊維径が大きすぎるために、得られる非焼成
鉛筆芯の書き味は滑らかさに欠け、ざらついた感じにな
るなどの問題があった。また上記以外のものでも、種々
の繊維状のものが検討されているが、いずれも材料自体
が硬いために書き味が充分ではなく、さらにはその色彩
においても鮮やかなものが得られ難いのである。
ウムを使用した場合、強度は向上するものの、短繊維状
物あるいは針状結晶物自体の硬度がモース硬度4〜5
で、通常の体質材と比べてかなり硬いために、書き味は
滑らかさに欠ける。また繊維状黒鉛や顔料を使用する場
合も、その繊維径が大きすぎるために、得られる非焼成
鉛筆芯の書き味は滑らかさに欠け、ざらついた感じにな
るなどの問題があった。また上記以外のものでも、種々
の繊維状のものが検討されているが、いずれも材料自体
が硬いために書き味が充分ではなく、さらにはその色彩
においても鮮やかなものが得られ難いのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題につ
いて鋭意検討した結果完成したものであって、体質材の
一部もしくは全部に、高強度で微細な炭酸カルシウムウ
ィスカーを添加、配合することにより、曲げ強度などの
機械的特性に優れ、かつ濃度や書き味性能なども良好な
非焼成鉛筆芯を提供するものである。
いて鋭意検討した結果完成したものであって、体質材の
一部もしくは全部に、高強度で微細な炭酸カルシウムウ
ィスカーを添加、配合することにより、曲げ強度などの
機械的特性に優れ、かつ濃度や書き味性能なども良好な
非焼成鉛筆芯を提供するものである。
【0005】本発明で使用される炭酸カルシウムウィス
カーは、白色針状結晶であって、分散性が良好でほぼ均
一な直径を有する繊維状の結晶であり、元々やわらかい
物質(モース硬度3)であるため、良好な潤滑性を有
し、さらに透明性の高い材料であり、その屈折率が使用
する結合材に近いために、着色材に対する色彩効果が大
きいという特徴を有する。また原料が国内に豊富に存在
するために、安価であることも特徴として挙げられる。
カーは、白色針状結晶であって、分散性が良好でほぼ均
一な直径を有する繊維状の結晶であり、元々やわらかい
物質(モース硬度3)であるため、良好な潤滑性を有
し、さらに透明性の高い材料であり、その屈折率が使用
する結合材に近いために、着色材に対する色彩効果が大
きいという特徴を有する。また原料が国内に豊富に存在
するために、安価であることも特徴として挙げられる。
【0006】炭酸カルシウムウィスカーの直径および長
さは任意であるが、好ましくは直径が0.5〜1.0μ
mおよび長さが20〜30μmの範囲が良好である。こ
のウィスカーは、アスペクト比(長さ/直径)が20〜
60位と大きいために、優れた補強効果が期待できる。
さは任意であるが、好ましくは直径が0.5〜1.0μ
mおよび長さが20〜30μmの範囲が良好である。こ
のウィスカーは、アスペクト比(長さ/直径)が20〜
60位と大きいために、優れた補強効果が期待できる。
【0007】本発明の非焼成鉛筆芯の他の素材として
は、結合材としての樹脂やワックス、着色材、さらに必
要に応じて溶剤、可塑剤などが使用され、炭酸カルシウ
ムウィスカーを体質材の一部として用いた場合には、そ
の他の体質材としてタルク、雲母、窒化硼素、炭酸カル
シウム、クレー、珪石、ベントナイト、セリサイト、カ
オリナイト等が挙げられ、また黒鉛なども用いられ、こ
れらを単独もしくは組み合わせて用いる。
は、結合材としての樹脂やワックス、着色材、さらに必
要に応じて溶剤、可塑剤などが使用され、炭酸カルシウ
ムウィスカーを体質材の一部として用いた場合には、そ
の他の体質材としてタルク、雲母、窒化硼素、炭酸カル
シウム、クレー、珪石、ベントナイト、セリサイト、カ
オリナイト等が挙げられ、また黒鉛なども用いられ、こ
れらを単独もしくは組み合わせて用いる。
【0008】ここで、炭酸カルシウムウィスカーを上記
通常の体質材と併用する時は、体質材全体に対する炭酸
カルシウムウィスカーの添加量は任意であるが、好まし
くは全体質材中の20重量%以上添加、配合するのが良
好である。炭酸カルシウムウィスカーが20重量%以下
であると、充分な強度が得られ難くなる。
通常の体質材と併用する時は、体質材全体に対する炭酸
カルシウムウィスカーの添加量は任意であるが、好まし
くは全体質材中の20重量%以上添加、配合するのが良
好である。炭酸カルシウムウィスカーが20重量%以下
であると、充分な強度が得られ難くなる。
【0009】本発明に用いる結合材としては、例えばポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロ
ニトリル、スチレン系共重合樹脂、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、フェノール樹脂、ポリビニルアルコー
ルなど従来公知のものが挙げられ、特には強度が強いと
いう点でニトロセルロースが好適に使用される。またワ
ックスとしては、カルナバワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワック
ス、ステアリン酸、カルシウムステアレート、アルミニ
ウムステアレート等の金属石けん、木ろう、蜜ロウ、酸
化ワックス類、パラフィンワックスなど従来公知のもの
が挙げられる。以上の樹脂、ワックスを単独もしくは組
み合わせて用いる。着色材としては、無機顔料、有機顔
料が用いられ、特には有機顔料が色調の点で好ましい。
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロ
ニトリル、スチレン系共重合樹脂、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、フェノール樹脂、ポリビニルアルコー
ルなど従来公知のものが挙げられ、特には強度が強いと
いう点でニトロセルロースが好適に使用される。またワ
ックスとしては、カルナバワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワック
ス、ステアリン酸、カルシウムステアレート、アルミニ
ウムステアレート等の金属石けん、木ろう、蜜ロウ、酸
化ワックス類、パラフィンワックスなど従来公知のもの
が挙げられる。以上の樹脂、ワックスを単独もしくは組
み合わせて用いる。着色材としては、無機顔料、有機顔
料が用いられ、特には有機顔料が色調の点で好ましい。
【0010】以上、結合材、着色材、体質材等の各材質
をそれぞれ任意組み合わせて、体質材の一部もしくは全
部に炭酸カルシウムウィスカーを添加、配合し、さらに
溶剤、可塑材を添加してニーダーなどで混練し、所定の
径で押出成形して非焼成鉛筆芯とする。次に、本発明の
実施例を示す。なお、部は重量部である。
をそれぞれ任意組み合わせて、体質材の一部もしくは全
部に炭酸カルシウムウィスカーを添加、配合し、さらに
溶剤、可塑材を添加してニーダーなどで混練し、所定の
径で押出成形して非焼成鉛筆芯とする。次に、本発明の
実施例を示す。なお、部は重量部である。
【0011】
実施例1 ニトロセルロース(結合材) 50部 ステアリン酸 10部 ポリエチレンワックス 10部 カオリンレッド(着色材) 10部 炭酸カルシウムウィスカー(体質材) 20部 (丸尾カルシウム社製:商品名ウィスカル) メチルエチルケトン(溶剤) 50部 上記材質をニーダーにて混練して混練物を作製し、この
混練物を押出成形して、メチルエチルケトンを除去し、
直径0.58mmの赤色の色鉛筆芯とした。この色鉛筆
芯は強度が171MPaできわめて強く、濃く鮮やかな
色彩を有すると同時に、書き味も滑らかとなった。
混練物を押出成形して、メチルエチルケトンを除去し、
直径0.58mmの赤色の色鉛筆芯とした。この色鉛筆
芯は強度が171MPaできわめて強く、濃く鮮やかな
色彩を有すると同時に、書き味も滑らかとなった。
【0012】実施例2 パラフィンワックス 60部 タルク 15部 炭酸カルシウムウィスカー 15部 群青 10部 上記材質をニーダーにて混練して混練物を作製し、この
混練物を押出成形して、直径10mmの青色クレヨンと
した。このクレヨンは、強い筆圧でもくずれず、濃く鮮
やかな青色を有し、なめらかな書き味であった。
混練物を押出成形して、直径10mmの青色クレヨンと
した。このクレヨンは、強い筆圧でもくずれず、濃く鮮
やかな青色を有し、なめらかな書き味であった。
【0013】比較例1 実施例1において、炭酸カルシウムウィスカーの代わり
に同量のタルクを使用した以外は、同じ材質、工程を用
いて色鉛筆芯を作製した。この色鉛筆芯は、書き味は滑
らかで色彩は普通であったが、強度が102MPaと低
い。
に同量のタルクを使用した以外は、同じ材質、工程を用
いて色鉛筆芯を作製した。この色鉛筆芯は、書き味は滑
らかで色彩は普通であったが、強度が102MPaと低
い。
【0014】比較例2 実施例1において、炭酸カルシウムウィスカーの代わり
に、チタン酸カリウムウィスカーを用いた以外は、同じ
材質、工程を用いて色鉛筆芯を作製した。この色鉛筆芯
は、強度が165MPaで好ましいものの、色彩的にや
や薄くて鮮やかさに欠け、書き味もざらざらした感触と
なった。なお強度は、JIS・S6005に準じて3点
曲げ試験法により測定した。
に、チタン酸カリウムウィスカーを用いた以外は、同じ
材質、工程を用いて色鉛筆芯を作製した。この色鉛筆芯
は、強度が165MPaで好ましいものの、色彩的にや
や薄くて鮮やかさに欠け、書き味もざらざらした感触と
なった。なお強度は、JIS・S6005に準じて3点
曲げ試験法により測定した。
【0015】
【発明の効果】上記実施例および比較例で示したよう
に、本発明の非焼成鉛筆芯は強度が強いと同時に、色彩
も濃く鮮やかで、書き味が滑らかであるなど良好な鉛筆
芯となった。つまり、炭酸カルシウムウィスカーは透明
性に優れ、その屈折率が1.53〜1.68と結合材に
近い値をしめすために、着色材に対する色彩効果が強
く、また元々体質材として使用されてきたやわらかい材
質であるため、書き味的には従来のタルクなどと同様に
滑らかで良好となるものと思われる。さらに、炭酸カル
シウムウィスカーは従来の無機系ウィスカーと比べて安
価であるため、コストが低減できるなど、工業上多大の
効果をもたらす。
に、本発明の非焼成鉛筆芯は強度が強いと同時に、色彩
も濃く鮮やかで、書き味が滑らかであるなど良好な鉛筆
芯となった。つまり、炭酸カルシウムウィスカーは透明
性に優れ、その屈折率が1.53〜1.68と結合材に
近い値をしめすために、着色材に対する色彩効果が強
く、また元々体質材として使用されてきたやわらかい材
質であるため、書き味的には従来のタルクなどと同様に
滑らかで良好となるものと思われる。さらに、炭酸カル
シウムウィスカーは従来の無機系ウィスカーと比べて安
価であるため、コストが低減できるなど、工業上多大の
効果をもたらす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−163171(JP,A) 特開 昭54−121829(JP,A) 特開 平2−255778(JP,A) 特開 平3−106976(JP,A) 「プラスチックス」(平成6年11月1 日発行:日本プラスチック工業連盟 誌)、広告頁の炭酸カルシウムウィスカ ーのウィスカル(丸尾カルシウム株式会 社)の欄 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 13/00
Claims (1)
- 【請求項1】 体質材の一部もしくは全部に、炭酸カル
シウムウィスカーを添加、配合してなる非焼成鉛筆芯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7107004A JP3062039B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | 非焼成鉛筆芯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7107004A JP3062039B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | 非焼成鉛筆芯 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283647A JPH08283647A (ja) | 1996-10-29 |
JP3062039B2 true JP3062039B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=14448056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7107004A Expired - Lifetime JP3062039B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | 非焼成鉛筆芯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3062039B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109265073A (zh) * | 2018-09-26 | 2019-01-25 | 蚌埠神龙笔业有限公司 | 一种高强度铅笔芯及其制备方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010022351A (ko) | 1998-05-27 | 2001-03-15 | 니시무라 테이이치 | 비소성 색연필심 |
-
1995
- 1995-04-06 JP JP7107004A patent/JP3062039B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「プラスチックス」(平成6年11月1日発行:日本プラスチック工業連盟誌)、広告頁の炭酸カルシウムウィスカーのウィスカル(丸尾カルシウム株式会社)の欄 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109265073A (zh) * | 2018-09-26 | 2019-01-25 | 蚌埠神龙笔业有限公司 | 一种高强度铅笔芯及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08283647A (ja) | 1996-10-29 |
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