JPH11335617A - 非焼成色鉛筆芯 - Google Patents
非焼成色鉛筆芯Info
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- JPH11335617A JPH11335617A JP16424998A JP16424998A JPH11335617A JP H11335617 A JPH11335617 A JP H11335617A JP 16424998 A JP16424998 A JP 16424998A JP 16424998 A JP16424998 A JP 16424998A JP H11335617 A JPH11335617 A JP H11335617A
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Abstract
なうことがなく、芯の膨張が生じない非焼成色鉛筆芯を
提供する。 【解決手段】 結合材、着色材、体質材及び滑材を原料
組成物として含み、必要に応じて油脂及び/又はワック
ス類を含み、上記結合材としてCMC酸を含有してい
る。このCMC酸は、CMCアンモニウムを配合原料と
し、成形、乾燥した後加熱することにより当該CMCア
ンモニウムのアンモニア分子が離脱する結果得られる。
CMCアンモニウムは原料組成物全量(固形分)に対し
て3〜15重量%配合する。
Description
関するものであり、さらに詳しくは、高湿度下において
も優れた書き味、着色性を得ることができ、かつ保存性
に優れた非焼成色鉛筆芯に関する。
材、体質材、滑材及び溶剤などの原料組成物を配合し、
混練したものを押し出し成形し、必要に応じて乾燥など
を施して製造されている。
られており、一般にはカルボキシメチルセルロースナト
リウム、ポリビニルアルコール、メチルセルロースなど
の各種水溶性結合材が使用されている。
性結合材を含有した非焼成色鉛筆芯は、高湿度下におい
ては書き味及び着色性が低下し、さらに芯の体積が膨張
することによって木軸の割れなどが生じる問題があっ
た。
き味及び着色性を損なうことがなく、芯の膨張が生じな
い非焼成色鉛筆芯を提供する。
を解決すべく鋭意検討した結果、結合材としてカルボキ
シメチルセルロース酸(以下、CMC酸と略記する場合
がある。)が含有されている非焼成色鉛筆芯の場合、高
湿度下でも、書き味及び着色性の低下を阻止することが
でき、また芯の膨張を防止することができる知見を得、
本発明を完成させるに至った。
材を原料組成物として含み、必要に応じて油脂及び/又
はワックス類を含み、上記結合材としてカルボキシメチ
ルセルロース酸を含有してなる非焼成色鉛筆芯である。
酸を含有した非焼成色鉛筆芯は、結合材としてカルボキ
シメチルセルロースナトリウム等の水溶性樹脂を含有す
る非焼成色鉛筆芯と比較して、高湿度下でも、着色性及
び書き味の低下をおさえて優れた着色性及び書き味を保
持することができ、また芯の膨張を防止して木軸の割れ
などの発生を防止することができる。
まれるCMC酸は、例えば、原料組成物中に配合したカ
ルボキシメチルセルロースアンモニウム(CMCアンモ
ニウム)を加熱することによってCMCアンモニウムの
アンモニア分子が離脱し、これによって得られる。CM
C酸を原料組成物自体に直接配合させた場合、この物質
は水不溶性であることから、非焼成色鉛筆芯における結
合材として適切な機能を発揮しない。
り、非焼成色鉛筆芯に配合する原料組成物としては優れ
ている。しかも、このCMCアンモニウムは、例えば6
0〜80℃で加熱することによってアンモニア分子が外
れ、水不溶性のCMC酸になるという性質を有する。従
って、本発明によれば、かかるCMCアンモニウムを非
焼成色鉛筆芯の配合原料として配合した点にも特徴があ
る。
製造する方法としては、カルボキシメチルセルロースア
ンモニウムを含む結合材、着色材、体質材及び滑材を含
有する原料組成物を混練し、成型した後、上記カルボキ
シメチルセルロースアンモニウムのアンモニア分子を離
脱させる温度で加熱する製造方法を好適に採用すること
ができる。
が水素Hである化学構造を示している。一般にCMCと
いうと、次の構造式でいえば、Xの部分がナトリウムN
aであるカルボキシメチルセルロースナトリウム(CM
Cナトリウム)のことを意味する場合が多い。
アンモニウムとは異なり、加熱によってそのナトリウム
塩が離脱して水不溶性のCMC酸になるという性質を備
えていない。従って、CMCナトリウムを結合材として
原料組成物中に配合した場合、最終的に得られる非焼成
色鉛筆芯の含有成分もあくまでCMCナトリウムとな
る。従って、このCMCナトリウムを含有した非焼成色
鉛筆芯は、既述した様に、CMCナトリウムが水溶性で
あるため、高湿度下においては書き味及び着色性が低下
し、さらに芯の体積が膨張することによって木軸の割れ
などが生じやすい。これに対して、CMC酸を含有した
本発明の非焼成色鉛筆芯は、CMCナトリウムとは全く
異なって水不溶性であり、高湿度下でも、書き味及び着
色性の低下を阻止することができ、また芯の膨張を防止
することができる。本発明では、通常CMCと称される
CMCナトリウムではなく、構造上及び性質上からも区
別されるCMCアンモニウムが原料組成物として配合さ
れ、最終的な非焼成色鉛筆芯にはこのCMCアンモニウ
ムのアンモニア分子が離脱したCMC酸が結合材として
含有している。
材及び滑材を原料組成物として含み、必要に応じて油脂
及び/又はワックス類を含み、上記結合材としてカルボ
キシメチルセルロース酸を含有してなる非焼成色鉛筆芯
である。従って、本発明の非焼成色鉛筆芯は、原料組成
物として、例えば結合材、着色材、体質材、滑材等が配
合される。
て配合される結合材は、少なくともCMCアンモニウム
を含んでいることが必要である。好適に使用できるCM
Cアンモニウムとしてはダイセル化学工業社製商品名
「DN−100L」を例示できる。CMCアンモニウム
は単独で配合してもよく、また他の結合材と併用しても
よい。
芯の結合材として使用している公知のものを使用できる
が、できれば強度、剛性のある結合材が好ましい。好適
な他の結合材としては、CMCナトリウム、ニトロセル
ロース、メチルセルロース、硝酸セルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレン、アラビアガム及びこれら
の誘導体等を例示することができる。これらは、合成の
ものであっても天然のものであってもよく、これらを単
独で、又は任意に組み合わせて使用することができる。
ウム、ポリビニルアルコール、メチルセルロースなどの
各種水溶性原料を結合材として配合した場合、これらの
原料が水溶性であることから、高湿度下においては書き
味及び着色性が低下し、さらに芯の体積が膨張する点で
好ましくないことは既述の通りである。しかし、これら
をCMC酸と併存させれば、非焼成色鉛筆芯における結
合材全体としての耐水性能は増大することから、高湿度
下における書き味及び着色性、さらには芯の体積膨張防
止の改善効果が認められる。
物全量(固形分)に対して3〜15重量%配合すること
が好ましい。CMCアンモニウムの配合量が少ない場合
は芯状への成形性が低下する一方、過剰に配合した場合
は書き味が低下する点で好ましくない。なお、上記の範
囲の中でも特に5〜10重量%が最適である。また、C
MCアンモニウムは結合材全量に対して60重量%以上
含まれていることが好ましい。この範囲より少ない場合
は高湿度下における書き味及び着色性の向上の点で好ま
しくない。
配合されるものであり、潤滑性、白色度に優れたもので
あることが好ましい。具体的には合成雲母、窒化ホウ
素、フッ化黒鉛等が好適に使用でき、特に合成雲母、窒
化ホウ素が最適である。
これを非焼成色鉛筆芯の滑材として使用した場合、芯に
適度な硬さを与えながら、筆記時においては芯の先端部
が筆記面との摩擦により劈開し、書き味が向上する点で
好ましい。特に、合成雲母の中でも水による膨潤性を持
つ合成雲母が好ましい。また、たとえ水による膨潤性を
持つ合成雲母を用いたとしても、本発明は、CMCナト
リウムと比較して耐水性の高いCMC酸を結合剤として
含有しているため、この点においても、湿度に対して安
定した色鉛筆芯とすることができる。
たフッ素雲母系鉱物を意味し、その構造は例えば天然雲
母の結晶中の結晶水をフッ素で置き換えたものとしてと
らえられる層状化合物であり、その層間で剥離しやすい
劈開性を有する。具体的にはフッ素金雲母、フッ素4ケ
イ素雲母、デニオライトが例示される。また、合成雲母
には非膨潤性のものと膨潤性のものとが存在するが、膨
潤性のものがより好適に使用できる。なお、膨潤性の合
成雲母とは結晶層間に水分子を引き入れて膨れ上がる性
質を有するものである。なお、本発明で好適に使用され
る合成雲母としては例えばトピー工業社製商品名「DM
A−350」が挙げられる。
いが、原料組成物全量(固形分)に対して1〜15重量
%配合することが好ましい。これらの範囲より過剰に含
有してもこれらの範囲より少なすぎても書き味の低下を
招くため好ましくない。
る。また、有機顔料及び無機顔料を問わずこれらを単独
で或いは任意に組み合わせて使用することができる。ま
た、金属粉顔料やパール色の顔料、蛍光顔料も特に問題
なく使用することができる。
して5〜25重量%配合することが好ましい。この範囲
より配合量が少ない場合は発色が十分でなく、この範囲
より過剰に含有した場合は書き味の低下を招くため好ま
しくない。この範囲の中でも特に15〜20重量%が最
適である。
できる。例えば、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、シリカ、アルミナシリケート、カオリン、ベン
トナイトを用いることができる。中でも、タルクを使用
することが好ましい。また、これらは単独でも任意の組
み合わせでも用いることができる。
して60〜80重量%配合することが好ましい。この範
囲より多い場合は芯状への成形性が低下する一方、少な
く配合した場合は書き味が低下するため好ましくない。
するものであり、公知の油脂類及び/又はワックス類が
使用できる。具体的には、流動パラフィン、シリコーン
オイル、α−オレフィンオリゴマー、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、ケトンワックス、
ワセリン、蜜ロウ、牛脂硬化油、木ロウ、カルナウバワ
ックス、ステアリン酸など合成、天然、石油系等を問わ
ずに使用することができる。また、これらのうち単独で
も任意の組み合わせにより用いてもよい。特に、流動パ
ラフィン、シリコーンオイル、ワセリンが最適である。
また、これらをエマルジョンにして使用することもでき
る。
じて配合すればよい。含浸油は芯成形後含浸させる。な
お、含浸油を少なく配合した場合は書き味が低下する点
で好ましくない。
加材として、混練、成形を可能にするため、例えば原料
とほぼ同量の溶剤を添加することができる。溶剤として
は水や各種公知の有機溶剤を使用することができる。溶
剤は原料とともに配合し混練、成形した後乾燥して除去
する。また、香料等各種の添加剤を配合してもよい。
うな工程により製造することができる。まず、各種原料
を混練する。このとき必要に応じて溶剤を添加すること
もできる。混練した原料組成物をプランジャー型、又は
スクリュー型押し出し機で鉛筆芯に押し出し成形する。
溶剤を用いている場合は、その後その溶剤を乾燥(約4
0℃、24時間)除去し、60〜80℃で12時間加熱
後、必要に応じて油脂類及び/又はワックス類を含浸さ
せる。なお、上記製造方法において乾燥工程を特に設け
ず、例えば成形後徐々に昇温させて乾燥と共にアンモニ
ア分子を離脱させる等、一工程で処理してもよい。
比較例の非焼成色鉛筆芯を製造した。表1はいずれも溶
剤(水)を除く原料組成物の配合量(重量%)を示して
いる。
具体的な製造方法は次の通りである。まず、表1に示す
原料組成物を溶剤(水)とともに混練し、その後、水分
約20%でプランジャー型押し出し成形機で3mmφの芯
に成形した後、溶剤を乾燥、除去し、70℃で12時間
加熱後、流動パラフィンを含浸させて非焼成色鉛筆芯を
得た。
は次の通りである。 Na-CMC・・・・カルボキシメチルセルロースナトリウム:ダ
イセル化学工業社製、商品名「ダイセルCMC113
0」 NH4-CMC・・・・カルボキシメチルセルロースアンモニウ
ム:ダイセル化学工業社製、商品名「DN−100L」 タルク・・・・タルク:日本タルク社製、商品名「MICR
OACE P−4」 窒化ホウ素・・・・窒化ホウ素:昭和電工社製、商品名「U
HP−S1」 合成雲母・・・・合成雲母:トピー工業社製、商品名「DM
A−350」ウォッチンク゛レット゛ Sr・・・・顔料ウォッチングレッドSr
(C.I.PR48:3)フタロシアニンフ゛ルー・・・・ 顔料フタロシアニンブルー(C.I.
PB15)ハンサ゛エロー 10G・・・・顔料ハンザエロー10G(C.I.PY
3)
び85%の条件下に1時間放置した上記実施例1〜8及
び比較例1〜3を用いて筆記試験機により温度23℃、
荷重300g、筆記角度70°で250m筆記したとき
の筆記前後でのサンプルの重量を測定し、その差を着色
量(mg)とした。結果は表2に示した。
例1〜3を、温度20℃、湿度65%及び85%の条件
下に1時間放置した後、各サンプルの直径をダイヤルゲ
ージを用いて測定した。結果を表2に示した。数値はm
mである。
非焼成色鉛筆芯を用いて鉛筆を製造し、その書き味の評
価の試験を実施例、比較例の番号をふせて行った。評価
方法は、各実施例及び比較例の非焼成色鉛筆芯を用いた
色鉛筆を製造し、温度20℃、湿度65%と85%の両
条件下において10名のモニターにより画用紙に筆記し
た際の書き味をモニターのフィーリングにより行った。
結果は10名中8名以上が書き味がよいと判断したもの
を○、5名以上7名以下のものがよいと判断したものを
△、4名以下のものがよいと判断したものを×として表
2に示した。
Cアンモニウムを配合した実施例については、色鉛筆芯
としてはCMC酸の形で含有していることから、着色量
及び芯直径とも湿度による変化はみられなかった。一
方、結合材にCMCナトリウムを用いた比較例において
は、高湿度である85%のときには着色量が減少し、湿
度によって着色性の悪化が認められた。また、比較例の
色鉛筆芯では高湿度条件下では芯の直径が増大してお
り、芯が膨張していることが認められた。
組成物全量(固形分)に対して3重量%より少ない場合
は、色鉛筆芯としては実用上使用可能ではあるものの、
芯状への成形性の低下が認められた。また、CMCアン
モニウムの配合量が原料組成物全量(固形分)に対して
15重量%を越えて配合した場合も、色鉛筆芯としては
実用上使用可能ではあるものの、書き味が低下する傾向
が認められた。
4は、滑材に窒化ホウ素を使用した実施例1〜3と比較
して書き味の評価は良好であった。また実施例4は、着
色量及び芯の直径の変化もなく、他の実施例と同様に湿
度による性能の悪化はみられなかった。
滑材を原料組成物として含み、必要に応じて油脂及び/
又はワックス類を含み、上記結合材としてCMC酸を含
有している非焼成色鉛筆芯であるので、高湿度条件下に
おいても着色性及び書き味を損なうことがなく、かつ芯
の膨張をひきおこすことがない。
Claims (7)
- 【請求項1】 結合材、着色材、体質材及び滑材を原料
組成物として含み、必要に応じて油脂及び/又はワック
ス類を含み、上記結合材としてカルボキシメチルセルロ
ース酸を含有してなる非焼成色鉛筆芯。 - 【請求項2】 請求項1のカルボキシメチルセルロース
酸は、カルボキシメチルセルロースアンモニウムを配合
原料として用い、芯成形後加熱してカルボキシメチルセ
ルロースアンモニウムのアンモニア分子を離脱させるこ
とによって得られたカルボキシメチルセルロース酸であ
る請求項1記載の非焼成色鉛筆芯。 - 【請求項3】 カルボキシメチルセルロースアンモニウ
ムが、原料組成物全量(固形分)に対して3〜15重量
%配合されている請求項2記載の非焼成色鉛筆芯。 - 【請求項4】 カルボキシメチルセルロースアンモニウ
ムを含む結合材、着色材及び体質材を含有する原料組成
物を混練し、成型した後、上記カルボキシメチルセルロ
ースアンモニウムのアンモニア分子を離脱させる温度で
加熱する非焼成色鉛筆芯の製造方法。 - 【請求項5】 カルボキシメチルセルロースアンモニウ
ムのアンモニウム分子を離脱させる温度が60〜80℃
である請求項4記載の非焼成色鉛筆芯の製造方法。 - 【請求項6】 カルボキシメチルセルロースアンモニウ
ムを含む結合材、着色材及び体質材を含有する原料組成
物を混練し、成型した後、上記カルボキシメチルセルロ
ースアンモニウムのアンモニア分子を離脱させる温度で
加熱し、その後油脂及び/又はワックス類を含浸させる
非焼成色鉛筆芯の製造方法。 - 【請求項7】 原料組成物を混練、成型した後、さらに
乾燥工程を経て、加熱する請求項4乃至6のいずれかに
記載の非焼成色鉛筆芯の製造方法。
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1998
- 1998-05-27 JP JP16424998A patent/JP3922803B2/ja not_active Expired - Fee Related
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