JP3922807B2 - 非焼成色鉛筆芯 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非焼成色鉛筆芯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の非焼成色鉛筆芯は、着色性を与えるため、その配合成分中にワックス又は油脂類を含んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのワックス又は油脂類は、芯の機械的強度及び成型性を低下させるという問題点がある。特に、消しゴムにより消去可能な色鉛筆では、常温で半固体又は液体のワックス又は油脂類を使用するため、芯の機械的強度及び成型性を低下させる傾向が強い。
【0004】
本発明の目的は、常温で半固体又は液体のワックス又は油脂類を配合しても、着色性の向上とともに、芯の機械的強度及び成型性が向上する非焼成色鉛筆芯を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明は、着色剤、体質材、結合材、及びワックス又は油脂類を含み、さらにH.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤とH.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤を含有する非焼成色鉛筆芯を採用した。そして、中でも、H.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤としてはソルビタン脂肪酸エステル、H.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤としてはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましいことを見いだした。なお、後述する様に、本発明の非焼成色鉛筆芯には、必要に応じて、滑剤を含ませることもできる。
【0006】
本発明は、H.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤とH.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤、中でもH.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステルと、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有してなる非焼成色鉛筆芯であるので、ワックス又は油脂類、特に流動パラフィンが含まれていても、押出成形機による成型性が向上すると共に、芯の機械的強度及び着色量が向上する。
【0007】
この非焼成色鉛筆芯は、何故に芯の機械的強度、成型性及び着色性が向上するかについては明らかではないが、おそらくはH.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤とH.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤、特にH.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステルと、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを併用することによって、ワックス又は油脂類が、原料組成物中に含まれている結合材の固結力を阻害しなくなると共に、顔料表面の濡れが良くなるためと思われる。
【0008】
【発明の実施の形態】
H.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤としては、
トリオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:1.8)、
トリステアリン酸ソルビタン(H.L.B.価:2.1)、
プロピレングリコールモノステアリン酸エステル(H.L.B.価:3.4)
セスキオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:3.7)、
非自己乳化性グリセロールモノステアリン酸エステル(H.L.B.価:3.8)
モノオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:4.3)、
プロピレングリコールモノラウリン酸エステル(H.L.B.価:4.5)
ジエチレングリコールモノステアリン酸エステル(H.L.B.価:4.7)
モノステアリン酸ソルビタン(H.L.B.価:4.7)、
自己乳化性グリセロールモノステアリン酸エステル(H.L.B.価:5.5)
ジエチレングリコールモノラウリン酸エステル(H.L.B.価:6.1)
モノパルミチン酸ソルビタン(H.L.B.価:6.7)
モノラウリン酸ソルビタン(H.L.B.価:8.6)、
等を例示することができる。
【0009】
中でも、トリオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:1.8)、
トリステアリン酸ソルビタン(H.L.B.価:2.1)、
セスキオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:3.7)、
モノオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:4.3)、
モノステアリン酸ソルビタン(H.L.B.価:4.7)、
モノパルミチン酸ソルビタン(H.L.B.価:6.7)
モノラウリン酸ソルビタン(H.L.B.価:8.6)が好ましい。
【0010】
特に、セスキオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:3.7 )が最適である。
【0011】
また、H.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:9.5)
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:9.6)、
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=5モル、H.L.B.価:10.0)、
トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:10.5)、
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:11.0)、
ポリオキシエチレングリコール400モノオレイン酸エステル(H.L.B.価:11.4)、
ポリオキシエチレングリコール400モノステアリン酸エステル(H.L.B.価:11.6)、
ポリオキシエチレンノニルフェニル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=9モル、H.L.B.価:13.0)、
ポリエチレングリコール400モノラウリン酸エステル(H.L.B.価:13.1)、
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:13.3)、
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:14.9)、
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.0)、
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.3)、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.4)、
モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.6)、
ポリオキシエチレンセチルエーテル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.7)、
ポリオキシエチレンステアリン酸エステル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=30モル、H.L.B.価:16.0)、
ポリオキシエチレンステアリン酸エステル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=40モル、H.L.B.価:16.9)、
ポリオキシエチレンステアリン酸エステル(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=100モル、H.L.B.価:18.8)
を例示することができる。
【0012】
中でも、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:9.6)、
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=5モル、H.L.B.価:10.0)、
トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:10.5)、
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:11.0)、
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=4モル、H.L.B.価:13.3)、
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:14.9)、
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.0)、
モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.6)、
が好ましい。
【0013】
また特に、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.0)が最適である。
【0014】
従って、上述より、本発明では、セスキオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:3.7 )とモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.0)が最も好ましい組み合わせである。
【0015】
そして、かかる組み合わせにおいて最も好ましい配合比率について検討した結果、セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)との配合比率は、前者0.65〜0.7に対して後者を0.35〜0.3とすることが好適であり、特に前者0.67に対して後者を0.33、すなわちほぼ2対1に設定することが最適であるとを見いだした。
【0016】
セスキオレイン酸ソルビタンが0.65未満のとき、すなわちモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)が0.35を越える場合は、着色性の向上はみられるものの、機械的強度及び成型性において必ずしも十分な改善はみられない。一方、セスキオレイン酸ソルビタンが0.7を越える場合、即ちモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)が0.3未満の場合も、着色性の向上はみられるものの、機械的強度及び成型性において必ずしも十分な改善効果はみられない。これは、これらの界面活性剤により、顔料表面の濡れは良くなるが、当該2種の界面活性剤を混合したときのH.L.B.価が適切ではないためと思われる。
【0017】
また、H.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステルと、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、両者併せて少なくとも1重量%以上配合することが望ましい。特に、セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)とは両者併せて少なくとも1重量%以上配合することが最適である。両者が1重量%未満の場合は、着色性、機械的強度及び押出成型機による成型性が低下する。
【0018】
また、H.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステルと、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、特にセスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)とを両者併せて10重量%を越えて配合した場合は、描き味が低下する。
【0019】
本発明で使用する結合材としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCナトリウム)、カルボキシメチルセルロースアンモニウム(CMCアンモウニウム)、カルボキシメチルセルロース酸(CMC酸)、メチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、アラビアガム、メチルヒドロキシエチルセルロース等のほか、公知の結合材を使用することができる。中でも、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCナトリウム)、メチルヒドロキシエチルセルロースが好適に用いられる。これらは単独または組み合わせて使用することができる。その配合量は、原料組成物(固形分)全量に対して3〜15重量%、好ましくは4〜6重量%である。結合材が原料組成物(固形分)全量の15重量%より過剰である場合には描き味が低下し、また原料組成物(固形分)全量の3重量%より過小に配合された場合には機械的強度が低下すると共に芯状への成形性が低下する。
【0020】
また、上記結合材の中でも、カルボキシメチルセルロース酸(CMC酸)を含有してなる非焼成色鉛筆芯は、カルボキシメチルセルロース酸が水不溶性であることから、高湿度下でも、書き味及び着色性の低下を阻止することができ、また芯の膨張を防止して木軸の割れなどの発生を防止することができる点で好ましい。
【0021】
但し、このカルボキシメチルセルロース酸は、水不溶性であることから、原料組成物自体に直接配合させた場合、非焼成色鉛筆芯における結合材として適切な機能を発揮しない。従って、カルボキシメチルセルロース酸を含有してなる非焼成色鉛筆芯は、例えば、原料組成物中にまずカルボキシメチルセルロースアンモニウムを配合し、その後カルボキシメチルセルロースアンモニウムを加熱することによってカルボキシメチルセルロースアンモニウムのアンモニア分子を離脱させ、これによって得られる。
【0022】
着色剤は、通常使用されている無機顔料、有機顔料のいずれも単独で又は組み合わせて使用することができる。また、パール顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等も使用できる。その配合量は、原料組成物(固形分)全量に対して5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%である。上記配合量が原料組成物(固形分)全量の25重量%より過剰であると描き味が低下し、5重量%より過小であると発色が必ずしも十分でない。
【0023】
体質材としては、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナシリケート、カオリン、ベントナイト等を例示することができる。そしてこれらの中から適宜選択して単独で又は組み合わせて使用できる。なお、タルクが体質材として最適である。体質材の配合量は、原料組成物(固形分)全量の60〜80重量%、好ましくは65〜75重量%である。体質材の配合量が原料組成物(固形分)全量の80重量%より過剰であると芯状への成型性が低下し、60重量%より過小であると描き味が低下する。
【0024】
ワックス又は油脂類は、例えば、流動パラフィン、シリコーンオイル、α−オレフィンオリゴマー、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ケトンワックス、ワセリン、蜜ロウ、牛脂硬化油、木ロウ、カルナウバワックス、ステアリン酸等を例示することができる。ワックス又は油脂類は、合成、天然を問わずこれらを単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0025】
消しゴムにより消去可能な色鉛筆としては、常温で半固体又は液体であるワックス又は油脂類を使用することが望ましい。例えば、流動パラフィンなどである。
【0026】
ワックス又は油脂類は、着色性を与えるために配合されるものであるが、特にその配合量は原料組成物(固形分)全量に対して3〜10重量%であることが望ましい。3重量%未満の場合は描き味及び着色性が低下し、10重量%を越えると芯状への成型性が低下し、機械的強度が得にくい。
【0027】
なお、必要に応じて、滑剤を配合することもできる。滑剤は、書き味の滑らかさを与えるために配合されるものであり、潤滑性、白色度に優れたものであることが好ましい。具体的には合成雲母、窒化ホウ素、フッ化黒鉛等を好適に使用することができ、特に合成雲母、窒化ホウ素が最適である。
【0028】
特に、合成雲母は、劈開性に優れており、これを非焼成色鉛筆芯の滑剤として使用した場合、芯に適度な硬さを与えながら、筆記時においては芯の先端部が筆記面との摩擦により劈開し、書き味が向上する点で好ましい。特に、合成雲母の中でも水による膨潤性を持つ合成雲母が好ましい。また、たとえ水による膨潤性を持つ合成雲母を用いたとしても、CMCナトリウムと比較して耐水性の高いCMC酸を結合材として含有した場合、湿度に対して安定した色鉛筆芯とすることができる。
【0029】
ここでいう合成雲母とは、人工的に合成したフッ素雲母系鉱物を意味し、その構造は例えば天然雲母の結晶中の結晶水をフッ素で置き換えたものとしてとらえられる層状化合物であり、その層間で剥離しやすい劈開性を有する。具体的にはフッ素金雲母、フッ素4ケイ素雲母、デニオライトが例示される。また、合成雲母には非膨潤性のものと膨潤性のものとが存在するが、膨潤性のものがより好適に使用できる。なお、膨潤性の合成雲母とは結晶層間に水分子を引き入れて膨れ上がる性質を有するものである。なお、本発明で好適に使用される合成雲母としては例えばトピー工業社製商品名「DMA−350」が挙げられる。
【0030】
滑剤、特に合成雲母の配合量は限定されないが、原料組成物全量(固形分)に対して1〜15重量%配合することが好ましい。これらの範囲より過剰に含有してもこれらの範囲より少なすぎても書き味の低下を招くため好ましくない。
【0031】
なお、本発明の非焼成色鉛筆芯は、例えば、ワックス又は油脂類に、H.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステル、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び水を配合して、ワックス又は油脂類のO/W型エマルジョンとなし、このO/W型エマルジョンを、着色剤、体質材、結合材及び溶剤を含む組成物に加えて混練し、この混練された原料組成物をプランジャー型又はスクリュー型の押出成型機により押し出し成型した後、前記水を乾燥除去して得られるものである。
【0032】
但し、上記の通りあらかじめO/W型エマルジョンとして調製せずに、ワックス又は油脂類と、H.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステルと、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを、着色剤、体質材、結合材及び溶剤を含む組成物に加えて混練し、この混練された原料組成物をプランジャー型又はスクリュー型の押出成型機により押し出し成型した後、前記水を乾燥除去して得ることもできる。
【0033】
【実施例】
次の製法により、表1に示す原料組成物を用いて本発明の実施例及び比較例に係る非焼成色鉛筆芯を得た。
【0034】
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCナトリウム、ヘキスト社製、商品名「Tylose C30」)、タルク(日本タルク社製、商品名「MICROASE P-4」)、顔料としてC.I.PR48:3(野間化学社製、商品名「レッドSR-200P」)及び合成マイカ(トピー工業社製、商品名「DMA-350」)からなる組成物を、溶剤とともにニーダーで混練した。溶剤は当該組成物と約同量の水を用いた。
【0035】
次に、この水によって混練された組成物に、流動パラフィン(三光化学社製、商品名「ホワイトミネラルオイル」)、セスキオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:3.7、日光ケミカルズ社製、商品名「SO−15」)及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.0、日光ケミカルズ社製、商品名「TO−10」)を加えて同じくニーダーで混練した後、水分12%以下でプランジャー型押出成型機によって直径約3mmの色鉛筆芯に押し出し成型した後、前記水を乾燥除去して、非焼成色鉛筆芯を得た。
【0036】
【表1】
Figure 0003922807
【0037】
なお、実施例2は、実施例1と同じ原料組成物の配合成分であるが、他の実施例及び比較例と異なり、あらかじめ以下のO/Wエマルジョンを調製して、これを着色剤、体質材、結合材及び溶剤を含む組成物に加えた後混練し、この混練された原料組成物を水分12%以下でプランジャー型の押出成型機により押し出し成型した後、前記水を乾燥除去して非焼成色鉛筆芯を得ている。
【0038】
この実施例2のO/Wエマルジョンの調製については次の通りである。
まず、次の表2に示す配合によって、流動パラフィン(三光化学社製、商品名「ホワイトミネラルオイル」)、セスキオレイン酸ソルビタン(H.L.B.価:3.7、日光ケミカルズ社製、商品名「SO−15」)及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル、H.L.B.価:15.0、日光ケミカルズ社製、商品名「TO−10」)を混合し、80℃に加熱する。次に、この80℃に加熱された混合液に、同じく80℃に加熱した電導度が2.0μs/cmである水を少しずつ加え、攪拌しながら室温まで放冷し、O/Wエマルジョンを得る。
【0039】
【表2】
Figure 0003922807
【0040】
次に、表1に示す実施例及び比較例に示す非焼成色鉛筆芯について、機械的強度、着色性及び成型性についてそれぞれ評価した。
【0041】
(機械的強度)
機械的強度は、JIS S 6005に準拠して曲げ強度を測定した。すなわち、両支点間に支持した色鉛筆芯の中央部に荷重を加えて、芯が折損したときの荷重を測定し、JIS 試験法に定められた計算式に代入して行った。評価は算出された曲げ強さの値(MPa)で行った。数値が大きい程曲げ強度が大きく芯折れし難いことを示している。
【0042】
(着色性)
10名のモニターを用いて、各実施例、比較例の番号を隠した色鉛筆を使って画用紙に筆記し、その着色性の良さを評価した。その結果、10名中10名の者が着色がよいと判断したものを◎、9名から8名の者が着色がよいと判断したものを○、7名から5名の者が書き味がよいと判断したものが△、よいと判断した者が4名以下のものを×とし、前記表1に示した。
【0043】
(成型性)
成型中もしくは乾燥中に、成型した芯の40%以上がバラバラに破損してしまったものは×、破損してしまった芯が40%未満〜35%以上のものは△、35%未満のものは○とした。
【0044】
表1より、セスキオレイン酸ソルビタン及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンを含まない従来の色鉛筆芯である比較例1と比較して、セスキオレイン酸ソルビタン及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンを含む実施例1〜9の色鉛筆芯はいずれも着色性、機械的強度及び成型性において向上が認められる。
【0045】
特に、セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンの配合比率が、前者0.65〜0.7に対して後者0.35〜0.3の実施例1〜5は、着色性、機械的強度及び成型性において顕著な向上が認められた。
【0046】
これに対して、セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンの配合比率が、前者0.9に対して後者0.1である実施例6と、前者0.5に対して後者0.5である実施例7はいずれも、着色性の向上は認められるものの、機械的強度及び成型性の顕著な向上は認められなかった。
【0047】
また、セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンとの合計の配合量が1重量%未満である実施例8は、着色性、機械的強度及び成型性の顕著な向上は認められなかったが、同配合量が1重量%以上の実施例はいずれも、着色性、機械的強度及び成型性の顕著な向上が認められた。一方、セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンとを過剰に配合した実施例9は、着色性が悪化した。
【0048】
【発明の効果】
以上の通り、本発明は、着色剤、体質材、結合材、及びワックス又は油脂類を含み、さらにH.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤とH.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤、好ましくはH.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステルとH.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、更に好ましくはセスキオレイン酸ソルビタンとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)を含有する非焼成色鉛筆芯であるので、流動パラフィンなどの常温で半固体又は液体のワックス又は油脂類を使用しても、着色性の向上とともに、芯の機械的強度及び成型性も同時に向上する。

Claims (13)

  1. 着色剤、体質材、結合材、及びワックス又は油脂類を含み、さらにH.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤とH.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤を含有する非焼成色鉛筆芯。
  2. H.L.B.価が1以上〜9未満の界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステルであり、H.L.B.価が9以上〜20以下の界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである請求項1記載の非焼成色鉛筆芯。
  3. H.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステルはセスキオレイン酸ソルビタンであり、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンである請求項1又は2記載の非焼成色鉛筆芯。
  4. モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンのエチレンオキサイド鎖の付加モル数nは、n=20モルである請求項3記載の非焼成色鉛筆芯。
  5. セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)との配合比率は、前者が0.65〜0.7であるのに対して後者は0.35〜0.3である請求項3又は4記載の非焼成色鉛筆芯。
  6. セスキオレイン酸ソルビタンと、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド鎖の付加モル数n=20モル)との配合比率は、前者が2であるのに対して後者は1である請求項5記載の非焼成色鉛筆芯。
  7. ワックス又は油脂類として、常温で半固体又は液体のワックス又は油脂類を含有する、消しゴムにより消去可能である請求項1乃至6のいずれかに記載の非焼成色鉛筆芯。
  8. 着色剤、体質材及び結合材を含む組成物に水を加えて混練し、この混練された組成物に、ワックス又は油脂類とともに、H.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステル及びH.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを加えて混練し、この混練された原料組成物を押し出し成型した後、前記水を乾燥除去して得られる非焼成色鉛筆芯。
  9. ワックス又は油脂類に、H.L.B.価が1以上〜9未満のソルビタン脂肪酸エステル、H.L.B.価が9以上〜20以下のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び水を配合して、ワックス又は油脂類のO/W型エマルジョンとなし、このO/W型エマルジョンを、着色剤、体質材及び結合材を含む組成物に加えて混練し、この混練された原料組成物を押し出し成型した後、前記水を乾燥除去して得られる非焼成色鉛筆芯。
  10. さらに、滑剤を含有してなる請求項1乃至9のいずれかに記載の非焼成色鉛筆芯。
  11. 滑剤が合成雲母である請求項10記載の非焼成色鉛筆芯。
  12. 結合材としてカルボキシメチルセルロース酸を含有してなる請求項1乃至11のいずれかに記載の非焼成色鉛筆芯。
  13. カルボキシメチルセルロース酸は、カルボキシメチルセルロースアンモニウムを配合原料として用い、芯成形後加熱してカルボキシメチルセルロースアンモニウムのアンモニア分子を離脱させることによって得られたカルボキシメチルセルロース酸である請求項12記載の非焼成色鉛筆芯。
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