JP3053542B2 - 高分子量不飽和ポリエステルの製造方法 - Google Patents

高分子量不飽和ポリエステルの製造方法

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JP3053542B2 JP7077921A JP7792195A JP3053542B2 JP 3053542 B2 JP3053542 B2 JP 3053542B2 JP 7077921 A JP7077921 A JP 7077921A JP 7792195 A JP7792195 A JP 7792195A JP 3053542 B2 JP3053542 B2 JP 3053542B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
ス(FRP)、ゲルコート、塗料、注型、SMC、BM
C等の各種分野に有用な、耐煮沸水性、耐薬品性等に優
れた高分子量不飽和ポリエステルの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂(本明細書中に
おいては、混同を避けるために、モノマーを併用したタ
イプに“樹脂”を付け、モノマーを併用しないタイプ
を、単に“不飽和ポリエステル”という)は、優れた成
形性、機械的強度、化学的、物理的、電気的特性を有す
ることが知られている。そのため、この不飽和ポリエス
テル樹脂は、浴槽、ユニットバス、漁船、タンク、ハウ
ジング等に用いられるFRPとして、塗料、注型、レジ
ンコンクリート等に用いられる非FRPとして、さらに
はSMC、BMCの成形材料として、広く使用されてい
る。
【0003】このように不飽和ポリエステル樹脂の用途
は多岐にわたっているが、浴槽等の水の関与する用途の
場合、とくに重視される性能は耐煮沸水性および耐薬品
性である。
【0004】不飽和ポリエステル樹脂の製造原料は、多
塩基酸成分および多価アルコール成分等であるが、その
種類は数多く存在し、選択される成分により、得られる
樹脂の品質・性質も大きく変化し、また原料コストも大
きく変動する。一般的に広く使用されている不飽和ポリ
エステル樹脂は、マレイン酸やフマル酸等のα,β−不
飽和多塩基酸またはその無水物成分、無水フタル酸等の
飽和多塩基酸成分、プロピレングリコールやエチレング
リコール等の多価アルコール成分を用いて調製した、オ
ルソ系と呼ばれる樹脂である。このオルソ系樹脂は、原
料コストが低いので汎用されているが、耐煮沸水性が高
度なものではなく用途に限界がある。そのために浴槽等
の耐煮沸水性が要求される分野には、例えば無水フタル
酸をイソフタル酸に置換したイソ系と呼ばれている樹脂
が使用されている。さらに高度な耐煮沸水性を必要とす
る分野には、多価アルコール成分としてネオペンチルグ
リコールや、水素化ビスフェノール等を用いた樹脂が使
用されているが、耐煮沸水性を向上させるにつれて原料
コストが高くなるという問題がある。
【0005】そこで本発明者らは、コストの高い原料を
用いることなく、耐煮沸水性を向上することのできる不
飽和ポリエステルの製造方法を先に提案した(特開平6-
200002号公報)。この製造方法は、各種原料のエステル
化反応時、酸価が90〜25になった時点で反応系を1
0トール以下に減圧し、未反応の多価アルコール成分を
除去することを特徴とするものである。また、エステル
化反応の後は、分子量を高めるために、さらなる高減圧
下で脱グリコール反応することが好ましいとされてい
る。この製造方法によれば、オルソ系でもイソ系と同等
以上の耐煮沸水性を有するようになり、イソ系の場合は
さらに一層の耐煮沸水性が付与され、コストダウンが図
れ有用なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術の製造方法は、エステル化反応時および/また
は脱グリコール反応時に高い度合の減圧状態を必要とし
ており、このような高減圧にするためには、真空ポンプ
の高容量化、反応系の高気密化等の設備の変更が必要に
なり、いまだコスト的に改善の余地がある。本発明者ら
は上記のような従来の課題を解決し、従来技術よりもさ
らに低いコストで、しかも耐煮沸水性および耐薬品性等
に優れた高分子量不飽和ポリエステルの製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、ある特定の飽和多塩基酸またはその無水物成分を
特定割合で使用することにより、従来技術のような高減
圧状態を用いることなく、耐煮沸水性および耐薬品性等
に優れた高分子量不飽和ポリエステルが得られることを
見いだし、本発明を完成することができた。
【0008】すなわち本発明は、α,β−不飽和多塩基
酸またはその無水物成分および飽和多塩基酸またはその
無水物成分の酸成分と、多価アルコール成分とをエステ
ル化反応し、脱グリコール反応するステップを包含する
高分子量不飽和ポリエステルの製造方法において、該
α,β−不飽和多塩基酸またはその無水物成分および該
飽和多塩基酸またはその無水物成分の酸成分の全体に対
し、該飽和多塩基酸またはその無水物成分として、無水
フタル酸が10〜70モル%使用され、該エステル化反
応が、該飽和多塩基酸またはその無水物成分および多価
アルコール成分をエステル化反応率60%以上になるま
で反応させる1段目反応と、該1段目反応の反応系に該
α,β−不飽和多塩基酸またはその無水物成分を添加し
さらに反応させる2段目反応とからなり、該2段目反応
における反応系の酸価が90〜15となった時点で、圧
力を93hPa〜7hPaに減圧し、脱グリコール反応
を行い、数平均分子量を3,500以上にすることを特
徴とする、高分子量不飽和ポリエステルの製造方法を提
供するものである。
【0009】また本発明は、無水フタル酸が30〜60
モル%使用される、前記の製造方法を提供するものであ
る。
【0010】さらに本発明は、エステル化反応率が80
%以上まで1段目反応を続ける、前記の製造方法を提供
するものである。
【0011】さらにまた本発明は、反応系の酸価が70
〜40となった時点で、圧力を60〜7hPaに減圧し
て脱グリコール反応を行う、前記の製造方法を提供する
ものである。
【0012】また本発明は、前記の製造方法によって得
られた高分子量不飽和ポリエステルに、これと共重合可
能なモノマーを配合することを特徴とする、不飽和ポリ
エステルの製造方法を提供するものである。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (飽和多塩基酸またはその無水物成分)本発明で使用さ
れる飽和多塩基酸またはその無水物成分は、無水フタル
酸を使用することが必須であり、ここに本発明の一つの
特徴がある。無水フタル酸の使用割合は、α,β−不飽
和多塩基酸またはその無水物成分および該飽和多塩基酸
またはその無水物成分の酸成分の全体に対し、10〜7
0モル%であり、好ましくは30〜60モル%がよい。
無水フタル酸の使用割合がこの範囲内であることによ
り、低い減圧の度合の脱グリコール反応でも数平均分子
量が所望の値、すなわち3,500以上に増大可能であ
る。なお、無水フタル酸以外の飽和多塩基酸またはその
無水物を併用することも可能であり、例えば、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸等を併用す
ることができる。以下、無水フタル酸と、必要に応じて
併用される他の飽和多塩基酸またはその無水物を、特記
しないかぎり、単に“飽和多塩基酸成分”という。
【0014】(α,β−不飽和多塩基酸またはその無水
物成分)本発明で使用できるα,β−不飽和多塩基酸ま
たはその無水物成分は、とくに制限されないが、例えば
無水マレイン酸、フマル酸等が一般的に用いられる。
【0015】(多価アルコール成分)本発明で使用でき
る多価アルコール成分は、製造コストが高くならないこ
とを勘案して適宜選択することができるが、その例とし
ては、1013hPa(1気圧、760mmHg)におけ
る沸点が320℃以下のグリコール成分を用いることが
好ましく、例えばエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA
等が挙げられる。なお、1013hPaにおけるおける
沸点が320℃より高い多価アルコール成分も必要に応
じて併用することができるが、一般的にこのような成分
を多量に用いると、低い度合の減圧下での脱グリコール
反応に悪影響を及ぼす可能性があり、従って、その使用
割合は、多価アルコール成分全体に対し、30重量%以
下が好ましい。
【0016】(3成分の使用割合)無水フタル酸の使用
割合が、α,β−不飽和多塩基酸またはその無水物成分
および該飽和多塩基酸成分の全体に対し、10〜70モ
ル%であれば、α,β−不飽和多塩基酸またはその無水
物成分、飽和多塩基酸成分および多価アルコール成分の
使用割合は、とくに制限されるものではなく、適宜決定
される。しかしながら、得られる不飽和ポリエステルの
物性等を勘案すると、α,β−不飽和多塩基酸またはそ
の無水物成分の使用割合は、通常、全酸成分において7
0〜40モル%使用される。
【0017】(エステル化反応)本発明においては、上
記3成分のエステル化反応を、合計2段の反応により行
うことにも特徴がある。 1段目反応 1段目反応は、飽和多塩基酸成分と多価アルコール成分
とのエステル化反応からなる。この1段目反応は、例え
ば窒素を流入しながら、両成分が反応水を共に溜出しな
い程度の温度から徐々に昇温することによりエステル化
を進めていくものである。最高反応温度は、例えば20
0〜215℃程度であり、両成分のエステル化反応率が
60%以上、好ましくは80%以上までエステル化す
る。反応率が60%未満であると、得られる不飽和ポリ
エステルの耐煮沸水性が劣る場合がある。
【0018】2段目反応 2段目反応は、該1段目反応で飽和多塩基酸成分と多価
アルコール成分とのエステル化反応率の60%以上にな
った時点で、反応系にα,β−不飽和多塩基酸またはそ
の無水物成分を添加し、例えば窒素を流入しながら徐々
に昇温して180〜230℃に加熱し、反応系の酸価が
90〜15、好ましくは70〜40になるまでエステル
化反応を続けることからなる。2段目反応における酸価
をこのように規定した理由としては、脱グリコール反応
は末端水酸基間の反応であり、脱グリコール反応のみを
考えれば酸価は低いほうが望ましく(例えば酸価15未
満)、また脱グリコール反応前のポリエステルプレポリ
マーの分子量は大きいほうが脱グリコール反応での分子
量の上昇が速くなり望ましいのであるが、酸価を15未
満にするためには、多価アルコールの添加率を多くし
て、且つ反応時間を長くしなければならず、これにより
コスト高になるからである。また酸価が90を超える
と、ポリエステルプレポリマーの分子量がいまだ小さい
こと、さらに未反応の多価アルコール成分の減圧時の溜
出が多くなり、多価アルコール成分不足となる。さらに
また、脱グリコール時の減圧反応ではエステル化反応も
並行して行われることも考慮すると、酸価90〜15、
好ましくは70〜40に規定される。
【0019】このように本発明において2段階にわたる
エステル化反応を行う理由は、無水フタル酸の多価アル
コール成分との反応性が、α,β−不飽和多塩基酸また
はその無水物成分のそれよりも低く、仮に全成分を同時
にエステル化反応すると、無水フタル酸または併用の飽
和多塩基酸成分の未反応物が多くなり、これにより耐煮
沸水性が低下するからである。1段目のエステル化反応
により、無水フタル酸または併用の他の飽和多塩基酸成
分と、多価アルコール成分とが効率よく反応し、次に2
段目の反応としてα,β−不飽和多塩基酸またはその無
水物成分を添加することにより、得られる不飽和ポリエ
ステルの数平均分子量が増大し、ひいては耐煮沸水性お
よび耐薬品性が向上することになる。
【0020】(脱グリコール反応)本発明においては、
上記エステル化反応で反応系の酸価が90〜15になっ
た後、続いて脱グリコール反応が行われる。脱グリコー
ル反応は、触媒の存在下、温度180〜230℃、好ま
しくは190〜215℃で、不飽和ポリエステルの数平
均分子量が3,500以上の所望の分子量になるまで、
通常2〜6時間、圧力93〜7hPa、好ましくは60
〜7hPaの減圧下で行われる。このとき、圧力が93
hPaを超えると、分子量の上昇が遅く、逆に7hPa
未満では前記のごとく設備費の増大を招くので好ましく
ない。触媒としては、チタンの有機化合物、例えばテト
ライソプロピルチタネート、チタンのアセチルアセトネ
ート;亜鉛の有機塩類、例えば酢酸亜鉛;錫化合物、例
えばジブチル錫オキサイド;アンチモンの無機化合物、
例えば三酸化アンチモン等を使用することができる。そ
の使用量は、上記3成分の仕込み量100重量部に対し
て、0.01重量部以上、好ましくは0.05〜0.2重
量部がよい。前記触媒の添加時期は、脱グリコール反応
開始時に添加するのが望ましいが、これらの触媒は、エ
ステル化反応触媒としても使用できるので、エステル化
反応開始時に添加してもよい。
【0021】(不飽和ポリエステル樹脂)上記のように
して得られた不飽和ポリエステルをモノマーに溶解し
て、不飽和ポリエステル樹脂が得られる。使用できるモ
ノマーは、例えばスチレンが代表的であるが、ビニルト
ルエン、メタクリル酸メチル、ジアリルフタレート、ジ
アリルテレフタレートプレポリマー等を用いることがで
きる。
【0022】
【作用】従来の不飽和ポリエステルのエステル化反応に
おいては、窒素を流入しながら180〜230℃で縮合
水を分溜除去しながらエステル化反応を進め、酸価が9
0以下になった時点で93〜53hPaに減圧し、さら
に縮合水の除去を促進して分子量を増大しているが、数
平均分子量は3,500未満で平衡になり、さらに反応
を進めると重量平均分子量のみが増大してゲル化に至
る。分子量を高めることは、ひいては耐煮沸水性および
耐薬品性も高めることにもなる。そこで本発明者らは、
前記のように、コストの高い原料を用いずに、高減圧条
件下での脱グリコール反応により、ゲル化を起こさずに
数平均分子量を高め、耐煮沸水性を改善する方法を見い
だしたが、高減圧化に基づくコスト高の課題を解決する
必要が生じた。本発明者らは、飽和多塩基酸成分として
無水フタル酸を特定割合で使用すれば、従来技術のよう
な高減圧条件を用いることなく、耐煮沸水性および耐ア
ルカリ性等の耐薬品性等に優れた高分子量不飽和ポリエ
ステルが得られることを見いだし、本発明を完成するこ
とができた。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。参考例 1 撹拌機、温調機、分溜コンデンサー、溜出物捕集トラッ
プ、マノメータ、真空ポンプ、窒素導入管を付した2リ
ットルの4口セパラブルフラスコに、プロピレングリコ
ール479g(6.3モル)、無水フタル酸444g(3.
0モル)および無水マレイン酸294g(3.0モル)を
仕込み、窒素を流入しながら徐々に昇温させた。180
℃で反応水が出始めたが、徐々に昇温して215℃で温
度を保持し、エステル化反応を行った。酸価が58にな
った時点で、40hPaに減圧し、この減圧状態を2時
間保持した。このときの不飽和ポリエステルは、数平均
分子量2,000、重量平均分子量4,500、酸価は2
8であった。続いて、反応系の温度を170℃に降下し
てハイドロキノン0.18gおよびスチレンモノマー73
0g(40%)を添加し均一に溶解し、不飽和ポリエス
テル樹脂を得た。
【0024】参考例 2 エステル化反応における酸価が60になった時点で三酸
化アンチモン1.1gを添加し、40hPaに減圧し、2
15℃で2.5時間反応させたこと以外は、参考例1を
繰り返した。数平均分子量3,800、重量平均分子量
25,200、酸価15の不飽和ポリエステルが得られ
た。続いて、反応系の温度を170℃に降下してハイド
ロキノン0.18gおよびスチレンモノマー730g(4
0%)を添加し均一に溶解し、不飽和ポリエステル樹脂
を得た。
【0025】実施例 1 参考例1で用いた2リットルの4口セパラブルフラスコ
に、プロピレングリコール479g(6.3モル)および
無水フタル酸444g(3.0モル)を仕込み、窒素を流
入しながら徐々に昇温した。176℃で反応水が出始め
たが、徐々に昇温して205℃まで温度を上げ、酸価
2.6になるまでエステル化反応を行った。この時点の
エステル化反応率は、99.3%であった(1段目反
応)。温度を130℃に降下させ無水マレイン酸294
g(3.0モル)を仕込み徐々に昇温した。183℃で反
応水が出始めたが温度を215℃まで昇温して、この温
度を保持した(2段目反応)。酸価が58になった時点
で、温度を190℃に降下させ、ハイドロキノン0.2
g、三酸化アンチモン2.2gを添加し、13hPaに減
圧し、この条件で6時間反応させた。数平均分子量4,
600、重量平均分子量18,000、酸価は9.6の不
飽和ポリエステルが得られた。続いてスチレンモノマー
(40%)を添加し均一に溶解し、不飽和ポリエステル
樹脂を得た。
【0026】実施例 2 実施例1と同様に1段目反応を行い、酸価60(エステ
ル化反応率84.5%)で温度を130℃に降下させ無
水マレイン酸294g(3.0モル)を仕込み徐々に昇温
した。183℃で反応水が出始めたが温度を215℃ま
で昇温して、この温度を保持した(2段目反応)。酸価
が58になった時点で、温度を190℃に降下させ、ハ
イドロキノン0.2g、三酸化アンチモン2.2gを添加
し、40hPaに減圧し、215℃で2時間反応させ
た。さらに温度を190℃に降下させてさらに3時間反
応させた。数平均分子量4,300、重量平均分子量2
1,100、酸価は8.4の不飽和ポリエステルが得られ
た。続いてスチレンモノマー(40%)を添加し均一に
溶解し、不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0027】実施例 3 実施例1と同様に1段目反応を行い、酸価51(エステ
ル化反応率86.8%)で温度を130℃に降下させ無
水マレイン酸294g(3.0モル)を仕込み徐々に昇温
した。183℃で反応水が出始めたが温度を215℃ま
で昇温して、この温度を保持した(2段目反応)。酸価
が58になった時点で、ハイドロキノン0.2g、三酸化
アンチモン2.2gを添加し、80hPaに減圧し、21
5℃で2時間反応させた。さらに温度を190℃に降下
させてさらに3時間反応させた。数平均分子量4,10
0、重量平均分子量23,800、酸価は17の不飽和
ポリエステルが得られた。続いてスチレンモノマー(4
0%)を添加し均一に溶解し、不飽和ポリエステル樹脂
を得た。
【0028】実施例 4 参考例1で用いた2リットルの4口セパラブルフラスコ
に、プロピレングリコール479g(6.3モル)および
無水フタル酸355g(2.4モル)を仕込み、窒素を流
入しながら徐々に昇温した。184℃で反応水が出始め
たが、徐々に昇温して197℃まで温度を上げ、酸価5
3になるまでエステル化反応を行った。この時点のエス
テル化反応率は、84.4%であった(1段目反応)。
温度を130℃に降下させ無水マレイン酸353g(3.
6モル)を仕込み徐々に昇温した。193℃で反応水が
出始めたが温度を215℃まで昇温して、この温度を保
持した(2段目反応)。酸価が56になった時点でハイ
ドロキノン0.2g、三酸化アンチモン2.2gを添加し、
40hPaに減圧し、215℃で1.5時間反応させ、
さらに温度を190℃に降下させ3時間反応させた。数
平均分子量4,200、重量平均分子量25,200、酸
価は13.0の不飽和ポリエステルが得られた。続いて
スチレンモノマー(40%)を添加し均一に溶解し、不
飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0029】(酸価の測定方法)酸価の測定方法は、J
IS K6901に規定されている。この方法では無水
酸は1価酸として測定される。本発明における酸価は無
水酸を2価酸として測定する以下の方法である。例えば
ピリジン10gに水2gを添加して、試料を1g入れ、9
0℃で10分加温して無水酸を開環して測定する。開環
の操作以外は上記JIS法と同じである。
【0030】(分子量の測定)本明細書における数平均
分子量および重量平均分子量は、以下のGPC条件によ
り測定したものである。 測定器:昭和電工社製SYSTEM11; カラム:Shodex、KF805、803および80
2各1本の合計3本; 分子量:ポリスチレン換算、計算範囲は分子量260以
下をカット。
【0031】上記の参考例および実施例で得られた各不
飽和ポリエステル樹脂について、耐煮沸水性および耐ア
ルカリ性を測定した。測定条件を以下に記す。
【0032】(測定用テストピースの調製)各参考例ま
たは実施例で得られた不飽和ポリエステル樹脂100g
に、スチレンモノマー20g、ジメチルアニリン0.04
g、ナフテン酸コバルト0.5gを添加し、均一に混合
し、パーメックN(メチルエチルケトンパーオキサイ
ド)1.2gを添加して脱泡した。得られた樹脂を3mm間
隙のガラス板に注型して室温で硬化させた後、110℃
で2時間の後硬化を行った。サイズを25×80mmに切
断して、その断面を400番のペーパーで研磨して測定
用テストピースとした。
【0033】(耐煮沸水性の測定)コンデンサー付の5
リットルのフラスコに、水道水4リットルを入れ、マン
トルヒーターで加熱して沸騰させた。この中に前記測定
用テストピースを各5枚入れ煮沸した。スタークラック
を発生し始めた時間を耐煮沸水性とした。
【0034】(耐アルカリ性の測定)コンデンサー付の
5リットルのステンレス製フラスコに、10%の苛性ソ
ーダ溶液を入れ、99℃に温度を調整した保持した。測
定用テストピースを各3枚入れて一定時間毎に取り出し
て水道水で冷却してバーコル硬度(934−1)を測定
した。
【0035】(測定結果)表1に耐煮沸水性の測定結果
を、図1に耐アルカリ性の測定結果を示した。なお、図
1中のイソ系樹脂とは、昭和高分子社製のリゴラック2
141であり、使用原料は、多価アルコール成分として
プロピレングリコール、飽和多塩基酸成分としてイソフ
タル酸、α,β−不飽和多塩基酸成分として無水マレイ
ン酸であり、数平均分子量3,100である。表1か
ら、本発明の製造方法により調製した不飽和ポリエステ
ル樹脂の耐煮沸水性が、参考例のそれよりも著しく優れ
た結果を示していることが分かる。また図1から、本発
明の製造方法により調製した不飽和ポリエステル樹脂の
耐アルカリ性は、参考例のそれよりも著しく優れ、しか
も従来のイソ系樹脂よりも優れていることが分かる。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、耐煮沸水性および耐薬
品性の格段に優れた高分子量の不飽和ポリエステルを、
低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例、実施例および従来のイソ系樹脂の耐ア
ルカリ性の測定結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−不飽和多塩基酸またはその無水
    物成分および飽和多塩基酸またはその無水物成分の酸成
    分と、多価アルコール成分とをエステル化反応し、脱グ
    リコール反応するステップを包含する高分子量不飽和ポ
    リエステルの製造方法において、 該α,β−不飽和多塩基酸またはその無水物成分および
    該飽和多塩基酸またはその無水物成分の酸成分の全体に
    対し、該飽和多塩基酸またはその無水物成分として、無
    水フタル酸が10〜70モル%使用され、 該エステル化反応が、該飽和多塩基酸またはその無水物
    成分および多価アルコール成分をエステル化反応率60
    %以上になるまで反応させる1段目反応と、該1段目反
    応の反応系に該α,β−不飽和多塩基酸またはその無水
    物成分を添加しさらに反応させる2段目反応とからな
    り、 該2段目反応における反応系の酸価が90〜15となっ
    た時点で、圧力を93hPa〜7hPaに減圧し、脱グ
    リコール反応を行い、数平均分子量を3,500以上に
    することを特徴とする、高分子量不飽和ポリエステルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 無水フタル酸が30〜60モル%使用さ
    れる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 エステル化反応率が80%以上まで1段
    目反応を続ける、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応系の酸価が70〜40となった時点
    で、圧力を60〜7hPaに減圧して脱グリコール反応
    を行う、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の製造方法によって得られた高分子量不飽和ポリエステ
    ルに、これと共重合可能なモノマーを配合することを特
    徴とする、不飽和ポリエステル樹脂の製造方法。
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