JP3050201U - 押圧部付きの蓋を有する容器 - Google Patents

押圧部付きの蓋を有する容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙容器の内部を衛生的に保持することができ、
且つウエットペーパーの水分が蒸発しないような新しい
容器を提供すること。 【解決手段】蓋体11の下面に凸状に膨らんだ押圧部2
5が形成されており、該押圧部が蓋体11の閉鎖時に可
撓性フィルム17の取り出し口21付近に圧接するよう
に構成された容器。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、例えば幼児用お尻ふきなどとして用いられるウエットペーパー等を 保管収容しておくための容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウエットペーパーは、水などの液体で湿らせた紙質体であり、箱などの容器に 収納されて広く販売されている。ウエットペーパーの用途は極めて多岐にわたり 、幼児のお尻を清潔に保つために用いたり、傷口の汚れを拭き取るために用いる こともある。したがって、ウエットペーパーは衛生的に保管されていなければな らない。 衛生的な保管を行うために、ウエットペーパーは一般にほぼ密閉した容器の中 に収納されている。ウエットペーパーを使用する必要が生じたときには、この容 器の蓋を開けて、容器の上面に形成された小さな穴からウエットペーパーを一枚 ずつ抜き取って使用する。
【0003】 ウエットペーパー用容器には、このように気密性と程よい強度が要求されるこ とから、従来はプラスチック材料を用いて製造されていた。しかしながら、プラ スチック製容器は、ウエットペーパー使用後に通常の可燃ゴミとともに廃棄する ことができない。中には焼却すると有毒ガスを発生して生活環境を悪化させるプ ラスチック容器もあり、近年のエコロジー志向に反するものが多い。プラスチッ クゴミ減量が社会的課題とされている今日では、可燃ゴミとともに廃棄すること ができる容器の開発が求められている。
【0004】 このような社会的要請に応えるために、紙でできた容器を提供することが考え られる。しかしながら、紙製容器では気密性を保持することが必ずしも容易では ない。特にウエットペーパー用容器では、内部を衛生的に保ったうえでウエット ペーパーの水分が蒸発しないようにする必要がある。しかしながら、これらの要 求を満たし、かつ製造コストが安い容器はこれまで開発されるに至っていなかっ た。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案はこのような背景に鑑みなされたもので、紙容器の内部を衛生的に保持 することができ、且つウエットペーパーの水分が蒸発しないような新しい容器を 提供することを課題とする。 また、本考案は、ウエットペーパーを使い切った後に通常の可燃ゴミとともに 廃棄することができる紙製容器を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案者らが鋭意検討を行った結果、ウエットペーパー取り出し口およびその 周知を可撓性フィルムで構成し、さらに閉鎖したときに該可撓性フィルムを圧接 する押圧部を蓋に形成することによって、上記課題を解決することができること が明らかになった。本考案はこのような知見に基づいて提供されるに至ったもの である。 すなわち、本考案は、天板に開口部が形成されており、該開口部を閉鎖できる ように回動可能な蓋体を備える本体部と、前記開口部を覆うように前記天板に設 けられ、前記本体部内の収容物を取り出すための取り出し口が形成されている可 撓性フィルムを有しており、前記蓋体の下面には凸状に膨らんだ押圧部が形成さ れており、該押圧部は前記蓋体の閉鎖時に前記可撓性フィルムの取り出し口付近 に圧接することを特徴とする容器を提供する(第1の実施形態)。
【0007】 本考案は、天板に形成された切り欠きを閉鎖できるように回動可能な蓋体を備 える本体部と、前記切り欠きの外周部分を覆うように前記天板に設けられ、中央 に開口部が形成されている閉鎖板と、前記開口部を覆うように前記閉鎖板に設け られ、前記本体部内の収容物を取り出すための取り出し口が形成されている可撓 性フィルムを有しており、前記蓋体の下面には凸状に膨らんだ押圧部が形成され ており、該押圧部は前記蓋体の閉鎖時に前記可撓性フィルムの取り出し口付近に 圧接することを特徴とする容器をも提供する(第2の実施形態)。
【0008】 本考案の容器の開口部縁部と可撓性フィルムとの間にはスペーサが設けられて いて、該スペーサーによって天板と可撓性フィルムとの間に実質的な間隔が形成 されていてもよい。 また、本考案の容器の押圧部を開口部より大きくして、蓋体の閉鎖時に押圧部 が開口部の全周囲に当接するように形成されていてもよい。 また、本考案の容器の取り出し口の位置に対応する押圧部の位置には、凹陥部 が形成されていてもよい。
【0009】 また、本考案の容器の可撓性フィルムの取り出し口の下方には、本体部内の収 容物を取り出すための取り出し口を有する内側閉鎖板が設けられていてもよい。 さらに、本考案の容器の蓋体の下面には、紙を折り込んで形成されていて、そ の収縮状態から伸張状態へ復帰傾向を有する紙成形品が設けられていてもよい。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の第1の実施形態について、図を参照しながら説明する。図1は 、本考案が適用された、ウエットペーパーを収容するための容器1を示す。 容器1は、天板3と、4つの側板5と、底板7とから構成される箱体9と、該 箱体9の天板3の上面に回動可能に設けられている蓋体11とを備えている。箱 体9と蓋体11とは共に一定の強度を有する厚紙でできており、これらは全体と して本体部を構成する。
【0011】 天板3には楕円形の開口部13が形成されており、天板3の下面には、図2に 示すように、開口部13の全周囲に沿ってスペーサ15が貼付されている。スペ ーサ15は開口部13の全周囲に亘って一定の厚さを有するのが好ましい。 また天板3の下面には、ポリエチレン等の可撓性を有するフィルム17が接着 剤19で貼付されており、このフィルム17が開口部13全体を覆っている。フ ィルム17の周囲部分は、接着剤19で天板3の下面に貼付されているが、フィ ルム17の中央部分は、天板3からスペーサ15の厚み分だけ下側に離れている 。これによりフィルム17の上方にはスペーサ15の厚み分だけ空間が形成され る。蓋体11が閉じられたとき、この空間はウエットペーパーの端部の収容場所 となる。
【0012】 スペーサ15はフィルム17を天板3から離す目的で設けるものであるから、 その材質は特に問わない。好ましいのは紙である。また本実施形態では開口部1 3の全周囲に亘ってスペーサ15が形成されているが、開口部13の周囲に一定 の間隔毎に同じ厚さのスペーサを配置するようにしてもよい。 また、本実施形態ではスペーサが形成されているが、スペーサを形成せずに図 4に示すようにフィルムが弛むように貼付することによってフィルム上方に空間 を形成してもよい。
【0013】 フィルム17のほぼ中央には、容器1内に収容されたウエットペーパーを取り 出すための取り出し口21が形成されている。図2に示すように、この取り出し 口21は、容器使用前は剥離可能なシール23によって塞がれており、使用者は ウエットペーパーを取り出す前に、このシール23を剥がして使用するようにな っている。
【0014】 このようなシール23付きのフィルム17を天板3に貼付する場合には、図6 に示すように、フィルム17の連続体からフィルムを取り出しながら、取り出し 口21用の孔の形成、シール23の貼付および一定の長さでの切断を連続的に行 い、天板3に貼付していく。
【0015】 蓋体11の下面側には、開口部13と対応する位置に楕円形の紙製の押圧部2 5が形成されている。押圧部25は、蓋体11を閉鎖したときに、押圧部25の 頂点付近がフィルム17の取り出し口21付近に圧接できるような凸状の形状を 有する。これにより蓋体11が閉鎖しているときは、取り出し口21が押圧部2 5で押さえ付けられて密閉される。従って容器内を衛生的に維持することができ ると共に、ウエットペーパーが乾燥することを防止することができる。 本実施形態では押圧部25が楕円形を有しているが、密閉状態を形成すること ができるものであれば、押圧部は円形であっても、波形であってもよい。また、 本実施形態では、押圧部25が蓋体11の下面側に取り付けられているが、蓋体 11を成形することによって押圧部を一体として形成してもよい。
【0016】 また、これらの押圧部25の表面には、フィルム17と圧着するフィルムがコ ーティングされていて、押圧部25とフィルム17の密着性をより高くしてもよ い。押圧部25にコーティングするフィルムは、圧着性を有する限りフィルム1 7と同じ材質であっても異なる材質であってもよい。
【0017】 図2に示す押圧部25の形態では、蓋体11を閉じたときに直接取り出し口2 1を押し付けるため、取り出し口21から出ているウエットペーパーの端部も同 時に押さえ付けられてしまう。そこで図7に示すように、押圧部25の中央(取 り出し口21に対応する箇所)に凹陥部26を形成するようにしてもよい。これ によりウエットペーパーの端部は凹陥部26内に入り込むことができるため、押 圧部25による押さえ付けが緩和される。また凹陥部26の周囲の押圧部の部分 28がフィルム17に圧接することにより、容器内を密閉状態にすることが可能 である。
【0018】 図2に戻り、押圧部25は開口部13より少し大きめに形成されており、蓋体 11を閉じたときに、押圧部25の周囲が開口部13の全周囲に当接するように なっている。これにより蓋体11を閉じたときに、開口部13の全周囲を密閉状 態にすることができる。従って容器内の衛生維持とウエットペーパーの乾燥防止 とを一層確実にすることができる。
【0019】 本実施形態の押圧部25は紙で構成されているため、蓋体11を閉じていると きには、フィルム17に当接してある程度弾性変形し、一方蓋体11を開けたと きには、元の形状に復元することができる。押圧部25は紙で構成するのが好ま しいが、紙以外にも弾性変形可能なプラスチックシートで構成したり、あるいは 全体をスポンジ等の弾性発泡材料で構成したりすることもできる。
【0020】 また押圧部25は、ほとんど弾性力を有しない材料で構成することもできる。 この場合には、蓋体11を閉じたときに、押圧部25が変形せずにフィルム17 が若干延びるようにして押圧部25に圧着し、取り出し口21を塞ぐことができ る。また弾性力をほとんど有しない押圧部25が、開口部13の周囲部分と当接 したときには、開口部13の周囲の紙端部分が弾性変形して、その部分で密閉す ることもできる。
【0021】 蓋体11の端部には、係止突起27が形成されており、この係止突起27は天 板3に設けられた係止受け部29に係止できるようになっている。このような係 止構造により、蓋体11を閉じた状態を維持することができる。一方、蓋体11 を開くときには、蓋体11に指を掛けて軽く持ち上げるようにすればよい。
【0022】 更に蓋体11の下面の左右両側には、図3に示すように紙を2つ折りにした紙 成形品24が接着剤で貼付されている。この紙成形品24はその収縮状態から伸 張状態へ復帰傾向を有するため、蓋体11が閉じているときには、常時蓋体11 を持ち上げるように作用する。従って蓋体11と天板3との係止構造が一端解除 されれば、蓋体11は自動的に一定高さまで開くようになる。
【0023】 次に本発明の第2の実施形態について図4、図5を参照しながら説明する。図 4に示す実施形態では、天板3に切り欠き31が形成されており、この切り欠い た部分がそのまま蓋体11として利用されている。 天板3の下面には、切り欠き31の外周部分を覆うように環状の閉鎖板33が 接着剤で貼付されている。閉鎖板33の中央には開口部13が形成されており、 その閉鎖板の下面にはフィルム17が貼付されている。本実施形態の蓋体11に は、先に説明したように中央に凹陥部26を有する押圧部25が形成されている 。蓋体11が閉じたときには、押圧部25の部分28がフィルム17に圧接して 、容器内の密閉状態を維持することができる。
【0024】 このような第2の実施形態では、予めスペーサ15とフィルム17とを取り付 けた閉鎖板33を容器とは別個に作成しておき、最後に蓋体33を接着剤で天板 3の内面側に貼付することにより、効率よく容器を製造することができる。
【0025】 なお、第1または第2の実施形態において、さらにフィルムの下方に図8に示 すような内側閉鎖板35を形成してもよい。このような内側閉鎖板は、取り出し 口21が押圧部25で押さえつけられることによって密閉状態を形成している場 合に特に有用である。内側閉鎖板には容器内のウエットペーパーを取り出すため の取り出し口37が形成されている。閉鎖時には、フィルムに形成された取り出 し口21は蓋体11の押圧部25によって下方に押されているが、該フィルムと 内側閉鎖板35の間には空間が存在しているためにウエットティッシュは該空間 に収納される。したがって、ウエットティッシュは押圧部25によって過度に圧 迫されることはない。
【0026】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、蓋体の下面に形成された凸状に膨らんだ 押圧部が、蓋体の閉鎖時に可撓性フィルムの取り出し口付近に圧接するから、取 り出し口が塞がれて、容器内の衛生環境を維持することが得きると共に、容器内 のウエットペーパーが乾燥することを防止することができる。 また、天板と可撓性フィルムとの間に実質的な間隔が形成されるように、開口 部の縁部と可撓性フィルムとの間にスペーサが設けられるから、フィルムの上部 にウエットペーパーの端部の収容する空間を形成することができる。
【0027】 また、押圧部が開口部より大きく、押圧部が蓋体の閉鎖時に開口部の全周囲に 当接するから、開口部の周囲でも容器の密閉性が担保されて、容器内の衛生環境 の維持をより確実にすることができる。 また取り出し口の位置に対応する押圧部の位置に凹陥部が形成されているから 、蓋体閉鎖時にウエットペーパーの端部が凹陥部内に収容され、押圧部による押 し潰しが緩和される。
【0028】 また蓋体の下面に、紙を折り込んで形成され、その収縮状態から伸張状態へ復 帰傾向を有する紙成形品を設けることにより、蓋体を自動的に持ち上げて使用者 が蓋体を開け易くすることができる。 さらに、本考案の容器の大部分を紙で構成することにより、ウエットペーパー を使い切った後に通常の可燃ゴミとともに廃棄し得るようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の容器の斜視図である。
【図2】本考案の容器の第1の実施形態を示す縦断面図
である。
【図3】本考案の容器の第1の実施形態の上面図であ
る。
【図4】本考案の容器の第2の実施形態を示す縦断面図
である。
【図5】本考案の容器の第2の実施形態の上面図であ
る。
【図6】シール付きのフィルムを予め成形する行程を示
す斜視図である。
【図7】凹陥部が形成された押圧部を示す断面図であ
る。
【図8】内側閉鎖板を有する容器の縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器 3 天板 5 側板 7 底板 9 箱体 11 蓋体 13 開口部 15 スペーサ 17 フィルム 19 接着剤 21 取り出し口 23 シール 24 紙成形品 25 押圧部 26 凹陥部 27 係止突起 28 押圧部の部分 29 係止受け部 31 切り欠き 33 閉鎖板 35 内側閉鎖板 37 取り出し口

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】天板に開口部が形成されており、該開口部
    を閉鎖できるように回動可能な蓋体を備える本体部と、 前記開口部を覆うように前記天板に設けられ、前記本体
    部内の収容物を取り出すための取り出し口が形成されて
    いる可撓性フィルムを有しており、 前記蓋体の下面には凸状に膨らんだ押圧部が形成されて
    おり、該押圧部は前記蓋体の閉鎖時に前記可撓性フィル
    ムの取り出し口付近に圧接することを特徴とする容器。
  2. 【請求項2】天板に形成された切り欠きを閉鎖できるよ
    うに回動可能な蓋体を備える本体部と、 前記切り欠きの外周部分を覆うように前記天板に設けら
    れ、中央に開口部が形成されている閉鎖板と、 前記開口部を覆うように前記閉鎖板に設けられ、前記本
    体部内の収容物を取り出すための取り出し口が形成され
    ている可撓性フィルムを有しており、 前記蓋体の下面には凸状に膨らんだ押圧部が形成されて
    おり、該押圧部は前記蓋体の閉鎖時に前記可撓性フィル
    ムの取り出し口付近に圧接することを特徴とする容器。
  3. 【請求項3】前記天板と前記可撓性フィルムとの間に実
    質的な間隔が形成されるように、前記開口部の縁部と前
    記可撓性フィルムとの間にスペーサを備えることを特徴
    とする請求項1または2記載の容器。
  4. 【請求項4】前記押圧部は前記開口部より大きく、前記
    押圧部は前記蓋体の閉鎖時に前記開口部の全周囲に当接
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    容器。
  5. 【請求項5】前記取り出し口の位置に対応する前記押圧
    部の位置には凹陥部が形成されていることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の容器。
  6. 【請求項6】前記可撓性フィルムの取り出し口の下方
    に、前記本体部内の収容物を取り出すための取り出し口
    を有する内側閉鎖板を備えることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の容器。
  7. 【請求項7】前記蓋体の下面に、紙を折り込んで形成さ
    れ、その収縮状態から伸張状態へ復帰傾向を有する紙成
    形品が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の容器。
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