JP3042537B2 - 改質ポリシラザン及びその製造方法 - Google Patents
改質ポリシラザン及びその製造方法Info
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シラザンをアルキルシラザン又はアルキルアミノシラン
で安定化した改質ポリシラザン、及びその製造方法に係
る。
有セラミックスは、高温強度、耐熱衝撃性、耐酸化性に
優れているため、構造材料、機能性材料として広範な産
業分野での利用が期待される。
ポリマー等として有用である。そして、ポリシラザンは
溶媒に可溶で成型性に優れ、またセラミック収率が高
い、焼成後のセラミックス純度が高いなどの特徴を有し
ている。
方法は知られており、代表的には、ハロシランをルイス
塩基と反応させて得た錯体化合物に、アンモニアを反応
させて製造することができる(例、特公昭63−16325号
公報)。
性が低く、容易に分子量増加やゲル化を起こすので、取
扱い性に問題がある。ポリシラザンの安定性、分子構造
の制御は、ポリシラザンの出発原料であるハロシランの
種類、あるいは2種類以上のハロシランの混合比を変化
させて、ある程度は可能であるが、限界があり、一般に
は困難である。そのため、ポリシラザンの取扱い性が悪
いほか、高温焼成後のセラミックス性状がばらつくとい
う問題がある。
平均分子量約100〜100,000の範囲内にある無機ポリシラ
ザンと一般式 〔式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基、又は (式中、R′はそれぞれ独立してアルキル基又は水素で
あるが、少なくとも1個は水素でない)であるが、Rは
両方ともアルキル基ではない〕で表わされるアルキルシ
ラザン又はアルキルアミノシランとを塩基性溶媒中で反
応させて改質ポリシラザンを製造するものである。
基を含まないポリシラザンである。この無機ポリシラザ
ンは、いかなる製法で製造されたものでもよい。例え
ば、前出特公昭63−16325号公報に記載の方法により製
造されたものでよい。分子量は特に限定されず、約100
〜100,000の範囲内のものを使用することができる。分
子量が大きいものの、あるいは窒素含分が多いものは、
一般にゲル化し易すく取扱い性が悪いので、本発明はこ
れらの場合に有効である。
応体としては、一般式 で表わされる化合物を使用する。N−H構造の活性水
素が取れて、ポリシラザン主鎖のSi原子(主に無機ポリ
シラザンの活性末端SiH3部のSi原子)、あるいはN原子
と結合して末端あるいは側鎖に有機基を導入することに
よって、無機ポリシラザンを化学的に安定化させる。R
は安定化のために少なくとも水素以外の基(アルキル基
又はR′)でなければならない。水素が多いと架橋構造
を形成する傾向があるので、上記化合物中の活性水素は
できるだけ少ないこと、特に1個であることが好まし
い。前記式中のR,R′であるアルキル基は分子量が大き
すぎるとポリマーを熱分解した際のセラミック収率が低
下するので、メチル基、又はエチル基であることが好ま
しい。すなわち、好ましく使用できるアルキルシラザン
としてはテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラ
ザン、ヘキサエチルジシラザン、ポリジメチルシラザ
ン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシ
クロテトラシラザンなど、アルキルアミノシランとして
はトリエチルアミノシラン、トリス(メチル)メチルア
ミノシラン、トリスエチルメチルアミノシランなどを挙
げることができる。
ミノシランとの反応比は、出発無機ポリシラザンの種
類、所望の改質ポリシラザンの性質、などに依存するが
モル基準で50:50〜99.99:0.01、より好ましくは80:20〜
98:2の範囲内が好ましい。アルキルアミノシラン又はア
ルキルシラザンの割合が多くなりすぎるとポリシラザン
の好ましい性質が失なわれ、例えばセラミック収率が低
下する。
ミノシラザンとは塩基性溶媒中で反応させる。使用でき
る塩基性溶媒としては、ピリジン、ピコリン、トリメチ
ルフォフフィン、メチルジエチルフォスフィン、トリエ
チルフォスフィン、チオフェン、フラン、ジオキサンが
好ましく特にピリジン及びピコリンが取扱い上及び経済
上から好ましい。反応温度は0゜から溶媒沸点以下、雰
囲気は不活性ガス例えば窒素、アルゴンとし、無機ポリ
シラザンの塩基性溶媒中に乾燥窒素を吹き込みながらア
ルキルシラザン又はアルキルアミノシラザンを添加す
る。反応終了後、溶媒を塩基性溶媒からポリシラザンを
溶解する非反応性溶媒に置換する。このような非反応性
溶媒としてはトルエン、キシレンなどを用いることがで
きる。
ザンの末端及び側鎖の水素の一部が で置換された構造を有する。このように無機ポリシラザ
ンの末端及び側鎖に が導入されることによって、無機ポリシラザンが安定化
され、取扱い性が向上する。
100〜100,000の範囲内にある無機ポリシラザンを一般式 〔式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基、又は (式中、R′はそれぞれ独立してアルキル基又は水素で
あるが、少なくとも1個は水素でない)であるが、Rは
両方ともアルキル基ではない〕で表わされるアルキルシ
ラザン又はアルキルアミノシランと反応させる改質ポリ
シラザンの製法が提供される。
質するので、分子構造の制御が容易である。また、非改
質の無機ポリシラザンと比較して化学的安定性が向上し
ているので、取扱性に優れている。そして、焼成して得
られるセラミックスの性質のバラツキが減少する。ま
た、ポリシラザンの分子構造を制御することが可能であ
る結果として、焼成して得られるセラミックスの純度や
耐熱性等の性状も制御することができる。
で置換した後、乾燥ピリジンを600ml入れ、温度が一定
となるまで保持し、撹拌しながらジクロロシラン28.3g
を加えて錯体混合物を形成させた。これを0℃に保持し
たまま、撹拌しながら乾燥アンモニア14gを吹き込ん
だ。反応終了後、乾燥窒素を吹き込み未反応のアンモニ
アを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過することによ
り濾液392mlをえた。この溶液を60℃まで加熱し、アン
モニアを吹き込み、5気圧まで圧力を高めて15時間保持
した。その後1気圧まで降圧して室温まで放冷した後、
乾燥窒素を吹き込み、系内のアンモニアを除去した。こ
の時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分子
量はポリスチレン換算で、2010であった。また、溶質の
IRスペクトルを分析したところ(第2図)、波数(c
m-1)3350および1175のN−Hに基づく吸収、2170のSi
−Hに基づく吸収、1020〜820のSi−HおよびSi−N−S
iに基づく吸収が確認された。また、この重合体の元素
分析(重量%)は、Si:56.1,N:27.9,O:0.48,C:9.7であ
り、窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.01であった。
ラザン(CH3)3SiNHSi(CH3)3を添加し、乾燥窒素を
吹き込みながら60℃に加熱して、3時間保持した後室温
まで冷却した。これに乾燥o−キシレン300mlを加え、
減圧下で溶媒をピリジンからキシレンに置換した。この
時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分子量
はポリスチレン換算で、2015であった。また、溶質のIR
スペクトルを分析したところ(第2図)、波数(cm-1)
3350および1175のN−Hに基づく吸収、2170のSi−Hに
基づく吸収、1020〜820のSi−HおよびSi−N−Siに基
づく吸収、さらに1250のSi−Meに基づく吸収、3000のC
−Hに基づく吸収が確認された。また、この重合体の元
素分析(重量%)は、Si:56.2,N:27.8,O:0.40,C:9.7で
あり、窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.02であっ
た。
で置換した後、乾燥ピリジンを600ml入れ,温度が一定
となるまで保持し、撹拌しながらジクロロシラン28.3g
を加えて錯体混合物を形成させた。これを0℃に保持し
たまま、撹拌しながら乾燥アンモニア14gを吹き込ん
だ。反応終了後、乾燥窒素を吹き込み未反応のアンモニ
アを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過することによ
り濾液392mlをえた。この溶液を60℃まで加熱し、アン
モニアを吹き込み、5気圧まで圧力を高めて15時間保持
した。その後1気圧まで降圧して室温まで放冷した後、
乾燥窒素を吹き込み、系内のアンモニアを除去した。こ
の時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分子
量はポリスチレン換算で、2010であった。また、この重
合体の窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.02であっ
た。
ラザン(C2H5)3SiNHSi(C2H5)3を添加し、乾燥窒素
を吹き込みながら60℃に加熱して、3時間保持した後室
温まで冷却した。これに乾燥o−キシレン300mlを加
え、減圧下で溶媒をピリジンからキシレンに置換した。
この時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分
子量はポリスチレン換算で、2012であった。また、この
重合体の窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.00であっ
た。
で置換した後、乾燥ピリジンを600ml入れ、温度が一定
となるまで保持し、撹拌しながらジクロロシラン28.3g
を加えて錯体混合物を形成させた。これを0℃に保持し
たまま、撹拌しながら乾燥アンモニア14gを吹き込ん
だ。反応終了後、乾燥窒素を吹き込み未反応のアンモニ
アを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過することによ
り濾液392mlをえた。この溶液を60℃まで加熱し、アン
モニアを吹き込み、5気圧まで圧力を高めて15時間保持
した。その後1気圧まで降圧して室温まで放冷した後、
乾燥窒素を吹き込み、系内のアンモニアを除去した。こ
の時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分子
量はポリスチレン換算で、2010であった。また、この重
合体の窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.02であっ
た。
を添加し、乾燥窒素を吹き込みながら60℃に加熱して、
3時間保持した後室温まで冷却した。これに乾燥o−キ
シレン300mlを加え、減圧下で溶媒をピリジンからキシ
レンに置換した。この時の溶質の分子量をGPCで測定し
たところ数平均分子量はポリスチレン換算で、2020であ
った。また、この重合体の窒素と珪素の元素組成比はモ
ル比で1.02であった。
で置換した後、乾燥ピリジンを600ml入れ、温度が一定
となるまで保持し、撹拌しながらジクロロシラン28.3g
を加えて錯体混合物を形成させた。これを0℃に保持し
たまま、撹拌しながら乾燥アンモニア14gを吹き込ん
だ。反応終了後、乾燥窒素を吹き込み未反応のアンモニ
アを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過することによ
り濾液392mlをえた。この溶液を60℃まで加熱し、アン
モニアを吹き込み、5気圧まで圧力を高めて15時間保持
した。その後1気圧まで降圧して室温まで放冷した後、
乾燥窒素を吹き込み、系内のアンモニアを除去した。こ
の時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分子
量はポリスチレン換算で、2010であった。また、この重
合体の窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.02であっ
た。
ラザン(CH3)2HSiNHSi(CH3)2を添加し、乾燥窒素を
吹き込みながら60℃に加熱して、3時間保持した後室温
まで冷却した。これに乾燥o−キシレン300mlを加え、
減圧下で溶媒をピリジンからキシレンに置換した。この
時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分子量
はポリスチレン換算で、2018であった。また、この重合
体の窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.03であった。
で置換した後、乾燥ピリジンを600ml入れ、温度が一定
となるまで保持し、撹拌しながらジクロロシラン28.3g
を加えて錯体混合物を形成させた。これを0℃に保持し
たまま、撹拌しながら乾燥アンモニア14gを吹き込ん
だ。反応終了後、乾燥窒素を吹き込み未反応のアンモニ
アを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過することによ
り濾液392mlをえた。この溶液を60℃まで加熱し、アン
モニアを吹き込み、5気圧まで圧力を高めて15時間保持
した。その後1気圧まで降圧して室温まで放冷した後、
乾燥窒素を吹き込み、系内のアンモニアを除去した。こ
の時の溶質の分子量をGPCで測定したところ数平均分子
量はポリスチレン換算で、2010であった。また、この重
合体の窒素と珪素の元素組成比はモル比で1.02であっ
た。
をピリジンからキシレンに置換した。この時の溶質の分
子量をGPCで測定したところ数平均分子量はポリスチレ
ン換算で、2650であった。また、この重合体の窒素と珪
素の元素組成比はモル比で1.01であった。
組成の変化をまとめる。
安定性評価結果を表2に示す。
は実施例1の改質ポリシラザンのIRチャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】数平均分子量100〜100,000の範囲内にある
無機ポリシラザンを一般式 〔式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基、又は (式中、R′はそれぞれ独立してアルキル基又は水素で
あるが、少なくとも1個は水素でない)であるが、Rが
両方ともアルキル基ではない〕で表わされるアルキルシ
ラザン又はアルキルアミノシランと反応させて得られ、
無機ポリシラザンの末端又鎖鎖のケイ素原子又は窒素原
子に が結合して安定化された改質ポリシラザン。 - 【請求項2】無機ポリシラザンとアルキルシラザン又は
アルキルアミノシランとの割合がモル比で50:50〜99.9
9:0.001の範囲内である請求項1記載の改質ポリシラザ
ン。 - 【請求項3】数平均分子量100〜100,000の範囲内にある
無機ポリシラザンと一般式 〔式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基、又は (式中、R′はそれぞれ独立してアルキル基又は水素で
あるが、少なくとも1個は水素でない)であるが、Rが
両方ともアルキル基ではない〕で表わされるアルキルシ
ラザン又はアルキルアミノシランとを塩基性溶媒共存下
で反応させることを特徴とする改質ポリシラザンの製造
方法。 - 【請求項4】無機ポリシラザンとアルキルシラザン又は
アルキルアミノシランの割合がモル比で50:50〜99.99:
0.001の範囲内である請求項3記載の方法。
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- 1990-06-30 JP JP2171369A patent/JP3042537B2/ja not_active Expired - Lifetime
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