JP2014145439A - ファイナルギア構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベベルギアが形成されたベベルギアシャフト63と、ベベルギアに噛み合うリングギア64とを備え、リングギア64側に後輪42を構成するホイール45が取付けられるファイナルギア構造であって、リングギア64にホイール45を取付けるスタッドボルト55を備え、ホイール45とリングギア64とに挟まれて、ファイナルギアケース61に回転自在に支持されるリングギアシャフト53が設けられ、スタッドボルト55は、リングギアシャフト53を貫通している。
【選択図】図2
Description
このようなファイナルギア構造としては、ドライブシャフトの末端に連結されたべベルギアと、このべベルギアに噛み合うリングギアと、このリングギアにスプライン結合されるとともに駆動輪が取付けられた出力軸部材とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、軽量化を図ることが可能なファイナルギア構造を提供することを目的としている。
また、上記構成において、前記リングギアシャフト(53)と前記リングギア(64)とは、ノックピン(86)で位置決めされていても良い。この構成によれば、リングギアシャフトとリングギアとの位置決め精度が向上し、また、ノックピンでトルクを受けることができる。
また、上記構成において、前記ディスク取付部材(96)には、前記ホイール(45)とは反対側のファイナルギアケース(61)側の面(96b)にパルサリング(99)が取付けられていても良い。この構成によれば、ディスク取付部材でパルサリングを保護することができる。
また、上記構成において、前記ディスク取付部材(96)に前記ブレーキディスク(95)を取付ける第1締結部材(97)と、前記ディスク取付部材(96)に前記パルサリング(99)を取付ける第2締結部材(98)とは、それぞれの頭部(97a,98a)が、前記ディスク取付部材(96)の前記パルサリング(99)と同じ側に配置されるようにしても良い。この構成によれば、後輪を取付ける際に、第1・第2締結部材の頭部が邪魔にならない。また、頭部を保護することができる。
また、上記構成において、前記リングギアシャフト(53)は、アルミニウム合金製であっても良い。この構成によれば、軽量化を図ることができる。
また、リングギアシャフトとリングギアとは、ノックピンで位置決めされているので、リングギアシャフトとリングギアとの位置決め精度が向上し、また、ノックピンでトルクを受けることができる。
また、ディスク取付部材には、ホイールとは反対側のファイナルギアケース側の面にパルサリングが取付けられているので、ディスク取付部材でパルサリングを保護することができる。
また、ディスク取付部材にブレーキディスクを取付ける第1締結部材と、ディスク取付部材にパルサリングを取付ける第2締結部材とは、それぞれの頭部が、ディスク取付部材のパルサリングと同じ側に配置されるので、後輪を取付ける際に、第1・第2締結部材の頭部が邪魔にならない。また、頭部を保護することができる。
また、リングギアシャフトは、アルミニウム合金製であるので、軽量化を図ることができる。
図1は、本発明のファイナルギア構造の一実施形態を適用した自動二輪車10を示す左側面図である。
自動二輪車10は、骨格となる車体フレーム11と、この車体フレーム11の前端部に操舵可能に取付けられたフロントフォーク12と、車体フレーム11の下部に支持されたパワーユニット13と、車体フレーム11の上部を構成するメインフレーム16の上部に支持された燃料タンク17と、メインフレーム16の上部から後方に延びるシートフレーム(不図示)に支持されたシート21と、車体フレーム11の下部を構成する左右一対のピボットフレーム23,23(手前側のピボットフレーム23のみ図示)にピボット軸24を介して上下スイング可能に支持されたスイングアーム26とを備える。
スイングアーム26の後端部には、ファイナルギア装置41を構成するギアケース本体51が取付けられている。このギアケース本体51と、ギアケース本体51に取付けられてギアケース本体51と共にファイナルギアケース61を構成するギアケースカバー52とに出力軸部材であるリングギアシャフト53が回転可能に支持されている。
スイングアーム26内に収納されたドライブシャフト43の後端部とファイナルギア装置41との間には等速ジョイント57が設けられている。
後輪42(詳しくは、後輪42を構成するホイール45)は、リングギアシャフト53を貫通する複数のスタッドボルト55及びホイールナット56により、リングギアシャフト53側に片持ちで取付けられている。なお、図中の符号46はディスクブレーキ装置であり、後輪42側に一体的に設けられたブレーキディスク95と、このブレーキディスク95を制動するブレーキキャリパ47とから構成される。
ファイナルギア装置41は、ギアケース本体51及びギアケースカバー52からなるファイナルギアケース61と、ギアケース本体51の前部にベアリング62及びニードルベアリング65を介して回転可能に支持されたベベルギアシャフト63と、このベベルギアシャフト63に噛み合うリングギア64と、このリングギア64に嵌合するとともにギアケース本体51及びギアケースカバー52に両端がベアリング66,67を介して回転可能に支持されたリングギアシャフト53と、一端部がリングギア64にねじ結合されるとともにリングギアシャフト53を軸方向に貫通して後輪42(図2参照)側へ延びる複数のスタッドボルト55と、ブレーキディスク95が取付けられるとともにギアケースカバー52の開口の一部を塞ぐようにしてリングギアシャフト53を保護するディスク取付部材96と、ベアリング66を固定するためにリングギアシャフト53の一端部に臨むギアケース本体51の開口51aの縁にねじ結合されたギアケースキャップ68とを備える。
ベベルギアシャフト63は、ベベルギア63aと、このべベベルギア63aの両側に一体に設けられた軸本体63b及び突出軸部63cとから構成された部品であり、軸本体63bに、等速ジョイント57(図2参照)の先端部に設けられた雄スプラインと結合される雌スプライン63dが形成され、突出軸部63cがニードルベアリング65に支持されている。ベベルギアシャフト63を支持するベアリング62は、その外輪62aが、ギアケース本体51にロックナット81で固定され、内輪62b,62bが、ロックナット82でベベルギアシャフト63に固定されている。ロックナット81,82は、それぞれ回り止めのために、締めた後に折り曲げることでギアケース本体51側又はベベルギアシャフト63側に設けられた穴部に係止される係止部81a,82aを備える。なお、符号83はシール部材、84はシール部材83がギアケース本体51から抜けるのを防ぐ止め輪である。
リングギアシャフト53は、アルミニウム合金製であり、ベアリング67側の端部から順に外径が小さくなるように、大径部53a、中間大径部53b、中間小径部53c、小径部53dが形成され、大径部53a、中間大径部53b及び中間小径部53cに中空部53gが形成されている。このように、リングギアシャフト53を階段状に段階的に細くなるように形成し、また、リングギアシャフト53の大径部53a側の端部から順に大径穴部53k、中径穴部53m、小径穴部53nを備える中空部53gを形成することで、材質をアルミニウム合金としたことと合わせて、リングギアシャフト53の大幅な軽量化を図ることができる。
被支持部53eは、ベアリング67に隣接するように筒状のカラー部材88が嵌合され、このカラー部材88とギアケースカバー52との間にシール部材91が設けられている。なお、符号92は被支持部53eとカラー部材88との間をシールするために被支持部53e側の環状溝に設けられたOリング、93はシール部材91を抜け止めする止め輪である。
中間大径部53bは、リングギア64の嵌合穴64eが圧入され、これによって、リングギアシャフト53にリングギア64が固定されている。中間大径部53bと中間小径部53cとの間で外周面を軸方向に繋ぐ部分には、中間大径部53b側の面取り部53pと、中間小径部53c側の環状円弧部53qとが隣接して形成されている。このように、面取り部53p及び環状円弧部53qを設けることで、リングギア64を中間大径部53bに嵌合しやすくすることができ、作業性を向上させることができる。小径部53dは、鋼製のカラー部材89が圧入され、このカラー部材89を介してベアリング66に支持されている。これにより、耐久性を向上させることができる。なお、符号94はベアリング66とカラー部材89との間に設けられた隙間調整用のシムである。
このように、パルサリング99をディスク取付部材96のファイナルギア装置41側に配置することで、ディスク取付部材96によって後輪42側の飛び石等からパルサリング99を保護することができる。
また、ボルト97,98の頭部をディスク取付部材96の一側面96b側に配置することで、ディスク取付部材96に後輪42を取付ける際にボルト97,98の頭部が邪魔になることがない。
また、従来のように、リングギア及び出力軸部材にそれぞれ雌スプライン、雄スプラインを形成する必要がなく、本実施形態のリングギア64及びリングギアシャフト53のコストを下げることができる。
ファイナルギア装置120は、ギアケース本体121及びギアケースカバー122からなるファイナルギアケース123と、ギアケース本体121にベアリング124及びニードルベアリング126を介して回転可能に支持されたベベルギアシャフト127と、このベベルギアシャフト127に噛み合うリングギア128と、このリングギア128にスプライン結合するとともにファイナルギアケース123に一端がベアリング131を介して、他端がベアリング132及びカラー部材133を介して回転可能に支持された出力軸部材134と、この出力軸部材134に取付けられた複数のスタッドボルト136とを備え、出力軸部材134にスタッドボルト136及びホイールナット(不図示)で駆動輪(不図示)が取付けられる。
ファイナルギア装置120の上記した各構成部品の中で最も大型の出力軸部材134は、上記の強度を確保するために、材質が例えば鉄鋼製とされ、最も重量のある部品になっている。従って、ファイナルギア装置120の重量も大きくなり、ひいては、ファイナルギア装置120を搭載する車両の重量も大きくなる。
上記のファイナルギア装置120におけるリングギア128から駆動輪への動力伝達構造に関して、本実施形態では、図1〜図3に示したファイナルギア装置41の動力伝達構造に改良することで、軽量化を図っている。
また、リングギアシャフト53とリングギア64とは、ノックピン86で位置決めされているので、リングギアシャフト53とリングギア64との位置決め精度が向上し、また、ノックピン86でトルクを受けることができる。
また、ディスク取付部材96には、ホイール45とは反対側のファイナルギアケース61側の一側面96bにパルサリング99が取付けられているので、ディスク取付部材96でパルサリング99を保護することができる。
また、ディスク取付部材96にブレーキディスク95を取付ける第1締結部材としてのボルト97と、ディスク取付部材96にパルサリング99を取付ける第2締結部材としてのボルト98とは、それぞれの頭部97a,98aが、ディスク取付部材96のパルサリング99と同じ側に配置されるので、後輪42を取付ける際に、ボルト97,98の頭部97a,98aが邪魔にならない。また、ディスク取付部材96によって、飛び石等から頭部97a,98aを保護することができる。
また、リングギアシャフト53は、アルミニウム合金製であるので、リングギアシャフト53の軽量化を図ることができる。
例えば、上記実施形態において、図3に示したリングギアシャフト53を、アルミニウム合金製としたが、これに限らず、他の比重の小さい金属(チタン、チタン合金等)でも良い。
また、図1に示したように、ファイナルギア装置41を自動二輪車10に採用したが、これに限らず、他の鞍乗り型車両や、産業車両、あるいは車両以外に備える動力伝達装置に採用しても良い。
45 ホイール
46 ディスクブレーキ装置
53 リングギアシャフト
55 スタッドボルト
61 ファイナルギアケース(ギアケース)
63 ベベルギアシャフト(シャフト)
63a ベベルギア
64 リングギア
86 ノックピン
95 ブレーキディスク
96 ディスク取付部材
96b 一側面(面)
97,98 ボルト(締結部材)
97a,98a 頭部
99 パルサリング
Claims (7)
- ベベルギア(63a)が形成されたシャフト(63)と、前記ベベルギア(63a)に噛み合うリングギア(64)とを備え、前記リングギア(64)側にホイール(45)が取付けられるファイナルギア構造であって、
前記リングギア(64)に前記ホイール(45)を取付けるスタッドボルト(55)を備え、
前記ホイール(45)と前記リングギア(64)とに挟まれて、ギアケース(61)に支持されるリングギアシャフト(53)が設けられ、
前記スタッドボルト(55)は、前記リングギアシャフト(53)を貫通していることを特徴とするファイナルギア構造。 - ブレーキディスク(95)が取付けられるディスク取付部材(96)は、前記ホイール(45)と前記リングギアシャフト(53)との間に設けられ、前記スタッドボルト(55)が貫通していることを特徴とする請求項1に記載のファイナルギア構造。
- 前記リングギアシャフト(53)と前記リングギア(64)とは、ノックピン(86)で位置決めされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のファイナルギア構造。
- 前記リングギアシャフト(53)は、階段状に段階的に細くなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のファイナルギア構造。
- 前記ディスク取付部材(96)には、前記ホイール(45)とは反対側のファイナルギアケース(61)側の面(96b)にパルサリング(99)が取付けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のファイナルギア構造。
- 前記ディスク取付部材(96)に前記ブレーキディスク(95)を取付ける第1締結部材(97)と、前記ディスク取付部材(96)に前記パルサリング(99)を取付ける第2締結部材(98)とは、それぞれの頭部(97a,98a)が、前記ディスク取付部材(96)の前記パルサリング(99)と同じ側に配置されることを特徴とする請求項5に記載のファイナルギア構造。
- 前記リングギアシャフト(53)は、アルミニウム合金製であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のファイナルギア構造。
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