JP2009214682A - 電動パワーステアリング装置およびバックラッシ測定方法 - Google Patents

電動パワーステアリング装置およびバックラッシ測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異音の発生を確実に抑制できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】本電動パワーステアリング装置1は、電動モータ23によって減速機24と、減速機24を収容するギヤハウジング58とを有する。減速機24は、順次に噛み合う駆動ギヤ26、中間ギヤ27および従動ギヤ28を有する平行軸歯車機構30を含んでいる。ギヤハウジング58は、中間ギヤ27の第2の支軸32の第2の端部38とは軸方向S2に対向する支軸固定治具102の挿入用の第2の開口94を有している。この第2の開口94は、第2の閉塞部材97によって閉塞されている。中間ギヤ27の第2の支軸32の上記端部38に、支軸固定治具102に係合するための第2の治具係合部112が形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置およびバックラッシ測定方法に関する。
電動パワーステアリング装置は、操舵補助力を得るための電動モータと、この電動モータによる出力回転を減速する歯車減速機とを有している。この歯車減速機は、互いに噛み合う一対のギヤを有している(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−268660号公報
ギヤの噛み合いにはバックラッシが必要であるが、このバックラッシが大きいと、歯打ち音が生じる。逆に、歯打ち音を小さくしようとして、バックラッシを小さくすると、互いに噛み合うギヤの回転抵抗が大きくなる。
そこで、互いに噛み合う一対のギヤのバックラッシュを小さく調節した状態で、これらのギヤを組み付けることが考えられている。
ところで、上記減速機として、電動モータにより駆動される駆動ギヤと、この駆動ギヤに噛み合う中間ギヤと、この中間ギヤに噛み合う従動ギヤとを有するものが、考えられている。
この減速機では、駆動ギヤおよび中間ギヤの噛み合い部と、中間ギヤおよび従動ギヤの噛み合い部とに、バックラッシが存在し、これら2箇所のバックラッシの総和としてしか、バックラッシュを測定できない。
この総和としてのバックラッシュを小さく調節した状態であっても、2箇所の噛み合い部のうちのいずれか一方のバックラッシュが大きい場合がある。この場合、歯打ち音が発生する。さらに、他方のバックラッシュが小さくなりすぎて、ギヤを回転させるための抵抗が大きくなることもある。
そこで、本発明の目的は、異音の発生を確実に抑制できる電動パワーステアリング装置およびバックラッシ測定方法を提供することである。
本発明の電動パワーステアリング装置(1)は、電動モータ(23)によって減速機(24)を介して駆動される回転筒(52)の回転を車両の左右方向(X)に延びるラック軸(10)の軸方向(S3)移動に変換する運動変換機構(25)と、減速機を収容するギヤハウジング(58)と、ギヤハウジングと連結され上記ラック軸を収容するラックハウジング(59)とを備え、上記減速機は、順次に噛み合う駆動ギヤ(26)、中間ギヤ(27)および従動ギヤ(28)を有する平行軸歯車機構(30)を含み、上記ギヤハウジングは、中間ギヤの支軸(32)の端部(38)とは支軸の軸方向(S2)に対向する支軸固定治具(102)挿入用の開口(94)を有し、この開口は、閉塞部材(97)によって閉塞されており、中間ギヤの支軸の端部に支軸固定治具に係合するための治具係合部(112)が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、閉塞部材を装着されていない状態で開放された開口を通じて、支軸固定治具を中間ギヤの支軸の端部の治具係合部に係合させ、これにより、支軸固定治具を用いて、中間ギヤを回動不能な状態にすることができる。このように、中間ギヤが回動不能な状態で、中間ギヤと駆動ギヤとの噛み合い部のバックラッシおよび中間ギヤと従動ギヤとの噛み合い部のバックラッシをそれぞれ測定することが可能となる。従って、上記2箇所の噛み合い部のバックラッシをそれぞれ適度に調節することが可能となるので、歯打ち音の発生を確実に防止できるとともに、ギヤを回転させるための抵抗が大きくなることを確実に防止できる。
また、本発明において、上記電動モータによって上記閉塞部材が構成されている場合がある。この場合、閉塞部材に、必須の構成である電動モータを兼用できるので、部品点数の増加を抑制できる。
また、本発明のバックラッシ測定方法は、上記本発明の電動パワーステアリング装置の閉塞部材を取り外した状態で開放された上記開口を通して支軸固定治具を挿入し中間ギヤの支軸を固定する工程と、中間ギヤの支軸を固定した状態で中間ギヤと駆動ギヤとのバックラッシを測定する第1の測定工程と、中間ギヤの支軸を固定した状態で中間ギヤと従動ギヤとのバックラッシを測定する第2の測定工程とを備えることを特徴とする。本発明によれば、上述のように2箇所の噛み合い部のバックラッシをそれぞれ測定できるので、上記2箇所の噛み合い部のバックラッシをそれぞれ適度に調節することが可能となる結果、歯打ち音の発生を確実に防止できるとともに、ギヤを回転させるための抵抗が大きくなることを確実に防止できる。
また、本発明のバックラッシ測定方法において、上記第1の測定工程は、電動モータを取り外した状態で、駆動ギヤまたは駆動ギヤと同行回転する部材(33)に、駆動ギヤを駆動するための駆動ギヤ駆動治具(103)を係合する工程を含む場合がある。この場合、中間ギヤが回転不能な状態で、駆動ギヤ駆動治具を用いて駆動ギヤを回動させることができる。これにより、中間ギヤと駆動ギヤとの噛み合い部のバックラッシを測定できる。
また、本発明のバックラッシ測定方法において、上記第2の測定工程は、ラックハウジングを取り外した状態で、従動ギヤまたは従動ギヤと同行回転する部材(50)に、従動ギヤを駆動するための従動ギヤ駆動治具(104)を係合する工程を含む場合がある。この場合、中間ギヤが回転不能な状態で、従動ギヤ駆動治具を用いて従動ギヤを回動させることができる。これにより、中間ギヤと従動ギヤとの噛み合い部のバックラッシを測定できる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態の添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering System)1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に第1の自在継手4を介して連結された中間シャフト5と、中間シャフト5に第2の自在継手6を介して連結されたピニオンシャフト7と、ピニオンシャフト7の端部近傍に設けられたピニオン歯8に噛み合うラック歯9を有して自動車の左右方向Xに延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
ピニオンシャフト7およびラック軸10によりラックアンドピニオン機構からなるステアリングギヤ11が構成されている。ラック軸10は、車体12に固定されるハウジング13内に、複数の軸受(図示せず)を介して直線往復可能に支持されている。ラック軸10には、一対のタイロッド14が結合されている。各タイロッド14は対応するナックルアーム15を介して対応する転舵輪16に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン歯8およびラック歯9によって、自動車の左右方向Xに沿ってのラック軸10の直線運動に変換される。これにより、転舵輪16の転舵が達成される。
図1を参照して、ピニオンシャフト7は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン歯8に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
トーションバー19を介する入力軸17および出力軸18の間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ20が設けられている。また、車速を検出するための車速センサ21が設けられている。また、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)22が設けられている。操舵補助力を発生させるための電動モータ23と、この電動モータ23の出力回転を減速する減速機24と、減速機24の出力回転をラック軸10の軸方向移動に変換する運動変換機構25とが設けられている。
トルクセンサ20および車速センサ21からの検出信号が、ECU22に入力されるようになっている。ECU22は、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ23を制御する。電動モータ23の出力回転は、減速機24により減速され、運動変換機構25により直線移動に変換される。この直線移動が、ラック軸10に伝達される。これにより、操舵が補助されるようになっている。
図2は、図1の減速機24およびその周辺部分の断面図である。図2を参照して、減速機24は、電動モータ23により駆動される第1のギヤとしての駆動ギヤ26と、この駆動ギヤ26に噛み合うアイドルギヤであり且つ第2のギヤとしての中間ギヤ27と、この中間ギヤ27に噛み合う従動ギヤ28とを有している。駆動ギヤ26と、中間ギヤ27と、従動ギヤ28とは、順次に噛み合っており、操舵補助用の電動モータ23の出力軸29の出力回転を減速する平行軸歯車機構30を構成している。
また、減速機24は、駆動ギヤ26を支持した第1の支軸31と、中間ギヤ27を支持した第2の支軸32とを有している。第1の支軸31は、電動モータ23の出力軸29に軸継手33を介して連結されている。また、第1の支軸31は、その軸方向S1に関して、第1の端部34と、第2の端部35とを有している。また、第2の支軸32は、その軸方向S2に関して、第1の端部37と、第2の端部38とを有している。
また、減速機24は、第1の支軸31の第1の端部34を回転可能に支持した軸受40と、第1の支軸31の第2の端部35を回転可能に支持した軸受41とを有している。また、第1の支軸31の軸方向移動を規制するために、固定部材42,43が設けられている。固定部材42は、第1の支軸31の雄ねじにねじ嵌合されて固定されている。
また、減速機24は、第2の支軸32の第1の端部37を回転可能に支持した軸受44と、第2の支軸32の第2の端部38を回転可能に支持した軸受45とを有している。また、第2の支軸32の軸方向移動を規制するために、固定部材46,47が設けられている。固定部材46は、第2の支軸32の雄ねじにねじ嵌合されて固定されている。
また、従動ギヤ28は、ラック軸10と同心に配置されており、後述するように軸受48,49により回転可能に支持されている。また、ラック軸10の軸方向S3に関する従動ギヤ28の移動を規制するために、固定部材50,51が設けられている。
図2を参照して、運動変換機構25は、ボールねじ機構からなる。ボールねじ機構は、従動ギヤ28により駆動される回転筒52と、回転筒52により複数のボール53を介して駆動される直線移動部材としてのねじ軸54とを有している。ボールねじ機構は、回転筒52の回転運動を、ねじ軸54の軸方向直線運動に変換する。
回転筒52は、第1および第2の部分55,56を有している。第1の部分55の外周が、軸受48により回転可能に支持されている。第2の部分56の外周が、軸受49により回転可能に支持されている。第1および第2の部分55,56は、ラック軸10の軸方向S3に関して互いに離隔している。第1の部分55は、ラック軸10の軸方向S3に関する一方の端部に設けられている。第2の部分56は、ラック軸10の軸方向S3に関する中間部に設けられている。回転筒52における第1の部分55と第2の部分56との間の外周に、従動ギヤ28が嵌合されている。回転筒52と従動ギヤ28とは、互いに同心に配置されており、互いに同行回転するように互いに固定されている。また、回転筒52の内周は、雌ねじを有している。
ねじ軸54は、雄ねじを有している。この雄ねじと、回転筒52の雌ねじとの間に、複数のボール53が転動可能に介在している。ねじ軸54とラック軸10とは、互いに一体に移動するように互いに固定されており、例えば、ねじ軸54とラック軸10とが単一部材により一体に形成されている。
ラック軸10、ねじ軸54、回転筒52、従動ギヤ28、軸受48、および軸受49は、互いに同心に配置されている。運動変換機構25の回転筒52は、電動モータ23によって減速機24を介して駆動され、これによりラック軸10の中心軸線の回りに回転する。これに伴って、回転筒52の回転がラック軸10の軸方向に関するねじ軸54の直線移動に変換される。
図1を参照して、ハウジング13は、電動モータ23を支持しつつ減速機24および運動変換機構25を収容するギヤハウジング58と、ラック軸10を収容しつつこのラック軸10を軸方向S3に沿って移動可能に支持する筒状のラックハウジング59と、トルクセンサ20を収容する筒状のセンサハウジング60とを有している。ギヤハウジング58、ラックハウジング59、およびセンサハウジング60は、互いに別体とされ金属により形成されている。
ギヤハウジング58は、第1および第2のギヤハウジング61,62を有している。第1および第2のギヤハウジング61,62は、互いに別部品として形成され、複数の固定ボルト63(1つのみ図示。)により互いに固定されている。また、ギヤハウジング58と電動モータ23とが、複数の固定ボルト64(1つのみ図示。)により互いに固定されている。
また、第2のギヤハウジング62とラックハウジング59とは、互いに別部品として形成され、複数の固定ボルト65(1つのみ図示。)により互いに固定されている。また、ラックハウジング59とセンサハウジング60とは、複数の固定ボルト(図示せず)により互いに固定されている。
図2を参照して、第1のギヤハウジング61は、軸受40を保持している第1の軸受保持部78と、軸受44を保持している第2の軸受保持部79と、軸受48を保持している第3の軸受保持部80と、第2のギヤハウジング62に連結されている連結部81とを有している。第1の軸受保持部78、第2の軸受保持部79、および第3の軸受保持部80は、環状の孔を形成している。
第2のギヤハウジング62は、軸受41を保持している第1の軸受保持部82と、軸受45を保持している第2の軸受保持部83と、軸受49を保持している第3の軸受保持部84と、電動モータ23を位置決めしつつ支持している支持部85と、第1のギヤハウジング61の連結部81に連結されている第1の連結部86と、ラックハウジング59の連結部88に連結されている第2の連結部87とを有している。第1の軸受保持部82、第2の軸受保持部83、および第3の軸受保持部84は、環状の孔を形成している。
第1および第2のギヤハウジング61,62が互いに固定された状態において、第1のギヤハウジング61の第1の軸受保持部78と、第2のギヤハウジング62の第1の軸受保持部82と、第2のギヤハウジング62の支持部85に位置決めされた電動モータ23の出力軸29とは、互いに同心に配置されている。また、第1のギヤハウジング61の第2の軸受保持部79と、第2のギヤハウジング62の第2の軸受保持部83とは、互いに同心に配置されている。また、第1のギヤハウジング61の第3の軸受保持部80と、第2のギヤハウジング62の第3の軸受保持部84とは、互いに同心に配置されている。
これにより、電動モータ23の出力軸29の回転中心軸線と、駆動ギヤ26の回転中心軸線とが互いに同心に配置されている。これとともに、駆動ギヤ26の回転中心軸線と、中間ギヤ27の回転中心軸線と、従動ギヤ28の回転中心軸線とが互いに平行に配置されている。また、電動モータ23の出力軸29は、ラック軸10の軸方向S3に平行に配置されている。電動モータ23の出力軸29とラック軸10との間に所定距離が隔てられている。この所定距離は、電動モータ23の外形に応じた最小値またはこの値に近似した値に設定されている。これにより、所要の減速比を実現しつつ、従動ギヤ28の大型化を抑制することができる。ひいては、ステアリングギヤ11、減速機24、および運動変換機構25の外形を小型化することができる。
図2を参照して、駆動ギヤ26は、斜歯歯車からなり、金属、例えば鋼により略円柱形状に形成されている。駆動ギヤ26の外周に複数のギヤ歯が形成されている。駆動ギヤ26と第1の支軸31とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。具体的には、駆動ギヤ26と第1の支軸31とは単一部材により単一部品として一体に形成されている。また、第1の支軸31の第2の端部35は、軸継手33と同行回転できるように、この軸継手33と固定されている。
駆動ギヤ26は、両持ち状態でギヤハウジング58に第1の支軸31および軸受40,41を介して回動可能に支持されている。軸受40,41が、第1の支軸31の軸方向S1に関して駆動ギヤ26の両側に配置されている。軸受40,41は、転がり軸受である。軸受40,41はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のギヤハウジング61の第1の軸受保持部78は、軸受40を介して、第1の支軸31の第1の端部34を回動可能に支持している。第2のギヤハウジング62の第1の軸受保持部82は、軸受41を介して、第1の支軸31の第2の端部35を回動可能に支持している。
図2を参照して、中間ギヤ27は、斜歯歯車からなり、金属、例えば鋼により略円柱形状に形成されている。中間ギヤ27の外周に複数のギヤ歯が形成されている。中間ギヤ27と第2の支軸32とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。具体的には、中間ギヤ27と第2の支軸32とは単一部材により単一部品として一体に形成されている。
中間ギヤ27は、両持ち状態でギヤハウジング58に第2の支軸32および軸受44,45を介して回動可能に支持されている。軸受44,45が、第2の支軸32の軸方向S2に関して、中間ギヤ27の両側に配置されている。軸受44,45は、転がり軸受である。軸受44,45はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のギヤハウジング61の第2の軸受保持部79は、軸受44を介して、第2の支軸32の第1の端部37を回動可能に支持している。第2のギヤハウジング62の第2の軸受保持部83は、軸受45を介して、第2の支軸32の第2の端部38を回動可能に支持している。
図2を参照して、従動ギヤ28は、斜歯歯車からなり、金属、例えば鋼により環状に形成されている。従動ギヤ28の外周に複数のギヤ歯が形成されている。従動ギヤ28と回転筒52とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。従動ギヤ28は、回転筒52における第1の部分55と第2の部分56との間に配置されている。
従動ギヤ28は、両持ち状態で、ギヤハウジング58に回転筒52および軸受48,49を介して回動可能に支持されている。ラック軸10の軸方向S3に関して、従動ギヤ28の両側に軸受48,49が配置されている。軸受48,49は、転がり軸受である。軸受48,49はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のギヤハウジング61の第3の軸受保持部80は、軸受48を介して回転筒52の第1の部分55を回動可能に支持している。第2のギヤハウジング62の第3の軸受保持部84は、軸受49を介して回転筒52の第2の部分56を回動可能に支持している。
また、回転筒52の第2の部分56は、軸受49の内輪の内周が嵌合した嵌合部と、この嵌合部に隣接して設けられ径方向外方に延びた段部と、この段部とは反対側で嵌合部に隣接した雄ねじ92とを有している。この雄ねじ92に、固定部材50の雌ねじがねじ嵌合している。ラック軸10の軸方向S3に関して、軸受49の内輪が、固定部材50と、第2の部分56の段部との間において締め付けられている。これにより、ラック軸10の軸方向S3および径方向に関して、回転筒52と軸受49の内輪との相対移動が規制されている。また、固定部材50と回転筒52とが、互いに固定されている。
図2を参照し、本実施形態では、ギヤハウジング58は、バックラッシの測定のための第1、第2および第3の開口93,94,95を有している。また、第1の開口93を覆う第1の閉塞部材96と、第2の開口94を覆う第2の閉塞部材97と、第3の開口95を覆う第3の閉塞部材98とが設けられている。第1、第2、および第3の閉塞部材96,97,98はそれぞれ、取り外し可能にギヤハウジング58に取り付けられている。
第1の閉塞部材96がギヤハウジング58に取り付けられた状態で、第1の開口93は塞がれている。また、バックラッシを測定するときには、第1の閉塞部材96が取り外されることにより、第1の開口93が開放される。
第2の閉塞部材97がギヤハウジング58に取り付けられた状態で、第2の開口94は塞がれている。また、バックラッシを測定するときには、第2の閉塞部材97が取り外されることにより、第2の開口94が開放される。
第3の閉塞部材98がギヤハウジング58に取り付けられた状態で、第3の開口95は塞がれている。また、バックラッシを測定するときには、第3の閉塞部材98が取り外されることにより、第3の開口95が開放される
図2を参照して、本実施形態では、第1、第2、および第3の開口93,94,95は、第2のギヤハウジング62に形成されている。第1の開口93は、第1の支軸31の第2の端部35とは、第1の支軸31の軸方向S1に対向している。第1の開口93は、第1の支軸31と電動モータ23の出力軸29とを連結するための開口により構成されている。第2の開口94は、第2の支軸32の第2の端部38とは、第2の支軸32の軸方向S2に対向している。第3の開口95は、回転筒52の端部とは、ラック軸10の軸方向S3に対向している。第3の開口95は、ねじ軸54(ラック軸10でもよい)を挿通させるための開口により構成されている。
第1、第2、および第3の閉塞部材96,97,98は、第2のギヤハウジング62に取り付けられている。第1の閉塞部材96と第2の閉塞部材97とは、単一部材により単一部品として一体に形成されており、具体的には、電動モータ23のモータハウジングによって構成されている。第3の閉塞部材98は、ラックハウジング59によって構成されている。
図3は、図2の電動パワーステアリング装置1の要部とバックラッシ測定治具100の正面図であり、部分的に断面表示されている。図4は、図3の電動パワーステアリング装置1の要部とバックラッシ測定治具100の平面図である。図3および図4を参照して、本実施形態では、バックラッシ測定には、例えば、バックラッシ測定治具100が用いられる。
バックラッシ測定治具100は、ギヤハウジング58を保持する保持治具101と、中間ギヤ27の回動を規制する支軸固定治具102と、駆動ギヤ26を駆動する駆動ギヤ駆動治具103と、従動ギヤ28を駆動する従動ギヤ駆動治具104とを有している。また、バックラッシ測定治具100は、駆動された駆動ギヤ26の回動角度を測定するための第1の角度測定装置105(模式的に図示)と、駆動された従動ギヤ28の回動角度を測定するための第2の角度測定装置106(模式的に図示)とを有している。
また、本実施形態では、バックラッシの測定は、本電動パワーステアリング装置1の要部であり部分組立品としてのユニット110を測定対象としてなされる。
図2,図4を参照して、ユニット110は、減速機24を含んでいる。ユニット110は、ギヤハウジング58と、以下の内部部品とを有している。内部部品は、例えば、駆動ギヤ26、中間ギヤ27、従動ギヤ28、第1の支軸31、第2の支軸32、軸受40,41,44,45,48,49、回転筒52、軸継手33、固定部材42,43,46,47,50,51、固定ボルト63等である。なお、ギヤハウジング58の外側に取り付けられる部品、例えば、電動モータ23、ラックハウジング59、ラック軸10は取り外されている。
また、第2のギヤハウジング62の支持部85は、電動モータ23の支持用と、支軸固定治具102の取り付け用とに兼用されている。また、第2のギヤハウジング62の第2の連結部87は、ラックハウジング59の取り付け用と、バックラッシを測定するときの保持治具101の取り付け用とに兼用されている。
図5は、図4の減速機24とバックラッシ測定治具100の要部の断面図であり、主に駆動ギヤ26を示す。図5を参照して、ユニット110には、バックラッシを測定するときに駆動ギヤ26を回動させるための第1の治具係合部111が設けられている。
第1の治具係合部111は、駆動ギヤ駆動治具103に係合する。第1の治具係合部111は、本実施形態では、第1の支軸31の第2の端部35に固定された軸継手33に設けられている。なお、第1の治具係合部111は、駆動ギヤ26に形成されてもよいし、駆動ギヤ26と同行回転する部材に形成されてもよい。駆動ギヤ26と同行回転する部材としては、例えば、第1の支軸31、固定部材42、および軸継手33を挙げることができる。
図6は、図4の減速機24とバックラッシ測定治具100の要部の断面図であり、主に中間ギヤ27を示す。図6を参照して、ユニット110には、バックラッシを測定するときに中間ギヤ27を固定するための第2の治具係合部112が設けられている。
第2の治具係合部112は、支軸固定治具102に係合する。第2の治具係合部112は、本実施形態では、第2の支軸32の第2の端部38に形成されている。なお、第2の治具係合部112は、中間ギヤ27に形成されてもよいし、中間ギヤ27と同行回転する部材に形成されてもよい。中間ギヤ27と同行回転する部材としては、例えば、第2の支軸32、固定部材46を挙げることができる。
図7は、図4の減速機24とバックラッシ測定治具100の要部の断面図であり、主に従動ギヤ28を示す。図7を参照して、ユニット110には、バックラッシを測定するときに従動ギヤ28を回動させるための第3の治具係合部113が設けられている。
第3の治具係合部113は、従動ギヤ駆動治具104に係合する。第3の治具係合部113は、本実施形態では、固定部材50に形成されている。第3の治具係合部113は、従動ギヤ28に形成されてもよいし、従動ギヤ28と同行回転する部材に形成されてもよい。従動ギヤ28と同行回転する部材としては、例えば、回転筒52および固定部材50を挙げることができる。
図3,図4を参照して、保持治具101は、ギヤハウジング58の第2のギヤハウジング62の第2の連結部87と、複数の固定ボルト117により連結されるようになっている。保持治具101は、複数の挿通孔を有している。固定ボルト117が、保持治具101の挿通孔を挿通し、固定ボルト117のねじ部が、上述の第2の連結部87に設けられたねじ孔にねじ込まれる。これにより、ギヤハウジング58が保持治具101に固定される。
図4,図6を参照して、支軸固定治具102は、第1の部材119および第2の部材120を有している。第1および第2の部材119,120は、複数の固定ボルト121により互いに固定されている。なお、第1および第2の部材119,120は、単一部材により一体に形成されてもよい。
第1の部材119は、第2のギヤハウジング62の支持部85に固定される被固定部122を有している。被固定部122は、複数の固定ボルト123により固定されている。また、固定ボルト123を取り外すことにより、第2のギヤハウジング62から被固定部122を取り外すことができる。
第2の部材120は、第2の治具係合部112に係合する係合部としての一対の挟持片124を有している。一対の挟持片124の間に、第2の治具係合部112が挟み込まれるようになっている。一対の挟持片124は、締結ボルト125により連結されている。締結ボルト125は、一方の挟持片124の挿通孔を挿通し、他方の挟持片124のねじ孔にねじ込まれている。これにより、一対の挟持片124が第2の治具係合部112を押圧状態で挟み込むことができる。これにより、支軸固定治具102と第2の治具係合部112との相対移動が規制される。逆に、締結ボルト125の締付が緩められると、支軸固定治具102と第2の治具係合部112とを互いに分離させることができる。
図5を参照して、駆動ギヤ駆動治具103は、第1の治具係合部111に連結できる。この状態で、駆動ギヤ駆動治具103を用いて、駆動ギヤ26を回動させることができる。駆動ギヤ駆動治具103は、受け部材127により一対の軸受128を介して回動可能に支持されている。受け部材127は、第2のギヤハウジング62の支持部85に固定ボルト123により固定されている。
駆動ギヤ駆動治具103は、手動操作により回動動作を入力するための入力部材129と、第1の治具係合部111に係合する係合部としての一対の挟持片130とを有している。入力部材129と一対の挟持片130とは、互いに別部品として形成されており、同行回動するように、互いに連結されるようになっている。なお、一対の挟持片と入力部材との少なくとも一部同士が、単一部材により一体に形成されてもよい。
一対の挟持片130の間に、第1の治具係合部111が挟み込まれるようになっている。一対の挟持片130は、締結ボルト131により連結されている。締結ボルト131は、一方の挟持片130の挿通孔を挿通し、他方の挟持片130のねじ孔にねじ込まれている。これにより、一対の挟持片130が第1の治具係合部111を押圧状態で挟み込むことができる。これにより、駆動ギヤ駆動治具103と第1の治具係合部111との相対移動が規制される。逆に、締結ボルト131の締付が緩められると、駆動ギヤ駆動治具103と第1の治具係合部111とを互いに分離させることができる。
図7を参照して、従動ギヤ駆動治具104は、第3の治具係合部113に連結できる。この状態で、従動ギヤ駆動治具104を用いて、従動ギヤ28を回動させることができる。従動ギヤ駆動治具104は、手動操作により回動動作を入力するための入力部材133と、第3の治具係合部113に係合する係合部としての一対の挟持片134とを有している。入力部材133と一対の挟持片134とは、互いに別部品として形成されており、同行回動するように、模擬軸135を介して互いに連結されるようになっている。模擬軸135は、ラック軸10に代えて回転筒52を挿通している。なお、入力部材133と一対の挟持片134との少なくとも一部同士が、単一部材により一体に形成されてもよい。
図3,図7を参照して、一対の挟持片134の間に、第3の治具係合部113が挟み込まれるようになっている。一対の挟持片134は、締結ボルト136により連結されている。締結ボルト136は、一方の挟持片134の挿通孔を挿通し、他方の挟持片134のねじ孔にねじ込まれている。これにより、一対の挟持片134が模擬軸135および第3の治具係合部113を押圧状態で挟み込むことができる。これにより、従動ギヤ駆動治具104と第3の治具係合部113との相対移動が規制される。逆に、締結ボルト136の締付が緩められると、従動ギヤ駆動治具104と第3の治具係合部113とを互いに分離させることができる。
図4を参照して、第1の角度測定装置105は、回動角度センサを有している。この回動角度センサが、駆動ギヤ駆動治具103に角度測定可能に接続されている。これにより、駆動ギヤ駆動治具103の回動角度位置を測定することができる。これと同様に、第2の角度測定装置106は、回動角度センサを有しており、従動ギヤ駆動治具104の回動角度位置を測定することができる。
図8A,図8Bは、図3の減速機24とバックラッシ測定治具100の模式図であり、図8Aに中間ギヤ27を固定する工程を示し、図8Bにバックラッシ測定工程を示し、図8Cに組み立て完了状態の減速機24を示す。図8Aを参照して、バックラッシは、以下のようにして測定することができる。先ず、部分組立品としてのユニット110が組み立てられる。ユニット110がバックラッシ測定治具100に取り付けられる。ユニット110のギヤハウジング58が保持治具101に取り付けられる。
また、支軸固定治具102が、第2の開口94を通じてギヤハウジング58内に挿入された状態で、第2の治具係合部112に係合される。これにより、支軸固定治具102と中間ギヤ27とが、相対回動不能に連結される。これとともに、支軸固定治具102がギヤハウジング58に固定される。このようにして、支軸固定治具102により中間ギヤ27の回動を規制する。
図6を参照して、具体的には、第2の治具係合部112は、一対の平坦面を有している。第2の治具係合部112の一対の平坦面は、互いに平行に配置されて、所定距離を離隔され、互いの間に二面幅を形成している。一対の平坦面は、対応する治具である支軸固定治具102の中心軸線の周りの周方向に交差するように配置されている。また、支軸固定治具102の一対の挟持片124は、一対の平坦面を有している。一対の挟持片124の一対の平坦面は、互いに平行に配置されて、所定距離を離隔され、互いの間に二面幅を形成している。支軸固定治具102の一対の挟持片124と第2の治具係合部112とが互いに締結されたときに、支軸固定治具102の一対の挟持片124の平坦面と第2の治具係合部112の平坦面とが、互いに面接触するようになっている。
なお、第2の治具係合部112および支軸固定治具102の係合部の具体的な形状は、種々考えられる。例えば、第2の治具係合部112が、断面D字形形状に形成されており、単一の平坦面を有してもよい。この場合、支軸固定治具102の一対の挟持片のうちの少なくとも一方は、平坦面を有している。締結状態において、支軸固定治具102の平坦面と第2の治具係合部112の平坦面とが、互いに面接触するようになっている。
また、第2の治具係合部112が、断面円形に形成されており、凸湾曲した円筒面を有してもよい。この場合、支軸固定治具102の一対の挟持片は、第2の治具係合部112の円筒面と同径で凹湾曲した円筒面を有している。締結状態において、支軸固定治具102の円筒面と第2の治具係合部112の円筒面とが、互いに面接触するようになっている。
図8Aを参照して、駆動ギヤ駆動治具103が、第1の開口93を通じてギヤハウジング58内に挿入された状態で、第1の治具係合部111に係合される。これにより、駆動ギヤ駆動治具103と、駆動ギヤ26とが、相対回動不能に連結される。また、駆動ギヤ駆動治具103が、回動可能に支持される。第1の治具係合部111および駆動ギヤ駆動治具103の係合部の具体的な形状は、種々考えられ、例えば、第2の治具係合部112および支軸固定治具102の係合部の形状として説明した形状を適用できる。
従動ギヤ駆動治具104が、第3の開口95を通じてギヤハウジング58内に挿入された状態で、第3の治具係合部113に係合される。これにより、従動ギヤ駆動治具104と、従動ギヤ28とが、相対回動不能に連結される。第3の治具係合部113および従動ギヤ駆動治具104の係合部の具体的な形状は、種々考えられ、例えば、第2の治具係合部112および支軸固定治具102の係合部の形状として説明した形状を適用できる。
このように、ユニット110をバックラッシュ測定治具100に装着する工程は、保持治具101へのギヤハウジング58の取付けと、中間ギヤ27の回動規制(支軸固定治具102の取付け)と、駆動ギヤ駆動治具103の取付けと、従動ギヤ駆動治具104の取付けとの複数の工程を含んでいるが、これらの複数の工程の順序は限定されない。これらの複数の工程のいずれが先でもよいし、また、同時でもよい。
図8Bを参照して、次に、バックラッシ測定工程がなされる。この工程は、中間ギヤ27および駆動ギヤ26の間のバックラッシを測定する第1の測定工程と、中間ギヤ27および従動ギヤ28の間のバックラッシを測定する第2の測定工程とを有している。第1の測定工程と、第2の測定工程とのいずれの工程が先でもよいし、また、同時でもよい。
第1の測定工程では、中間ギヤ27の回動を規制した状態で、中間ギヤ27および駆動ギヤ26の間のバックラッシを測定する。すなわち、中間ギヤ27の回動を規制した状態で、上述のように駆動ギヤ26と連結された駆動ギヤ駆動治具103を用いて、駆動ギヤ26を予め定めるトルクで両方向に回転させる。このときの駆動ギヤ26が回転しうる最大の角度量(角度範囲)を測定する。例えば駆動ギヤ26を一方の向きへ回動させるときの端になる回動角度位置と、他方の向きへ回動させるときの端になる回動角度位置との差を求める。この差が、駆動ギヤ26と中間ギヤ27との間のバックラッシに比例する量に相当する。
第2の測定工程では、中間ギヤ27の回動を規制した状態で、中間ギヤ27および従動ギヤ28の間のバックラッシを、第1の測定工程と同様に測定する。中間ギヤ27の回動を規制した状態で、上述のように従動ギヤ28と連結された従動ギヤ駆動治具104を用いて、従動ギヤ28を予め定めるトルクで両方向に回転させる。このときの従動ギヤ28が回転しうる最大の角度量(角度範囲)を測定する。この角度量は、従動ギヤ28と中間ギヤ27との間のバックラッシに比例する。
図8B,図8Cを参照して、測定終了後、ユニット110をバックラッシ測定治具100から取り外す。上述の2箇所のバックラッシの測定値がともに所要の範囲内にある場合には、電動パワーステアリング装置1を組み立てて完成させる。例えば、ユニット110に電動モータ23、ラック軸10、ラックハウジング59等を取り付ける。これとともに、上述の第1〜第3の開口93,94,95は閉塞される。
なお、上述の2箇所のバックラッシの測定値の少なくとも一方が所要の範囲外にある場合には、測定結果に基づいて、範囲外となった箇所のバックラッシが適正に調節される。例えば、駆動ギヤ26、中間ギヤ27および従動ギヤ28のうちの少なくとも一つのギヤが交換される。その後、電動パワーステアリング装置1を完成させる。
以上説明したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、電動モータ23によって減速機24を介して駆動される回転筒52の回転を車両の左右方向Xに延びるラック軸10の軸方向移動に変換する運動変換機構25と、減速機24を収容するギヤハウジング58と、ギヤハウジング58と連結され上記ラック軸10を収容するラックハウジング59とを備えている。減速機24は、順次に噛み合う駆動ギヤ26、中間ギヤ27および従動ギヤ28を有する平行軸歯車機構30を含んでいる。ギヤハウジング58は、中間ギヤ27の支軸としての第2の支軸32の第2の端部38とは、当該支軸32の軸方向S2に対向する支軸固定治具102挿入用の開口としての第2の開口94を有している。この第2の開口94は、第2の閉塞部材97によって閉塞されている。第2の支軸32の第2の端部38に支軸固定治具102に係合するための第2の治具係合部112が形成されていることを特徴とする。
本実施形態によれば、第2の閉塞部材97を装着されていない状態で開放された第2の開口94を通じて、支軸固定治具102を第2の支軸32の第2の端部38の第2の治具係合部112に係合させる。これにより、支軸固定治具102を用いて、中間ギヤ27を回動不能な状態にすることができる。このように、中間ギヤ27が回動不能な状態で、中間ギヤ27と駆動ギヤ26との噛み合い部のバックラッシおよび中間ギヤ27と従動ギヤ28との噛み合い部のバックラッシをそれぞれ測定することが可能となる。従って、上記2箇所の噛み合い部のバックラッシをそれぞれ適度に調節することが可能となるので、歯打ち音の発生を確実に防止できるとともに、互いに噛み合うギヤ26,27、28を回転させるための抵抗が大きくなることを確実に防止できる。
また、第1〜第3の閉塞部材96,97,98が第1〜第3の開口93,94,95を塞ぐので、第1〜第3の開口93,94,95を通じたギヤハウジング58内への異物の進入が防止される。
また、本実施形態では、電動モータ23によって第2の閉塞部材97が構成されている。これにより、第2の閉塞部材97に、必須の構成である電動モータ23を兼用できるので、部品点数の増加を抑制できる。また、本実施形態では、電動モータ23によって第1の閉塞部材96が構成されているので、より一層好ましい。
また、本実施形態のバックラッシ測定方法は、上記電動パワーステアリング装置1のバックラッシ測定方法であって、第2の閉塞部材97を取り外した状態で開放された第2の開口94を通して支軸固定治具102を挿入し第2の支軸32を固定する工程と、第2の支軸32を固定した状態で中間ギヤ27と駆動ギヤ26とのバックラッシを測定する第1の測定工程と、第2の支軸32を固定した状態で中間ギヤ27と従動ギヤ28とのバックラッシを測定する第2の測定工程とを備えることを特徴とする。
本実施形態では、上述のように2箇所の噛み合い部のバックラッシをそれぞれ測定できるので、上記2箇所の噛み合い部のバックラッシをそれぞれ適度に調節することが可能となる結果、歯打ち音の発生を確実に防止できるとともに、互いに噛み合うギヤ26,27、28を回転させるための抵抗が大きくなることを確実に防止できる。
また、第1の測定工程は、電動モータ23を取り外した状態で、駆動ギヤ26または駆動ギヤ26と同行回転する部材、例えば、軸継手33に、駆動ギヤ26を駆動するための駆動ギヤ駆動治具103を係合する工程を含んでいる。この場合、中間ギヤ27が回転不能な状態で、駆動ギヤ駆動治具103を用いて駆動ギヤ26を回動させることができる。これにより、中間ギヤ27と駆動ギヤ26との噛み合い部のバックラッシを測定できる。ここで、駆動ギヤ26と同行回転する部材としては、例えば、駆動ギヤ26の支軸としての第1の支軸31、この第1の支軸31に固定された部材を挙げることができる。
また、第2の測定工程は、ラックハウジング59を取り外した状態で、従動ギヤ28または従動ギヤ28と同行回転する部材に、従動ギヤ28を駆動するための従動ギヤ駆動治具104を係合する工程を含んでいる。この場合、中間ギヤ27が回転不能な状態で、従動ギヤ駆動治具104を用いて従動ギヤ28を回動させることができる。これにより、中間ギヤ27と従動ギヤ28との噛み合い部のバックラッシを測定できる。ここで、従動ギヤ28と同行回転する部材としては、従動ギヤ28の支軸として機能する回転筒52、この回転筒52に取り付けられた部材(例えば、固定部材50)を例示できる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を主に説明する。他の構成については、説明を省略するが、上述の実施形態と同様である。
例えば、第1〜第3の閉塞部材96,97,98が、電動モータ23やラックハウジング59以外の部材により構成されてもよい。また、第1〜第3の開口93,94,95は、第1のギヤハウジング61に設けられていてもよい。また、上述の各実施形態において、駆動ギヤ26、中間ギヤ27および従動ギヤ28が平歯車であってもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことができる。
本発明の第1の実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。 図1の減速機およびその周辺部分の断面図である。 図2の減速機とバックラッシ測定治具の正面図である。 図3の減速機とバックラッシ測定治具の平面図である。 図4の減速機とバックラッシ測定治具の要部の断面図であり、主に駆動ギヤを示す。 図4の減速機とバックラッシ測定治具の要部の断面図であり、主に中間ギヤを示す。 図4の減速機とバックラッシ測定治具の要部の断面図であり、主に従動ギヤを示す。 図3の減速機とバックラッシ測定治具の模式図であり、図8Aに中間ギヤを固定する工程を示し、図8Bにバックラッシ測定工程を示し、図8Cに組み立て完了状態を示す。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、10…ラック軸、23…電動モータ、24…減速機、25…運動変換機構、26…駆動ギヤ、27…中間ギヤ、28…従動ギヤ、30…平行軸歯車機構、31…第1の支軸(駆動ギヤと同行回転する部材)、32…第2の支軸(中間ギヤの支軸)、33…軸継手(駆動ギヤと同行回転する部材)、38…(第2の支軸の)第2の端部、50…固定部材(従動ギヤと同行回転する部材)、52…回転筒(従動ギヤと同行回転する部材)、58…ギヤハウジング、59…ラックハウジング、94…第2の開口(支軸固定治具挿入用の開口)、97…第2の閉塞部材、102…支軸固定治具、112…第2の治具係合部、103…駆動ギヤ駆動治具、104…従動ギヤ駆動治具、S2…(第2の支軸の)軸方向、S3…(ラック軸の)軸方向、X…車両の左右方向

Claims (5)

  1. 電動モータによって減速機を介して駆動される回転筒の回転を車両の左右方向に延びるラック軸の軸方向移動に変換する運動変換機構と、
    減速機を収容するギヤハウジングと、
    ギヤハウジングと連結され上記ラック軸を収容するラックハウジングとを備え、
    上記減速機は、順次に噛み合う駆動ギヤ、中間ギヤおよび従動ギヤを有する平行軸歯車機構を含み、
    上記ギヤハウジングは、中間ギヤの支軸の端部とは支軸の軸方向に対向する支軸固定治具挿入用の開口を有し、この開口は、閉塞部材によって閉塞されており、
    中間ギヤの支軸の端部に支軸固定治具に係合するための治具係合部が形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1において、上記電動モータによって上記閉塞部材が構成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または2の電動パワーステアリング装置の閉塞部材を取り外した状態で開放された上記開口を通して支軸固定治具を挿入し中間ギヤの支軸を固定する工程と、
    中間ギヤの支軸を固定した状態で中間ギヤと駆動ギヤとのバックラッシを測定する第1の測定工程と、
    中間ギヤの支軸を固定した状態で中間ギヤと従動ギヤとのバックラッシを測定する第2の測定工程とを備えることを特徴とするバックラッシ測定方法。
  4. 請求項3において、上記第1の測定工程は、電動モータを取り外した状態で、駆動ギヤまたは駆動ギヤと同行回転する部材に、駆動ギヤを駆動するための駆動ギヤ駆動治具を係合する工程を含むことを特徴とするバックラッシ測定方法。
  5. 請求項3または4において、上記第2の測定工程は、ラックハウジングを取り外した状態で、従動ギヤまたは従動ギヤと同行回転する部材に、従動ギヤを駆動するための従動ギヤ駆動治具を係合する工程を含むことを特徴とするバックラッシ測定方法。
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