JP2010025159A - 減速機および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

減速機および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】減速機のギヤのアライメント誤差を小さくする。
【解決手段】本電動パワーステアリング装置1の減速機30は、互いに平行な第1および第2の軸31,32を介して、互いに噛み合う第1および第2のギヤ26,27を両持ち支持する第1および第2のハウジング61,62を有する。減速機30は、両ハウジング61,62を対向方向P2とは直交する位置決め方向P1に位置決めする第1および第2の位置決め機構91,92を有する。位置決め機構91,92は、位置決め軸93,97と、位置決め軸93,97が当接可能な位置決め部94,98とを含む。減速機30は、両ハウジング61,62を対向方向P2に締め付ける締結部材63と、締結部材63による締め付け力の一部を、位置決め方向P1に沿って位置決め軸93,97を位置決め部94,98に押圧する力に変換するカム機構102とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、減速機および電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、減速機を有している。この減速機は、互いに噛み合う一対のギヤと、これら一対のギヤをそれぞれ支持する互いに平行な一対の支軸と、一対の支軸を支持する第1および第2のハウジングとを有している。第1および第2のハウジングは、一対のギヤを挟んで互いに対向して配置されている。第1のハウジングは、一対の支軸の同側の一端を支持している。第2のハウジングは、一対の支軸の同側の他端を支持している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−44425号公報
特許文献1の減速機では、第1および第2のハウジングが互いに位置ずれすると、例えば、一対のギヤのアライメント誤差が大きくなる。ひいては、異音が発生する。
そこで、上述の位置ずれを防止するために、第1および第2のハウジングを互いに位置決めすることが考えられている。例えば、第1のハウジングに一対のピンを固定する。これら一対のピンに対向して、第2のハウジングに位置決め用の一対の孔を形成する。一対の孔に一対のピンをそれぞれ嵌合する。
しかし、一対の孔同士の相対位置誤差、および一対のピン同士の相対位置誤差があるので、一対のピンと一対の孔とを嵌合するためには、ピンと孔との嵌合隙間を小さくできない。その結果、第1および第2のハウジングの互いの位置決め精度が低くなる。ひいては、一対のギヤのアライメント誤差は大きくなる。
そこで、本発明の目的は、ギヤのアライメント誤差を小さくできる減速機および電動パワーステアリング装置を提供することである。
本発明の減速機(24)は、互いに平行に配置された第1の軸(31)および第2の軸(32)と、第1の軸とは同行回転可能に設けられた第1のギヤ(26)と、第2の軸とは同行回転可能に設けられ第1のギヤと噛み合う第2のギヤ(27)と、第1および第2の軸の同側の端部としての一端(34,37)をそれぞれ軸受(40,44)を介して回転可能に支持する第1のハウジング(61)と、第1および第2の軸の同側の端部としての他端(35,38)をそれぞれ軸受(41,45)を介して回転可能に支持する第2のハウジング(62)と、第1および第2のハウジングを、両ハウジングの対向方向(P2)とは直交する位置決め方向(P1)に位置決めする位置決め機構(91,92)とを備え、上記位置決め機構は、第2のハウジングに設けられた位置決め軸(93,97)と、第1のハウジングに設けられ上記位置決め軸が当接可能な位置決め部(94,98,98A)とを含み、さらに、第1および第2のハウジングを上記対向方向に締め付ける締結部材(63)と、締結部材による締め付け力の一部を、上記位置決め方向に沿って位置決め軸を位置決め部に押圧する力に変換する変換機構(102)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1および第2のハウジングを上記対向方向に締め付けるときに、位置決め軸を位置決め部に押圧状態で当接させることができるので、第1および第2のハウジングを互いに精度よく位置決めできる。その結果、第1および第2のギヤのアライメント誤差を小さくすることができる。
また、本発明において、上記位置決め部は、第1のハウジングの外郭に設けられた平坦な段部(98A)である場合がある。この場合、位置決め部の形成が容易になる。
また、本発明において、上記締結部材は、頭部(105)を有する固定ねじ(104)と、上記固定ねじの頭部と第1のハウジングに設けられた座(111)との間に介在し、固定ねじが挿通されるとともに、第1のハウジングによって回動が規制された環状のスペーサ(113)とを含み、上記変換機構は、固定ねじの中心軸線(C1)に対して傾斜し互いに合致する一対の傾斜状カム面(115,118)を有するカム機構(102)を含み、上記一対の傾斜状カム面は、上記スペーサおよび上記座の互いの対向面に形成されている場合がある。この場合、カム機構を用いて、固定ねじの締め付け力の一部を、上記位置決め方向に沿って位置決め軸を位置決め部に押圧する力に変換することができる。傾斜状カム面を用いることで、変換機構の構造を簡素化できる。
また、本発明の電動パワーステアリング装置(1)は、操舵補助力を発生させる電動モータ(23)と、この電動モータの出力軸(29)の回転を減速する上記本発明の減速機と、を備えることを特徴とする。本発明の電動パワーステアリング装置によれば、減速機の第1および第2のギヤのアライメント誤差を小さくできるので、例えば、減速機に異音が生じることを抑制できる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、減速機を電動パワーステアリング装置に適用する場合に則して説明するが、減速機を、例えば、電動パワーステアリング装置以外の機械装置に適用することもできる。
図1は、本発明の第1の実施形態の電動パワーステアリング装置の模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering System)1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に第1の自在継手4を介して連結された中間シャフト5と、中間シャフト5に第2の自在継手6を介して連結されたピニオンシャフト7と、ピニオンシャフト7の端部近傍に設けられたピニオン歯8に噛み合うラック歯9を有して自動車の左右方向Xに延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
ピニオンシャフト7およびラック軸10によりラックアンドピニオン機構からなるステアリングギヤ11が構成されている。ラック軸10は、車体12に固定される後述するラックハウジング59内に、複数の軸受(図示せず)を介して直線往復可能に支持されている。ラック軸10には、一対のタイロッド14が結合されている。各タイロッド14は対応するナックルアーム15を介して対応する転舵輪16に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン歯8およびラック歯9によって、自動車の左右方向Xに沿ってのラック軸10の直線運動に変換される。これにより、転舵輪16の転舵が達成される。
ピニオンシャフト7は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン歯8に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
トーションバー19を介する入力軸17および出力軸18の間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ20が設けられている。また、車速を検出するための車速センサ21が設けられている。また、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)22が設けられている。操舵補助力を発生させるための電動モータ23と、この電動モータ23の出力回転を伝達する回転伝達機構24と、回転伝達機構24の出力回転をラック軸10の軸方向移動に変換する運動変換機構25とが設けられている。
トルクセンサ20および車速センサ21からの検出信号が、ECU22に入力されるようになっている。ECU22は、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ23を制御する。電動モータ23の出力回転は、回転伝達機構24により減速され、運動変換機構25により直線移動に変換される。この直線移動が、ラック軸10に伝達される。これにより、操舵が補助されるようになっている。
図2は、図1の電動パワーステアリング装置1の要部の断面図であり、回転伝達機構24を主に示す。図2を参照して、回転伝達機構24は、電動モータ23により駆動される第1のギヤとしての駆動ギヤ26と、この駆動ギヤ26に噛み合うアイドルギヤであり且つ第2のギヤとしての中間ギヤ27と、この中間ギヤ27に噛み合う従動ギヤ28とを有している。
駆動ギヤ26と、中間ギヤ27と、従動ギヤ28とは、順次に噛み合っており、平行軸歯車機構を構成している。また、回転伝達機構24は、操舵補助用の電動モータ23の出力軸29の出力回転を減速する減速機30の一部を構成している。
減速機30は、回転伝達機構24の他、後述するように、第1および第2の軸31,32と、複数の軸受40,41,44,45と、ギヤハウジング58と、第1および第2の締結部材63,64と、第1および第2の位置決め機構91,92と、カム機構102とを有している。なお、図2では、第1および第2の位置決め機構91,92は、図示の都合上、第1および第2の締結部材63,64に隣接して図示されている。
減速機30は、駆動ギヤ26を支持した第1の軸31と、中間ギヤ27を支持した第2の軸32とを有している。第1の軸31は、電動モータ23の出力軸29に軸継手33を介して連結されている。
また、第1の軸31は、その軸方向S1に関して、一端34と、他端35とを有している。また、第2の軸32は、その軸方向S2に関して、一端37と、他端38とを有している。第1の軸31と第2の軸32とは、互いに平行に配置されている。
第1の軸31の一端34と、第2の軸32の一端37とは、第1の軸31の軸方向S1(第2の軸32の軸方向S2でもよい。)に関して、互いに同側の端部である。第1の軸31の他端35と、第2の軸32の他端38とは、第1の軸31の軸方向S1(第2の軸32の軸方向S2でもよい。)に関して、互いに同側の端部である。
また、減速機30は、第1の軸31の一端34を回転可能に支持した軸受40と、第1の軸31の他端35を回転可能に支持した軸受41とを有している。また、第1の軸31の軸方向移動を規制するために、固定部材42,43が設けられている。
また、減速機30は、第2の軸32の一端37を回転可能に支持した軸受44と、第2の軸32の他端38を回転可能に支持した軸受45とを有している。また、第2の軸32の軸方向移動を規制するために、固定部材46,47が設けられている。
図3は、図2の要部の拡大図である。図3を参照して、本実施形態では、固定部材42,46は、ボルトからなる。固定部材42,46は、同じに構成されている。以下では、固定部材42を中心に説明する。
固定部材42は、頭部421と、軸部422とを有している。軸部422に雄ねじが形成されている。固定部材42の雄ねじが、第1の軸31の一端34の端面に形成されたねじ孔341の雌ねじにねじ嵌合されている。これにより、固定部材42は第1の軸31に固定されている。固定部材42の頭部421と、第1の軸31の一端34の段部342との間に、軸受40の内輪が締め付け状態で、固定されている。
固定部材42の一部(例えば、雄ねじ)と軸受40の少なくとも一部とが、第1の軸31の径方向に見るときに、互いに重なり合うように配置されている。
固定部材42が、第1の軸31の雌ねじにねじ嵌合するボルトであるので、固定部材が第1の軸の雄ねじにねじ嵌合するナットである従来の場合と比較して、軸受40の内輪を第1の軸31に固定するために要するスペースを小さくできる。しかも、固定部材42のねじ長さを確保できるので、締め付け強度を高く確保できる。
また、固定部材42は、例えば、いわゆる6角孔付きボタンボルトからなる。固定部材42は、いわゆる丸頭を有しており、頭部の頂面が凸湾曲面により形成されている。固定部材42の頭部の高さは、頭部が円柱状をなす六角孔付きボルトに比べ、低くされている。
また、固定部材46は、頭部461と、軸部462とを有している。軸部462の雄ねじが、第2の軸32の一端37の端面に形成されたねじ孔371の雌ねじにねじ嵌合されている。これにより、固定部材46の頭部461と、第2の軸32の一端37の段部372との間に、軸受44の内輪が締め付け状態で、固定されている。
図2を参照して、従動ギヤ28は、ラック軸10と同心に配置されており、後述するように軸受48,49により回転可能に支持されている。また、ラック軸10の軸方向S3に関する従動ギヤ28の移動が、固定部材50,51により規制されている。
運動変換機構25は、ボールねじ機構からなる。ボールねじ機構は、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットとしての回転筒52と、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸54と、このねじ軸54のボール転動溝および回転筒52のボール転動溝が対向して形成される軌道内を転動する複数のボール53とを有している。各ボール53は、回転筒52のボール転動溝の一端部と他端部とをつなぐ循環路により、無限循環するようになっている。
回転筒52は、従動ギヤ28により駆動される。ねじ軸54は、回転筒52により複数のボール53を介して駆動され、直線移動部材として機能する。ねじ軸54とラック軸10とは、互いに同行移動するように互いに固定されている。例えば、ねじ軸54とラック軸10とが単一部材により一体に形成されている。ボールねじ機構は、回転筒52の回転運動を、ねじ軸54の軸方向直線運動に変換する。
回転筒52は、第1および第2の部分55,56を有している。第1の部分55の外周が、軸受48により回転可能に支持されている。第2の部分56の外周が、軸受49により回転可能に支持されている。第1および第2の部分55,56は、ラック軸10の軸方向S3に関して互いに離隔している。第1の部分55は、ラック軸10の軸方向S3に関する一方の端部に設けられている。第2の部分56は、ラック軸10の軸方向S3に関する中間部に設けられている。回転筒52における第1の部分55と第2の部分56との間の外周に、従動ギヤ28が嵌合されている。回転筒52と従動ギヤ28とは、互いに同心に配置されており、互いに同行回転するように互いに固定されている。
ラック軸10、ねじ軸54、回転筒52、従動ギヤ28、軸受48、および軸受49は、互いに同心に配置されている。運動変換機構25の回転筒52は、電動モータ23によって回転伝達機構24を介して駆動され、これによりラック軸10の中心軸線の回りに回転する。これに伴って、回転筒52の回転がラック軸10の軸方向に関するねじ軸54の直線移動に変換される。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、電動モータ23を支持しつつ回転回転伝達機構24および運動変換機構25を収容するギヤハウジング58と、ラック軸10を収容しつつこのラック軸10を軸方向S3に沿って移動可能に支持する筒状のラックハウジング59と、トルクセンサ20を収容する筒状のセンサハウジング60とを有している。ギヤハウジング58、ラックハウジング59、およびセンサハウジング60は、互いに別体とされ金属により形成されている。
ギヤハウジング58は、第1および第2のハウジング61,62を有している。第1および第2のハウジング61,62は、互いに別体の部品に形成されている。
第1および第2のハウジング61,62は、後述するように、互いに位置決めされた状態で第1および第2の締結部材63,64により互いに固定されている。
また、ギヤハウジング58と電動モータ23とが、複数の固定ボルトにより互いに固定されている。
また、第2のハウジング62とラックハウジング59とは、互いに別部品として形成され、複数の固定ボルトにより互いに固定されている。また、ラックハウジング59とセンサハウジング60とは、複数の固定ボルトにより互いに固定されている。
図2を参照して、第1のハウジング61は、軸受40を保持している第1の軸受保持部78と、軸受44を保持している第2の軸受保持部79と、軸受48を保持している第3の軸受保持部80と、第2のハウジング62に連結されている連結部81とを有している。第1の軸受保持部78、第2の軸受保持部79、および第3の軸受保持部80は、環状の孔を形成している。
第2のハウジング62は、軸受41を保持している第1の軸受保持部82と、軸受45を保持している第2の軸受保持部83と、軸受49を保持している第3の軸受保持部84と、電動モータ23を位置決めしつつ支持している支持部85と、第1のハウジング61の連結部81に連結されている第1の連結部86と、ラックハウジング59の連結部88に連結されている第2の連結部87とを有している。第1の軸受保持部82、第2の軸受保持部83、および第3の軸受保持部84は、環状の孔を形成している。
第1および第2のハウジング61,62が互いに位置決めされた状態において、第1のハウジング61の第1の軸受保持部78と、第2のハウジング62の第1の軸受保持部82と、第2のハウジング62の支持部85に位置決めされた電動モータ23の出力軸29とは、互いに同心に配置されている。また、第1のハウジング61の第2の軸受保持部79と、第2のハウジング62の第2の軸受保持部83とは、互いに同心に配置されている。また、第1のハウジング61の第3の軸受保持部80と、第2のハウジング62の第3の軸受保持部84とは、互いに同心に配置されている。
これにより、電動モータ23の出力軸29の回転中心軸線と、駆動ギヤ26の回転中心軸線とが互いに同心に配置されている。これとともに、駆動ギヤ26の回転中心軸線と、中間ギヤ27の回転中心軸線と、従動ギヤ28の回転中心軸線とが互いに平行に配置されている。また、電動モータ23の出力軸29は、ラック軸10の軸方向S3に平行に配置されている。電動モータ23の出力軸29とラック軸10との間に所定距離が隔てられている。この所定距離は、電動モータ23の外形に応じた最小値またはこの値に近似した値に設定されている。これにより、所要の減速比を実現しつつ、従動ギヤ28の大型化を抑制することができる。ひいては、ステアリングギヤ11、回転伝達機構24、および運動変換機構25の外形を小型化することができる。
駆動ギヤ26は、斜歯歯車からなり、金属、例えば鋼により略円柱形状に形成されている。駆動ギヤ26の外周に複数のギヤ歯が形成されている。駆動ギヤ26と第1の軸31とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。具体的には、駆動ギヤ26と第1の軸31とは単一部材により単一部品として一体に形成されている。また、第1の軸31の他端35は、軸継手33と同行回転できるように、この軸継手33と固定されている。
駆動ギヤ26は、両持ち状態でギヤハウジング58に第1の軸31および軸受40,41を介して回動可能に支持されている。軸受40,41が、第1の軸31の軸方向S1に関して駆動ギヤ26の両側に配置されている。軸受40,41は、転がり軸受である。軸受40,41はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のハウジング61の第1の軸受保持部78は、軸受40を介して、第1の軸31の一端34を回動可能に支持している。第2のハウジング62の第1の軸受保持部82は、軸受41を介して、第1の軸31の他端35を回動可能に支持している。
中間ギヤ27は、斜歯歯車からなり、例えば合成樹脂部材により略円柱形状に形成されている。中間ギヤ27の外周に複数のギヤ歯が形成されている。中間ギヤ27と第2の軸32とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。なお、中間ギヤ27が、金属、例えば、鋼により形成され、中間ギヤ27と第2の軸32とが単一部材により単一部品として一体に形成されてもよい。
また、中間ギヤ27は、両持ち状態でギヤハウジング58に第2の軸32および軸受44,45を介して回動可能に支持されている。軸受44,45が、第2の軸32の軸方向S2に関して、中間ギヤ27の両側に配置されている。軸受44,45は、転がり軸受である。軸受44,45はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のハウジング61の第2の軸受保持部79は、軸受44を介して、第2の軸32の一端37を回動可能に支持している。第2のハウジング62の第2の軸受保持部83は、軸受45を介して、第2の軸32の他端38を回動可能に支持している。
従動ギヤ28は、斜歯歯車からなり、金属、例えば鋼により環状に形成されている。従動ギヤ28の外周に複数のギヤ歯が形成されている。従動ギヤ28と回転筒52とは、互いに同行回転できるように、互いに固定されている。従動ギヤ28は、回転筒52における第1の部分55と第2の部分56との間に配置されている。
従動ギヤ28は、両持ち状態で、ギヤハウジング58に回転筒52および軸受48,49を介して回動可能に支持されている。ラック軸10の軸方向S3に関して、従動ギヤ28の両側に軸受48,49が配置されている。軸受48,49は、転がり軸受である。軸受48,49はそれぞれ、内輪と、外輪と、転動体としての複数の玉とを有している。
第1のハウジング61の第3の軸受保持部80は、軸受48を介して回転筒52の第1の部分55を回動可能に支持している。第2のハウジング62の第3の軸受保持部84は、軸受49を介して回転筒52の第2の部分56を回動可能に支持している。
図4は、図1に示す電動パワーステアリング装置1の要部としての減速機30の側面視での模式図である。図5は、図4に示す減速機30の要部の分解図である。図6は、図4に示す減速機30の要部の断面表示での分解図である。図7は、図4に示す減速機30の要部の断面図であり、第1の締結部材63を締め付ける前の状態を示す。図8は、図4に示す減速機30の要部の断面図であり、第1の締結部材63を締め付けた後の状態を示す。図9は、図8のIX-IX 断面の断面図である。
図2および図4を参照して、減速機30は、第1および第2のハウジング61,62を互いに位置決めする第1および第2の位置決め機構91,92を有している。
第1の位置決め機構91は、第1および第2のハウジング61,62を、位置決め方向P1に位置決めする。これとともに、第1の位置決め機構91は、第1および第2のハウジング61,62を、副位置決め方向として、位置決め方向P1とは直交する方向P3(図2では、紙面垂直方向に相当する。)に位置決めする。
第2の位置決め機構92は、第1および第2のハウジング61,62を、位置決め方向P1に位置決めする。
位置決め方向P1は、第1および第2のハウジング61,62の対向方向P2(図4では、紙面垂直方向に相当する。)とは直交する方向である。また、位置決め方向P1は、第1のハウジング61の連結部81に沿う方向であり、且つ第2のハウジング62の第1の連結部86に沿う方向である。また、位置決め方向P1は、駆動ギヤ26と中間ギヤ27とが互いに並ぶ方向に沿う方向である。また、位置決め方向P1は、中間ギヤ27と従動ギヤ28とが互いに並ぶ方向である。また、位置決め方向P1は、第1および第2の位置決め機構91,92が並ぶ方向に対して交差する方向、例えば、直角に交差する方向である。
また、上述の直交する方向P3は、上述の対向方向P2とは直交する方向である。
図4および図5を参照して、第1の位置決め機構91は、第2のハウジング62に設けられた第1の位置決め軸93と、第1のハウジング61に設けられた第1の位置決め部94とを含んでいる。
具体的には、第2のハウジング62の第1の連結部86は、円柱形状をなす上述の第1の位置決め軸93と、この第1の位置決め軸93が嵌合する第1の嵌合孔95とを有している。第1の位置決め軸93は、第1の嵌合孔95に圧入されて固定されている。
また、第1のハウジング61の連結部81には、断面円形の第1の挿通孔96が形成されている。第1の位置決め部94は、第1の挿通孔96の縁部からなる。
また、第2の位置決め機構92は、第2のハウジング62に設けられた第2の位置決め軸97と、第1のハウジング61に設けられた第2の位置決め部98とを含んでいる。
具体的には、第2のハウジング62の第1の連結部86は、円柱形状をなす上述の第2の位置決め軸97と、この第2の位置決め軸97が嵌合する第2の嵌合孔99とを有している。第2の位置決め軸97は、第2の嵌合孔99に圧入されて固定されている。
また、第1のハウジング61の連結部81には、断面長円形の第2の挿通孔100が形成されている。第2の位置決め部98は、第2の挿通孔100の縁部からなる。この縁部は、第2の挿通孔100の長手方向に沿って延びている。
図6および図7を参照して、第1の位置決め軸93の一端が、第1の嵌合孔95に圧入されている。この状態で、第1の位置決め軸93の他端が、第2のハウジング62の第1の連結部86から所定長さで突出している。第1の位置決め軸93の他端が、第1の挿通孔96に挿通している。
第1の挿通孔96の直径D2は、第1の位置決め軸93の直径D1とは等しいか、この直径よりも微小量大きくされている(D2≧D1)。これにより、第1の位置決め軸93と第1の挿通孔96の内面との間に実質的に隙間がないようにされている。
第2の位置決め軸97の一端が、第2の嵌合孔99に圧入されている。この状態で、第2の位置決め軸97の他端が、第2のハウジング62の第1の連結部86から所定長さで突出している。第2の位置決め軸97の他端が、第2の挿通孔100に挿通している。
第2の挿通孔100の長円形の短径D4(短手方向の幅)は、第2の位置決め軸97の直径D3よりも大きくされている(D4>D3)。第2の挿通孔100の長孔の長手方向は、第1および第2の位置決め機構91,92が並ぶ方向に平行である。
図7および図8を参照して、第1の位置決め軸93と第1の位置決め部94とは、互いに当接可能とされている。例えば、上述のように、第1の位置決め軸93と第1の挿通孔96の内面との間に実質的に隙間がないようにされているので、第1の位置決め軸93と第1の位置決め部94との少なくとも一部が、常時当接している。または、第1および第2のハウジング61,62が後述するように相対移動したときに、第1の位置決め軸93と第1の位置決め部94との少なくとも一部同士が、当接するようになっている。
第1および第2のハウジング61,62が後述するように相対移動したときに、第2の位置決め軸97と第2の位置決め部98とは、互いに当接するようになっている。
図4を参照して、減速機30は、第1および第2のハウジング61,62を対向方向P2(図4の紙面垂直方向に相当する。)に締め付ける単一の第1の締結部材63および複数の第2の締結部材64を有している。
また、減速機30は、第1の締結部材63による締め付け力の一部を、位置決め方向P1に作用する押圧力に変換する変換機構としてのカム機構102を有している。カム機構102は、第1の締結部材63に近接して配置されている。第1の締結部材63およびカム機構102は、少なくとも1箇所に設けられていればよい。
上述の押圧力は、位置決め方向P1に沿って第1の位置決め軸93を第1の位置決め部94に押圧する。これとともに、上述の押圧力は、位置決め方向P1に沿って第2の位置決め軸97を第2の位置決め部98に押圧する。
図5および図6を参照して、第1の締結部材63は、固定ねじ104と、後述するスペーサ113とを有している。
固定ねじ104は、頭部105と、雄ねじが形成された軸部106とを有している。固定ねじ104は、雌ねじ部材107にねじ嵌合している。雌ねじ部材107は、ねじ孔108を有している。このねじ孔108には、雌ねじが形成されている。雌ねじ部材107は、第2のハウジング62に固定されている。具体的には、雌ねじ部材107は、第2のハウジング62とは単一の材料により一体に形成されている。
第1のハウジング61は、固定ねじ104の軸部106が挿通する挿通孔110を有している。第1のハウジング61は、挿通孔110の縁部に、固定ねじ104の頭部105を受ける環状の座111を有している。
図6および図7を参照して、スペーサ113は、固定ねじ104の頭部105と第1のハウジング61に設けられた座111との間に介在している。
座111は、第1のハウジング61における当該座111の周囲よりも一段低く形成されている。座111は、スペーサ113と対向する対向面としての後述する傾斜状カム面115と、キー溝116とを有している。また、座111の対向面(傾斜状カム面115)は、固定ねじ104の軸方向S4に対して傾斜している。座111は、挿通孔110を取り囲んでいる。
スペーサ113は、座111の対向面と相対向して相接する対向面としての後述するように傾斜状カム面118と、キー溝119と、固定ねじ104の頭部105を受ける受け面120と、固定ねじ104が挿通する挿通孔121と、キー溝119に固定されるキー部材122とを有している。
受け面120は、固定ねじ104の軸方向S4に直角に交差している。スペーサ113の対向面(傾斜状カム面118)は、固定ねじ104の軸方向S4に対して傾斜している。キー溝119は、座111のキー溝116に対向して形成されている。キー部材122は、スペーサ113において当該キー部材122を除いた残りの部分である主体部とは別の部品に形成されている。なお、キー部材122とスペーサ113の主体部とが、単一の材料により一体に形成されてもよい。
固定ねじ104の軸方向S4に対するスペーサ113の対向面の傾斜角度D12と、固定ねじ104の軸方向S4に対する座111の対向面の傾斜角度D11とは、互いに等しくされている。
固定ねじ104の中心軸線C1の周りに第1のハウジング61に対してスペーサ113が回動することが、第1のハウジング61によって規制されている。
図8および図9を参照して、具体的には、第1のハウジング61の座111のキー溝116は、スペーサ113の回動を規制するための相対向する一対の規制面131,132を有している。
また、スペーサ113のキー溝119は、当該スペーサ113の回動を規制するための相対向する一対の規制面133,134を有している。
また、スペーサ113のキー部材122は、互いに対向する一対の規制面135,136を有している。各規制面131〜136は、固定ねじ104の周方向(図9において紙面左右方向に相当する。)に対して交差している。
第1のハウジング61に設けられた規制面131,132が、スペーサ113に設けられた対向する規制面135,136をそれぞれ受けている。これにより、固定ねじ104の中心軸線C1の周りにスペーサ113が第1のハウジング61に対して回動することが規制される。
その結果、第1および第2のハウジング61,62が締め付けられる向きに、固定ねじ104が回動するときに、スペーサ113が固定ねじ104に連れ回りすることが防止される。固定ねじ104による締め付け力が、位置決め方向P1(図9の紙面垂直方向に相当する。)の力にカム機構102により確実に変換される。
図5および図7を参照して、キー溝116,119は、固定ねじ104の軸方向S4に沿って見たときに、座111の傾斜方向P4に延びており、また、位置決め方向P1に平行に延びている。
また、スペーサ113と、第1のハウジング61の座111とは、それぞれの対向面同士を沿わせた状態で、キー溝116,119が延びる方向(本実施形態では、位置決め方向P1に平行な方向に相当する。)相対移動可能である。
図6および図7を参照して、カム機構102は、固定ねじ104の中心軸線C1に対して傾斜し互いに合致する一対の傾斜状カム面115,118を有している。一方の傾斜状カム面115は、座111の上述の対向面に形成されている。他方の傾斜状カム面118は、スペーサ113の上述の対向面に形成されている。
また、第2の締結部材64は、固定ねじ104と同じに構成されている。第2の締結部材64の部分に関しては、固定ねじ104の対応する部分の符号を付してある。第2の締結部材64は、第1のハウジング61の挿通孔140を挿通し、第2のハウジング62に固定された雌ねじ部材141にねじ嵌合している。雌ねじ部材141は、雌ねじ部材107と同じに構成されている。雌ねじ部材141は、雌ねじが形成されたねじ孔142を有している。
第2の締結部材64の頭部105と、雌ねじ部材141とが、第1および第2のハウジング61,62を締め付けるようになっている。
図4および図5を参照して、減速機30を組み立てるときに、第1および第2のハウジング61,62に、上述のギヤ26,27,28等を組み付ける。この状態で、第1および第2のハウジング61,62を互いに対向させる。これとともに、第1の締め付け軸93が、第1の嵌合孔95に圧入され、第1の挿通孔96に挿通される。また、第2の締め付け軸97が、第2の嵌合孔99に圧入され、第2の挿通孔100に挿通される。なお、このとき、第2の位置決め軸97は、第2の位置決め部98に位置決めされていない場合がある。
次に、第1の締結部材63および第2の締結部材64が、第1および第2のハウジング61,62に仮止め状態で組み付けられる。このとき、固定ねじ104に軸力が作用しない程度に、固定ねじ104が雌ねじ部材107にねじ嵌合される。これと同様に、第2の締結部材64もねじ孔140にねじ嵌合される。
このとき、第1のハウジング61の連結部81と第2のハウジング62の第1の連結部86とが沿った状態で、第1および第2のハウジング61,62が相対移動可能とされている。また、第1および第2のハウジング61,62が、第1の位置決め軸93の中心軸線の回りに相対回動可能とされている。
図6および図7を参照して、第1の締結部材63の固定ねじ104を、雌ねじ部材107にねじ込む。これに伴い、固定ねじ104の軸方向S4に締め付け力が生じる。この締め付け力は、固定ねじ104の頭部105からスペーサ113を介して、座111に作用する。このとき、締め付け力の一部がカム機構102により位置決め方向P1に沿う押圧力に変換される。押圧力は、座111において第1のハウジング61を位置決め方向P1に押圧する。
図4および図5を参照して、このときの押圧方向は、2つの位置決め機構91,92が並ぶ方向に交差する方向、例えば、直角に交差する方向である。長孔からなる第2の挿通孔100は、2つの位置決め機構91,92が並ぶ方向に沿って延びている。
その結果、第1のハウジング61が位置決め方向P1に沿って、固定ねじ104に対して移動する。この固定ねじ104は、第2のハウジング62に固定されているので、第1のハウジング61が位置決め方向P1に沿って第2のハウジング62に対して移動し、その結果、第1および第2の位置決め機構91,92がそれぞれ位置決めされる。
具体的には、先ず、第1の位置決め軸93と、第1の位置決め部94とが互いに当接する。これにより、第1の位置決め機構91が位置決め状態になる。第1の位置決め機構91の位置において、位置決め方向P1および方向P3に第1および第2のハウジング61,62が互いに位置決めされる。
次に、固定ねじ104がさらにねじ込まれると、第1の位置決め軸93の中心軸線の回りに、第1および第2のハウジング61,62が相対回動しつつ、第2の位置決め軸97と第2の位置決め部98とが互いに当接する。これにより、第2の位置決め機構92の位置においても、位置決め方向P1に第1および第2のハウジング61,62が互いに位置決めされる。換言すれば、第1の位置決め機構91の固定ねじ104の中心軸線C1の回りの周方向に関して、第1および第2のハウジング61,62が互いに位置決めされるともいえる。これにより、第1および第2のハウジング61,62は、全方向に関して位置決めされる。
図8を参照して、このように第1および第2の位置決め機構91,92が位置決めされた状態で、第1の締結部材63が、第1および第2の両ハウジング61,62を締め付けている。これとともに、第2の締結部材64が、両ハウジング61,62を締め付けるようにする。
図2および図5を参照して、一方で、第2のハウジング62の軸受保持部82,83,84は、位置決め方向P1および直交する方向P3に関して、基準位置としての第1および第2の位置決め軸93,97の中心位置(第1および第2の嵌合孔95,99の中心位置に相当)に対して、位置決めされている。また、第1のハウジング61の軸受保持部78,79,80は、基準位置としての第1および第2の位置決め部94,98に対して位置決めされている。
従って、第1および第2のハウジング61,62が、第1および第2の位置決め機構91,92により位置決めされた状態において、第1および第2のハウジング61,62の各軸受保持部78,79,80;82,83,84は、適正に位置決めされる。その結果、複数のギヤ26,27,28のアライメント誤差が小さくなる。
図2を参照して、以上説明したように、本実施形態の減速機30は、互いに平行に配置された第1の軸31および第2の軸32と、第1の軸31とは同行回転可能に設けられた第1のギヤとしての駆動ギヤ26と、第2の軸32とは同行回転可能に設けられ駆動ギヤ26と噛み合う第2のギヤとしての中間ギヤ27と、第1および第2の軸31,32の同側の端部としての一端34,37をそれぞれ軸受40,44を介して回転可能に支持する第1のハウジング61と、第1および第2の軸31,32の同側の端部としての他端35,38をそれぞれ軸受41,45を介して回転可能に支持する第2のハウジング62と、第1および第2のハウジング61,62を、両ハウジング61,62の対向方向P2とは直交する位置決め方向P1に位置決めする位置決め機構91,92とを備えている。位置決め機構91,92は、第2のハウジング62に設けられた第1および第2の位置決め軸93,97と、第1のハウジング61に設けられ位置決め軸93,97が当接可能な第1および第2の位置決め部94,98とを含んでいる。さらに、減速機30は、第1および第2のハウジング61,62を対向方向P2に締め付ける第1の締結部材63と、第1の締結部材63による締め付け力の一部を、位置決め方向P1に沿って第1および第2の位置決め軸93,97を第1および第2の位置決め部94,98に押圧する力に変換する変換機構としてのカム機構102とを備えている。
本実施形態によれば、第1および第2のハウジング61,62を対向方向P2に締め付けるときに、第1の位置決め軸93を第1の位置決め部94に押圧状態で当接させることができる。これとともに、第2の位置決め軸97を第2の位置決め部98に押圧状態で当接させることができる。その結果、第1および第2のハウジング61,62を互いに精度よく位置決めできる。従って、駆動ギヤ26および中間ギヤ27のアライメント誤差を小さくすることができる。その結果、例えば、異音の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、第1の締結部材63は、頭部105を有する固定ねじ104と、固定ねじ104の頭部105と第1のハウジング61に設けられた座111との間に介在し、固定ねじ104が挿通されるとともに、第1のハウジング61によって回動が規制された環状のスペーサ113とを含んでいる。変換機構は、固定ねじ104の中心軸線C1に対して傾斜し互いに合致する一対の傾斜状カム面115,118を有するカム機構102を含んでいる。一対の傾斜状カム面115,118は、スペーサ113および座111の互いの対向面に形成されている。
この場合、カム機構102を用いて、固定ねじ104の締め付け力の一部を、位置決め方向P1に沿って第1および第2の位置決め軸93,97を第1および第2の位置決め部94,98に押圧する力に変換することができる。傾斜状カム面115,118を用いることで、変換機構の構造を簡素化できる。
また、第1および第2の位置決め機構91,92が、カム機構102により、当接状態で位置決めされるので、両ハウジング61,62を互いに高精度に位置決めできる。なお、第1および第2の位置決め機構91,92のうちのいずれか一方を廃止することも考えられる。
また、本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、操舵補助力を発生させる電動モータ23と、この電動モータ23の出力軸29の回転を減速する上述の減速機30と、を備えている。これにより、減速機30の駆動ギヤ26および中間ギヤ27のアライメント誤差を小さくできるので、例えば、減速機30に異音が生じることを抑制できる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に図示して、この点を主に説明する。他の構成については、説明を省略するが、上述の実施形態と同様であり、同一符号を付してある。
例えば、図10は、本発明の第2の実施形態の電動パワーステアリング装置の要部の模式的な側面図である。図10を参照して、第2の実施形態の減速機30Aは、図4に示す第1の実施形態の第2の位置決め部98(長孔の縁部)に代えて、図10に示す第2の位置決め部98Aを有している。第2の位置決め部98Aは、第1のハウジング61の外郭に設けられた平坦な段部により形成されている。第2の位置決め部98Aの段部は、第1および第2の位置決め機構91,92が並ぶ方向に平行に延びている。
本実施形態では、第2の位置決め部98Aは、第1のハウジング61の外郭に設けられた平坦な段部であるので、長孔の縁部である場合(第1の実施形態が相当する。)に比較して、第2の位置決め部98Aの形成が容易になる。例えば、第2の位置決め部98Aである平坦な段部をフライス加工により形成できる。その結果、例えば、第2の位置決め部98Aの製造コストが安価になる。また、第2の位置決め部98Aの加工精度が高くなる。その結果、第1および第2のハウジング61,62の位置決め精度を高めることができる。
なお、第1のハウジング61において、第2の位置決め部98Aに相当する上述の段部を形成する部分と、この部分を除いた残りの部分とが、単一の材料により一体に形成されてもよいし、互いに別の部材により形成されて互いに固定されてもよい。
また、第2の実施形態において、図10に示す第2の実施形態のカム機構102を廃止する場合も考えられる。この場合には、第1の締結部材63に代えて、第2の締結部材64が設けられる。これとともに、カム機構102を利用した押圧に代えて、組立時に作業者が手動操作または作業用治具を用いて第1のハウジング61を押圧する。これにより、第1および第2の位置決め機構91,92Aを片寄せ状態にできる。この場合、カム機構102が用いられないので、構造を簡素化できる。
また、上述の第1の実施形態において、第2の位置決め部98として、図4に示す第1の実施形態の長孔の縁部に代えて、断面円形の挿通孔の縁部を用いてもよい。挿通孔の直径は、第2の位置決め軸97の直径よりも大きくされている。第2の位置決め軸97と第2の位置決め部とが、隙間を介して嵌合している。この場合、第2の位置決め部98を長孔の縁部により形成する場合と比較して、第2の位置決め部98を容易に形成でき、第2の位置決め部98の加工精度を高くできる。その結果、第1および第2のハウジング61,62の位置決め精度を高めることができる。
また、上述の各実施形態の第1のハウジング61において、座111を形成する部分と、この部分を除いた残りの部分とが、単一の材料により一体に形成されてもよいし、互いに別の部材により形成されて互いに固定されてもよい。
また、上述の各実施形態の第1のハウジング61において、第1の位置決め部94を形成する部分と、この部分以外の残りの部分とが、上述の実施形態のように単一の部材により一体に形成されてもよいし、互いに別の部材により形成されてもよい。
また、第2のハウジング62において、第1の位置決め軸93を形成する部分と、この部分以外の残りの部分とが、上述の実施形態のように互いに別の部材により形成されてもよいし、単一の部材により一体に形成されてもよい。
同様に、第2のハウジング62において、第2の位置決め軸97を形成する部分と、この部分以外の残りの部分とが、上述の実施形態のように互いに別の部材により形成されてもよいし、単一の部材により一体に形成されてもよい。
また、第1の実施形態の第1のハウジング61において、第2の位置決め部98を形成する部分と、この部分以外の残りの部分とが、上述の実施形態のように単一の部材により一体に形成されてもよいし、互いに別の部材により形成されてもよい。
また、雌ねじ部材107は、上述のように第2のハウジング62とは単一の材料により一体に形成されていてもよいし、第2のハウジング62とは別の部材に形成されて第2のハウジング62に固定されていてもよい。
また、第1のハウジング61が上述のキー部材122に相当する部分を一体または別体で有していてもよい。この場合にも、固定ねじ104の中心軸線C1の周りにスペーサ113が第1のハウジング61に対して回動することが規制される。
また、各ギヤ26,27,28は、斜歯歯車であったが、これには限定されず、互いに噛み合う少なくとも一対のギヤが平歯車である場合も考えられる。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことができる。
本発明の第1の実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置の要部の断面図である。 図2の要部の拡大図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置の要部の側面視での模式図である。 図4に示す減速機の要部の分解図である。 図4に示す減速機の要部の断面表示での分解図である。 図4に示す減速機の要部の断面図であり、締め付け前の状態を示す。 図4に示す減速機の要部の断面図であり、締め付け後の状態を示す。 図8のIX-IX 断面の断面図である。 本発明の第2の実施形態の電動パワーステアリング装置の要部の側面視での模式図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、23…電動モータ、24…減速機、26…駆動ギヤ(第1のギヤ)、27…中間ギヤ(第2のギヤ)、29…電動モータの出力軸、31…第1の軸、32…第2の軸、34…第1の軸の一端、35…第1の軸の他端、37…第2の軸の一端、38…第2の軸の他端、61…第1のハウジング、62…第2のハウジング、63…第1の締結部材、64…第2の締結部材、91…第1の位置決め機構、92…第2の位置決め機構、93…第1の位置決め軸、94…第1の位置決め部、97…第2の位置決め軸、98…第2の位置決め部、98A…第2の位置決め部(段部)、102…カム機構(変換機構)、104…固定ねじ、105…頭部、111…座、113…スペーサ、115…傾斜状カム面(座の対向面)、118…傾斜状カム面(スペーサの対向面)、C1…固定ねじの中心軸線、P1…位置決め方向、P2…対向方向。

Claims (4)

  1. 互いに平行に配置された第1の軸および第2の軸と、
    第1の軸とは同行回転可能に設けられた第1のギヤと、
    第2の軸とは同行回転可能に設けられ第1のギヤと噛み合う第2のギヤと、
    第1および第2の軸の同側の端部としての一端をそれぞれ軸受を介して回転可能に支持する第1のハウジングと、
    第1および第2の軸の同側の端部としての他端をそれぞれ軸受を介して回転可能に支持する第2のハウジングと、
    第1および第2のハウジングを、両ハウジングの対向方向とは直交する位置決め方向に位置決めする位置決め機構とを備え、
    上記位置決め機構は、第2のハウジングに設けられた位置決め軸と、第1のハウジングに設けられ上記位置決め軸が当接可能な位置決め部とを含み、
    さらに、第1および第2のハウジングを上記対向方向に締め付ける締結部材と、
    締結部材による締め付け力の一部を、上記位置決め方向に沿って位置決め軸を位置決め部に押圧する力に変換する変換機構とを備えることを特徴とする減速機。
  2. 請求項1において、上記位置決め部は、第1のハウジングの外郭に設けられた平坦な段部であることを特徴とする減速機。
  3. 請求項1または2において、上記締結部材は、頭部を有する固定ねじと、上記固定ねじの頭部と第1のハウジングに設けられた座との間に介在し、固定ねじが挿通されるとともに、第1のハウジングによって回動が規制された環状のスペーサとを含み、
    上記変換機構は、固定ねじの中心軸線に対して傾斜し互いに合致する一対の傾斜状カム面を有するカム機構を含み、上記一対の傾斜状カム面は、上記スペーサおよび上記座の互いの対向面に形成されていることを特徴とする減速機。
  4. 操舵補助力を発生させる電動モータと、この電動モータの出力軸の回転を減速する上記請求項1から3の何れか一項に記載の減速機と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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CN111043244A (zh) * 2019-11-27 2020-04-21 北京建瑞伟业科技有限公司 一种双轴同步对称可转位减速机
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