JP3040345B2 - 扉およびそれを用いた仏壇 - Google Patents

扉およびそれを用いた仏壇

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JP3040345B2 JP8117768A JP11776896A JP3040345B2 JP 3040345 B2 JP3040345 B2 JP 3040345B2 JP 8117768 A JP8117768 A JP 8117768A JP 11776896 A JP11776896 A JP 11776896A JP 3040345 B2 JP3040345 B2 JP 3040345B2
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佳範 前田
達郎 八木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は扉およびそれを用い
た仏壇に関する。さらに詳しくは折畳み可能な戸板から
なる両開きの扉において、閉めるときに戸板が折り畳ま
れた状態のまま仏壇などの相手部材に衝突して蝶番、ま
たは戸板と該相手部材とのあいだの連結部分あるいは戸
板自身が破損することを防止できる扉およびそれを用い
た仏壇に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、仏壇などにおいては、扉を開
いたときの戸板の占有空間を小さくするため、および装
飾性を向上させるために折畳み可能な両開きの扉が用い
られている。従来の折畳み可能な両開きの扉は以下のよ
うに構成されている。すなわち、図6〜7に示されるよ
うに、相手部材である仏壇の仏壇本体31の左右両側に
それぞれ戸板32、33が蝶番34、35を介して揺動
自在に取り付けられている。しかも、左右それぞれの戸
板32、33は、内側部分32a、33aと外側部分3
2b、33bに分割され、該内側部分32a、33aお
よび外側部分32b、33bが折畳み用蝶番36、37
によって互いに回転できるように連結されている。前記
戸板32、33は、内側部分32a、33aと外側部分
32b、33bとがほぼ同じ幅X3 になるように作製さ
れている。
【0003】このような従来の扉は、扉を閉じた状態で
は、戸板32のように内側部分32aおよび外側部分3
2bを展開して仏壇本体31の前面を閉じ、一方、扉を
開けた状態では、戸板33のように内側部分33aおよ
び外側部分33bを互いに折り重ねて占有空間を小さく
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7に示され
るように、扉を開けた状態から、再び扉を閉じるとき、
内側部分33aおよび外側部分33bが互いに折り重ね
られてほぼ接触した状態のまま、蝶番35回りに回転す
ると、内側部分33aの先端部38が仏壇本体31の側
板39、または仏壇本体31内部の台板40、または上
部化粧板A(図6参照)にほぼ垂直に衝突する。このば
あい、蝶番35回りの衝突によって、回転を妨げられた
戸板33の慣性力の一部が蝶番35およびその周辺部に
衝撃的に作用するため、該蝶番35およびその周辺部を
破損することがある。
【0005】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、折畳み可能な両開きの扉において、閉
めるときに戸板が折畳まれた状態のまま相手部材に衝突
して蝶番、または戸板と相手部材とのあいだの連結部分
が破損されることを防止することができる扉およびそれ
を用いた仏壇を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の扉は、相手部材
の左右両側にそれぞれ戸板が蝶番を介して揺動自在に取
り付けられた両開きの扉であり、かつ左右それぞれの戸
板が内側部分と外側部分とに分割され、該内側部分およ
び外側部分が折畳み用蝶番によって互いに回転できるよ
うに連結された扉であって、前記左右の戸板が、前記内
側部分における内側端縁から前記折畳み用蝶番までの距
離が前記外側部分における外側端縁から前記折畳み用蝶
番までの距離よりも大きくなるようにされてなることを
特徴としている。
【0007】前記戸板の内側部分の内側に突出部が設け
られ、該突出部と前記外側部分の内側端縁とのあいだに
前記折畳み用蝶番が設けられ、かつ前記相手部材の前面
には、当該前面の側端から中央に向かうにつれて当該相
手部材の前方に向かう斜面を有するガイド部が突設され
てなるのが好ましい。
【0008】とくに、前記扉は、仏壇用の扉として好適
に採用することができる。
【0009】本発明によれば、左右の戸板が、それぞれ
戸板の内側部分における内側端縁から折畳み用蝶番まで
の距離が戸板の外側部分における外側端縁から前記折畳
み用蝶番までの距離よりも大きくなるようにされている
ため、内側部分および外側部分が互いに折り重ねられた
状態のまま扉を閉じたとき、内側部分の先端部が相手部
材に対して90度未満の小さい角度(図2のθ)で確実
に当接する。このとき、内側部分の先端部が相手部材か
ら受ける反力(図2のF)は内側部分が外側部分に対し
て開く方向に作用する。したがって、戸板は、内側部分
および外側部分が開きながら、円滑に相手部材の前面を
閉じることができ、蝶番およびその周辺部を破損させな
い。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら、本
発明の仏壇を詳細に説明する。図1は本発明の扉を備え
た仏壇の一実施例を示す正面図、図2は図1の仏壇のII
−II線断面図、図3は本発明の扉を備えた仏壇の他の実
施例を示す正面図、図4は図3の仏壇のIV−IV線断面
図、図5は図4の扉の動きを示す断面説明図である。
【0011】図1〜2には、折畳み可能な戸板2、3か
らなる両開きの扉の一例としてフラットタイプの扉が示
されており、かかる扉は、相手部材である仏壇の仏壇本
体1の左右両側にそれぞれ戸板2、3が蝶番4、5を介
して揺動自在に取り付けられている。しかも、左右それ
ぞれの戸板2、3は、内側部分2a、3aと外側部分2
b、3bに分割され、該内側部分2a、3aおよび外側
部分が2b、3bが折畳み用蝶番6、7によって互いに
回転できるように連結されている。
【0012】また、仏壇本体1の内部には、通常用いら
れる仏像、位牌、その他の仏具などが各宗派の仏式にの
っとって配置されている。
【0013】前記左右の戸板2、3は、前記内側部分2
a、3aにおける内側端縁から前記折畳み用蝶番6、7
までの距離X1 が前記外側部分2b、3bにおける外側
端縁から前記折畳み用蝶番6、7までの距離X2 よりも
大きくなるように設計されている。したがって、図2に
示される右側の戸板3のように、矢印R回りに内側部分
3aおよび外側部分3bが互いに折り重ねられた状態の
まま扉を閉じたとき、内側部分3aの先端部8が仏壇本
体1の側板9、仏壇本体1内部の台板10、または上部
化粧板A(図1参照)に対して90度未満の小さい角度
(図2のθ)で確実に当接する。たとえば、外側部分3
bが側板9と平行になる位置まで回転したとき外側部分
3bよりも長い内側部分3aは、側板9などに斜めに当
接する。
【0014】このとき、内側部分3aの先端部8が台板
10などから受ける反力(図2のF)は内側部分3aが
外側部分3bに対して開く方向に作用する。したがっ
て、戸板3は、内側部分3aおよび外側部分3bが開き
ながら、円滑に仏壇本体1の前面を閉じることができ
る。なお、前述の例では、右側の戸板3のみを例にあげ
て説明しているが、左側の戸板2についても同様の作用
を奏することができる。
【0015】つぎに、本発明の他の実施例として、図3
〜5に示されるような立体感を現出して高級家具または
高級仏壇の味わいをかもし出す段付きの両開きの扉を例
にあげて説明する。
【0016】図3〜5に示される扉は、前記実施例と同
様に、相手部材である仏壇の仏壇本体11の左右両側に
それぞれ戸板12、13が蝶番14、15を介して揺動
自在に取り付けられ、左右それぞれの戸板12、13
は、内側部分12a、13aと外側部分12b、13b
に分割され、該内側部分12a、13aおよび外側部分
が12b、13bが折畳み用蝶番16、17によって互
いに回転できるように連結されている。また、図4〜5
に示されるように、前記実施例と同様に、左右の戸板1
2、13は、前記内側部分12a、13aにおける内側
端縁から前記折畳み用蝶番16、17までの距離X1
前記外側部分12b、13bにおける外側端縁から前記
折畳み用蝶番16、17までの距離X2 よりも大きくな
るように設計されているため、戸板12、13は、蝶番
14、15などを破損することなく内側部分12a、1
3aおよび外側部分12a、13bが開きながら、円滑
に仏壇本体11の前面を閉じることができる。
【0017】この図4〜5に示される扉においては、さ
らに戸板12、13の内側部分12a、13aの内側に
突出部23が設けられ、該突出部23と前記外側部分1
2b、13bの内側端縁とのあいだに前記折畳み用蝶番
16、17が設けられている。また、外側部分12b、
13bの内側端縁には、突出部23を収納するための凹
部24が形成されている。したがって、扉を閉じたとき
に突出部23を凹部24内部に収納することができるた
め、内側部分12a、13aの外面に外側部分12b、
13bの内面を当接させて隙間をなくし、その結果、美
観性を向上させることができる。
【0018】さらに、前記仏壇本体11の台板20の前
面にはガイド部21が突設され、該ガイド部21の両側
には、台板20の前面の側端から中央に向かうにつれて
仏壇本体11の前方に向かうように斜面22が形成され
ている。また、斜面22は、内側部分12a、13aの
先端部18が該斜面22のどこで当接しても内接角(図
5のθ)が90度未満になるようになめらかな曲面で構
成されている。したがって、扉を閉めるばあい、図4〜
5に示されるように、内側部分12a、13aの先端部
18は、最初は台板20の前面に沿って内側に移動し、
ついで斜面22に沿って移動し、最後にガイド部22の
前面に沿って移動するため、段付きの両開きの扉であっ
ても円滑に閉止動作を行なうことができる。また、閉止
したとき内側部分12a、13aはガイド部21の前面
に当接しているため、ぐらつかない。
【0019】なお、前記実施例では、扉を取り付ける相
手部材として、家庭内などで使用するにあたって、開い
たときの戸板の占有空間を小さくすること、および宗教
的な荘厳さを励起させるべく装飾性を向上させることを
両方達成するという観点からもっとも好適に採用される
仏壇を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、その他にも家具などの相手部材にも採
用することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、折畳み可能な戸板から
なる両開きの扉を閉めるときに戸板が折り畳まれた状態
のまま閉じても、内側部分の先端部が相手部材に対して
90度未満の小さい角度で確実に当接するとともに内側
部分および外側部分が開きながら、円滑に相手部材の前
面を閉じることができるため、相手部材に衝突して戸板
と該相手部材とのあいだの連結部分が破損するなどの不
具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扉を備えた仏壇の一実施例を示す正面
図である。
【図2】図1の仏壇のII−II線断面図である。
【図3】本発明の扉を備えた仏壇の他の実施例を示す正
面図である。
【図4】図3の仏壇のIV−IV線断面図である。
【図5】図4の扉の動きを示す断面説明図である。
【図6】従来の仏壇の正面図である。
【図7】図6の仏壇のVII−VII線断面図である。
【符号の説明】
1、11 仏壇本体 2、12 戸板 2a、12a 内側部分 2b、12b 外側部分 3、13 戸板 3a、13a 内側部分 3b、13b 外側部分 4、14 蝶番 5、15 蝶番 6、16 折畳み用蝶番 7、17 折畳み用蝶番 8、18 先端部 23 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47G 33/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手部材の左右両側にそれぞれ戸板が蝶
    番を介して揺動自在に取り付けられた両開きの扉であ
    り、かつ左右それぞれの戸板が内側部分と外側部分とに
    分割され、該内側部分および外側部分が折畳み用蝶番に
    よって互いに回転できるように連結された扉であって、
    前記左右の戸板が、前記内側部分における内側端縁から
    前記折畳み用蝶番までの距離が前記外側部分における外
    側端縁から前記折畳み用蝶番までの距離よりも大きくな
    るようにされてなることを特徴とする扉。
  2. 【請求項2】 前記戸板の内側部分の内側に突出部が設
    けられ、該突出部と前記外側部分の内側端縁とのあいだ
    に前記折畳み用蝶番が設けられ、かつ前記相手部材の前
    面には、当該前面の側端から中央に向かうにつれて当該
    相手部材の前方に向かう斜面を有するガイド部が突設さ
    れてなる請求項1記載の扉。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の扉を備えた仏
    壇。
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JP5802795B1 (ja) * 2014-04-23 2015-11-04 弓場 裕秀 仏壇本体と前扉の連結構造

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