JPH049838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は扉を有する本体の開口側で本体から
突出する本体蝶番連結片部を介して本体に固着さ
れた本体蝶番と、該本体蝶番の取付位置に対応し
て扉の内面側に設けられ且つ該本体蝶番と軸部を
介して連結され周方向に回転する扉蝶番と、扉の
表面側から延出して該扉蝶番の外端側を軸の延長
方向に沿つて一連に囲繞する蝶番閉止部とからな
つて、該蝶番閉止部により本体蝶番と扉蝶番との
蝶着部分を外側から隠蔽する扉開閉装置の改良に
関する。

【従来の技術】

扉開閉装置、特に所謂、隠し蝶番のものは例え
ば本件出願人所有の実用新案登録第1504804号の
扉の蝶着装置が知られている。 この考案は、扉の表面に固定した化粧板の一側
延長部を内側に屈曲し、該扉の側端に固定した回
転蝶番構成板に設けた管部の一部を前記屈曲部に
より被覆し、また金庫その他任意の扉取付体に取
付けた他方の固定蝶番構成板の管部を、前記管部
に組合わせ取付体の円弧状凹部に沿つて管部及び
屈曲部を位置させ、更に止ピンを両管部に一連に
挿通して扉を取付体に蝶番してなる、という構成
からなつている。 この扉開閉装置は、扉の表面を形成する化粧板
を延長して設けられた屈曲部によつて蝶番の連結
部分を被覆するので、外観上、蝶番部分が露出す
ることなく美観を高めると共に扉が不慮に取外さ
れる危険がない、等の効果を奏し相当の成果を挙
げている。 しかしながら、上記構成によると、扉を開く際
に蝶番を回転すると、固定蝶番構成板に化粧板の
屈曲部の先端が衝合し狭い角度（略90度前後）し
か回動することができず、略180度にまで開扉す
ることは困難であつた。 従つて、本体内に収納物を出し入れするのに扉
が邪魔になり出入作業が煩わしいという欠点があ
る。

【考案が解決しようとする問題点】

この考案は上記欠点を解消すべく鋭意研究の結
果創案されたものであつて、その主たる課題は、 扉を本体に対して略水平となる位置まで開くこ
とができる扉開閉装置（隠し蝶番構造）を提案す
るにある。

【問題点を解決するための手段】

この考案は上記課題を解決するために、 扉を有する本体の開口側で本体から突出する本
体蝶番連結片部を介して本体に固着された本体蝶
番と、該本体蝶番の取付位置に対応して扉の内面
側に設けられ且つ該本体蝶番と軸部を介して連結
され周方向に回転する扉蝶番と、扉の表面側から
延出して該扉蝶番の外端側を軸の延長方向に沿つ
て一連に囲繞する蝶番閉止部とからなつて、該蝶
番閉止部により本体蝶番と扉蝶番との蝶着部分を
外側から隠蔽する扉開閉装置において、 (a) 本体蝶番連結片部が、上方に軸部を有する本
体蝶番の側方から本体の正面と平行に中央側に
向かつて延びる内向延出部とそこから略直交し
て本体側へ接近する突出部とを有しており、 (b) 扉の表面から連続して一連に延びて上記本体
蝶番を同軸に連結する筒状の扉蝶番の外側を覆
つて上下に延びる蝶番閉止部を形成し、 (c) 該蝶番閉止部の本体蝶番連結片部の取付位置
に対応する箇所に該本体蝶番連結片部が嵌入可
能な高さで、扉を略180°開くまで上記本体蝶番
連結片部の内向延出部と衝合しない角度に周壁
を外周に沿つて開口した切欠を設ける、 という技術手段を講じている。

【作用】

扉を開く際に本体蝶番に回転可能に蝶着された
扉蝶番が周方向に回転する。 この扉蝶番の回転に連動して扉蝶番の外端側に
設けられた蝶番閉止部が回転する。 この蝶番閉止部に設けられている切欠は回転時
に本体蝶番連結片部に外側から嵌込まれ約180°回
転した位置で該切欠の奥溝で内向延出部が衝合し
扉の回転が拘束される。

【実施例】

以下に、この考案に係る扉開閉装置を耐火庫に
用いた場合の好適実施例を図面に基づいて説明す
る。 第１図及び第４図に示す耐火庫の蝶着構造は、
扉１に設けられた上下二段の扉蝶番４，４と、耐
火庫本体６に設けられた上下二段の本体蝶番７，
７との組合せからなり、この扉蝶番４には扉１の
表面２側から延出して該扉蝶番４の外端側を軸の
延長方向に沿つて一連に囲繞する蝶番閉止部３が
固着された構成からなつている。 即ち、扉蝶番４は、管部４０を扉１の一側端で
扉蝶番連結片部４１を介して扉１に固着したもの
で、該扉蝶番連結片部４１は、幹部４０の一側か
ら扉１の表面を形成する化粧板２の内側に沿つて
一連に延出し扉１内に突入して固定されている。 この扉蝶番４の外端側には扉１の表面を形成す
る化粧板２から延出された蝶番閉止部３がその一
部を囲繞している。 本実施例においては、この蝶番閉止部３は、扉
蝶番４の管部４０の外端側を略覆う隅部３ａがア
ーム状に形成されている。 これにより側方から耐火庫を観察した場合に、
扉蝶番４は全て蝶番閉止部３により覆われ、その
管部４０が外部に見えることはない。 この蝶番閉止部３に切欠１０，１０が上下二段
に透設されている。 この切欠１０，１０は本実施例では略コ状の切
欠からなつて、後述の本体蝶番７を構成する本体
蝶番連結片部７１に対応する位置（高さ）で本体
蝶番連結片部７１の縦幅より大きく開口されてい
る。 また、その横幅は、蝶番閉止部３の湾曲部分の
先端から略45度部分に瓦つて穿設されている。 これは、切欠１０の奥溝１０ａが本体蝶番連結
片部７１の先端と衝合すると、扉１はそれ以上開
扉方向に回転することができないので、開扉に必
要な角度に応じて切欠１０の横幅を適宜設定する
ことができ、本実施例では略180度の回転が可能
である。 一方、本体蝶番７は、本実施例では管部７０上
に軸部７２を突設すると共に上記管部７０から突
出し本体６内へ突入する本体蝶番連結片部７１と
からなつている。 ここで、本体蝶番連結片部７１は、管部７０の
内端側から本体内側に向かい扉閉止時の化粧板２
と略水平に延出する内向延出部７１ａと、その先
端から略直角に屈曲して本体６内へ突入する突出
部７１ｂとから構成されている。 そして、突出部７１ｂは、本体６内に固設され
た本体蝶番固定部１２に溶着その他の手段で固定
される。 なお、上記突出部７１ｂは、偏平状であると、
或いは本体側方寄りに屈曲させる構成であつても
よい。 このように構成されているので組立時において
は、第２図に示す如く、蝶番閉止部３の開口側か
ら本体蝶番７をその開口内に挿入し、該本体蝶番
７の軸部７２に、扉蝶番４の管部４１の中空部を
下向きに外嵌する。 これにより、軸部７２に枢着されて管部４１を
介し扉蝶番４が周方向に回動可能となつて、扉蝶
番４本体蝶番７とが螺着される。 そして、扉１に設けられた扉蝶番４，４は外端
側を覆う蝶番閉止部３によつて側方が覆われ、ま
たその蝶番閉止部３の上下両端は、扉１の上面及
び底面から一連に延出する上面閉止部３０及び底
面閉止部３１によつて覆われるので扉蝶番４，４
は隠蔽されて、外側に露出することはない。 また、この蝶番閉止部３の切欠１０，１０は扉
１の開扉時に本体蝶番７の本体蝶番連結片部７１
に整合し、切欠１０内に上記本体蝶番連結片部７
１を進入させるので切欠１０の奥溝１０ａ部分ま
で扉１を開扉方向に回転でき、扉１を略180度に
開くことができる。 第５図に示す蝶番閉止部３は外端の隅部３ａが
角状に形成された異なる実施例を示す。 この場
合、蝶番閉止部３は折返し部分３ｂが本体６側へ
向かつて漸次傾斜するテーパ面に形成されてお
り、本体６と扉１との螺着部分のスペースＳを可
及的に閉止する構造からなつている。 その他の構成は前記実施例と同様であるので同
一構成には同一符号を付してその説明を省略す
る。 なお前述の如く、この考案において、切欠の奥
溝の形状（回転方向の長さ）は扉の開扉方向の回
転角度を決定することができるので、この奥溝の
形状構成によつて扉回転角度（例えば180度）を
設定することができ、過度乃至過少の回転角度を
避けることができる。勿論、本体６の開口側壁面
と衝合させて扉の回転を規制するものであつても
よい。 その他、この考案においては、切欠の形状は本
体蝶番連結片部に対応して嵌込み可能な形状であ
ればよく、前記実施例に限定されるものではな
い。 また、蝶番閉止部の形状も扉蝶番の少なくとも
外端部分を閉止するものであれば、特に限定され
るものではない。 更に、扉蝶番と本体蝶番とを回転可能に連結す
る軸部は扉蝶番の管部から突出（垂下）するもの
であつてもよい。 その他、この考案の要旨を変更しない範囲で
種々設計変更しうること勿論である。

【考案の効果】

この考案は上記構成からなつているので、蝶番
閉止部により扉蝶番の外端部分を側方から見えな
いように覆つても、換言すると本体内側方向に長
く延出させても、扉を開扉方向に大きい角度で開
くことができ、収納物の出し入れ作業をスムース
に遂行することができる。 また、蝶番閉止部により蝶着部分が覆われ且つ
拘束されるので扉は不慮に取外される虞れもな
い。 更に、扉蝶番及び本体蝶番は突出しないので美
観を高めることができ商品の付加価値を一層高め
ることができて好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の扉開閉装置を耐火庫に用い
た場合の実施例を示す要部断面図、第２図は同斜
視図、第３図は耐火庫の側面図、第４図は扉を開
いた状態の正面図、第５図は蝶番閉止部の形状を
異にする別の実施例を示す要部断面図である。 １……扉、２……扉の表面を形成する化粧板、
３……蝶番閉止部、４……本体蝶番、６……本
体、７……本体蝶番、１０……切欠、１０ａ……
切欠の奥溝、４１……本体蝶番連結片部、７１…
…本体蝶番連結片部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 扉を有する本体の開口側で本体から突出する
   本体蝶番連結片部を介して本体に固着された本
   体蝶番と、該本体蝶番の取付位置に対応して扉
   の内面側に設けられ且つ該本体蝶番と軸部を介
   して連結され周方向に回転する扉蝶番と、扉の
   表面側から延出して該扉蝶番の外端側を軸の延
   長方向に沿つて一連に囲繞する蝶番閉止部とか
   らなつて、該蝶番閉止部により本体蝶番と扉蝶
   番との蝶着部分を外側から隠蔽する扉開閉装置
   において、 本体蝶番連結片部が、上方に軸部を有する本
   体蝶番の側方から本体の正面と平行に中央側に
   向かつて延びる内向延出部とそこから略直交し
   て本体側へ接近する突出部とを有しており、 扉の表面から連続して一連に延びて上記本体
   蝶番を同軸に連結する筒状の扉蝶番の外側を覆
   つて上下に延びる蝶番閉止部を形成し、 該蝶番閉止部の本体蝶番連結片部の取付位置
   に対応する箇所に該本体蝶番連結片部が嵌入可
   能な高さで、扉を略180°開くまで上記本体蝶番
   連結片部の内向延出部と衝合しない角度に周壁
   を外周に沿つて開口した切欠を設けてなる扉開
   閉装置。 (2) 蝶番閉止部が蝶番の外端側の外周に沿う湾曲
   形状からなることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の扉開閉装置。