JP2789033B2 - 外扉を備える仏壇 - Google Patents

外扉を備える仏壇

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JP2789033B2 JP35883796A JP35883796A JP2789033B2 JP 2789033 B2 JP2789033 B2 JP 2789033B2 JP 35883796 A JP35883796 A JP 35883796A JP 35883796 A JP35883796 A JP 35883796A JP 2789033 B2 JP2789033 B2 JP 2789033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仏壇の改良に関
し、特に、幅を広くして仏間に納めることができる仏壇
に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に、通常の3尺幅(内幅約78c
m)の仏間4に、従来の仏壇を収納する状態を示す。こ
の仏壇は、開かれた外扉1を、さらに外側に折曲して折
り畳む構造となっている。この仏壇を収納する仏間4
は、仏壇本体3の胴幅(側面の外側までの幅)に4枚の
外扉1の厚さをプラスした内幅とする必要がある。すな
わち、仏壇本体3と仏間4との間に、外扉1の4枚分に
相当する隙間ができる。このため、仏間4の内幅に比較
して、仏壇本体3の胴幅を相当に狭くする必要がある。
【0003】この弊害を解消するために、本発明者は、
図2に示すように、内側に折曲できる外扉1の仏壇を試
作した。しかしながら、この仏壇は、図に示すように、
合わせ縁6に設けられているめし合わせ5が、仏壇本体
3の前面に当り、図において右側の外扉1を完全に開く
ことが出来ない。めし合わせ5の構造を変え、あるい
は、めし合わせ5が当たる仏壇の前面に切込みを設け
て、開戸を完全に開くことが出来るが、何れの構造も美
しいデザインの仏壇が実現できない。
【0004】本発明者は、さらにこの欠点を解消するた
めに、図3に示す仏壇を開発した(実公平3−1230
8号公報)。この仏壇は、中間蝶番7で連結される2枚
の外扉1の幅を、同一にするのではなくて、仏壇本体3
に連結される外扉1の横幅を、先端に連結される外扉1
の横幅よりも広くしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この構造の仏壇は、図
4に示すように、仏壇の両側に連結された外扉1を開い
て、内側に折り畳んでも、外扉1から突出するように合
わせ縁6に固定されるめし合わせ5が、仏壇本体3に当
たることがない。このため、外扉1を開いた状態で、仏
壇全体の幅を、図1に示す仏壇よりも、2枚の外扉1の
厚さだけ小さくできる。ただ、この構造の仏壇は、4枚
の外扉の幅を同じにできないので、外扉1を閉じた状態
で、外観のバランスが悪くなる欠点があった。
【0006】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、外
扉を閉じた状態では従来の仏壇と同じようにバランスの
良い美しい外観にでき、しかも、外扉を開いた状態で仏
壇全体の幅を狭くし、一定寸法の仏間に、幅の広い高級
品として収納できる外扉を備える仏壇を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の仏壇は、前述の
目的を達成するために下記の構成を備える。仏壇は、仏
壇本体3の側板9の前縁に、外扉1と内障子2を取付蝶
番8を介して連結している。仏壇本体3の両側に連結さ
れる外扉1と内障子2は、2枚を中間蝶番7で折曲でき
るように連結している。外扉1は、閉じた状態で、外扉
1の境界となる合わせ縁6に、前面から閉塞するめし合
わせ5を、先端縁から突出するように固定している。
【0008】仏壇の両側に連結された2枚の外扉1は、
開かれた状態で、仏壇の内側に折曲できるように中間蝶
番7で連結している。さらに、外扉1の厚さを、側板9
前面の厚さ以上に厚くし、外扉1を内側に折り返して互
いに2枚の外扉1を重ねた状態で、めし合わせ5が側板
9の内側に突出して位置するように構成している。
【0009】さらに、内障子2を側板9に連結する取付
蝶番8は、その回転軸8Aを、側板9の内面よりもさら
に内側とし、かつ、側板9の前面から後退する位置に配
設している。
【0010】
【作用】本発明の仏壇は、図5に示すように、外扉1と
内障子2を開くことができる。側板9に連結される外扉
1は、開いたときに内側に折り畳んで互いに重ねる。こ
の状態で、外扉1の合わせ縁6に固定されるめし合わせ
5は、側板9の内側に突出する。外扉1を側板9以上に
厚くしているからである。
【0011】さらに、内障子2を側板9に連結する取付
蝶番8は、側板9前面と内面のコーナーを回転軸として
内障子2を開閉させず、このコーナーからさらに内側で
後退する位置に配設されている。このため、開いた外扉
1が内障子2の開閉を邪魔することはない。また、内障
子2は、開口部をより広く開くことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための仏壇を例示するものであ
って、本発明は仏壇を下記のものに特定しない。
【0013】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0014】本発明の外扉を備える仏壇は、外扉と内障
子と側板を独特の構造とするもので、その他の部分は従
来の仏壇と変わらず、また、これから開発される仏壇を
そのまま使用できる。したがって、以下、本発明の仏壇
の特長部分について詳述する。
【0015】図6に示す仏壇は、仏壇本体3の前面に、
両側に開閉できる外扉1と内障子2を連結している。外
扉1と内障子2は、図5に示すように、仏壇本体3の側
板9の前縁に取付蝶番8を介して連結されている。側板
9は横板9Aと柱9Bとを備え、外扉1は横板9Aの外
側に、内障子2は柱9Bの内側に連結されている。
【0016】外扉1と内障子2は、2枚を中間蝶番7で
折曲できるように連結して、取付蝶番8で側板9に連結
されている。外扉1と内障子2は、開いた状態で仏壇本
体3の内側に向かって折曲して折り畳みできるように中
間蝶番7で連結されている。4枚の外扉1は同じ幅で、
閉じた状態で仏壇本体3の前面開口部を閉塞できる幅に
設計される。4枚の外扉1は、取付蝶番8で側板9の外
側面に連結されるので、両側板9の両外側間の幅に設計
される。さらに、図6に示す仏壇は、外扉1で、仏壇本
体3の上部に配設させる欄間11の前面も閉塞できるよ
うに設計している。
【0017】さらに、外扉1は、仏壇本体3の前面を閉
塞する状態で、外扉1の境界となる合わせ目の隙間を塞
ぐために、右側の外扉1に、合わせ縁6から突出してめ
し合わせ5を固定している。図6に示す仏壇は、外扉1
の上端から下端まで延長してめし合わせ5を固定してい
る。ただ、めし合わせは、必ずしも外扉の上端から下端
まで延長して設ける必要はなく、部分的に固定すること
もできる。めし合わせ5は、図5の断面図に示すよう
に、外扉1の外側面から突出するように固定される。
【0018】外扉1は、図5に示すように、仏壇本体3
の前面を開いて内側に折り畳んだ状態で、めし合わせ5
が側板9に当接しないように、厚さを側板9の厚さ以上
に厚くする。側板9よりも厚い外扉1は、折り畳まれる
と、めし合わせ5が側板9の内面に突出して、側板9に
当たらない。外扉1は、図5に示すように、側板9の外
側面と前面とのコーナーを中心に回動して開閉される。
この状態で開閉される外扉1は、片方の固定片を側板9
の外側面に、他方の固定片を外扉1の側面にネジ止等の
方法で固定する取付蝶番8で側板9に装着される。
【0019】内障子2を側板9に装着する取付蝶番8
は、折り畳まれた外扉1のめし合わせ5が内障子2に当
たらないように、その回転軸8Aを、側板9の内面より
もさらに内側に位置させると共に、側板9の前面から後
退する位置に配設している。取付蝶番8の回転軸8Aを
この位置に配設するために、図5に示す側板9は、内面
に柱9Bを固定し、この柱9Bに取付蝶番8を装着して
いる。
【0020】柱9Bは、めし合わせ5の突出量よりも奥
に位置し、かつ、めし合わせ5の厚さよりも幅(W)を
広くして、横板9Aの内面に固定されている。通常、め
し合わせ5の突出量は、3〜15mmの範囲にあるの
で、柱9Bは、好ましくは、側板9の前面から4〜35
mm奥に位置して固定される。
【0021】内障子2は、図6に示すように、両側の柱
9Bと、上部の欄間11と、底部の底板12の内側に入
れられて開口部を閉塞する大きさに設計されている。こ
のため、内障子2は、外扉1よりも低く、幅を狭く設計
される。
【0022】
【発明の効果】本発明の外扉を備える仏壇は、開かれた
外扉の仏壇本体両側への突出量を少なくできるにもかか
わらず、外扉で仏壇本体の前面を閉じた状態では、従来
の仏壇と同じようにバランスの良い美しい外観にできる
特長がある。それは、本発明の仏壇が、外扉の厚さを、
側板前面の厚さ以上に厚く形成して、外扉を内側に折り
返して重ねた状態で、めし合わせを側板の内側に突出さ
せて、側板に当たらない構造とし、さらに、内障子を側
板に連結する取付蝶番の回転軸を、側板の内面よりもさ
らに内側に位置し、かつ、側板の前面から後退する位置
に配設しているからである。この構造の仏壇は、外扉を
開いた状態で、仏壇全体の幅が、仏壇本体に2枚の外扉
の厚さを加算した幅となる。このため、図1に示す従来
の仏壇に比較して、外扉2枚に相当する幅を狭くでき
る。いいかえると、仏壇本体の幅を2枚の外扉に相当す
る幅広くして、仏壇全体の幅を同じにできる。このた
め、決まった横幅の仏間に、仏壇本体の幅の広い高級仏
壇が収納できる特長がある。それも、外扉を閉じた外観
を、従来の仏壇と同じにしてこのことを実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の仏壇を仏間に収納した状態を示す水平断
面図
【図2】従来の他の仏壇を仏間に収納した状態を示す水
平断面図
【図3】本発明者が先に開発した従来の仏壇を仏間に収
納した状態を示す水平断面図
【図4】図3に示す仏壇の外扉を開いた状態を示す要部
断面図
【図5】本発明の実施例の仏壇の外扉と内障子を開いた
状態を示す断面図
【図6】本発明の実施例の仏壇の外扉と内障子を開いた
状態を示す正面図
【符号の説明】
1…外扉 2…内障子 3…仏壇本体 4…仏間 5…めし合わせ 6…合わせ縁 7…中間蝶番 8…取付蝶番 8A…回転軸 9…側板 9A…横板、 9B…柱 11…欄間 12…底板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間蝶番(7)を介して折曲できるように
    連結されている2枚の外扉(1)が仏壇本体(3)両側の側板
    (9)の外側面に取付蝶番(8)を介して連結されており、外
    扉(1)を閉じた状態で、外扉(1)の境界となる合わせ縁
    (6)を前面から閉塞するめし合わせ(5)が先端縁から突出
    するように固定されており、さらに、仏壇本体(3)の側
    板(9)の内側面には、内障子(2)が蝶番を介して連結され
    ている仏壇において、 仏壇の両側に連結された外扉(1)が、開かれた状態で、
    仏壇の内側に折曲できるように中間蝶番(7)で連結され
    ており、 さらに、外扉(1)の厚さは、側板(9)前面の厚さ以上に厚
    く形成され、外扉(1)を内側に折曲して重ねた状態で、
    めし合わせ(5)が側板(9)の内側に突出して位置するよう
    に構成され、さらに、内障子(2)を側板(9)に連結する取
    付蝶番(8)は、その回転軸(8A)を、側板(9)の内面よりも
    さらに内側に位置させると共に、側板の前面から後退す
    る位置に配設してなることを特徴とする外扉を備える仏
    壇。
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