JPH07252973A - 扉又はパネルのヒンジ構造、その取り付け方法、及び開閉装置 - Google Patents

扉又はパネルのヒンジ構造、その取り付け方法、及び開閉装置

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JPH07252973A
JPH07252973A JP6071386A JP7138694A JPH07252973A JP H07252973 A JPH07252973 A JP H07252973A JP 6071386 A JP6071386 A JP 6071386A JP 7138694 A JP7138694 A JP 7138694A JP H07252973 A JPH07252973 A JP H07252973A
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Ryozo Hosoya
亮造 細谷
Masaru Mihara
優 三原
Toshibumi Sato
俊文 佐藤
Kouji Sawano
幸資 沢野
Hayanobu Tao
早伸 田尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 扉又はパネルのヒンジ構造において、その製
造、組立、及び調整作業を容易にする。 【構成】 ヒンジ本体部22及びヒンジ回動部23のピ
ン穴にヒンジピン26を挿入してヒンジブロック20を
形成し、ヒンジ本体部22を箱体1側に固定ボルト12
により取り付けた後、ヒンジ回動部23にガイドフレー
ム9を介して扉2を固定ボルト11により固定する。 【効果】 扉2の取付時の際にヒンジピン通しを必要と
しなく、容易に組み立てることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、開閉装置の扉又はパ
ネルのヒンジ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図16は従来の扉ヒンジ構造(その1)
を示した全体斜視図、図17は上記扉ヒンジ構造(その
1)の詳細を示した斜視図である。図16〜17におい
て、1は箱体、4は扉、5はハンドル、7は掛金、8は
受金、27は扉ヒンジに用いられる黄銅スペーサ、40
は従来の扉ヒンジ構造(その1)、42は扉4に溶接さ
れるヒンジ回動部、43はヒンジ回動部42を受けるヒ
ンジ本体部、46はヒンジピン、47aはヒンジ本体部
43を箱体1に固定するボルト、47bはワッシャ及び
ナット、48はヒンジピン抜け止め用の割ピン及びワッ
シャ、49はコーキング処理を示す。
【0003】図18は従来の扉ヒンジ構造(その2)を
示した全体斜視図、図19は上記扉ヒンジ構造(その
2)の詳細を示した斜視図である。図18〜19におい
て、41は従来の扉ヒンジ構造(その2)、44は扉4
に溶接されるヒンジ回動部、45は箱体1に溶接される
ヒンジ本体部である。なおその他の構成部品は図16〜
17と同様である。
【0004】次に、上記従来のヒンジ構造の組立作業に
ついて説明する。扉ヒンジ構造(その1)は、ヒンジ本体
部43を箱体1にボルト47a、ワッシャ、ナット47
bで固定した後、ヒンジ回動部42を溶接した扉4をヒ
ンジピン穴で合せ、黄銅スペーサ27をヒンジ本体部4
3及びヒンジ回動部42の間に挿入し、ヒンジピン46
を通して抜け止め用の割ピン及びワッシャ48を取り付
け組み立てる。扉ヒンジ構造(その2)は、ヒンジ回動部
44及びヒンジ本体部45を現物合せの上扉4及び箱体
1に溶接した後、塗装し、黄銅スペーサ27をヒンジ本
体部45及びヒンジ回動部44の間に挿入し、ヒンジピ
ン46を挿入して抜け止め用の割ピン及びワッシャ48
を取り付け組み立てる。
【0005】次に、扉の垂れ調整作業について図20に
より説明する。扉4には器具類、結線のための制御線、
金具類等が取り付けられるため、重量が100kgを超
える場合もある。この扉4が片側のヒンジ部を中心にサ
ポートされるため、ヒンジピンとヒンジ本体及びヒンジ
回動部の穴のクリアランス並びにヒンジ本体部と回動部
の高さ方向のクリアランスにより、初期に扉4を箱体1
に取り付けた状態ではヒンジ部と反対側が下方向に垂れ
下がる。従って、この扉の垂れの調整を行う必要があ
る。図20(a)〜(d)は上記扉ヒンジ構造(その1)の垂
れ調整を示したもので、図(a)においてヒンジ位置決め
ブロック101を設けたフレーム100によりヒンジ本
体部43の位置合せを行い、図(b)で扉4を取り付け、
図(c)で扉4の垂れ具合の確認を行う。その後、図(d)
にて扉4を開きヒンジ本体部43の固定を緩めて扉の垂
れ具合を確認しながら再度位置合せ固定を行う。なおヒ
ンジ本体部43を緩める際、扉重量を支える必要があ
る。図20(p)〜(s)は扉ヒンジ構造(その2)の垂れ調
整を示したもので、図(p)において箱体1を寝かせた状
態で扉4をセットして、ヒンジ本体部45の位置を決定
し扉4を付けたまま仮止めを行う。そして、図(q)で箱
体1を起こし扉4の垂れ具合を確認を行う。更に、図
(r)で箱体1を寝かせた状態で扉4を外してヒンジ本体
部45を箱体1に溶接した後、扉4を取り付け、図(s)
のように箱体1を起こす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の扉ヒンジ構造は
以上のように構成されているので、その製造及び組立調
整において下記のような問題があった。 (1)扉4を箱体1に取り付ける際に、ヒンジピン46及
びワッシャ27通しの作業が必要となり面倒であった。
特に扉ヒンジ構造(その1)では図20に示すように一旦
扉4をヒンジ本体部43に置き、扉4を持ち上げながら
ヒンジ回動部上下にワッシャ27を置きヒンジピン46
通しを行う必要があり、重筋作業(2人以上の作業)とな
っていた。 (2)扉取り付けの際、ヒンジピン46通しのスペース(少
なくともヒンジピンの長さ以上のスペース)が高さ方向
に必要となり、高さ方向のヒンジ位置に規制があった。 (3)両開きのパネルには従来とは異なった別の形態のヒ
ンジが必要となる。 (4)扉4の垂れを調整する際、図20に示すようにヒン
ジ本体部43,45ごと動かす必要があり、垂れ調整の
ための後戻り作業が必要となっていた。 (5)扉4の取り付けの際にガイドがなく箱体1への位置
決め及び固定が難しかった。 (6)防塵仕様を要求された場合は、例えば図21に示す
ように扉4側、箱体1側の両方の面にシール材38を貼
る必要があり、組立に手間がかかる。 (7)ヒンジ本体部43を箱体1に取り付ける際、取り付
け穴が大きかったため位置決め治具100が必要であっ
た。 (8)ヒンジピン46に割ピン、ワッシャ48等の抜け止
め部材が必要であり、その加工を行わねばならなかっ
た。 (9)扉ヒンジ構造を屋外盤に使用する際は、外側からの
雨水等の侵入を防ぐためヒンジ本体にコーキング処理
(例えば図17の49)が必要であった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、製造、組立及び調整作業の容易
なヒンジ構造、その取り付け方法、及び開閉装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る扉又はパ
ネルのヒンジ構造は、箱体側に設置されるヒンジ本体部
と、このヒンジ本体部にヒンジピンを介して回動自在に
取り付けられるヒンジ回動部を備え、このヒンジ回動部
に扉又はパネルを着脱自在に取り付けられるようにし
た。
【0009】また、上記扉又はパネルにヒンジブロック
に沿う形のガイドフレームを設け、このガイドフレーム
を案内として扉又はパネルをヒンジ回動部に取り付け
る。
【0010】また、上記ガイドフレームとヒンジ回動部
をボルトにより取り付け、その間にシムを挿入するよう
にした。
【0011】更に、上記ガイドフレームとヒンジピン頭
部の隙間を狭くする。
【0012】また、上記ヒンジピンの頭部に突起を設け
る。
【0013】更に、ヒンジ本体部又はヒンジ回動部を高
さ方向の中心線を基準として対称な形状に構成した。
【0014】また、扉又はパネルの前面部とヒンジ回動
部をボルトにより着脱自在取り付けるようにした。
【0015】また、ヒンジ回動部のヒンジ本体部に対す
る回動位置を規制する手段を設け、ヒンジ回動部に扉又
はパネルを取り付けやすくした。
【0016】更に、ヒンジ本体部に箱体に開けられた穴
に嵌合する位置決め用座を設けた。
【0017】また、この位置決め用座の外周にOリング
を設置した。
【0018】また、扉又はパネルの内側をコの字状に折
返し、当該折返し部にシール材を設置した。
【0019】この発明に係るヒンジ構造の取り付け方法
は、ヒンジ本体部及びヒンジ回動部のピン穴にヒンジピ
ンを挿入してヒンジブロックを形成し、ヒンジ本体部を
箱体側に取り付けた後、ヒンジ回動部に扉又はパネルを
取り付けるようにする。
【0020】また、ヒンジ本体部及びヒンジ回動部のピ
ン穴にヒンジピンを挿入してヒンジブロックを形成し、
ヒンジ回動部に扉又はパネルを取り付けた後、ヒンジ本
体部を箱体側に取り付けるようにする。
【0021】この発明に係る開閉装置は、箱体と、箱体
開口部の両側に設置されたヒンジ本体部と、このヒンジ
本体部にヒンジピンを介して回動自在に取り付けられた
ヒンジ回動部を備え、このヒンジ回動部に両開き用の扉
又はパネルを着脱自在に取り付けたものである。
【0022】
【作用】この発明の扉又はパネルのヒンジ構造及びその
組み立て方法によれば、扉又はパネル取付の際に、予め
ヒンジ本体部及びヒンジ回動部を組み立てて箱体にセッ
トしておくため、ヒンジピン通し、黄銅ワッシャ通しの
作業が不要となる。また、ヒンジブロックを扉又はパネ
ルにセットしておく場合も同様の効果が期待できる。更
に、ヒンジピン通しスペースが不要で、ヒンジ構造を高
さ方向位置の規制無く設置できる。
【0023】また、扉又はパネルにガイドフレームを設
けたので、扉又はパネル取り付け作業時にガイドフレー
ムに沿ってヒンジ回動部に取り付けることができる。
【0024】また、ヒンジ回動部をガイドフレームに固
定する際にシムを挿入することにより、扉の垂れの調整
を扉重量を支持することなく実施できる。また、垂れ調
整のための後戻り作業も不要となる。
【0025】更に、ガイドフレームとヒンジピン頭部の
隙間を狭くすることにより、割ピン等のヒンジピン抜け
止め部材を必要としない。
【0026】また、ヒンジピンの頭部に突起を設けるこ
とにより、ガイドフレームとの間で扉又はパネルの重量
を支える。
【0027】更に、ヒンジ本体部又はヒンジ回動部を高
さ方向の中心線を基準として対称な形状にすることによ
り、部品の共通化が図れる。
【0028】また、扉又はパネルの前面部とヒンジ回動
部をボルトにより固定するようにしたので、扉又はパネ
ルを閉めた状態で取り付けることができる。
【0029】また、ヒンジ回動部のヒンジ本体部に対す
る回動位置を規制する手段を設けることにより、ヒンジ
回動部に扉又はパネルを取り付けやすくした。
【0030】更に、ヒンジ本体部に位置決め用座を設け
ることにより、ヒンジ本体位置が安定的に決まり、従来
の様な位置決め治具を必要としない。
【0031】また、この位置決め用座の外周にOリング
を設置することにより、屋外からの雨等の侵入が防止さ
れ、コーキング処理も不要となる。
【0032】また、扉又はパネルの内側をコの字状に折
返し、当該折返し部にシール材を設置することにより、
防塵処理が容易であり完全なものとなる。
【0033】この発明の開閉装置によれば、簡単な構成
で、両開き及び着脱可能なカバーを取り付けることがで
きる。
【0034】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は本実施例のヒンジ構造を箱体及び扉に取り
付けた状態を示す全体斜視図、図2はヒンジ構造の詳細
を示す横断面図、図3は図2のA−A線及びB−B線の
縦断面図、図4は扉が回動する様子を示す横断面図、図
5はシム調整を行う場合の説明図である。図において、
1は箱体、2は内側四方をコの字曲げした扉、5は扉2
のハンドル、7は掛金、9は上記コの字曲げ部2aの一
部を扉正面と平行になる面2bを残した状態で切り欠い
て形成したガイドフレームであり、縦板9aと上下一対
の横板9bとからなる。20は本実施例に使用されるヒ
ンジブロックであり、ヒンジ本体部22、ヒンジ回動部
23、ヒンジピン26、及び黄銅ワッシャ27から構成
される。ヒンジ本体部22には、ヒンジピン26が貫通
するピン穴が形成され、そのピン穴は上部、下部に分割
され中間部に空間が構成されている。ヒンジ回動部23
はヒンジ本体部22の上記中空空間に設置され、ヒンジ
ピン26が貫通するピン穴を有している。ヒンジ本体部
22はボルト及びワッシャ12により箱体1に固定さ
れ、ヒンジ回動部23はボルト及びワッシャ11により
扉2のフレーム縦板9aに固定される。また、ヒンジ本
体部22及びヒンジ回動部23のボルト穴は上下方向の
中心線を基準にして対称位置に配置されている。38は
垂れ調整用のシムを示す。
【0035】次に、本実施例1に係るヒンジ構造の組み
付け方法について説明する。 (1)ヒンジブロック20の組立 予め、ヒンジ本体部22、ヒンジ回動部23、黄銅ワッ
シャ27を組み付けた後、ヒンジピン26を挿入してヒ
ンジブロック20を組み立てる。 (2)箱体1への取付 上記ヒンジ本体部22を固定ボルト12により箱体1に
取り付ける。 (3)扉2の取付 扉2のガイドフレーム9を上記ヒンジブロック20に沿
わせてセットし、固定ボルト11によりヒンジ回動部2
3に取り付ける。 (4)扉2の垂れの防止 扉2を固定している下側のボルト11(図5(c)のG部
に示す)を一旦外す。この時扉の重量は上側の固定ボル
トにより支えられている。そして、図5(c)の矢印R方
向に扉全体を回し、図5(a)(b)のようにヒンジ回動部
23とガイドフレーム9の間にシム38を挿入して再び
固定ボルト11により固定する。 (5)その他の取付け方法 上記(2)(3)ではヒンジブロック20を箱体1に取り付
けてから扉2を取り付けているが、ヒンジブロック20
をヒンジ回動部23を介して扉2に取り付けてから扉2
を箱体1に取り付ける方法もあり、上記と同様の効果が
得られる。
【0036】以上の様に本実施例によれば、予め、ヒン
ジ本体部22、ヒンジ回動部23、黄銅ワッシャ27及
び、ヒンジピン2によりヒンジブロック20を組み立て
るので、扉2の取り付け時のヒンジピン通し、ワッシャ
通しの作業が不要となる。また、ヒンジピン通しスペー
スが不要で、ヒンジの高さ方向位置の規制がなくなる。
更に、扉2にヒンジブロック20に沿った形状のガイド
フレーム9を設けるようにしたので、扉の取付作業が容
易となる。また、ガイドフレーム9とヒンジ回動部23
を固定ボルト11により着脱自在に取り付け、その間に
シム38を挟むようにしたので、扉の垂れ調整が容易に
できる。また、ヒンジ本体部22及びヒンジ回動部23
を、ピン取付方向(上下方向)の中心線を基準として対称
形状(ネジ穴も含めて)にしたので、扉の左、右、又は両
開き扉(パネル)いずれに対しても対応でき、部品の共通
化が図れる。また、ヒンジピン26とガイドフレーム9
の間のクリアランスを狭くすることにより、割ピン、ワ
ッシャ等のヒンジピン抜け止め用部材を必要とせず、そ
れらのための加工も不要となる。
【0037】実施例2.上記実施例1のヒンジブロック
20はヒンジ本体部22の中間空間部にヒンジ回動部2
3が設置されるような構成になっているが、例えば図6
に示すような構成であっても良い。即ち、当該ヒンジブ
ロック200はヒンジ本体部220、ヒンジ回動部23
0、ヒンジピン26、及び黄銅ワッシャ27から構成さ
れ、ヒンジ本体部220は、ヒンジピン26が貫通する
ピン穴を有し、その上部が空間状になっており、ヒンジ
回動部230はこの空間位置に設置され、ヒンジピン2
6が貫通するピン穴を有している。
【0038】実施例3.上記実施例1,2は片開き扉の
場合を示したが、本実施例では両面開きパネルのヒンジ
構造について説明する。図7は両面開きパネルに本実施
例のヒンジ構造を適用した状態を示す全体斜視図、図8
は両面開きパネルを各々左右方向に開いた状態を示す斜
視図、図9はヒンジ構造の詳細図及び断面図である。図
において、1は箱体、3は内側四方をコの字曲げした両
開きパネル、6は両開きパネルの取手、10は上記コの
字曲げ部3aの一部をパネル正面と平行になる面3bを
残した状態で切り欠いて形成したガイドフレーム、21
は本実施例に使用されるヒンジブロックであり、ヒンジ
本体部22、ヒンジ回動部24又は25、ヒンジピン2
6、及び黄銅ワッシャ27から構成される。ヒンジ本体
部22は実施例1と同様の構成を成し、ボルト及びワッ
シャ12により箱体1に固定されている。ヒンジ回動部
24,25は両開きパネル3の正面に設けられたネジ穴
を通じて固定ボルト,ワッシャ13により取り付けられ
るようになっており、ヒンジ回動部24は両開きパネル
3のみに対応可能であり(図9(c)参照)、ヒンジ回動部
25は両開きパネル3及び実施例1の扉3の両方に対応
可能で上下対称のネジ穴が開けられている(図9(d)参
照)。
【0039】次に、両開きパネルの組み付け方法につい
て説明する。ヒンジ本体部22、ヒンジ回動部24(又
は25)、黄銅ワッシャ27、及びヒンジピン26によ
りヒンジブロック21を組み立てた後、このヒンジブロ
ック21を箱体1の左右4箇所にヒンジ回動部24(又
は25)が各々逆方向に回転するように配置する。そし
て、両開きパネル3のガイドフレーム10をヒンジブロ
ック21に沿わせながらセットしてパネル正面より固定
ボルト及びワッシャ13を介して取り付ける。右側の二
本のボルト13を外せば左ヒンジのパネルとなり、左側
の二本のボルト13を外せば右ヒンジのパネルとなる。
また全部のボルト13を外せばパネル全体が外れる。な
お扉の場合にも、左ヒンジ、右ヒンジの何れの場合にも
適用可能である。
【0040】本実施例では実施例1と同様の効果を奏す
るほか、両開きパネル3の正面とヒンジブロック21の
回動部をボルト13により固定するようにしたので、パ
ネルを閉めた状態で取り付けることができ、作業が簡易
化する。また、パネル3は固定ボルト13により着脱自
在なので、容易に左開き、右開きパネルとして使用でき
る。
【0041】実施例4.上記実施例では、扉または両開
きパネルを箱体にセットする際の位置決めとしてガイド
フレームについて説明したが、ヒンジ側にも位置調整機
能を設置すれば、扉又は両開きパネルの組み付けがより
効果的となる。図10は本実施例による位置調整機能を
有するヒンジ構造の断面図及び詳細図(断面A−A,断
面B−B,断面C−C,断面D−D,E部詳細図,ひね
りバネ詳細図)を示す。図において、28は位置調整に
ひねりバネを用いた際のヒンジ回動部、29は同じくヒ
ンジ本体部、30はスペーサ、31はヒンジ回動部28
及びヒンジ本体部29の間に設置されたひねりバネ、3
3はヒンジ回動部28の位置調整ボルト、39はひねり
バネを差し込む穴を示す。
【0042】扉又はパネルを閉めた状態で取り付ける場
合(例えば実施例3)、図11(a)(b)に示すようにヒン
ジ回動部24,25の取付面が正面を向かないと、固定
ボルト13の取付が難しくなる。本実施例はこの問題を
解消するもので、扉又は両開きパネルを箱体1にセット
する際に、ひねりバネ31の弾性力によりヒンジ回動部
28の取付面が正規位置(正面位置)に復帰保持され、扉
又はパネルの取付が容易に行える。更に、図11(c)
(d)に示すようにヒンジ本体29側にストッパ50を設
けるか又はヒンジ回動部28にボルト33を立てている
ので、ヒンジ回動部28がひねりバネ31によって復帰
し過ぎることがなく、正確に正規方向に向くようにリセ
ットされる。
【0043】実施例5.図12はヒンジ本体部に位置決
め座を設けた場合のヒンジ構造詳細図を示したものであ
り、図において、34はヒンジ本体部22に設けられた
箱体1への位置決め座である。
【0044】本実施例によれば、位置決め座34により
位置決め治具無しでヒンジ本体部22を箱体1に固定す
ることができる。
【0045】実施例6.図13は扉重量をヒンジピンの
頭部で支持する場合のヒンジ構造詳細図を示したもので
あり、図において、35はヒンジピン26の頭部に形成
された半丸円錐又は台形状の突起部である。
【0046】本実施例によれば、扉2又は両開きパネル
3を箱体1にセットする際に、ヒンジピン26の頭部に
設けた半丸円錐または台形状の突起部35により扉2又
は両開きパネル3の重量を支え、ボルト11,13によ
り固定することができる。
【0047】実施例7.図14は屋外盤に当該ヒンジを
使用する場合の構造図及び詳細図(A部詳細図、ヒンジ
本体の斜視図)を示したものであり、図において、36
は位置決め座34の根本に作られたOリング溝、37は
当該溝36に設置されたOリングを示す。
【0048】本実施例では、屋外盤にヒンジ構造を使用
する場合、雨水等の侵入がOリング溝36にセットされ
たOリング37により遮断される。
【0049】実施例8.図15は防塵処理を要求された
場合の斜視図を示す。図において、38は扉の内側コの
字曲げ部2aに貼られたシール材である。
【0050】防塵処理を要求された場合には、扉2のコ
の字の折り返し部2aにシール材38を貼る。
【0051】
【発明の効果】この発明のヒンジ構造及びその組み立て
方法によれば、扉又はパネル取付の際に、予めヒンジ本
体部及びヒンジ回動部を組み立てて箱体又は扉にセット
しておくため、ヒンジピン通し、黄銅ワッシャ通しの作
業が不要となる。また、ヒンジピン通しスペースが不要
で、ヒンジ構造を高さ方向位置の規制無く設置できる。
【0052】また、扉又はパネルにガイドフレームを設
けたので、扉又はパネル取り付け作業時にガイドフレー
ムに沿ってヒンジ回動部に取り付けることができる。
【0053】また、ヒンジ回動部をガイドフレームに固
定する際にシムを挿入することにより、扉の垂れの調整
を扉重量を支持することなく実施できる。また、垂れ調
整のための後戻り作業も不要となる。
【0054】更に、ガイドフレームとヒンジピン頭部の
隙間を狭くすることにより、割ピン等のヒンジピン抜け
止め部材を必要としない。
【0055】また、ヒンジピンの頭部に突起を設けるこ
とにより、ガイドフレームとの間で扉又はパネルの重量
を支える。
【0056】更に、ヒンジ本体部又はヒンジ回動部を高
さ方向の中心線を基準として対称な形状にすることによ
り、部品の共通化が図れる。
【0057】また、扉又はパネルの前面部とヒンジ回動
部をボルトにより固定するようにしたので、扉又はパネ
ルを閉めた状態で取り付けることができる。
【0058】また、ヒンジ回動部のヒンジ本体部に対す
る回動位置を規制する手段を設けることにより、ヒンジ
回動部に扉又はパネルを取り付けやすくした。
【0059】更に、ヒンジ本体部に位置決め用座を設け
ることにより、ヒンジ本体位置が安定的に決まり、従来
の様な位置決め治具を必要としない。
【0060】また、この位置決め用座の外周にOリング
を設置することにより、屋外からの雨等の侵入が防止さ
れ、コーキング処理も不要となる。
【0061】また、扉又はパネルの内側をコの字状に折
返し、当該折返し部にシール材を設置することにより、
防塵処理が容易であり完全なものとなる。
【0062】この発明の開閉装置によれば、簡単な構成
で、両開き及び着脱可能なカバーを取り付けることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係るヒンジ構造を箱体及
び扉に取り付けた状態を示す全体斜視図である。
【図2】実施例1のヒンジ構造の詳細を示す横断面図で
ある。
【図3】図2のA−A線及びB−B線の縦断面図であ
る。
【図4】実施例1において扉が回動する様子を示す横断
面図である。
【図5】実施例1においてシム調整を行う場合の説明図
である。
【図6】実施例2に係るヒンジ構造を示す詳細図であ
る。
【図7】両面開きパネルに実施例3のヒンジ構造を適用
した状態を示す全体斜視図である。
【図8】実施例3の両面開きパネルを各々左右方向に開
いた状態を示す斜視図である。
【図9】実施例3に係るヒンジ構造の詳細図及び断面図
である。
【図10】実施例4に係る位置調整機能を有するヒンジ
構造の断面図及び詳細図である。
【図11】実施例4のヒンジ回動部の位置規制を説明す
るための斜視図である。
【図12】実施例5に係るヒンジ本体に位置決め座を有
するヒンジ構造の詳細図である。
【図13】実施例6に係る扉重量をヒンジピンの頭部で
支持する場合の詳細図である。
【図14】実施例7に係るOリングを設けたヒンジ構造
を示した詳細図である。
【図15】実施例8に係る防塵処理を要求された場合の
扉及びヒンジ部の斜視図である。
【図16】従来の扉ヒンジ構造(その1)を示した全体
斜視図である。
【図17】従来の扉ヒンジ構造(その1)のヒンジ構造
の詳細を表した斜視図である。
【図18】従来の扉ヒンジ構造(その2)を示した全体
斜視図である。
【図19】従来の扉ヒンジ構造(その2)のヒンジ構造
の詳細を表した斜視図である。
【図20】従来の扉の垂れ調整作業を説明するための図
である。
【図21】従来の扉ヒンジ構造(その1)の防塵処理を
施した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 箱体 2 扉 3 両面パネル 9 ガイドフレーム 10 ガイドフレーム 11 ヒンジ回動部固定用ボルト 12 ヒンジ本体部固定用ボルト 13 両開きパネルをヒンジ回動部に固定するボルト 20,21 ヒンジブロック 22,29 ヒンジ本体部 23,24,25,28 ヒンジ回動部 26 ヒンジピン 31 ひねりバネ 33 位置調整ボルト 34 位置決め座 35 ヒンジピン頭部の突起部 36 Oリング溝 37 Oリング 38 防塵処理用シール材
フロントページの続き (72)発明者 沢野 幸資 丸亀市蓬莱町8番地 三菱電機株式会社丸 亀製作所内 (72)発明者 田尾 早伸 丸亀市蓬莱町8番地 三菱電機株式会社丸 亀製作所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱体側に設置されるヒンジ本体部と、こ
    のヒンジ本体部にヒンジピンを介して回動自在に取り付
    けられるヒンジ回動部を備え、このヒンジ回動部に扉又
    はパネルを着脱自在に取り付けられるようにした扉又は
    パネルのヒンジ構造。
  2. 【請求項2】 上記扉又はパネルに、ヒンジ本体部及び
    ヒンジ回動部に沿う形状のガイドフレームを設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の扉又はパネルのヒンジ構
    造。
  3. 【請求項3】 上記ガイドフレームと上記ヒンジ回動部
    をボルトにより取り付け、その間にシムを挿入すること
    を特徴とする請求項2記載の扉又はパネルのヒンジ構
    造。
  4. 【請求項4】 上記ガイドフレームとヒンジピン頭部の
    隙間を狭くした請求項2又は3記載の扉又はパネルのヒ
    ンジ構造。
  5. 【請求項5】 上記ヒンジピンの頭部に突起を設けた請
    求項2から請求項4のいずれか1項に記載の扉又はパネ
    ルのヒンジ構造。
  6. 【請求項6】 上記ヒンジ本体部又はヒンジ回動部を、
    高さ方向の中心線を基準として対称な形状に構成したこ
    とを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に
    記載の扉又はパネルのヒンジ構造。
  7. 【請求項7】 上記扉又はパネルの前面部と、ヒンジ回
    動部をボルトにより着脱自在に取り付けたことを特徴と
    する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の扉又
    はパネルのヒンジ構造。
  8. 【請求項8】 上記ヒンジ回動部のヒンジ本体部に対す
    る回動位置を規制する手段を設けたことを特徴とする請
    求項1から請求項7のいずれか1項に記載の扉又はパネ
    ルのヒンジ構造。
  9. 【請求項9】 上記ヒンジ本体部に、箱体に開けられた
    穴に嵌合する位置決め用座を設置したことを特徴とする
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の扉又はパ
    ネルのヒンジ構造。
  10. 【請求項10】 上記位置決め用座の外周にOリングを
    設置したことを特徴とする請求項9記載の扉又はパネル
    のヒンジ構造。
  11. 【請求項11】 上記扉又はパネルの内側をコの字状に
    折返し、当該折返し部にシール材を設置したことを特徴
    とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の
    扉又はパネルのヒンジ構造。
  12. 【請求項12】 ヒンジ本体部及びヒンジ回動部のピン
    穴にヒンジピンを挿入してヒンジブロックを形成し、ヒ
    ンジ本体部を箱体側に取り付けた後、ヒンジ回動部に扉
    又はパネルを取り付けるようにしたヒンジ構造の取り付
    け方法。
  13. 【請求項13】 ヒンジ本体部及びヒンジ回動部のピン
    穴にヒンジピンを挿入してヒンジブロックを形成し、ヒ
    ンジ回動部に扉又はパネルを取り付けた後、ヒンジ本体
    部を箱体側に取り付けるようにしたヒンジ構造の取り付
    け方法。
  14. 【請求項14】 開閉装置の箱体と、この箱体開口部の
    両側に設置されたヒンジ本体部と、このヒンジ本体部に
    ヒンジピンを介して回動自在に取り付けられたヒンジ回
    動部を備え、このヒンジ回動部に両開き用の扉又はパネ
    ルを着脱自在に取り付けた開閉装置。
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