JP3038415B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料用発色現像処理錠剤 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料用発色現像処理錠剤

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JP3038415B2
JP3038415B2 JP3272952A JP27295291A JP3038415B2 JP 3038415 B2 JP3038415 B2 JP 3038415B2 JP 3272952 A JP3272952 A JP 3272952A JP 27295291 A JP27295291 A JP 27295291A JP 3038415 B2 JP3038415 B2 JP 3038415B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真用処理剤に関し、
更に詳しくは、特にハロゲン化銀カラー写真感光材料用
の自動現像機で用いるのに適した写真用処理錠剤に関す
る。
【0002】
【発明の背景】ハロゲン化銀写真感光材料は、通常、黒
白現像液、定着液、発色現像液、漂白液、漂白定着液、
安定液等の処理液を使って現像処理が行われ、イメージ
ワイズな画像が得られる。ここで使用される各処理液
は、使い易さのために一つ又は複数の濃厚液パートの形
でプラスチックボトルに入れられ、処理剤キットとして
ユーザーに供給されている。ユーザーはこれら処理剤キ
ットを水に溶解して、使用液(スタート液ないし補充
液)を作成し、使用している。
【0003】近年、写真処理業においては、ミニラボと
呼ばれる小型自動現像機を用いた小規模現像所が急増し
ており、このようなミニラボ化の進行に伴い処理剤用プ
ラスチックボトルの使用量も年々急激に増加してきてい
る。
【0004】このプラスチックは、軽くて強い性質の故
に、写真処理剤用ボトル以外にも広く使用されてきてい
る。プラスチックの全世界の生産量は年々増加の一途を
辿り、1988年には年間1億トンを超す量にまで増加して
きている。その一方で、廃棄されるプラスチックも膨大
な量であり、日本を例にとっても、生産量の約40%が年
々廃棄されている。このような廃プラスチックは、海洋
に投棄されると、海洋生物の生息環境の悪化を引き起こ
しているし、又、ヨーロッパ地域では、排ガス処理設備
の不備な焼却炉で燃焼処理するため、酸性雨等の問題も
引き起こしており、大きな問題となってきている。
【0005】このため、早急な対策の実施が迫られてお
り、欧米地域ではプラスチックのリサイクルや使用禁
止、又は分解性プラスチックの使用の義務化など法規制
の動きが活発となってきているのが実状である。
【0006】このような状況の中で、一部とは言え写真
用途の処理剤にプラスチックボトルを多量に使用するこ
とは極めて好ましくない状況である。
【0007】そこで、写真処理剤の濃厚液を粉剤化する
ことが考えられるが、その際には溶解時に微粉が舞い上
がり作業者が吸い込んだりする可能性が高く、健康への
影響が懸念される問題が生じたり、或は舞い上がった処
理剤成分が別の写真処理液に混入してしまい、これによ
って汚染されトラブルが発生するという問題が生じる。
このため、写真処理剤を造粒化し、粒状混合物とする技
術が、例えば特開平2-109042号、同2-109043号、米国特
許2,843,484号及び特開平3-39735号等で提案されたが、
依然として飛散薬剤粉塵による労働安全衛生上の問題、
他種処理液ヘの不純物としての混入、或は溶解時に容器
底へ沈降・凝結するケーキング現象、自らの湿潤被膜で
粉末を被膜し、溶解不良を生じる等による調合作業性へ
の支障等の問題を再来させ、粉末化、顆粒化に適した薬
剤の範囲は極めて制約されているのが実状である。
【0008】そこで、これら乾燥状態の持つ利点を生か
す処理剤の好ましい形状として錠剤化が特開昭51-61837
号等に提案されている。
【0009】しかしながら、これら写真用処理剤を錠剤
にしたところが、調薬作業性あるいは労働安全衛生上甚
だ有用であるが、これら錠剤は湿度に極めて弱く、錠剤
表面が水分を吸って難溶性となってしまったり、処理錠
剤としても充分な強度を得られないという欠点を有して
いる。
【0010】
【発明の目的】従って本発明の目的は、充分な強度を持
ち、しかも溶解性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光
材料用の発色現像処理錠剤を提供することにある。更に
本発明によってプラスチックボトルを含めた包装材料総
量の低減により、社会環境適性を向上しようとするもの
である。
【0011】
【発明の構成】本発明は前述の目的を達成する為に、
独で発色現像可能で、アルカリ金属の炭酸塩を1錠剤当
たり60重量%以上含有することを特徴とするハロゲン
化銀カラー写真感光材料用発色現像処理錠剤、及び、水
を加えて造粒した処理剤原料を使って製造され、かつア
ルカリ金属の炭酸塩を1錠剤当たり60重量%以上含有
することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料
用発色現像処理錠剤からなる。
【0012】更に本発明に用いられるアルカリ金属の炭
酸塩としては、例えば炭酸ソーダ、炭酸カリ、炭酸リチ
ウム等が挙げられる。好ましくは炭酸カリがよい。
【0013】本発明の処理錠剤の製造方法は、例えば特
開昭51-61837号、 同54-155038号、同52-88025号、 英国特
許1,213,808号等に記載される一般的な方法で製造で
き、更に顆粒処理剤は、例えば特開平2-109042号、 同2-
109043号、 同3-39735号及び同3-39739号等に記載される
一般的な方法で製造できる。更に又、粉末処理剤は、例
えば特開昭54-133332号、 英国特許725,892号、 同729,86
2号及びドイツ特許3,733,861号等に記載されるが如き一
般的方法で製造できる。
【0014】本発明の発色現像処理錠剤の嵩密度は、そ
の溶解性の観点と、本発明の目的の効果の点から、0.5
〜6.0g/cm3のものが好ましく、特に1.0〜5.0g/cm3のも
のが好適に用いられる。
【0015】前記錠剤の製造方法で本発明の錠剤化を行
う時の圧縮圧力は該錠剤の溶解性、強度の点から800〜2
000kg/cm2であることが好適である。
【0016】本発明における発色現像処理錠剤に用いら
れる発色現像主薬としては、水溶性基を有するp-フェニ
レンジアミン系化合物が本発明の目的の効果を良好に奏
し、かつカブリの発生が少ないため好ましく用いられ
る。
【0017】水溶性基を有するp-フェニレンジアミン系
化合物は、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン等の水
溶性基を有しないパラフェニレンジアミン系化合物に比
べ、感光材料の汚染がなく、かつ皮膚についても皮膚が
カブレにくいという長所を有するばかりでなく、特に本
発明の発色現像処理錠剤に組み合わせることにより、本
発明の目的をより効果的に達成することができる。
【0018】前記水溶性基は、p-フェニレンジアミン系
化合物のアミノ基又はベンゼン核上に少なくとも一つ有
するものが挙げられ、具体的な水溶性基としては、−(C
H2)nCH2OH、−(CH2)mNHSO2(CH2)nCH3、−(CH2)mO(CH2)n
CH3、−(CH2CH2O)nCmH2m+1(m及びnは各々、0以上の
整数を表す。)、−COOH基、−SO3H 基等が好ましいもの
として挙げられる。
【0019】本発明に好ましく用いられる発色現像主薬
の具体的例示化合物としては、特願平2-203169号26〜31
頁に記載されている(C−1)〜(C−16)、及び下記
の化合物(C′−1)、(C′−2)、(C′−3)等
が挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】上記発色現像主薬は通常、塩酸塩、硫酸
塩、p‐トルエンスルホン酸塩等の塩の形で用いられ
る。
【0022】又、前記発色現像主薬は単独であるいは2
種以上併用して、又、所望により白黒現像主薬、例えば
フェニドン、4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニル
-3-ピラゾリドンやメトール等と併用して用いてもよ
い。
【0023】又、本発明においては、本発明に係る発色
現像液中に下記一般式[A]及び[B]で示される化合
物を含有する際に、本発明の効果をより発揮するばかり
でなく、未露光部に生じるカブリも少ないという効果も
生じるため、好ましい態様の一つである。
【0024】
【化2】
【0025】式中、R1及びR2は各々、アルキル基、ア
リール基、R3CO−基又は水素原子を表す。但しR1及び
2の両方が同時に水素原子であることはない。又、R1
とR2で環を形成してもよい。
【0026】一般式[A]において、R1及びR2で表さ
れる置換、無置換のアルキル基は、同一でも異なっても
よく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
更にこれらアルキル基はカルボキシル基、燐酸基、スル
ホ基又はヒドロキシル基を有してもよい。R3は置換、
無置換のアルコキシ基、置換、無置換のアルキル基又は
置換、無置換のアリール基を表す。R1とR2で形成して
もよい環としては、ピペリジン、ピリジン、トリアジン
やモルホリンの如き複素環が挙げられる。
【0027】
【化3】
【0028】式中、R11,R12,R13は各々、水素原
子、置換、無置換のアルキル基、アリール基又は複素環
基を表し、R14はヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ
基、置換、無置換のアルキル基、アリール基、複素環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基
又はアミノ基を表す。複素環基としては、5〜6員環で
あり、C,H,O,N,S及びハロゲン原子から構成さ
れ、飽和でも不飽和でもよい。R15は−CO−,−SO2
又は−C(=NH)−から選ばれる2価の基を表し、nは0
又は1である。特にn=0の時、R14はアルキル基、ア
リール基、複素環基から選ばれる基を表し、R13とR14
は共同して複素環を形成してもよい。
【0029】前記一般式[A]で示されるヒドロキシル
アミン系化合物の具体例は、米国特許3,287,125号、 同
3,329,034号及び同3,287,124号等に記載されているが、
特に好ましい具体的例示化合物としては、特願平2-2031
69号36〜38頁記載の(A−1)〜(A−39)及び特開平
3-33845号3〜6頁記載の(1)〜(53)及び特開平3-6
3646号5〜7頁記載の(1)〜(52)が挙げられる。
【0030】次に一般式[B]で示される化合物の具体
例は、特願平2-203169号40〜43頁記載の(B−1)〜
(B−33)及び特開平3-33846号4〜6頁記載の(1)〜
(56)が挙げられる。
【0031】これら一般式[A]又は一般式[B]で示
される化合物は、通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸塩、
p-トルエンスルホン酸塩、蓚酸塩、燐酸塩、酢酸塩等の
形で用いられる。
【0032】又、下記一般式[A′]で示されるヒドロ
キシルアミン系化合物も発色現像液の保恒剤として好ま
しく用いられている。
【0033】
【化4】
【0034】式中、Lは置換してもよいアルキレン基を
表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホ
スフィノ基、ヒドロキシル基、それぞれアルキル置換し
てもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基又は
スルファモイル基を表し、Rは水素原子又は置換しても
よいアルキル基を表す。
【0035】一般式[A′]で表される化合物の具体例
としては、特開平3-184044号の4頁左下欄〜6頁右下欄
に記載の(1)〜(54)が挙げられるが、中でも(1)
及び(7)で示される下記化合物が好ましい。
【0036】 (1)HON(CH2COOH)2 (7)HON(CH2CH2SO3H)2 一般式[A′]で示される化合物は、市販されているヒ
ドロキシルアミン類をアルキル化反応することにより得
られる。例えば西独特許1,159,634号やインオルガニカ
・キミカ・アクタ(Inorganica Chimica Acta.),93
(1984)101〜108頁等に記載の合成法に準じて合成する
ことができる。
【0037】本発明に係る発色現像処理錠中には、保恒
剤として亜硫酸塩を微量用いることができる。該亜硫酸
塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜
硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
【0038】本発明に係る発色現像剤には、緩衝剤を用
いることが必要で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、燐
酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸二ナトリウム、
燐酸二カリウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、四硼
酸ナトリウム(硼酸)、四硼酸カリウム、o-ヒドロキシ
安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o-ヒド
ロキシ安息香酸カリウム、 5-スルホ-2-ヒドロキシ安息
香酸ナトリウム(5-スルホサリチル酸ナトリウム)、5-
スルホ-2-ヒドロキシ安息香酸カリウム(5-スルホサリ
チル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0039】現像促進剤としては、特公昭37-16088号、
同37-5987号、 同38-7826号、 同44-12380号、 同45-9019
号及び米国特許3,813,247号等に代表されるチオエーテ
ル系化合物、 特開昭52-49829号及び同50-15554号に代表
されるp-フェニレンジアミン系化合物、特公昭44-30074
号、 特開昭50-137726号、同56-156826号及び同52-43429
号等に代表される4級アンモニウム塩類、米国特許2,61
0,122号及び同4,119,462号記載のp-アミノフェノール
類、米国特許2,494,903号、 同3,128,182号、 同4,230,79
6号、 同3,253,919号、 特公昭41-11431号、米国特許2,48
2,546号、 同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載の
アミン系化合物、 特公昭37-16088号、 同42-25201号、 米
国特許3,128,183号、 特公昭41-11431号、 同42-23883号
及び米国特許3,532,501号等に代表されるポリアルキレ
ンオキサイド、 その他1-フェニル-3-ピラゾリドン類、
ヒドラジン類、メソイオン型化合物、イオン型化合物、
イミダゾール類等を必要に応じて添加することができ
る。カブリ防止等の目的で塩素イオン及び臭素イオンが
カラー現像剤中に用いられてもよい。本発明において
は、好ましくは塩素イオンとして1.0×10-2〜1.5×10-1
モル/l、より好ましくは3.5×10-2〜1.0×10-1モル/
l含有する。塩素イオン濃度が1.5×10-1モル/lより多
いと、現像を遅らせ迅速に高い最大濃度を得るには好ま
しくない。又、3.5×10-2モル/l未満では、ステインが
生じ、連続処理に伴う写真特性変動(特に最小濃度)が
大きくなり好ましくない。
【0040】本発明において、カラー現像液中に臭素イ
オンを好ましくは3.0×10-5〜1.0×10-3モル/l含有す
る。より好ましくは5.0×10-5〜5×10-4モル/lであ
る。特に好ましくは1×10-4〜3×10-4モル/lであ
る。臭素イオン濃度が1×10-3モル/lより多い場合、
現像を遅らせ最大濃度及び感度が低下し、3.0×10-5
ル/l未満である場合、ステインを生じ、又、連続処理
に伴う写真特性変動(特に最小濃度)を生じる点で好ま
しくない。
【0041】発色現像剤に直接添加される場合、塩素イ
オン供給物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化アンモニウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、
塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化カドミウムが挙げ
られるが、そのうち好ましいものは塩化ナトリウム、塩
化カリウムである。
【0042】又、発色現像剤中に添加される蛍光増白剤
の対塩の形態で供給されてもよい。
【0043】臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウ
ム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化マンガ
ン、臭化ニッケル、臭化カドミウム、臭化セリウム、臭
化タリウムが挙げられるが、そのうち好ましいものは臭
化カリウム、臭化ナトリウムである。
【0044】本発明の発色現像処理錠剤には、必要に応
じて塩素イオン、臭素イオンに加えて任意のカブリ防止
剤を添加できる。カブリ防止剤としては、沃化カリウム
の如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤
が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えばベン
ゾトリアゾール、6-ニトロベンゾイミダゾール、 5-ニト
ロイソインダゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、 5-
ニトロベンゾトリアゾール、 5-クロロベンゾトリアゾー
ル、2-チアゾリルベンゾイミダゾール、 2-チアゾリルメ
チルベンゾイミダゾール、 インダゾール、ヒドロキシア
ザインドリジン、アデニンの如き含窒素複素環化合物を
代表例として挙げることができる。
【0045】本発明の発色現像処理錠剤には、トリアジ
ニルスチルベン系蛍光増白剤を含有させることが本発明
の目的の効果の点から好ましい。係る蛍光増白剤として
は下記一般式[E]で示される化合物が好ましい。
【0046】
【化5】
【0047】上式において、X1,X2,Y1及びY2は各
々、ヒドロキシル基、塩素又は臭素等のハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、−N(R21)(R22)基、
【0048】
【化6】
【0049】又はOR25を表す。ここでR21及びR22は各
々、水素原子、置換,無置換のアルキル基又は置換、無
置換のアリール基を、R23及びR24は置換、無置換のア
ルキレン基を、R25は水素原子、置換、無置換のアルキ
ル基又は置換、無置換のアリール基を表し、Mはカチオ
ンを表す。
【0050】なお一般式[E]の各基、又はそれらの置
換基の詳細については、特願平2-240400号の62頁下から
第8行〜64頁下から第3行の記載と同義であり、具体的
化合物も同号65〜67頁に記載のE−1〜E−45を挙げる
ことができる。
【0051】上記の化合物は公知の方法で合成すること
ができる。以下に代表的化合物を例示するが、中でも特
に好ましく用いられるのは、E−4,E−24,E−34,
E−35,E−36,E−37,E−41である。これらの化合
物の添加量は発色現像液1000ml当たり0.2〜10gの範囲
であることが好ましく、更に好ましくは0.4〜5gであ
る。
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】更に、本発明に用いられる発色現像処理錠
剤は、必要に応じてメチルセロソルブ、メタノール、ア
セトン、ジメチルホルムアミド、β-シクロデキストリ
ン、その他特公昭47-33378号、 同44-9509号に記載の化
合物を、現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤とし
て使用することができる。
【0055】更に、現像主薬と共に補助現像剤を使用す
ることもできる。これらの補助現像剤としては、例えば
メトール、フェニドン、N,N-ジエチル-p-アミノフェノ
ール塩酸塩、 N,N,N′,N′-テトラメチル-p-フェニレン
ジアミン塩酸塩等が知られており、その添加量としては
通常0.01〜1.0g/lが好ましい。
【0056】更に又、その他ステイン防止剤、スラッジ
防止剤、重層効果促進剤等、各種添加剤を用いることが
できる。
【0057】又、発色現像処理錠剤は、特願平2-240400
号69頁下から第9行〜75頁に記載の下記一般式[K]で
示されるキレート剤及びその例示化合物K−1〜K−22
が添加されることが、本発明の目的を効果的に達成する
観点から好ましい。
【0058】
【化9】
【0059】これらキレート剤の中でも、K−2,K−
9,K−12,K−13,K−17,K−19が好ましく用いら
れ、特にK−2及びK−9を発色現像液に添加する際に
本発明の効果をより発揮する。
【0060】これらキレート剤の添加量は、発色現像液
1000ml当たり0.1〜20gの範囲が好ましく、より好ましく
は0.2〜8gである。
【0061】更に又、発色現像処理錠剤はアニオン、カ
チオン、両性、ノニオンの各界面活性剤を含有させるこ
とができる。又、必要に応じてアルキルスルホン酸、ア
リールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン
酸等の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0062】
【実施例】
実施例1 以下の操作に従って、カラーネガ用発色現像錠剤試料を
作成した。
【0063】操作(1) 硫酸ヒドロキシルアミン3.0gを空気ジェット微粉砕機中
で平均粒径10μになる迄摩砕する。この微粉末を市販の
流動層噴霧造粒機中で室温にて約7分間、0.20ミリリッ
トルの水を噴霧することにより造粒した後、造粒物を空
気温度63℃で8分間乾燥する。次に粒状物を真空中で40
℃にて90分間乾燥して粒状物の水分をほぼ完全に除去す
る。
【0064】操作(2) 現像主薬のCD−4[4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-
β-ヒドロキシルエチル-アニリン硫酸塩]6.0gを操作
(1)と同様、空気ジェット微粉砕機器中で粉砕後、造
粒する。水の噴霧量は0.2ミリリットルとし、造粒後、6
0℃で7分間乾燥する。次に粒状物を真空中で40℃にて9
0分間乾燥して、水分をほぼ完全に除去する。
【0065】操作(3) 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸ナトリウム2.5
g、亜硫酸ナトリウム1.75g、炭酸カリウム(表1に記
載)、炭酸水素ナトリウム0.75g、臭化ナトリウム0.35g
を市販の混合機中で均一化した後、操作(1)と同様、
空気ジェット微粉砕機中で粉砕後、造粒する。水の噴霧
量は5.5ミリリットルとし、造粒後、70℃で10分間乾燥
する。次に粒状物を真空中で40℃にて90分間乾燥して、
水分をほぼ完全に除去する。
【0066】操作(4) 亜硫酸ナトリウム1.75g、ジエチレントリアミン5酢酸
ナトリウム2.0g、炭酸水素ナトリウム0.75g、臭化ナト
リウム0.35gを操作(3)と同様に造粒する。水の噴霧
量は5.75ミリリットルとし、乾燥温度は80℃で時間は10
分間とした。
【0067】操作(5) 上記操作(1)〜(4)で造粒した造粒物を25℃で相対
湿度50%以下に調湿された部屋で混合機にて約10分間均
一に混合する。次に混合物を菊水製作所社製タフプレス
コレクト1527HUを改造した処理剤打錠機により錠剤化す
る。錠剤化を行うに当たり、上記打錠機の中に上記混合
物5.00gを充填し、圧縮圧力を1000kg/cm2で成形した。
この操作を繰り返して前記混合物より各々10個のカラー
フィルム用発色現像錠剤試料1〜5を作成した。
【0068】実験 上記操作で得られた試料4個をビーカ中の水125℃,200
ミリリットル中に投入し、マグネチックスターラで撹拌
しながら溶解した。この時、試料の投入直後から液が澄
明になるまでの時間を測定し、これを溶解時間とした。
【0069】次に同ロットの試料を2mの高さから落下
させ、落下直後の試料の状態を観察した。
【0070】結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】上記表1より、本発明の発色現像用錠剤は
実用上充分な強度を持ち、かつ溶解に時間を要しないこ
とがわかる。
【0073】実施例2 以下の操作に従ってカラーペーパー用発色現像錠剤試料
を作成した。
【0074】操作(6) ジエチルヒドロキシルアミン・蓚酸塩4.8g、炭酸水素ナ
トリウム1.32gを操作(1)と同様に造粒する。水の噴
霧量は0.25ミリリットルとし、乾燥温度は70℃で時間は
70分間とした。
【0075】操作(7) 現像主薬のCD−3[1-(N-エチル-N-メタンスルホンア
ミドエチル)-3-メチル-p-フェニレンジアミンセスキサ
ルフェート・1水塩]6.48gを操作(2)と同様に造粒
する。水の噴霧量は0.22ミリリットルとし、乾燥温度は
63℃で時間は8分間とした以外は操作(2)と同様にし
た。
【0076】操作(8) 亜硫酸ナトリウム0.144g、炭酸水素ナトリウム0.54g、
チノパールSFP1.8gを操作(3)と同様に造粒する。
水の噴霧量を3.36ミリリットル、乾燥温度は73℃で時間
は10分間とした以外は操作(3)と同様にした。
【0077】操作(9) 炭酸カリウム(表2に記載)、ジエチレントリアミン五
酢酸ナトリウム2.88g、炭酸水素ナトリウム0.54g、プル
ロニックF−68(旭電化製)1.44gを操作(3)と同様
に造粒する。水の噴霧量は3.12ミリリットル、乾燥温度
は73℃で時間は10分間とした以外は操作(3)と同様に
した。
【0078】操作(10) 上記操作(6)〜(9)で造粒した造粒物を操作(5)
と同様に混合後、固形処理剤打錠機に入れ、錠剤化を行
った。固形処理剤打錠機への充填量を6.924gとした以外
は操作(5)と同様にし、各々6個のカラーペーパー用
発色現像錠剤を試料6〜10を作成した。
【0079】次に実施例1と同様に溶解試験及び落下試
験を行った。
【0080】結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】表2の結果の如く、本発明の発色現像用錠
剤は実用上充分な強度を持ち、且つ溶解性に優れている
ことがわかる。
【0083】実施例3 実施例2で用いたCD−3(例示化合物(C−15))の
代わりに例示化合物(C−17)〜(C−19)をそれぞれ
等モル使用した。
【0084】他は実施例2と同様の操作及び実験を行っ
た。
【0085】結果を表3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】表3の結果の如く、本発明の発色現像用錠
剤は実用上充分な強度を持ち、且つ溶解性に優れている
ことがわかる。
【0088】実施例4 実施例1で用いた硫酸ヒドロキシルアミンの代わりに例
示化合物I−1,I−7を等モルを使用した他は、実施
例1と同様の錠剤成形操作及び実験を行った。この結
果、実施例1とほぼ同様の結果を得た。
【0089】実施例5 実施例2で用いたジエチルヒドロキシルアミン・蓚酸塩
の代わりに、例示化合物I−1,I−7を等モル使用し
た他は、実施例2と同様の錠剤成形操作及び実験を行っ
た。
【0090】この結果、実施例2とほぼ同様の結果を得
た。
【0091】実施例6 実施例1の操作(5)における圧縮圧力をそれぞれ850,
1800kg/cm2に変更した他は実施例1と同様の錠剤成形操
作及び実験を行った。
【0092】この結果、実施例1と同様の結果を得た。
【0093】
【発明の効果】本発明により、充分な強度を持ち、かつ
溶解性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料用発色
現像処理錠剤が得られ、又、プラスチックボトルを含め
た包装材料総量が低減出来、社会環境適性が向上する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独で発色現像可能で、アルカリ金属の
    炭酸塩を1錠剤当たり60重量%以上含有することを特
    徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用発色現像処
    理錠剤。
  2. 【請求項2】 水を加えて造粒した処理剤原料を使って
    製造され、かつアルカリ金属の炭酸塩を1錠剤当たり6
    0重量%以上含有することを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料用発色現像処理錠剤。
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