JPH06138587A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理剤及び処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理剤及び処理方法

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JPH06138587A
JPH06138587A JP29154192A JP29154192A JPH06138587A JP H06138587 A JPH06138587 A JP H06138587A JP 29154192 A JP29154192 A JP 29154192A JP 29154192 A JP29154192 A JP 29154192A JP H06138587 A JPH06138587 A JP H06138587A
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JP
Japan
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water
agent
acid
tablet
silver halide
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JP29154192A
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English (en)
Inventor
Kenji Ishida
賢治 石田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 滑沢性に優れるだけでなく、強度も高く、し
かも保存安定性に優れ、ハロゲン化銀写真感光材料の処
理において、自動現像機のローラ部の汚れや搬送トラブ
ルの生じにくいハロゲン化銀写真感光材料用錠剤形処理
剤、及び錠剤形処理剤を用いたハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法を提供する。 【構成】 水溶性滑沢剤(ホウ酸、DL−ロイシン、脂
肪酸アルカリ金属塩、ラウリル硫酸アルカリ金属塩、安
息香酸アルカリ金属塩、アジピン酸、フマル酸、硫酸ナ
トリウム及びポリエチレングリコール等)を含有する処
理剤を錠剤化し、かつ該錠剤が少なくとも下記一般式
(1)で表される化合物を構成成分とする水溶性ポリマ
ーで被覆されている錠剤状ハロゲン化銀写真感光材料用
処理剤、及びそれを用いた処理方法。 一般式(1) 〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料用処理剤に関し、詳しくは、保存安定性、滑沢性に
優れるだけでなく、強度も高い処理剤が得られ、しかも
感光材料の処理において、自動現像のローラ部の汚れや
搬送トラブルが生じないハロゲン化銀写真感光材料用処
理剤に関する。
【0002】
【発明の背景】ハロゲン化銀写真感光材料は、通常黒白
現像液、定着液、反転液、調整液、発色現像液、漂白
液、漂白定着液、安定液等の処理液を用いて現像処理が
行われ画像が得られる。ここで使用される各処理液は、
使い易さのために1つ以上の濃厚液又は使用液の形でプ
ラスチックボトル等の容器に入れられ、処理剤キットと
してユーザーに供給されている。ユーザーはこれら処理
剤キットをそのまま、又は水で希釈溶解して使用液(ス
タート液又は補充液)を作成し、使用している。
【0003】近年、写真処理業においては、ミニラボと
呼ばれる小型自動現像機を用いた小規模現像所が急増し
ており、このようなミニラボ化の進行にともない処理剤
用プラスチックボトル等の使用量も、年々急激に増加し
てきている。
【0004】このプラスチックは、軽くて強い性質の故
に、写真処理剤用ボトル以外にも、広く使用されてきて
いる。プラスチックの全世界の生産量は年々増加の一途
をたどり、1988年には、年間1億トンを越す量にまで増
加してきている。その一方で、廃棄されるプラスチック
も膨大な量であり、日本を例にとっても、生産量の約40
%が年々廃棄されている。このような廃プラスチック
は、海洋に投棄されると、海洋生物の生息環境の悪化を
引き起こしているし、またヨーロッパ地域では、排ガス
処理設備の不備な焼却炉で燃焼処理するため、酸性雨等
の問題も引き起こしてきている。
【0005】このため、早急な対策の実施が迫られてお
り、欧米地域ではプラスチックのリサイクルや使用禁
止、又は分解性プラスチックの使用の義務化など法規制
の動きが活発となってきているのが実状である。
【0006】このような状況の中で、一部とは言え写真
用途の処理剤にプラスチックボトルを多量に使用するこ
とは極めて好ましくない状況である。
【0007】そこで、写真処理剤の濃厚液を粉剤化する
ことが考えられるが、その際には溶解時に微粉が舞い上
がり作業者が吸い込んだりする可能性が高く、健康への
影響が懸念される問題が生じたり、或いは舞い上がった
処理剤成分が別の写真処理液に混入してしまい、これに
よって汚染されトラブルが発生するという問題が生じ
る。このため、写真処理剤を造粒化し、粒状混合物とす
る技術が、例えば特開平2-109042号や同2-109043、米国
特許2,843,484号及び特開平3-39735号等で提案された
が、依然として飛散薬剤粉塵による労働安全衛生上の問
題及び他種処理液への不純物としての混入の問題は完全
に解決されていない現状である。
【0008】この問題に対して、特開昭59-121040号、
特開平4-221951号に粒状混合物を水溶性ポリマーでコー
ティングする方法が提案されている。しかしながら、こ
の解決方法では、所詮顆粒として取り扱うことになるの
で、その定量性の精度が低くなる欠点及び顆粒では表面
積が大きくなり、コーティング素材の必要使用量が多く
なるという欠点を有している。
【0009】又、水溶性ポリマーをコーティングして得
られる処理剤を用いてハロゲン化銀写真感光材料を処理
する際に、自動現像機のローラー部の汚れや搬送トラブ
ルが生じるという問題があることもわかった。
【0010】一方、これら乾燥状態の持つ利点を生かす
処理剤の好ましい形状として錠剤化が特開昭51-61837号
等に提案されている。
【0011】従来、一般に錠剤を連続成形する際には、
粉体粒子間、粉体と製剤機械の摩擦による成形不良を防
止するため、滑沢剤が用いられている。かかる滑沢剤と
しては種々のものが知られているが、なかでも滑沢効果
が極めて優れるものとしてステアリン酸マグネシウムが
広く用いられている。
【0012】しかしながらこれら写真用処理剤を錠剤型
処理剤にすることは、調薬作業性あるいは労働安全衛生
上甚だ有用であるが、これら技術も完全ではなく、ステ
アリン酸マグネシウムを滑沢剤として用いて打錠操作し
て錠剤化された写真処理剤を製造した場合には、滑沢性
が非常に優れる反面、得られた錠剤の強度が低く、保存
性も未だ完全に充分ではないため、経時により、有効成
分の含有量が減少する問題点がある。
【0013】本発明者は種々検討した結果、錠剤型処理
剤に本発明の水溶性滑沢剤を含有させ、かつ本発明の水
溶性ポリマーで被覆することにより、上記問題点が解決
できることを見出した。
【0014】
【発明の目的】本発明の目的は、滑沢性に優れるだけで
なく、強度も高い処理剤が得られ、しかも、保存安定性
に優れ、感光材料の処理においても、自動現像機のロー
ラー部の汚れや搬送トラブルの生じにくいハロゲン化銀
写真感光材料用処理剤を提供することにある。
【0015】
【発明の構成】上記目的を達成する本発明の構成は、下
記(1)〜(4)である。
【0016】(1)少なくとも1種の水溶性滑沢剤を含有
する処理剤を錠剤化し、かつ前記錠剤が少なくとも下記
一般式(1)で表される化合物を構成成分とする水溶性
ポリマーで被覆されていることを特徴とする錠剤状ハロ
ゲン化銀写真感光材料用処理剤。
【0017】
【化2】
【0018】〔式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜3
のアルキル基を表す。〕 (2)水溶性滑沢剤が、ホウ酸、DL−ロイシン、脂肪酸
アルカリ金属塩、ラウリル硫酸アルカリ金属塩、安息香
酸アルカリ金属塩、アジピン酸、フマル酸、硫酸ナトリ
ウム及びポリエチレングリコールから選ばれる少なくと
も1種であることを特徴とする上記(1)に記載の処理
剤。
【0019】(3)水溶性滑沢剤がDL−ロイシン、安息
香酸アルカリ金属塩及びポリエチレングリコールから選
ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(2)
に記載の処理剤。
【0020】(4)上記(1)に記載の処理剤を用いること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0021】水溶性フィルムを用いて包装・保護する技
術は、これまで農薬、水処理剤、洗剤、殺菌剤の包装等
に応用されてきており、例えば、特開平2-155999号、特
開昭62-4800号、同63-12466号及び同61-57700号明細書
等に記載されている。しかしながら、これらのように水
溶性フィルムでの包装ではなく、本発明の一般式(1)
で表わされる水溶性ポリマーを用いて直接被覆する写真
処理剤への応用例は知られておらず、これら一般式
(1)で表わされる水溶性ポリマーを写真処理剤に適用
することで、錠剤型写真処理剤が長期間保存されても形
状を維持し有効成分の劣化を防止することはもちろん、
水溶性滑沢剤を含有することで、錠剤の強度が著しく強
くなり、かつ、感光材料の処理においても、自動現像機
のローラー部の汚れや搬送トラブルを防止することがで
きたことは驚くべきことであった。
【0022】本発明において、錠剤とは、写真処理剤組
成物の粉末ないし粒状体を圧縮して小板状ないし塊状
(例えば、レンズ形、球形、三角形、四角形、円柱ない
し円筒形等)とした薬剤で、溶解水ないし処理液に溶解
ないし崩解させて写真処理剤組成物を放出させるものを
いう。例えば、賦形剤ないし結着剤と混和して写真処理
剤組成物を散剤とし、圧縮錠剤機で一定の大きさと硬さ
を有するものに賦形すればよく、用量が正確である利点
がある。尚、大きさは使用態様に応じて適宜決めればよ
い。
【0023】
【発明の具体的構成】本発明の一般式(1)で表わされ
る水溶性ポリマーについて以下に詳細に説明する。本発
明の一般式(1)で表わされるモノマー例を挙げる。
【0024】
【化3】
【0025】一般式(1)で表される化合物を構成成分
とする水溶性ポリマー(以下、「本発明のポリマー」と
いうことがある)は、公知の重合方法により得ることが
できる。重合方法としては、溶解重合法、塊状重合法、
乳化重合法等を挙げることができる。
【0026】本発明のポリマーは、一般式(1)で表さ
れる構成成分以外の構成成分との共重合体であってもよ
い。本発明のポリマーは、一般式(1)で表される構成
成分を、好ましくは5〜100モル%、より好ましくは10
〜90モル%で共重合させた共重合体である。
【0027】本発明の一般式(1)で表される化合物に
共重合可能なモノマーとしては、イタコン酸、マレイン
酸、アクリルアミド、一般式(1)以外のアクリル酸エ
ステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、スチレン
誘導体、オレフィン、酢酸ビニル、メタクリル酸塩化ト
リメチルアンモニウムエチル等が挙げられる。
【0028】本発明のポリマーの重量平均分子量は、10
00〜1000000であり、好ましくは、3000〜500000、特に
好ましくは10000〜100000の範囲である。
【0029】次に、本発明のポリマーの好ましい例を挙
げる。下記例示化合物において、n:m及びn:m:p
はモル比を表す。
【0030】
【化4】
【0031】本発明の水溶性ポリマーによって錠剤の表
面に形成されるフィルムのの膜厚は10〜120μmの場合が
好ましく用いられ、特に15〜80μmの場合が好ましく、
とりわけ特に20〜60μmの場合が好ましく用いられる。
これは10μm未満では、固形処理剤の保存安定性が劣っ
てくるし、また120μmを越えると水溶性ポリマーの溶解
に時間がかかり過ぎ、処理液の種類によっては水溶性ポ
リマーが完全に溶解しないという問題も生じてくるため
である。
【0032】更に、本発明の水溶性ポリマーの引張り強
度は0.5×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1×106
〜25×106kg/m2が好ましく、とりわけ特に1.5×106〜10
×106kg/m2が好ましい。これら引張り強度はJIS Z
−1521に記載される方法で計測される。
【0033】本発明において、水溶性ポリマーを用いて
錠剤型処理剤を被覆するには、例えば特開昭51-61837
号、同54-155038号、同52-88025号、英国特許1,213,808
号等に記載される如き一般的方法で製造される錠剤の表
面にコーティングパン中などで、水溶性ポリマーを噴霧
したりする等、任意の手段が採用できる。
【0034】コーティングに使用する水溶性ポリマーの
被覆量は、保存安定性、摩損性、溶解性等からして0.01
g/処理剤溶液1000ml以上が好ましく、更には0.5〜3.0g
/処理剤溶液1000ml程度がより好ましい。本発明の錠剤
型写真処理剤は、すべての構成成分を1つの錠剤に打錠
しても良いし、複数の錠剤に別けて打錠しても良い。ま
た、構成成分の一部を1つ以上の錠剤とし、残りを1つ
以上の液剤又は粉剤とする構成を用いても良く、その処
理剤の持つ性質、要求される性能に合わせ任意の構成を
取ることができる。
【0035】又、本発明において、写真処理剤中に水溶
性滑沢剤を含有することが必要である。
【0036】また本発明に係るハロゲン化銀写真感光材
料用処理剤は、水溶性滑沢剤が、ホウ酸、DL−ロイシ
ン、脂肪酸アルカリ金属塩、ラウリル硫酸アルカリ金属
塩、安息香酸アルカリ金属塩、アジピン酸、フマル酸、
硫酸ナトリウム及びポリエチレングリコールから選ばれ
る少なくとも1種であることが好ましく、より好ましく
は水溶性滑沢剤が、DL−ロイシン、安息香酸アルカリ
金属塩及びポリエチレングリコールから選ばれる少なく
とも1種であることである。
【0037】本発明に用いられる水溶性滑沢剤は、錠剤
化された写真用処理剤であれば全てに適用できる。例え
ば撮影用カラー感光材料の処理に用いられる発色現像
剤、漂白剤、定着剤、安定剤、またカラーペーパー感光
材料に用いられる発色現像剤、漂白定着剤(漂白剤、定
着剤)、安定剤、さらに黒白感光材料に用いられる現像
剤、定着剤、その他リバーサルタイプの感光材料(ネガ
またはペーパー)の処理に用いられる各種処理剤に適用
できる。
【0038】本発明において水溶性滑沢剤の含有量は、
1個の写真感光材料用処理錠剤に対し、0.01〜10wt%の
範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5wt
%の範囲である。
【0039】本発明において錠剤化された写真用処理剤
は原料粉体を造粒し、次いで混合し、錠剤化することに
より得ることができる。例えば、特開昭51-61837号、同
54-155038号、同52-88025号、英国特許1213808号の明細
書に記載される方法を採用することもできる。かかる錠
剤化の際に水溶性滑沢剤が含有される。
【0040】水溶性滑沢剤は錠剤前の造粒の際に添加さ
れてもよいし、造粒前に添加されてもよいし、更には造
粒後に添加されてもよい。
【0041】本発明の錠剤型写真処理剤は、一つの錠剤
のすべての成分を均一に混合打錠しても良く、その構成
成分を層状に別けて打錠しても良い。さらには、錠剤の
内部と外側を異なる構成として打錠しても良い。
【0042】本発明の錠剤型写真処理剤は打錠前に造粒
したり、結着剤と混合したり、コーティング剤をコーテ
ィングしたりといった一般に行われている前処理を施し
た後打錠しても良い。
【0043】本発明における写真処理剤が発色現像剤の
場合、用いられる発色現像主薬としては、水溶性基を有
するp-フェニレンジアミン系化合物が本発明の目的の効
果を良好に奏し、かつカブリの発生が少ないため好まし
く用いられる。
【0044】水溶性基を有するp-フェニレンジアミン系
化合物は、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン等の水
溶性基を有しないパラフェニレンジアミン系化合物に比
べ、感光材料の汚染がなく、かつ皮膚についても皮膚が
カブレにくいという長所を有するばかりでなく、特に本
発明の発色現像剤とすることにより、本発明の目的をよ
り効果的に達成することができる。
【0045】前記水溶性基は、p-フェニレンジアミン系
化合物のアミノ基又はベンゼン核上に少なくとも一つ有
するものが挙げられ、具体的な水溶性基としては、−
(CH2)nCH2OH、−(CH2)mNHSO2(CH
2)nCH3、−(CH2)mO(CH2)nCH3、−
(CH2CH2O)nCmH2+1(m及びnは各々、0
以上の整数を表す。)、−COOH基、−SO3H基等
が好ましいものとして挙げられる。
【0046】本発明に好ましく用いられる発色現像主薬
の具体的例示化合物としては、特願平2-203169号26〜31
頁に記載されている(C−1)〜(C−16)、4-アミ
ノ-3-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン等が
挙げられる。
【0047】上記発色現像主薬は通常、塩酸塩、硫酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩等の塩の形で用いられる。
【0048】又、前記発色現像主薬は単独あるいは2種
以上併用して、又、所望により白黒現像主薬、例えばフ
ェニドン、4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3
-ピラゾリドンやメトール等と併用して用いてもよい。
【0049】又、本発明においては、本発明に係る発色
現像液中に下記一般式〔A〕及び〔B〕で示される化合
物を含有する際に、本発明の効果をより発揮するばかり
でなく、未露光部に生じるカブリも少ないという効果も
生じるため、好ましい態様の一つである。
【0050】
【化5】
【0051】一般式〔A〕において、R1及びR2は各
々、アルキル基、アリール基、R3CO−基又は水素原
子を表す。但し、R1及びR2の両方が同時に水素原子で
あることはない。又、RとR2で環を形成してもよ
い。
【0052】一般式〔A〕において、R1及びR2で表さ
れるアルキル基は、同一でも異なってもよく、それぞれ
炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。更にこれらアル
キル基はカルボキシル基、燐酸基、スルホ基又はヒドロ
キシル基を有してもよい。R3はアルコキシ基、アルキ
ル基又はアリール基を表す。R1、R2及びR3のアルキ
ル基及びアリール基は置換基を有するものも含み、ま
た、R1とR2で形成してもよい環としては、ピペリジ
ン、ピリジン、トリアジンやモルホリンの如き複素環が
挙げられる。
【0053】
【化6】
【0054】一般式〔B〕において、R11、R12、R13
は各々、水素原子、置換又は無置換の、アルキル基、ア
リール基又は複素環基を表し、R14はヒドロキシル基、
ヒドロキシアミノ基、置換若しくは無置換の、アルキル
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、カルバモイル基又はアミノ基を表す。該複素環
基は、5〜6員環であり、C、H、O、N、S及びハロ
ゲン原子から構成され、飽和でも不飽和でもよい。R15
は−CO−、−SO−又は−C(=NH)−から選ば
れる2価の基を表し、nは0又は1である。特にn=0
のとき、R14はアルキル基、アリール基及び複素環基か
ら選ばれる基を表し、R13とR14は共同して複素環を形
成してもよい。
【0055】前記一般式〔A〕で示されるヒドロキシル
アミン系化合物の具体例は、米国特許3287125号、同332
93034号及び同3287124号等に記載されているが、特に好
ましい具体的例示化合物としては、特願平2-203169号明
細書第36〜38頁記載の(A−1)〜(A−39)及び特開
平3-33845号明細書第3〜6頁記載の(1)〜(53)及
び特開平3-63646号明細書第5〜7頁記載の(1)〜(5
2)が挙げられる。
【0056】次に前記一般式〔B〕で示される化合物の
具体例は、特願平2-203169号明細書第40〜43頁記載の
(B−1)〜(B−33)及び特開平3-33846号4〜6頁
記載の(1)〜(56)が挙げられる。
【0057】これら一般式〔A〕又は一般式〔B〕で示
される化合物は、通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸塩、
p-トルエンスルホン酸基、蓚酸塩、燐酸塩、酢酸塩等の
形で用いられる。
【0058】又、下記一般式〔A′〕で示されるヒドロ
キシルアミン系化合物も発色現像液の保恒剤として好ま
しく用いられる。
【0059】
【化7】
【0060】一般式〔A′〕において、Lは置換しても
よいアルキレン基を表し、Aはカルボキシル基、スルホ
基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ヒドロキシル基、それ
ぞれアルキル置換してもよいアミノ基、アンモニア基、
カルバモイル基又はスルファモイル基を表し、Rは水素
原子又は置換してもよいアルキル基を表す。
【0061】一般式〔A′〕で表される化合物の具体例
としては、特開平3-184044号の4頁左下欄〜6頁右下欄
に記載の(1)〜(54)が挙げられるが、中でも(1)
及び(7)で示される下記化合物が好ましい。
【0062】(1)HON(CH2COOH)2 (7)HON(CH2CH2SO3H)2 一般式〔A′〕で示される化合物は、市販されているヒ
ドロキシルアミン類をアルキル化反応することにより得
られる。例えば西独特許1159634号やインオルガニカ・
キミカ・アクタ(Inorganica Chimic
a Acta.),93(1984)101〜108頁等に記
載の合成法に準じて合成することができる。
【0063】本発明に係る発色現像剤及び黒白現像剤中
には、保恒剤として亜硫酸塩を微量用いることができ
る。該亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カ
リウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等が挙
げられる。
【0064】本発明に係わる発色現像剤及び黒白現像剤
には、pH緩衝剤を用いることが必要で、pH緩衝剤と
しては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリ
ウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三
カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、ホ
ウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム
(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o-ヒドロキシ安息香酸
ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o-ヒドロキシ安
息香酸カリウム、5-スルホ-2-ヒドロキシ安息香酸ナト
リウム(5-スルホサリチル酸ナトリウム)、5-スルホ-2
-ヒドロキシ安息香酸カリウム(5-スルホサリチル酸カ
リウム)等を挙げることができる。
【0065】現像促進剤としては、特公昭37-16088号、
同37-5987号、同38-7826号、同44-12380号、同45-9019
号及び米国特許3813247号等に表されるチオエーテル系
化合物、特開昭52-49829号及び同50-15554号に表される
p-フェニレンジアミン系化合物、特開昭50-137726号、
特公昭44-30074号、特開昭56-156826号及び同52-43429
号等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許261012
2号及び同4119462号記載のp-アミノフェノール類、米国
特許2494903号、同3128182号、同4230796号、同3253919
号、特公昭41-11431号、米国特許2482546号、同2596926
号及び同3582346号等に記載のアミン系化合物、特公昭3
7-16088号、同42-25201号、米国特許3128183号、特公昭
41-11431号、同42-23883号及び米国特許3532501号等に
表されるポリアルキレンオキサイド、その他1-フェニル
-3-ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合
物、イオン型化合物、イミダゾール類、等を必要に応じ
て添加することができる。
【0066】カブリ防止等の目的で塩素イオン及び臭素
イオンがカラー現像剤中に用いられてもよい。本発明に
おいては、好ましくは塩素イオンとして1.0×10-2〜1.5
×10-1モル/l、より好ましくは3.5×10-2〜1×10-1
モル/l含有する。塩素イオン濃度が1.5×10-1モル/
lより多いと、現像を遅らせ迅速に高い最大濃度を得る
には好ましくない。また、1.0×10-2、特に3.5×10-2
ル/l未満では、ステインが生じ、更には、連続処理に
伴う写真性変動(特に最小濃度)が大きくなり好ましく
ない。
【0067】本発明の処理方法において、カラー現像液
中に臭素イオンを好ましくは3.0×10-5〜1.0×10-3モル
/l含有する。より好ましくは5.0×10-5〜5×10-4
ル/lである。特に好ましくは1×10-4〜3×10-4モル
/lである。臭素イオン濃度が1×10-3モル/lより多
い場合、現像を遅らせ、最大濃度及び感度が低下し、3.
0×10-5モル/l未満である場合、ステインを生じ、ま
た連続処理に伴う写真性変動(特に最小濃度)を生じる
点で好ましくない。
【0068】発色現像剤に直接添加される場合、塩素イ
オン供給物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化アンモニウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、
塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化カドミウムが挙げ
られるが、そのうち好ましいものは塩化ナトリウム、塩
化カリウムである。
【0069】また、発色現像剤及び現像剤中に添加され
る蛍光増白剤の対塩の形態で供給されてもよい。
【0070】臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウ
ム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化マンガ
ン、臭化ニッケル、臭化カドミウム、臭化セリウム、臭
化タリウムが挙げられるが、そのうち好ましいものは臭
化カリウム、臭化ナトリウムである。
【0071】本発明の発色現像剤及び現像剤には、必要
に応じて、塩素イオン、臭素イオンに加えて任意のカブ
リ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、沃化カ
リウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ
防止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例え
ば、ベンゾトリアゾール、6-ニトロベンズイミダゾー
ル、5-ニトロイソインダゾール、5-メチルベンゾトリア
ゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール、5-クロロ-ベン
ゾトリアゾール、2-チアゾリル-ベンズイミダゾール、2
-チアゾリルメチル-ベンズイミダゾール、インダゾー
ル、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒
素ヘテロ環化合物を代表例として挙げることができる。
【0072】本発明の発色現像剤及び現像剤にはトリア
ジニルスチルベン系蛍光増白剤を含有させることが本発
明の目的の効果の点から好ましい。かかる蛍光増白剤と
しては下記一般式〔E〕で示される化合物が好ましい。
【0073】
【化8】
【0074】一般式〔E〕において、X1,X2,Y1
びY2は各々、ヒドロキシル基、塩素又は臭素等のハロ
ゲン原子、アルキル基、アリール基、−N(R21)(R
22)基、
【0075】
【化9】
【0076】または−OR25を表す。ここでR21及びR
22は各々水素原子、アルキル基(置換体を含む)、又は
アリール基(置換体を含む)を、R23及びR24はアルキ
レン基(置換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル
基(置換体を含む)又はアリール基(置換体を含む)を
表し、Mはカチオンを表す。
【0077】なお一般式〔E〕の各基あるいはそれらの
置換基の詳細については、特願平2-240400号の62頁下か
ら第8行〜第64頁下から第3行の記載と同義であり、具
体的化合物も同号65〜67頁に記載のE−1〜E−45を挙
げることができる。
【0078】上記の化合物は公知の方法で合成すること
ができる。以下に代表的化合物を例示するが、中でも特
に好ましく用いられるのは、E−4、E−24、E−34、
E−35、E−36、E−37、E−41である。これらの化合
物の添加量は発色現像液1000ml当り0.2〜10gの範囲であ
ることが好ましく、更に好ましくは0.4〜5gである。
【0079】
【化10】
【0080】
【化11】
【0081】更に、本発明の処理方法に用いられる発色
現像剤及び黒白現像剤には、必要に応じてメチルセロソ
ルブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、
β−シクロデキストリン、その他特公昭47-33378号、同
44-9509号に記載の化合物を、現像主薬の溶解度を上げ
るための有機溶剤として使用することができる。
【0082】更に、現像主薬と共に補助現像剤を使用す
ることもできる。これらの補助現像剤としては、例えば
N-メチル-p-アミノフェノールヘキサルフェート(メト
ール)、フェニドン、N,N-ジエチル-p-アミノフェノー
ル塩酸塩、N,N,N′,N′-テトラメチル-p-フェニレンジ
アミン塩酸塩等が知られており、その添加量としては通
常0.01〜1.0g/lが好ましい。
【0083】更に又、その他ステイン防止剤、スラッジ
防止剤、重層効果促進剤等、各種添加剤を用いることが
できる。
【0084】又、発色現像剤及び黒白現像剤には、特願
平2-240400号第69頁下から第9行〜74頁に記載の下記一
般式〔K〕で示されるキレート剤及びその例示化合物K
−1〜K−22が添加されることが、本発明の目的を効果
的に達成する観点から好ましい。
【0085】
【化12】
【0086】これらキレート剤の中でも、とりわけ、K
−2,K−9,K−12,K−13,K−17,K−19,が好
ましく用いられ、とりわけ特に、K−2及びK−9を発
色現像剤に添加する際に本発明の効果を良好に奏する。
【0087】これらキレート剤の添加量は発色現像剤及
び黒白現像剤1l当たり0.1〜20gの範囲が好ましく、よ
り好ましくは0.2〜8gの範囲である。
【0088】さらにまた発色現像剤及び黒白現像剤には
アニオン、カチオン、両性、ノニオンの各界面活性剤を
含有させることができる。
【0089】また、必要に応じてアルキルスルホン酸、
アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボ
ン酸等の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0090】本発明に係る処理剤が漂白剤又は漂白定着
剤の場合、好ましく用いられる漂白主剤は下記一般式
〔L〕、〔M〕、〔N〕、〔P〕で表される有機酸の第
2鉄錯塩である。
【0091】
【化13】
【0092】一般式〔L〕において、A1 〜A4 は各
々、同一でも異なってもよく、−CH2 OH、−COO
M又は−PO312 を表す。M、M1、M2は各々、
水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表
す。Xは炭素数3〜6の置換、未置換のアルキレン基を
表す。
【0093】A1 〜A4 が表す基は特願平1-260628号第
12頁第15行〜第15頁第3行記載のA1〜A4であるので詳
細な説明は省略する。
【0094】以下に、前記一般式〔L〕で示される化合
物の好ましい具体例を示す。
【0095】(L−1) 1,3-プロパンジアミン四酢酸 (L−2) 2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン四酢
酸 (L−3) 2,3-プロパンジアミン四酢酸 (L−4) 1,4-ブタンジアミン四酢酸 (L−5) 2-メチル-1,3-プロパンジアミン四酢酸 (L−6) N-(2-ヒドロキシエチル)-1,3−プロパンジ
アミン四酢酸 (L−7) 1,3-プロパンジアミンテトラキスメチレン
ホスホン酸 (L−8) 2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミンテト
ラキスメチレンホスホン酸 (L−9) 2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン四酢
酸 (L−10) 2,4-ブタンジアミン四酢酸 (L−11) 2,4-ペンタンジアミン四酢酸 (L−12) 2-メチル-2,4-ペンタンジアミン四酢酸 これら(L−1)〜(L−12)の化合物の第2鉄錯塩と
しては、これらの第2鉄錯塩のナトリウム塩、カリウム
塩又はアンモニウム塩を任意に用いることができる。本
発明の目的の効果及び溶解度の点から、これらの第2鉄
錯塩のアンモニウム塩が好ましく用いられる。
【0096】前記化合物例の中で、本発明において特に
好ましく用いられるものは、(L−1)、(L−3)、
(L−4)、(L−5)、(L−9)であり、とりわけ
特に好ましいのは(L−1)である。
【0097】次に一般式〔M〕で示される化合物につい
て詳述する。
【0098】
【化14】
【0099】A1〜A4は一般式〔L〕と同義であり、n
は1〜8の整数を表す。B1及びB2は同一でも異なって
いてもよく、それぞれ炭素数2〜5の置換、未置換のア
ルキレン基(例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、
ペンタメチレン等)を表す。置換基としては水酸基、炭
素数1〜3の低級アルキル基(メチル基、エチル基、プ
ロピル基)等が挙げられる。
【0100】以下に、前記一般式〔M〕で示される化合
物の好ましい具体例を示す。
【0101】
【化15】
【0102】これら(M′−1)〜(M′−7)の化合
物の第2鉄錯塩は、これらの化合物の第2鉄錯塩のナト
リウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用い
ることができる。
【0103】有機第2鉄錯塩の中でも一般式〔L〕又は
〔M〕で示される有機酸の第2鉄錯塩が本発明の効果を
奏する上で最も好ましく用いられ、特に(L−1)、
(L−3)、(L−4)、(L−5)、(L−9)、
(M−1)、(M−2)、(M−7)であり、とりわけ
特に好ましいのは(L−1)又は(M−1)である。
【0104】次に一般式〔N〕で表される化合物を示
す。
【0105】
【化16】
【0106】一般式〔N〕において、R1 は水素原子又
は水酸基を示し、nは1又は2であり、xは2又は3で
あり、yは0又は1であり、そしてxとyの和は常に3
である。
【0107】一般式〔N〕によって表される好ましい化
合物は(N−1)及び(N−2)である。
【0108】
【化17】
【0109】次に一般式〔P〕で表される化合物を示
す。
【0110】
【化18】
【0111】一般式〔P〕において、A1〜A4はそれぞ
れ同一であっても異なっていてもよく、−CH2OH、
−PO312又は−COOM3を表す。M1、M2及び
3は水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウ
ム、カリウム)又はその他のカチオン(例えばアンモニ
ウム、メチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム
等)を表す。Xは炭素数2〜6の置換若しくは未置換の
アルキレン基又は−(B1 O)n −B2−を表す。B1
びB2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ
炭素数1〜5の置換又は未置換のアルキレン基を表す。
【0112】Xで表されるアルキレン基としては、エチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられる。
又、B1又はB2で表されるアルキレン基としては、メチ
レン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。X、B
1 又はB2 が表すアルキレン基の置換基としては、ヒド
ロキシル基、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基等)等が挙げられる。nは1〜8の整数を
表し、好ましくは1〜4である。以下に一般式〔P〕で
示される化合物の好ましい具体例を挙げるが、これらに
限定されるものではない。
【0113】
【化19】
【0114】
【化20】
【0115】尚、漂白剤として前記一般式〔A〕で示さ
れる化合物の鉄錯塩以外に下記化合物の第2鉄錯塩等を
用いることができる。
【0116】〔A′−1〕エチレンジアミン四酢酸 〔A′−2〕トランス−1,2−シクロヘキサンジアミ
ン四酢酸 〔A′−3〕ジヒドロキシエチルグリシン酸 〔A′−4〕エチレンジアミンテトラキスメチレンホス
ホン酸 〔A′−5〕ニトリロトリスメチレンホスホン酸 〔A′−6〕ジエチレントリアミンペンタキスメチレン
ホスホン酸 〔A′−7〕ジエチレントリアミン五酢酸 〔A′−8〕エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェ
ニル酢酸 〔A′−9〕ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸 〔A′−10〕エチレンジアミンジプロピオン酸 〔A′−11〕エチレンジアミンニ酢酸 〔A′−12〕ヒドロキシエチルイミノニ酢酸 〔A′−13〕ニトリロトリプロピオン酸 〔A′−14〕トリエチレンテトラミン六酢酸 〔A′−15〕エチレンジアミンテトラプロピオン酸 前記有機酸第2鉄錯塩の添加量は漂白剤又は漂白定着剤
1l当り0.1モル〜2.0モルの範囲で含有することが好ま
しく、より好ましくは0.15〜1.5モル/lの範囲であ
る。
【0117】漂白剤、漂白定着剤及び定着剤には、特開
昭64-295258号明細書に記載のイミダゾール及びその誘
導体又は同明細書記載の一般式[I]〜[IX]で示さ
れる化合物及びこれらの例示化合物の少なくとも一種を
含有することにより迅速性に対して効果を奏しうる。
【0118】上記の促進剤の他、特開昭62-123459号明
細書の第51頁から第115頁に記載の例示化合物及び特開
昭63-17445号明細書の第22頁から第25頁に記載の例示化
合物、特開昭53-95630号、同53-28426号公報記載の化合
物等も同様に用いることができる。
【0119】漂白剤又は漂白定着剤には、上記以外に臭
化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムの如き
ハロゲン化物、各種の蛍光増白剤、消泡剤あるいは界面
活性剤を含有せしめることもできる。
【0120】本発明に係わる処理剤が定着剤又は漂白定
着剤の場合、用いられる定着主剤としては、チオシアン
酸塩、チオ硫酸塩が好ましく用いられる。チオシアン酸
塩の含有量は少なくとも0.1モル/l以上が好ましく、
カラーネガフィルムを処理する場合、より好ましくは0.
5モル/l以上であり、特に好ましくは1.0モル/l以上
である。またチオ硫酸塩の含有量は少なくとも0.2モル
/l以上が好ましく、カラーネガフィルムを処理する場
合、より好ましくは0.5モル/l以上である。また本発
明においては、チオシアン酸塩とチオ硫酸塩を併用する
ことにより更に効果的に本発明の目的を達成できる。
【0121】本発明に係わる定着剤又は漂白定着剤に
は、これら定着主剤の他に各種の塩から成るpH緩衝剤
を単独或いは2種以上含むことができる。さらにアルカ
リハライドまたはアンモニウムハライド、例えば臭化カ
リウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アンモ
ニウム等の再ハロゲン化剤を多量に含有させることが望
ましい。またアルキルアミン類、ポリエチレンオキサイ
ド類等の通常定着剤又は漂白定着剤に添加することが知
られている化合物を適宜添加することができる。定着剤
または漂白定着剤には、特開昭64-295258号明細書第56
頁に記載の下記一般式〔FA〕で示される化合物及びこ
の例示化合物を添加するのが好ましく、本発明の効果を
より良好に奏するばかりか、少量の感光材料を長期間に
わたって処理する際に定着能を有する処理液中に発生す
るスラッジも極めて少ないという別なる効果が得られ
る。
【0122】
【化21】
【0123】同明細書記載の一般式[FA]で示される
化合物は米国特許3,335,161号明細書及び米国特許3,26
0,718号明細書に記載されている如き一般的な方法で合
成できる。これら、前記一般式[FA]で示される化合
物はそれぞれ単独で用いてもよく、また2種以上組合せ
て用いてもよい。
【0124】また、これら一般式[FA]で示される化
合物の添加量は処理液1l当り0.1〜200gの範囲で好結
果が得られる。
【0125】本発明において安定剤には第2鉄イオンに
対するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤を
含有することが好ましい。ここにキレート安定度定数と
は、L.G.Sillen・A.E.Martell
著、”Stability Constants of
Metalion Complexes”,TheC
hemical Society,London(19
64)。S.Chaberek・A.E.Martel
l著、”Organic Sequestering
Agents”,Wiley(1959)等により一般
に知られた定数を意味する。
【0126】第2鉄イオンに対するキレート安定度定数
が8以上であるキレート剤としては特願平2-234776号、
同1-324507号等に記載のものが挙げられる。これらキレ
ート剤の使用量は安定剤1l当り0.01〜50gが好まし
く、より好ましくは0.05〜20gの範囲で良好な結果が得
られる。
【0127】また安定剤に添加する好ましい化合物とし
ては、アンモニウム化合物が挙げられる。これらは各種
の無機化合物のアンモニウム塩によって供給される。ア
ンモニウム化合物の添加量は安定剤1l当り0.001モル
〜2.0モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.002〜1.
0モルの範囲である。
【0128】さらに安定剤には亜硫酸塩を含有させるこ
とが好ましい。
【0129】さらにまた安定剤には前記キレート剤と併
用して金属塩を含有することが好ましい。かかる金属塩
としては、Ba,Ca,Ce,Co,In,La,M
n,Ni,Bi,Pb,Sn,Zn,Ti,Zr,M
g,Al又はSrの金属塩があり、ハロゲン化物、水酸
化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の無機塩又
は水溶性キレート剤として供給できる。使用量としては
安定剤1l当り1×10-4〜1×10-1モルの範囲が好まし
く、より好ましくは4×10-4〜2×10-2モルの範囲であ
る。
【0130】また安定剤には、有機酸塩(クエン酸、酢
酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸等)、pH調整剤
(リン酸塩、ホウ酸塩、塩酸塩、硫酸塩等)等を添加す
ることができる。なお本発明においては公知の防黴剤を
本発明の効果を損なわない範囲で単用又は併用すること
ができる。
【0131】次に本発明の処理剤が適用される感光材料
について説明する。
【0132】感光材料が撮影用感光材料の場合、ハロゲ
ン化銀粒子としては、平均沃化銀含有率が3モル%以上
の沃臭化銀または沃塩化銀が用いられるが、特には4モ
ル%から15モル%までの沃化銀を含む沃臭化銀が好ま
しい。中でも本発明に好ましい平均沃化銀含有率は5モ
ル%から12モル%、最も好ましくは8モル%から11
モル%である。
【0133】本発明の写真処理剤で処理される感光材料
に用いられるハロゲン化銀乳剤は、リサーチ・ディスク
ロジャ308119(以下RD308119と略す)に
記載されているものを用いることができる。以下に記載
箇所を示す。
【0134】 [項目] [RD308119の頁] ヨード組織 993 I−A項 製造方法 993I−A項及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 〃 エピタキシャル 〃 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 〃 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 〃 置換 〃 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 〃 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 〃 適用感材 ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 〃 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学熟成及び分光増感
を行ったものを使用する。このような工程で使用される
添加剤は、リサーチ・ディスクロジャNo.1764
3,No.18716及びNo.308119(それぞ
れ、以下RD17643、RD18716及びRD30
8119と略す)に記載されている。
【0135】下表に記載箇所を示す。
【0136】 [項目] [RD308119の頁] [RD 17643] [RD 18716] 化学増感剤 996 III-A 項 23 648 分光増感剤 996 IV-A-A,B,C,D,E,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV-A-E,J項 23〜24 648〜9 かぶり防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 写真用添加剤も上記リサーチ・ディスクロジャに記載さ
れている。下表に関連のある記載箇所を示す。
【0137】 [項目] [RD308119の頁] [RD 17643] [RD 18716] 色濁り防止剤 1002 VII-I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII-J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIII C,XIII C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルタ染料 1003 VIII 25〜26 バインダ 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 X VI 現像剤(感光材料中に含有)1011 XX-B 項 本発明の写真処理剤で処理される感光材料には種々のカ
プラーを使用することができ、その具体例は、上記リサ
ーチ・ディスクロジャに記載されている。下表に関連あ
る記載箇所を示す。
【0138】 [項目] [RD308119の頁] [RD 17643][RD 18716] イエローカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G 項 マゼンタカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G 項 シアンカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G 項 DIRカプラー 1001 VII-F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII-F項 その他の有用残基放出カプラー 1001 VII-F項 アルカリ可溶カプラー 1001 VII-E項 添加剤は、RD308119 XIVに記載されている
分散法などにより、添加することができる。
【0139】本発明においては、前述RD17643第
28頁、RD18716第647〜第648頁及びRD3081
19のXIXに記載されている支持体を使用することが
できる。
【0140】感光材料には、前述RD308119 V
II−K項に記載されているフィルタ層や中間層等の補
助層を設けることができる。また感光材料は、前述RD
308119 VII−K項に記載されている順層、逆
層、ユニット構成等の様々な層構成をとることができ
る。
【0141】次に本発明の写真処理剤を適用されるのに
好ましいカラープリント用感光材料について説明する。
【0142】感光材料中のハロゲン化銀粒子としては塩
化銀を少なくとも80モル%以上含有する塩化銀主体のハ
ロゲン化銀粒子が用いられ、好ましくは90モル%以上、
特により好ましくは95モル%以上含有するもの、最も好
ましくは99モル%以上含有するものが用いられる。
【0143】上記塩化銀主体のハロゲン化銀乳剤は、塩
化銀の他にハロゲン化銀組成として臭化銀及び/又は沃
化銀を含むことができ、この場合、臭化銀は20モル%以
下が好ましく、より好ましくは10モル%以下、さらに好
ましくは3モル%以下であり、又沃化銀が存在するとき
は1モル%以下が好ましく、より好ましくは 0.5モル
%以下、最も好ましくはゼロである。このような塩化銀
50モル%以上からなる塩化銀主体のハロゲン化銀粒子
は、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層に適用されれ
ばよいが、好ましくは全ての感光性ハロゲン化銀乳剤層
に適用されることである。
【0144】前記ハロゲン化銀粒子の結晶は、正常晶で
も双晶でもその他でもよく、[1.0.0]面と[1.
1.1]面の比率は任意のものが使用できる。更に、こ
れらのハロゲン化銀粒子の結晶構造は、内部から外部ま
で均一なものであっても、内部と外部が異質の層(相)
状構造(コア・シエル型)をしたものであってもよい。
また、これらのハロゲン化銀は潜像を主として表面に形
成する型のものでも、粒子内部に形成する型のものでも
よい。さらに平板状ハロゲン化銀粒子(特開昭58−1139
34号、特願昭59-170070号参照)を用いることもでき
る。また特開昭64-26837号、同64-26838号、同64-77047
号等に記載のハロゲン化銀を使用できる。
【0145】さらに前記ハロゲン化銀粒子は、酸性法、
中性法またはアンモニア法等のいずれの調製法により得
られたものでもよい。
【0146】また例えば種粒子を酸性法でつくり、更
に、成長速度の速いアンモニア法により成長させ、所定
の大きさまで成長させる方法でもよい。ハロゲン化銀粒
子を成長させる場合に反応釜内のpH、pAg等をコン
トロールし、例えば特開昭54-48521号に記載されてい
るようなハロゲン化銀粒子の成長速度に見合った量の銀
イオンとハライドイオンを逐次同時に注入混合すること
が好ましい。
【0147】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳説する
が本発明はこれらの実施例によって限定されるものでは
ない。
【0148】実施例1 まず、以下の操作に従いカラーネガフィルム用の発色現
像補充用錠剤を作成した。
【0149】1)カラーネガ用発色現像補充用錠剤 操作(1) 現像主薬のCD−4〔4-アミノ-3-メチル-N-エチル-β-
(ヒドロキシ)エチルアニリン硫酸塩〕130gを空気ジェッ
ト微粉砕機中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。こ
の微粉末を市販の流動層噴霧造粒機中で室温にて約7分
間、5.0mlの水を噴霧することにより造粒した後、造粒
物を63℃で8分間乾燥する。次に造粒物を真空中で40℃
にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。
【0150】操作(2) 硫酸ヒドロキシルアミン64gを操作(1)と同様に、粉
砕、造粒する。水の噴霧量は2.6mlとし、造粒後、60℃
で7分間乾燥する。次に造粒物を真空中で40℃にて2時
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0151】操作(3) 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸ジナトリウム60
g、亜硫酸ナトリウム80g、炭酸カリウム700g、炭酸水素
ナトリウム60g、臭化ナトリウム8g、ジエチレントリア
ミン5酢酸60gを(1)と同様に粉砕した後、市販の混
合機で均一に混合する。次に(1)と同様にして、水の
噴霧量を200mlにして造粒を行う。造粒後、造粒物を70
℃で15分間乾燥し、次に造粒物を真空中で40℃にて2時
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0152】操作(4) 上記操作(1)〜(3)で調製した造粒物を25℃、40%
RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一
に混合する。次に表1〜表2記載の化合物を10g加え、
さらに5分間混合する。次にこの混合物を菊水製作所製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機に
より1錠当たりの充填量を5.8gにして圧縮打錠を行い、
カラーネガ用発色現像補充用錠剤を作成した。
【0153】操作(5) (1)〜(4)の操作で作成した発色現像錠剤をフロイ
ント産業(株)製のハイコーターHCT−48型を用い
て、前記錠剤に表1〜表2に示した水溶性ポリマーを錠
剤に対する被覆率として3wt%コーティングさせた。
【0154】前記操作で得られた錠剤試料を硬度測定器
(岡田精工社製TS−50N)を用いて測定し、その値
を錠剤試料の硬度(強度)とした。
【0155】結果を表1〜表2に示す。
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
【0158】尚、表1〜表2及び以下の表中、PEGは
ポリエチレングリコールである。
【0159】EX−1 ポリビニルアルコール(平均分
子量20000ケン化度98.5%)
【0160】
【化22】
【0161】表1〜表2から明らかなように、本発明の
水溶性滑沢剤と水溶性ポリマーを組み合わせることによ
り、滑沢性が改良されることはもちろん錠剤の強度が顕
著に高くなる。
【0162】実施例2 滑沢剤及び水溶性ポリマーを表3のように変化させた以
外は実施例1と同様の方法で作製した錠剤試料をポリエ
チレン袋(以下「包材」という)に入れ密閉包装して保
存テストを行った。
【0163】保存テスト条件はオートクレープ中50℃,
85%RHで酸素ガスで2.0kg/cm2で加圧し2.0ケ月保存し
た。
【0164】保存終了後、包材をカッターにて切り、処
理剤に水を満たしたケミカルミキサー中に添加し溶解
し、発色現像液を作製し現像主薬CD−4の残存率を測
定した。この発色現像液を用い、発色現像液以外はコニ
カ(株)製のプロセスCNK−4−52を用い、ウェッジ
露光を行ったコニカ(株)製カラーフィルムSupperDD−
100をプロセスCNK−4−52にもとずき処理し
た。
【0165】上記処理後、処理されたカラーフィルムの
イエロー最大透過濃度のDmax(Y)測定を行った。
【0166】以上の結果を表3に示す。
【0167】
【表3】
【0168】表3から明らかなように、水溶性ポリマー
によりコーティングされた錠剤試料の主薬残存率は高い
が、処理性は十分ではなく、本発明の水溶性滑沢剤と水
溶性ポリマーとの組み合わせにより、処理性に対しても
効果があることがわかる。
【0169】又、水溶性滑沢剤についてはDL−ロイシ
ン、安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコールが好
ましい結果を示すこともわかる。
【0170】実施例3 まず、以下の操作に従いカラーネガフィルム用の現像液
補充用錠剤を作成した。
【0171】1)カラーネガ用発色現像補充用錠剤 操作(1) 現像主薬のCD−4〔4-アミノ-3-メチル-N-エチル-β-
(ヒドロキシ)エチルアニリン硫酸塩〕130gを空気ジェッ
ト微粉砕機中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。こ
の微粉末を市販の流動層噴霧造粒機中で室温にて約7分
間、5.0mlの水を噴霧することにより造粒した後、造粒
物を63℃で8分間乾燥する。次に造粒物を真空中で40℃
にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。
【0172】操作(2) 硫酸ヒドロキシルアミン64gを操作(1)と同様に、粉
砕、造粒する。水の噴霧量は2.6mlとし、造粒後、60℃
で7分間乾燥する。次に造粒物を真空中で40℃にて2時
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0173】操作(3) 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸ジナトリウム60
g、亜硫酸ナトリウム80g、炭酸カリウム700g、炭酸水素
ナトリウム60g、臭化ナトリウム8g、ジエチレントリア
ミン5酢酸60gを(1)と同様に粉砕した後、市販の混
合機で均一に混合する。次に(1)と同様にして、水の
噴霧量を200mlにして造粒を行う。造粒後、造粒物を70
℃で15分間乾燥し、次に造粒物を真空中で40℃にて2時
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0174】操作(4) 上記操作(1)〜(3)で調製した造粒物を25℃、40%
RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一
に混合する。次に表4記載の化合物を10g加え、さらに
5分間混合する。次にこの混合物を菊水製作所製タフプ
レストコレクト1527HUを改造した打錠機により1
錠当たりの充填量を5.8gにして圧縮打錠を行い、カラー
ネガ用発色現像補充用錠剤を作成した。
【0175】操作(5) (1)〜(4)の操作で作成した発色現像錠剤をフロイ
ント産業(株)製のハイコーターHCT−48型を用い
て、前記錠剤に、表4に示した水溶性ポリマーを錠剤に
対する被覆率として3wt%コーティングさせた。
【0176】2)カラーネガ用漂白補充用錠剤 操作(6) 1,3-プロパンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム1水塩
175g、コハク酸60g、マレイン酸73g、1,3-プロパンジア
ミン4酢酸2gを操作(1)と同様に粉砕、造粒する。
水の噴霧量は5.0mlとし、造粒後、60℃で7分間乾燥す
る。次に造粒物を真空中で40℃にて2時間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。
【0177】操作(7) 硫酸カリウム80g、臭化アンモニウム200g、炭酸カリウ
ム60gを操作(1)と同様に粉砕、造粒する。水の噴霧
量は1.0mlとし、造粒後、70℃で3分間乾燥する。次に
造粒物を真空中で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。
【0178】操作(8) 上記操作(6)、(7)で調製した造粒物を25℃、40%
RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一
に混合する。次に混合物を菊水製作所製タフプレストコ
レクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり
の充填量を6.5gにして圧縮打錠を行い、80個のカラーネ
ガ用漂白補充用錠剤を作成した。
【0179】3)カラーネガ用定着補充用錠剤 操作(9) チオ硫酸アンモニウム2500g、亜硫酸ナトリウム150g、
炭酸カリウム150g、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウ
ム塩20gを操作(1)と同様に、粉砕、造粒する。水の
噴霧量は30mlとし、造粒後、60℃で60分間乾燥する。次
に造粒物を真空中で40℃にて8時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。
【0180】操作(10) 上記操作(9)で調製した造粒物を25℃、40%RH以下
に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合す
る。次に混合物を菊水製作所製タフプレストコレクト1
527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量
を9.3gにて圧縮打錠を行い、200個のカラーネガ用定着
補充用錠剤を作成した。
【0181】4)カラーネガ用安定補充用錠剤 操作(11) m-ヒドロキシベンズアルデヒド200g、エマルゲン985;1
0g、炭酸カリウム45gを操作(1)と同様に、粉砕、造
粒する。水の噴霧量は3.0mlとし、造粒後、造粒物を真
空中で30℃にて8時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全
に除去する。
【0182】操作(12) 上記操作(11)で調製した造粒物を25℃、40%RH以下
に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合す
る。次にこの混合物を菊水製作所製タフプレストコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充
填量を0.2gにして圧縮打錠を行い、1060個のカラーネガ
用定着補充用錠剤を作成した。
【0183】次に自現機を使用した本発明の処理方法に
付いて説明する。コニカカラーネガフィルムプロセッサ
ーCL−KP−50QAに錠剤供給機能、液面検出機
能、温水供給機能等を改造によって配備したものを本発
明の錠剤用自現機として用いる。
【0184】図1は本発明に係る自動現像機の一例を示
す概略説明図であり、カラーネガティブフィルムの処理
装置の制御機構を簡単に表わしたものである。
【0185】カラーネガティブフィルムが感光材料挿入
部13より搬入され、感光材料面積検出センサー7を通過
し、一定量の面積が検出されると、補充処理剤補給装置
8と補充水補給装置10及び電磁弁12が制御部11の信号を
受けて作動し、補充処理剤と調液用補充水が各処理槽
1、2、3、5にそれぞれ必要量補給される。
【0186】又、自現機を数時間温調しておくと、各処
理槽1〜5内の処理液17の蒸発が起こり、一定液面以下
になると、液面検出センサー9が働き、制御部11の信号
を受けて補充水補給装置10及び電磁弁12を作動させ、液
面検出センサー9の上限検出機構が働く迄、蒸発補正用
補充水が補給される。尚、補充水補給管15によって供給
される補充水である水洗温水14は調液用補充水及び蒸発
補正用補充水共に温調されていることが好ましい。尚ま
た、各処理槽1〜5は、1は発色現像槽、2は漂白槽、
3は定着槽、4は水洗槽、5は安定槽を夫々表す。さら
に6は乾燥部である。
【0187】図2に、補充処理剤として錠剤状に固形化
されたものを用いた場合の補充処理剤補給装置8の一例
を概略説明図として示す。
【0188】感光材料面積検出センサー7の信号を受け
て、制御部11が働き固形補充処理剤補給カム22が作動す
ると、固形補充処理剤押し爪23がカートリッジ25に収納
された固形状の補充処理剤24を各処理槽1、2、3、5
の補充処理剤溶解部であるサブタンク20内の濾過装置21
の内部に1個ないし数個補給する。補給された固形状の
補充処理剤24は徐々に溶解し、循環ポンプ18により各処
理槽1、2、3、5のメイン処理タンク16中に供給され
る。尚、循環ポンプ18によりメイン処理タンク16とサブ
タンク20とを循環する処理液17の循環流の全部又は大部
分をサブタンク20内の濾過装置21を直接通過するように
構成すれば、補充処理剤24の溶解性がより高まることと
なる。図において、19は温調ヒーター、26はカートリッ
ジ25内の補充処理剤24を押圧保持するための押しバネ、
27は各処理槽1、2、3、5のメイン処理タンク16とサ
ブタンク20とを連絡する連通管、28は処理ラック、29は
オーバーフロー口である。
【0189】図3は補充水補給部の一例を示す概略説明
図である。図3においても図2同様、補充処理剤24は、
錠剤状に固形化されたものを用いている。
【0190】感光材料面積検出センサー7の信号を受け
て、制御部11が働き、固形補充処理剤補給カム22及び固
形補充処理剤押し爪23が作動し、固形状の補充処理剤24
を補給すると同時に補充水補給装置10と電磁弁12が作動
し、調液用補充水が補給される。調液用補充水の補給量
は、補充処理剤24を溶解するに必要量以上で制御部11に
あらかじめ電磁弁12と補充水補給装置10の作動時間をイ
ンプットしておくことで解決できる。
【0191】次に、本発明の錠剤を用いる自現機での標
準処理条件を以下に示す。
【0192】 処理工程 温度 時間 発色現像 38±0.3℃ 3分15秒 漂 白 38±1.0℃ 45秒 定着−1 38±1.0℃ 45秒 定着−2 38±1.0℃ 45秒 安定−1 38±3.0℃ 20秒 安定−2 38±3.0℃ 20秒 安定−3 38±3.0℃ 20秒 乾 燥 60℃ 60秒 安定剤は3槽目に補充され、順次2槽、1槽にオーバー
フロー液が流れ込むカスケード方式となっている。
【0193】自現機処理液の準備は下記の方法にて行っ
た。
【0194】発色現像タンク液(21.0l) 自現機発色現像タンクに35℃の温水15lを入れ、前記カ
ラーネガフィルム用発色現像補充用錠剤を399個投入、
溶解した。次にスターター成分として別に錠剤化してお
いた下記処方のスターターを21個投入、溶解後タンク漂
線まで温水を加えタンク液を完成した。
【0195】 カラーネガ用発色現像スターター 臭化ナトリウム 0.8g 沃化ナトリウム 2.0mg 炭酸水素ナトリウム 3.0g 炭酸カリウム 0.5g 漂白液(5.0l) 自現機漂白タンクに35℃の温水3.0lを入れ、前述の作
成したカラーネガフィルム用漂白補充用錠剤を350個投
入、溶解し。次にスターター成分として別に錠剤化して
おいた下記処方のスターターを10個投入、溶解後タンク
漂線まで温水を加えタンク液を完成した。
【0196】 カラーネガ用漂白スターター 臭化カリウム 1.0g 炭酸水素ナトリウム 1.5g 炭酸カリウム 3.5g 定着液(1槽目4.5l、2槽目4.5l) 自現機定着タンク1槽目、2槽目に35℃の温水を各々3.
0l入れ、前述の作成したカラーネガフィルム用定着補
充用錠剤を112個ずつ投入、溶解した。次にタンク漂線
まで温水を加えタンク液を完成した。
【0197】安定液(1〜3槽目各々3.2l) 自現機安定タンク1槽目、2槽目、3槽目に35℃の温水
を各々3.0l入れ、前述の作成したカラーネガフィルム
用安定補充用錠剤を40個ずつ投入、溶解した。次にタン
ク漂線まで温水を加えタンク液を完成した。
【0198】次に自現機温調中に前記各補充用錠剤を自
現機に付与した補充用錠剤供給装置に各々20個セットし
た。この補充用錠剤は135サイズ24枚撮りフィルムが2
本処理されると1個ずつ投入され、同時に温水供給装置
から補充温水が発色現像槽には40ml、漂白槽には10ml、
定着槽には40ml、安定槽に80ml供給されるようにセット
した。
【0199】前記処理剤と自現機を用いて、ウェッジ露
光を行なったコニカ(株)製カラーネガフィルムSuperD
D100試料のランニング実験を行なった。
【0200】ランニング実験としては、発色現像用の合
計補水量が発色現像処理タンク容量の5倍になるまで行
ない、1日当り、24EXカラーフィルム10本分に相当す
る低処理量ランニングテストを行った。
【0201】上記ランニング終了後、自現機、処理タン
ク部の汚れについて目視による評価を行った。さらにラ
ンニング終了時までに発生したカラーフィルムの搬送ト
ラブルの状況を記録し評価を行った。各々の評価の基準
を下記に示す。
【0202】処理タンク汚れ 少量の析出物の発生:○ 多量の析出物の発生:△ 多量の析出物が発生し、カラーフィルムに付着:× 搬送トラブル 発生しない:○ 1〜2回発生:△ 3〜5回発生:× 6回以上発生:×× 以上の結果を表4に示す。
【0203】
【表4】
【0204】表4から明らかなように、本発明の水溶性
滑沢剤と水溶性ポリマーの組み合わせにより、処理タン
ク槽内の汚れが改良され、搬送トラブルも極力おさえる
ことが可能であることがわかる。又、本実験による搬送
トラブルの大部分が処理槽ラックとカラーフィルムのス
ベリに起因していたことがわかった。
【0205】実施例4 漂白定着液、定着液、安定液用の各錠剤に各々、発色現
像液用錠剤同様に滑沢剤及び水溶性ポリマーによるコー
ティングを行った以外は実施例3と同様の実験を各々の
処理錠剤について行った結果、実施例3とほぼ同様の効
果が得られた。
【0206】
【発明の効果】本発明によれば、滑沢性に優れるだけで
なく、強度も高い錠剤形処理剤が得られ、しかも保存安
定性に優れ、ハロゲン化銀写真感光材料の処理において
も、自動現像機のローラ部の汚れや搬送トラブルの生じ
にくいハロゲン化銀写真感光材料用錠剤形処理剤、及び
錠剤形処理剤を用いたハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動現像機の一例を示す概略説明
図である。
【図2】図1の補充処理剤補給装置8の一例を示す概略
説明図である。
【図3】図1の補充水補給装置10の一例を示す概略説明
図である。
【符号の説明】
1 発色現像槽 2 漂白槽 3 定着槽 4 水洗槽 5 安定槽 8 補充処理剤補給装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の水溶性滑沢剤を含有す
    る処理剤を錠剤化し、かつ前記錠剤が少なくとも下記一
    般式(1)で表される化合物を構成成分とする水溶性ポ
    リマーで被覆されていることを特徴とする錠剤状ハロゲ
    ン化銀写真感光材料用処理剤。 【化1】 〔式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
    を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
    を表す。〕
  2. 【請求項2】 水溶性滑沢剤が、ホウ酸、DL−ロイシ
    ン、脂肪酸アルカリ金属塩、ラウリル硫酸アルカリ金属
    塩、安息香酸アルカリ金属塩、アジピン酸、フマル酸、
    硫酸ナトリウム及びポリエチレングリコールから選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載
    の処理剤。
  3. 【請求項3】 水溶性滑沢剤がDL−ロイシン、安息香
    酸アルカリ金属塩及びポリエチレングリコールから選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記
    載の処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の処理剤を用いることを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1988001751A1 (en) * 1986-08-28 1988-03-10 Shimadzu Corporation Amplification degree stabilizer for photomultiplier tubes

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WO1988001751A1 (en) * 1986-08-28 1988-03-10 Shimadzu Corporation Amplification degree stabilizer for photomultiplier tubes

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