JP3038282B2 - スロットル弁開閉装置 - Google Patents
スロットル弁開閉装置Info
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Description
の内燃機関のスロットル弁開閉装置に係り、特に自動車
用のエンジンに好適なスロットル弁開閉装置に関する。
ルからワイヤによりスロットル弁を開閉操作するように
なっているのが通例であり、且つ、このとき、アクセル
ペダルを離したとき、及びワイヤによる接続が万一外れ
たりしたときには、確実にスロットル弁が閉じられるよ
うにした、いわゆるフェィルセーフ機能付与の見地か
ら、スロットル弁軸に戻しスプリング(リターンスプリ
ング)を設けておき、アクセルペダルを踏み込むことに
より、この戻しスプリングによる弾性力に反してスロッ
トル弁が開く方向に回動させられるように構成してある
のが一般的である。
の独立した戻しスプリングを設けておき、たとえ一方の
スプリングが切損したとしても、スロットル弁をアイド
ル位置に戻し、そこに確実に保持できるようにしてある
のが一般的である。
個設けると、その分、余分なスペースを要し、大型化し
てしまう虞れがある。そこで、このような2個の戻しス
プリングを用いた場合でも、コンパクトに構成できるよ
うにするため、例えば特公昭61−54938号公報や
特開昭59−46346号公報では、巻き径の異なる2
個の捩りスプリング(コイルスプリング、ヘリカルスプ
リング)を弁軸上に同心円状に設けた装置について開示
しており、特開昭64−87838号公報では、同じ巻
径で同じ巻数の2個のスプリングを、それぞれのスプリ
ングワイヤが隣り合うようにして組合せた、いわゆる二
列巻スプリングからなる2個の捩りスプリングを弁軸上
に設けた装置について開示している。
スプリングによりスロットル弁の軸に与えられる戻しト
ルクにヒステリシス(反力)が残っている点について充分
な配慮がされているとはいえず、弁軸に現われているト
ルクにばらつきを生じてしまうという問題があった。
公報及び特開昭59−46346号公報に記載技術で
は、2個のスプリングが夫々大径と小径の捩りスプリン
グで構成されており、弁軸にはこれらのスプリングの設
置位置を決めるための円筒形のスリーブ、或いは大径と
小径のスプリングを区別するための部品が特別に設けら
れている。そして、この結果、スロットル弁を開く方向
に動かしたとき、上記区別するための部品が捩りスプリ
ングに接触し、この接触の結果、ヒステリシスが発生
し、スプリングのトルクにばらつきが生じてしまうので
ある。
は、捩りスプリングを保持する第1のスリーブが、スロ
ットルボディの軸受部に形成してあるボスの上に設けて
いる。ここで、スロットルボディは、一般的にはアルミ
ダイカストで作られており、このため、第1のスリーブ
とスロットルボディの間での摩擦抵抗が大きくなってい
る。また、スロットル弁を開いてゆくと捩りスプリング
はねじられるが、このとき内径が縮む。特に捩りスプリ
ングのコイル外径が小さいときには、このねじりによる
内径変化は更に大きくなる。
き、捩りスプリングは第1のスリーブの外径部で滑る
が、このとき第1スリーブにも力が伝えられてしまい、
さらにこの力は第1スリーブとダイカストボディの間に
も伝わる。そして、捩りスプリングが動くと、これに従
って第1スリーブも動こうとするが、ダイカストボディ
と第1スリーブの間は摩擦抵抗が高いため、第1スリー
ブの回動に大きな摩擦力が働き、この摩擦力によりヒス
テリシスが発生し、トルクがばらついてしまうのであ
る。
りスプリングによるヒステリシスの外、以下に説明する
原因によるヒステリシスも発生する。すなわち、スロッ
トル弁が開く方向に回動されると捩りスプリングが巻か
れ、その内径が縮むが、このとき、その両端部では特に
著しく内径が絞られる。一方、従来技術では、スリーブ
を用い、この外周に捩りスプリングが設けてあり、この
結果、スロットル弁が開く方向に回動されると、捩りス
プリングがスリーブをきつく締め付けてしまう。これは
捩りスプリングの両端が固定されているため、スロット
ル弁が開き方向に回動すると、捩りスプリングには互に
捩り力は反対方向に作用することから、コイル内径部が
小さくなることに起因する。
ルクにヒステリシスが無く、滑らかなトルク状態での開
閉操作が得られるようにしたスロットル弁開閉装置を提
供することにある。
がスプリングのワイヤ線径の2倍以上になるようにスペ
ース巻きされ、且つ同じ巻径と同じ巻数で同じワイヤ線
径を有する2個の捩りスプリングをそれぞれのスプリン
グワイヤが隣り合うようにして組合せた、いわゆる二列
巻きスプリングをスロットル弁軸上に設けて戻しスプリ
ングとしたスロットル弁開閉装置において、つば部と円
筒部を有する略同じ形状の第1と第2の2個のカラー部
材を、それぞれのつば部が外側になるようにして、上記
スロットル弁軸に直接回動自在に設け、上記第1のカラ
ー部材を上記二列巻きスプリングの一方の端部に位置さ
せ、上記第2のカラー部材を上記二列巻きスプリングの
他方の端部に位置させることにより、上記二列巻きスプ
リングが上記スロットル弁軸上で位置決めされるように
して達成される。
接保持させることにより、戻しスプリングを二列巻きス
プリングで構成したことと相俟って、戻しスプリングに
接触する部品をカラーだけに限定することができ、戻し
スプリングのトルクにヒステリシスが現われる虞れを無
くすことができる。すなわち、戻しスプリングのトルク
にヒステリシスが現われないようにするためには機構を
シンプルにし、戻しスプリングが捩られたとき、他の部
品と接触させないようにすれば良いからである。
ついて、図示の実施例により詳細に説明する。まず、本
発明の実施例における、ヒステリシスが発生しないよう
にするための考え方について説明すると、このために
は、戻しスプリングの自由な動きを止める(制止する)部
分を極力取り除く必要がある。
ける部品はカラーだけにし、できるだけ部品数を減し、
かつスロットル弁を開閉したとき、戻しスプリングが他
の部品と接触しない様にすることである。また、万一接
触したときでも、低摩擦抵抗物質設けることにより摩擦
抵抗を減らすようにする。
巻きスプリングにするときには、各スプリングのワイヤ
間での接触をさけるため、巻きピッチがスプリングワイ
ヤ線径の2倍以上になるようにスペース巻き(以下、こ
れを倍ピッチによるスペース巻きという)するのである
が、幾ら倍ピッチによるスペース巻きにしたとしても、
スロットルボディ取付時には捩じって組込まれるため、
つまり、戻しスプリングの両端を規程位置だけねじり、
固定していることから、スロットルボディに組込むと、
部分的には接触してしまうのが避けられない。
スムースに動くように、スプリングに低摩擦係数のフッ
素系樹脂をコーティングするのである。加えて、弁軸に
クロムメッキ又はフッ素系合成樹脂をコーティングし、
カラーをナイロン系の合成樹脂材で作成することによ
り、さらに捩りスプリングの動きは円滑になる。
ると、戻しスプリングによる捩りトルクが弁軸に現われ
るが、このとき、上記したように、戻しスプリングの両
端部には、弁軸のスラスト方向にも捩りトルクが発生
し、このトルクはカラーのガイド部のつばに加わる。従
って、このつばの直径方向の寸法が不足していると、ス
プリングの端部のコイルがカラーからはみ出し、ボディ
本体に接触して、スプリングが自由に動くのを阻止して
しまう。そこで、これを防ぐため、カラーのつばとし
て、捩りスプリングの線径の2倍以上の直径方向の寸法
を有するものを設けるようにしてやれば、外にはみ出す
虞れを無くすことができる。
の巻径で同一の線径の捩じりスプリングを倍ピッチ巻き
して組合せているが、弁軸の戻しトルクを変える必要が
あるときなどでは、2個のスプリングの線径を変えて組
込むことも可能である。このときには、コイルの内径を
ほぼ同径にし、それをカラーの外径に近い寸法に合せる
ようにすれば、スロットル弁を開閉するとき、捩りスプ
リングのねじれ方がほぼ同等になると共に、2個の捩り
スプリングの乗り上げを抑え、線間での接触をも抑える
ことができる。
方向の厚みが大になると、捩りスプリングとの接触部分
が多くなり、この結果、スプリングのカラーに当ってい
る部分はカラーと一緒に動くため、スロットル弁を開く
ときにコイル内径部の接触しているところに力が加わ
り、ヒステリシスの原因になってしまう。
両端のカラーで受ける部分は少なくした方が影響は少な
く、可能であればコイル1巻分にしてもよいのである
が、そうすると、取付時に捩りスプリングが傾いてしま
う虞れが増すことから、捩りスプリングの端部のカラー
上に位置してしまうコイル部の巻き数は、3巻以下にす
るのが望ましい。
るために、スリーブの外形と捩りスプリングの内径との
距離は、可能な限り小さくなるようにしていた。しかし
て、この結果、スプリングのコイル間から、砂や小石な
どの異物がスリーブとスプリングの間に入り込む虞れを
生じ、これは、スロットル弁が作動中は取り除くことが
できない。この結果、砂や小石などの異物が噛み込んで
しまい、スロットル弁軸のスティック(固着)の原因にな
る。これはスリーブや弁軸とスプリングの間隔が少ない
ことに起因しているのであるから、小石や砂が入って
も、スティック等を起こさない空間を設けることが必要
である。
んでくる例えば小石などでは、直径3mm以下のものが大
半であり、従って、上記した間隙が3mm以上になるよう
にしておけば、小石などの異物が入り込んだとしても、
確実に中で遊んだ状態にすることができる。そこで、こ
のことから、弁軸の直径(一般的にはφ8〜φ10)分の
空間を、スプリングとの間に設けてやれば、完全にステ
ィック現象を無くすことができる。
ィ間に低摩擦係数を持つワッシャーを設けてもよく、こ
の結果、ワッシャー端面によりカラーの動きが円滑にな
り、捩りスプリングによる弁軸スラスト方向のトルク変
動を更に減少させることができる。
置の一実施例について、図1により説明する。図1にお
いて、1はスロットルボディ本体で、これにボールベア
リング5を埋設し、その側面をベアリング押えリング6
で固定する。そして、このボールベアリング5の内径部
にスロットル弁軸3を挿入し、このスロットル弁軸3に
弁止めねじ14でスロットル弁2を固定する。
プリング9が保持され、さらに弁軸3の端部には、スロ
ットルレバー4とアクセルワイヤー(図示せず)が連結さ
れるアクセルドラム11が、スプリングワッシャー12
とナット10で締付け固定されている。
スプリング9の位置決め用の部材として2個のカラー
7、8が直接設けてあるが、これらのカラー7、8は独
立しているので、スロットル弁軸3上でほとんど摩擦抵
抗を受けることなく回動できるようになっている。そし
て、それらのスロットル弁軸3の軸方向での厚さ(長さ)
は、戻しスプリング9の巻回部分が3巻き分乗るような
寸法に作られている。
に、2個の捩りスプリングを組合せた二列巻きスプリン
グで構成されており、スロットル弁軸3に挿入された上
で、図2に示すように、スロットルボディ本体1に設け
てある突起部13に一方のスプリングフック部9aが係
合され、スロットルレバー4に設けた突起部4aに他方
のスプリングフック部9bが係合されることにより保持
される。そして、その両端のコイル部分は、3巻き分だ
け、図2に示すように、カラー7、8の円筒部分に緩や
かに嵌合され、スロットル弁軸3を中心とする位置が規
定されるようになっている。
イヤーで引かれてスロットル弁軸3が回動させられる
と、これに固定されているスロットルレバー4も一緒に
回動されるので、戻しスプリング9はねじられ、戻しト
ルクが発生する。このとき、図2に示すように、戻しス
プリング9の内径部9cは、カラー7、8の円筒部分に
必らず接してしまう。これは戻しスプリング9をスロッ
トルボディ本体1に組込むときに予め若干の捩りを与え
てあるためで、戻しスプリング9の両端部は、フック部
9a、9bによりねじられ、カラー7、8と戻しスプリ
ング9の内径寸法による隙間分だけ変位する。
の両端に分力が発生し、カラー7、8の端部を押しつけ
ることになり、このとき、カラー7、8に摩擦抵抗が発
生する。特にカラー7は、スロットルボディ本体1の軸
受部1aの端面に接しているから、このカラー7がスロ
ットル弁軸3と一緒に回動したとすれば、大きな摩擦抵
抗が働いてしまい、戻しスプリング9が捩じられたこと
により発生した戻しトルクが有効にスロットル弁軸3に
伝わらなくなってしまう虞れがある。
のようなスリーブに代えて、2個の独立したカラー7、
8により戻しスプリング9の内径を位置決めするように
なっており、且つ、これらのカラー7、8はスロットル
弁軸3に直接挿入されているから、これらの間での摩擦
係数は充分に小さくるることができ、従って、スロット
ル弁軸3に対しては殆ど摩擦抵抗を受けることなく容易
に回動するようになっている。
軸3が回動されたとき、一方のカラー7はほぼ停止状態
に、そして他方のカラー8はスロットルレバー4とほぼ
一緒に回動するようになる。しかして、このとき、図2
に示すように、戻しスプリング9の内径部9cは、カラ
ー7、8の円筒部に接しているから、この部分で摩擦抵
抗が発生する虞れを生じるが、戻しスプリング9の内径
部9cがカラー7に接触している部分は、図1から明ら
かなように、スロットルボディ本体1に設けてある突起
部13に一方のスプリングフック部9aが係合されてい
る方の端部であるから、スロットル弁軸3が回動してス
プリング9の全体が捩れても、この端部での回動は極く
僅かであり、且つ、カラー7もスロットルボディ本体1
の軸受部1aの端面に接していて停止しているから、そ
れらの間での相対的な移動は僅かであり、従って、その
接触部は殆ど移動しない。
ラー8に接触している部分は、これも図1から明らかな
ように、スロットルレバー4に設けた突起部4aに他方
のスプリングフック部9bが係合されている方の端部で
あるから、この端部はスロットル弁軸3とほとんど一緒
に回動し、且つ、カラー8はスロットルレバー4に接し
ているから、これもスロットル弁軸3とほとんど一緒に
回動し、それらの間での相対的な移動は僅かであり、従
って、その接触部は殆ど移動しない。
ング9の戻しトルクに働く摩擦抵抗は、2個のカラー
7、8のうちのカラー7とスロットル弁軸3の間での摩
擦抵抗だけに、ほとんど限定させることができ、ヒステ
リヒスのない滑らかな戻しトルクを容易に与えることが
できる。
トル弁軸3にカラー7(及び8)を取付け、戻しスプリン
グ9を組込んだときの状態を軸方向から見た図である
が、戻しスプリング9のフック部9a、9bが突起部1
3、4aに引っかけて保持されているため、戻しスプリ
ング9が突起部13、4aの方向に動かされ、このスプ
リング9の内径部9cがカラー7(8)に当り、この結
果、カラー7(8)が図示のように、スロットル弁軸3に
片当りをし、この部分で戻りトルクが分散され、このと
きのトルクの伝わり方により、運転者に不快感を与えて
しまうことがある。
リング9のフック部9a、9bは突起部13、4aで支
えられているが、図示のように必らず傾いてしまう。こ
れは、捩りスプリングには巻き方向に剛性を持たず、そ
の両端部のコイル部で剛性が高くなるためである。この
結果、スプリング9が捩じられると、スプリング9の両
端では、フック部9aと9bに加わる力の方向が逆にな
り、従来技術のように、一体形のスリーブを用いていた
場合には、内径部9cに力が加わり、スプリングのトル
クが変化してしまう。このことから、本発明のように、
カラーとして分割し、両端の力を分断するのが極めて有
効になっているのである。
内径部はカラー7、8に均等に接せず、カラーの片側で
接触し、他方は浮いてしまう。このとき浮いた側のコイ
ル部がボディ本体の軸受部1aと接触すると摩擦抵抗が
発生し、スプリングの動きが止められ、トルクの伝達に
ロスが生じる。
は、カラー7、8につば部7a、8aを設け、これらの
寸法l(エル)を、l≧2d(d=スプリングの線径)と
し、コイル部がはみ出さないようにしてある。
7、8で支えられているが、コイル全体で受けると、図
2に示すように、内径部9cで必ず接触してしまうの
で、カラー7、8のスロットル弁軸3の軸方向での厚さ
(長さ)は、できるだけ短い方が良い。ここで、構造や取
付けスペースにより若干の差はあるが、一般的にはスプ
リング9の巻き数は10〜20位であり、この巻数であ
れば、スプリング線径dの3倍である3d以下(この実
施例のように、二列巻きスプリングでは6d以下)にす
ると、スプリングの受けもよく、接触によるトルク低下
も、運転者が不快感を覚える程の変動にはならない。そ
こで、この実施例では、上記したように、戻しスプリン
グ9の巻回部分が3巻き分乗るような寸法に作られてい
る。
を示す。図示する様にコイル間に隙間が出来る様に一定
のピッチで成形する。
9の詳細について、図4により説明する。上記したよう
に、この実施例では、戻しスプリング9として二列巻き
スプリングを用いている。これは、図5に示すように、
倍ピッチによるスペース巻き、すなわち、巻きピッチが
スプリングワイヤ線径の2倍以上で、且つ、ほぼ同じ巻
径で同じ巻数の2個の捩りスプリング9A、9Bを用
い、これらを、それぞれのスプリングワイヤが隣り合う
ようにして組合せたものであり、これにより図4に示す
ようにして得た二列巻きスプリングを戻しスプリング9
として用いているのである。
ングを2個直列に並べるようにした場合には、スロット
ル弁軸上に取付けられる部品の寸法が大きくなり、弁軸
の長さが長くなると共に、スリーブなどの部品も必要に
なり、部品点数も増加する。また、この結果、ボディ軸
受部から突出する寸法も長くなり、耐振動強度的にも不
利になる。
スプリングを戻しスプリング9として用いているので寸
法が小さくなり、取付け性が良くなる上、軸受部からの
距離も短くなり、エンジンの振動に対し、弁軸の変位が
減り、弁軸の強度は充分に得られるようになる。
は、同じワイヤ線径のものである必要は特に無く、異な
った線径のものを使用しても良い。しかしながら、この
ときには、スプリングの内径が、ほぼ同一寸法になるよ
うにするのが望ましい。
る。本発明の基本的な考え方は、図1の実施例に具現さ
れているように、スロットル弁軸3上に直接戻しスプリ
ング9の内径を保持するカラー7、8を組込み、戻しス
プリング9が、これらのカラー7、8以外の部品と接触
することによるによる摩擦抵抗の増加を防止する点にあ
るが、さらに摩擦抵抗を低下させるためにもいくつかの
方法がある。
発生したトルクを有効に伝える手法としては、戻しスプ
リング9の内径部9cとカラー7、8の間での摩擦抵抗
を減ずる方法がある。そして、まず、そのための一実施
例としては、カラー7、8自体を低摩擦係数の材料、例
えばナイロン系合成樹脂、或いはフッ素系合成樹脂で作
成する方法があり、次に、その表面を低摩擦係数処理す
る方法、例えば低摩擦係数を有するナイロン系合成樹
脂、或いはフッ素系合成樹脂をコーティングする方法が
ある。
間での摩擦抵抗を少なくする方法もある。このための一
実施例としては、スロットル弁軸3の表面と、カラー
7、8の軸孔の内面にクロムメッキを施すか、或いはフ
ッ素系合成樹脂をコーティングする方法がある。従来技
術では、スロットル弁軸の表面処理は亜鉛メッキ程度で
あったため、この実施例によれば大幅に摩擦抵抗が減殺
でき、戻しスプリング9による戻しトルクのロスとヒス
テリヒスを充分に抑え、運転者に与えるフィーリングを
大幅に改善すことができる。
プリング9での摩擦抵抗を減ずる方法がある。上記した
ように、この実施例では、図5に示すように、倍ピッチ
によるスペース巻きによるスプリング9A、9Bを用
い、コイル間に隙間が与えられるようにしているが、図
2で説明したように、これでもコイル間での接触は避け
られず、摩擦抵抗が発生してしまう。そこで、一実施例
として、これらのスプリング9A、9Bの表面に低摩擦
係数の物質、例えばフッ素径樹脂をコーティングをする
方法がある。この実施例によれば、戻しスプリング9に
よる摩擦抵抗の発生を充分に抑えることができるから、
トルク伝達ロスを大幅に減殺できると共に、ヒステリシ
スを充分に抑えることができる。また、この実施例で
は、スプリング9にフッ素系樹脂をコーティングするこ
とにより、従来技術で必要としていた、スプリング間を
隔離するための部品も不要になると言う利点を得ること
もできる。
ーム内に小石や砂などの異物が侵入するのを避けること
は困難であり、この結果、戻しスプリング9のコイル間
隙から異物が侵入し、雨などにより、その間隙に付着し
たり、或いはスロットル弁軸3の表面に付着する。さら
には、この繰り返しにより堆積してしまう。このとき、
戻しスプリング9の内径部とスロットル弁軸3の間に空
間が少ない場合には、小石や砂により戻しスプリング9
の内径部とスロットル弁軸3の間での摩擦力が増加して
しまう虞れがあり、最悪の場合、スティクしてしまう虞
れも生じる。
に、戻しスプリング9の内径部分とスロットル弁軸3の
間に、図3に示すように、スロットル弁軸3の直径をD
とした上で、このスロットル弁軸3と戻しスプリング9
の内径部分との間に、寸法Lの空間が形成されるように
し、この空間の寸法Lが、L≧D/2の関係を満足する
ように構成してある。なお、スロットル弁軸3の直径は
一般的にはφ8〜φ12であるから、この寸法Lの範囲
は、4〜6mmとなる。
施例が図1の実施例と異なる点は、カラー7とスロット
ルボディ本体1の軸受部1aの端面の間、及びカラー8
とスロットルレバー4の間に、それぞれワッシャー1
5、16が挿入されている点である。これらのワッシャ
ー15、16は、何れも、例えばナイロン系合成樹脂や
フッ素系合成樹脂などの低摩擦係数の材料で作成された
もの、或いは、その表面にナイロン系合成樹脂やフッ素
系合成樹脂などの低摩擦係数を有する材料をコーティン
グしたものなどで作られており、それぞれカラー7とス
ロットルボディ本体1の軸受部1aの端面の間での摩擦
抵抗及びカラー8とスロットルレバー4の間での摩擦抵
抗を大幅に減少させるように働く。
スプリング9による戻しトルクのロスとヒステリヒスを
さらに充分に抑え、運転者に与えるフィーリングを大幅
に改善すことができる。
クを従来例と比較して示した特性曲線で、破線が従来例
でのトルク特性で、全体的に大きなヒステリシスを有
し、開度を増加させていったときと、減少させていった
ときとで大きなトルクの差を生じている上、開度を増加
させていったときには、所々でピーク状に大きなトルク
の増大を伴っており、この結果、ひっかかりが感じられ
て極めて悪いフィーリングとなっていることが判る。
例では、僅かなヒステリシスしか残っておらず、且つ、
全体的に滑らかなトルク変化となっており、従って、優
れたフィーリングが得られていることが判る。
必要な部品数が大幅に減少できると共に、戻しスプリン
グによる戻しトルクの伝達ロスが充分に減殺できる上、
ヒステリシスやひっかかりの発生が充分に抑えられるの
で、コンパクトで操作フィーリングに優れたスロットル
弁開閉装置をローコストで提供することができる。
を示す縦面図である。
た断面図である。
付状態を示す断面図である。
細を示す説明図である。
明図である。
して示した特性図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 巻きピッチがスプリングのワイヤ線径の
2倍以上になるようにスペース巻きされ、且つ同じ巻径
と同じ巻数で同じワイヤ線径を有する2個の捩りスプリ
ングをそれぞれのスプリングワイヤが隣り合うようにし
て組合せた二列巻きスプリングをスロットル弁軸上に備
え、該二列巻きスプリングにより常時スロットル弁に戻
しトルクを与えるようにしたスロットル弁開閉装置にお
いて、つば部と円筒部を有する略同じ形状の第1と第2の2個
のカラー部材を、それぞれのつば部が外側になるように
して、上記スロットル弁軸に直接回動自在に 設け、上記第1のカラー部材を上記二列巻きスプリングの一方
の端部に位置させ、上記第2のカラー部材を上記二列巻
きスプリングの他方の端部に位置させることにより、上
記二列巻きスプリングが上記スロットル弁軸上で位置決
めされ るように構成したことを特徴とするスロットル弁
開閉装置。 - 【請求項2】 請求項1の発明において、 上記第1と第2のカラー部材のつば部の高さが、上記2
個の捩りスプリングのワイヤ線径の少なくとも2倍にな
るように構成したことを特徴とするスロットル弁開閉装
置。 - 【請求項3】 請求項1の発明において、 上記第1と第2のカラー部材の直径が、上記スロットル
弁軸の直径の少なくとも2倍になるように構成したこと
を特徴とするスロットル弁開閉装置。 - 【請求項4】 請求項1の発明において、 上記第1と第2のカラー部材が、低摩擦係数を有する合
成樹脂材料で作られていることを特徴とするスロットル
弁開閉装置。 - 【請求項5】 請求項1の発明において、 上記スロットル弁軸の表面が、低摩擦係数を有する材料
でコーティング処理されていることを特徴とするスロッ
トル弁開閉装置。 - 【請求項6】 請求項1の発明において、 上記捩りスプリングの表面が、低摩擦係数を有する材料
でコーティング処理されていることを特徴とするスロッ
トル弁開閉装置。 - 【請求項7】 請求項1の発明において、 上記第1と第2のカラー部材の円筒部の厚さが、少なく
とも上記スプリングのコイル部3巻き分になるように構
成されていることを特徴とするスロットル弁開閉装置。 - 【請求項8】 請求項1の発明において、上記第1と第2のカラー部材の少なくも一方が、その一
方の表面に低摩擦係数の材料で作られたワッシャーを備
え ていることを特徴とするスロットル弁開閉装置。
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