JP3027174B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP3027174B2
JP3027174B2 JP02249052A JP24905290A JP3027174B2 JP 3027174 B2 JP3027174 B2 JP 3027174B2 JP 02249052 A JP02249052 A JP 02249052A JP 24905290 A JP24905290 A JP 24905290A JP 3027174 B2 JP3027174 B2 JP 3027174B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は感熱記録材料に関し、特に感熱記録ヘッドへ
のカス付着の少ない高感度感熱記録材料に関するもので
ある。
【従来の技術】
感熱記録法は、一般に入力信号に応じて感熱記録ヘッ
ドを加熱し、これに接する感熱記録材料上の染色前駆体
と顕色剤を溶融接触せしめて発色像を得る記録方法であ
り、電話回線に乗せられる帯域の情報量に見合った記録
速度を持ち、現像及び定着工程を要しない一次発色系で
あり、しかも感熱記録ヘッドの消耗も極めて少ないため
に、プリンターやファクシミリ等の情報機器に急速に応
用されるようになっている。 とりわけ、近年の著しい情報量の増加に伴い、高速機
(G III機)さらには、それ以上の超高速機(G IV機)
の開発が進められている。このような感熱記録装置の高
速化に伴い、使用される感熱記録材料もより一層の高感
度化が要求されており、各種の改良が行われている。 このような感熱記録材料に用いられる基本的な素材
は、染料前駆体と顕色剤であるが、さらに感度向上のた
めに、これらと相溶性の良好な増感剤を使用するのが一
般的な感熱記録材料の基本的構成である。しかし、この
ような素材の中には、印字することで、熱可融性物質が
感熱記録ヘッドにカスとして付着し、感熱記録材料が走
行する度に、このカスが次第に堆積する。この結果、感
熱記録材料と感熱記録ヘッドとの密着性を阻害し、感熱
記録画像が不鮮明になる等の印字障害を起こすことが明
らかとなってきた。そのため、このような問題点を伴う
ことなく感熱記録層を高感度化する方法の開発が強く要
請されており、種々の検討が行われてきた。 従来、感熱記録層中に多量の顔料、特に、吸油量の大
きい顔料を使用することにより、カスの発生を制御する
ことが行われていたが、この方法では高速化したファク
シミリに対応できる高感度な感熱記録材料を作成するこ
とはできなかった。そこで、感熱記録層中の顔料量を減
らすことが検討され、感熱記録層と支持体との間に、吸
油性の高い顔料を主体としたアンダーコート層を設ける
ことにより、カス抑制のために使用する感熱記録層中の
顔料量を減量することが可能となった。この様に、感熱
記録層中の顔料量が減少することにより、感度が向上
し、かつアンダーコート層の断熱効果も加味されて高感
度な感熱記録材料を作成できるようになった。 しかし、昨今の感熱記録材料に対する一層の高感度化
の要求や、感熱記録ヘッドの形状の変化によるカス発生
の増加などもあり、より一層のカス抑制の要望が出され
ている。
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み本発明者らは、上記の如き問題点の
改良について幅広く検討を重ねた結果、以下の結論に達
した。 本発明における熱可融性物質とは、感熱記録材料中の
基本成分である染料前駆体、顕色剤および増感剤を意味
する。印字下の感熱記録材料は、感熱記録ヘッドで表面
を加熱され、熱可融性物質がそれぞれ溶融して混合し、
発色して黒色の熱溶融発色体となる。 溶融状態で、感熱記録材料が走行する過程で、熱溶融
発色体は急冷され、液体の状態から固体状態へ変化す
る。この冷却する過程において、熱溶融発色体の温度が
高いときには、粘性は低いため流動性が高く、感熱記録
ヘッドに付着することはない。しかし、熱溶融発色体の
温度がある程度下がるにつれて粘性が高くなり、粘着性
を有するようになる。また、温度が下がることで、熱溶
融発色体も一部分固化し始め、さらに温度が低下する
と、固−液混合状態となり、固体分が多くなるほど流動
性が著しく低下する。その結果、熱溶融発色体の有する
粘着性が高まるため、感熱記録ヘッドに付着し易くな
り、感熱記録ヘッドの発熱体から僅かに離れた部分にカ
ス付着現象を起こし、印字され感熱記録材料が走行する
ごとにカスとして堆積され、大きく析出することを突き
止めた。 そこで、熱可融性物質の種類及び使用比率を種々組み
合わせて、カス特性とそれら熱可融性物質の物性との関
係を検討した結果、カスを制御するには、熱可融性物質
が溶融発色した熱溶融発色体の物性を制御することが有
効な方法であることが判明した。この場合、熱溶融発色
体の物性を定量的に規定するために、パーキン・エルマ
ー製の示差熱分析装置DSC−7を使用した。 このように、熱可融性物質が溶融発色した熱溶融発色
体の物性を制御することで、感熱記録ヘッドに付着する
カスを抑制できるようになったため、感熱記録層中の顔
料にカス制御作用を期待する必要がなくなり、それに伴
いカス制御には効果があるが、感度には悪影響のある吸
油性顔料を使用す必要性も無くなることにより、感度向
上につながることが分かり、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体、アンダーコート層、および感熱記
録層を有する感熱記録材料において、アンダーコート層
には吸油量が85ml/100g以上の顔料を主体として含有
し、感熱記録層中には吸油量が80ml/100g以下の顔料と
ともに、熱可融性物質として染料前駆体、該染料前駆体
を加熱時発色させる顕色剤および増感剤を含有し、かつ
加熱印字により、前記熱可融性物質が溶融して生成する
熱溶融発色体が、毎分10℃の昇温速度条件において、80
℃以下の融解開始温度を示す構成とすることにより、カ
スが制御され、かつ高感度の感熱記録材料を得ることが
できた。 本発明で言う熱溶融発色体の融解開始温度とは、JIS
K 7121の規格であるプラスチックの転移温度測定法
における補外融解開始温度のことを示す。補外融解開始
温度とは、低温側のベースラインを高温側に延長した直
線と、融解ピークとの低温側の曲線に勾配が最大となる
点で引いた接線との交点の温度とするものである。以
下、本発明における示差熱熱分析装置の融解開始温度測
定条件について詳細に説明する。 試料の形状は、熱溶融発色体をまずメノウ乳鉢にて軽
く粉砕後、島津製のバイブレーティング・ミルにて、細
粉砕して試料とする。試料をサンプルパンに入れる。こ
の底を平らにし、かさばらず、静電気を除去し、まわり
に付かないように試料を入れるという単純作業がもっと
も難しく、非常に苦労するところである。 試料の重量は、測定の目的とする転移現象の違い、DS
Cの感度、昇温・降温速度などの色々の因子を考慮し、
できるだけ少ない方が良いデーターが得られる。試料中
の熱勾配が大きいことは、例えば、融解ピークを広げ、
融解温度などについて誤った結果を導く要因となりう
る。DSCのピークの温度、ピークの分解能は試料中の熱
伝導によって異なるので、同じ重量の試料についての結
果を比較しないと、得られた相違は意味をもたない。そ
こで、上記のような条件を考慮し、本発明では試料の採
取量4mgで行った。 次に昇温速度は、分解能、転移温度、ピークの高さな
どに影響を与える。試料重量が少なく、試料の詰め方が
よいと、昇温速度依存性が小さくなる。これらの条件を
考慮した結果、本発明では、再現性が最も良かった毎分
10℃の昇温速度で測定した。 測定雰囲気は窒素、ヘリウム、場合によっては酸素中
といろいろ選択できるが、本発明ではJIS K 7121に
準じて、窒素気流雰囲気下で測定した。また、ガス流量
が測定中変化するとベースラインの傾きが変化するの
で、毎分10mlの流量で一定に窒素ガスを流して測定を行
った。 本発明に於ける熱可融性物質の成分として、次のよう
な化合物が使用される。 本発明に用いる染料前駆体は単独又は2種以上混合し
て適用されるが、このような染料前駆体としては、この
種の感熱記録材料に適用されているものが任意に適用さ
れ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フ
ェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、イン
ドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用
いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例
えば、以下に示すようなものが挙げられる。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレッ
ト)、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
エチルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)アミノフ
タリド、 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、 3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ピリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)ア
ミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−ク
ロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリク
ロロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フ
ルオラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フ
ルオラン、 3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、 3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチル−6−アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、 3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジルアミノフルオラン、 ベンゾイルロイコメチレンブルー、 6′−クロロ−8′−メトキシベンゾインドリノピリ
ロスピラン、 6′−ブロモ−3′−メトキシベンゾインドリノピリ
ロスピラン、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−
メチルフェニル)フタリド、 3−モルホリノ−7−(N−プロピルトリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン、 3−ピロジリノ−7−トリフルオロメチルアニリノフ
ルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジ
ルトリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロジリノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メ
チルアミノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(α−フェニ
ルエチルアミノ)フルオラン、 3−(N−エチルアミノ−p−トルイジン)−7−
(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニル
フェニルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニ
ルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、 2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−
(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、 3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−
5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモ
フルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′,5′−ベンゾフルオラン等。 本発明に用いられる顕色剤としては、有機化学物、特
に、フェノール化合物が好ましく、例えば、p−フェニ
ルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒ
ドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4
−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェ
ニルスルホン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペン
タン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘ
キサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2−(p−ヒ
ドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−
ジ−〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロ
ピル〕ベンゼン、1,4−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフ
ェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロ
キシフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシフェニル
スルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t
−ブチル−5−メチルフェノール)、p−ヒドロキシ安
息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸クロルベンジ
ル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジ
ル、没食子酸ステアリル、サリチルアリニド、5−クロ
ロサリチルアリニド等がある。特に、2,2′−ビス(p
−ヒドロキシフェニル)プロパン、あるいは4−ヒドロ
キシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホンが、好
ましい顕色剤として用いられる。 増感剤としては、融点が80℃から130℃の範囲にある
化合物を使用するが、例えば、N−ヒドロキシメチルス
テアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸
アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレ
ン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4
−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2
−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス
(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス
(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化
合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸
ビス(p−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ビス
(p−フルオロベンジル)エステル等の炭酸または、シ
ュウ酸ジエステル誘導体を単独または併用して使用する
ことができる。 本発明の感熱記録材料において、感熱記録層中に含有
せしめられる滑剤の具体例としては、例えば、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アル
ミニウム、オレイン酸亜鉛等の如き高級脂肪酸の多価金
属塩等の微粉末やエマルジョン等が挙げられる。これら
の各種滑剤の中でもステアリン酸亜鉛は本発明の所望の
効果に優れているため特に好ましく用いられる。 アンダーコート層としては無機、有機顔料が用いら
れ、JIS K 5101法に基づく、吸油量85ml/100g以上の
吸油性顔料としては、その種類については特に限定する
ものではないが、例えば、焼成カオリン、ケイソウ土、
焼成ケイソウ土、融剤焼成ケイソウ土、微粒子状無水酸
化アルミニウム、微粒子状酸化チタン、炭酸マグネシウ
ム、ホワイトカーボン、微粒子状無水シリカ、アルミノ
ケイ酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウムの凝
集体、焼成クレー、尿素−ホルマリン樹脂等が挙げられ
る。なお、吸油量は粒子形状や粒子径によっても変化す
るが、顔料を物理的あるいは化学的に処理して前記の如
き吸油量としたものも当然有効な顔料として使用でき
る。また、前記の吸油量を有する範囲において、単独あ
るいは2種以上の顔料を併用することも可能であり、場
合によっては、吸油量が85ml/100g以下の顔料を併用す
ることも可能である。 本発明において、アンダーコート層の塗布量は、1〜
20g/m2が適当であり、好ましくは5〜10g/m2である。 感熱記録層に使用される吸油量が80ml/100g以下の顔
料としては、その種類について限定するものではない
が、例えば、タルク、セッコウ、クレー、カオリン、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸化亜鉛、水
酸化アルミニウム等が挙げられる。これらを単独、ある
いは2種以上を併用して用いられる。また、感度特性を
損なわない範囲で吸油性の高い顔料を一部併用すること
も可能である。 本発明において、アンダーコート層を形成する際に使
用されるバインダーとしては、従来公知の疎水性高分子
エマルジョン及び(又は)水溶性高分子から適宜選択さ
れる。即ち、疎水性高分子エマルジョンとしては、スチ
レン−ブタジエンラテックス、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレンラテックス、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂等のエマルジョンが挙げられる。また、水
溶性高分子としては例えば、ポリビニルアルコール、デ
ンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ア
クリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イ
ソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリ
アクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイ
ン等が挙げられる。 さらに必要に応じて、界面活性剤、分散剤、増粘剤、
耐水化剤、消泡剤等を添加することができる。 本発明の感熱記録層においては、前記染料前駆体及び
顕色剤をアンダーコート層上に塗布するために、慣用の
種々のバインダーを適宜使用することができるが、その
具体例としては、前記のアンダーコート層塗布において
例示されたものと同様のものが挙げられる。 染料前駆体と顕色剤との使用比率は用いられる染料前
駆体や顕色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特
に、限定するものではないが、一般に、染料前駆体100
重量部に対して15〜300重量部、好ましくは60〜200重量
部程度の顕色剤が使用される。 本発明の感熱記録材料において、感熱記録層中に含有
せしめられる増感剤の使用量については、必ずしも限定
するものではないが、使用量が増すほど、高感度になる
ものではなく最適量が存在し、過度に使用すると、感熱
記録ヘッドへのカスの発生につながる。また、増感剤の
使用量が減るほど、カスは減少する傾向を示すが、過度
に少ない場合には、感度が著しく低下、感熱記録ヘッド
のカスが増大する傾向を示す。そこで、本発明において
は、感度とカスとのバランスを考慮して、染料前駆体10
0重量部に対して30〜300重量部、好ましくは60部〜200
重量部程度の範囲で配合されるのが望ましい。 また、感熱記録層中に含有せしめられる滑剤の量は、
一般に熱可融性物質100重量部に対して1〜70重量部、
好ましくは10〜40重量部程度の範囲で配合される。1重
量部より少ないと、感熱記録ヘッドへのスティッキング
現象も派生し、70重量部を越えると記録時の感度低下が
大きくなってしまう。 さらに、感熱記録層中に使用される本発明の係る顔料
の配合量は、一般に熱可融性物質100重量部に対して3
〜100重量部、好ましくは10〜60重量部程度の範囲で調
節される。3重量部より少ないと、熱溶融発色体のアン
ダーコート層への浸み込みが大きくなり、発色濃度の低
下を起こし、100重量部を越えると記録時の感度低下が
大きくなってしまう。 また、本発明の感熱材料において、感熱記録層の塗布
方法としては、特に限定されるものではなく、エアナイ
フ塗布法、ブレード塗布法、グラビア塗布法、ロールコ
ーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、
バー塗布法、エクストルージョン塗布法等の従来公知の
塗布方法の利用が可能である。 また、感熱塗液の塗布量についても特に限定されるも
のでなく、一般に乾燥重量で2〜12g/m2、好ましくは3
〜10g/m2で調節される。 支持体としては、紙、プラスチックフィルム、合成繊
維が適宜使用されるが、一般には紙が好ましく用いられ
る。なお、感熱記録層を保護する等の目的のためにオー
バーコート層を設けることも可能であり、支持体の裏面
に保護層を設けることも可能で、支持体に下塗り層を設
けることも可能で、粘着加工を施すなど感熱記録材料製
造分野における各種の公知技術が付加し得るものであ
る。
【実施例】
次に本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
尚、以下に示す部及び%のいずれも重量基準である。ま
た、塗抹量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗抹量
である。 −アンダーコート液の調製− 次の組成からなる混合物を撹拌してアンダーコート塗
液として調製した。 顔料 100部 スチレンブタジエン系共重合ラテックス(50%水分散
品) 24部 リン酸エステル化でんぷん10%水溶液(日本食品製MS
4600) 60部 水 52部 以上の各液を混合して、アンダーコート液として用い
た。 −感熱塗液の調製− 次の組成からなる混合物をそれぞれサンドミルで平均
粒径が約1μmになるまで粉砕分散して、(A液)と
(B液)を調製した。 (A液) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン 40部 10%ポリビニルアルコール水溶液 20部 水 40部 (B液) 顕色剤 50部 増感剤 50部 10%ポリビニルアルコール水溶液 50部 水 100部 次いで調製した(A液)、(B液)を用いて次の配合
で感熱塗液を調製した。 (A液) 50部 (B液) 250部 ステアリン酸亜鉛(40%分散液) 25部 10%ポリビニルアルコール水溶液 216部 顔料 50部 水 417部 なお、実施例と比較例に用いた、感熱層およびアンダ
ーコート層の顔料、顕色剤、増感剤の種類を第1表にま
とめて示す。 このようにして調製した各塗液を坪量40g/m2の原紙に
メイヤーバーにて次のような塗抹量に塗抹して感熱記録
材料を作成した。 アンダーコート層 8g/m2 感熱層 6g/m2 このようにして作成した感熱記録材料をスーパーカレ
ンダーで、ニップ線圧100kg/cmで通紙し、ベックの平滑
度で400〜500秒になるようにカレンダー処理して感熱記
録材料を得た。 このようにして作成した感熱記録材料をG III FAX試
験機で記録濃度、質感の程度を比較した。試験機は大倉
電機製(TH−PMD)でドット密度が8ドット/mm、ヘッド
抵抗は185Ωのサーマルヘッドを使用し、ヘッド電圧12
V、通電時間0.3msで印字した。尚、記録濃度については
マクベスRD−918型反射濃度計にて測定し、融解開始温
度については、パーキン・エルマー製の示差熱分析装置
(DSC7)を用いて、熱溶融発色体の融解開始温度を求め
た。 さらに、カスについては、かくして得られた9種類の
感熱記録紙を、上記のG III FAX試験機を使用して、そ
れぞれのA4サイズの感熱紙を連続25枚印字し、記録後の
感熱記録ヘッドに付着したカスの状態をスカラ製ビデオ
マイクロスコープで表面を観察した。結果を第2表に記
載した。 以下、第2表の評価の基準を説明する。 [カス付着] ◎:カスの付着はほとんどない。 ○:カスの付着がはわずかに認められるが、印字障害
は発生せず、実用上の問題はない。 △:カスが多く認められ、実用上問題あり。 ×:多量のカスが付着し、印字障害が発生した。 実施例1〜3では、増感剤を併用することにより、熱
溶融発色体の融解開始温度を下げたため、カスが減少し
て、かつ感度が高いことがわかる。特に、実施例4、5
では、増感剤を併用するまでもなく、単独系でも高感度
で、かつカスがほとんど発生しない。 ところが、比較例1、2では満足のいく感度は得られ
るものの、カスの発生量が多く、実用上問題がある。ま
た、比較例3ではカスがある程度抑えられるが、感度が
著しく低下した。 したがって、感熱記録材料において、感熱記録層中の
熱溶融発色体の融解開始温度を80℃以下に制御し、感熱
層とアンダーコート層の顔料の吸油量を制御することに
より、感熱記録ヘッドに付着されるカスが減少するとも
に高感度が維持できるようになる。
【発明の効果】
本発明の感熱記録材料は、発色感度が高く、しかも、
カス特性に選れた感熱記録材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−164583(JP,A) 特開 昭64−8087(JP,A) 特開 昭62−1571(JP,A) 特開 昭60−234881(JP,A) 特開 昭58−183288(JP,A) 特開 平2−1364(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体、アンダーコート層、および感熱記
    録層を有する感熱記録材料において、アンダーコート層
    には吸油量が85ml/100g以上の顔料を主体として含有
    し、感熱記録層中には吸油量が80ml/100g以下の顔料と
    ともに、熱可融性物質として染料前駆体、該染料前駆体
    を加熱時発色させる顕色剤および増感剤を含有し、かつ
    加熱印字により、前記熱可融性物質が溶融して生成する
    熱溶融発色体が、毎分10℃の昇温速度条件において、80
    ℃以下の融解開始温度を示すことを特徴とする感熱記録
    材料。
  2. 【請求項2】熱可融性物質100重量部に対して吸油量が8
    0ml/100g以下の顔料を1〜30重量部含有せしめる請求項
    1記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】吸油量が80ml/100g以下の顔料が炭酸カル
    シウム、または水酸化アルミニウムである請求項1記載
    の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】顕色剤が2,2−ビス(p−ヒドロキシフェ
    ニル)プロパンあるいは4−ヒドロキシ−4′−イソプ
    ロポキシジフェニルスルホンである請求項1記載の感熱
    記録材料。
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