JP2741454B2 - 感熱記録体の製造方法 - Google Patents
感熱記録体の製造方法Info
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Description
び保護層を設けた構成の感熱記録体に関し、詳しくは、
地肌かぶりが少なくかつ高感度で、耐薬品性、耐油性は
もとより、耐水性や耐水可塑剤性といった記録安定性に
優れた感熱記録体の製造方法で、特に感熱記録型ラベル
用紙等として用いた時に好適な特性を発揮する感熱記録
体の製造方法に関するものである。
イコ染料と熱時反応して発色させる顕色剤とを主成分と
する感熱記録層を有する感熱記録体は、特公昭45−1
4035号等に公表され、広く実用化されている。この
感熱記録体に記録をおこなうには、サーマルヘッドを内
蔵したサーマルプリンター等が用いられるが、このよう
な感熱記録法は、従来実用化された他の記録法に比べ
て、記録時に騒音がない、現像定着の必要がない、メン
テナンスフリーである、機器が比較的安価でありコンパ
クトである、得られる発色が非常に鮮明であるといった
特徴から、情報産業の発展に伴い、ファクシミリやコン
ピューター分野、多種計測器、ラベル用等に広く使用さ
れている。しかしながら、この種の感熱記録体における
ロイコ染料と顕色剤との発色反応は可逆的であり、上記
様々な用途で使用される際の過酷な環境や薬品との接触
で、発色画像は容易に逆反応をおこし消色するといった
保存安定性に問題点をかかえていることも事実である。
例えば、ポリ塩化ビニルフィルム等の包装材料に含まれ
る可塑剤との接触、食用油、工業用オイル等の油脂類の
付着、セロテープ、スティック糊等の粘着剤との接触等
で容易に画像が消色を起こす点である。そこで、これら
の薬品に対する画像の保存安定性を向上させ、更に広範
囲な用途にこの種の感熱記録体を使用しようとする試み
として、例えば、特開昭57−188392号には感熱
発色層上に可塑剤や油等の親油性薬品の浸透を防ぐため
の保護層を設ける提案がなされている。
る対策は、食用油等の親油性薬剤の表面からの付着によ
る画像保存性の向上には寄与しているものの、食品ラベ
ル等に応用した場合に想定される状況、例えばラベル用
紙が長時間水に浸漬された場合は耐水性が不足し又、食
品ラップフィルムに含まれる可塑剤が水に溶けだしてラ
ベル用紙に付着し、耐水可塑剤性が不足して十分な保存
特性向上の手段とはなっていないのが現状である。これ
は、支持体が紙であること、及び保護層の材料が水性樹
脂すなわち水溶性樹脂あるいは水分散性樹脂のため、透
水性が高いことから、感熱発色部が水あるいは水に溶解
した可塑剤等の影響を受けやすいことによる。一方、顕
色剤等で上記耐水性を向上させる試みもなされている。
例えば、特定の2,2′−ビスフェノールスルホン、
2,2′−ビスフェノールスルフィド化合物を使用する
(特開昭56−30896号)、特定の4,4′−ビス
フェノールスルフィド化合物を使用する(特開昭57−
41996号)、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホンを使用する(特開昭60−20828
6号)など多数の提案がなされている。しかしながら、
耐水性の向上に効果が見られても、地肌部分にかぶりを
生じたり、感熱記録層上に保護層を設けることで記録感
度、記録濃度が極端に低下したりする現象をまねいてい
るのが現状である。このように、従来の感熱記録体にお
いて、様々な対策がなされてきたにもかかわらず、未だ
記録感度特性が十分で、良好な耐薬品性、耐油性を備
え、かつ地肌かぶりが少ないと同時に、優れた耐水性、
耐水可塑剤性を満足するものが得られていないのが現状
である。
事情に鑑み、感熱記録体、特に感熱記録型ラベル用紙分
野に要求される、耐薬品性、耐油性、記録感度、地肌白
色度等が良好で、さらに優れた耐水性、耐水可塑剤性等
を有する感熱記録体の製造方法を提供することにある。
造方法は、支持体の少なくとも片面に、無色ないしは淡
色のロイコ染料と該ロイコ染料を熱時発色せしめる顕色
剤を主成分とする感熱記録層と、水性樹脂と充填剤とを
主成分とする保護層を順次積層してなる感熱記録体を製
造する際、該感熱記録層用塗液として下記一般式(1)
で示される化合物の少なくとも1種からなる顕色剤、水
酸化アルミニウムおよび分散剤を共存させてメディア式
湿式分散機で粉砕処理した分散液を配合した塗液を用い
て感熱記録層を形成することを特徴とする感熱記録体の
製造方法である。
有していてもよいベンジル基を表わす。)
熱記録層に顕色剤として使用される一般式(1)で示さ
れるジフェニルスルホン化合物としては、4−ヒドロキ
シ−4′−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−4′−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−4′−n−ブトキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4′−n−ペンチルオキシジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−ヘキシルジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−ヘプチ
ルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−
n−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−4′−n−ノニルオキシジフェニルスルホン、4−
ヒドロキシ−4′−n−デシルオキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4′−(4−メチルベンジ
ルオキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′
−(4−メトキシベンジルオキシ)ジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4′−(4−クロルベンジルオキ
シ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−
(2,6−ジメチルベンジルオキシ)ジフェニルスルホ
ン等があげられるが、これに限定されるものではない。
なかでも4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェ
ニルスルホンは、保存特性、記録感度特性及び地肌かぶ
りが少ないことでバランスのとれた特性を示し特に好ま
しいものである。
層に用いられる水酸化アルミニウムは、Al(OH)3
の化学式で表わされる単斜晶系の結晶形を有する無機顔
料であり、例えば、昭和電工社から「ハイジライト」の
名称で市販されているものがあげられる。本発明では、
上記一般式(1)で示される顕色剤と水酸化アルミニウ
ムの組み合せにおいて地かぶりが少なくかつ高感度で、
記録安定性に優れ、特に耐水性および耐水可塑剤性の向
上が得られるものであるが、その比率は一般式 (1)の顕色剤100重量部に対して水酸化アルミニウ
ムが10〜300重量部が好ましく、特に20〜150
重量部が好適である。ここで、顕色剤に対して水酸化ア
ルミニウムの配合量が10重量部より少ないと、耐水及
び耐水可塑剤性の向上効果及び地肌白色度の向上効果が
少なく、逆に300重量部より多いと感熱記録層中にお
ける充填剤量が過多となり、記録感度の低下をまねくお
それがある。
熱記録層に用いられるロイコ染料としては、この種の感
熱記録材料に適用されるものが任意に使用でき、例え
ば、フルオラン系、トリアリールメタンフタリド系、フ
ルオレンフタリド系、ジビニルフタリド系、フェノチア
ジン系、オーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラ
クタム系等の化合物が用いられる。具体的には、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジ−n−ペンチル−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソプロピ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキ
シルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−メチル−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−p−トリ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
N−ピロリジノ−N−メチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−ピペリジノ−N−メチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N
−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル
−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ
−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−(o−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3
−N−エチル−N−p−トリルアミノ−7−メチルフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−t−ブチルフルオラン、
3−N−エチル−N−p−トリルアミノ−7−N−メチ
ル−N−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、2−メチル−6
−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ
フルオラン、2−クロル−3−メチル−6−p−(p−
ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン等
のフルオラン化合物、3,3−ビス(p−ジメチルアミ
ノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルア
ミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメ
チルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−
3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチル
アミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドー
ル−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p
−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール
−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリア
リールメタンフタリド系化合物、3,6−ビス(ジメチ
ルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジ
メチルアミノ)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジエチル
アミノ)フタリド等のフルオレンフタリド化合物、3,
3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−
(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニ
ル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリ
ド、3,3−ビス〔2−(p−ピロリジノフェニル)−
2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド等のジビニルフタリド化
合物、ベンゾイルオイコメチレンブルー等のフェノチア
ジン化合物、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾヒド
リルベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオー
ラミン等のオーラミン化合物、3−メチル−スピロ−ジ
ナフトピラン、3−エチル−スピロジナフトピラン等の
スピロピラン化合物、ローダミンB−アニリノラクタ
ム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム等のラ
クタム化合物等があげられる。特にフルオラン系のロイ
コ染料は、単一染料で黒発色可能な化合物であり、また
他の系の化合物に比べ、画像安定性に優れるため好まし
いものである。
熱記録層には、結着剤として水性樹脂、すなわち水溶性
樹脂または水分散性樹脂が使用され、例えば、ポリビニ
ルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ビドロキシ
エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、でんぷんおよびその誘導体、カゼイン、
ゼラチン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、イソブ
チレン−無水マレイン酸樹脂アルカリ水溶液、ジイソブ
チレン−無水マレイン酸樹脂アルカリ水溶液、スチレン
−無水マレイン酸樹脂アルカリ水溶液等の水溶性樹脂、
水性ポリエステル、水性ポリウレタン、(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン及びこれらの誘導体等の水分散性樹脂が単独または
併用して使用できる。
は、感熱記録層に必要に応じて記録感度を向上させるた
めに、種々の熱可融性物質を添加できる。熱可融性物質
としては、適当な融点を持つ有機化合物があげられ、例
えば、ステアリン酸アミド、N−メチロール化ステアリ
ン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステル、ジメチルテレフタレート、ジフェニルフ
タレート等の芳香族カルボン酸エステル類、蓚酸ジベン
ジルエステル、蓚酸ジ(p−メチルベンジル)エステル
等の脂肪族2塩基酸のジアリールアルキルエステル類、
β−ナフトエ酸フェニルエーテル、β−ナフトエ酸フェ
ニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニ
ルエステル等のナフタレン誘導体、p−ベンジルビフェ
ニル等のビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体等が用
いられる。また、前記水酸化アルミニウムの他に、例え
ば、重質及び軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、タルク、クレー、サチンホワイト、
カオリナイト、ポリオレフィン粒子、尿素−ホルマリン
樹脂粒子等の無機及び有機顔料を充填剤として添加する
こともできる。更に、必要に応じて分散剤、界面活性
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を用いること
ができる。
護層としては、耐薬品性に優れた造膜性の良好な樹脂と
充填剤を主成分として用いられ、さらに、より優れた耐
水性を得るために耐水化剤も必要に応じて添加される。
本発明の保護層に用いられる樹脂としては、水性樹脂、
すなわち水溶性樹脂及び水分散性樹脂より選ばれる少な
くとも1種が用いられるもので、具体的には前記感熱記
録層に用いられる結着剤と同様の樹脂があげられる。ま
た、充填剤としては、たとえば、重質及び軽質炭酸カル
シウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タル
ク、クレー、サチンホワイト、カオリナイト、ポリオレ
フィン粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒子等の無機及び有
機の顔料が適用できる。さらにまた、耐水化剤として
は、グリオキザール、クロム明バン、メラミン樹脂、メ
ラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリア
ミド−エピクロルヒドリン樹脂、ジルコニウム化合物等
が添加できる。更に、必要に応じ、金属石鹸やワックス
類等を、感熱記録ヘッドとのマッチング性向上のために
添加することも可能である。
て詳述する。本発明の感熱記録体は、上記の如き感熱発
色層および保護層を、例えば、紙、合成紙、樹脂フィル
ム、およびこれらの複合体等からなる支持体上に順次積
層して設けることによって作製される。感熱記録層およ
び保護層を形成するには、前記の如き組成よりなる分散
液を、例えばエアーナイフコーティング、ロールコーテ
ィング、バーコーティング、ブレードコーティング等の
公知の塗工方式で塗布し、乾燥させればよい。ここで感
熱記録層用塗液は、ロイコ染料および一般式(1)の顕
色剤は、それぞれ別個に分散剤及び結着剤として機能す
る水性樹脂とともに、メディア式湿式分散機で粉砕処理
され、その被分散体の粒径が5μm以下、好ましくは2
μm以下となるように分散処理されたのち混合され、他
に分散液として調製された水酸化アルミニウム分散液を
加えて調製することができる。
前記一般式(1)の顕色剤と水酸化アルミニウムおよび
分散液を共存させてメディア式湿式分散機で粉砕処理す
ると、より優れた記録感度や耐水可塑剤性等が得られ特
に好適である。すなわち、感熱記録層用塗液を調製する
にあたって、あらかじめロイコ染料の分散液、顕色剤の
分散液、結着剤の分散液、その他の添加剤の分散液を作
製する際、一般式(1)の顕色剤と水酸化アルミニウム
および分散剤を共存させてメディア式湿式分散機にて粉
砕処理するもので、かかる分散液をロイコ染料の分散
液、その他分散液と共に所望の配合割合で混合して感熱
記録層用塗液が調製される。なお、メディア式湿式分散
機としては、例えば、ボールミル、アトライター、サン
ドグラインダー等が用いられ、特に限定されるものでは
ない。
アルミニウムを分散処理するにあたって、併用される分
散剤としては、ポリビニルアルコール系、セルロース系
等の水溶性樹脂、(ジ)イソブチレン−無水マレイン酸
共重合体系、スチレン共重合体系、アクリル共重合体系
等が用いられる。これらの中でも、下記に具体例として
示す(ジ)イソブチレン−無水マレイン酸共重合体系お
よびスチレン共重合体系、すなわち、ジイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体アンモニウム塩、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体アンモニウム塩、スチレン−
マレイン酸モノエステル共重合体アンモニウム塩、スチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体アンモニウム塩、ス
チレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリルアミド
共重合体アンモニウム塩水溶液等のアンモニア溶解タイ
プの分散剤が好ましい。その内でも特にスチレン−(メ
タ)アクリル酸−(メタ)アクリルアミド共重合体アン
モニウム塩水溶液は、疎水性成分のスチレンと親水性成
分でイオン的に安定化させる(メタ)アクリル酸と親水
性成分で保護コロイド作用を有する(メタ)アクリルア
ミドが適度に共重合されているため、分散液の微粒子化
及び安定性向上の面で好ましい。
熱記録層の塗工量は、2〜10g/m2、好ましくは、
4〜8g/m2である。保護層の塗工量は、1〜10g
/m2が好ましく、1g/m2より少ないと耐薬品性を
向上させるバリヤーとしての機能が損なわれ、10g/
m2より多いと感熱記録層への熱伝達を妨げるために記
録感度が低下することとなり好ましくない。特に好まし
い保護層の塗工量としては、2〜8g/m2である。ま
た、上記感熱記録層及び保護層を形成した後、感熱ヘッ
ドとの密着性を向上し記録感度を良好とするために、金
属ロールと弾性ロールからなるキャレンダー装置で、表
面平滑度としてベック平滑度で700秒以上、好ましく
は1000秒以上となるよう保護層面を平滑化処理する
ことが望ましい。また、本発明の感熱記録体の製造方法
では、必要に応じて支持体と感熱記録層の間に充填剤と
結着剤とを主成分とするアンダー層を設け、支持体の表
面の平滑性を高め、画質の鮮明さを向上させることがで
きる。また、支持体の感熱記録層が設けられている面と
は反対側の面に造膜性高分子化合物を主成分とするバッ
ク層を設けることによって、感熱記録体の裏面からの各
種薬品類の浸透を防止して感熱記録層の不要な発色や記
録画像の消色を防ぐこともできる。
記録層の顕色剤として一般式(1)の化合物を用い、か
つ感熱記録層に水酸化アルミニウムを用いた場合地肌白
色度が高くなるという理由は感熱記録層塗料中、及び感
熱記録層中でのロイコ染料と一般式(1)の顕色剤との
過敏な反応によるかぶりを水酸化アルミニウムによるp
H緩衝作用が防げているものと推察される。また、発色
部の耐水性あるいは耐水可塑剤性が向上する理由は、加
熱され混合状態となったロイコ染料と一般式(1)の顕
色剤との間の酸−塩基発色反応の安定化に、水酸化アル
ミニウムが寄与しているものと考えられ、特異的な画像
安定性が得られたものと推察される。
行なう。なお実施例中の部数は全て重量部を表わす。 実施例1 感熱記録層用塗料を製造するため、下記組成〔A〕液及
び〔B〕液をサンドグラインダーを用いて分散し、分散
液を調製した。 〔A〕液 ・4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン 30部・スチレン−アクリル酸−アクリルアミド共重合体アンモニウム塩25%水溶液 (近代化学工業社製、SA−6N−604) 20部 ・水酸化アルミニウム(昭和電工社製、ハイジライトH−42) 30部 ・水 120部 〔B〕液 ・3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7− アニリノフルオラン 30部 ・ポリビニルアルコール10%水溶液(クラレ社製、PVA203) 45部 ・水 25部 以上のようにして得られた〔A〕液および〔B〕液の分散液を用い、下記配合 よりなる感熱記録層用塗料を調製し、坪量56g/m 2 の上質紙に乾燥重量6g /m 2 となるように塗工し、感熱記録層を設けた。 ・〔A〕液 200部 ・〔B〕液 30部 ・スチレン−アクリル酸−アクリルアミド共重合体アンモニウム塩25%水溶液 (近代化学工業社製、SA−6N−604) 60部 次に、保護層用塗料として以下の配合よりなる塗料を調
製し、感熱記録層上に乾燥重量4g/m2となるように
塗工し、本発明の感熱記録体の製造方法による感熱記録
体を作製した。 ・カルボキシル変性ポリビニルアルコール10%水溶液 (日本合成化学社製、ゴセノールT−330) 100部 ・40%カオリンクレー水分散液 20部 ・ステアリン酸亜鉛の30%水分散液 5部 ・ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂20%水溶液 (昭和高分子社製、ポリフィックス203) 20部 ・水 15部
4′−イソプロポキシジフェニルスルホンを4−ヒドロ
キシフェニル−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホ
ンに代えた以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記
録体の製造方法による感熱記録体を作製した。
ジナイザーを用いて分散し、また、下記組成〔D〕液及
び〔E〕液をサンドグラインダーを用いて分散し、分散
液を調整した。 〔C−1〕 液・軽質炭酸カルシウム(白石工業社製、ブリリアント15) 30部 ・スチレン−マレイン酸モノエステル共重合体アンモニウム塩30%水溶液 (第一工業製薬社製、ディスコートN−14) 5部 ・水 65部 〔D〕 液・4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン 30部 ・スチレン−マレイン酸モノエステル共重合体アンモニウム塩30%水溶液 (第一工業製薬社製、ディスコートN−14) 10部 ・水 60部 〔E〕 液・3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7− アニリノフルオラン 30部 ・ポリビニルアルコール10%水溶液(クラレ社製、PVA203) 45部 ・水 25部 以上のようにして得られた〔C−1〕液、〔D〕液、および〔E〕液の分散液 を用い、下記配合よりなる感熱記録層用塗料を調製し、秤量56g/m 2 の上質 紙に乾燥重量6g/m 2 となるように塗工し、感熱記録層を設けた。 ・〔C−1〕液 100部 ・〔D〕液 100部 ・〔E〕液 30部 ・スチレン−アクリル酸−アクリルアミド共重合体アンモニウム塩25%水溶液 (近代化学工業社製、SA−6N−604) 60部 次に、保護層用塗料として以下の配合よりなる塗料を調
製し、感熱記録層上に乾燥重量4g/m 2 となるように
塗工し、本発明の感熱記録体を作製した。 ・カルボキシル変性ポリビニルアルコール10%水溶液 (日本合成化学社製、ゴセノールT−330) 100部 ・40%カオリンクレー水分散液 20部 ・ステアリン酸亜鉛の30%水分散液 5部 ・ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂20%水溶液 (昭和高分子社製、ポリフィックス203) 20部 ・水 15部
して下記組成の〔C−2〕液〜〔C−4〕液のものを使
用した以外は比較例1と全く同様にして比較用の感熱記
録体を作成した。 〔C−2〕液(比較例2) ・炭酸マグネシウム(神島化学工業社製、金星) 30部 ・スチレン−マレイン酸モノエステル共重合体アンモニウム塩30%水溶液 (第一工業製薬社製、ディスコートN−14) 5部 ・水 65部 〔C−3〕液(比較例3) クレー(アングロアメリカンクレイ社製、アルファコート) 30部 ・スチレン−マレイン酸モノエステル共重合体アンモニウム塩30%水溶液 (第一工業製薬社製、ディスコートN−14) 5部 ・水 65部 〔C−4〕液(比較例4) ・微粉シリカ(水沢工業社製、P−527D) 30部 ・スチレン−マレイン酸モノエステル共重合体アンモニウム塩30%水溶液 (第一工業製薬社製、ディスコートN−14) 5部 ・水 65部
おいて4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニ
ルスルホンの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(比較例5)、4−ヒドロキシ安息
香酸ベンジルエステル(比較例6)、ビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(比較例7)をそ
れぞれ使用した以外は比較例1と全く同様にして比較用
の感熱記録体を作製した。 比較例8 実施例1の〔A〕液の水酸化アルミニウムを軽質炭酸カ
ルシウム(白石工業社製、ブリリアント15)に代えた
以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録体を作製
した。 比較例9〜10 実施例1の〔A〕液の4−ヒドロキシ−4′−イソプロ
ポキシジフェニルスルホンを2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン(比較例9)、4−ヒドロキシ
安息香酸ベンジルエステル(比較例10)に代えた以外
は実施例1と全 く同様にして比較用の感熱記録体を作製
した。
〜10の感熱記録体について、以下の方法で各項目につ
いて評価を行なった結果を表1に示した。 1.記録濃度 松下電子部品(株)社製の感熱印字装置にて印加電力
0.5W/ドット、パルス巾1.0msecで記録し、
ベタ部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定
し、記録濃度を評価した。 2.地肌濃度 地肌部分の濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測
定し、地肌かぶりを評価した。 3.耐水性 寺岡(株)社製のラベルプリンター印字装置にて印字サ
ンプルを作製し、その印字サンプルを水温25℃の水に
24時間水没させた後の印字部の濃度をマクベス反射濃
度計で測定し、下記の式より残存率を求めて耐水性を評
価した。 耐水性(残存率,%)=(水没後印字部濃度/水没前印字部濃度)×100 4.耐水可塑剤性 寺岡(株)社製のラベルプリンター印字装置にて印字サ
ンプルを作製し、水1リットル当り、食品ラップ(三菱
樹脂社製ダイアラップG)1gを添加した温度25℃の
水中に、印字サンプルを24時間水没させた後の印字部
の濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し、下
記の式より残存率を求めて耐水可塑剤性を評価した。 耐水可塑剤性(残存率,%)=(水没後印字部濃度/水没前印字部濃度)×1 00 5.耐油性 寺岡(株)社製のラベルプリンター印字装置にて印字サ
ンプルを作製し、40℃環境下でヒマシ油をサンプル表
面に塗布し24時間放置させた後、印字部の濃度をマク
ベス反射濃度計RD−914で測定し、次式より残存率
を求めて耐油性を評価した。 耐油性(残存率,%)=(放置後印字部濃度/放置前印字部濃度)×100
製造方法による感熱記録体は、記録濃度から記録感度が
良好であることが裏付けられ、地肌白色度が高く、優れ
た耐薬品性を備えている上に、耐水性及び耐水可塑剤性
に非常に優れていることが認められ更に、耐油性に一層
優れた特性を有していることが認められた。
かぶりが少なくかつ高感度で、耐薬品性、耐油性はもと
より、耐水性や耐水可塑剤性といった記録安定性に優れ
た感熱記録体の製造方法であるから、特に厳しい記録画
像の保存安定性が要求される生鮮食品の包装等に用いら
れる感熱記録型ラベル用紙の製造方法として優れた特性
を発揮することができる感熱記録体の製造方法である。
Claims (2)
- 【請求項1】支持体の少なくとも片面に、無色ないしは
淡色のロイコ染料と該ロイコ染料を熱時発色せしめる顕
色剤を主成分とする感熱記録層と、水性樹脂と充填剤と
を主成分とする保護層を順次積層してなる感熱記録体を
製造する際、該感熱記録層用塗液として下記一般式
(1)で示される化合物の少なくとも1種からなる顕色
剤、水酸化アルミニウムおよび分散剤を共存させてメデ
ィア式湿式分散機で粉砕処理した分散液を配合した塗液
を用いて感熱記録層を形成することを特徴とする感熱記
録体の製造方法。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は置換基を
有していてもよいベンジル基を表わす。) - 【請求項2】前記分散剤が、ジイソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−マレイン酸モノエステル共重合体、スチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メ
タ)アクリル酸−(メタ)アクリルアミド共重合体から
選ばれる少なくとも1種のアンモニウム塩であることを
特徴とする請求項1記載の感熱記録体の製造方法。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
DE69314976T DE69314976T3 (de) | 1992-02-28 | 1993-02-25 | Wärmeempfindliches Aufzeichnungsmaterial und Verfahren zu dessen Herstellung |
US08/022,375 US5296441A (en) | 1992-02-28 | 1993-02-25 | Thermal printing medium and method for preparing the same |
EP93400487A EP0559525B2 (en) | 1992-02-28 | 1993-02-25 | Thermal printing medium and method for preparing the same |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP4-75970 | 1992-02-28 |
Publications (2)
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JPH05301461A JPH05301461A (ja) | 1993-11-16 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4154201A Expired - Fee Related JP2741454B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-05-22 | 感熱記録体の製造方法 |
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Family Cites Families (3)
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---|---|---|---|---|
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JPH0477293A (ja) * | 1990-07-18 | 1992-03-11 | Oji Paper Co Ltd | 感熱記録材料 |
JP3027174B2 (ja) * | 1990-09-19 | 2000-03-27 | 三菱製紙株式会社 | 感熱記録材料 |
-
1992
- 1992-05-22 JP JP4154201A patent/JP2741454B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05301461A (ja) | 1993-11-16 |
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