JP3026210B1 - プリンタ及びプリントシステム - Google Patents

プリンタ及びプリントシステム

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JP3026210B1
JP3026210B1 JP10310488A JP31048898A JP3026210B1 JP 3026210 B1 JP3026210 B1 JP 3026210B1 JP 10310488 A JP10310488 A JP 10310488A JP 31048898 A JP31048898 A JP 31048898A JP 3026210 B1 JP3026210 B1 JP 3026210B1
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三郎 今井
孝司 前田
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 プリント用紙の後端部または先端部において
紙送りに乱れを生じることがなく、従って画質の低下を
起こさないプリンタ及びプリントシステムを実現する。 【解決手段】 キャリッジ5の紙送り上流方向には、フ
ィードローラ2aとピンチローラ3a〜3cが配置さ
れ、下流方向にはフィードローラ2bとピンチローラ3
d〜3fが配置される。上流側ピンチローラ3a〜3c
は、ゴム硬度が他のローラよりも小さく選ばれており、
中央のピンチローラ3bは、他のピンチローラ3a、3
cよりも下流方向にオフセットして設けられている。更
に、下流側フィードローラ2bには、ブレーキ用板ばね
40が接触して設けられている。プリント用紙Pの後端
がフィードローラ2aから離れる場合、オフセットされ
たピンチローラ3a〜3cによって徐々に離れることに
なり、またゴム硬度が小さく設定されているため、プリ
ンタ用紙Pがはじかれることもない。はじかれた場合に
も下流側フィードローラ2bは板ばね40によって容易
には回転しない。このため紙送りピッチが乱れることが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、プリント用紙を紙
送り方向に送るとともに、印字手段によってプリント用
紙に印字するプリンタ及びこのプリンタを用いたプリン
トシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプリンタの例として、感光型マイ
クロカプセルが塗布されたプリント用紙を用いるプリン
タについて説明する。感光型マイクロカプセルが塗布さ
れたプリント用紙を用いるプリンタは、このプリント用
紙を赤色と緑色と青色の三種類の発光素子を備えたプリ
ンタヘッドで走査して潜像を形成させ、潜像が形成され
た前記プリント用紙にプリントローラにより機械的圧力
を加えて現像するものである。前記プリント用紙は基紙
に直径約4ミクロンの感光型マイクロカプセルを均一に
塗布し、その上に顕色剤を含む受像層を塗布し、更にそ
の上にポリエステルフィルムをラミネートしたものであ
る。マイクロカプセル自体は光透過性を有し、且つプリ
ントローラの機械的圧力で破壊される程度の強度を有す
る単なる透明なゼラチンの微小容器である。
【0003】三種類の感光型マイクロカプセルを塗布し
たフルカラー用プリント用紙にR、G、Bの中の一種類
の光、即ち単色光を選択して照射した場合、M、Y、C
三種類の感光型マイクロカプセルの中、前記選択された
単色光と補色関係にある光硬化物質が封入された感光型
マイクロカプセルのみが光に反応して硬化し、他の二種
類は硬化しない。即ちRの光を照射した場合、Cの感光
型マイクロカプセルは、その光硬化物質が赤色光に反応
して硬化し、他の二種類即ちMとYの感光型マイクロカ
プセルは硬化しない。この状態で前記プリント用紙にプ
リントローラの圧力を加えると、MとYの感光型マイク
ロカプセルは完全に破壊されるが、Cの感光型マイクロ
カプセルは破壊されないか又は硬化の程度に応じて不完
全に破壊される。このため、MとYの発色物質が前記プ
リント用紙の受像層に接触し、その領域はMとYを混ぜ
た赤色に発色する。前記のMとYを混ぜた赤色は、Cの
感光型マイクロカプセルの硬化の程度によって色調が変
化する。不完全ではあるがCの感光型マイクロカプセル
は破壊されるので、C用の発色物質が受像層と接触する
からである。同様にGの光を照射した場合はYとCを混
ぜた緑色に発色し、更にBの光を照射した場合はMとC
を混ぜた青色に発色する。
【0004】要するに、三種類の感光型マイクロカプセ
ルを塗布したフルカラー用プリント用紙に波長の異なる
三種類の光、即ちR、G、Bの中の一種類の光を選択し
て照射した場合、当該選択された光が照射された領域は
MとY、YとC又はCとMをそれぞれ混ぜた色に発色す
る。また、前記フルカラー用プリント用紙にR、G、B
の中の二種類の光を選択して照射した場合、当該選択さ
れた二種類の光が照射された領域はM、Y又はCの一つ
に対応した色に発色する。いずれの種類の光も照射され
なかった領域は、M、Y、C全てに対応した発色が行わ
れるから、黒色を呈する。印刷の色調、彩度、明度は照
射光の強さと照射時間を調節することによって行われ
る。
【0005】上述のプロセスに従って感光型マイクロカ
プセルを塗布したフルカラー用プリント用紙にプリント
を行うプリンタA’は、例えば図8に示す如く、発光素
子を備えプリント用紙Pに選択的に光を照射して潜像を
形成させるプリンタヘッドと、潜像が形成されたプリン
ト用紙Pに圧力を加えて現像するプリントローラとを有
するキャリッジ105、キャリッジが走査する方向をガ
イドするキャリッジガイド104、キャリッジ105と
対向して設けられ、プリント用紙Pをその上に載置する
載置テーブル107、プリント用紙Pを所定の速度で一
方向に紙送りさせるための機構の一部であって、キャリ
ッジの上流側に設けられた上流側フィードローラ102
aと、これに対向して設けられ、前記フィードローラ1
02aと協同してプリント用紙Pを挟み込む上流側ピン
チローラ103aと、キャリジの下流側に設けられた下
流側フィードローラ102bと、これに対向して設けら
れ、前記フィードローラ102bと協同してプリント用
紙Pを挟み込む下流側ピンチローラ103bとを有す
る。
【0006】ところでこのように、キャリッジ105を
挟んで、プリント用紙Pが紙送りされる方向の上流と下
流に紙送り機構である2本のフィードローラを設けた構
成では、図9に示すようにプリント用紙Pが上流側フィ
ードローラ102aをはずれた状態であっても、まだ下
流側フィードローラ102bとピンチローラ103bと
がプリント用紙Pを挟み込んでいるので、紙送りするこ
とができ、従ってプリント用紙Pの終端部までプリント
することができるとういう利点がある。
【0007】しかし、プリント用紙Pが上流側フィード
ローラ102aとピンチローラ103aからはずれる瞬
間にプリント用紙Pの送りが一瞬乱れるという現象が発
生するという問題があった。プリント用紙Pが比較的厚
い場合、特に感光型マイクロカプセルを塗布したプリン
ト用紙は、厚みが0.175mmあるために、プリント
用紙Pがフィードローラ102aとピンチローラ103
aからはずれる瞬間に送り方向にはじかれ、送りピッチ
が乱れてしまうのである。この送りの乱れは当然画質の
低下となって現れることになる。プリント用紙の端部ま
でプリントできるという利点を生かしながらも、画像低
下を起こすことのないプリント用紙の送り機構が望まれ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、従来のプ
リンタの有する上記問題点を解決するためになされたも
のであり、その主たる目的は、印字部の前後に配置され
た紙送り機構にプリント用紙の端部が接触する場合、ま
たは離脱する場合に、紙送りが乱れることなく、従って
画質の低下を起こすことのないプリンタ及びプリントシ
ステムを提供することにあある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第一の構成では、プリント用紙に印字する
ための印字手段と、該印字手段の紙送り方向の上流側に
設けられ、前記プリント用紙を紙送り方向に移動させる
上流側フィードローラと、該上流側フィードローラと対
向し、協同して前記プリント用紙を挟持する上流側ピン
チローラと、前記印字手段の紙送り方向の下流側に設け
られ、前記プリント用紙を紙送り方向に移動させる下流
側フィードローラと、該下流側フィードローラと対向
し、協同して前記プリント用紙を挟持する下流側ピンチ
ローラとを有するプリンタにおいて、前記上流側フィー
ドローラ、上流側ピンチローラ、下流側フィードロー
ラ、下流側ピンチローラの内、プリント用紙の後端部で
の紙送りの乱れを対策するためには、上流側ピンチロー
ラの硬度を他のローラよりも小さく、またはプリント用
紙の先端部での紙送りの乱れを対策するためには、下流
側ピンチローラの硬度を他のローラよりも小さくしてプ
リンタを構成した。また、先端部、後端部ともに対策す
る場合には、上流側ピンチローラ、下流側ピンチローラ
ともにその硬度を他のローラよりも小さくする。
【0010】また本発明の第二の構成では、プリント用
紙に印字するための印字手段と、該印字手段の紙送り方
向の上流側に設けられ、前記プリント用紙を紙送り方向
に移動させる上流側フィードローラと、該上流側フィー
ドローラと対向し、協同して前記プリント用紙を挟持す
る上流側ピンチローラと、前記印字手段の紙送り方向の
下流側に設けられ、前記プリント用紙を紙送り方向に移
動させる下流側フィードローラと、該下流側フィードロ
ーラと対向し、協同して前記プリント用紙を挟持する下
流側ピンチローラとを有するプリンタにおいて、前記下
流側フィードローラが受ける外力によって該下流側フィ
ードローラが回転しないようにするブレーキ機構を設け
てプリンタを構成した。
【0011】さらに本発明の第三の構成では、プリント
用紙に印字するための印字手段と、該印字手段の紙送り
方向の上流側に設けられ、前記プリント用紙を紙送り方
向に移動させる上流側フィードローラと、該上流側フィ
ードローラと対向し、協同して前記プリント用紙を挟持
する上流側ピンチローラと、前記印字手段の紙送り方向
の下流側に設けられ、前記プリント用紙を紙送り方向に
移動させる下流側フィードローラと、該下流側フィード
ローラと対向し、協同して前記プリント用紙を挟持する
下流側ピンチローラとを有するプリンタにおいて、プリ
ント用紙の後端部での紙送りの乱れを対策するために
は、前記上流側ピンチローラを複数のローラによって構
成し、該複数のローラの内、一部のローラの回転軸を他
のローラの回転軸よりも紙送り方向下流にオフセットさ
せ、またはプリント用紙の先端部での紙送りの乱れを対
策するためには、前記下流側ピンチローラを複数のロー
ラによって構成し、該複数のローラの内、一部のローラ
の回転軸を他のローラの回転軸よりも紙送り方向上流に
オフセットさせてプリンタを構成した。また、先端部、
後端部ともに対策する場合には、上流側ピンチローラ、
下流側ピンチローラともに上記対策を施す。
【0012】前記第三の構成においては、前記プリンタ
用紙を紙送りするピッチをpとしたとき、前記オフセッ
ト量dをほぼp<d<3pとするのが好適である。前記
第一ないし第三の構成は、適宜組み合わせてプリンタを
構成してもよい。なお、感光性マイクロカプセルを塗布
したプリント用紙を用いるプリンタでは、プリント用紙
の厚みが厚いために、本願発明は特に好適であるが、他
の印字原理によるプリンタにも適用できる。また印字手
段については、ヘッドを走査して印字するシリアルプリ
ンタでも、ラインで印字するラインプリンタでも、いず
れも適用できる。
【0013】さらにまた本発明では、前記各構成による
プリンタと、プリンタに接続した外部装置とを設け、前
記プリンタと外部装置との間で信号を送受信し、前記プ
リンタによってプリントするようにプリントシステムを
構成した。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明の第一の実施例
のプリンタの側面方向から見た拡大断面図を示す。図2
は、プリンタとプリントシステムの平面図を示す。図3
は、プリンタのプリンタ用紙が排出する側より見た断面
図を示す。図2においてAはプリンタ、Bはデジタルカ
メラを示す。プリンタAは、カセットCに感光型マイク
ロカプセルを塗布したプリント用紙を複数枚積層して収
納してあり、このカセットCからプリント用紙を一枚ず
つ繰り出してプリントする機能を持つ。またデジタルカ
メラBは、画像を入力し、これをビデオ出力端子(また
はデジタル出力端子)を通して外部装置に出力する機能
を持つ。プリンタAとデジタルカメラBは、インタフェ
ースケーブルによって接続される。このプリンタAとデ
ジタルカメラBとを接続した形態を、ここではプリント
システムと呼ぶ。このプリントシステムでは、デジタル
カメラBのメモリに格納されている画像データを、イン
タフェースケーブルを通してプリンタに送信し、これを
プリンタAによってカセットCに収納されたプリント用
紙P上にプリントする。
【0015】プリンタAは、次の各部分によって構成さ
れている。 (a) カセットCからプリント用紙Pを繰り出すピッ
クアップローラ1 (b) ピックアップローラ1により繰り出されたプリ
ント用紙Pを間欠送りする上流側のフィードローラ2
a、及びピンチローラ3a、3b、3c (c) 下流側のフィードローラ2b、及びピンチロー
ラ3d、3e、3f (d) フィードローラ2a、2bの間に梁状に設けら
れたキャリッジガイド4(e) キャリッジガイド4に
案内され摺動するキャリッジ5 (f) キャリッジガイド4の上面に備えられ、キャリ
ッジ5に往復動を与えるベルト巻掛け機構6 (g) 上流側のピンチローラ3a、3b、3cの下流
側で、プリント用紙Pを水平に支える載置テーブル7 (h) キャリッジ5に取り付けられていて、載置テー
ブル7の上に導かれるプリント用紙Pに特定の波長の光
を選択的に照射して潜像を形成させる発光ダイオード8
a、8b、8c (i) 載置テーブル7と下流側のピンチローラ3d、
3e、3fの間で、プリント用紙Pと線接触して、これ
を下から受けるプラテン9 (j) キャリッジ5に取り付けられていて、キャリッ
ジ5の走査移動によりプラテン9の上を転動してプリン
ト用紙Pを加圧し、特定の光が当らず硬化しなかったマ
イクロカプセルを圧壊する二つの転動ローラ12a、1
2b (k) 下流側のフィードローラ2bの下流側に設けら
れていて、板ばねにより押され、プリント用紙Pの上面
を加熱して、受像層と接触した発色物質の発色反応を加
速させるヒータ14 (l) キャリッジ5のブラケットに備えられられたリ
ニアセンサ21とバーコードセンサ22 (m) リニアセンサ21に対応して備えられたスケー
ル23 (n) 各可動部品を駆動するモータ15 (o) 20枚の歯車及びワンウエイクラッチからなる
歯車列16 (p) 各部を制御するコントローラ17 (q) 各部に電源を供給するバッテリ18 (各部の構成についての説明)次に各部の詳細について
説明する。
【0016】歯車列16は、モータ15の正転と逆転を
可動部品に伝達する。特に、歯車列16とベルト巻掛け
機構6の結合によって、モータ15を連続回転させるだ
けで、キャリッジ5に往復動を与えることができる。ま
た同時に、キャリッジ5が両端付近を往復する際に、フ
ィードローラ2a、2bによりプリント用紙Pに微小な
送りを与えることができる。この構成を採用することに
よって、モータ15の運転制御が容易となり、手の平に
載るサイズの超小形化を実現することができた。
【0017】コントローラ17は、プリンタのプリント
スイッチのオン信号などを入力すると、プリントの準備
のための動作を行うように各部を制御する。まず、コン
トローラ17は、デジタルカメラBから画像データを入
力し、これを発光ダイオード8a、8b、8cを発光さ
せる電気信号として演算する。次に、モータ15を時計
回りに回転駆動させるためのモータ駆動信号を出力す
る。これによりピックアップローラ1とフィードローラ
2a、2bが回転し、まず、ピックアップローラ1がカ
セットCからプリント用紙Pを繰り出し、続いてフィー
ドローラ2aとピンチローラ3a、3b、3cがプリン
ト用紙Pを挟んで繰り出していく。図示しない用紙セン
サがプリント用紙Pの先端を検知すると、コントローラ
17は、この検出信号を入力して、モータ駆動信号の出
力を停止する。
【0018】次に、コントローラ17は、プリントのた
めの動作を行うように各部を制御する。上記のように、
ピックアップローラ1がカセットCからプリント用紙P
を繰り出した直後に、コントローラ17は、モータ15
を反時計回りに回転駆動させるためのモータ駆動信号を
出力し、同時に、画像データに対応した電気信号を発光
ダイオード8a、8b、8cに出力する。発光ダイオー
ド8a、8b、8cを発光させる電気信号は、リニアセ
ンサ21がスケール23の目盛りを読み取る信号と同期
して出力するように構成されている。
【0019】本発明によるプリンタで用いるプリント用
紙Pは、感光型マイクロカプセル方式のプリンタ用紙と
呼ばれるものである。このプリンタ用紙は、基紙に直径
約4ミクロンの感光型マイクロカプセルを均一に塗布
し、その上に顕色剤を含む受像層を塗布し、更にその上
にポリエステルフィルムをラミネートしたものである。
マイクロカプセル自体は光透過性を有し、且つプリント
ローラの機械的圧力で破壊される程度の強度を有する単
なる透明なゼラチンの微小容器である。
【0020】マイクロカプセルに封入される発色物質は
透明なロイコ染料で、顕色剤を含む受像層と接触して発
色する物質である。発色物質は光の三原色、即ち赤
(R)、緑(G)、青(B)に対応して絵具の三原色、
即ちマゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の
三種類が用意されている。発色物質と抱き合わせてマイ
クロカプセルに封入される光硬化物質は、発色物質が受
像層と接触反応して呈する色と補色関係にある色の光、
即ち特定波長の光によって硬化する物質が選ばれてい
る。即ち緑を吸収して赤紫色を呈するマゼンタ(M)用
の発色物質には緑色光(G)が照射されると硬化する光
硬化物質が選ばれている。同様に、青紫を吸収するイエ
ロー(Y)用の発色物質には青色光(B)が照射される
と硬化する光硬化物質が、また赤を吸収して青紫色を呈
するシアン(C)用の発色物質には赤色光(R)が照射
されると硬化する光硬化物質がそれぞれ選ばれている。
従って、感光型マイクロカプセルはM、Y、Cの三種類
がある。それ故、特殊プリント用紙には一種類の感光型
マイクロカプセルのみを塗布したモノカラー用と三種類
の感光型マイクロカプセルを塗布した256階調のフル
カラー用があり、更にそれぞれに高感度用と低感度用が
ある。このような特殊プリント用紙の発色の原理は次の
通りである。
【0021】例えば三種類の感光型マイクロカプセルを
塗布したフルカラー用特殊プリント用紙にR、G、Bの
中の一種類の光、即ち単色光を選択して照射した場合、
M、Y、C三種類の感光型マイクロカプセルの中、前記
選択された単色光と補色関係にある光硬化物質が封入さ
れた感光型マイクロカプセルのみが光に反応して硬化
し、他の二種類は硬化しない。即ちRの光を照射した場
合、Cの感光型マイクロカプセルは、その光硬化物質が
赤色光に反応して硬化し、他の二種類即ちMとYの感光
型マイクロカプセルは硬化しない。この状態で特殊プリ
ント用紙にローラの圧力を加えると、MとYの感光型マ
イクロカプセルは完全に破壊されるが、Cの感光型マイ
クロカプセルは破壊されないか又は硬化の程度に応じて
不完全に破壊される。このため、MとYの発色物質が特
殊プリント用紙の受像層に接触し、その領域はMとYを
混ぜた赤色に発色する。前記のMとYを混ぜた赤色は、
Cの感光型マイクロカプセルの硬化の程度によって色調
が変化する。不完全ではあるがCの感光型マイクロカプ
セルは破壊されるので、C用の発色物質が受像層と接触
するからである。同様にGの光を照射した場合はYとC
を混ぜた緑色に発色し、更にBの光を照射した場合はM
とCを混ぜた青色に発色する。
【0022】要するに、三種類の感光型マイクロカプセ
ルを塗布したフルカラー用特殊プリント用紙にR、G、
Bの中の一種類の光を選択して照射した場合、当該選択
された光が照射された領域はMとY、YとC又はCとM
をそれぞれ混ぜた色に発色する。また、前記フルカラー
用特殊プリント用紙にR、G、Bの中の二種類の光を選
択して照射した場合、当該選択された二種類の光が照射
された領域はM、Y又はCの一つに対応した色に発色す
る。いずれの種類の光も照射されなかった領域は、M、
Y、C全てに対応した発色が行われるから、黒色を呈す
る。印刷の色調、彩度、明度は照射光の強さと照射時間
を調節することによって行われる。
【0023】カセットCは、上記のプリント用紙Pを例
えば10枚程度積層して収納したもので、プリンタAと
は着脱自在に設けられたものである。このカセットC
は、プリンタAのケースに開口されたカセット差し込み
口より差し込んで使われる。カセットCをカセット差し
込み口に差し込むと、プリント用紙Pがピックアップロ
ーラ1に密着するように構成されている。
【0024】ピックアップローラ1は、ゴムローラであ
り支軸に自由に回転するように取り付けられている。モ
ータ15が時計回りに回転するときに、支軸の回転はピ
ックアップローラ1に伝達され、このためピックアップ
ローラ1は、プリント用紙Pを繰り出す方向に回転す
る。フィードローラ2a、2b、及びピンチローラ3a
〜3fは、鋼製軸体にゴム製筒体をはめて固定したもの
である。上流側ピンチローラ3a、3b、3cは、それ
ぞれ3本の独立したローラからなり、上流側のフィード
ローラ2aの下側に、自由に回転するように配列され、
かつフィードローラ2aを押すようにばねにより支持さ
れている。中央のピンチローラ3bは、図4に示すよう
に、他の2本のピンチローラ3a、3bからプリント用
紙の送り方向にdだけその中心がオフセットされて設け
られている。オフセット量dは、プリント用紙Pを紙送
りするピッチをpとしたときに、ほぼp<d<3pとす
ることが望ましい。本実施例ではp=0.17mmであ
り、d=0.35mmとした。下流側のピンチローラ3
d、3e、3fは、下流側のフィードローラ2bの下側
に配列され、かつフィードローラ2bを押すようにばね
により支持されている。これらのピンチローラは全てが
同軸に配置されている。
【0025】これらのフィードローラ、ピンチローラの
内、上流側、下流側フィードローラ2a、2bのゴム硬
度は90度、下流側ピンチローラ3d、3e、3fのゴ
ム硬度は70度とした。上流側のピンチローラ3a、3
b、3cのゴム硬度は、他のローラの硬度よりも柔らか
く25度とした。また、下流側フィードローラ2bは、
後で説明するように駆動側とはワンウエイクラッチによ
り接続されており、ローラの下の面を用紙送り方向に動
かそうとする力に対しては自由に回転するようになって
いる。この動きを妨げるために、図7に示すように、フ
ィードローラ2bにはブレーキ用の板ばね40が接触す
るように設けられている。フィードローラ2bは、ブレ
ーキ用板ばね40との摩擦によって回転が妨げられるよ
うにしているが、この摩擦力は、プリント用紙の後端が
上流側フィードローラ2aとピンチローラ2a、2b、
2cからはずれるときに発生する、プリント用紙を紙送
り方向に押す力によっては用意に下流側フィードローラ
2bが回転しない程度としておくことが必要である。
【0026】ベルト巻掛け機構6は、キャリッジガイド
4に設けられた垂直軸に取り付けられた原動側タイミン
グプーリ6aと従動側タイミングプーリ6b、及び両プ
ーリ6a、6bに巻き掛けられたタイミングベルト6c
とからなる。タイミングベルト6cには循環ピン25が
設けられている。キャリッジ5は、梁状のキャリッジガ
イド4に案内され、走査方向に往復するように設けられ
ている。タイミングベルト6cに設けられた循環ピン2
5は、キャリッジ5に設けられた長孔5aに挿入されて
いる。モータ15が反時計回りに回転すると、モータ1
5の回転は歯車列16を介して原動側タイミングプーリ
6aに伝達され、タイミングベルト6cが平面方向に見
て反時計回りに走行する。キャリッジ5は、循環ピン2
5との係合によって、タイミングベルト6cの走行に追
従し、プリント用紙Pの送り方向に対して直交する方向
に往復走査するようになっている。
【0027】キャリッジ5には、その下部にLED取付
けプレートが設けられ、このLED取付けプレートに
は、発光ダイオード8a、8b、8cが取り付けられて
いる。これらの発光ダイオードは、いずれも高輝度の発
光ダイオードである。発光ダイオード8aは3個配設さ
れ、赤色の波長の光を発光する。前記のように、発光ダ
イオード8aが発光する赤色光は、プリント用紙Pに塗
布されているマイクロカプセルのシアン色に発色する発
色物質と一緒に封入された光硬化物質を硬化させる。ま
た、発光ダイオード8bも3個配設され、緑色の波長の
光を発光する。発光ダイオード8bが発光する緑色光
は、マゼンタ色に発色する発色物質と一緒に封入された
光硬化物質を硬化させる。さらに、発光ダイオード8c
も3個配設され、青色の波長の光を発光する。発光ダイ
オード8cが発光する青色光は、黄色に発色する発色物
質と一緒に封入された光硬化物質を硬化させる。これら
の発光ダイオード8a、8b、8cが発した光は、キャ
リッジ5に開けられたされたピンホールを通してプリン
ト用紙Pに照射される。なお、発光ダイオードの個数
は、必要とする光の強度に応じて変えればよい。
【0028】前記のコントローラ17は、デジタルカメ
ラBから画像データを入力し、この画像データに基づい
て、発光ダイオード8a、8b、8cの発光量を演算す
る。また、コントローラ17は、前記キャリッジ5が走
査方向に移動するとき、画像データに応じて発光ダイオ
ード8a、8b、8cを発光させる。このとき、リニア
センサ21がスケール23の目盛りを読み取った信号と
同期して発光させるように制御している。
【0029】プラテン9と転動ローラ12a、12b
は、プリント用紙Pの一点を高い圧力で加圧して、プリ
ント用紙Pに塗布されているマイクロカプセルを圧壊す
る役割を果たす加圧手段を構成している。プラテン9
は、プリント用紙Pの送り方向に対して直交する方向に
配置されており、その転動ローラ12aと接触する部位
は、プリント用紙Pの送り方向に沿った断面形状が上に
凸となっている。またシャシに固定されたばねにより、
転動ローラ12aの方向に持ち上げられている。プラテ
ン9と転動ローラ12aの接触は点接触であり、接触圧
が約800gとなるようにばねのばね圧が調整されてい
る。また、プラテン9は、キャリッジ5が両端に位置す
るときは、カム機構によって下方向に移動し、転動ロー
ラ12aがプリント用紙Pから離れるようにしている。
【0030】歯車列16は、後述するゼネバ歯車16r
を有しており、上記のように転動ローラ12aがプリン
ト用紙Pから離れている間に、このゼネバ歯車16rの
一枚の歯と歯車16sとの噛合が行われる。こうして、
プリント用紙Pがプラテン9と転動ローラ12aで挟ま
れていないときに、モータ15の回転がピックアップロ
ーラ1とフィードローラ2a、2bに伝達され、フィー
ドローラ2a、2bがプリント用紙Pに微少寸法送りを
与えるようになっている。
【0031】ヒータ14は、フィードローラ2a、2b
により送られるプリント用紙Pを、板ばねとの間に通し
て、これを加熱する。プリント用紙Pの圧壊されたマイ
クロカプセルの発色物質は、受像層に接触し、さらにこ
のヒータ14によって加熱され発色が加速される。な
お、この実施例では、ヒータ14は、下流側のフィード
ローラ2bの下流側に設けられているが、プリント用紙
Pがヒータ14と板ばねに挟まれたままになると過熱状
態になるので、ヒータ14は、下流側のフィードローラ
2bの上流側に設けることが好ましい。 (歯車列の構成と動作についての説明)次に、歯車列1
6の構成と動作について図5と図6を参照しながら詳述
する。
【0032】図5に示すように、まずモータ15の回転
は、歯車16a(歯数12)と歯車16b(歯数84)
との噛合によって軸31に伝達される。次に、軸31の
回転は、ワンウエイクラッチ32aを介して歯車16c
(歯数30)に伝達される。さらに、歯車16cの回転
は、歯車16d(歯数20)と歯車16e(歯数30)
との噛合によって、歯車16eに同軸に固定された傘歯
車16f(歯数30)に伝達される。さらに、傘歯車1
6fの回転は、傘歯車16g(歯数15)との噛合によ
って、傘歯車16gに固定して設けられた歯車16h
(歯数15)に伝達される。さらに、歯車16hの回転
は、歯車16i(歯数15)に伝達される。歯車16i
は、ベルト巻掛け機構6の原動側タイミングプーリ6a
と一体に設けられており、ベルト巻掛け機構6が走行す
ることによって、キャリッジ5が往復動することにな
る。
【0033】次に、キャリッジ5が端に位置してUター
ンする度に、モータ15の回転をピックアップローラ1
とフィードローラ2a、2bに伝達するための動力伝達
経路について述べる。図6に示すように、モータ15の
回転は、歯車16aと歯車16bとの噛合によって軸3
1に伝達される。次に、軸31の回転は、ワンウエイク
ラッチ32aを介して歯車16p(歯数12)に伝達さ
れる。さらに、歯車16pの回転は、歯車16q(歯数
30)との噛合によって、歯車16qと同軸に固定され
たゼネバ歯車16r(歯数1)に伝達される。さらに、
ゼネバ歯車16rの回転は、歯車16s(歯数18)に
伝達されるが、ゼネバ歯車16rの歯は一枚なので、ゼ
ネバ歯車16rが一回転するごとに、歯車16sはその
歯一枚分の角度だけ回転することになる。こうしてゼネ
バ歯車16rの連続的な回転は、歯車16sの間欠回転
に変換される。そしてこの歯車16sの間欠回転は、歯
車16sと同軸に固定された歯車16t(歯数12)に
伝達される。さらに、歯車16tの間欠回転は、歯車1
6u(歯数38)との噛合によって、歯車16uの軸部
と、歯車16nの軸孔の間に設けたワンウエイクラッチ
32dを介して歯車16nに伝達される。さらに、歯車
16nの間欠回転は、歯車16mと歯車16oの噛合に
よって、歯車16mに同軸に固定されたフィードローラ
2a、および歯車16oに同軸に固定されたフィードロ
ーラ2bに伝達される。こうして、キャリッジ5が端に
位置してUターンする度に、フィードローラ2a、2b
が微小角度回転してプリント用紙Pを毎回微少寸法送る
ことになる。
【0034】下流側フィードローラ2bは、ワンウエイ
クラッチ32dの働きによって、ローラの下の面を用紙
送り方向に動かそうとする力に対しては自由に回転する
ようになっている。しかし前述のように、フィードロー
ラ2bにはブレーキ用の板ばね40が接触するように設
けられており、プリント用紙の後端が上流側フィードロ
ーラ2aとピンチローラ2a、2b、2cからはずれる
ときに、プリント用紙を紙送り方向に押す力が発生して
も回転しないようになっている。
【0035】次に、本発明によるプリンタの動作につい
て、すでに説明した内容を整理して説明する。プリント
時にモータ15は、反時計回りに回転する。このモータ
15の回転は、歯車列16の動力伝達経路を介してベル
ト巻掛け機構6に伝達される。そしてベルト巻き掛け機
構6が走行することによって、キャリッジ5が往復動を
開始する。同時に、モータ15の回転は、歯車列16の
動力伝達経路を介して、ピックアップローラ1とフィー
ドローラ2a、2bに伝達される。
【0036】キャリッジ5が往復動する間、発光ダイオ
ード8a、8b、8cは、画像データに対応してプリン
ト用紙Pに光を照射して、プリント用紙上に潜像を形成
させる。このとき同時に、転動ローラ12aは、プリン
ト用紙P上を直線状に加圧して、硬化しなかったマイク
ロカプセルを圧壊して現像を行う。一方、キャリッジ5
が両端にいる間に、フィードローラ2a、2bが、プリ
ント用紙Pを微少寸法送る。
【0037】ヒータ14は、プリント用紙Pを加熱す
る。プリント用紙Pの圧壊されたマイクロカプセルの発
色物質は、受像層に接触し、さらにこのヒータ14によ
って加熱され、発色が加速される。以上の動作を繰り返
して、プリント用紙Pの全面に対してプリントを行う。
では次に、プリント用紙が上流側フィードローラ2aか
らはずれるときの動作について図7を参照しながら説明
する。
【0038】図7において位置aは、ある時点でのプリ
ント用紙Pの後端の位置を表している。この状態では、
プリント用紙Pの後端は、上流側フィードローラ2aと
上流側ピンチローラ3a,3b、3cによって挟持され
ている。もちろん下流側フィードローラ2bと下流側ピ
ンチローラ3d、3e、3fもプリント用紙Pを挟持し
ている。
【0039】この状態で紙送りが行われると、次の状態
では、プリント用紙Pの後端は、位置aから紙送りピッ
チp=0.17mmだけ下流に移動した位置bに移動す
る。移動する途中、プリント用紙Pの後端がピンチロー
ラ3a、3cからはずれる瞬間には、従来のプリンタで
はプリンタ用紙Pを紙送り方向に「はじく」現象があっ
たが、この実施例では上流側ピンチローラのゴム硬度が
25度と柔らかく設定されているために、はじく力はか
なり減少させることができた。また、上流側ピンチロー
ラの内、中央のピンチローラ3bは、下流側にd=0.
35mmだけオフセットしているので、プリント用紙P
は、ピンチローラ3a、3cからははずれるものの、ま
だピンチローラ3bによって挟持される状態となってお
り、はじかれることがない。さらにまた、たとえはじか
れる力が発生したとしても、下流側フィードローラ2b
がブレーキ用板ばね40と接触していることによって、
自由な回転が発生しないようになっている。このためプ
リント用紙Pは正確に1ピッチpだけ送られることにな
り、紙送りが乱れることがない。
【0040】さらに紙送りが行われると、プリント用紙
Pは中央のピンチローラ3bからもはずれるようになる
が、前記のようにピンチローラ3bはゴム硬度が25と
柔らかく設定されているため、はじく力は小さい。また
ピンチローラ3bは全幅に対しほぼ1/3の幅でしかな
いので、はじく力はいっそう小さくなっている。下流側
フィードローラ2bとブレーキ用板ばね40の働きは、
前記の通りである。
【0041】なお、本実施例ではp=0.17mm、d
=0.35mmに設定してあり、ほぼd=2pの関係と
なっている。そしてこの状態で、連続する二回の紙送り
によってプリント用紙はしだいにピンチローラからはず
れるようになっている。しかし、他のパラメータに関わ
る設計条件によっては、最初の位置から次の送りが行わ
れたときに、すべてのピンチローラからはずれてしまう
こともある。このために、オフセット量dは3p以下の
範囲で調整する必要がある。
【0042】以上のように、本実施例では、プリント用
紙後端部が上流側フィードローラからはずれる状態にな
っても、正確な紙送りが行われピッチが乱れることがな
い。このためプリント用紙の後端においても印字品質が
劣化することがない。なお、上記実施例では、上流側ピ
ンチローラの一部をオフセットを取って設けたこと、上
流側ピンチローラのゴム硬度を小さくしたこと、下流側
フィードローラにブレーキ用板ばねを設けたこと、の全
ての対策を施した。しかし、条件によっては一部の対策
のみで十分な効果を得ることができる場合もあるので、
全てを同時に採用する必要はない。いずれかを選択して
採用すればよい。 (その他の実施例)前記実施例によれば、プリント用紙
の後端部での紙送りの乱れを防止することができる。次
のように構成を変えることによって、プリント用紙の先
端部での紙送りの乱れを防止することができる。
【0043】たとえば、下流側ピンチローラのゴム硬度
を前記実施例と同様に25度とするとともに、中央のピ
ンチローラ3eを紙送り上流方向にほぼp<d<3pな
る関係を有するオフセット量dだけオフセットさせて設
ける。このように構成すれば、プリント用紙Pの先端部
は、下流側フィードローラ2bと下流側ピンチローラ3
d、3e、3fとに、小さな力で食いつくことになるの
で、上流側に押し戻されることがない。従ってプリント
用紙先端部での紙送りの乱れを防止することができ、印
字品質が劣化することがない。
【0044】前記実施例は、感光型マイクロカプセルを
塗布したプリント用紙を用いるプリンタにおいて実施し
たものである。しかし本願は、上流側と下流側に2本の
フィードローラを設けてプリント用紙を送り、それらの
間に印字手段を有する構成のプリンタであれば同様の効
果を有する。たとえば、印字手段をライン状に配置した
ラインプリンタであってもよい。またプリント用紙は普
通紙を使うものであってもよい。たとえば葉書やOHP
(オーバーヘッドプロジェクタ)シートのように、比較
的厚いプリント用紙を使うプリンタでは特に有効であ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本願発明によ
るプリンタでは、プリント用紙に印字するための印字手
段と、印字手段の紙送り方向の上流側に設けられ、プリ
ント用紙を紙送り方向に移動させる上流側フィードロー
ラと、上流側フィードローラと対向し、協同してプリン
ト用紙を挟持する上流側ピンチローラと、印字手段の紙
送り方向の下流側に設けられ、プリント用紙を紙送り方
向に移動させる下流側フィードローラと、下流側フィー
ドローラと対向し、協同してプリント用紙を挟持する下
流側ピンチローラとを有するプリンタにおいて、前記上
流側フィードローラ、上流側ピンチローラ、下流側フィ
ードローラ、下流側ピンチローラの内、上流側ピンチロ
ーラの硬度を他のローラよりも小さくした。または下流
側ピンチローラの硬度を他のローラよりも小さくした。
【0046】または、前記プリンタにおいて、下流側フ
ィードローラが受ける外力によってフィードローラが回
転しないようにするブレーキ機構を設けた。または、前
記プリンタにおいて、上流側ピンチローラを複数のロー
ラによって構成し、複数のローラの内、一部のローラの
回転軸を他のローラの回転軸よりも紙送り方向下流にオ
フセットさせた。または、下流側ピンチローラを複数の
ローラによって構成し、複数のローラの内、一部のロー
ラの回転軸を他のローラの回転軸よりも紙送り方向上流
にオフセットさせた。
【0047】または、これらの構成を適宜組み合わせて
プリンタを構成した。このように構成したプリンタによ
れば、ピンチローラのゴム硬度が柔らかく設定されてい
るために、たとえばプリント用紙が上流側ピンチローラ
からはずれる場合であっても、プリント用紙が下流方向
にはじかれることがない。また上流側ピンチローラの一
部がオフセットして設けられていることから、紙送りご
とにプリント用紙が挟持される力がしだいに小さくな
り、プリント用紙を下流方向にはじく力も小さくなる。
さらに下流側フィードローラにはブレーキ用板ばねが設
けられていることにより、プリント用紙を下流方向には
じく力がたとえ発生したとしても、プリント用紙が下流
方向に送りピッチ以上に送られることがない。このよう
にプリント用紙の後端部においても、正確に1ピッチだ
けプリント用紙を送ることができ、紙送りが乱れること
がない。従ってプリント用紙の後端部においても画質が
低下することがない。また、下流側ピンチローラの一部
がオフセットして設けられていることにより、プリント
用紙の先端がローラに小さな力で食いつくため、上流側
に押し戻されることがない。従って、プリント用紙先端
部での紙送りの乱れを防止することができ、画質が低下
することがないプリンタを実現することができた。
【0048】また、前記構成によるプリンタと、このプ
リンタに外部装置を接続することによってプリントシス
テムを構成した。このプリントシステムにおいても、前
記プリンタと同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例のプリンタの側面方向か
らみた拡大断面図である。
【図2】本発明の第一の実施例のプリンタとプリントシ
ステムを示す平面図である。
【図3】本発明の第一の実施例のプリンタのプリンタ用
紙を排出する側より見た断面図である。
【図4】本発明の第一の実施例のプリンタにおける上流
側ピンチローラの配置を示した説明図である。
【図5】本発明の第一の実施例のプリンタに採用した歯
車列の第一の動力伝達経路を説明するための概念図であ
る。
【図6】本発明の第一の実施例のプリンタに採用した歯
車列の第二の動力伝達経路を説明するための概念図であ
る。
【図7】本発明の第一の実施例のプリンタにおける、プ
リンタ用紙が上流側ピンチローラからはずれる状態の動
作を説明するための説明図である。
【図8】図8は、従来のプリンタの、側面方向からみた
拡大断面図である。
【図9】図9は、従来のプリンタの、フィードローラ部
を側面方向からみた拡大断面図である。
【符号の説明】
A プリンタ B デジタルカメラ C カセット P プリント用紙 1 ピックアップローラ 2a、2b フィードローラ 3a、3b ピンチローラ 4 キャリッジガイド 5 キャリッジ 5a 長孔 6 ベルト巻掛け機構 6a 原動側タイミングプーリ 6b 従動側タイミングプーリ 6c タイミングベルト 7 載置テーブル 8a、8b、8c 発光ダイオード 9 プラテン 12a、12b 転動ローラ 14 ヒータ 15 モータ 16 歯車列 16a〜16e、16h〜16q、16s〜16u
歯車 16r ゼネバ歯車 16f〜16g 傘歯車 17 コントローラ 18 バッテリ 21 リニアセンサ 22 バーコードセンサ 23 スケール 25 循環ピン 32a、32b、32c、32d ワンウエイクラッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−226976(JP,A) 特開 昭62−244837(JP,A) 特開 平1−271334(JP,A) 特開 平8−267856(JP,A) 特開 平9−249328(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 5/06 B41J 13/00 - 13/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント用紙に印字するための印字手段
    と、 該印字手段の紙送り方向の上流側に設けられ、前記プリ
    ント用紙を紙送り方向に移動させる上流側フィードロー
    ラと、 該上流側フィードローラと対向し、協同して前記プリン
    ト用紙を挟持する上流側ピンチローラと、 前記印字手段の紙送り方向の下流側に設けられ、前記プ
    リント用紙を紙送り方向に移動させる下流側フィードロ
    ーラと、 該下流側フィードローラと対向し、協同して前記プリン
    ト用紙を挟持する下流側ピンチローラとを有し、 前記プリント用紙を、一定の紙送りピッチで間欠的に紙
    送りする プリンタにおいて、前記上流側ピンチローラを複数のローラによって構成
    し、前記プリント用紙を紙送りするピッチをpとしたと
    き、前記複数のローラの内、一部のローラの回転軸を他
    のローラの回転軸よりも紙送り方向下流に、ほぼp<d
    <3pなる関係を有するオフセット量dだけオフセット
    させた ことを特徴とするプリンタ。
  2. 【請求項2】 プリント用紙に印字するための印字手段
    と、 該印字手段の紙送り方向の上流側に設けられ、前記プリ
    ント用紙を紙送り方向に移動させる上流側フィードロー
    ラと、 該上流側フィードローラと対向し、協同して前記プリン
    ト用紙を挟持する上流側ピンチローラと、 前記印字手段の紙送り方向の下流側に設けられ、前記プ
    リント用紙を紙送り方向に移動させる下流側フィードロ
    ーラと、 該下流側フィードローラと対向し、協同して前記プリン
    ト用紙を挟持する下流側ピンチローラとを有し、 前記プリント用紙を、一定の紙送りピッチで間欠的に紙
    送りする プリンタにおいて、前記下流側ピンチローラを複数のローラによって構成
    し、前記プリント用紙を紙送りするピッチをpとしたと
    き、前記複数のローラの内、一部のローラの回転 軸を他
    のローラの回転軸よりも紙送り方向上流に、ほぼp<d
    <3pなる関係を有するオフセット量dだけオフセット
    させた ことを特徴とするプリンタ。- 1 -
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