JPH10319560A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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Publication number
JPH10319560A
JPH10319560A JP12762597A JP12762597A JPH10319560A JP H10319560 A JPH10319560 A JP H10319560A JP 12762597 A JP12762597 A JP 12762597A JP 12762597 A JP12762597 A JP 12762597A JP H10319560 A JPH10319560 A JP H10319560A
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JP
Japan
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photosensitive recording
width
exposure
light
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Application number
JP12762597A
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English (en)
Inventor
Koji Miki
孝司 三木
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/18Character-spacing or back-spacing mechanisms; Carriage return or release devices therefor
    • B41J19/20Positive-feed character-spacing mechanisms

Landscapes

  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Photographic Developing Apparatuses (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光記録媒体の幅に応じて現像に要する時間
を変更し、露光に要する時間と現像に要する時間とをマ
ッチングさせて、効率よく画像形成することができる画
像形成装置を提供する。 【解決手段】 2つの検出センサ22A,22Bをマイ
クロカプセル紙の送り経路に配設し、その検出結果に基
づき、CPU70の幅検出手段70Aがマイクロカプセ
ル紙の幅を検出する。そのマイクロカプセル紙の幅に応
じて、CPU70の走査幅変更手段70Bが駆動モータ
54を、速度変更手段70Cが駆動モータ23,60を
それぞれ制御し、キャリッジ48の走査幅、送り手段2
1,25による送り速度及び圧力現像手段45による現
像速度を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報に対応す
る造像光の露光により画像情報の潜像を、感光記録媒体
の表面に形成し、現像により該画像情報を顕在化させる
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば米国特許第4440846号及び
第4399209号には、内部位相に感光物質を含むマ
イクロカプセルを備えた感光層が画像状に放射線に対し
露光され、均一な破裂力をかけられ、それによりマイク
ロカプセルが破裂して内部位相物質を画像状に放出する
画像システムが開示されている。このシステムでは、露
光によりマイクロカプセルの機械的強度が変化して露光
潜像が形成され、圧力を加えることにより機械的強度が
弱いカプセル(感光硬化しなかったカプセルや感光軟化
したカプセル)が破壊されて色材としての色彩発生物質
(発色剤)が流出し、現像物質と反応して色彩画像を形
成することにより現像が行われるものが記載されてい
る。
【0003】前記公報の画像システムにおいて、加圧現
像の際、露光後の感光記録媒体を上下1対の加圧現像ロ
ーラ間を通過させることで、感光硬化していないマイク
ロカプセルや感光軟化したマイクロカプセルが破壊され
て現像がなされる。また、特開昭62−161153号
公報には、前記1対の加圧現像ローラの代わりに、点接
触ボールを感光記録媒体に走査して現像する技術が記載
されている。
【0004】これに対し、本体ケースの、例えば前部に
着脱可能に装着され、未露光の感光記録媒体を収容する
遮光性カセットと、該カセット内より給紙ローラにて感
光記録媒体を取り出す給紙機構と、本体ケースの外部に
設けられた排紙トレイ部と、該排紙トレイ部に排紙ロー
ラにて定着後の感光記録媒体を排出する排紙機構と、前
記給紙ローラから排紙ローラまで感光記録媒体を一定の
タイミングで送る送り手段と、前記感光記録媒体を露光
に先立って予熱する予熱ヒータと、搬送中の感光記録媒
体を、その幅方向に露光ヘッドを走査させつつ露光する
露光機構と、1対の加圧現像ローラにて感光記録媒体を
加圧して現像する現像機構と、現像後の感光記録媒体を
加熱して定着する定着用ヒータとを有する感光感圧プリ
ンタを出願人は案出し、出願中である。
【0005】ところで、このようなプリンタにおいて
は、露光機構の露光ヘッドを、感光記録媒体をその幅方
向に往復走査させて1露光ラインずつ露光させるため
に、1露光ラインについての露光が終了するまでの間は
感光記録媒体の送りを停止しておく必要があることか
ら、感光記録媒体を、連続送りではなく、間欠送りする
必要が生ずる。
【0006】ところで、かかるプリンタにおいて、単
に、感光記録媒体の送りを間欠送りとして、露光を行う
ようにすると、加圧現像のための送りも間欠送りになっ
て、加圧現像時においても、露光時と同様に、感光記録
媒体が移動、停止を繰り返すこととなる。その結果、感
光記録媒体の各部位によって、加圧現像ローラによる加
圧時間が異なってくるため、現像ムラ(色彩ムラ)の原
因となりやすい。
【0007】そこで、露光部においては感光記録媒体を
間欠送りし、加圧現像部においては感光記録媒体を連続
送りすることが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うなプリンタにおいては、幅の異なる複数種類の感光記
録媒体に画像形成を行う場合に、感光記録媒体の変更に
より感光記録媒体の幅が異なると、露光ヘッドの往復移
動幅(走査幅)が変わり露光に要する時間が変化する
が、加圧現像部においては、感光記録媒体の幅にかかわ
りなく、一定の速度での連続送りが維持され、露光に要
する時間の変化に対応することができない。
【0009】具体的には、例えば、感光記録媒体の幅が
小さいものを基準に、加圧現像ローラによる連続送り速
度を設定すると、感光記録媒体が幅の大きいものに変更
されると、露光ヘッドの往復移動幅が大きくなって露光
に要する時間が長くなるが、加圧現像ローラによる連続
送り速度は変化しないので、現像に要する時間が変化せ
ず、加圧現像部での送り速度が、露光部での送り速度よ
りも速くなり、加圧現像ローラが感光記録媒体を引き出
す傾向となり、露光ムラの原因となるおそれがある。一
方、感光記録媒体の幅を大きいものを基準に、加圧現像
ローラによる連続送り速度を設定すると、感光記録媒体
が幅の小さいものに変更されると、露光ヘッドの往復移
動幅が小さくなって露光に要する時間が短くなるが、加
圧現像ローラによる連続送り速度は変化しないので、現
像に要する時間が変化せず、加圧現像部での送り速度
が、露光部での送り速度よりも遅くなり、現像遅れの原
因となる。
【0010】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、感光記録媒体の幅に応じて現像に要する時間を変更
し、露光に要する時間と現像に要する時間とをマッチン
グさせて、効率よく画像形成することができる画像形成
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、所定
波長の光に感光する感光材料を有する感光記録媒体と、
該感光記録媒体の幅方向において往復相対移動され前記
所定波長の光を前記感光記録媒体へ照射する露光手段
と、前記感光記録媒体と露光手段との間に前記感光記録
媒体に沿って相対移動を発生させるための相対移動手段
と、前記露光手段により露光され前記相対移動手段によ
り相対移動せしめられる感光記録媒体を現像する現像手
段とを備える画像形成装置を前提とし、前記感光記録媒
体の幅を検出する幅検出手段と、該幅検出手段の信号を
受け、前記感光記録媒体の幅に応じて、前記現像手段に
よる現像速度を変更する速度変更手段とを備えるもので
ある。よって、露光手段が感光記録媒体に対して往復移
動するものだけでなく、露光手段に対して感光記録媒体
が往復移動するものや、露光手段と感光記録媒体との両
方が相対的に往復移動するものでもよく、要は、それら
の間に相対的な移動が発生するものがすべて含まれる。
【0012】請求項1の発明によれば、幅検出手段にて
感光記録媒体の幅が検出され、該幅検出手段の信号を受
けた速度変更手段によって、前記感光記録媒体の幅に応
じて、前記現像手段による現像速度が変更される。その
結果、露光に要する時間に対し現像に要する時間がマッ
チングされて、効率よく画像形成がなされる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の画像形成装
置において、前記感光記録媒体が、色材を内包し所定波
長の光に感光して機械的強度が変化する多数のマイクロ
カプセルを備えかつ露光により潜像を形成可能なもので
あり、前記現像手段が、露光手段の露光により潜像が形
成された感光記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイ
クロカプセルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材
を介して潜像を顕在化させるものである。
【0014】請求項2の発明によれば、感光記録媒体
が、色材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が
変化する多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により
潜像を形成可能なものであることから、露光手段の露光
により潜像が形成される。そして、現像手段により、前
記潜像が形成された感光記録媒体が加圧され、機械的強
度の低いマイクロカプセルが破壊され、マイクロカプセ
ルから出る色材を介して潜像が顕在化せしめられる。
【0015】請求項3の発明は、請求項2の画像形成装
置において、前記相対移動手段が、感光記録媒体を前記
露光手段に対し間欠送りする間欠送り手段であり、前記
現像手段が、1対の圧力現像ローラにて感光記録媒体を
その幅方向に挟持して連続的に圧力現像する圧力現像ロ
ーラ手段であり、前記間欠送り手段と圧力現像ローラ手
段との間に、一定量の感光記録媒体を蓄積するバッファ
部が形成されている。ここで、前記間欠送り手段として
は、送りローラ、送りベルト等の送り回転体や、その他
の適宜の機構が用いられる。
【0016】請求項3の発明によれば、前記相対移動手
段である間欠送り手段によって、感光記録媒体が前記露
光手段に対し間欠送りされ、前記現像手段である圧力現
像ローラ手段の、1対の圧力現像ローラによって、感光
記録媒体がその幅方向において挟持されて連続的に圧力
現像される。また、間欠送り手段にて間欠送りされる感
光記録媒体が、バッファ部において一定量蓄積された状
態で、圧力現像ローラ手段の圧力現像ローラにて連続的
に圧力現像され、間欠送りから連続的な圧力現像のため
の送りに無理なく移行せしめられる。
【0017】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの画像形成装置において、前記幅検出手段が、前記感
光記録媒体の送り経路に配設され前記感光記録媒体の側
縁部を検出する複数個の検出センサを有し、該検出セン
サによる検出結果に基づき前記感光記録媒体の幅を検出
するものである。
【0018】請求項4の発明によれば、感光記録媒体の
送り経路に、前記感光記録媒体の側縁部を検出する複数
個の検出センサが配設されていることから、該検出セン
サによる検出結果に基づき、前記感光記録媒体の幅が検
出される。
【0019】請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの画像形成装置において、更に、前記感光記録媒体を
収納する遮光性カセットを備え、前記幅検出手段が、前
記感光記録媒体の送り経路に配設され前記遮光性カセッ
トの側縁部を検出する複数個の検出センサを有し、該検
出センサによる検出結果に基づき前記感光記録媒体の幅
を検出するものである。ここで、前記遮光性カセット
は、所定形状の感光記録媒体を積層状態で収納する場合
は勿論、例えばロール形状に収納され、画像形成時に所
定形状となるようにカットされるようなものでもよい。
【0020】請求項5の発明によれば、感光記録媒体の
送り経路に、前記遮光性カセットの側縁部を検出する複
数個の検出センサが配設されていることから、該検出セ
ンサによる検出結果に基づき、前記感光記録媒体の幅が
検出される。
【0021】請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの画像形成装置において、更に、前記感光記録媒体を
収納する遮光性カセットを備え、前記幅検出手段が、前
記遮光性カセットの種類を判別し、その判別結果に基づ
き前記遮光性カセットに収納されている感光記録媒体の
幅を検出するものである。
【0022】請求項6の発明によれば、幅検出手段によ
って遮光性カセットの種類が判別され、その判別結果に
基づき、前記遮光性カセットに収納されている感光記録
媒体の幅が検出される。
【0023】請求項7の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの画像形成装置において、更に、操作者によって、感
光記録媒体の幅に応じて切り換えられるマニュアルスイ
ッチを備え、前記幅検出手段が、前記マニュアルスイッ
チの切換えに基づき感光記録媒体の幅を検出するもので
あるである。
【0024】請求項7の発明によれば、操作者によっ
て、感光記録媒体の幅に応じて、マニュアルスイッチが
切り換えられ、そのマニュアルスイッチの切換えに基づ
き、感光記録媒体の幅が検出される。このようなマニュ
アルスイッチは、例えば電源スイッチや表示器等が設け
られている操作パネル部等に設けられる。
【0025】請求項8の発明は、所定波長の光に感光す
る感光材料を有する感光記録媒体と、該感光記録媒体の
幅方向において往復相対移動されて前記所定波長の光を
前記感光記録媒体へ照射する露光手段と、該露光手段に
より露光された感光記録媒体を現像する現像手段と、前
記感光記録媒体と露光手段との間に前記感光記録媒体の
幅方向に直交する方向に相対移動を発生させる相対移動
手段とを備える画像形成装置を前提とし、前記感光記録
媒体の幅を検出する幅検出手段と、該幅検出手段の信号
を受け、前記感光記録媒体の幅に応じて、前記露光手段
と感光記録媒体との間の往復相対移動速度を変更する速
度変更手段とを備える。
【0026】請求項8の発明によれば、幅検出手段にて
感光記録媒体の幅が検出され、該幅検出手段の信号を受
けた速度変更手段によって、前記感光記録媒体の幅に応
じて、前記露光手段と感光記録媒体との間の往復相対移
動速度が変更される。その結果、請求項1の発明の場合
と同様に、露光に要する時間と現像に要する時間とがマ
ッチングされて、効率よく画像形成がなされる。
【0027】請求項9の発明は、請求項8の画像形成装
置において、前記速度変更手段が、更に、前記往復相対
移動速度の変更に対応して、前記露光手段による露光エ
ネルギを変更するものである。
【0028】請求項9の発明によれば、前記速度変更手
段によって、更に、前記往復相対移動速度の変更に対応
して、前記露光手段による露光エネルギが変更せしめら
れ、感光記録媒体に付与される露光エネルギは略一定に
維持される。
【0029】請求項10の発明は、所定波長の光に感光
する感光材料を有する感光記録媒体と、該感光記録媒体
の幅方向において往復相対移動されて前記所定波長の光
を前記感光記録媒体へ照射する露光手段と、該露光手段
により露光された感光記録媒体を現像する現像手段と、
前記感光記録媒体と露光手段との間に前記感光記録媒体
の幅方向に直交する方向に相対移動を発生させる相対移
動手段とを備え、前記露光手段と感光記録媒体は、前記
感光記録媒体の幅方向端部で一旦停止する待ち時間を有
するように往復相対移動せしめられる画像形成装置を前
提とし、前記感光記録媒体の幅を検出する幅検出手段
と、該幅検出手段の信号を受け、前記感光記録媒体の幅
に応じて、前記感光記録媒体の幅方向端部での待ち時間
を変化させる待ち時間変更手段とを備えるものである。
【0030】請求項10の発明によれば、幅検出手段に
て感光記録媒体の幅が検出され、該幅検出手段の信号を
受けた待ち時間変更手段によって、前記感光記録媒体の
幅に応じて、前記感光記録媒体の幅方向端部での待ち時
間が変更される。その結果、請求項1の発明の場合と同
様に、露光に要する時間と現像に要する時間とがマッチ
ングされて、効率よく画像形成がなされる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。
【0032】図1〜図3は感光記録媒体であるマイクロ
カプセル紙を露光し現像するための画像形成装置として
の感光感圧プリンタの概略構成を示し、図1はマイクロ
カプセル紙を収納する遮光性カセットが装着される前の
状態の側面断面図、図2は同平面断面図、図3は遮光性
カセットが装着された後の側面断面図である。
【0033】図1〜図3において、感光感圧プリンタ8
0は、ケーシング81の前部に、遮光性カセット67A
又67Bが着脱可能に装着されており、該カセット67
A又は67B内に、未感光の複数枚のマイクロカプセル
紙37,・・が、積層された状態で収納されている。こ
のときの積層状態は、前記マイクロカプセル紙37,・
・のうち、後述する光透過性支持体31(図4参照)が
上側に位置するようになっている。尚、本例では、マイ
クロカプセル紙37の種類は大きさが異なる2種類(サ
イズ3.5インチ×5インチと、サイズ4インチ×6イ
ンチとの2種類)で、その種類に応じてそれらが収納さ
れる遮光性カセット67A,67Bのサイズが異なって
いる。前記両カセット67A,67Bは、幅及び長さが
異なるが、高さは同一である。
【0034】前記カセット67A又は67Bは、ケーシ
ング81の開口部81aに挿入されてセットされ、その
状態で、カセット67A又は67B内のマイクロカプセ
ル紙37が、給紙ローラ65により最上層から一枚ずつ
取り出され、案内板86上を経て、マイクロカプセル紙
37の先端部は、上側及び下側ローラ21A,21Bを
有する第1の送りローラ手段21により、露光ヘッド2
0に対向する露光台66に向かって図中左方に引き出さ
れる。露光台66は、露光ヘッド20に対して接離可能
にケーシング81内に支持されており、バネ部材(図示
せず)により上方向(露光ヘッド20側)に付勢されて
いる。尚、前記遮光性カセット67A又は67Bから取
り出された、露光前のマイクロカプセル紙37は、ケー
シング81の遮光カバー等により、未露光状態が保持さ
れる。
【0035】第1の送りローラ手段21の上流側には、
マイクロカプセル紙37の先端部(頭部)を検出する紙
位置検出センサ(図示せず)が所定位置に配設され、そ
の検出結果に基づき、露光ヘッド20を往復移動させる
露光タイミングを設定するようになっている。また、そ
れとは別に、マイクロカプセル紙37の送り経路にマイ
クロカプセル紙37の側縁部を検出することによりそれ
のサイズ(幅)を検出するための幅検出センサ22A,
22Bが一定間隔を存して並列に設けられている。
【0036】前記幅検出センサ22A,22Bの検出信
号は、後述するCPU70に入力され、幅検出手段70
Aにおいて、マイクロカプセル紙37が上記2種類のい
ずれであるかが判定され、マイクロカプセル紙37の幅
が検出される。そして、その検出結果に基づき、往復移
動幅変更手段70Bにより露光ヘッド20(キャリッジ
48)の往復移動幅が設定され、第1の送りローラ手段
21及び後述する第2の送りローラ手段25(間欠送り
手段)によるマイクロカプセル紙37の送り速度並びに
後述する圧力現像手段45によるマイクロカプセル紙3
7の現像速度が速度変更手段70Cによって変更される
ようになっている。
【0037】前記給紙ローラ65及び第1の送りローラ
手段21の駆動側ローラである上側ローラ21Aは共通
の駆動モータ23(パルスモータ)にて回転駆動され、
マイクロカプセル紙37は間欠送りされるようになって
いる。即ち、給紙ローラ65は、駆動モータ23にて直
接回転駆動される一方、第1の送りローラ手段21の上
側ローラ21Aは、ギヤ機構24を介して回転駆動され
るようになっている。また、第2の送りローラ手段25
の上側ローラ25Aも、同様にギヤ機構24を介して駆
動モータ23にて回転駆動され、第2の送りローラ手段
25も、第1の送りローラ手段21と同一の送り速度で
もって、マイクロカプセル紙37を搬送するようになっ
ている。
【0038】そして、前記第1の送りローラ手段21に
より搬送されるマイクロカプセル紙37の先端部分は、
下側の露光台66と上側の露光ヘッド20との間に進入
するようになっている。
【0039】また、前記露光台66のマイクロカプセル
紙37が接触する側の表面には、フィルム状のヒータで
あるプレヒータ64aが取着されている。このプレヒー
タ64aは、後に詳述するように、露光ヘッド20を往
復走査することで該露光ヘッド20によりマイクロカプ
セル紙37の選択的範囲に赤緑青の画像に対応した潜像
を形成する際に、感光感度を向上するべく所定の温度に
マイクロカプセル紙37を加熱するために使用される。
【0040】前記露光ヘッド20は、露光台66の上方
にマイクロカプセル紙37の幅方向(マイクロカプセル
紙37の送り方向(Y方向)と水平面で直交する方向
(X方向))において往復移動可能に配置されているキ
ャリッジ48の下面側に設けられており、該キャリッジ
48の下流側には、上側及び下側ローラ25A,25B
を有する第2の送りローラ手段25が設けられている。
【0041】また、前記マイクロカプセル紙37の送り
通路上であって前記第2の送りローラ手段25の下流側
には、1対の圧力現像ローラ46A,46Bを備える圧
力現像手段45(圧力現像ローラ手段)が配設され、更
にその下流側に、フィルム状のポストヒータ64b及び
1対の排出ローラ75,75が順に配設され、現像後の
マイクロカプセル紙37はケーシング81の上部の用紙
排出部82に排出されるようになっている。尚、前記ポ
ストヒータ64bは、現像が終了してカラー画像が発色
したマイクロカプセル紙37を60〜80℃程度に加熱
することで、発色を定着させる作用があるものである。
また、前記ポストヒータ64b及び前述したプレヒータ
64aは、共に、ポリイミド等の薄膜フィルム上に、導
電性発熱体を印刷等にてパターン化し、電流駆動を行う
ことでフィルム自身が発熱するように構成されたもので
ある。
【0042】前記第1及び第2の送りローラ手段21,
25の下側ローラ21B,25Bには、板バネ部材26
A,26Bを介して、いずれかのローラ21B,25B
を上側ローラ21A,25Aの方向に択一的に付勢する
切換手段27が設けられ、マイクロカプセル紙37が、
第1の送りローラ手段21又は第2の送りローラ手段2
5のいずれか一方のみによって送られるようになってい
る。即ち、下側ローラ21B,25Bの軸部に当接する
当接部を有する板バネ部材26A,26Bが、可動支持
部材30に連結され、該可動支持部材30をソレノイド
手段28にて進退させることで、いずれの送り手段2
1,25による送りを行うかを切り換えるようになって
いる。また、可動支持部材30は、コイルスプリング2
9にて第1の送りローラ手段21側に付勢され、ソレノ
イド手段28がオフ状態では、コイルスプリング29の
スプリング力によって可動支持部材30が第1の送りロ
ーラ手段21側に移動せしめられ、板バネ部材26Aが
第1の送りローラ手段21側の下側ローラ21Bを上方
に(上側ローラ21A側に)付勢する力の方が、板バネ
部材26Bが第2の送りローラ手段25側の下側ローラ
25Bを上方に付勢する力よりも大きくなるように構成
されている。一方、前記ソレノイド手段28がオン状態
では、可動支持部材30が第2の送りローラ手段25側
に移動され、板バネ部材26Bが下側ローラ25Bを上
方に付勢する力の方が、板バネ部材26Aが下側ローラ
21Bを上方に付勢する力よりも大きくなる。尚、前記
板バネ部材26A,26Bの強度、取付角度等を適宜選
択することによって、板バネ部材26A,26Bによる
付勢力を調整して、下側ローラ21B,25Bの上側ロ
ーラ21A,25Aに対する接触圧力を0〜50gの範
囲で調整することが可能である。また、前記ソレノイド
手段28に代えて、可動支持部材30を切換移動させる
ものならば何でも採用でき、例えばエアシリンダやリニ
アモータ等を採用することも可能である。
【0043】前記キャリッジ48は、図中紙面に直交す
る方向(マイクロカプセル紙37の搬送方向に直交する
方向)に沿って延びるようにケーシング81内に平行に
固設された断面円形状の1対の案内軸49,49に摺動
可能に軸支されており、前記露光台66側の下面に露光
ヘッド20が取付固定されている。前記キャリッジ48
の下流側端部には、プーリ51,52間に回転可能に設
けられたタイミングベルト53が固着され、前記プーリ
51,52のうちの一方のプーリ51にキャリッジ駆動
モータ54が連結されている。よって、タイミングベル
ト53がモータ54によって回転されることで、キャリ
ッジ48が案内軸49,49に沿って往復駆動されるよ
うになっている。
【0044】前記キャリッジ駆動モータ54は、回転方
向と回転量を制御可能なものであって、一般的なDC/
ACモータが採用されている。そして、キャリッジ48
の走行方向に沿って設けられ透明なPETフィルムに黒
色の縦ストライプが印刷されたリニアエンコーダ62
と、キャリッジ48側に設けられ前記リニアエンコーダ
62に基づいてキャリッジ48の位置を検出するフォト
センサ63(例えば透過型フォトインタラプタ)により
位置検出手段が構成され、キャリッジの走査量がフォト
センサ63によりリニアエンコーダ62の縦ストライプ
を計数することによって決定される。そして、この位置
検出手段よりの信号に基づいて、キャリッジ48の往復
走査幅が演算される。尚、DC/ACモータのほかにも
オープンループ制御のパルスモータを採用することがで
き、この場合は、位置検出手段を省略することができ
る。
【0045】前記第2の送りローラ手段25を通過した
マイクロカプセル紙37は、湾曲形成されたガイド部材
83によって案内されて圧力現像手段45に送られる
が、その際、マイクロカプセル紙37は、それ自体の剛
性により、最初はガイド部材83に沿わず、圧力現像手
段45の方に送られないが(図3鎖線参照)、第2の送
りローラ手段25により順次間欠的に送り出されること
で、マイクロカプセル紙37が徐々に撓んでガイド部材
83に沿うようになり、圧力現像手段45に送られ、加
圧現像作用を受けるようになっている。即ち、第2の送
りローラ手段25と圧力現像手段45との間に、マイク
ロカプセル紙37の流れを一時的に停滞させ一定量のマ
イクロカプセル紙37を蓄積するバッファ部84が形成
されていることになり、第2の送り手段25による間欠
送りから、圧力現像手段45による連続送りに無理なく
移行するように構成されている。
【0046】前記圧力現像ローラ46A,46Bは、一
方のローラ46Aはケーシング81に回転可能に支持さ
れ、他方のローラ46Bは、回転軸55aを有する支持
ブラケット55の一端部に回転可能に支持されている。
支持ブラケット55の他端部は、カム部材56に当接す
る下側カム面55bを有し、上方に位置する加圧部材5
7がスプリング部材58にて下方に付勢され、下側カム
面55bがカム部材56に常時当接するようにされてい
る。
【0047】前記圧力現像ローラ46A,46Bは、線
接触型の加圧ローラとして形成されており、マイクロカ
プセル紙37の送り方向に直交する軸線の回りについて
回転可能に支承されている。一方の圧力現像ローラ46
Bが、スプリング部材58の付勢力により他方の圧力現
像ローラ46Aに接触するように付勢されている。ま
た、圧力現像ローラ46Aは、キャリッジ駆動モータ5
4と反対側に位置する駆動モータ60にて、ギヤ機構6
1を介して回転駆動されるようになっている。
【0048】ここで、前記圧力現像ローラ46A,46
Bによるマイクロカプセル紙37の加圧力はスプリング
部材58のスプリング力を利用する代わりに、空圧器、
油圧器、ソレノイド等の他の加圧手段で代用することが
可能である。それに加えて、単に弾性体を使用するだけ
ではなく、電磁力を使用して加圧することも可能であ
り、要するに一方の圧力現像ローラを他方の圧力現像ロ
ーラ側(マイクロカプセル紙37側)に付勢するする手
段であれば何を使用してもよく、特に制限されない。
【0049】続いて、前記マイクロカプセル紙37の構
造について、断面構造を示す図4に基づいて説明する。
【0050】図4において下側に位置する光透過性支持
体31上に、色材としての共反応体と接触して発色する
成分(染料前駆体、以下、色原体と記述する場合があ
る)及び所定波長の光に感光することによりその機械的
強度が変化(感光硬化)する成分(光硬化性樹脂)とを
内包したマイクロカプセル32と、該マイクロカプセル
32中の染料前駆体(色原体)と反応する共反応体(顕
色剤)33とが混合塗着されてなる混合塗着層34が積
層され、更に、前記混合塗着層34上に、シート状支持
体35が積層されている。
【0051】前記マイクロカプセル32としては、3種
類の異なるマイクロカプセルが含まれており、その種類
の異なる各マイクロカプセルには、イエロー、マゼン
タ、シアンのうちの一つの色を発色するための無色の染
料前駆体と、光の3原色の各々の波長の光に感光して硬
化する光硬化性樹脂と、重合開始剤とが含まれている。
【0052】このため、例えばブルー光(約470nm
の波長光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合に
は、イエローのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセ
ル32の光硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプ
セル紙37に圧力をかけると、感光硬化したマイクロカ
プセル(この場合はイエロー)は破壊されず、硬化しな
かったマイクロカプセル(この場合はマゼンタ,シア
ン)が破壊されてマゼンタ,シアンの染料前駆体がマイ
クロカプセルから流出して顕色剤と反応して発色し、そ
れらが混色して青色となる。この青色が前記透過性支持
体31を介して観察されることになる。
【0053】また、グリーン光(約525nmの波長
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合には、マ
ゼンタのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光
硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙37
に圧力をかけると、圧力現像によりイエロー、シアンの
マイクロカプセル32が破壊され、イエロー、シアンの
染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混
色により緑色となる。この緑色が前記透過性支持体31
を介して観察されることになる。
【0054】更に、レッド光(約650nmの波長の
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合には、シ
アンのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬
化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙37に
圧力をかけると、圧力現像によりイエロー、マゼンタの
マイクロカプセルが破壊され、イエロー、マゼンタの染
料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混色
により赤色となる。この赤色が前記透過性支持体31を
介して観察されることになる。
【0055】また、露光により全てのマイクロカプセル
が感光硬化したときは、圧力現像しても、それらが破壊
されないので発色は起こらず、光透過性支持体31を介
して前記シート状支持体35の表面が目視できる状態に
ある。従って、前記シート状支持体35の表面の白色が
背景色となり、発色反応が起こった部分だけカラー画像
が形成されるのである。尚、この発色原理を自己発色と
称する。また、マイクロカプセル紙37における光透過
性支持体31の表面を発色側面と称する。
【0056】前記実施の形態の場合、前記光透過性支持
体31の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムが用いられ
る。
【0057】ところで、このようなマイクロカプセル3
2による感材は、湿度による影響を大きく受け、高湿条
件にて保存されると、光透過性支持体31やシート状支
持体35が吸湿し、その感度を大きく変動させてしま
う。具体的には、吸湿により感度が高くなるが、高湿保
存時の温度条件によりその感度は10倍程度以上に変動
するものであり、本発明のような複数光源により一定露
光エネルギー密度にて感材を露光する画像形成装置にお
いては、画質を高品位に保つには、この変動要因は大き
な技術的課題となる。
【0058】そこで、この課題を解決するために、前記
光透過性支持体31及びシート状支持体35として、耐
湿材料を選択するか、耐湿材料を更に外表面か内表面
(カプセル側の表面)に塗布することが望ましい。この
ような耐湿材料の例として、非晶質ポリオレフィン等の
光学レンズ材料が広く選択でき、また、耐湿材料を塗布
する場合の塗布材料、方法としてSiO2等の蒸着等が
挙げられる。
【0059】また、更に別の技術的課題として、光透過
性支持体31を透過して紫外線がマイクロカプセル32
に放射されることで、カプセルが黄色に変色し、白地の
色度、濃度が変化するという課題がある。そこで、この
課題を解決するために、前記光透過性支持体31とし
て、紫外線の透過率の低い材料を選ぶか、紫外線の透過
率の低い材料を更に外表面か内表面に塗布することが望
ましい。
【0060】前記マイクロカプセル32としては、トリ
フェニルメタン系、スピロピラン系染料の色原体、トリ
メチロールプロパントリアクリレートの如きアクリロイ
ル基含有化合物の光硬化性樹脂、並びにベンゾフェノ
ン、ベンゾイルアルキルエーテルの如き光重合開始剤等
を、ゼラチン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポ
リイソシアネート樹脂等の重合体壁に内包した物等の公
知のものを使用することができる。
【0061】また、前記共反応体33としては、マイク
ロカプセル32内の色原体の組成等との関連もあるが、
酸性物質、例えば、酸性白土、カオリン、酸性亜鉛、酸
化チタン等の無機酸化物、フェノールノボラック樹脂、
あるいは有機酸等の公知の顕色剤を用いることができ
る。
【0062】このマイクロカプセル32及び共反応体3
3の混合物に対し、更にバインダ、充てん剤、粘度調整
剤等が添加されて、光透過性支持体31上に塗布ロー
ラ、スプレイ、ドクタナイフ等により塗布され、混合塗
着層34が形成される。
【0063】前記シート状支持体35は、透明、半透
明、又は不透明な支持体、例えば、紙(セルロース)、
合成紙、ポリエステルやポリカーボネイト等の樹脂フィ
ルム等を用いることができる。また、湿度、紫外線の影
響に対する対策は、上述の通りである。
【0064】次いで、図5〜図9を参照しながら、前記
露光ヘッド20の構成について説明する。尚、図5及び
図6は、感光記録媒体としてのマイクロカプセル紙37
を露光するための露光ヘッド20の要部のみを示す模式
的な断面図、図7はマスク保持部材14の上面図、図8
はマスク13の上面図、図9は発光素子(LED)の配
置を説明する説明図である。
【0065】図5において、露光ヘッド20は、複数種
類の発光素子7,8,9と、それらを支持(固定)する
ための基板1と、マスク13と、マスク保持部材14と
を備える。
【0066】図6に示すように、基板1は、その製造方
法としては、まず、ガラスエポキシ製の平板状の基板1
の表面に、切削加工、プレス加工等にて、すり鉢状の凹
部4が形成され、更にその表面に、電気信号を伝達する
ための所定の平面視ランドパターンの電極層3が無電解
メッキにより形成される。前記電極層3は銅箔35μm
からなる。また、ボンディングワイヤー10の接続点で
は、ボンディングパッドとして、ニッケル5μm、金
0.5〜1.0μmを更に銅箔上に形成し、3層構成と
する。
【0067】このように、基板1の所定箇所に必要数の
凹部4を形成してから、所定パターンにて形成された電
極層3を形成し、該各凹部4に発光素子としてのLED
が銀ペースト又はエポキシ系の接着剤にて接着固定され
る。
【0068】凹部4の加工では、図6に詳細を示すよう
に、断面すりばち状の凹部4が形成される。この場合、
各凹部4の底面4aは基板1の表面と平行に形成され、
その底面4aから上方に向けて広がるように傾斜状の側
面4bが形成される。基板1の表面の電極層3も凹部4
の表面に沿って所定のパターンにて形成される。
【0069】そして、図5に示すように、前記各凹部4
の底面4aの電極層3の表面に、接着剤6にて、それぞ
れ赤LED7、緑LED8、青LED9が固定される。
ここで、前記凹部4の深さは赤LED7、緑LED8、
青LED9の取付高さよりも若干深く形成されているた
め、各LED7,8,9の頂部は前記基板1の表面より
も沈んだ位置となる。この赤LED7、緑LED8、青
LED9の頂部からは、ボンディングワイヤ10によっ
て、ランドパターンの電極層3の所定位置に電気的結線
が施されており、各LED7,8,9及びボンディング
ワイヤ10は、空気に触れないように透明な封止材11
にて封止されてある。
【0070】前記接着剤6としては、赤LED7には銀
ペースト、緑LED8、青LED9にはエポキシ樹脂等
が用いられる。これは、赤LED7は底面が電気的端子
の1つとなるため、導電性の接着剤6によって基板1と
の電気的接続を行うことが必要であるのに対して、緑L
ED8、青LED9では、電気的端子が2点とも頂面に
配設されているため、接着には絶縁性で透明なエポキシ
樹脂を用いているのである。透明な接着剤6を用いるこ
とで、緑LED8、青LED9の内部で発生し、底面に
進む出力光は、この透明な接着剤6を通過して凹部4の
底面4aにて反射して再び頂面から出射されるため、出
力光が大きくなるという効果がある。
【0071】前記赤LED7は、その基本材料としてA
lGaAsが用いられ、公知技術である高出力のDDH
構造のものが適用できる。出力光の中心波長は約650
nmである。電気的端子は、頂面に1個あり、底面に1
個ある。前記緑LED8、青LED9は、共にその基本
材料としてGaNが用いられたものが適用できる。出力
光の中心波長はそれぞれ約525nm、約470nmで
ある。これらの電気的端子は頂面に2個あり、底面には
ない。各LEDは電気的な2端子に所定方向に電流を流
すことで出力光を空間中全方向に発する。全方向に発し
た出力光は、一部は直接図面中上方に向かい、他の一部
は凹部4の側面4bにて反射作用を受け同様に図面中上
方に出射される。
【0072】前記ボンディングワイヤ10は、金線から
なり、各LEDの頂面とボンディングパッドの形成され
た電極層3に対し、加熱及び超音波にてボンディング接
着される。
【0073】前記封止材11は熱硬化樹脂により形成さ
れ、通常透明なシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が用い
られる。熱硬化条件は、通常温度は150℃、時間は4
時間程度である。LED等の一般半導体材料は空気に触
れると、その表面が、酸化、吸湿等の作用を受け特性が
急激に劣化するという現象があるから、封止材11はこ
れを避ける目的と、ボンディングワイヤ10等を機械衝
撃により破壊しないように保護する目的がある。また、
本実施の形態においては、封止材11を、マスク13及
びマスク保持部材14を接着固定するという別の目的に
も流用している。
【0074】前記基板1の上方には、貫通円形開口形状
のピンホール12を複数個(発光素子数と同一数)備え
たマスク13が、マスク保持部材14を介して位置決め
されて配設されている。マスク保持部材14は、基板1
上に位置決め用ボス穴15を用いて固定され、マスク保
持部材14の上端面にはマスク保持用の位置決め溝14
aが形成されている。この位置決め溝14aに前記マス
ク13が装着され、接着等の固定手段によりマスク13
は基板1と一体に固定される。本実施の形態では、マス
ク13及びマスク保持部材14は、共に、前記封止材1
1により、基板1上に一体化されている。
【0075】図7は、図1において露光台66側から見
たマスク保持部材14の平面図であり、前記凹部4の位
置も説明の便宜上図示してある。マスク保持部材14は
基板1に形成された各凹部4を各々分離するように分離
壁(分離隔壁)2がマスク保持部材14に一体に形成さ
れている。この分離壁2は、図5に示されるように、そ
の下端面が基板1の非凹部領域の上面(電極層3の上面
を含む)に当接し、分離壁2の上端面が前記マスク13
の下端面に当接するものであり、基板1とマスク13と
の間の光伝播空間は、この分離壁2により発光素子(L
ED)毎に分離されている。つまり、ある凹部4内に配
設されたLEDから出射された光束は、その凹部を囲む
分離壁2の存在のため、その凹部4に対応するマスク1
3のピンホール12からのみ露光ヘッド20の外部に出
射し、他の凹部4に対応するピンホール12からは出射
しない。よって、迷光が発生しないので、高解像度の画
像形成が可能となる。
【0076】前記マスク保持部材14は、高精度耐熱プ
ラスチック材料からなる単一の成型品であり、基板1上
の位置決めボス穴15に基づいてマスク13の3軸方向
の位置決めを行い、更に各LEDの出力光が隣接する対
応しないピンホール12から出射されるという迷光の問
題を引き起こさないように、各々の発光素子(LED)
からの出力光を、分離壁2の作用にて個別の空間に分割
することにより分離するためのものである。前述の通
り、封止材11には熱硬化樹脂を用いるため、これを用
いてマスク保持材14及びマスク13を同時に位置決め
して接着固定を行う場合において、封止材11の硬化温
度であってもマスク保持部材14は変形を受けないよう
に、耐熱性の材料を用いることが必要である。このよう
な材料として、POM等が選択できる。この分離壁2を
備えたマスク保持部材14が光学的分離手段を構成して
いる。また、他の実施形態としては、分離壁をマスク保
持部材と別体とすることも可能であるし、基板1側に一
体化することも可能である。また、分離壁をマスクと一
体化することも可能である。更に、分離する空間形状
も、四角のみならず、丸形状等のその他の形状も種々の
ものを採用することができる。
【0077】図8は、図1において露光台66側から見
たマスク13の平面図である。マスク13は厚さ0.1
mm程度のステンレス鋼により形成され、その外形並びに
ピンホール12,39は、エッチングにより加工されて
いる。また、その表面はディッピング工法により黒染め
加工されており、光の無反射処理となる。また、光学的
分離手段を備えた本実施の形態の露光ヘッド20では、
隣接する光源への迷光の問題が解決されていることか
ら、このような無反射処理は行わなくても特に問題はな
いという効果が得られた。
【0078】前記ピンホール12はその穴径がφ0.2
mm〜φ0.18mm程度に形成され、この穴径により、感
光記録媒体としてのマイクロカプセル紙37へ供給する
光パターンの解像度を決定している。また、穴径が約2
倍のφ0.4mmの副ピンホール39は後述するように副
露光用のピンホールである。これらのピンホール12、
39は前記赤LED7、緑LED8、青LED9の頂部
にそれぞれ対向して形成される。
【0079】図8に示すように、本実施の形態では、画
像変調露光用として、紙送り方向前方側から後方側にか
けて、赤色用の3個のLED7a,7b,7cにて1セ
ット、緑色用の3個のLED8a,8b,8cにて1セ
ット、青色用の3個のLED9a,9b,9cにて1セ
ットがそれぞれ配設されている。特に、緑色用の1個の
LED8dと青色用の1個のLED9dについては、画
像の変調(所望の画像を形成するため赤青緑の各LED
を画像データに従ってオン・オフ制御すること)とは関
係ない副露光用の発光素子として別に配設してある。
尚、図8中、7a〜7c,8a〜8d及び9a〜9dは
それぞれ括弧内に記されているが、これは各LEDの位
置を示すものである。
【0080】緑、青においては、あるエネルギー密度レ
ベルまでは、光露光を行っても出力画像の濃度が変化し
ない領域(マイクロカプセルの感光性樹脂が硬化しない
領域)があり、具体的には最大濃度変化に必要なエネル
ギー密度の1/5の量を感材に露光しても、濃度が変化
しないという数値例がマイクロカプセル紙から得られ
た。この1/5のエネルギー密度量を、画像変調露光と
は無関係に常に照射することによって、使用するLED
の個数を減らすことができる。
【0081】尚、赤色用LEDには副露光用のものが存
在しないのは、赤色に感光するマイクロカプセルは青や
緑のものに対して出力画像の濃度が変化しない領域が十
分低いためである。つまり、赤色の露光に関しては上記
の副露光により濃度が変化しない領域が、最大濃度変化
に必要なエネルギー密度の1/20程度以下の量である
ためである。
【0082】本実施の形態では特に、以上のようにマト
リクス配列されたLEDを用いて、走査方向に斜めに3
個並んだLEDのグループの夫々により各色毎に同一ド
ット(同一画素点)を、合計3回ずつ画像変調露光し、
かつこのLEDのグループの夫々により、紙送り方向に
は1露光ラインずつ露光するように構成されている。従
って、1画素に注目すると、各色3回ずつ、合計9回の
露光が行われることになる。
【0083】また、画像変調露光用の赤、緑、青のLE
Dは、図9に示すように、赤色用のLED3個のうちX
方向(露光ヘッド20の往復移動方向)に並んだLED
7a,7b,7cの3個のグループにおいては、LED
7aとLED7bとの間隔X1、及びLED7bとLE
D7cとの間隔X1が、それぞれマイクロカプセル紙3
7に形成される画像の1画素(1ドット)の整数倍(例
えば16倍)の間隔にて配置される一方、Y方向(マイ
クロカプセル紙37の送り方向)には、LED7aとL
ED7bとの間隔Y1、及びLED7bとLED7cと
の間隔Y1が、マイクロカプセル紙37に形成される画
像の1画素(1ドット)分乃至その整数倍間隔だけずら
して配置される。また、残りの赤色用のLEDについて
も、X方向に並んだ3個のグループずつ同様に配置され
ている。
【0084】そして、このようにX方向に並んだ3個の
グループと隣接する3個のグループとのY方向における
間隔は16ドット分だけ離して配置されている。即ち、
図9において、Y2=14ドット(Y2+Y1+Y1=
16ドット)となるように配置されている。
【0085】画像変調露光用の緑色用の3個のLED8
a,8b,8c及び青色用の3個のLED9a,9b,
9cについても、上記赤色用のLEDと同様に配置され
ている。
【0086】そして、赤LED7のセット(図9で、一
番下方に位置するX方向に並んだ3個のグループ)と緑
LED8のセット(図9では中央部に位置するX方向に
並んだ3個のグループ)との間隔は16ドット分だけ離
して配置されている。同様に、緑LED8のセット(図
9では中央部に位置するX方向に並んだ3個のグルー
プ)と青LED9のセット(図9では、一番上方に位置
するX方向に並んだ3個のグループ)との間隔は16ド
ット分だけ離して配置されている。
【0087】ここで、図9中、青LED9aと赤LED
7aとの間隔は、16×2=32画素分となる。これは
各色LEDの設置数(実施例で3個)の整数倍からずら
すことで、紙送り等の誤差が3ライン周期で出たとき
に、横筋が顕在化しないような効果を得るためである。
【0088】このように配置された各LEDの配置関係
に一致するように前記マスク13に穿設されるピンホー
ル12の配置関係も設定されているのである。
【0089】このような構成の露光ヘッド20を、画像
データに従って対応するLEDを変調露光しながら図2
中横方向(図9のX方向)に沿って例えば+X方向に所
定速度Vにて移動させ、その後にマイクロカプセル紙3
7を図中縦方向(図9のY方向)に1露光ライン分送っ
てから再び露光ヘッド20を−X方向に前記所定速度で
移動させながら変調露光し、その後再びマイクロカプセ
ル紙をY方向に1露光ライン分送ってから露光ヘッド2
0を+X方向に移動させるとともにLEDを変調露光す
るという動作を、9個の露光ラインの夫々について並列
に繰り返して所望の画像の露光を行うのである。
【0090】このように移動走査を行いながら、画像情
報に従って各LEDを独立に変調駆動することによっ
て、所定の中心波長の光を、所定の光パワーにて、所定
時間、所定場所に供給することで、カラー画像の潜像を
形成することができるものである。
【0091】図10は、前記キャリッジ48の移動(走
査)速度の時間変化を示すグラフであり、これを用いて
キャリッジ48の移動を説明する。
【0092】キャリッジ48は、キャリッジ駆動モータ
54(サーボモータ)等の駆動により、最高速度V(m
m/sec)、走査周期T(sec)、速度一定時間T
c(sec)をもって台形状の速度変化パターンで往復
移動させられる。
【0093】即ち、図10に示すように、キャリッジ4
8を最高一定走査速度±V(mm/sec)にて、マイ
クロカプセル紙37の幅方向(X方向)において往復移
動(往復走査移動)させるものとする。図10におい
て、時間軸(横軸)に対して傾斜している部分は、往復
の移動端での一旦停止と最高一定走査速度±V(mm/
sec)との間の加速域・減速域を示す。また、時間T
cは、マイクロカプセル紙37の幅方向(X方向)距離
全体をキャリッジ48が通過するのに要する時間(前記
最高一定走査速度の所要時間)であり、前記往復の走査
周期Tとする。
【0094】そして、マイクロカプセル紙37の各露光
ライン(図9のX方向に沿う1ライン)では前記複数の
赤LED7からなる1セット、複数の緑LED8からな
る1セット、複数の青LED9からなる1セットが画像
情報に従って各々点灯制御される。この点灯制御の際に
は、前記赤LED7の1セット、緑LED8の1セッ
ト、青LED9の1セットの取付間隔(ピンホール間
隔)が存在するため、露光ライン中の1点に対する露光
は、キャリッジ48の走査移動に要する時間と、上記間
隔分だけマイクロカプセル紙37が送られる時間とに応
じた遅延時間tを加味して行われる。
【0095】即ち、Y方向への送り距離が1ドット分の
時には、マイクロカプセル紙37の1画素に注目してみ
ると、当該1つの画素点(露光点)を白色とするため、
G光とR光とB光とを照射するためには、例えばまず、
キャリッジ48の往路方向への移動時(図9のX方向移
動時)に、青LED9cに対向するピンホール12が前
記1画素点に位置している時に、図11に示すように、
当該青LED9cを所定の短時間Δtだけ一回点灯した
後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させる。
【0096】次いで、マイクロカプセル紙37を1ドッ
ト分だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、キャリ
ッジ48の復路方向への移動時(図9のX′方向移動
時)には、青LED9bに対向するピンホール12が前
記1画素点に位置している時に、当該青LED9bを所
定の短時間Δtだけ一回点灯し、キャリッジ48を復路
の終端で一旦停止させる。
【0097】更に、マイクロカプセル紙37を1ドット
分だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッ
ジ48の往路方向への移動時(図9のX方向移動時)
に、青LED9aに対向するピンホール12が前記1画
素点に位置している時に、当該青LED9aを所定の短
時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を往路の
終端で一旦停止させる。
【0098】このようにすると、図11に示すように、
着目した1つの画素点に対して、前記走査周期Tの半分
の時間ごとに、青LED9c→9b→9aの順序で短時
間Δtずつ点灯することになる。
【0099】そして、次に、マイクロカプセル紙37を
14ドット(Y2)分だけ図8のY方向に用紙送りを実
行した後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図8
のX′方向移動時)に、緑LED8cに対向するピンホ
ール12が前記着目した1つの画素点に位置している時
に緑LED8cを所定の短時間Δtだけ1回点灯した
後、キャリッジ48を復路の終端で一旦停止させる。次
いで、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図8の
Y方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の往路
方向への移動時(図8のX方向移動時)に、緑LED8
bに対向するピンホール12が前記1画素点に位置して
いる時に、当該緑LED8bを所定の短時間Δtだけ一
回点灯した後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止
させる。更に、マイクロカプセル紙37を1ドット分だ
け図8のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ4
8の復路方向への移動時(図8のX方向移動時)に、緑
LED8aに対向するピンホール12が前記1画素点に
位置している時に、当該緑LED8aを所定の短時間Δ
tだけ一回点灯した後、キャリッジ48を復路の終端で
一旦停止させるのである。
【0100】次いで、マイクロカプセル紙37を14ド
ット分だけ図8のY方向に用紙送りを実行した後、赤L
EDに関しても赤LED7c→7b→7aの順序でキャ
リッジ48を往復移動させつつ所定の短時間Δt毎に点
灯を繰り返すのである。
【0101】このように、前記1画素点については、合
計で9回のΔt毎の露光が行われることになる。
【0102】また、以上のようなキャリッジ48の往路
方向又は復路方向への移動時におけるLEDによるΔt
時間の点灯動作は、1ドットのY方向への紙送りが行わ
れる前に、9個の全てのLEDにより各1露光ラインの
全ドットに対して行われるため、前記往路方向又は復路
方向への一回の移動時には、合計で9ラインの露光が行
われることになる。
【0103】更に、この走査露光時には上記した画像変
調露光の他に、青LED9dと緑LED8dとによる副
露光が常に行われる。副露光の光エネルギーは前記した
ようにカブセルが硬化しない最大の光エネルギーに設定
されている。
【0104】従って、各青LED9a,9b,9c、緑
LED8a,8b,8c、赤LED9a,9b,9cか
ら照射される各色毎の光エネルギーは同じとなっている
が、青色波長光と緑色波長光に関しては、ピンホール3
9を介してそれぞれ青LED9d、緑LED8dから副
露光される分の光エネルギーが追加されているので、各
色のマイクロカプセルはそれぞれ同じ割合だけ硬化する
こととなる。この場合、各色のカプセルの硬化度は最大
となり、すべてのカプセルを加圧現像しても破壊され
ず、発色反応は起こらない。つまり、前記光透過性支持
体31を介して前記シート状支持体35の表面の色(白
色)が目視できる状態のままとなる。
【0105】実際の画像形成動作においては、画像変調
露光用の青LED9a,9b,9c、緑LED8a,8
b,8c、赤LED9a,9b,9cから照射される光
エネルギーを画像データに従って変化させることにより
画像データに対応する露光潜像(カプセルの硬化度の変
化パターン像)がマイクロカプセル紙37に形成される
のである。
【0106】尚、図11に示すように、マイクロカプセ
ル紙37の同一露光位置(1画素点)に複数回の露光を
時間間隔をあけて光照射する理由は下記の通りである。
【0107】即ち、図12に例示するように、縦軸にシ
アンの発色光学濃度を採り、横軸に露光エネルギー密度
(J/m2 )の総量を採る。図12において、実線Aは
赤LEDを1回のみ照射したときのシアンの発色光学濃
度の変化を示し、点線Bは赤LEDを前記走査周期Tの
半分の時間間隔をあけて3回に分割して光照射した場合
のシアンの発色光学濃度の変化を示す。
【0108】図12において、シアンの発色光学濃度が
10%濃度、つまりD10=0.42を得るためには、一
回の光照射では3.3(J/m2 )の露光エネルギー密
度を与える必要があるが、前述のように3回に分割して
光照射すると総計で2.2(J/m2 )の露光エネルギ
ー密度を与えればよいことになる。
【0109】この図12の比較から理解できるように、
露光エネルギー密度(J/m2 )が、0.5〜3.3の
範囲では、同じシアンの発色光学濃度の発現するために
は、3回に分割して光照射した場合は小さい露光エネル
ギー密度にて済むが、1回の光照射の場合には大きい露
光エネルギー密度を必要とすることが判る。
【0110】光照射に伴うマイクロカプセル紙37にお
けるマイクロカプセル32の重合開始剤と光硬化性樹脂
との重合反応速度は、さほど高速でなく、一度に大量の
露光エネルギーを投入するよりも、適度の時間間隔にて
複数回(例えば2〜6回)に分けて少しずつ露光エネル
ギーを投入した方が前記の重合反応が促進されやすいか
らである。
【0111】つまり、1つの発光素子であるLEDの出
力を小さくした場合でも、乃至はLEDの設置個数が少
なくても、時間間隔を広げての露光により充分な発色光
学濃度を得ることができるのである。
【0112】そこで、本実施形態では、一つの画素に対
し最大3回の露光が行われるように、露光回毎のLED
の駆動時間や発光強度が設定される。そして、求められ
た露光エネルギー総量を3等分した値が露光1回あたり
の露光エネルギーとなる。但し、その値が所定の基準値
に満たない場合には露光回数を2回以下として各露光回
毎の露光エネルギーを演算する。
【0113】ところで、マイクロカプセル紙37は、全
面的に速度一定にて露光、現像されることが好ましい。
このため、マイクロカプセル紙37を露光、現像するの
に最小限必要な速度一定時間Tcに対応する速度一定で
の移動距離L(mm)は、少なくとも全てのピンホール
12が通過する範囲以上と選ばなければならない。この
速度一定移動距離L(mm)はマイクロカプセル紙37
の幅とピンホール12の配設パターン、最高速度V(m
m/sec)によって自由に設計することができるもの
である。
【0114】続いて、前記感光感圧プリンタ80の制御
回路の電気的構成を、図13に沿って説明する。
【0115】制御回路は、CPU70、ROM71、R
AM72からなる周知の論理演算回路から構成されてお
り、CPU70には、ゲートアレイからなるI/Oポー
ト73を介して、外部のホストコンピュータからのRG
B画像データを入力するためのコネクタ74、マイクロ
カプセル紙37の幅を検出するための幅検出センサ22
A,22Bがそれぞれ接続され、前記露光ヘッド20
(各LED)、前記送りローラ手段21,25の駆動モ
ータ23及び圧力現像手段45の駆動モータ60に対す
る駆動回路77、前記キャリッジ駆動モータ54に対す
る駆動回路78がそれぞれ接続されている。そして、C
PU70が、前記幅検出センサ22A,22Bよりの信
号を受けマイクロカプセル紙37の幅を検出する幅検出
手段70Aと、該幅検出手段70Aよりの信号を受け、
マイクロカプセル紙37の幅に応じて、キャリッジ48
(駆動モータ54)の走査幅を変更する走査幅変更手段
70Bと、前記幅検出手段70Aよりの信号を受け、マ
イクロカプセル紙37の幅に応じて、両送りローラ手段
21,25(駆動モータ23)による送り速度及び圧力
現像手段45(駆動モータ60)による現像速度を変更
する速度変更手段70Cとを備える。
【0116】また、前記ROM71には、プリンタ全体
の動作を制御するためのプログラム、入力された画像デ
ータから露光ヘッド20の各色LEDの点灯時間、タイ
ミングを演算決定するためのプログラム、BGR露光の
順序に応じて、給紙ローラ65及び排出ローラ75,7
5の駆動を制御し、マイクロカプセル紙37の搬送を行
うためのプログラム、同様にBGR露光の順序に応じて
前記キャリッジ送り用のキャリッジ駆動モータ54を制
御し、キャリッジ48を往復走査するプログラム等、種
々のプログラムが記憶され、CPU70はこれらのプロ
グラムに従って動作する。また、RAM72は、外部か
らの入力データが一旦記憶されるバッファである。感光
感圧プリンタ80に、出力画像のRGBデータが送られ
ると、その画像データが順次RAM72のバッファに記
憶される。
【0117】また、露光ヘッド20の各LEDは、図示
しない駆動回路により、フレキシブルハーネス85(図
2参照)を介して電気的に駆動を受け、キャリッジ48
により移動されつつ画像情報に従って点灯消灯制御され
る。
【0118】次に、前記感光感圧プリンタ80の動作に
ついて説明する。
【0119】まず、使用者がカセット67A又は67B
をプリンタにセットし、図示しない電源スイッチをオン
にすると、プレヒータ64a及びポストヒータ64bは
通電により所定の温度とされる。
【0120】この後、プリンタに接続されたホストコン
ピュータから出力したい画像の画像データ(RGBデー
タ)と共に、プリント開始指令信号が入力される。な
お、画像データは2次元ビットマップ形式のデータとし
て供給され、各画素についてRGB成分毎の濃度を示す
情報も含まれており、その画像データはR画像データ、
G画像データ、B画像データに分離されてRAM72の
バッファに記憶される。
【0121】CPU70は、プリント開始指令信号に応
答して、給紙ローラ65を回転させてカセット67A又
は67Bから、給紙ローラ65によりマイクロカプセル
紙37を一枚取り出し、第1の送りローラ手段21によ
り左方へ搬送され、露光ヘッド20の下側の露光台66
上に移動せしめられ、プリントが開始される。
【0122】マイクロカプセル紙37のひとつの露光点
に着目して説明を行うと、まず、第1のピンホール列の
LEDについては、キャリッジ48の移動に調時してR
画像データに従って赤LED7が点灯制御され、前記所
定時間tの後にG画像データに従って緑LED8が点灯
制御され、更に前記所定時間tの後にB画像データに従
って青LED9が点灯制御される。この露光制御が1露
光ラインの全ての露光点に関して行われる。また、第1
のピンホール列により形成された露光済みラインが用紙
送りにより第2のピンホール列に対向しているとき再び
この露光済みラインに同じデータに基づく各LEDの点
灯制御が行われ、更に用紙送りにより第3のピンホール
列に対向しているときにもこれが繰り返されるのであ
る。
【0123】このようにして、第1〜第3のピンホール
列から露光が行われて露光済みラインは、用紙送りによ
り圧力現像手段45により圧力現像されるのである。こ
のため、露光されたマイクロカプセル32は十分に感光
硬化され、感光硬化しなかったマイクロカプセル32の
みが圧力現像により破壊されて発色反応が行われるので
ある。
【0124】現像の後、マイクロカプセル紙37はヒー
タ64bにより50℃程度に加熱され、最終的なカラー
出力画像が定着された状態にて排出部82に排出され
る。
【0125】次に、前記感光感圧プリンタ80が露光、
現像する際の、マイクロカプセル紙37の送りについて
の制御を、図14を参照して説明する。
【0126】スタートすると、まず、マイクロカプセル
紙37の有無、並びにその幅を検出するために、幅検出
スイッチ22Aがオンであるか否かが判定される(ステ
ップS1)。内側の幅検出スイッチ22Aがオフであれ
ば、マイクロカプセル紙37が取り出されていないと判
断されるので、スタート信号があるか否かが判定され
(ステップS3)、スタート信号があれば、プリントを
行うために、表示部(図示せず)に「カセットを入れて
ください」と表示し(ステップS4)、操作者に警告す
る一方、スタート信号がなければ、ステップS1に戻
る。
【0127】また、前記幅検出スイッチ22Aはオンで
あれば、外側の幅検出スイッチ22Bがオンであるか否
かが判定され(ステップS2)、幅検出スイッチ22B
がオフである場合は、幅の小さいマイクロカプセル紙3
7が取り出されたものと判断されるので、キャリッジ4
8が往復移動する範囲である走査幅を小に設定し(ステ
ップS5)、露光に要する時間が小さいので、圧力現像
手段45の圧力現像ローラ46A,46Bによる送りス
ピードを大にし(ステップS6)、加圧現像速度を速く
する一方、両幅検出スイッチ22A,22Bが共にオン
の場合は、幅の大きいマイクロカプセル紙37が取り出
されたものと判断されるので、キャリッジ48の走査幅
を大に設定し(ステップS7)、露光に要する時間が大
きいので、圧力現像手段45の圧力現像ローラ46A,
46Bによる送りスピードを小に設定し(ステップS
8)、現像速度を遅くする。ここで、圧力現像ローラ4
6A,46Bによる送りスピードの制御は、CPU70
にて、駆動モータ60を制御することにより行われる。
【0128】具体的には、幅の小さいマイクロカプセル
紙の場合に、例えば第1の送りローラ手段21によっ
て、1秒間に2パルスの間欠送りで10パルスの割合で
送られ、圧力現像手段45によって、1秒間に10パル
スで連続的に送られて現像が行われているとすると、幅
の大きいマイクロカプセル紙の場合には、幅が小さいも
のよりも露光時間が長くなるので、第1の送りローラ手
段21による送り速度及び圧力現像手段45による現像
速度が変更せしめられ、例えば、第1の送りローラ手段
21によって、1秒間に2パルスの間欠送りで12パル
スの割合で送られ、それに対応して圧力現像手段45に
よって、1秒間に12パルスで連続的に送られて現像が
行われるようになる。なお、前記第2の送りローラ手段
25も、前記第1の送りローラ手段21の速度変更に連
動して、速度変更がされる。
【0129】それから、再度スタート信号があるか否か
が判定され(ステップS9)、スタート信号があれば、
設定されたキャリッジ48の走査幅で、設定されたロー
ラ送りスピードに従って画像形成が行われ(ステップS
10)、終了する一方、スタート信号がなければ、スタ
ート信号があるまでステップS9の判定を繰り返す。
【0130】また、前記制御においては、CPU70
に、マイクロカプセル紙37の幅に応じて、圧力現像手
段45による送り速度を変化させる速度変更手段70C
を設けているが、それに代えて、マイクロカプセル紙3
7の幅に応じて、前記露光ヘッド20とマイクロカプセ
ル紙37との間の往復相対移動速度(例えばキャリッジ
48の往復移動速度)を変更する速度変更手段を設ける
ようにしても、同様に露光に要する時間と現像に要する
時間とをマッチングさせることができる。但し、速度の
変更にかかわりなく一定の品質を確保するために、前記
速度変更手段が、更に、前記往復相対移動速度の変更に
対応して、前記露光ヘッド20によって付与される露光
パワーを変更し、一定の露光エネルギがマイクロカプセ
ル紙に対し常に付与されるようにすることが望ましい。
【0131】この場合には、図15に示すように、スタ
ートすると、まず、図14に示すステップS1〜S4の
制御の場合と同様に、ステップS11〜S14におい
て、マイクロカプセル紙37の有無、及びその幅が検出
され、必要な制御が行われる。
【0132】そして、その検出結果から、内側の幅検出
スイッチ22Aはオンであるが、外側の幅検出スイッチ
22Bはオフである場合には、幅の小さいマイクロカプ
セル紙37であると判断されるので、キャリッジ48の
走査幅を小に設定し(ステップS15)、キャリッジ4
8の走査スピードを小にし(ステップS16)、さらに
LEDのパワーを小にする(ステップS17)一方、両
幅検出スイッチ22A,22Bが共にオンの場合は、幅
の大きいマイクロカプセル紙37であると判断されるの
で、キャリッジ48の走査幅を大に設定し(ステップS
18)、キャリッジの走査スピードを大にし(ステップ
S19)、さらにLEDのパワーを大にする(ステップ
S20)。ここで、走査スピードと共にLEDのパワー
も変更するのは、前述した如くマイクロカプセル紙に付
与される露光エネルギを略一定に保ち、露光ムラが生ず
るのを防止するためである。
【0133】それから、再度スタート信号があるか否か
が判定され(ステップS21)、スタート信号があれ
ば、設定されたキャリッジ48の走査幅、キャリッジ4
8の走査スピード及びLEDのパワーに従って画像形成
が行われ(ステップS22)、終了する一方、スタート
信号がなければ、スタート信号があるまでステップS2
0の判定を繰り返す。
【0134】さらに、前記露光ヘッド20は、マイクロ
カプセル紙37の幅方向端部で一旦停止する待ち時間を
有するように往復相対移動せしめられるようになってい
るので、前記マクロカプセル紙の幅方向端部での待ち時
間(図10における往復の移動端での一端停止時間)
を、前記感光記録媒体の幅に応じて、変更させる待ち時
間変更手段を、CPU70に設けるようにしても、図1
4及び図15に示す場合と同様に露光に要する時間と現
像に要する時間とをマッチングさせることができる。
【0135】即ち、図16に示すように、スタートする
と、まず、図14に示すステップS1〜S4の制御の場
合と同様に、ステップS31〜S34において、マイク
ロカプセル紙37の有無、及びその幅が検出され、必要
な制御が行われる。
【0136】そして、内側の幅検出スイッチ22Aはオ
ンであるが、外側の幅検出スイッチ22Bはオフである
場合は、幅の小さいマイクロカプセル紙37であると判
断されるので、キャリッジ48の走査幅を小に設定し
(ステップS35)、キャリッジの待ち時間を大にする
(ステップS36)一方、両幅検出スイッチ22A,2
2Bが共にオンの場合は、幅の大きいマイクロカプセル
紙37であると判断されるので、キャリッジ48の走査
幅を大に設定し(ステップS37)、キャリッジの待ち
時間を小に設定する(ステップS38)。このように、
キャリッジ48の待ち時間を、露光時間が小さい場合は
大きく、露光時間が大きい場合は小さくなるように変更
することで、最終的に露光に要する時間(キャリッジ4
8が往復移動するのに要する時間)が一定に維持され、
圧力現像手段45による現像速度を変更する必要がなく
なる。
【0137】それから、再度スタート信号があるか否か
が判定され(ステップS39)、スタート信号があれ
ば、設定されたキャリッジ48の走査幅及びキャリッジ
48の待ち時間に従って画像形成が行われ(ステップS
40)、終了する一方、スタート信号がなければ、スタ
ート信号があるまでステップS29の判定を繰り返す。
【0138】以上説明したところの、本発明に係る画像
形成装置は、前述した特定の実施の形態にのみ限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。 (1)前記実施の形態においては、幅検出手段は、感光
記録媒体であるマイクロカプセル紙37の側縁部を検出
し、その検出結果に基づき、マイクロカプセル紙37の
幅を検出するものであるが、本発明の幅検出手段はそれ
に限定されるものではなく、例えば、感光記録媒体が遮
光性カセットに収納される場合であって遮光性カセット
のサイズが前記感光記録媒体の幅の相違に応じて異なる
場合には、感光記録媒体の搬送経路に前記遮光性カセッ
トの側縁部を検出する複数個の検出スイッチを設け、そ
の検出結果に基づき前記感光記録媒体の幅を検出するよ
うにすることができるし、遮光性カセットのサイズが感
光記録媒体の種類にかかわらず同一の場合は、例えば遮
光性カセットの表面に設けられたバーコード等のID情
報を光学的に読み取り判別する手段や、遮光性カセット
の表面に形成された凹凸形状を機械的に読み取り判別す
る手段を用いて、遮光性カセットの種類を判別し、その
判別結果に基づき前記遮光性カセットに収納されている
感光記録媒体の幅を検出するようにすることもできる。
それに加えて、操作者によって感光記録媒体の幅に応じ
て切り換えられるマニュアルスイッチを設け、そのマニ
ュアルスイッチの切換えに基づき感光記録媒体の幅を検
出するようにすることも可能である。
【0139】(2)前記実施の形態においては、感光記
録媒体としてマイクロカプセル紙37を用いているが、
本発明はそれに限定されるものではなく種々の変更が可
能であり、所定波長の光に感光する感光材料を有する感
光記録媒体であれば用いることができる。それ加えて、
前記実施の形態では、マイクロカプセル紙のうち自己発
色型のものを用いているが、転写型のものを用いること
もできる。即ち、マイクロカプセルを担持する透明基材
シートと、その基材シートのマイクロカプセル面に対し
て顕色材を担持した受像紙の顕色材面を重ね合わせて剥
離可能に一体化しておき、基材シートを露光ヘッド側に
してカセットから給紙し、一体のまま露光、現像し、装
置外に排出してから受像紙を剥離するようなものを用い
ることもできる。かかる場合は、加圧破壊されたマイク
ロカプセルから流出した色材としての染料前駆体が受像
紙の顕色剤に転写され、これと反応して発色し、顕在化
することになる。また、染料前駆体の代わりに、予め着
色された顔料や染料を感光物質と共にマイクロカプセル
に内包することもできる。この場合は、顕色剤のない受
像紙(普通紙)を基材シートに剥離可能に一体化するこ
とにより、転写型の画像形成が可能となる。剥離するこ
とにより、受像紙に画像が顕在化されるからである。
【0140】(3)前記実施の形態においては、圧力現
像手段として、線接触する圧力現像ローラを用いた圧力
現像ローラ手段を用いているが、本発明においては、そ
のほか、点接触ボールや、点接触する加圧ローラを用い
た圧力現像手段を用いることができるのは勿論、マイク
ロカプセルを加圧破壊可能な圧力現像手段を用いること
ができる。また、かかる圧力現像手段は、感光記録媒体
がマイクロカプセル紙の場合に用いられるものであり、
所定の波長の光に感光する感光材料を有する感光記録媒
体の場合は、そのような感光記録媒体を現像する現像手
段であれば足りる。
【0141】(4)前記実施の形態においては、露光手
段として、LEDを用いているが、本発明はそれに限る
ものでなく、EL発光素子、プラズマ発光素子、レーザ
発光素子等の各種の構造のものが適用できる。それに加
えて、発光素子は赤青緑から構成される必要はなく、感
光記録媒体の感度特性に合わせ、各種の波長のものを選
択することができる。例えば、赤外光、赤、緑と選んで
もよいし、遠赤外光、近赤外光、赤と選んでも差し支え
ない。また、紫外線、遠紫外線も、発光素子の色の選択
肢の有効な例である。また、発光素子の色数は、赤緑青
の3色に限るものでなく、1色又は2色でもよいし、発
色剤にイエロー、マゼンタ、シアン、黒を用いるような
通常のカラープリンタの如く、4色又はそれ以上を選択
することもできる。さらに、前記実施の形態では、副露
光は緑及び青用に行われ赤用には行われなかったが、緑
又は青のいずれか一つについて副露光を行ってもよく、
また暗領域の大きさによっては赤用に副露光を行っても
よく、結局RGBやYMCの如何を問わず少なくとも一
色についての副露光を行えば、LEDの個数の低減及び
駆動エネルギーの低減という効果は得られる。
【0142】(5)前記実施の形態においては、ピンホ
ールを有するマスクを設ける密着タイプの露光ヘッドを
用いているが、本発明はそれに限られず、ピンホールの
代わりに集光レンズを設けたタイプの露光ヘッドを用い
ることもできる。そのような露光ヘッドの構造は、例え
ば図17及び図18に示すように、ガラスエポキシ樹脂
又はアルミニウム合金からなるLED基板91に、3つ
の取付孔92a,92b,92c及び2つの位置決め孔
93a,93bが形成され、LED94a,94a,9
4b,94b,94c,94cが赤、赤、青、青、緑、
緑の順に配設されている。この基板91が、キャリッジ
95の側部に結像レンズ96(ガラス非球面レンズ)と
共に取り付けられ、各LED94a,94a,94b,
94b,94c,94cからの光が結像レンズ96を通
じて、露光台97上のマイクロカプセル紙98上に収束
される。なお、100,・・は取付孔92a〜92cに
挿通されるネジ、101,・・は位置決め孔93a,9
3bに挿通される位置決めピンである。また、このよう
な露光ヘッドは、密着タイプのものとは異なり、感光記
録媒体の表面に接触し、表面が削れたり、ピンホールが
埃等により閉塞されたり、騒音が発生したりするという
問題も生じない。
【0143】(6)また、露光手段としては、キャリッ
ジに白色光源と、赤、緑、青のフィルタと、フィルタ切
換装置と、液晶パネルとからなるデジタル露光ヘッドを
設け、フィルタを切換えながら液晶パネルの各画素をオ
ンオフさせて露光する方式も採用可能である。
【0144】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0145】請求項1の発明は、上記のように、幅検出
手段にて検出した感光記録媒体の幅に応じて、前記現像
手段による現像速度を変更するようにしているので、露
光に要する時間と現像に要する時間とをマッチングさせ
ることができ、効率よく画像形成をなすことができる。
【0146】請求項2の発明は、感光記録媒体が、色材
を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が変化する
多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により潜像を形
成可能なものとしているので、露光手段の露光により潜
像を形成し、現像手段により、前記潜像が形成された感
光記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイクロカプセ
ルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材を介して潜
像を顕在化させることができる。
【0147】請求項3の発明は、感光記録媒体を露光手
段に対し間欠送りする間欠送り手段と、1対の圧力現像
ローラによって感光記録媒体をその幅方向において挟持
して連続的に圧力現像する圧力現像手段との間に、一定
量の感光記録媒体を蓄積するバッファ部を設けているの
で、感光記録媒体を、間欠送りから連続的な圧力現像の
ための送りに無理なく移行させることが可能となる。
【0148】請求項4の発明は、感光記録媒体の送り経
路に、前記感光記録媒体の側縁部を検出する複数個の検
出センサを配設しているので、前記検出センサによる検
出結果に基づき、前記感光記録媒体の幅を簡単に検出す
ることができる。
【0149】請求項5の発明は、感光記録媒体の送り経
路に、前記遮光性カセットの側縁部を検出する複数個の
検出センサを配設しているので、遮光性カセットが装着
されるだけで、前記検出センサによる検出結果に基づ
き、前記感光記録媒体の幅を検出することができる。
【0150】請求項6の発明は、遮光性カセットの種類
を判別し、その判別結果に基づき、前記遮光性カセット
に収納されている感光記録媒体の幅を検出するようにし
ているので、遮光性カセットの種類にかかわりなく、感
光記録媒体の幅を検出することができる。
【0151】請求項7の発明は、操作者が、感光記録媒
体の幅に応じて、マニュアルスイッチを切り換ること
で、そのマニュアルスイッチの切換えに基づき、感光記
録媒体の幅を検出するようにしているので、マニュアル
スイッチを設けるだけで、感光記録媒体の幅を簡単に検
出することができる。
【0152】請求項8の発明は、幅検出手段にて検出さ
れる感光記録媒体の幅に応じて、露光手段と感光記録媒
体との間の往復相対移動速度速度を変更するようにして
いるので、請求項1の発明の場合と同様に、露光に要す
る時間と現像に要する時間とをマッチングさせて、効率
よく画像形成をすることが可能となる。
【0153】請求項9の発明は、前記速度変更手段によ
って、更に、前記往復相対移動速度の変更に対応して、
前記露光手段による露光エネルギも変更するようにして
いるので、感光記録媒体に付与される露光エネルギも略
一定に維持され、感光記録媒体の幅の相違による現像の
相違が生ずることがない。
【0154】請求項10の発明は、幅検出手段にて検出
される感光記録媒体の幅に応じて、前記感光記録媒体の
幅方向端部での待ち時間を変更するようしているので、
待ち時間を変更するという簡単な構成で、請求項1の発
明と同様に、露光に要する時間と現像に要する時間とを
マッチングして、効率よく画像形成をすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
概略構成を示し、遮光性カセットがセットされていない
状態の縦断面図である。
【図2】同横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
概略構成を示し、遮光性カセットがセットされた状態の
縦断面図である。
【図4】図1の感光感圧プリンタのマイクロカプセル紙
の模式的な断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
露光ヘッドの模式的な断面図である。
【図6】同露光ヘッドのは凹部の要部拡大断面図であ
る。
【図7】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
マスク保持部材の平面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
マスクの平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
LEDの配置を説明する説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
のキャリッジの移動速度を示すグラフである。
【図11】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
の一つの画素に対する多数回露光のタイミングチャート
を示す図である。
【図12】多数回露光の効果を説明するグラフである。
【図13】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
の電気的構成を表すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る送りローラ手段と
圧力現像手段の制御のフローチャート図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る送りローラ手段と
圧力現像手段の制御のフローチャート図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る送りローラ手段と
圧力現像手段の制御のフローチャート図である。
【図17】他の実施の形態の露光ヘッドの基板の平面図
である。
【図18】同露光ヘッドの横断面図である。
【符号の説明】
20 露光ヘッド 21 第1の送りローラ手段 22A 幅検出センサ 22B 幅検出センサ 25 第2の送りローラ手段 32 マイクロカプセル 37 マイクロカプセル紙 45 圧力現像手段 48 キャリッジ 65 給紙ローラ 66 露光台 67A 遮光性カセット 67B 遮光性カセット 70 CPU 70A 幅検出手段 70B 走査幅変更手段 70C 速度変更手段 80 感光感圧プリンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41J 2/455 B41J 3/21 L 29/00 29/00 U G03F 7/004 514 7/26 521

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定波長の光に感光する感光材料を有す
    る感光記録媒体と、該感光記録媒体の幅方向において往
    復相対移動され前記所定波長の光を前記感光記録媒体へ
    照射する露光手段と、前記感光記録媒体と露光手段との
    間に前記感光記録媒体に沿って相対移動を発生させるた
    めの相対移動手段と、前記露光手段により露光され前記
    相対移動手段により相対移動せしめられる感光記録媒体
    を現像する現像手段とを備える画像形成装置であって、 前記感光記録媒体の幅を検出する幅検出手段と、 該幅検出手段の信号を受け、前記感光記録媒体の幅に応
    じて、前記現像手段による現像速度を変更する速度変更
    手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記感光記録媒体は、色材を内包し所定
    波長の光に感光して機械的強度が変化する多数のマイク
    ロカプセルを備えかつ露光により潜像を形成可能なもの
    であり、 前記現像手段は、露光手段の露光により潜像が形成され
    た感光記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイクロカ
    プセルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材を介し
    て潜像を顕在化させるものであるところの請求項1記載
    の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記相対移動手段は、感光記録媒体を前
    記露光手段に対し間欠送りする間欠送り手段であり、 前記現像手段は、1対の圧力現像ローラにて感光記録媒
    体をその幅方向に挟持して連続的に圧力現像する圧力現
    像ローラ手段であり、 前記間欠送り手段と圧力現像ローラ手段との間に、一定
    量の感光記録媒体を蓄積するバッファ部が形成されてい
    るところの請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記幅検出手段は、前記感光記録媒体の
    送り経路に配設され前記感光記録媒体の側縁部を検出す
    る複数個の検出センサを有し、該検出センサによる検出
    結果に基づき前記感光記録媒体の幅を検出するものであ
    るところの請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 更に、前記感光記録媒体を収納する遮光
    性カセットを備え、 前記幅検出手段は、前記感光記録媒体の送り経路に配設
    され前記遮光性カセットの側縁部を検出する複数個の検
    出センサを有し、該検出センサによる検出結果に基づき
    前記感光記録媒体の幅を検出するものであるところの請
    求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 更に、前記感光記録媒体を収納する遮光
    性カセットを備え、 前記幅検出手段は、前記遮光性カセットの種類を判別
    し、その判別結果に基づき前記遮光性カセットに収納さ
    れている感光記録媒体の幅を検出するものであるところ
    の請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 更に、操作者によって、感光記録媒体の
    幅に応じて切り換えられるマニュアルスイッチを備え、 前記幅検出手段は、前記マニュアルスイッチの切換えに
    基づき感光記録媒体の幅を検出するものであるであると
    ころの請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 所定波長の光に感光する感光材料を有す
    る感光記録媒体と、該感光記録媒体の幅方向において往
    復相対移動されて前記所定波長の光を前記感光記録媒体
    へ照射する露光手段と、該露光手段により露光された感
    光記録媒体を現像する現像手段と、前記感光記録媒体と
    露光手段との間に前記感光記録媒体の幅方向に直交する
    方向に相対移動を発生させる相対移動手段とを備える画
    像形成装置であって、 前記感光記録媒体の幅を検出する幅検出手段と、 該幅検出手段の信号を受け、前記感光記録媒体の幅に応
    じて、前記露光手段と感光記録媒体との間の往復相対移
    動速度を変更する速度変更手段とを備えることを特徴と
    する画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記速度変更手段は、更に、前記往復相
    対移動速度の変更に対応して、前記露光手段による露光
    エネルギを変更するものであるところの請求項8記載の
    画像形成装置。
  10. 【請求項10】 所定波長の光に感光する感光材料を有
    する感光記録媒体と、該感光記録媒体の幅方向において
    往復相対移動されて前記所定波長の光を前記感光記録媒
    体へ照射する露光手段と、該露光手段により露光された
    感光記録媒体を現像する現像手段と、前記感光記録媒体
    と露光手段との間に前記感光記録媒体の幅方向に直交す
    る方向に相対移動を発生させる相対移動手段とを備え、
    前記露光手段と感光記録媒体は、前記感光記録媒体の幅
    方向端部で一旦停止する待ち時間を有するように往復相
    対移動せしめられる画像形成装置であって、 前記感光記録媒体の幅を検出する幅検出手段と、 該幅検出手段の信号を受け、前記感光記録媒体の幅に応
    じて、前記感光記録媒体の幅方向端部での待ち時間を変
    化させる待ち時間変更手段とを備えることを特徴とする
    画像形成装置。
JP12762597A 1997-05-16 1997-05-16 画像形成装置 Pending JPH10319560A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006151693A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Oce Technologies Bv シート処理装置
WO2015033965A1 (ja) * 2013-09-05 2015-03-12 株式会社ミマキエンジニアリング 印刷制御装置、印刷装置、プログラム及び記録媒体

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