JP3915937B2 - 記録媒体送り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録媒体を搬送する場合、記録媒体全体にわたって処理が施せるということから、2組の送りローラ手段で搬送することが知られているが、それらの搬送速度が等速度になるように設定しても、実際には、上流側と下流側の送りローラ手段を構成する送りローラの径のバラツキ等により、上流側と下流側の送りローラ手段の送り速度に速度差が生じやすい。
【0003】
この場合、上流側の送りローラ手段による送り速度が速い場合は、2組の送りローラ手段間で記録媒体が撓むことになり、逆に、下流側の送りローラ手段による送り速度が速い場合は、2組の送りローラ手段間でスリップが生じることになり、その結果、記録媒体の搬送を精度よく行うことができず、送りローラ手段間で、印字、露光、圧力現像等の処理を記録媒体に対して行う場合、印字ムラ、露光ムラ、現像ムラ等の処理ムラの問題を生ずる。
【0004】
それに加えて、上流側の送りローラ手段のみによる送りから、下流側の送りローラ手段と共に行う送りに切り換わるときや、上流側の搬送ローラ手段から記録媒体が外れる瞬間の負荷変動でも処理ムラが発生する要因となっていた。このような現象は、特に厚さの厚い記録媒体で顕著にあらわれていた。
【0005】
そこで、従来、かかる記録媒体の送りは、1組の送りローラで行っているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1組の送りローラのみで送る場合には、印字ムラ、露光ムラ等の処理ムラが少なくなるが、送るためには、1組の送りローラで必ず記録媒体を挟持する必要があることから、記録媒体の前側部分か後側部分に、処理が施されない部分が生じる。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、処理ムラを生じさせることなく、記録媒体の全面に処理を施すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一定の間隔をもって配設され該間隔より長さが長い記録媒体を搬送する上流側及び下流側の送り手段と、該上流側及び下流側の送り手段の間に配設され記録媒体に対し処理を施す処理手段とを備える記録媒体送り装置において、前記上流側の送り手段及び下流側の送り手段は、それぞれ記録媒体を挟持可能な一対の回転体を有し、記録媒体を送る速度が同一であり、前記上流側及び下流側の一対の回転体の一方を他方に付勢するか、若しくは両方を互いに接近する方向に付勢する上流側及び下流側の付勢手段と、前記上流側の送り手段又は下流側の送り手段のいずれか一方のみによって記録媒体が搬送されるように、記録媒体の搬送位置に応じて、前記上流側及び下流側の送り手段の状態を切り換える切換手段とを備え、前記上流側及び下流側の付勢手段は、前記回転体に選択的に関連づけられる第1及び第2の当接部を有し、記録媒体の搬送方向に進退可能である板バネ部材であり、前記切換手段は、前記板バネ部材に関連づけられるとともに記録媒体搬送方向に板バネ部材を進退させる進退駆動手段であり、上流側及び下流側の付勢手段の付勢力を択一的に作用させるものである。ここで、処理手段は、記録媒体に対し何らかの処理を施すものであればよく、記録媒体に印字を施す印字手段は勿論、記録媒体が感光記録媒体である場合の露光手段、現像手段等のすべての処理手段が含まれる。
【0009】
請求項1の発明によれば、上流側の送り手段及び下流側の送り手段は、記録媒体を送る速度が同一とされ、いずれか一方のみによって記録媒体が搬送されるようにしていること
から、送り手段の切り換えにより送り速度にムラが生ずることはない。
また、上流側の送り手段又は下流側の送り手段のいずれか一方のみによって記録媒体が搬送されるように、記録媒体の搬送位置に応じて前記上流側及び下流側の送り手段の状態を、切換手段により切り換えるようにされていることから、最適の状態で記録媒体を送ることが可能とされる。
さらに、上流側の送り手段及び下流側の送り手段の間で、処理手段により記録媒体に処理を行っているので、記録媒体の全面について処理を行うことができる。
さらに、上流側及び下流側の送り手段が、それぞれ、記録媒体を挟持可能な一対の回転体を有するものとされ、上流側及び下流側の一対の回転体の一方を他方に付勢するか、若しくは両方を互いに接近する方向に付勢する上流側及び下流側の付勢手段の付勢力が、切換手段によって、択一的に作用させられ、簡単な構造で、送り手段の切り換えがなされる。
さらに、板バネ部材の当接部が、進退駆動手段にて、回転体に選択的に関連づけられることにより、送り手段の切り換えがなされる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の記録媒体送り装置において、前記切換手段が、最初は上流側の送り手段にて記録媒体を搬送し、記録媒体が下流側の送り手段に進入したときに、下流側の送り手段の搬送に切り換えるものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、記録媒体が、最初は、上流側の送り手段にて送られ、記録媒体の先端部が下流側の送り手段に進入すると、切換手段による切り換えで、下流側の送り手段にて送られるようになる。この場合、両送り手段の間に処理手段があり、記録媒体の全体にわたって、処理を施すことが可能となる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
請求項の発明は、請求項1又は2の記録媒体送り装置において、前記処理手段が、前記記録媒体を露光する露光手段を備える。
【0019】
請求項の発明によれば、送り手段の間で、露光手段により記録媒体が露光される。
【0020】
請求項の発明は、請求項の記録媒体送り装置において、前記処理手段が、更に、前記露光手段により露光された記録媒体を現像する現像手段を備える。
【0021】
請求項の発明によれば、送り手段の間で、露光手段により露光された記録媒体が、現像手段にて現像される。
【0022】
請求項の発明は、請求項の記録媒体送り装置において、前記記録媒体が、色材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が変化する多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により潜像を形成可能なものであり、前記現像手段が、露光手段の露光により潜像が形成された記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイクロカプセルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材を介して潜像を顕在化させるものである。
【0023】
請求項の発明によれば、感光記録媒体が、色材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が変化する多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により潜像を形成可能なものであることから、露光手段の露光により潜像が形成される。そして、現像手段により、前記
潜像が形成された感光記録媒体が加圧され、機械的強度の低いマイクロカプセルが破壊され、マイクロカプセルから出る色材を介して潜像が顕在化せしめられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0025】
図1〜図3は感光記録媒体であるマイクロカプセル紙を露光し現像するための画像形成装置としての感光感圧プリンタの概略構成を示し、図1はマイクロカプセル紙を収納する遮光性カセットが装着される前の状態の縦断面図、図2は同横断面図、図3は遮光性カセットが装着された後の縦断面図である。
【0026】
図1〜図3において、感光感圧プリンタ80は、ケーシング81の前部に、遮光性カセット67A又67Bが着脱可能に装着されており、該カセット67A又は67B内に、未感光の複数枚のマイクロカプセル紙37,・・が、積層された状態で収納されている。このときの積層状態は、前記マイクロカプセル紙37,・・のうち、後述する光透過性支持体31(図5参照)が上側に位置するようになっている。尚、本例では、マイクロカプセル紙37の種類は2種類(サイズ3.5インチ×5インチと、サイズ4インチ×6インチとの2種類)で、その種類に応じてそれらが収納される遮光性カセット67A,67Bのサイズが異なっている。前記両カセット67A,67Bは、幅及び長さが異なるが、高さは同一である。
【0027】
前記カセット67A又は67Bが感光感圧プリンタ80のケーシング81の所定位置にセットされている状態で、カセット67A又は67Bからマイクロカプセル紙37が、給紙ローラ65により一枚ずつ取り出され、案内板86上を経て、マイクロカプセル紙37の先端部は、上側及び下側ローラ21A,21B(回転体)を有する第1の送りローラ手段21により、露光ヘッド20に対向する露光台66に向かって図中左方に引き出される。露光台66は、露光ヘッド20に対して接離可能にケーシング81内に支持されており、バネ部材(図示せず)により上方向(露光ヘッド20側)に付勢されている。尚、前記遮光性カセット67A又は67Bから取り出された、露光前のマイクロカプセル紙37は、ケーシング81の遮光カバー等により、未露光状態が保持される。
【0028】
第1の送りローラ手段21の上流側には、マイクロカプセル紙37の先端部(頭部)を検出する紙位置検出センサ19が所定位置に配設され、また、それとは別に、マイクロカプセル紙37の送り経路にマイクロカプセル紙37の側縁部を検出することによりそれのサイズ(幅)を検出するための幅検出センサ22A,22Bが一定間隔を存して並列に設けられている。
【0029】
そして、前記幅検出センサ22A,22Bの検出信号は、後述するCPU70に入力され、幅検出手段70Aにおいて、マイクロカプセル紙37が上記2種類のいずれであるかが判定され、マイクロカプセル紙37の幅が検出される。そして、その検出結果に基づき、往復移動幅変更手段70Bにより露光ヘッド20(キャリッジ48)の往復移動幅が設定され、第1の送りローラ手段21及び後述する第2の送りローラ手段25によるマイクロカプセル紙37の送り速度並びに後述する圧力現像手段45によるマイクロカプセル紙37の現像速度が速度変更手段70Cによって変更されるようになっている。また、紙位置検出センサ19の検出信号も、後述するCPU70に入力され、その結果に基づき、タイミング設定手段70Dにおいて、第1の送りローラ手段21による送りから後述の第2の送りローラ手段25による送りへ切換えるタイミングを設定するようになっている。なお、前記マクロカプセル紙37の幅方向において露光ヘッド20を往復移動させる露光タイミングも、紙位置検出センサ19の検出信号に基づき設定される。
【0030】
前記給紙ローラ65及び第1の送りローラ手段21の駆動側ローラである上側ローラ21Aは共通の駆動モータ23(パルスモータ)にて回転駆動され、マイクロカプセル紙37は間欠送りされるようになっている。即ち、給紙ローラ65は、駆動モータ23にて直接回転駆動される一方、第1の送りローラ手段21の上側ローラ21Aは、ギヤ機構24を介して回転駆動されるようになっている。また、第2の送りローラ手段25の上側ローラ25Aも、同様にギヤ機構24を介して駆動モータ23にて回転駆動され、第2の送りローラ手段25も、第1の送りローラ手段21と同一の送り速度でもって、マイクロカプセル紙37を搬送するようになっている。
【0031】
そして、前記第1の送りローラ手段21により搬送されるマイクロカプセル紙37の先端部分は、下側の露光台66と上側の露光ヘッド20との間に進入するようになっている。
【0032】
また、前記露光台66のマイクロカプセル紙37が接触する側の表面には、フィルム状のヒータであるプレヒータ64aが取着されている。このプレヒータ64aは、後に詳述するように、露光ヘッド20を往復走査することで該露光ヘッド20によりマイクロカプセル紙37の選択的範囲に赤緑青の画像に対応した潜像を形成する際に、感光感度を向上するべく所定の温度にマイクロカプセル紙37を加熱するために使用される。
【0033】
前記露光ヘッド20は、露光台66の上方にマイクロカプセル紙37の幅方向(マイクロカプセル紙37の送り方向(Y方向)と水平面で直交する方向(X方向))において往復移動可能に配置されているキャリッジ48の下面側に設けられており、該キャリッジ48の下流側には、上側及び下側ローラ25A,25Bを有する第2の送りローラ手段25が設けられている。
【0034】
また、前記マイクロカプセル紙37の送り通路上であって前記第2の送りローラ手段25の下流側には、1対の圧力現像ローラ46A,46Bを備える圧力現像手段45が配設され、更にその下流側に、フィルム状のポストヒータ64b及び1対の排出ローラ75,75が順に配設され、現像後のマイクロカプセル紙37はケーシング81の上部の用紙排出部82に排出されるようになっている。尚、前記ポストヒータ64bは、現像が終了してカラー画像が発色したマイクロカプセル紙37を60〜80℃程度に加熱することで、カプセルを完全に硬化させ、染料前駆体をカプセル内に閉じこめることによって、発色を定着させる作用があるものである。また、前記ポストヒータ64b及び前述したプレヒータ64aは、共に、ポリイミド等の薄膜フィルム上に、導電性発熱体を印刷等にてパターン化し、電流駆動を行うことでフィルム自身が発熱するように構成されたものである。
【0035】
また、前記第1及び第2の送りローラ手段21,25の下側ローラ21B,25Bには、付勢手段としての板バネ部材26A,26Bの付勢力を択一的に作用させる切換手段27が設けられている。そして、切換手段27の切換動作によりいずれか一方の下側ローラ21B又は25Bが、板バネ部材26A又は26Bにて上側ローラ21A又は25Aの方向に付勢され、マイクロカプセル紙37を挟持するようになっている。従って、マイクロカプセル紙37は、第1の送りローラ手段21又は第2の送りローラ手段25のいずれか一方のみによって送られ、両送りローラ手段21,25によって送られることがないようになっている。
【0036】
即ち、図4(A)〜(C)に詳細を示すように、下側ローラ21B,25Bの軸部に当接する当接部を有する板バネ部材26A,26Bが、可動支持部材30に連結され、該可動支持部材30をソレノイド手段28(進退駆動手段)にて進退させることで、いずれの送り手段21,25による送りを行うかを切り換えるようになっている。また、可動支持部材30は、コイルスプリング29にて第1の送りローラ手段21側に付勢され、ソレノ
イド手段28がオフ状態では、コイルスプリング29のスプリング力によって可動支持部材30が第1の送りローラ手段21側に移動せしめられ、板バネ部材26Aが第1の送りローラ手段21側の下側ローラ21Bを上方に(上側ローラ21A側に)付勢する力の方が、板バネ部材26Bが第2の送りローラ手段25側の下側ローラ25Bを上方に付勢する力よりも大きくなるように構成されている。一方、ソレノイド手段28がオン状態では、可動支持部材30が第2の送りローラ手段25側に移動され、板バネ部材26Bが下側ローラ25Bを上方に付勢する力の方が、板バネ部材26Aが下側ローラ21Bを上方に付勢する力よりも大きくなる。なお、図4(C)に示すように、下側ローラ(下流側の下側ローラ25Bについてのみ図示)の軸部は、案内部66aに上下方向において摺動可能に係合し、上下方向の移動は板バネ部材26Bにて規制されるようになっている。また、前記板バネ部材26A,26Bの強度、取付角度等を適宜選択することによって、板バネ部材26A,26Bによる付勢力を調整して、下側ローラ21B,25Bの上側ローラ21A,25Aに対する接触圧力を0〜50gの範囲で調整することが可能である。さらに、前記ソレノイド手段28としては、可動支持部材30を切換移動させるものであれば何でも採用することができ、例えばエアシリンダやリニアモータを採用することもできる。
【0037】
前記キャリッジ48は、図中紙面に直交する方向(マイクロカプセル紙37の搬送方向に直交する方向)に沿って延びるようにケーシング81内に平行に固設された断面円形状の1対の案内軸49,49に摺動可能に軸支されており、前記露光台66側の下面に露光ヘッド20が取付固定されている。前記キャリッジ48の下流側端部には、プーリ51,52間に回転可能に設けられたタイミングベルト53が固着され、前記プーリ51,52のうちの一方のプーリ51にキャリッジ駆動モータ54が連結されている。よって、タイミングベルト53がモータ54によって回転されることで、キャリッジ48が案内軸49,49に沿って往復駆動されるようになっている。
【0038】
前記キャリッジ駆動モータ54は、回転方向と回転量を制御可能なものであって、一般的なDC/ACモータが採用されている。そして、キャリッジ48の走行方向に沿って設けられ透明なPETフィルムに黒色の縦ストライプが印刷されたリニアエンコーダ62と、キャリッジ48側に設けられ前記リニアエンコーダ62に基づいてキャリッジ48の位置を検出するフォトセンサ63(例えば透過型フォトインタラプタ)により位置検出手段が構成され、キャリッジの走査量がフォトセンサ63によりリニアエンコーダ62の縦ストライプを計数することによって決定される。そして、この位置検出手段よりの信号に基づいて、駆動モータ54が制御され、キャリッジ48の往復走査幅が演算される。尚、DC/ACモータのほかにもオープンループ制御のパルスモータを採用することができ、この場合は、位置検出手段を省略することができる。
【0039】
前記第2の送りローラ手段25を通過したマイクロカプセル紙37は、湾曲形成されたガイド部材83によって案内されて圧力現像手段45に送られるが、その際、マイクロカプセル紙37は、それ自体の剛性により、最初はガイド部材83に沿わず、圧力現像手段45の方に送られないが(図3鎖線参照)、第2の送りローラ手段25により順次間欠的に送り出されることで、マイクロカプセル紙37が徐々に撓んでガイド部材83に沿うようになり、圧力現像手段45に送られ、加圧現像作用を受けるようになっている。即ち、第2の送りローラ手段25と圧力現像手段45との間に、マイクロカプセル紙37の流れを一時的に停滞させ一定量のマイクロカプセル紙37を蓄積するバッファ部84が形成されていることになり、第2の送り手段25による間欠送りから、圧力現像手段45による連続送りに無理なく移行するように構成されている。
【0040】
前記圧力現像ローラ46A,46Bは、一方のローラ46Aはケーシング81に回転可能に支持され、他方のローラ46Bは、回転軸55aを有する支持ブラケット55の一端部に回転可能に支持されている。支持ブラケット55の他端部は、カム部材56に当接す
る下側カム面55bを有し、上方に位置する加圧部材57がスプリング部材58にて下方に付勢され、下側カム面55bがカム部材56に常時当接するようにされている。
【0041】
前記圧力現像ローラ46A,46Bは、線接触型の加圧ローラとして形成されており、マイクロカプセル紙37の送り方向に直交する軸線の回りについて回転可能に支承されている。一方の圧力現像ローラ46Bが、スプリング部材58の付勢力により他方の圧力現像ローラ46Aに接触するように付勢されている。また、圧力現像ローラ46Aは、キャリッジ駆動モータ54と反対側に位置する駆動モータ60にて、ギヤ機構61を介して回転駆動されるようになっている。
【0042】
ここで、前記圧力現像ローラ46A,46Bによるマイクロカプセル紙37の加圧力はスプリング部材58のスプリング力を利用する代わりに、空圧器、油圧器、ソレノイド等の他の加圧手段で代用することが可能である。それに加えて、単に弾性体を使用するだけではなく、電磁力を使用して加圧することも可能であり、要するに一方の現像加圧ローラを他方の現像加圧ローラ側(マイクロカプセル紙37側)に付勢する手段であれば何を使用してもよく、特に制限されない。
【0043】
続いて、前記マイクロカプセル紙37の構造について、断面構造を示す図5に基づいて説明する。
【0044】
図5において下側に位置する光透過性支持体31上に、色材としての共反応体と接触して発色する成分(染料前駆体、以下、色原体と記述する場合がある)及び所定波長の光に感光することによりその機械的強度が変化(感光硬化)する成分(光硬化性樹脂)とを内包したマイクロカプセル32と、該マイクロカプセル32中の染料前駆体(色原体)と反応する共反応体(顕色剤)33とが混合塗着されてなる混合塗着層34が積層され、更に、前記混合塗着層34上に、シート状支持体35が積層されている。
【0045】
前記マイクロカプセル32としては、3種類の異なるマイクロカプセルが含まれており、その種類の異なる各マイクロカプセルには、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの一つの色を発色するための無色の染料前駆体と、光の3原色の各々の波長の光に感光して硬化する光硬化性樹脂と、重合開始剤とが含まれている。
【0046】
このため、例えばブルー光(約470nmの波長光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合には、イエローのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセル32の光硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙37に圧力をかけると、感光硬化したマイクロカプセル(この場合はイエロー)は破壊されず、硬化しなかったマイクロカプセル(この場合はマゼンタ,シアン)が破壊されてマゼンタ,シアンの染料前駆体がマイクロカプセルから流出して顕色剤と反応して発色し、それらが混色して青色となる。この青色が前記透過性支持体31を介して観察されることになる。
【0047】
また、グリーン光(約525nmの波長光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合には、マゼンタのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙37に圧力をかけると、圧力現像によりイエロー、シアンのマイクロカプセル32が破壊され、イエロー、シアンの染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混色により緑色となる。この緑色が前記透過性支持体31を介して観察されることになる。
【0048】
更に、レッド光(約650nmの波長の光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合には、シアンのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙37に圧力をかけると、圧力現像によりイエロー、マゼンタのマ
イクロカプセルが破壊され、イエロー、マゼンタの染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混色により赤色となる。この赤色が前記透過性支持体31を介して観察されることになる。
【0049】
また、露光により全てのマイクロカプセルが感光硬化したときは、圧力現像しても、それらが破壊されないので発色は起こらず、光透過性支持体31を介して前記シート状支持体35の表面が目視できる状態にある。従って、前記シート状支持体35の表面の白色が背景色となり、発色反応が起こった部分だけカラー画像が形成されるのである。尚、この発色原理を自己発色と称する。また、マイクロカプセル紙37における光透過性支持体31の表面を発色側面と称する。
【0050】
前記実施の形態の場合、前記光透過性支持体31の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムが用いられる。
【0051】
ところで、このようなマイクロカプセル32による感材は、湿度による影響を大きく受け、高湿条件にて保存されると、光透過性支持体31やシート状支持体35が吸湿し、その感度を大きく変動させてしまう。具体的には、吸湿により感度が高くなるが、高湿保存時の温度条件によりその感度は10倍程度以上に変動するものであり、本発明のような複数光源により一定露光エネルギー密度にて感材を露光する画像形成装置においては、画質を高品位に保つには、この変動要因は大きな技術的課題となる。
【0052】
そこで、この課題を解決するために、前記光透過性支持体31及びシート状支持体35として、耐湿材料を選択するか、耐湿材料を更に外表面か内表面(カプセル側の表面)に塗布することが望ましい。このような耐湿材料の例として、非晶質ポリオレフィン等の光学レンズ材料が広く選択でき、また、耐湿材料を塗布する場合の塗布材料、方法としてSiO2等の蒸着等が挙げられる。
【0053】
また、更に別の技術的課題として、光透過性支持体31を透過して紫外線がマイクロカプセル32に放射されることで、カプセルが黄色に変色し、白地の色度、濃度が変化するという課題がある。そこで、この課題を解決するために、前記光透過性支持体31として、紫外線の透過率の低い材料を選ぶか、紫外線の透過率の低い材料を更に外表面か内表面に塗布することが望ましい。
【0054】
前記マイクロカプセル32としては、トリフェニルメタン系、スピロピラン系染料の色原体、トリメチロールプロパントリアクリレートの如きアクリロイル基含有化合物の光硬化性樹脂、並びにベンゾフェノン、ベンゾイルアルキルエーテルの如き光重合開始剤等を、ゼラチン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリイソシアネート樹脂等の重合体壁に内包した物等の公知のものを使用することができる。
【0055】
また、前記共反応体33としては、マイクロカプセル32内の色原体の組成等との関連もあるが、酸性物質、例えば、酸性白土、カオリン、酸性亜鉛、酸化チタン等の無機酸化物、フェノールノボラック樹脂、あるいは有機酸等の公知の顕色剤を用いることができる。
【0056】
このマイクロカプセル32及び共反応体33の混合物に対し、更にバインダ、充てん剤、粘度調整剤等が添加されて、光透過性支持体31上に塗布ローラ、スプレイ、ドクタナイフ等により塗布され、混合塗着層34が形成される。
【0057】
前記シート状支持体35は、透明、半透明、又は不透明な支持体、例えば、紙(セルロース)、合成紙、ポリエステルやポリカーボネイト等の樹脂フィルム等を用いることがで
きる。また、湿度、紫外線の影響に対する対策は、上述の通りである。
【0058】
次いで、図6〜図10を参照しながら、前記露光ヘッド20の構成について説明する。尚、図6及び図7は、感光記録媒体としてのマイクロカプセル紙37を露光するための露光ヘッド20の要部のみを示す模式的な断面図、図8はマスク保持部材14の上面図、図9はマスク13の上面図、図10は発光素子(LED)の配置を説明する説明図である。
【0059】
図6において、露光ヘッド20は、複数種類の発光素子7,8,9と、それらを支持(固定)するための基板1と、マスク13と、マスク保持部材14とを備える。
【0060】
図7に示すように、基板1は、その製造方法としては、まず、ガラスエポキシ製の平板状の基板1の表面に、切削加工、プレス加工等にて、すり鉢状の凹部4が形成され、更にその表面に、電気信号を伝達するための所定の平面視ランドパターンの電極層3が無電解メッキにより形成される。前記電極層3は銅箔35μmからなる。また、ボンディングワイヤー10の接続点では、ボンディングパッドとして、ニッケル5μm、金0.5〜1.0μmを更に銅箔上に形成し、3層構成とする。
【0061】
このように、基板1の所定箇所に必要数の凹部4を形成してから、所定パターンにて形成された電極層3を形成し、該各凹部4に発光素子としてのLEDが銀ペースト又はエポキシ系の接着剤にて接着固定される。
【0062】
凹部4の加工では、図7に詳細を示すように、断面すりばち状の凹部4が形成される。この場合、各凹部4の底面4aは基板1の表面と平行に形成され、その底面4aから上方に向けて広がるように傾斜状の側面4bが形成される。基板1の表面の電極層3も凹部4の表面に沿って所定のパターンにて形成される。
【0063】
そして、図6に示すように、前記各凹部4の底面4aの電極層3の表面に、接着剤6にて、それぞれ赤LED7、緑LED8、青LED9が固定される。ここで、前記凹部4の深さは赤LED7、緑LED8、青LED9の取付高さよりも若干深く形成されているため、各LED7,8,9の頂部は前記基板1の表面よりも沈んだ位置となる。この赤LED7、緑LED8、青LED9の頂部からは、ボンディングワイヤ10によって、ランドパターンの電極層3の所定位置に電気的結線が施されており、各LED7,8,9及びボンディングワイヤ10は、空気に触れないように透明な封止材11にて封止されてある。
【0064】
前記接着剤6としては、赤LED7には銀ペースト、緑LED8、青LED9にはエポキシ樹脂等が用いられる。これは、赤LED7は底面が電気的端子の1つとなるため、導電性の接着剤6によって基板1との電気的接続を行うことが必要であるのに対して、緑LED8、青LED9では、電気的端子が2点とも頂面に配設されているため、接着には絶縁性で透明なエポキシ樹脂を用いているのである。透明な接着剤6を用いることで、緑LED8、青LED9の内部で発生し、底面に進む出力光は、この透明な接着剤6を通過して凹部4の底面4aにて反射して再び頂面から出射されるため、出力光が大きくなるという効果がある。
【0065】
前記赤LED7は、その基本材料としてAlGaAsが用いられ、公知技術である高出力のDDH構造のものが適用できる。出力光の中心波長は約650nmである。電気的端子は、頂面に1個あり、底面に1個ある。前記緑LED8、青LED9は、共にその基本材料としてGaNが用いられたものが適用できる。出力光の中心波長はそれぞれ約525nm、約470nmである。これらの電気的端子は頂面に2個あり、底面にはない。各LEDは電気的な2端子に所定方向に電流を流すことで出力光を空間中全方向に発する。全方向に発した出力光は、一部は直接図面中上方に向かい、他の一部は凹部4の側面4bに
て反射作用を受け同様に図面中上方に出射される。
【0066】
前記ボンディングワイヤ10は、金線からなり、各LEDの頂面とボンディングパッドの形成された電極層3に対し、加熱及び超音波にてボンディング接着される。
【0067】
前記封止材11は熱硬化樹脂により形成され、通常透明なシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。熱硬化条件は、通常温度は150℃、時間は4時間程度である。LED等の一般半導体材料は空気に触れると、その表面が、酸化、吸湿等の作用を受け特性が急激に劣化するという現象があるから、封止材11はこれを避ける目的と、ボンディングワイヤ10等を機械衝撃により破壊しないように保護する目的がある。また、本実施の形態においては、封止材11を、マスク13及びマスク保持部材14を接着固定するという別の目的にも流用している。
【0068】
前記基板1の上方には、貫通円形開口形状のピンホール12を複数個(発光素子数と同一数)備えたマスク13が、マスク保持部材14を介して位置決めされて配設されている。マスク保持部材14は、基板1上に位置決め用ボス穴15を用いて固定され、マスク保持部材14の上端面にはマスク保持用の位置決め溝14aが形成されている。この位置決め溝14aに前記マスク13が装着され、接着等の固定手段によりマスク13は基板1と一体に固定される。本実施の形態では、マスク13及びマスク保持部材14は、共に、前記封止材11により、基板1上に一体化されている。
【0069】
図8は、図1において露光台66側から見たマスク保持部材14の平面図であり、前記凹部4の位置も説明の便宜上図示してある。マスク保持部材14は基板1に形成された各凹部4を各々分離するように分離壁(分離隔壁)2がマスク保持部材14に一体に形成されている。この分離壁2は、図6に示されるように、その下端面が基板1の非凹部領域の上面(電極層3の上面を含む)に当接し、分離壁2の上端面が前記マスク13の下端面に当接するものであり、基板1とマスク13との間の光伝播空間は、この分離壁2により発光素子(LED)毎に分離されている。つまり、ある凹部4内に配設されたLEDから出射された光束は、その凹部を囲む分離壁2の存在のため、その凹部4に対応するマスク13のピンホール12からのみ露光ヘッド20の外部に出射し、他の凹部4に対応するピンホール12からは出射しない。よって、迷光が発生しないので、高解像度の画像形成が可能となる。
【0070】
前記マスク保持部材14は、高精度耐熱プラスチック材料からなる単一の成型品であり、基板1上の位置決めボス穴15に基づいてマスク13の3軸方向の位置決めを行い、更に各LEDの出力光が隣接する対応しないピンホール12から出射されるという迷光の問題を引き起こさないように、各々の発光素子(LED)からの出力光を、分離壁2の作用にて個別の空間に分割することにより分離するためのものである。前述の通り、封止材11には熱硬化樹脂を用いるため、これを用いてマスク保持材14及びマスク13を同時に位置決めして接着固定を行う場合において、封止材11の硬化温度であってもマスク保持部材14は変形を受けないように、耐熱性の材料を用いることが必要である。このような材料として、POM等が選択できる。この分離壁2を備えたマスク保持部材14が光学的分離手段を構成している。また、他の実施形態としては、分離壁をマスク保持部材と別体とすることも可能であるし、基板1側に一体化することも可能である。また、分離壁をマスクと一体化することも可能である。更に、分離する空間形状も、四角のみならず、丸形状等のその他の形状も種々のものを採用することができる。
【0071】
図9は、図1において露光台66側から見たマスク13の平面図である。マスク13は厚さ0.1mm程度のステンレス鋼により形成され、その外形並びにピンホール12,39は、エッチングにより加工されている。また、その表面はディッピング工法により黒染
め加工されており、光の無反射処理となる。また、光学的分離手段を備えた本実施の形態の露光ヘッド20では、隣接する光源への迷光の問題が解決されていることから、このような無反射処理は行わなくても特に問題はないという効果が得られた。
【0072】
前記ピンホール12はその穴径がφ0.2mm〜φ0.18mm程度に形成され、この穴径により、感光記録媒体としてのマイクロカプセル紙37へ供給する光パターンの解像度を決定している。また、穴径が約2倍のφ0.4mmの副ピンホール39は後述するように副露光用のピンホールである。これらのピンホール12、39は前記赤LED7、緑LED8、青LED9の頂部にそれぞれ対向して形成される。
【0073】
図9に示すように、本実施の形態では、画像変調露光用として、紙送り方向前方側から後方側にかけて、赤色用の3個のLED7a,7b,7cにて1セット、緑色用の3個のLED8a,8b,8cにて1セット、青色用の3個のLED9a,9b,9cにて1セットがそれぞれ配設されている。特に、緑色用の1個のLED8dと青色用の1個のLED9dについては、画像の変調(所望の画像を形成するため赤青緑の各LEDを画像データに従ってオン・オフ制御すること)とは関係ない副露光用の発光素子として別に配設してある。尚、図9中、7a〜7c,8a〜8d及び9a〜9dはそれぞれ括弧内に記されているが、これは各LEDの位置を示すものである。
【0074】
緑、青においては、あるエネルギー密度レベルまでは、光露光を行っても出力画像の濃度が変化しない領域(マイクロカプセルの感光性樹脂が硬化しない領域)があり、具体的には最大濃度変化に必要なエネルギー密度の1/5の量を感材に露光しても、濃度が変化しないという数値例がマイクロカプセル紙から得られた。この1/5のエネルギー密度量を、画像変調露光とは無関係に常に照射することによって、使用するLEDの個数を減らすことができる。
【0075】
尚、赤色用LEDには副露光用のものが存在しないのは、赤色に感光するマイクロカプセルは青や緑のものに対して出力画像の濃度が変化しない領域が十分低いためである。つまり、赤色の露光に関しては上記の副露光により濃度が変化しない領域が、最大濃度変化に必要なエネルギー密度の1/20程度以下の量であるためである。
【0076】
本実施の形態では特に、以上のようにマトリクス配列されたLEDを用いて、走査方向に斜めに3個並んだLEDのグループの夫々により各色毎に同一ドット(同一画素点)を、合計3回ずつ画像変調露光し、かつこのLEDのグループの夫々により、紙送り方向には1露光ラインずつ露光するように構成されている。従って、1画素に注目すると、各色3回ずつ、合計9回の露光が行われることになる。
【0077】
また、画像変調露光用の赤、緑、青のLEDは、図10に示すように、赤色用のLED3個のうちX方向(露光ヘッド20の往復移動方向)に並んだLED7a,7b,7cの3個のグループにおいては、LED7aとLED7bとの間隔X1、及びLED7bとLED7cとの間隔X1が、それぞれマイクロカプセル紙37に形成される画像の1画素(1ドット)の整数倍(例えば16倍)の間隔にて配置される一方、Y方向(マイクロカプセル紙37の送り方向)には、LED7aとLED7bとの間隔Y1、及びLED7bとLED7cとの間隔Y1が、マイクロカプセル紙37に形成される画像の1画素(1ドット)分乃至その整数倍間隔だけずらして配置される。また、残りの赤色用のLEDについても、X方向に並んだ3個のグループずつ同様に配置されている。
【0078】
そして、このようにX方向に並んだ3個のグループと隣接する3個のグループとのY方向における間隔は16ドット分だけ離して配置されている。即ち、図10において、Y2=14ドット(Y2+Y1+Y1=16ドット)となるように配置されている。
【0079】
画像変調露光用の緑色用の3個のLED8a,8b,8c及び青色用の3個のLED9a,9b,9cについても、上記赤色用のLEDと同様に配置されている。
【0080】
そして、赤LED7のセット(図10で、一番下方に位置するX方向に並んだ3個のグループ)と緑LED8のセット(図10では中央部に位置するX方向に並んだ3個のグループ)との間隔は16ドット分だけ離して配置されている。同様に、緑LED8のセット(図10では中央部に位置するX方向に並んだ3個のグループ)と青LED9のセット(図10では、一番上方に位置するX方向に並んだ3個のグループ)との間隔は16ドット分だけ離して配置されている。
【0081】
ここで、図10中、青LED9aと赤LED7aとの間隔は、16×2=32画素分となる。これは各色LEDの設置数(実施例で3個)の整数倍からずらすことで、紙送り等の誤差が3ライン周期で出たときに、横筋が顕在化しないような効果を得るためである。
【0082】
このように配置された各LEDの配置関係に一致するように前記マスク13に穿設されるピンホール12の配置関係も設定されているのである。
【0083】
このような構成の露光ヘッド20を、画像データに従って対応するLEDを変調露光しながら図2中横方向(図10のX方向)に沿って例えば+X方向に所定速度Vにて移動させ、その後にマイクロカプセル紙37を図中縦方向(図10のY方向)に1露光ライン分送ってから再び露光ヘッド20を−X方向に前記所定速度で移動させながら変調露光し、その後再びマイクロカプセル紙をY方向に1露光ライン分送ってから露光ヘッド20を+X方向に移動させるとともにLEDを変調露光するという動作を、9個の露光ラインの夫々について並列に繰り返して所望の画像の露光を行うのである。
【0084】
このように移動走査を行いながら、画像情報に従って各LEDを独立に変調駆動することによって、所定の中心波長の光を、所定の光パワーにて、所定時間、所定場所に供給することで、カラー画像の潜像を形成することができるものである。
【0085】
図11は、前記キャリッジ48の移動(走査)速度の時間変化を示すグラフであり、これを用いてキャリッジ48の移動を説明する。
【0086】
キャリッジ48は、キャリッジ駆動モータ54(サーボモータ)等の駆動により、最高速度V(mm/sec)、走査周期T(sec)、速度一定時間Tc(sec)をもって台形状の速度変化パターンで往復移動させられる。
【0087】
即ち、図11に示すように、キャリッジ48を最高一定走査速度±V(mm/sec)にて、マイクロカプセル紙37の幅方向(X方向)において往復移動(往復走査移動)させるものとする。図11において、時間軸(横軸)に対して傾斜している部分は、往復の移動端での一旦停止(待機)と最高一定走査速度±V(mm/sec)との間の加速域・減速域を示す。また、時間Tcは、マイクロカプセル紙37の幅方向(X方向)距離全体をキャリッジ48が通過するのに要する時間(前記最高一定走査速度の所要時間)であり、前記往復の走査周期Tとする。
【0088】
そして、マイクロカプセル紙37の各露光ライン(図10のX方向に沿う1ライン)では前記複数の赤LED7からなる1セット、複数の緑LED8からなる1セット、複数の青LED9からなる1セットが画像情報に従って各々点灯制御される。この点灯制御の際には、前記赤LED7の1セット、緑LED8の1セット、青LED9の1セットの取付
間隔(ピンホール間隔)が存在するため、露光ライン中の1点に対する露光は、キャリッジ48の走査移動に要する時間と、上記間隔分だけマイクロカプセル紙37が送られる時間とに応じた遅延時間tを加味して行われる。
【0089】
即ち、Y方向への送り距離が1ドット分の時には、マイクロカプセル紙37の1画素に注目してみると、当該1つの画素点(露光点)を白色とするため、G光とR光とB光とを照射するためには、例えばまず、キャリッジ48の往路方向への移動時(図10のX方向移動時)に、青LED9cに対向するピンホール12が前記1画素点に位置している時に、図12に示すように、当該青LED9cを所定の短時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させる。
【0090】
次いで、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図10のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図10のX′方向移動時)には、青LED9bに対向するピンホール12が前記1画素点に位置している時に、当該青LED9bを所定の短時間Δtだけ一回点灯し、キャリッジ48を復路の終端で一旦停止させる。
【0091】
更に、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図10のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の往路方向への移動時(図10のX方向移動時)に、青LED9aに対向するピンホール12が前記1画素点に位置している時に、当該青LED9aを所定の短時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させる。
【0092】
このようにすると、図12に示すように、着目した1つの画素点に対して、前記走査周期Tの半分の時間ごとに、青LED9c→9b→9aの順序で短時間Δtずつ点灯することになる。
【0093】
そして、次に、マイクロカプセル紙37を14ドット(Y2)分だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図9のX′方向移動時)に、緑LED8cに対向するピンホール12が前記着目した1つの画素点に位置している時に緑LED8cを所定の短時間Δtだけ1回点灯した後、キャリッジ48を復路の終端で一旦停止させる。次いで、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の往路方向への移動時(図9のX方向移動時)に、緑LED8bに対向するピンホール12が前記1画素点に位置している時に、当該緑LED8bを所定の短時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させる。更に、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図9のX方向移動時)に、緑LED8aに対向するピンホール12が前記1画素点に位置している時に、当該緑LED8aを所定の短時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を復路の終端で一旦停止させるのである。
【0094】
次いで、マイクロカプセル紙37を14ドット分だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、赤LEDに関しても赤LED7c→7b→7aの順序でキャリッジ48を往復移動させつつ所定の短時間Δt毎に点灯を繰り返すのである。
【0095】
このように、前記1画素点については、合計で9回のΔt毎の露光が行われることになる。
【0096】
また、以上のようなキャリッジ48の往路方向又は復路方向への移動時におけるLEDによるΔt時間の点灯動作は、1ドットのY方向への紙送りが行われる前に、9個の全てのLEDにより各1露光ラインの全ドットに対して行われるため、前記往路方向又は復路方向への一回の移動時には、合計で9ラインの露光が行われることになる。
【0097】
更に、この走査露光時には上記した画像変調露光の他に、青LED9dと緑LED8dとによる副露光が常に行われる。副露光の光エネルギーは前記したようにカブセルが硬化しない最大の光エネルギーに設定されている。
【0098】
従って、各青LED9a,9b,9c、緑LED8a,8b,8c、赤LED9a,9b,9cから照射される各色毎の光エネルギーは同じとなっているが、青色波長光と緑色波長光に関しては、ピンホール39を介してそれぞれ青LED9d、緑LED8dから副露光される分の光エネルギーが追加されているので、各色のマイクロカプセルはそれぞれ同じ割合だけ硬化することとなる。この場合、各色のカプセルの硬化度は最大となり、すべてのカプセルが加圧現像されても破壊されず、発色反応は起こらない。つまり、前記光透過性支持体31を介して前記シート状支持体35の表面の色(白色)が目視できる状態のままとなる。
【0099】
実際の画像形成動作においては、画像変調露光用の青LED9a,9b,9c、緑LED8a,8b,8c、赤LED9a,9b,9cから照射される光エネルギーを画像データに従って変化させることにより画像データに対応する露光潜像(カプセルの硬化度の変化パターン像)がマイクロカプセル紙37に形成されるのである。
【0100】
尚、図12に示すように、マイクロカプセル紙37の同一露光位置(1画素点)に複数回の露光を時間間隔をあけて光照射する理由は下記の通りである。
【0101】即ち、図13に例示するように、縦軸にシアンの発色光学濃度を採り、横軸に露光エネルギー密度(J/m2)の総量を採る。図13において、実線Aは赤L
EDを1回のみ照射したときのシアンの発色光学濃度の変化を示し、点線Bは赤LEDを前記走査周期Tの半分の時間間隔をあけて3回に分割して光照射した場合のシアンの発色光学濃度の変化を示す。
【0102】
図13において、シアンの発色光学濃度が10%濃度、つまりD10=0.42を得るためには、一回の光照射では3.3(J/m2)の露光エネルギー密度を与える必要があ
るが、前述のように3回に分割して光照射すると総計で2.2(J/m2)の露光エネル
ギー密度を与えればよいことになる。
【0103】
この図13の比較から理解できるように、露光エネルギー密度(J/m2)が、0.5
〜3.3の範囲では、同じシアンの発色光学濃度の発現するためには、3回に分割して光照射した場合は小さい露光エネルギー密度にて済むが、1回の光照射の場合には大きい露光エネルギー密度を必要とすることが判る。
【0104】
光照射に伴うマイクロカプセル紙37におけるマイクロカプセル32の重合開始剤と光硬化性樹脂との重合反応速度は、さほど高速でなく、一度に大量の露光エネルギーを投入するよりも、適度の時間間隔にて複数回(例えば2〜6回)に分けて少しずつ露光エネルギーを投入した方が前記の重合反応が促進されやすいからである。
【0105】
つまり、1つの発光素子であるLEDの出力を小さくした場合でも、乃至はLEDの設置個数が少なくても、時間間隔を広げての露光により充分な発色光学濃度を得ることができるのである。
【0106】
そこで、本実施形態では、一つの画素に対し最大3回の露光が行われるように、露光回毎のLEDの駆動時間や発光強度が設定される。そして、求められた露光エネルギー総量を3等分した値が露光1回あたりの露光エネルギーとなる。但し、その値が所定の基準値に満たない場合には露光回数を2回以下として各露光回毎の露光エネルギーを演算する。
【0107】
ところで、マイクロカプセル紙37は、全面的に速度一定にて露光、現像されることが好ましい。このため、マイクロカプセル紙37を露光、現像するのに最小限必要な速度一定時間Tcに対応する速度一定での移動距離L(mm)は、少なくとも全てのピンホール12が通過する範囲以上と選ばなければならない。この速度一定移動距離L(mm)はマイクロカプセル紙37の幅とピンホール12の配設パターン、最高速度V(mm/sec)によって自由に設計することができるものである。
【0108】
続いて、前記感光感圧プリンタ80の制御回路(制御手段)の電気的構成を、図14に沿って説明する。
【0109】
制御回路は、CPU70、ROM71、RAM72からなる周知の論理演算回路から構成されており、CPU70には、ゲートアレイからなるI/Oポート73を介して、外部のホストコンピュータからのRGB画像データを入力するためのコネクタ74、マイクロカプセル紙37の位置を検出する紙位置検出センサ19、マイクロカプセル紙37の幅を検出するための幅検出センサ22A,22Bがそれぞれ接続され、前記露光ヘッド20(各LED)、前記送りローラ手段21,25の駆動モータ23及び現像加圧ローラ手段45の駆動モータ60に対する駆動回路77、前記キャリッジ駆動モータ54に対する駆動回路78及びソレノイド手段28に対する駆動回路79がそれぞれ接続されている。
【0110】
そして、CPU70が、前記幅検出センサ22A,22Bよりの信号を受けマイクロカプセル紙37の幅を検出する幅検出手段70Aと、該幅検出手段70Aよりの信号を受け、マイクロカプセル紙37の幅に応じて、キャリッジ48(駆動モータ54)の走査幅を変更する走査幅変更手段70Bと、前記幅検出手段70Aよりの信号を受け、マイクロカプセル紙37の幅に応じて、両送りローラ手段21,25(駆動モータ23)による送り速度及び圧力現像手段45(駆動モータ60)による現像速度を変更する速度変更手段70Cと、第1の送りローラ手段21と第2の送りローラ手段25との送りの切り換えのタイミングを設定するタイミング設定手段70Dとを備える。
【0111】
また、前記ROM71には、プリンタ全体の動作を制御するためのプログラム、入力された画像データから露光ヘッド20の各色LEDの点灯時間、タイミングを演算決定するためのプログラム、BGR露光の順序に応じて、給紙ローラ65及び排出ローラ75,75の駆動を制御し、マイクロカプセル紙37の搬送を行うためのプログラム、同様にBGR露光の順序に応じて前記キャリッジ送り用のキャリッジ駆動モータ54を制御し、キャリッジ48を往復走査するプログラム等、種々のプログラムが記憶され、CPU70はこれらのプログラムに従って動作する。また、RAM72は、外部からの入力データが一旦記憶されるバッファである。感光感圧プリンタ80に、出力画像のRGBデータが送られると、その画像データが順次RAM72のバッファに記憶される。
【0112】
また、露光ヘッド20の各LEDは、図示しない駆動回路により、フレキシブルハーネス85(図2参照)を介して電気的に駆動を受け、キャリッジ48により移動されつつ画像情報に従って点灯消灯制御される。
【0113】
次に、前記遮光性カセット67Aの構造について図15〜図20を参照しながら詳細に説明する。なお、遮光性カセット67Bも基本的には遮光性カセット67Aと同一の構造であるので、その説明を省略する。
【0114】
ここで、図15は遮光性カセット67Aを示す図であり、図15(A)は底面図、図15(B)は平面図、図15(C)は左側面図、図15(D)はA−A線断面図、図15(E)は背面図である。
【0115】
図15に示すように、遮光性カセット67Aは、第1フレーム120と、該第1フレーム120に嵌合される第2フレーム121と、該第2フレーム121の露出開口部を密封するシャッター部材122とを備えており、これらの部材により遮光された状態で図15(D)に示すようにマイクロカプセル紙37が収容されている。
【0116】
以下、各構成部材について詳細に説明する。
【0117】
まず、図16は第1フレーム120を示す図であり、図16(A)は右側面図、図16(B)は平面図、図16(C)はB−B線断面図、図16(D)は底面図、図16(E)は突起部を示す一部拡大図である。第1フレーム120には図16(B)に示すように、マイクロカプセル紙を装填するための装填開口部120aが形成されており、該装填開口部120aの底部には、後述するプレッシャーパッド123の背面を露出させるための押圧開口部120bが形成されている。また、第1フレーム120の側面及び背面には、図16(A)、図16(B)及び図16(E)に示すように、突起部120cが複数箇所に形成されており、第2フレーム121に形成された凹部と嵌合するようになっている。
【0118】
次に、図17は第2フレーム121を示す図であり、図17(A)は右側面図、図17(B)は平面図、図17(C)はC−C線断面図、図17(D)は底面図である。第2フレーム121には図17(B)に示すように、前記第1フレーム120に装填されるマイクロカプセル紙37の先端面を露出させるための露出開口部121aが形成されており、該露出開口部121aは後述するシャッター部材122により開放又は密封されるようになっている。また、第2フレーム121の側面には、図17(A)に示すように、前記第1フレーム120の突起部120cと対応する位置に、凹部121bが形成されており、上述したような突起部120cとの嵌合を可能にしている。
【0119】
次に、図18は感光記録媒体付勢手段としての樹脂製のプレッシャーパッド123を示す図であり、図18(A)は平面図、図18(B)は右側面図、図18(C)は底面図、図18(D)は正面図である。しかし、このプレッシャーパッド123は、前記第1フレーム120の装填開口部120aの底部に載置され(図20(B)参照)、該プレッシャーパッド123の平板状の基板123dの一面に多数突設された支持部123a上にマイクロカプセル紙37が載置される。プレッシャーパッド123の基板123dの他面には、図18(B)及び図18(C)に示すように、凸部123bが形成されており、前記第1フレーム120に形成された押圧開口部120bから該凸部123bが露出されるように配置されている。これにより、第1フレーム120の外側からプレッシャーパッド123を押圧することが可能となり、この押圧力により、マイクロカプセル紙37は、上述した第2フレーム121の露出開口部121a側に付勢される。また、プレッシャーパッド123の後部には、図18(A)〜図18(C)に示すように、支持部付勢部材123cが形成されており、該プレッシャーパッド123を第1フレーム120の底部側に付勢するようになっている。即ち、図18(B)に示すように、支持部付勢部材123cは基板123dの後端から凸部123b側へ折り曲げ形成されており、支持部付勢部材123cの凸部123b側の面を第1フレーム120に固定されることにより、基板123dが第1フレーム120に付勢されるのである。
【0120】
次に、図19はシャッター部材122を示す図であり、図19(A)は平面図、図19(B)は正面図、図19(C)は右側面図である。シャッター部材122は、図19(A)に示すように、露出開口部121aを塞ぐシャッター面部122aと、該シャッター面部122aに連続して形成された弾性変形可能なシャッター部材付勢手段としての付勢部122bとを有しており、該付勢部122bの先端部には、支持穴部122cが設けられている。また、前記シャッター面部122aの側部には、4箇所にフランジ部122dが
設けられている。そして、前記支持穴部122cは、図16(B)に示す第1フレーム120の支持凸部120dと嵌合し、また、前記フランジ部122dは同じく図16(B)に示すガイド部120eと係合するようになっており、図20(A)に示すように取り付けられる。このとき、シャッター部材122は、付勢部122bが縮むように取り付けられるため、図20(A)の矢印方向に付勢される。しかし、図19(D)に示すように、シャッター部材122の先端部122eには、切り欠き部122fが設けられており、該切り欠き部122fが第1フレーム120の前縁部120eと係合するため、図20(A)に示す位置で係止される。さらに、図19(A)に示すようにシャッター面部122a上には、係合凸部122gが設けられており、該係合凸部122gは図17(B)に示す第2フレーム121の案内溝部121c内を移動すると共に、案内溝部121c前方に設けられた係止部121dと係合して、図20(A)に示すように付勢される方向への移動を規制されている。
【0121】
そして、以上のような第1フレーム120、第2フレーム121、プレッシャーパッド123、シャッター部材122のそれぞれは、黒色のポリエステルで形成されており、第1フレーム120と第2フレーム121が装填開口部120aを閉塞するように嵌合され、さらに、シャッター部材122が露光開口部121aを、またプレッシャーパッド123が押圧開口部120bを閉塞することにより、マイクロカプセル紙37に対する高い遮光性を保っている。
【0122】以上のように構成される遮光性カセット67A又は67Bが装着されるケーシング81側の開口部81aには、前記係合凸部122gと係合する係合部材(図示せず)が設けられており、遮光性カセット67A又は67Bを開口部81aに挿入すると、前記係合部材と前記係合凸部122gとが係合して前記シャッター部材122を前記付勢部122bの付勢力に抗して開放位置へと移動させる。
【0123】
これにより、第2フレーム121に設けられた露出開口部121aは開状態となり、第1フレーム120に収納されたマイクロカプセル紙37の先端面が当該露出開口部121aから露出する。
【0124】
また、ケーシング81には、外部付勢手段としての押圧バネ124が設けられており(図3参照)、遮光性カセット67A又は67Bの装着持に、前記第1フレーム120に設けられた押圧開口部120bから露出するプレッシャーパッド123の凸部123bを当該押圧バネ124が付勢する。
【0125】
これにより、マイクロカプセル紙37の先端部は、前記露出開口部121a側に付勢され、遮光性カセット67A又は67Bから引き出し可能となる。従って、ケーシング81内に設けられた給紙ローラ65を図1において時計回りに回転させることにより、マイクロカプセル紙37は遮光性カセット67A又は67Bから引き出され、第1の送りローラ手段21により、露光ヘッド20と露光台66との間に搬送される。
【0126】
一方、遮光性カセット67A又は67Bをケーシング81の開口部81aから引き抜いた場合は、上述した係合部材による前記係合凸部122gに対する付勢力が解除されるため、シャッター部材122は付勢部122bの付勢力により再び前記露出開口部121aを密封する。また、前記押圧バネ124による前記プレッシャーパッド123の凸部123bに対する付勢力も解除されるため、プレッシャーパッド123は、支持部材付勢部材123cにより第1フレーム120の底面部側へと付勢され、前記押圧開口部120bは前記凸部123b又はプレッシャーパッド123の背面により密封される。従って、遮光性カセット67A又は67Bは遮光状態となり、内部に収納されたマイクロカプセル紙37を感光させない。尚、この底面部側への付勢は、遮光状態とするために必須のものではなく、押圧開口部120bとマイクロカプセル紙37との間の光路を複数回屈折させるた
めのフランジを第1フレーム120やプレッシャーパッド123に設けることにより、押圧開口部120bからマイクロカプセル紙37に至る光をカットすることができる。また、支持部材付勢部材123cを凸部123b側に屈曲形成する代わりに、支持部材付勢部材123cを支持部123a側に屈曲形成し、支持部材付勢部材123cの凸部123b側を第1フレーム120に取着させておけば、第1フレーム120に対し支持部123aあるいは基板123dの先端側が起き上がった状態となり、支持部123aがマイクロカプセル紙37を露出開口部121a側へ付勢可能となる。マイクロカプセル紙37の枚数に応じて基板123dと支持部材付勢部材123cが湾曲し、その弾性復元力による付勢するためである。但し、この付勢力はマイクロカプセル紙37の枚数に応じて変化するため、第1フレーム120に押圧開口部120bを設け、ケーシング81側から基板123d又は凸部123bを露出開口部121a側へバネ等の付勢手段で付勢するようにしてもよい。マイクロカプセル紙37を最後の1枚まで露出開口部121aに付勢して遮光性カセット67A又は67Bから確実な取り出しを図るためである。
【0127】
よって、ケーシング81の開口部81aへの非挿入時には遮光状態を保ち、本ケーシング81の開口部81aへの挿入時にはマイクロカプセル紙37を容易に取り出すことができる遮光性カセットを用いたため、マイクロカプセル紙に対する遮光性を維持しつつ、マイクロカプセル紙の補充、交換の容易化を図ることができ、複数の種類のマイクロカプセル紙を自由に用いることができる。なお、さらにマイクロカプセル紙に対する遮光性を向上させるため、シャッター部材122の先端部122cと係合する第1フレーム120の前縁部120eに、図19(E)に示すように遮光部材としてのラシャ紙142を取着してもよい。また、このラシャ紙等をシャッター部材122の先端部122cの切り欠き部122fに取着するようにしてもよい。
【0128】
続いて、前記感光感圧プリンタ80の動作について説明する。
【0129】
まず、使用者がカセット67A又は67Bをプリンタにセットし、図示しない電源スイッチをオンにすると、プレヒータ64a及びポストヒータ64bは通電により所定の温度とされる。
【0130】
この後、プリンタに接続されたホストコンピュータから出力したい画像の画像データ(RGBデータ)と共に、プリント開始指令信号が入力される。なお、画像データは2次元ビットマップ形式のデータとして供給され、各画素についてRGB成分毎の濃度を示す情報も含まれており、その画像データはR画像データ、G画像データ、B画像データに分離されてRAM72のバッファに記憶される。
【0131】
CPU70は、プリント開始指令信号に応答して、給紙ローラ65を回転させてカセット67A又は67Bから、給紙ローラ65によりマイクロカプセル紙37を一枚取り出し、第1の送りローラ手段21により左方へ搬送され、露光ヘッド20の下側の露光台66上に移動せしめられ、プリントが開始される。このとき、切換手段27によって、板バネ部材26Aによる下側ローラ21Bを上側ローラ21Aに対して付勢する力が、板バネ部材26Bが下側ローラ25Bを上側ローラ25Aに対して付勢する力よりも大きくなっており(図4(A)参照)、第1の送りローラ手段21によりマイクロカプセル紙37は送られる状態となっている。
【0132】
プリントが開始されると、最初に、第1の送りローラ手段21によって送られるマイクロカプセル紙37に対し露光が行われるが、この露光を、マイクロカプセル紙37のひとつの露光点に着目して説明を行う。まず、第1のピンホール列のLEDについては、キャリッジ48の移動に調時してR画像データに従って赤LED7が点灯制御され、前記所定時間tの後にG画像データに従って緑LED8が点灯制御され、更に前記所定時間tの後
にB画像データに従って青LED9が点灯制御される。この露光制御が1露光ラインの全ての露光点に関して行われる。また、第1のピンホール列により形成された露光済みラインが用紙送りにより第2のピンホール列に対向しているとき再びこの露光済みラインに同じデータに基づく各LEDの点灯制御が行われ、更に用紙送りにより第3のピンホール列に対向しているときにもこれが繰り返されるのである。
【0133】
このようにして、第1〜第3のピンホール列から露光が行われて露光済みラインは、用紙送りにより圧力現像手段45により圧力現像されるのである。このため、露光されたマイクロカプセル32は十分に感光硬化され、感光硬化しなかったマイクロカプセル32のみが圧力現像により破壊されて発色反応が行われるのである。
【0134】
このようにして現像された後、マイクロカプセル紙37はポストヒータ64bにより60〜80℃程度に加熱され、カプセルを完全に硬化させ、染料前駆体をカプセル内に閉じこめることによって、最終的なカラー出力画像が定着された状態として、排出部82に排出される。
【0135】
ところで、マイクロカプセル紙37に対し露光が行われている際には、前述した如く、最初は、板バネ部材26Aによる下側ローラ21Bを上側ローラ21Aに対して付勢する力が、板バネ部材26Bが下側ローラ25Bを上側ローラ25Aに対して付勢する力よりも大きい状態にあることから、第1の送りローラ手段21によりマイクロカプセル紙37は送られる。しかし、マイクロカプセル紙37の先端部が第2の送りローラ手段25に進入するときには、紙位置検出センサ19よりの信号に基づいてCPU70のタイミング設定手段70Dにより設定された切り換えタイミングに基づき、駆動回路79を介してソレノイド手段28が制御されて可動支持部材30を変位させ、板バネ部材26Aによる下側ローラ21Bを上側ローラ21Aに対して付勢する力が、板バネ部材26Bが下側ローラ25Bを上側ローラ25Aに対して付勢する力より小さい状態に変化せしめられる(図4(B)参照)。その結果、第1の送りローラ手段21による送りは解除され、第2の送りローラ手段25のみによりマイクロカプセル紙37が送られるようになる。
【0136】
このようにして、マイクロカプセル紙37を、第1及び第2の送りローラ手段21,25により同時に送るということがないので、送りムラが生ずることがなく、第1及び第2の送りローラ手段21,25の間で、露光ヘッド20により露光を行っているので、マイクロカプセル紙37の全面について露光を行うことができる。
【0137】
以上詳述したように、本発明の画像形成装置としての感光感圧プリンタ80は、前述した特定の実施形態にのみ限定されるものではなく種々の変形が可能である。
【0138】
(1)前記実施の形態においては、送り手段は、マイクロカプセル紙を挟持可能な一対の回転体である上側及び下側ローラを有し、上流側及び下流側の下側ローラを上側ローラに付勢するようにしているが、本発明はそれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0139】
例えば送り手段は、必ずしもローラを備える必要はなく、ベルト等の回転体にて送るようにすることもできるし、また、それらの回転体の配置は、上下である必要はなく、記録媒体を挟持する配置であればよく、例えば記録媒体が上下に送られる場合は、左右の配置となる。
【0140】
また、上流側及び下流側の一対の回転体の一方を他方に付勢するか、若しくは両方を互いに接近する方向に付勢するように上流側及び下流側の付勢手段を設けるようにしてもよい。但し、その場合には、切換手段が、上流側及び下流側の付勢手段の付勢力を、択一的
に作用させるものであればよい。
【0141】
また、前記切換手段を、前記上流側及び下流側の送り手段の前記回転体を前記スプリング部材の付勢力に抗して変位可能な上流側及び下流側の作動部材と、該両作動部材を変位させる駆動手段と、該駆動手段を、記録媒体の搬送タイミングに基づいて駆動制御する制御手段とで構成することもできる。
【0142】
具体的には、例えば図21(A)(B)に示すように、切換手段27Aを、前記上流側及び下流側の送りローラ手段(図21においては上流側の送りローラ手段21についてのみ図示)の下側ローラ21B(回転体)をスプリング部材29Aの付勢力に抗して回転軸30aについて回転変位可能な作動部材30Aと、該作動部材30Aを回転変位させる駆動手段としてのソレノイド手段28Aとを備え、該ソレノイド手段28Aを、記録媒体の搬送タイミングに基づいてCPU70にて制御するようにすることもできる。よって、感光記録媒体の搬送の最初は、図21(A)に示すように、作動部材30Aは後退状態にあり、下側ローラ21Bが板バネ部材26Cによって上側ローラ21A側に付勢され、上流側の送りローラ手段21にて送られる。一方、記録媒体が下流側の送りローラ手段25に進入したときに、図21(B)に示すように、ソレノイド手段28Aの励磁により作動部材30Aが回転軸30aを中心に回転し、下側ローラ21Bを板バネ部材26Cの付勢力に抗して下方に変位させ、第1の送りローラ手段21による送りが解除される。このとき、下流側の送りローラ手段25において、作動部材が図21(A)の状態と同様な状態となり、記録媒体は下流側の送りローラ手段25にて送られる。なお、本例では、板バネ部材26Cは取付固定されており、作動部材30Aの動作によって、板バネ部材26Cによって下側ローラ21Bを上側ローラ21A側に付勢する付勢力が調整される。
【0143】
(2)本発明の感光記録媒体は前述のマイクロカプセル紙37のみに限定されるものではなく種々の変形が可能である。マイクロカプセル紙としては、前述の自己発色型のものの他に、転写型のものも採用可能である。マイクロカプセルを担持する透明基材シートと、その基材シートのマイクロカプセル面に対して顕色材を担持した受像紙の顕色材面を重ね合わせて剥離可能に一体化しておき、基材シートを露光ヘッド側にしてカセットから給紙し、一体のまま露光、現像し、装置外に排出してから受像紙を剥離するようにすれば良い。加圧破壊されたマイクロカプセルから流出した色材としての染料前駆体が受像紙の顕色剤に転写され、これと反応して発色し、顕在化するのである。
【0144】
また、染料前駆体の代わりに、予め着色された顔料や染料を感光物質と共にマイクロカプセルに内包されることもできる。この場合は、顕色剤のない受像紙(普通紙)を基材シートに剥離可能に一体化することにより、転写型の画像形成が可能である。剥離することにより、受像紙に画像が顕在化されるからである。
【0145】
(3)圧力現像手段として前記線接触ローラを用いた圧力現像手段の他に、点接触ボールや、点接触する加圧ローラを用いた圧力現像を採用することも可能である。このほか、マイクロカプセルを加圧破壊可能な実施の形態の全てを採用することができる。
【0146】
(4)発光素子は、LEDのみに限るものでなく、EL発光素子、プラズマ発光素子、レーザ発光素子等、様々な構造のものが適用できる。
【0147】
また、発光素子は赤青緑から構成される必要はなく、感光記録媒体の感度特性に合わせ、様々な波長のものを選択することができる。例えば、赤外光、赤、緑と選んでも良いし、遠赤外光、近赤外光、赤と選んでも差し支えない。また、紫外線、遠紫外線も発光素子の色の選択肢の有効な例である。
【0148】
また、発光素子の色数は、赤・緑・青の3色に限るものでなく、1色又は2色でも良いし、発色剤にイエロー、マゼンタ、シアン、黒を用いるような通常のカラープリンタの如く4色また、それ以上を選択することもできる。
【0149】
また、本実施の形態では、副露光は緑及び青用に行われ赤用には行われなかったが、緑又は青のいずれか一つについて副露光を行ってもよく、また暗領域の大きさによっては赤用に副露光を行ってもよく、結局RGBやYMCの如何を問わず少なくとも一色についての副露光を行えば本実施の形態におけるLEDの個数の低減及び駆動エネルギーの低減という効果は得られる。
【0150】
(5)ピンホールを有するマスクを設けるタイプの露光ヘッドに限られず、ピンホールの代わりに集光レンズを設けたタイプの露光ヘッドであっても本実施の形態におけるLEDの個数の低減及び駆動エネルギーの低減という効果は得られる。更に、走査しないラインヘッドタイプの露光ヘッドによっても送り方向に並べられたLEDにより副露光及び画像変調露光を同一ドットに対し行えるので、本発明はなお有効に機能する。
【0151】
また、前記実施の形態においては、露光ヘッド20は、密着型であるため、感光記録媒体の表面に接触し、表面が削れたり、ピンホールが埃等により閉塞されたり、騒音が発生したりするという問題があるので、図22及び図23に示すように、非接触型とすることも可能である。
【0152】
即ち、ガラスエポキシ樹脂又はアルミニウム合金からなるLED基板91に、3つの取付孔92a,92b,92c及び2つの位置決め孔93a,93bが形成され、LED94a,94a,94b,94b,94c,94cが赤、赤、青、青、緑、緑の順に配設されている。この基板91が、キャリッジ95の側部に結像レンズ96(ガラス非球面レンズ)と共に取り付けられ、各LED94a,94a,94b,94b,94c,94cからの光が結像レンズ96を通じて、露光台97上のマイクロカプセル紙98上に収束される。なお、100,・・は取付孔92a〜92cに挿通されるネジ、101,・・は位置決め孔9a,93bに挿通される位置決めピンである。
【0153】
(6)上記実施の形態においては、遮光性カセット67A又は67Bを挿入した状態で、押圧バネ124によって、記録媒体であるマイクロカプセル紙37が給紙ローラ65に接触するように付勢しているため、記録媒体の量の変化により付勢力が異なってくる。そのため、例えば図24に示すように、押圧バネ124に代えて、天秤手段201を用いて、記録媒体の量が変化しても、記録媒体を給紙ローラ65に押し付ける付勢力が略一定になるようにすることもできる。即ち、ケーシング81の底部に、天秤部材202を回転可能に設け、該天秤部材202の一端部に重量部材203を設ける一方、他端部に遮光性カセット67A(67B)のプッシャーパッド123の凸部123bに当接する当接部202aを設けるようにすることもできる。このようにすれば、重量部材203による付勢力によって、マイクロカプセル紙37が給紙ローラ65に接触するように付勢するので、押圧バネ124を用いた場合に比して、付勢力の変動が少なくなる。
【0154】
また、天秤手段に代えて、例えば図25に示すように、滑車手段301を用いても同様の効果が得られる。この場合は、遮光性カセット67A(67B)のプッシャーパッド123の凸部123bに当接する左右方向に延びる当接部材302を設け、該当接部材302の両端部にワイヤ部材303の一端部が連結され、該ワイヤー部材303が、ケーシング81内の左右側部に回転可能に支持される滑車部材304に巻き掛けられ、ワイヤー部材303の他端部に重量部材305が設けられる。
【0155】
(7)この他の形態として、白色光源と、赤、青、緑のフィルタと、液晶シャッタとを
用い、シャッタの各画素をオン・オフして、所定波長光をデジタル露光することも可能である。
【0156】
(8)また、本実施の形態では、記録媒体送り装置を、マイクロカプセル紙37を露光し、圧現する感光感圧プリンタに具体化しているが、インクジェットプリンタ等のプリンタでも採用可能である。
【0157】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0158】
請求項1の発明は、上記のように、上流側の送り手段及び下流側の送り手段が記録媒体を送る速度が同一であり、前記上流側の送り手段又は下流側の送り手段のいずれか一方のみによって記録媒体が搬送されるように、切換手段にて記録媒体の搬送位置に応じて、前記上流側及び下流側の送り手段の状態を切り換えるようにしているので、2つの送り手段を有していても、いずれか一方の送り手段のみによって記録媒体を送ることになり、送り速度にムラが生ずることはない。また、記録媒体の搬送位置に応じて、切換手段により前記上流側及び下流側の送り手段の状態を切り換えるようにしているので、最適の状態で記録媒体を送ることが可能となる。さらに、上流側の送り手段及び下流側の送り手段の間で、処理手段により記録媒体に処理を行っているので、記録媒体の全面について処理を行うことができる。
また、上流側及び下流側の送り手段を、それぞれ、記録媒体を挟持可能な一対の回転体を有するものとし、上流側及び下流側の一対の回転体の一方を他方に付勢す
るか、若しくは両方を互いに接近する方向に付勢する上流側及び下流側の付勢手段の付勢力を、切換手段によって、択一的に作用させて、送り手段の切り換えをするようにするようにしているので、簡単な構造で、送り手段の切り換えをすることが可能となる。
また、板バネ部材の当接部を、進退駆動手段にて、回転体に選択的に関連づけることにより、送り手段の切り換えをするようにしているので、板バネ部材の当接部を回転体に選択に関連づけるという簡単な動作によって、送り手段の切り換えを行うことができる。
【0159】
請求項2の発明は、記録媒体を、最初は、上流側の送り手段にて送り、記録媒体の先端部が下流側の送り手段に進入すると、切換手段による切り換えで、下流側の送り手段にて送るようにし、両送り手段の間において処理手段にて処理を施すようにしているので、記録媒体の全体にわたって、処理を施すことが可能となる。
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
請求項の発明は、処理手段が記録媒体を露光する露光手段を備えるので、送り手段の間で、露光手段により、残部を残すことなく記録媒体全体を露光することができる。
【0164】
請求項の発明は、処理手段が、更に、前記露光手段により露光された記録媒体を現像する現像手段を備えるので、送り手段の間で、露光手段により露光された記録媒体を、残部を残すことなく現像手段にて現像することができる。
【0165】
請求項の発明は、感光記録媒体が、色材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が変化する多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により潜像を形成可能なものとしているので、露光手段の露光により潜像を形成し、現像手段により、前記潜像が形成された感光記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイクロカプセルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材を介して潜像を顕在化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの概略構成を示し、遮光性カセットがセットされていない状態の縦断面図である。
【図2】 同横断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの概略構成を示し、遮光性カセットがセットされた状態の縦断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る切換手段付近を示すもので、(A)は第1の送りローラ手段により送っている状態の図、(B)は第2の送りローラ手段によって送っている状態の図、(C)は下側ローラの支持部の構造を示す図である。
【図5】 図1の感光感圧プリンタのマイクロカプセル紙の模式的な断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの露光ヘッドの模式的な断面図である。
【図7】 同露光ヘッドのは凹部の要部拡大断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタのマスク保持部材の平面図である。
【図9】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタのマスクの平面図である。
【図10】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタのLEDの配置を説明する説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタのキャリッジの移動速度を示すグラフである。
【図12】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの一つの画素に対する多数回露光のタイミングチャートを示す図である。
【図13】 多数回露光の効果を説明するグラフである。
【図14】 本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの電気的構成を表すブロック図である。
【図15】 本発明に係る遮光性カセットを示し、(A)は底面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、(D)はA−A線断面図、(E)は背面図である。
【図16】 本発明に係る遮光性カセットの第1フレームを示し、(A)は右側面図、(B)は平面図、(C)はB−B線断面図、(D)は底面図、(E)は突起部を示す一部拡大図である。
【図17】 本発明に係る遮光性カセットの第2フレームを示し、(A)は右側面図、(B)は平面図、(C)はC−C線断面図、(D)は底面図である。
【図18】 本発明に係る遮光性カセットのプレッシャーパッドを示し、(A)は平面図、(B)は右側面図、(C)は底面図、(D)は正面図である。
【図19】 本発明に係る遮光性カセットのシャッター部材を示すし、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。
【図20】 本発明に係る遮光性カセットにおいて、シャッター部材が第2フレームに取り付けられ状態を示し、(A)は平面図、(B)は一部を切除して示す平面図である。
【図21】 本発明の他の実施の形態に係る送りローラ手段を示し、(A)は送り状態の図、(B)は非送り状態の図である。
【図22】 他の実施の形態に係る露光ヘッドの基板の平面図である。
【図23】 同露光ヘッドの横断面図である。
【図24】 他の実施の形態を示す図1と同様の図である。
【図25】 さらに他の実施の形態を示す図1と同様の図である。
【符号の説明】
20 露光ヘッド
21 第1の送りローラ手段
21A 上側ローラ
21B 下側ローラ
22A 幅検出センサ
22B 幅検出センサ
25 第2の送りローラ手段
25A 上側ローラ
25B 下側ローラ
26A 板バネ部材
26B 板バネ部材
27 切換手段
28 ソレノイド手段
28A ソレノイド手段
29 コイルスプリング
29A スプリング部材
30 可動支持部材
30A 作動部材
32 マイクロカプセル
37 マイクロカプセル紙
45 圧力現像手段
48 キャリッジ
65 給紙ローラ
66 露光台
67A 遮光性カセット
67B 遮光性カセット
70 CPU
70A 幅検出手段
70B 走査幅変更手段
70C 速度変更手段
70D タイミング設定手段
80 感光感圧プリンタ

Claims (5)

  1. 一定の間隔をもって配設され該間隔より長さが長い記録媒体を搬送する上流側及び下流側の送り手段と、該上流側及び下流側の送り手段の間に配設され記録媒体に対し処理を施す処理手段とを備える記録媒体送り装置において、
    前記上流側の送り手段及び下流側の送り手段は、それぞれ記録媒体を挟持可能な一対の回転体を有し、記録媒体を送る速度が同一であり、
    前記上流側及び下流側の一対の回転体の一方を他方に付勢するか、若しくは両方を互いに接近する方向に付勢する上流側及び下流側の付勢手段と、
    前記上流側の送り手段又は下流側の送り手段のいずれか一方のみによって記録媒体が搬送されるように、記録媒体の搬送位置に応じて、前記上流側及び下流側の送り手段の状態を切り換える切換手段とを備え、
    前記上流側及び下流側の付勢手段は、前記回転体に選択的に関連づけられる第1及び第2の当接部を有し、記録媒体の搬送方向に進退可能である板バネ部材であり、
    前記切換手段は、前記板バネ部材に関連づけられるとともに記録媒体搬送方向に板バネ部材を進退させる進退駆動手段であり、上流側及び下流側の付勢手段の付勢力を択一的に作用させるものであるところの記録媒体送り装置。
  2. 前記切換手段は、最初は上流側の送り手段にて記録媒体を搬送し、記録媒体が下流側の送り手段に進入したときに、下流側の送り手段の搬送に切り換えるものであるところの請求項1記載の記録媒体送り装置。
  3. 前記処理手段は、前記記録媒体を露光する露光手段を備えるところの請求項1又は2に記載の記録媒体送り装置。
  4. 前記処理手段は、更に、前記露光手段により露光された記録媒体を現像する現像手段を備えるところの請求項記載の記録媒体送り装置。
  5. 前記記録媒体は、色材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が変化する多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により潜像を形成可能なものであり、
    前記現像手段は、露光手段の露光により潜像が形成された記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイクロカプセルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材を介して潜像を顕在化させるものであるところの請求項記載の記録媒体送り装置。
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