JPH1069095A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH1069095A
JPH1069095A JP22813996A JP22813996A JPH1069095A JP H1069095 A JPH1069095 A JP H1069095A JP 22813996 A JP22813996 A JP 22813996A JP 22813996 A JP22813996 A JP 22813996A JP H1069095 A JPH1069095 A JP H1069095A
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JP
Japan
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light
recording medium
photosensitive
paper
exposure
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JP22813996A
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English (en)
Inventor
Takao Iwasaki
岳雄 岩崎
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低出力の発光素子にて所定の感度の画像を得
ることができる画像形成装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 露光により画像情報の潜像がその表面に
形成され、現像により画像情報が顕在化され、Y方向に
間欠送りされるマイクロカプセル紙に対して、X方向に
往復走査移動される露光ヘッド20には位置する露光用
発光素子としての緑LED8c,8b,8aの1セッ
ト、及び、赤LED7c,7b,7aの1セット、及び
青LED9c,9b,9aの1セットにおいて、各LE
DのY方向の配置間隔をY1(1ドット)間隔だけずら
して配置し、露光ヘッド20のX方向及びその逆方向の
移動毎に同一画素部分に時間的に間隔をあけて光照射す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光により画像情
報の潜像がその表面に形成され、現像により該画像情報
が顕在化される感光記録媒体に、画像情報に対応する造
像光を露光し、これを現像する画像形成装置に関し、更
に詳細には、複数の発光素子を用いて造像光を露光する
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4440846号および第4
399209号は、内部位相に感光物質を含むマイクロ
カプセルを備えた感光層が画像状に放射線に対し露光さ
れ、均一な破裂力をかけられ、それによりマイクロカプ
セルが破裂して内部位相物質を画像状に放出する画像シ
ステムについて説明している。露光によりマイクロカプ
セルの機械的強度が変化して露光潜像が形成され、圧力
を加えることにより機械的強度が弱いカプセル(感光硬
化しなかったカプセルや感光軟化したカプセル)が破壊
されて色材等の内包物が流出して現像が行われるのであ
る。
【0003】この画像形成システムは完全乾式システム
であり、画像を発生させるために湿式現像処理溶液に依
存しないため、大きな利点がある。ほぼ無色の色彩発生
物質のような画像形成発色剤は、通常はマイクロカプセ
ルに内包される。マイクロカプセルが破れると、色材と
しての色彩発生物質(発色剤)は現像物質と反応して色
彩画像を形成する。
【0004】参照された特許に説明されている実施例に
おいては、マイクロカプセルは、通常は、一対の円筒形
カレンダ(艶出し)ローラの間のニップ(隘路)を通っ
て画像の露光を受けたマイクロカプセル紙が通過するこ
とにより破られる。通常は高圧かつ大型の艶出しローラ
がマイクロカプセル紙を現像するために使用されてい
る。相当精密な金属艶出しローラでもその表面は平坦で
はない。一方のローラが単に他方のローラ上に休止して
いる場合は、両ローラの表面はそれらローラの全幅にわ
たって接触してはいない。ローラに圧力をかけることに
より、平坦でない表面あるいは表面の不規則性はなめら
かになり、両ローラの間に均一な接触線を提供する。マ
イクロカプセル紙の表面全体にわたり、マイクロカプセ
ルを破る力の配分を達成するには、高圧かつ大型のロー
ラが必要である。力が均一に配分されないと、マイクロ
カプセル紙は均一に現像されず、発生した画像の色調特
性は悪くなる。この不都合を解消するための現像手段の
例として特開昭62−161153号公報に開示されて
いるように、点接触現像ボールを用いた技術がある。
【0005】また、この様な感光記録媒体に画像情報に
対応する造像光を露光し、これを現像する画像形成装置
に関しては、特開昭62−231758号公報に記載の
白色光源光を印字パターンに従って選択的に感光記録媒
体に導くようにした画像形成装置や、特開昭63−31
364号公報に記載の複数色の光源光を走査して感光記
録媒体に導くようにした画像形成装置や、USP499
2822号明細書に記載の複数色発現可能な感光記録媒
体において同一箇所をポリゴンミラー等を介して複数回
露光するようにした画像形成装置が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、感光
記録媒体に造像光を露光するために、複数の発光素子を
使用するタイプの画像形成装置を、本出願人が考案して
出願した。このタイプの画像形成装置では、感光記録媒
体に沿って相対移動される露光ヘッドに複数の発光素子
がそれぞれ固定され、発光素子からの出力光をマスク孔
を有した遮蔽板により選択的に感光記録媒体に照射する
ように構成されている。
【0007】この場合、前記発光素子から照射された光
エネルギーにより、感光記録媒体におけるマイクロカプ
セルの重合開始剤と光硬化性樹脂とが重合反応して、当
該マイクロカプセルの機械的強度が変化するのである
が、その重合反応速度はさほど高速ではない。従って、
感光記録媒体における1つの画素部分のマイクロカプセ
ルに一度に大量の光エネルギーを照射しても、その一部
の光エネルギーしか前記重合反応に寄与できず、露光感
度を高めることができないという問題があった。
【0008】また、このタイプの画像形成装置において
は、感光記録媒体が必要な面積当たりのエネルギーに対
して、発光素子の出力光の全出力の内、前記遮蔽板(選
択供給手段)によりその一部のみが感光記録媒体に供給
される。つまり、一部しか利用できないためその光利用
効率が悪く、十分に感光させるためには感度が悪いため
時間がかかっていた。このために、より高出力の発光素
子を用いるか、発光素子数を増やす事が必要という問題
点があった。
【0009】本発明は、上述した種々の問題点を解決す
るためになされたものであり、複数の発光素子からの出
力光エネルギーを少なくしたものでありながら、高い感
度の発色を可能として形成された出力画像の画品質を向
上できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の画像形成装置は、所定波長光に対し
て強度が変化する感光成分と色材とを内包したマイクロ
カプセルを担持し、露光により画像情報の潜像が形成さ
れる感光記録媒体と、その感光記録媒体を露光するため
の複数の発光素子を有し、前記感光記録媒体に沿って第
1の方向へ相対移動され、感光記録媒体上に露光潜像を
形成するための露光ヘッドと、感光記録媒体と前記露光
ヘッドとの間に前記第1の方向に対して交差する第2の
方向に相対移動を発生させる送り手段と、露光された感
光記録媒体を加圧して強度の弱いマイクロカプセルを破
壊し、破壊したマイクロカプセルから流出した前記色材
により前記潜像を顕在化させるための現像手段とを有す
る画像形成装置であって、前記露光ヘッドにおける複数
の発光素子は、前記第2の方向に沿って所定の間隔ずつ
ずらして配置され、各発光素子により前記感光記録媒体
上の同一画素部分を照射露光すべく前記両相対移動に伴
って発光素子を制御する制御手段とを備えたものであ
る。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の画像記録装置において、前記露光ヘッドは、複
数の凹部を表面に備え、前記各発光素子が表面に形成さ
れた各凹部にそれぞれ配設される基板と、前記各発光素
子に対向して設けられ、各発光素子からの出力光を選択
的に前記感光記録媒体に供給する選択供給手段とから構
成されたものである。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の画像形成装置において、前記発光素
子の所定の間隔は、感光記録媒体に形成する1画素の大
きさと同じかもしくはその整数倍に設定されており、前
記送り手段は、前記1画素の大きさと同じかもしくはそ
の整数倍分ずつ前記第2の方向への相対移動を発生する
ように構成されたものである。
【0013】そして、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置におい
て、前記感光記録媒体のマイクロカプセルは、前記感光
成分の感光波長と前記色材による色波長とが互いに異な
る複数種類のマイクロカプセルからなり、前記複数の発
光素子のセットごとに、前記複数種類のマイクロカプセ
ルの感光波長に対応する波長光を照射するよう構成した
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面を参照して説明する。図1は画像形成装置とし
ての感光感圧プリンタ80の第1実施形態を示す概略側
面図であり、図2は感光感圧プリンタ80の要部の底面
図、図5は露光ヘッド20の断面図、図6は露光ヘッド
20の下面図を示す。後に詳述するマイクロカプセル紙
37を露光し現像するための、感光感圧プリンタ80の
全体の概略構成について図1を参照しながら説明する。
【0015】この感光感圧プリンタ80におけるケース
81の前面には、遮光性カートリッジ67が着脱可能に
配設され、未感光のマイクロカプセル紙37は、積層さ
れた状態でカートリッジ67に収容されている。この時
の積層状態は前記マイクロカプセル紙37のうち、後述
する光透過性支持体31が上になるように設定されてい
る。
【0016】カートリッジ67が感光感圧プリンタ80
のケース81の所定位置にセットされている状態で、カ
ートリッジ67からマイクロカプセル紙37が給紙機構
(ローラ)65により一枚ずつ取り出され、マイクロカ
プセル紙37の先端部は露光台66に向かって左方に引
き出される。カートリッジ67を出た後の未露光なマイ
クロカプセル紙37は、ケース81の遮光カバー等によ
り未露光状態が保持される。
【0017】露光台66の左方には、マイクロカプセル
紙37がそこまで送られてきて往復する位置であるスト
ッパ69が配されている。このプリンタ80にはカート
リッジ67からのマイクロカプセル紙37の搬入用の用
紙通路P1と、その搬入用用紙通路P1から分岐し、画
像形成済みのマイクロカプセル紙37を装置外の排紙ト
レイ63に導くための排紙通路P2と、前記用紙通路P
1に接続して装置内部の前記ストッパ69まで至る用紙
往復通路P3とからなる用紙通路が形成されている。
【0018】キャリッジ48は前記用紙往復通路P3上
に配置されており、露光ヘッド20の右方(用紙排出
側)には、前記した点接触ボール46を備える現像器4
5が配設されている。用紙往復通路P3上には前記キャ
リッジ48の右側にフィルムヒータ64が配設されてお
り、用紙往復通路P3は送りローラー68に至る。一
方、用紙往復通路P3上の前記キャリッジ48の図1の
左側には送りローラ50aが配設されている。前記送り
ローラー68と給紙ローラ65との間に前記搬入用用紙
通路P1と排紙通路P2との分岐部が配置され、排紙通
路P2上には排紙ローラ75が配設されている。また、
前記分岐部には用紙通路切換板(図示せず)が切換移動
可能に配設され、用紙通路切換板は給紙ローラ65によ
りマイクロカプセル紙37を装置内に搬入する際には前
記搬入用用紙通路P1から離脱し、排出する際には前記
搬入用用紙通路P1に侵入してマイクロカプセル紙37
を前記排紙通路P2に案内する。
【0019】キャリッジ48がマイクロカプセル紙37
の搬送経路の横側に退避した状態(図2参照)にて、カ
ートリッジ67の下部から出た未露光のマイクロカプセ
ル紙37は、送りローラー68に導かれて、一旦露光台
66の上方を素通りしてストッパ69位置まで送られ
る。その場合、フィルムヒータ64にて未露光のマイク
ロカプセル紙37の表面を45℃〜50℃程度に加熱す
ることにより、後の露光時の感度を向上させる。前記ス
トッパ69位置に一旦停止したマイクロカプセル紙37
は、逆に右方に戻し、後述するように、露光ヘッド20
によって露光作用を受け、現像器45を通過して圧力現
像作用を受け、フィルムヒータ64を通過して加熱作用
を受け、最終的なカラー出力画像が形成されて、排紙ロ
ーラ75により感光感圧プリンタ80外に排出される。
フィルムヒータ64は、ポリイミド等の薄膜フィルム上
に、導電性発熱体を印刷等にてパターン化し、電流駆動
を行うことでフィルム自身が発熱するように構成された
ものであり、現像が終了してカラー画像が発色したマイ
クロカプセル紙37を80℃〜100℃程度に加熱する
ことで、カプセルを完全に硬化させ、染料前駆体をカプ
セル内に閉じこめることによって、発色を定着させる作
用があるものである。
【0020】感光感圧プリンタ80の中央部にある前記
露光ヘッド20の下方には、露光台66がお互いに微少
距離を保ち平行に保持されている。この微小距離により
前記マイクロカプセル紙37が、露光ヘッド20と露光
台66の間を通過する構造になっている。従って、後に
詳述するように、露光ヘッド20を図1中図面表裏方向
に走査することで、マイクロカプセル紙37の選択的範
囲に赤緑青の画像に対応した潜像が形成される。
【0021】次に、感光記録媒体について図3を用いて
詳述する。図3は感光記録媒体としてのマイクロカプセ
ル紙37の断面構造を示しており、光透過性支持体31
の表面には、色材としての共反応体と接触して発色する
成分(染料前駆体、以下色原体と記述する場合がある)
および所定波長光に感光することによりその機械的強度
が変化(感光硬化)する成分(光硬化性樹脂)とを内包
したマイクロカプセル32と、そのマイクロカプセル中
の染料前駆体(色原体)と反応する共反応体(顕色剤)
33との混合塗着層34が形成され、前記混合塗着層3
4上には、シート状支持体35が順次積層されている。
【0022】前記マイクロカプセル32は3種の異なる
マイクロカプセルが存在し、各マイクロカプセルには、
イエロー、マゼンタ、シアンの内の一つの色の発色用の
無色の染料前駆体と、光の3原色の各々の波長の光に感
光して硬化する光硬化性樹脂と、重合開始剤とが含まれ
ている。このため、例えばブルー光(約470nmの波
長光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合、イエ
ローのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセル32の
光硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙3
7に圧力をかけると、感光硬化したマイクロカプセル
(この場合はイエロー)は破壊されず、硬化しなかった
マイクロカプセル(この場合はマゼンタ,シアン)が破
壊されてマゼンタ,シアンの染料前駆体がマイクロカプ
セルから流出して顕色剤と反応して発色し、それらが混
色して青色となる。この青色が前記透過性支持体31を
介して観察される。
【0023】また、グリーン光(約525nmの波長
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合、マゼン
タのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬化
性樹脂が感光硬化し、圧力現像によりイエロー,シアン
のマイクロカプセル32が破壊され、イエロー,シアン
の染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して
混色により緑色となる。
【0024】更に、レッド光(約650nmの波長の
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合、シアン
のみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬化性
樹脂が感光硬化し、圧力現像によりイエロー,マゼンタ
のマイクロカプセルが破壊され、イエロー,マゼンタの
染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混
色により赤色となる。
【0025】また、露光により全てのマイクロカプセル
が感光硬化したときは圧力現像してもそれらが破壊され
ないので発色は起こらず、透過性支持体31を介して前
記シート状支持体35の表面が目視できる状態にある。
前記シート状支持体35の表面の色(例えば白色)が背
景色となり、発色反応が起こった部分だけカラー画像が
形成されるのである。尚、この発色原理を自己発色と称
する。また、マイクロカプセル紙37における光透過性
支持体31の表面を発色側面と称する。
【0026】本実施形態の場合、前記光透過性支持体3
1の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムが挙げられる。
マイクロカプセル32としては、トリフェニルメタン
系、スピロピラン系染料の色原体、トリメチロールプロ
パントリアクリレートの如きアクリロイル基含有化合物
の光硬化性樹脂、ならびにベンゾフェノン、ベンゾイル
アルキルエーテルの如き光重合開始剤等を、ゼラチン、
ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリイソシアネー
ト樹脂等の重合体壁に内包した物など公知のものを使用
することができる。
【0027】又、共反応体33としては、マイクロカプ
セル32内の色原体の組成等との関連もあるが、酸性物
質、例えば、酸性白土、カオリン、酸性亜鉛、酸化チタ
ン等の無機酸化物、フェノールノボラック樹脂、あるい
は有機酸等の公知の顕色剤を用いることができる。この
マイクロカプセル32及び共反応体33に対し、更にバ
インダ、充てん剤、粘度調整剤等が添加され、光透過性
支持体31上に塗布ローラ、スプレイ、ドクタナイフ等
により塗布され、混合塗着層34が形成される。
【0028】シート状支持体35は、透明、半透明、ま
たは不透明な支持体、例えば、紙(セルロース)、合成
紙、ポリエステルやポリカーボネイト等の樹脂フィルム
等を用いることができる。次いで、上記のように構成さ
れるマイクロカプセル紙37の、画像形成領域(現像領
域)およびその周縁領域(非現像領域)について図4を
用い説明する。
【0029】図4はマイクロカプセル紙37の平面図で
ある。例えば、図4において、Y方向に沿って、マイク
ロカプセル紙37を感光感圧プリンタ80の用紙通路P
1に沿って搬送するものとし、少なくとも露光ヘッド2
0が図4のX方向に沿って左右往復移動するものとすれ
ば、マイクロカプセル紙37には、高画質画像を表示す
るための画像形成領域39と、その画像形成領域39を
取り囲む周縁領域40が形成されている。この周縁領域
40は、マイクロカプセル紙が後述する感圧感光プリン
タ等により画像印刷される際、画像形成領域のような高
画質画像を形成できない領域として定義される。
【0030】このような周縁領域40の形成方法の1つ
は、あらかじめ工場にてこの周縁領域40のみに強力な
白色光を露光し、該領域のマイクロカプセルを全て十分
に硬化させることによって実現できる。このようにあら
かじめ硬化されたマイクロカプセルは、圧力現像によっ
ても破裂されないため、画像現像に必要な内部位相(染
料前駆体)は放出されず、該領域はプリンタ出力にて白
枠となるべき範囲と言うことになる。
【0031】また、このような白色光による事前の露光
に換えて、所定の波長光により簡単な模様を事前に露光
しておくこともできる。この周縁部分は所望の画像(高
画質画像)を露光し圧力現像するときに同時に圧力現像
することもできるし、所望の画像の露光前に周縁部分の
み圧力現像しておくこともできる。また、周縁部分とし
ては現像部分と同様に形成しておき、現像領域のみに露
光して圧力現像を現像領域のみで行うことも考えられ
る。但し、この方法は、周縁領域(非現像領域)に破壊
されうるカプセルが残存することになり、取り扱いに注
意が必要である。従って、好ましくは、周縁領域は、所
望の高画質画像の造像露光の前に白色光で露光しておく
か、前記造像露光の後で白色光で露光しておくことが好
ましい。
【0032】次に、図5(a)、図5(b)及び図6を
参照しながら、本発明の露光部の構成について説明す
る。図5(a)は、感光記録媒体としてのマイクロカプ
セル紙37を露光するための露光ヘッド20の要部のみ
を示す模式的な断面図、図6は露光ヘッド20の下面図
であり、後述するように、露光ヘッド20は、複数の発
光素子と、それらを支持(固定)するための基板1とを
備える。
【0033】その製造方法としては、アルミ製の平板状
の基板1の表面に白色ポリイミド製の絶縁層2を100 μ
mを形成し、その絶縁層2の表面には、電気信号を伝達
するための所定の平面視ランドパターンの電極層3が印
刷形成される。該電極層3は銅35μm、ニッケル5 μ
m、金0.5 〜1.0 μmの3 層からなる。このように、所
定パターンにて形成された電極層3の所定箇所に必要数
の凹部4を形成し、該各凹部4に発光素子としてのLE
Dが取着される。
【0034】即ち、前記各凹部4に対応する突起と、凹
部4の下面側で材料逃がし部としての凸部1aに対応す
る凹所が形成された所定の金型(図示せず)を用いて前
記基板1を公知のファインブランキング加工により精密
にプレス加工することにより、図5(b)に示すよう
に、断面すりばち状の凹部4が形成される。この場合、
各凹部4の底面4aは基板1の表面と平行に形成され、
その底面4aから上方に向けて広がるように傾斜状の側
面4bが形成されている。基板1の表面の絶縁層2およ
び電極層3も凹部4表面に沿って所定のパターンにて形
成される。また、各凹部4の深さは後述のLED9の取
付高さよりも深く形成されている。
【0035】そして、前記凹部4の底面4aの電極層3
の表面に導電性の接着剤6にて、それぞれ赤LED7、
緑LED8、青LED9が配設され固定されている。こ
こで、前記凹部4の深さは赤LED7、緑LED8、青
LED9の取付高さよりも若干深く形成されているた
め、各LED7,8,9の頂部は前記基板1の表面より
も沈んだ位置となる。この赤LED7、緑LED8、青
LED9の頂部からは、ボンディングワイヤ10によっ
て、ランドパターンの電極層3の所定位置に電気的結線
が施されており、各LEDおよびボンディングワイヤ1
0は、空気に触れないように透明な封止材11にて封止
してある。
【0036】前記接着剤6としては、赤LED7には銀
ペースト、緑LED8、青LED9にはエポキシ樹脂等
が用いられる。これは、赤LED7は底面が電気的端子
の1つとなるため、導電性の接着剤6によって基板1と
の電気的接続を行うことが必要であるのに対して、緑L
ED8、青LED9では、電気的端子が2点とも頂面に
配されているため、接着には絶縁性で透明なエポキシ樹
脂を用いるのである。透明な接着剤6を用いることで、
緑LED8、青LED9の内部で発生し、底面に進む出
力光は、この透明な接着剤6を通過して凹部4の底面4
aにて反射して再び頂面から出射されるため、出力光が
大きくなる効果がある。
【0037】赤LED7はその基本材料としてAlGa
Asが用いられ、高出力の公知技術であるDDH構造の
ものが適用できる。出力光の中心波長は約650nmで
ある。電気的端子は頂面に1個、底面に1個ある。緑L
ED8、青LED9は、ともにその基本材料としてGa
Nが用いられたものが適用できる。出力光の中心波長は
それぞれ約525nm、約470nmである。これらの
電気的端子は頂面に2個あり、底面にはないのである。
各LEDは電気的な2端子に所定方向に電流を流すこと
で出力光を空間中全方向に発する。全方向に発した出力
光は、一部は直接図面中上方に向かい、他の一部は凹部
4の側面4bにて反射作用を受け同様に図面中上方に出
射される。
【0038】ボンディングワイヤ10は、金線からな
り、各LEDの頂面とリードパターン3に対し、加熱及
び超音波にてボンディング接着される。封止材11は熱
硬化樹脂により形成され、通常透明なシリコーン樹脂、
JCR等が用いられる。熱硬化条件は、通常温度は15
0℃時間は1時間程度である。LED等の一般半導体材
料は空気に触れるとその表面が酸化、吸湿等の作用を受
け特性が急激に劣化するという現象があるから、封止材
11はこれを避ける目的と、ボンディングワイヤ10等
を機械衝撃により破壊しないようにする目的がある。
【0039】基板1の上方には、ピンホール12を複数
個備えた選択供給手段としてのマスク13が、マスク保
持材14を介して位置決めされて配設されている。マス
ク保持体14は基板1上の位置決め用ボス穴15に装着
固定され、マスク保持体14の上端面にはマスク保持用
の位置決め溝14aが形成されている。この位置決め溝
14aに前記マスクが装填されて接着やネジ止め等の固
定手段によりマスク13は基板1と一体に固定される。
本実施形態では、マスク13は前記封止材11により基
板1に一体化されている。
【0040】また、マスク保持材14は、高精度耐熱プ
ラスチック材料からなる成型品であり、基板1上の位置
決めボス穴15をたよりにマスク13の3軸方向の位置
決めを行うものである。前述の通り、封止材11には熱
硬化樹脂を用いるため、これを用いてマスク保持材14
およびマスク13を同時に位置決め接着固定を行う場
合、封止材11の硬化温度であってもマスク保持材14
は変形を受けないように、耐熱性の材料を用いることが
必要である。
【0041】前記マスク13は厚さ0.1mm 程度のステン
レス鋼により形成され、その外形及びピンホール12
は、エッチングにより加工されている。また、その表面
はディッピング工法により黒染め加工されており、光の
無反射処理となる。ピンホール12はその穴径がφ0.2m
m 〜φ0.18mm程度に形成され、この穴径により、感光記
録媒体としてのマイクロカプセル紙37へ供給する光パ
ターンの解像度を決定している。このピンホール12は
前記赤LED7、緑LED8、青LED9の頂部にそれ
ぞれ対向して形成される。
【0042】この場合、本実施例では、赤色用の3個の
LED7a,7b,7cにて1セット、緑色用の3個の
LED8a,8b,8cにて1セット、青色用の3個の
LED9a,9b,9cにて1セットとする。そして、
図6に示すように、赤色用の3個のLEDに関しては、
露光ヘッド20aの往復移動方向(第1の方向、図6の
X方向)には、LED7aとLED7bとの間隔X1、
及びLED7bとLED7cとの間隔X1は、それぞれ
マイクロカプセル紙37に形成される画像の1画素(1
ドット)の整数倍(例えば16倍)の間隔にて配置され
る一方、マイクロカプセル紙37の送り方向(第2の方
向、図6のY方向)には、LED7aとLED7bとの
間隔Y1、及びLED7bとLED7cとの間隔Y1
は、マイクロカプセル紙37に形成される画像の1画素
(1ドット)分乃至その整数倍間隔だけずらして配置さ
れるように設定するものである。緑色用の3個のLED
8a,8b,8c及び青色用の3個のLED9a,9
b,9cについても、上述のように配置されている。な
お、前記第2の方向(図6のY方向)における赤LED
7のセットと緑LED8のセットとの間隔Y2は16ド
ット分だけ離して配置され、赤LED7のセットと青L
ED9のセットとの間隔Y2も16ドット分だけ離して
配置されている。
【0043】従って、マスク13に穿設されるピンホー
ル12の配置関係も前記の各LEDの配置関係と一致す
ることになる。そして、マイクロカプセル紙37を前記
第2の方向(図6のY方向)に送りながら、該マイクロ
カプセル紙37の表面とマスク13とを密接させつつ、
前記露光ヘッド20aを第1の方向(図6のX方向)に
沿って所定速度Vにて往復移動させる。そして、前記の
移動走査しながら、画像情報に従って各LEDを独立に
変調駆動することによって、所定の中心波長の光を、所
定の光パワーにて、所定時間、所定場所に供給すること
で、カラー画像の潜像を形成することができるものであ
る。
【0044】ついで、本発明の露光ヘッド20を用いて
感光記録媒体の表面上を走査する方法について、図2及
び図6を用いて説明する。図2は本発明にかかる露光ヘ
ッド20をそなえた感光感圧プリンタの底面図である。
便宜上マイクロカプセル紙37は、構成の説明のため透
視図として記されており、マイクロカプセル紙37は図
面上裏面から露光ヘッド20により露光作用を受けるも
のである。
【0045】露光ヘッド20は図2、図5及び図6にて
詳細に説明した通り、ピンホール12を備えたマスク
(選択供給手段)13と、マスク保持材14と、図示し
ない基板1とから形成されており、本露光ヘッド20
は、図2にて説明したキャリッジ48上に固定され、キ
ャリッジ48は案内軸49にそって図面上左右に往復移
動可能に取付けられている。
【0046】ここで、前記キャリッジ48の往復移動方
向(図6のX方向)に沿ってX1=16画素(16ドッ
ト)ずつ離して配列された3個で1セットの緑LED8
c,8b,8aは、各々マイクロカプセル紙37の送り
方向(図6のY方向)にY1=1画素(1ドット)だけ
ずらして配置され、同様に前記キャリッジ48の往復移
動方向(図6のX方向)に沿って、X1=16画素(1
6ドット)ずつ離して配列された3個で1セットの赤L
ED7c,7b,7aは、前記緑LEDのセットに対し
てマイクロカプセル紙37の送り方向(図6のY方向)
に、12ドットだけ遅れた位置であって、赤LED7c
と赤LED7bとの間も、図6のY方向にY1=1画素
(1ドット)だけずらして配置され、赤LED7bと赤
LED7aとの間も、図6のY方向にY1=1画素(1
ドット)だけずらして配置される。どうように、前記キ
ャリッジ48の往復移動方向(図6のX方向)に沿っ
て、X1=16画素(16ドット)ずつ離して配列され
た3個で1セットの青LED9c,9b,9aは、前記
先行する赤LEDのセットに対してマイクロカプセル紙
37の送り方向(図6のY方向)に、12ドットだけ遅
れた位置であって、青LED9cと青LED9bとの間
も、図6のY方向にY1=1画素(1ドット)だけずら
して配置され、青LED9bと青LED9aとの間も、
図6のY方向にY1=1画素(1ドット)だけずらして
配置されているものとする。
【0047】ここで図6中、Y2=10画素であり、青
LED9aと赤LED7aとの間隔は、12画素分とな
る。これは各色LEDの設置数(実施例で3個)の整数
倍とするためである。一方、キャリッジ48には後述す
る点接触ボール46とボールソケット51、ボール支持
部481等から構成されてなる現像器45が固定されて
おり、前記露光ヘッド20の取付位置は前記点接触ボー
ル46よりもマイクロカプセル紙37の送り方向の上流
側に設定されている。
【0048】これら、露光ヘッド20、現像器45を備
えたキャリッジ48は、図1及び図2に示すように、マ
イクロカプセル紙37の送り方向と水平面で直交する方
向(図2のX方向)に沿って延びるガイド軸49,49
に摺動可能に支持され、サーボモータ62およびギア群
61、螺子軸60により機械的な駆動を受け、往復移動
させられる。
【0049】図7は、前記キャリッジ48の移動速度の
時間変化を示すグラフであり、これを用いてキャリッジ
の移動を説明する。キャリッジ48は、サーボモータ6
2等の駆動により、最高速度V[m/sec.)、走査周期
T(sec.)、速度一定時間Tc(sec.)をもって台形状
の速度変化パターンで往復移動させられる。
【0050】即ち、図7に示すように、キャリッジ48
を最高一定走査速度±V(m/sec.) にて図2のX方向
に沿って往復移動(往復走査移動)させるものとする。
図7において、時間軸(横軸)に対して傾斜している部
分は、往復の移動端での一旦停止と最高一定走査速度±
V(m/sec.) との間の加速域・減速域を示す。また、
時間Tcは、マイクロカプセル紙37における画像形成
領域39の幅方向(X方向)距離をキャリッジ48が通
過するのに要する時間(前記最高一定走査速度の所要時
間)であり、前記往復の走査周期Tとする。
【0051】そして、マイクロカプセル紙37の各露光
ライン(図2のX方向に沿う1ライン)では前記複数の
赤LED7からなる1セット、複数の緑LED8からな
る1セット、複数の青LED9からなる1セットが画像
情報に従って各々点灯制御される。この点灯制御の際に
は、前記赤LED7c,7b,7aの1セット、緑LE
D8c,8b,8aの1セット、青LED9c,9b,
9aの1セットの取付間隔(ピンホール間隔)Y1が存
在するため、露光ライン中の1点に対する露光は、キャ
リッジ48の走査移動に要する時間と、Y1分だけマイ
クロカプセル紙37が送られる時間とに応じた遅延時間
tを加味して行われる。
【0052】Y1がマイクロカプセル紙37の2ドット
分の距離ならば、キャリッジ48の走査移動とマイクロ
カプセル紙37の送りを2回繰り返せば同セットの別の
LEDにて同一位置が露光されることになる。即ち、Y
1が1ドット分の時には、マイクロカプセル紙37の1
画素に注目してみると、当該1つの画素点(露光点)を
白色とするため、G光とR光とB光とを照射するために
は、例えばまず、キャリッジ48の往路方向への移動時
(図6のX方向移動時)に、緑LED8cに対向するピ
ンホール12が前記1画素点に位置している時に、当該
緑LED8cを所定の短時間Δtだけ一回点灯した後、
キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させる。次い
で、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図6のY
方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の復路方
向への移動時(図6のX′方向移動時)には、緑LED
8bに対向するピンホール12が前記1画素点に位置し
ている時に、当該緑LED8bを所定の短時間Δtだけ
一回点灯し、キャリッジ48を復路の終端で一旦停止さ
せる。さらに、マイクロカプセル紙37を1ドット分だ
け図6のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ4
8の往路方向への移動時(図6のX方向移動時)に、緑
LED8aに対向するピンホール12が前記1画素点に
位置している時に、当該緑LED8aを所定の短時間Δ
tだけ一回点灯した後、キャリッジ48を往路の終端で
一旦停止させる。このようにすると、図8に示すよう
に、着目した1つの画素点に対して、前記走査周期Tの
半分の時間ごとに、緑LED8c→8b→8aの順序で
短時間Δtずつ点灯することになる。
【0053】そして、次に、マイクロカプセル紙37を
12ドット分だけ図6のY方向に用紙送りを実行した
後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図6のX′
方向移動時)に、赤LED7cに対向するピンホール1
2が前記着目した1つの画素点に位置している時に赤L
ED7cを所定の短時間Δtだけ1回点灯した後、キャ
リッジ48を復路の終端で一旦停止させる。次いで、マ
イクロカプセル紙37を1ドット分だけ図6のY方向に
用紙送りを実行した後、キャリッジ48の往路方向への
移動時(図6のX方向移動時)に、赤LED7bに対向
するピンホール12が前記1画素点に位置している時
に、当該赤LED7bを所定の短時間Δtだけ一回点灯
した後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させ
る。さらに、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ
図6のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48
の復路方向への移動時(図6のX方向移動時)に、赤L
ED7aに対向するピンホール12が前記1画素点に位
置している時に、当該赤LED7aを所定の短時間Δt
だけ一回点灯した後、キャリッジ48を復路の終端で一
旦停止させるのである。同様にして、青LED9c→9
b→9aの順序で、キャリッジ48を往復移動させつつ
所定の短時間Δt毎に点灯を繰り返すのである。
【0054】このように、マイクロカプセル紙37の同
一露光位置(1画素点)に複数回の露光を時間間隔をあ
けて光照射することにより、発色の感度が向上し少ない
光照射エネルギー密度にて、発色の光濃度を変化せしめ
ることができる。即ち、図9に例示するように、縦軸に
シアンの発色光学濃度を採り、横軸に露光エネルギー密
度(J/m2 )の総量を採る。図9において、実線Aは
赤LEDを1回のみ照射したときのシアンの発色光学濃
度の変化を示し、点線Bは赤LEDを前記走査周期Tの
半分の時間間隔をあけて3回に分割して光照射した場合
のシアンの発色光学濃度の変化を示す。
【0055】図9において、シアンの発色光学濃度が10
%濃度、つまりD10=0.42を得るためには、一回の光照
射では3.3 (J/m2 )の露光エネルギー密度を与える
必要があるが、前述のように3回に分割して光照射する
と総計で2.2 (J/m2 )の露光エネルギー密度を与え
ればよいことになる。この図9の比較から理解できるよ
うに、露光エネルギー密度(J/m2 )が、0.5 〜3.3
の範囲では、同じシアンの発色光学濃度の発現するため
には、3回に分割して光照射した場合は小さい露光エネ
ルギー密度にて済むが、1回の光照射の場合には大きい
露光エネルギー密度を必要とすることが判る。
【0056】その理由は、光照射に伴うマイクロカプセ
ル紙37におけるマイクロカプセル32の重合開始剤と
光硬化性樹脂との重合反応速度は、さほど高速でなく、
一度に大量の露光エネルギーを投入するよりも、適度の
時間間隔にて複数回(例えば2〜6回)に分けて少しず
つ露光エネルギーを投入したほうが前記の重合反応が促
進されやすいからである。
【0057】換言すると、本発明では1つの発光素子で
あるLEDの出力を小さくしたもの、乃至はLEDの設
置個数が少なくても、充分な発色光学濃度を得ることが
できるのである。なお、マイクロカプセル紙37は、少
なくともその画像形成領域39においては速度一定にて
露光、現像されることが好ましい。このため、マイクロ
カプセル紙37を露光、現像するのに最小限必要な速度
一定時間Tcに対応する速度一定での移動距離L(m)
は、少なくとも全てのピンホール12が画像形成領域
(現像領域)39を通過する範囲である。この速度一定
移動距離L(m)は画像形成領域39の幅とピンホール
12の配設パターン、最高速度V(m/sec.) によって
自由に設計することができるものである。数値例を示せ
ば、L=0.1118(m) 、V=0.86 (m/sec.) である。これ
により、A6判のサイズのマイクロカプセル紙37の表
面全体を露光することができる。
【0058】図11に示すような感光感圧プリンタ80
の制御回路(制御手段)の電気的構成は、CPU70,
ROM71,RAM72からなる周知の論理演算回路か
ら構成されており、CPU70はI/Oポート73を介
して外部のホストコンピュータからのRGB画像データ
を入力するためのコネクタ74が接続され、前記露光ヘ
ッド(各LED)20、保持送りローラ50の駆動モー
タ78に対する駆動回路77、前記キャリッジ送りサー
ボモータ62に対する駆動回路76が接続されている。
【0059】前記ROM71には、装置全体の動作を制
御するためのプログラム、入力された画像データから露
光ヘッド20の各色LEDの点灯時間、タイミングを演
算決定するためのプログラム、RGB露光の順序に応じ
て後述の保持送りローラ50の駆動を制御し、マイクロ
カプセル紙37の搬送を行うためのプログラム、同様に
RGB露光の順序に応じて前記キャリッジ送り用のサー
ボモータ62を制御し、キャリッジを往復走査するプロ
グラム等、種々のプログラムが記憶され、CPU70は
これらのプログラムに従って動作する。また、RAM7
2には、作業者により設定されたコピー枚数や画像の拡
大縮小率やマイクロカプセル紙37の現像領域のサイズ
等が図示外の入力パネルから入力されて記憶される。C
PU70は現像領域のサイズデータに従って前記キャリ
ッジ送り用のサーボモータ62の駆動条件を演算し、そ
れに従って、露光及び圧力現像を行うのである。
【0060】感光感圧プリンタ80に、出力画像のRG
Bデータが送られると、その画像データがR画像デー
タ、G画像データ、B画像データに分離されてRAM7
2のバッファに記憶される。また、露光ヘッド20の各
LEDは、図示しない駆動回路により、フレキシブルハ
ーネス487(図2参照)を介して電気的に駆動を受
け、画像情報に従って点灯消灯制御される。
【0061】次に、前述のように構成された露光ヘッド
20の光利用効率について、図5及び図10を用いて、
数値例を使って説明する。図10は従来の露光部21の
模式的な断面構造を示している。前述の露光ヘッド20
との相違は、露光部21の基板1には凹部が形成されて
おらず、各LED7,8,9は基板表面に取付けられた
点である。
【0062】赤LED7からの出力光パワーは、常温に
て20mAの電流にて駆動したとき、全光束にて2mW
である。また、赤LED7のチップサイズは、外形□0.
3mm, 高さ0.2mm である。チップ頂面から1mm離れた
位置にあるマスク13のピンホール12から出射される
光パワーは、同一駆動条件の時、図10の如く、本発明
の凹部4が無く、平面基板上に各LEDチップを実装し
たときは64μWとなり、その光利用効率は3.2 %であ
る。緑LED8、青LED9についても、その光利用効
率はほぼ同等であった。
【0063】これに対して、図5の如く凹部4を備えた
ものは、同様な条件にてチップ頂面から1mm離れた位
置にあるマスク13のピンホール12から出射される光
パワーは120 μWとなり、光利用効率は6.0 %とほぼ倍
増させることができた。緑LED8、青LED9につい
ても、その効果はほぼ同等であった。また、この様な光
利用効率は側面4bの表面荒さを小さくしたり、側面4
bを自由曲面形状を持った反射鏡とすることで更に上昇
させることができるものである。
【0064】また、画像形成に必要のない迷光について
述べると、図10の如き、凹部4のない露光部では、平
面基板上に各LEDチップが実装されているため赤LE
D7の横方向への出力光が、直接緑LED8や、緑LE
D8を結線するボンディングワイヤ10に当たり、反射
して、緑光の出射すべきピンホール12から出射してし
まうと言ったいわゆる迷光の問題があり、画像形成装置
によって出力されるカラー画像の画像品質を大きく劣化
させてしまうという問題があった。これに対し、図5の
如き構成の露光ヘッド20を用いれば、凹部4の側面4
bの存在により、赤LED7の出力光が、緑LED8に
直接当たってしまうような問題が無く、さらには、マス
ク13には無反射処理が施してあるため、直接ピンホー
ル12から出射されることのない光もこのマスク13の
表面に吸収されてしまい、画像品質の劣化はないもので
ある。
【0065】また、ボンディングワイヤ10の長さや接
着高さに関して、ワイヤーボンダー(ボンディングロボ
ット)により、ボンディング加工を行うとき、本実施形
態による露光ヘッド20を用いれば、ボンディングワイ
ヤー10の長さが短くなること、ボンディング位置がほ
ぼ同一高さであるため、ボンディングロボットの動作が
簡便な工程を踏めることなど、その効果が大きいことは
明白である。
【0066】また、図5において、凹部4の大きさは、
各LEDチップを内包するできるだけ小さい形状にする
ことが光利用効率を上げるために有効であるが、これを
実現する手段として、ランドパターンの電極層3中のボ
ンディングパッド(ワイヤ10の結線位置)を凹部4以
外の部位に持ってくることが有効である。これはまた、
小型で比較的深い凹部4を形成しなければならないと
き、その底面4aや側面4bにランドパターン3を形成
することは難しいという理由からも有効な手段である。
【0067】また、感光記録材料の所要エネルギー密度
に関して、後述するマイクロカプセル紙の所要エネルギ
ー密度(カプセルが感光硬化するエネルギー密度)は、
約3(J/m2 )である。これは、銀塩写真の感度例0.
1 (J/m2 )の約300倍であり、マイクロカプセル
紙の露光に必要なエネルギーは通常の写真撮影等で感材
に与えられるエネルギーに対して非常に大きいものであ
る。
【0068】本実施形態の画像形成装置を用いてマイク
ロカプセル紙の露光を実現するために、前述の赤LED
7を用いると、600秒で1m2 の範囲を露光するため
には、1つの赤LED7あたり供給可能なパワーは120
μWであるから、書込デューティを100 %とした簡単な
計算式によれば赤LED7は42個必要である。これに
対して、図5の如き凹部4のない画像形成装置では、赤
LED7は倍の84個必要となってしまう。
【0069】次に、マイクロカプセル紙の現像工程につ
いて図2及び図12を参照しながら説明をする。図12
はマイクロカプセル紙37を現像する現像器45の具現
化例である。尚、簡単のために露光済みのマイクロカプ
セル紙37は図示を省略している。圧力現像手段として
の現像器45は、点接触によりマイクロカプセル紙37
表面を弾力押圧することにより現像処理を実現するもの
であり、点接触ボール46をマイクロカプセル紙37に
押しつけながらその押しつけ位置を変化させることによ
り現像領域のみを圧力現像するものである。この押しつ
け位置を変化させるためには、点接触ボール46とマイ
クロカプセル紙37との間にマイクロカプセル紙37の
紙面に平行に相対移動を発生させる。マイクロカプセル
紙37に対して点接触ボール46を移動させてもよい
し、点接触ボール46に対してマイクロカプセル紙37
を移動させてもよいし、マイクロカプセル紙37と点接
触ボール46の双方を移動させてもよい。装置の小型化
のために好ましくは、点接触ボール46をマイクロカプ
セル紙37に平行に一軸線に沿って往復移動させながら
マイクロカプセル紙37を点接触ボール46の移動方向
に交差する方向、好ましくは直交する方向に移動させる
方式がよい。
【0070】この点接触ボール46による加圧点におい
ては、小さい加圧力でマイクロカプセルが圧力現像され
て破壊され、その内包物(無色の染料前駆体)が流出し
て顕色剤と発色反応が起こる。そして点接触ボール46
とマイクロカプセル紙37との相対移動により現像領域
にカラー画像が可視化される。図12に示す実施例にお
いては、圧力現像されるマイクロカプセル紙37がほぼ
平坦な取り付け土台47に固定される。この土台47は
平坦面の他にローラ形状にしてマイクロカプセル紙37
の送りに供することも可能である。
【0071】少なくとも一個の点接触ボール46がマイ
クロカプセル紙37と弾性押圧係合するように配置さ
れ、該点接触がマイクロカプセル紙7に対応する取り付
け土台47の一定範囲を往復移動する。即ち、搬送ロー
ラ50により露光台から搬送されてきたマイクロカプセ
ル紙37は取り付け土台47上で保持送りローラ50に
より保持される。この保持送りローラ50はマイクロカ
プセル紙37の非現像領域を押圧して送りモータにより
後述の1現像ライン毎に回転駆動されるものであり、現
像領域の両側部分に左右一対設けられている。
【0072】この土台47の表面に平行且つ前記マイク
ロカプセル紙の送り方向に直交する案内軸49に沿って
キャリッジ48が往復移動可能に支持されている。この
キャリッジ48のボール支持部481の前記土台47側
にはボールソケット51を介して点接触ボール46が回
動可能に支持されており、このボール46はボールソケ
ット51とともに、前記キャリッジ48に形成された摺
動孔482内を図中上下方向に摺動可能に収納されてい
る。前記ソケット51の上端部には段部511が形成さ
れており、その段部511が前記摺動孔482の下端に
設けられたストッパ部483に当接することにより下部
への抜け落ちが防止されている。
【0073】また、前記ボール支持部481の上面には
前記摺動孔482を上部で閉塞する蓋板484がネジ止
めされており、その蓋板484には調節ネジ485が螺
合されている。そして、この調節ネジ485の軸端と前
記ソケット51との間には弾性体としての圧縮バネ48
6が装填されており、前記ソケット51は前記ストッパ
部483に付勢されている。但し、前記ソケット51が
前記ストッパ部483に当接する前に、点接触ボール4
6が前記土台47に当接付勢されるように各部の寸法が
設定されている。
【0074】ここで、点接触ボール46のマイクロカプ
セル紙37への付勢力は前記圧縮バネ486を使用する
かわりに空圧器や油圧器やソレノイド等種々のもので代
用できる。単に弾性体だけではなく、電磁力を使用して
も可能である。また、点接触ボールを付勢するかわりに
土台側をボールに付勢することも可能であり、両者を互
いに接触する向きにそれぞれ付勢することも可能であ
る。要するに点接触ボールと土台側(マイクロカプセル
紙側)との間の付勢手段であれば何でもよい。
【0075】また、前記キャリッジ48には送りネジ6
0が螺合されており、この送りネジ60が送りサーボモ
ータ62の出力軸621に連結され正逆回転される。こ
の送りネジ60の正逆回転によりキャリッジ48は前記
土台47に平行に往復移動され、その往復移動により前
記点接触ボール46の加圧点が順次変更されることとな
る。
【0076】なお、前記送りサーボモータ62は回転方
向と回転量を制御可能なものであって、駆動量検出用の
エンコーダを備え、制御回路により駆動制御される。こ
の送りモータとしてはオープンループ制御のパルスモー
タを採用することもできる。位置確認機能はなくなる
が、駆動回路が簡略化できるので低コスト化ができる。
また、パルスモータの他にも一般的なDC/ACモータ
等を採用することも可能である。駆動量を制御可能なモ
ータを使用するのは、前記マイクロカプセル紙37の現
像領域のみを加圧現像するために現像領域のサイズに従
ってキャリッジ48の往復移動量を設定するためであ
る。
【0077】前記案内軸49に沿ってキャリッジ48を
移動させて1ラインの圧力現像が終了したら前記保持送
りローラ50を1ライン分回転させて再びキャリッジ4
8を移動させて1ラインの圧力現像を行うという動作を
繰り返し、現像領域の全てにわたって圧力現像を行うの
である。図13及び図14は、感光感圧プリンタ80の
第2実施形態を示し、パーソナルコンピュータにおけ
る、タワー型CPUケース内に装着できるものであっ
て、メインケース100の前面開口部100a内に対し
て給紙部ケース102が着脱自在に挿入可能に構成され
ており、給紙部ケース102の前面左右両側に装着され
た係止用クラッチノブ103を所定方向に回動させるこ
とにより、図示しないラッチがメインケース100の係
合部に係脱する。
【0078】給紙部ケース102の前面には、マイクロ
カプセル紙37を積層して収容したカートリッジ67が
着脱自在に装着されている。給紙部ケース102内に
は、給紙用ローラ65と、給紙経路P5と排紙経路P6
とに切り換えるための経路切換体104と、送りローラ
対68と、搬送板105上のマイクロカプセル紙37の
表面(上面)を加熱するためのフィルムヒータ64とが
配置されている。
【0079】メインケース100内には、前記給紙部ケ
ース102の後部開口106に隣接して下側に位置固定
の下ニップローラ107aを配置し、該下ニップローラ
107aの上側に隣接させた上ニップローラ17bは、
図示しないアクチュエータにて下ニップローラ17aと
の間隔を接離可能とするように構成されている。この上
下ニップローラ107a,107bは、圧力現像のため
のものである。この一対のローラの奥側に隣接して露光
台66が配置され、この露光台66の上面に近接する前
記第1実施形態と同様の露光ヘッド20を備えたキャリ
ッジ48は、案内軸49,49を介してマイクロカプセ
ル紙37の送り方向と直交する方向に摺動自在に支持さ
れている。
【0080】本実施形態では、カートリッジ67から給
紙されるマイクロカプセル紙37が図13の左方向に搬
送される途次、感度向上のための露光作業前処理とし
て、マイクロカプセル紙37の表面を50℃前後にフィ
ルムヒータ64にて加熱するが、前記上下ニップローラ
107a,107bの隙間は大きく開けて押圧作業しな
い。そして、前記案内軸49の軸線と平行状に配設され
たタイミングベルト108の一部を前記キャリッジ48
に連結し、図示しないサーボモータにてタイミングベル
ト108を駆動させることにより、前記第1実施形態と
同様に露光を実行し、搬送ローラ対109を介して用紙
往復通路P3の奥側に送る。
【0081】露光作業を終了したマイクロカプセル紙3
7が用紙往復通路P3のストッパー位置69にて一旦停
止した後、図13の右方向に搬送されるときには、前記
露光ヘッド20はマイクロカプセル紙37の搬送経路の
側方に退避する位置で停止させている。そして、前記上
下ニップローラ107a,107bは、その隙間を閉じ
て300Kg 重程度の力でローラ間をばねにより圧接され、
露光後のマイクロカプセル紙37の表面を所定圧力にて
押圧しつつフィルムヒータ64にて80℃〜100℃の
温度で加熱処理して発色を促進させる。前述の圧力現像
処理を終えたマイクロカプセル紙37は給紙部ケース1
02内の経路切換体104にて、排紙通路P6から排紙
ローラ75を介して感光感圧プリンタ80の外に排出さ
れる。
【0082】なお、パソコンCPUから等の外部からの
入力データ(RGBデータ、駆動制御信号等)はメイン
ケース100の奥側の入力部ポート110aから制御基
板111へ入り、感光感圧プリンタ80側の出力データ
は出力部ポート110bから出力される。そして、RG
Bデータは、フレキシブルケーブル112を介して露光
ヘッド20に伝送される。また、図14の端部113
に、搬送されるマイクロカプセル紙37の側縁を当接す
ることにより、幅寸法の異なるマイクロカプセル紙37
の搬送経路の基準位置となる。
【0083】本実施形態では、マイクロカプセル紙37
が図13の左方向に搬送されつつ露光作用を受けるとき
は、当該マイクロカプセル37の搬送方向に1ドットず
つ等の間欠移動するが、右方向への圧力現像作用を受け
るときには、マイクロカプセル37は所定の一定速度で
連続的に移動することになる。以上詳述したように、本
発明の画像形成装置としてのプリンタ80は前述の実施
形態にのみ限定されるものではなく種々の変形が可能で
ある。
【0084】本発明の感光記録媒体は前述のマイクロカ
プセル紙のみに限定されるものではなく種々の変形が可
能である。マイクロカプセル紙としては、前述の自己発
色型のものの他に、転写型のものも採用可能である。マ
イクロカプセルを担持する透明基材シートと、その基材
シートのマイクロカプセル面に対して顕色材を担持した
受像紙の顕色材面を重ね合わせて剥離可能に一体化して
おき、基材シートを露光ヘッド側にしてカートリッジか
ら給紙し、一体のまま露光、現像し、装置外に排出して
から受像紙を剥離するようにすれば良い。加圧破壊され
たマイクロカプセルから流出した色材としての染料前駆
体が受像紙の顕色剤に転写され、これと反応して発色
し、顕在化するのである。
【0085】また、染料前駆体の代わりに、予め着色さ
れた顔料や染料を感光物質と共にマイクロカプセルに内
包されることもできる。この場合は、顕色剤のない受像
紙(普通紙)を基材シートに剥離可能に一体化すること
により、転写型の画像形成が可能である。剥離すること
により、受像紙に画像が顕在化されるからである。ま
た、マイクロカプセル紙以外にも銀塩フィルム、ジアゾ
式感光紙等、感光によって露光作用を受け、現像作用を
受けることでこれが顕色化するような感光記録媒体を用
いた画像形成装置であれば、本発明にかかる課題を有し
ているため、本発明の解決手段を用いることで同等な効
果が得られるものである。また、電子写真色のプリンタ
に使用される静電潜像形成用の感光ドラムにも露光する
ことができる。
【0086】圧力現像手段として前記点接触ボール46
の他に、線接触する加圧ローラを採用することも可能で
ある。このほかマイクロカプセルを加圧破壊可能な実施
形態の全てを採用することができる。また、発光素子は
LEDのみに限るものでなく、EL発光素子、プラズマ
発光素子、レーザ発光素子等、様々な構造のものが適用
できる。
【0087】また、発光素子は赤青緑から構成される必
要はなく、感光記録媒体の感度特性に合わせ、様々な波
長のものを選択することができる。例えば、赤外光、
赤、緑と選んでも良いし、遠赤外光、近赤外光、赤と選
んでも差し支えない。また、紫外線、遠紫外線も発光素
子の色の選択肢の有効な例である。また、発光素子の色
数は、赤緑青の3色に限るものでなく、1色または2色
でも良いし、発色剤にイエロー、マゼンタ、シアン、黒
を用いるような通常のカラープリンタの如く4色また、
それ以上を選択することもできる。
【0088】また、選択供給手段としては、ピンホール
を備えた薄板であるマスクだけでなく、図15に示すよ
うに、単玉プラスチックレンズ等の結像光学系を用いる
ことができる。即ち、基板1の位置決め穴15に装着さ
れる保持具114に基板の凹部4に対向して光通過孔1
21を形成し、その光通過孔121の周縁部にレンズ取
付部を形成し、その取付部に単玉プラスチックレンズ1
22を取着し、そのレンズ122の焦点位置に前記マイ
クロカプセル紙37を配置するのである。このようにレ
ンズ系を用いても本発明にかかる凹部の作用にて、レン
ズに入射する光パワーは増大することから、結果的に感
光記録媒体へ供給できる光パワーは増加し、本発明によ
って光利用効率を高める事ができるという効果はなんら
変わらない。
【0089】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
請求項1記載の画像形成装置は、所定波長光に対して強
度が変化する感光成分と色材とを内包したマイクロカプ
セルを担持し、露光により画像情報の潜像が形成される
感光記録媒体と、その感光記録媒体を露光するための複
数の発光素子を有し、前記感光記録媒体に沿って第1の
方向へ相対移動され、感光記録媒体上に露光潜像を形成
するための露光ヘッドと、感光記録媒体と前記露光ヘッ
ドとの間に前記第1の方向に対して交差する第2の方向
に相対移動を発生させる送り手段と、露光された感光記
録媒体を加圧して強度の弱いマイクロカプセルを破壊
し、破壊したマイクロカプセルから流出した前記色材に
より前記潜像を顕在化させるための現像手段とを有する
画像形成装置であって、前記露光ヘッドにおける複数の
発光素子は、前記第2の方向に沿って所定の間隔ずつず
らして配置され、各発光素子により前記感光記録媒体上
の同一画素部分を照射露光すべく前記両相対移動に伴っ
て発光素子を制御する制御手段とを備えたものである。
【0090】このように構成すれば、露光ヘッドが第1
の方向に相対的に移動することにより、複数の発光素子
のうちの一つの発光素子で感光記録媒体における一つの
画素部分に対して露光したのち、当該感光記録媒体を第
2の方向に相対移動させてのち、前記第1の方向に移動
する前記複数の発光素子の他の一つの発光素子にて前記
の一つの画素部分を露光するというように、時間的にず
らして同一の画素部分を露光することができる。
【0091】一般に、マイクロカプセルにおける重合反
応の速度はそれほど高速におこなわれないから、1度に
大量の光エネルギーを照射しても、前記重合反応は促進
できないから、本発明のように、重合反応時間に応じて
時間的に間隔をあけて複数回に分割して光照射すれば、
マイクロカプセルにおける重合反応の速度が遅くても、
この同一の画素部分におけるマイクロカプセルに光照射
した光エネルギーの総量を少ない状態のもとにて、当該
マイクロカプセルの強度の変化を大きくできることにな
る。
【0092】換言すると、露光ヘッドにおける各発光素
子の光出力が小さくても、もしくは露光ヘッドにおける
発光素子の設置個数が少なくても、充分な発色光学濃度
を得ることができるという顕著な効果を奏するのであ
る。また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の
画像記録装置において、前記露光ヘッドは、複数の凹部
を表面に備え、前記各発光素子が表面に形成された各凹
部にそれぞれ配設される基板と、前記各発光素子に対向
して設けられ、各発光素子からの出力光を選択的に前記
感光記録媒体に供給する選択供給手段とから構成された
ものである。
【0093】このように構成すると、露光ヘッドにおけ
る各発光素子からの出力光は、直接かまたは該凹部表面
にて反射されて、選択供給手段を通過して感光記録媒体
中のマイクロカプセルに至り、画像情報に従った潜像が
形成されることになり、より低出力の発光素子を用いて
一つの画素部分のマイクロカプセルに必要な光エネルギ
ー量を照射できる結果、一層光利用効率の高い画像形成
装置を実現することが可能であるという効果を奏するの
である。
【0094】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の画像形成装置において、前記発光素
子の所定の間隔は、感光記録媒体に形成する1画素の大
きさと同じかもしくはその整数倍に設定されており、前
記送り手段は、前記1画素の大きさと同じかもしくはそ
の整数倍分ずつ前記第2の方向への相対移動を発生する
ように構成されたものである。
【0095】このように構成すれば、感光記録媒体にお
ける全ての画素部分に、必要な量の光エネルギーを等し
く照射することが至極簡単にでき、感光記録媒体の全体
に形成される画像の画質を均一にできるという効果を奏
する。そして、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至
請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、前
記感光記録媒体のマイクロカプセルは、前記感光成分の
感光波長と前記色材による色波長とが互いに異なる複数
種類のマイクロカプセルからなり、前記複数の発光素子
のセットごとに、前記複数種類のマイクロカプセルの感
光波長に対応する波長光を照射するよう構成したもので
ある。
【0096】このように、感光記録媒体におけるマイク
ロカプセルの反応する感光波長を複数にすると共に、複
数セットの発光素子をそれぞれ複数色の現像色に対応さ
せておけば、複数色のカラー画像が簡単に形成できる画
像形成装置を提供できるという効果もある。特に、発光
素子のセットを赤緑青3色の中心色波長を有した複数の
発光素子で構成することにより、画像情報である自然画
の色情報を、赤緑青にそのまま分解し、それぞれの色情
報に従って赤緑青の発光素子が電気的に駆動されるた
め、簡便な処理にて電気的駆動を行うことができるとい
う効果がある。また、自然画を直接結像光学系等にて露
光するカラー感光記録媒体を、感光記録媒体として流用
することができる画像形成装置を提供できるという効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロカプセル紙を処理するための感光感圧
プリンタの第1実施形態の構成断面図である。
【図2】前記第1実施形態の感光感圧プリンタの底面図
である。
【図3】マイクロカプセル紙の断面図である。
【図4】マイクロカプセル紙の平面図である。
【図5】(a)は露光ヘッドの模式的な断面図、(b)
は凹部の要部拡大断面図である。
【図6】露光ヘッドの拡大下面図である。
【図7】キャリッジの移動速度を示すグラフ図である。
【図8】露光のタイミングチャートである。
【図9】1回露光及び複数分割回露光による付与露光エ
ネルギーとシアン発色光学濃度の比較を示すグラフ図で
ある。
【図10】従来の露光手段の模式的な断面図である。
【図11】感光感圧プリンタの電気的構成を表すブロッ
ク図である。
【図12】第1実施形態におけるマイクロカプセル紙を
圧力現像する現像器の構成図である。
【図13】感光感圧プリンタの第2実施形態の構成断面
図である。
【図14】感光感圧プリンタの第2実施形態の構成平断
面図である。
【図15】露光ヘッドの別の実施形態を示す模式的な断
面図である。
【符号の説明】
1 基板 4 凹部 7a,7b,7c 発光素子としての赤LED 8a,8b,8c 発光素子としての緑LED 9a,9b,9c 発光素子としての青LED 10 電気的結線 12 ピンホール 13 マスク(選択供給手段) 20 露光ヘッド 32 マイクロカプセル 37 感光記録媒体としてのマイクロカプセル紙 45 現像器 80 画像形成装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定波長光に対して強度が変化する感光
    成分と色材とを内包したマイクロカプセルを担持し、露
    光により画像情報の潜像が形成される感光記録媒体と、 その感光記録媒体を露光するための複数の発光素子を有
    し、前記感光記録媒体に沿って第1の方向へ相対移動さ
    れ、感光記録媒体上に露光潜像を形成するための露光ヘ
    ッドと、 感光記録媒体と前記露光ヘッドとの間に前記第1の方向
    に対して交差する第2の方向に相対移動を発生させる送
    り手段と、 露光された感光記録媒体を加圧して強度の弱いマイクロ
    カプセルを破壊し、破壊したマイクロカプセルから流出
    した前記色材により前記潜像を顕在化させるための現像
    手段とを有する画像形成装置であって、 前記露光ヘッドにおける複数の発光素子は、前記第2の
    方向に沿って所定の間隔ずつずらして配置され、 各発光素子により前記感光記録媒体上の同一画素部分を
    照射露光すべく前記両相対移動に伴って発光素子を制御
    する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記露光ヘッドは、複数の凹部を表面に
    備え、前記各発光素子が表面に形成された各凹部にそれ
    ぞれ配設される基板と、前記各発光素子に対向して設け
    られ、各発光素子からの出力光を選択的に前記感光記録
    媒体に供給する選択供給手段と、から構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記発光素子の所定の間隔は、感光記録
    媒体に形成する1画素の大きさと同じかもしくはその整
    数倍に設定されており、前記送り手段は、前記1画素の
    大きさと同じかもしくはその整数倍分ずつ前記第2の方
    向への相対移動を発生するように構成されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記感光記録媒体のマイクロカプセル
    は、前記感光成分の感光波長と前記色材による色波長と
    が互いに異なる複数種類のマイクロカプセルからなり、 前記複数の発光素子のセットごとに、前記複数種類のマ
    イクロカプセルの感光波長に対応する波長光を照射する
    よう構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれかに記載の画像形成装置。
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