JPH10193677A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10193677A
JPH10193677A JP128797A JP128797A JPH10193677A JP H10193677 A JPH10193677 A JP H10193677A JP 128797 A JP128797 A JP 128797A JP 128797 A JP128797 A JP 128797A JP H10193677 A JPH10193677 A JP H10193677A
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light
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led
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JP128797A
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Takao Iwasaki
岳雄 岩崎
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置において、発光素子の利用効率
を高め、比較的少ない個数の発光素子を用いて且つ発光
素子の駆動エネルギーを低減しつつ高画質の画像を形成
する。 【解決手段】 感光感圧プリンタは、複数色の色材を夫
々内包すると共に互いに異なる所定波長の光により硬度
の変化する複数種類のマイクロカプセルを担持するマイ
クロカプセル紙を、形成すべき画像の画像変調に応じて
露光するための第1光を変調させつつ発する複数色毎の
LED、及び画像変調によらずに露光するための第2光
を定常的に発する少なくとも一色のLEDを有する露光
ヘッドと、露光されて硬度の変化したマイクロカプセル
及び露光されずに硬度の変化していないマイクロカプセ
ルのうち硬度の低い一方を加圧破壊することにより発色
させてマイクロカプセル紙に可視像を形成する加圧現像
手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光により画像情
報の潜像がその表面に形成され、現像により該画像情報
が顕在化される感光記録媒体に、画像情報に対応する造
像光を露光し、これを現像する所謂サイカラー方式の画
像形成装置の技術分野に属し、特に、複数の発光素子を
用いて造像光を露光する画像形成装置の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4440846号および第4
399209号明細書は、内部位相に感光物質を含むマ
イクロカプセルを備えた感光層が画像状に放射線に対し
露光され、均一な破裂力をかけられ、それによりマイク
ロカプセルが破裂して内部位相物質を画像状に放出する
画像システムについて説明している。露光によりマイク
ロカプセルの機械的強度が変化して露光潜像が形成さ
れ、圧力を加えることにより機械的強度が弱いカプセル
(感光硬化しなかったカプセルや感光軟化したカプセ
ル)が破壊されて色材等の内包物が流出して現像が行わ
れるのである。
【0003】この画像形成システムは完全乾式システム
であり、画像を発生させるために湿式現像処理溶液に依
存しないため、大きな利点がある。ほぼ無色の色彩発生
物質のような画像形成発色剤は、通常はマイクロカプセ
ルに内包される。露光後にマイクロカプセルが加圧破壊
されると、色材としての色彩発生物質(発色剤)は現像
物質と反応して色彩画像を形成する。
【0004】また、この様な感光記録媒体に画像情報に
対応する造像光を露光し、これを現像する画像形成装置
に関しては、特開昭62−231758号公報に記載の
白色光源光を印字パターンに従って選択的に感光記録媒
体に導くようにした画像形成装置や、特開昭63−31
364号公報に記載の複数色の光源光を走査して感光記
録媒体に導くようにした画像形成装置や、米国特許49
92822号明細書に記載の複数色発現可能な感光記録
媒体において同一箇所をポリゴンミラー等を介して複数
回露光するようにした画像形成装置が知られている。
【0005】このような従来技術下で近年、本願出願人
は、感光記録媒体に造像光を露光するために、複数の発
光素子を使用するタイプの画像形成装置を発明して出願
した。このタイプの画像形成装置では、感光記録媒体に
沿って相対移動される露光ヘッドに複数の発光素子がそ
れぞれ固定され、発光素子からの出力光をピンホール
(貫通した開口)を有した遮蔽板(マスク)により選択
的に感光記録媒体に照射するように構成されている。
【0006】この複数の発光素子を使用するタイプの画
像形成装置では、例えば、RGB3色の露光ヘッドの場
合には、図16に示すように、青(B)及び緑(G)用
に夫々12個のLED(発光ダイオード)がマイクロカ
プセル紙に対面する面内でマトリクス状に配列され、更
に赤(R)用の9個のLEDが同様にマトリクス状に配
列され、これらのLEDの前面を覆うマスク(遮蔽板)
130には各LEDに対応して複数のピンホール120
が設けられている。
【0007】この具体例における、青又は緑用のLED
1個当たりに必要とされる画像変調用パワーPは、解像
度を200dpiとし、キャリッジ送り速度を430m
m/secとし、紙送り速度を1.06mm/secと
し、マイクロカプセルによる発色濃度を飽和させるため
に必要な露光エネルギー密度を5J/m2とし、1ドッ
トの面積を16.13nm(ナノメートル)2とし、1
ドットの通過時間を295.3μsec(マイクロ秒)
とすると、同一ドットは各色毎に紙送り方向に並べられ
た4個のLEDにより合計4回ずつ画像変調露光される
(即ち、紙送り方向に同一色のLEDが4列並べられて
おり、各LEDは走査方向に3ドットおきに露光する)
ので、次式から計算される。
【0008】 P=5J/m2×16.13nm2/(4列×295.3μsec) =約68μW(マイクロワット) 従って青又は緑用のLED12個全体の画像変調用のパ
ワーPTを計算すると、 PT=約68μW×12個=約816μW となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この複
数の発光素子を使用するタイプの画像形成装置において
は、あるLED(発光素子)からの出射光の全パワーに
対して、対応するピンホール120から出射される効率
は僅かに10%程度である。残りの光の大半は、ピンホ
ール120を通過することなくマスク130により遮蔽
されたり、ピンホール120に到達する前に相互干渉に
より減衰してしまう。この結果、光エネルギーの利用効
率が著しく悪いという問題点がある。このような利用効
率の悪さに応じて必要とされるLED等の発光素子の個
数は増加し、更に、このような発光素子は一般に高価で
あると共に発光素子の個数に応じて発光制御も複雑化す
るため、この問題点は、近時の画像形成装置の低価格化
の要請の下では実際上重大な問題点である。また、光エ
ネルギーの利用効率を高めるために単純にピンホール1
20を大きくしたのでは、マイクロカプセル紙に生成さ
れる光スポットの径が大きく広がってしまい、必要とさ
れる解像度が得られなくなってしまう。
【0010】本発明は、上述の問題点に鑑みなされたも
のであり、発光素子の利用効率を高め、比較的少ない個
数の発光素子を用いて且つ発光素子の駆動エネルギーを
低減しつつ高画質の画像を形成可能な画像形成装置を提
供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の画像形成装置は、複数色の色材を夫
々内包すると共に互いに異なる所定波長の光により硬度
の変化する複数種類のマイクロカプセルを担持する感光
記録媒体を、形成すべき画像の画像変調に応じて露光す
るための前記所定波長の第1光を変調させつつ発する前
記複数色毎の主発光素子、及び前記画像変調によらずに
露光するための前記所定波長の第2光を定常的に発する
少なくとも一色の副発光素子を有する露光ヘッドと;前
記感光記録媒体を前記露光ヘッドに対して前記感光記録
媒体に沿う所定の送り方向に相対移動させる送り手段
と;前記露光ヘッドを前記相対移動される感光記録媒体
に対向させつつ前記感光記録媒体に対して前記搬送方向
と交差する走査方向に相対移動させる走査手段と;前記
露光されて硬度の変化したマイクロカプセル及び露光さ
れずに硬度の変化していないマイクロカプセルのうち硬
度の低い一方を加圧破壊することにより発色させて前記
感光記録媒体に可視像を形成する加圧現像手段とを備え
たことを特徴とする。
【0012】請求項1に記載の画像形成装置によれば、
露光ヘッドの有する主発光素子から画像変調に応じて変
調された第1光が発せられ、露光ヘッドの有する副発光
素子から画像変調によらずに第2光が定常的に発せら
れ、これらの第1及び第2光により感光記録媒体が露光
される。すると、露光された感光記録媒体の担持する複
数色の色材を夫々内包する複数種類のマイクロカプセル
は、第1光の変調並びに第1光及び第2光の波長に応じ
て、その硬度が変化するか又は変化しない。ここで、複
数色の夫々について、露光エネルギー密度を零から徐々
に上げて行っても、マイクロカプセルの発色濃度が無露
光状態から変化しない暗領域が存在する。この暗領域の
大きさは、マイクロカプセルの種類及び色等に応じて異
なるものであり、複数色の一種類以上について、例えば
発色濃度が飽和する露光エネルギー密度を基準(100
%)として約20%の露光エネルギー密度までが暗領域
である場合がある。本発明では、このような暗領域で
は、画像変調によらずに定常的に発せられる第2光によ
り、暗領域の少なくとも一部における露光(副露光)が
行われることになる。以上のような露光動作と平行し
て、感光記録媒体は送り手段により、露光ヘッドに対し
て所定の送り方向に相対移動され、露光ヘッドは走査手
段により、このように相対移動される感光記録媒体に対
向したまま感光記録媒体に対して走査方向に相対移動さ
れる。これらの動作の結果、感光記録媒体上にマイクロ
カプセルの硬度変化の分布からなる画像情報の潜像が走
査方向及び送り方向に順次形成される。そして次に、露
光されて硬度の変化したマイクロカプセル及び露光され
ずに硬度の変化していないマイクロカプセルのうち硬度
の低い一方が、加圧現像手段により加圧破壊され、発色
して、感光記録媒体に可視像が形成される。
【0013】請求項2に記載の画像形成装置は上述した
請求項1に記載の画像形成装置において、前記主発光素
子及び副発光素子の前面を覆うと共に、前記第1光及び
第2光を前記感光記録媒体上の前記露光ヘッドに対向す
るドットを形成すべき複数の点に向けて夫々通過させる
第1開口及び第2開口が設けられたマスク手段を更に備
えたことを特徴とする。
【0014】請求項2に記載の画像形成装置によれば、
主発光素子及び副発光素子の前面は、マスク手段により
覆われており、このマスク手段に設けられた第1開口及
び第2開口を介して、第1光及び第2光は、感光記録媒体
上の露光ヘッドに対向するドットを形成すべき複数の点
に向けて夫々通過する。この結果、感光記録媒体には、
露光ヘッドによりドット毎に潜像が形成され、加圧現像
手段によりドット毎に可視像が形成される。
【0015】請求項3に記載の画像形成装置は上述した
請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1開口
は前記第1光が前記ドットを形成すべき一つの点のみを
一時に露光できる第1の径を持ち、前記第2開口は前記
第2光が前記ドットを形成すべき複数の点を同時に露光
できる前記第1の径より大きい第2の径を持つことを特
徴とする。
【0016】請求項3に記載の画像形成装置によれば、
第1の径を持つ第1開口を通過した第1光により、ドッ
トを形成すべき一つの点のみが一時に露光され、第1の
径より大きい第2径を持つ第2開口を通過した第2光に
より、ドットを形成すべき複数の点が同時に露光され
る。この結果、副発光素子の光エネルギーのマスク手段
による損失が低減され且つ発光素子全体の光エネルギー
の利用効率が高められつつ、感光記録媒体には、第2開
口の大きさによらずドット毎に潜像が形成される。
【0017】請求項4に記載の画像形成装置は上述した
請求項1に記載の画像形成装置において、前記主発光素
子は、ドットを形成すべき一つの点のみを一時に含む第
1光スポットを生成するように前記第1光を前記感光記
録媒体上に導く第1光学手段を有し、前記副発光素子
は、前記ドットを形成すべき複数の点を同時に含む前記
第1光スポットよりも大きい径を持つ持つ第2光スポッ
トを生成するように前記第2光を前記感光記録媒体上に
導く第2光学手段を有することを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の画像形成装置によれば、
主発光素子から発せられた第1光は、第1光学手段によ
り感光記録媒体上に導かれ、ドットを形成すべき一つの
点のみを一時に含む第1光スポットが生成され、副発光
素子から発せられた第2光は、第2光学手段により感光
記録媒体上に導かれ、ドットを形成すべき複数の点を同
時に含む、第1光スポットよりも大きい径を持つ第2光
スポットが生成される。この結果、発光素子全体の光エ
ネルギーの利用効率が高められつつ、感光記録媒体に
は、第2光スポットの大きさによらずドット毎に潜像が
形成される。
【0019】請求項5に記載の画像形成装置は上述した
請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置に
おいて、前記副発光素子は、少なくとも前記感光記録媒
体が前記露光ヘッドに対向している間は、前記第2光を
発し続けることを特徴とする。
【0020】請求項5に記載の画像形成装置によれば、
少なくとも感光記録媒体が露光ヘッドに対向している間
は、副発光素子から第2光が発し続けられ、主発光素子
から第1光が発せられることにより、感光記録媒体は露
光される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面を参照して説明する。図1は画像形成装置とし
ての感光感圧プリンタ80の実施形態を示す概略側面図
であり、図2は感光感圧プリンタ80の要部の底面図で
ある。
【0022】後に詳述するマイクロカプセル紙37を露
光し現像するための、感光感圧プリンタ80の全体の概
略構成について図1を参照しながら説明する。
【0023】この感光感圧プリンタ80におけるケース
81の上部には、遮光性カートリッジ67が着脱可能に
配設され、未感光のマイクロカプセル紙37は、積層さ
れた状態でカートリッジ67に収容されている。この時
の積層状態は前記マイクロカプセル紙37のうち、後述
する光透過性支持体31(図3参照)が上になるように
設定されている。
【0024】カートリッジ67が感光感圧プリンタ80
のケース81の所定位置にセットされている状態で、カ
ートリッジ67からマイクロカプセル紙37が、半月形
状の給紙ローラ65により一枚ずつ取り出され、送りロ
ーラ68によりマイクロカプセル紙37の先端部は露光
台66に向かって右方に引き出される。
【0025】露光台66は、後に詳述する露光ヘッド2
0に対して接離可能にケース81内に支持され、バネ
(付勢手段)63により上方向に付勢されている。その
露光台66には、図中左方から右方へ向けて、露光ヘッ
ド20から離れた位置から露光ヘッド20に接触する位
置まで徐々に湾曲して接近する案内部661が一体に形
成され、送りローラ68により搬送されてきたマイクロ
カプセル紙37の先端はこの案内部661に案内されて
バネの付勢力に抗して露光台66と露光ヘッド20との
間に侵入する。さらに、前記露光台66のマイクロカプ
セル紙が接触する表面にはフィルム状のヒータであるプ
レヒータ64aが取着されている。このプレヒータ64
aは、露光ヘッド20によりマイクロカプセル紙37を
露光する際に感光感度を向上するべく所定の温度にカプ
セル紙を加熱するために使用される。従って、後に詳述
するように、露光ヘッド20を往復走査することで、マ
イクロカプセル紙37の選択的範囲に赤緑青の画像に対
応した潜像が形成される。
【0026】カートリッジ67を出た後の未露光なマイ
クロカプセル紙37は、ケース81の遮光カバー等によ
り未露光状態が保持される。また、マイクロカプセル紙
がジャムした時の処理のため、ケースカバー82aは図
中紙面に垂直な軸線dの回りに位置82bへ回動可能に
構成されている。ケースカバー82aの開放状態にてケ
ース内にジャムしたマイクロカプセル紙を取り除くこと
ができる。
【0027】キャリッジ48は露光台66の上方に配置
されており、キャリッジ48は露光ヘッド20をその下
面に備え、キャリッジ48の右側部には、圧力ローラ4
6を備える現像器45が配設されている。用紙通路上の
更に下流には、前記現像器45の右側にフィルム状のポ
ストヒータ64bが配設されており、さらにその下流側
に排出ローラー75が配設されている。前記送りローラ
68、キャリッジ48等により本発明の送り手段が構成
されている。
【0028】このキャリッジ48は、図中紙面に直交す
る方向(マイクロカプセル紙37の搬送方向に直交する
方向)に沿って延びるようにケース内に固設された丸形
の案内軸49に摺動可能に軸支されており、前記露光台
66側の端面に露光ヘッド20が固定されている。前記
キャリッジ48の左端面には、軸部481がマイクロカ
プセル紙送り込み側に前記案内軸49と直交する方向に
突設されており、その軸部481には受けローラ482
が回動可能に支持されている。一方、ケース内には前記
案内軸49に対して平行に受け軸491が固設されてお
り、この受け軸491上面に前記受けローラ482が載
置され、キャリッジ48のタイミングベルト60による
前記案内軸49に沿う移動に連動して受けローラ482
は転動する。
【0029】圧力ローラ46は、リング状であって、回
転中心軸に直交する断面形状が円形で中心部の断面径が
一番大きく中心部から離れるに従って断面径が徐々に小
さくなる点接触型の圧力ローラとして形成されており、
マイクロカプセル紙37の送り方向に平行な軸線の周り
を回動自在である。圧力ローラ46は、圧縮バネ486
の付勢力により土台47の上端面に付勢されている。こ
こで、圧力ローラ46のマイクロカプセル紙37への付
勢力は押圧バネ486を使用するかわりに、空圧器や油
圧器やソレノイド等種々のもので代用できる。単に弾性
体だけではなく、電磁力を使用しても可能であり、要す
るに点接触ローラと土台側(マイクロカプセル紙側)と
の間の付勢手段であれば何でもよい。
【0030】ここで、図2を参照して、露光ヘッド20
及び現像器45の走査機構について詳述する。なお図2
は、走査機構をマイクロカプセル紙37を透かしてプリ
ンタの底面側から見た図である。
【0031】図2において、ピンホールを備えたマスク
13で前面が覆われた露光ヘッド20及び現像器45
は、露光ヘッド20の取付位置が現像器45よりもマイ
クロカプセル紙37の送り方向(Y方向)の上流側に位
置するように、キャリッジ48上に固定されており、キ
ャリッジ48は、マイクロカプセル紙37の送り方向
(Y方向)と水平面で直交する方向(X方向)に往復移
動可能にガイド軸49に摺動可能に支持されており、キ
ャリッジ駆動モータ62及びギア61、タイミングベル
ト60により機械的な駆動を受け、往復移動させられ
る。このキャリッジ駆動モータ62は、回転方向と回転
量を制御可能なものであって、オープンループ制御のパ
ルスモータを採用することができる。また、パルスモー
タの他にも一般的なDC/ACモータ等を採用すること
も可能である。キャリッジ駆動モータ62等により、案
内軸49に沿ってキャリッジ48を移動させて1ライン
の圧力現像が終了すると、送りローラ68(図1参照)
を1ラインまたは1ラインの整数倍分回転させてマイク
ロカプセル紙37を一定量搬送し、再びキャリッジ48
を移動させて1ラインの圧力現像を行うという動作を繰
り返すことで、現像領域の全てにわたって圧力現像を行
うのである。
【0032】このような往復移動中に露光ヘッド20の
各LEDは、画像変調に応じてフレキシブルハーネス4
87を介して供給される駆動信号により点灯消灯制御さ
れる。
【0033】図1及び図2において、キャリッジ48が
マイクロカプセル紙37の搬送経路の横側に退避した状
態にて、カートリッジ67の下部から出た未露光のマイ
クロカプセル紙37は、送りローラー68に導かれて、
露光台66の上方まで送られる。その場合、プレヒータ
64aにて未露光のマイクロカプセル紙37の表面を4
0〜50℃程度に加熱することにより、後の露光時の感
度を向上させる。ついで、露光ヘッド20によって露光
作用を受け、現像器45を通過して圧力現像作用を受
け、ポストヒータ64bを通過して60〜80℃程度の
加熱作用を受け、最終的なカラー出力画像が形成され
て、排紙ローラ75により感光感圧プリンタ80外に排
出される。
【0034】これらのプレヒータ64a、ポストヒータ
64bは、ポリイミド等の薄膜フィルム上に、導電性発
熱体を印刷等にてパターン化し、電流駆動を行うことで
フィルム自身が発熱するように構成されたものであり、
ポストヒータ64bは、現像が終了してカラー画像が発
色したマイクロカプセル紙37を60〜80℃程度に加
熱することで、カプセルを完全に硬化させ、染料前駆体
をカプセル内に閉じこめることによって、発色を定着さ
せる作用があるものである。
【0035】次に、感光記録媒体について図3を用いて
詳述する。図3は感光記録媒体としてのマイクロカプセ
ル紙37の断面構造を示しており、光透過性支持体31
の表面には、色材としての共反応体と接触して発色する
成分(染料前駆体、以下色原体と記述する場合がある)
および所定波長光に感光することによりその機械的強度
が変化(感光硬化)する成分(光硬化性樹脂)とを内包
したマイクロカプセル32と、そのマイクロカプセル中
の染料前駆体(色原体)と反応する共反応体(顕色剤)
33との混合塗着層34が形成され、前記混合塗着層3
4上には、シート状支持体35が順次積層されている。
【0036】前記マイクロカプセル32には3種の異な
るマイクロカプセルが存在し、各マイクロカプセルに
は、イエロー、マゼンタ、シアンの内の一つの色の発色
用の無色の染料前駆体と、光の3原色の各々の波長の光
に感光して硬化する光硬化性樹脂と、重合開始剤とが含
まれている。
【0037】このため、例えばブルー光(約470nm
の波長光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合、
イエローのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセル3
2の光硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル
紙37に圧力をかけると、感光硬化したマイクロカプセ
ル(この場合はイエロー)は破壊されず、硬化しなかっ
たマイクロカプセル(この場合はマゼンタ,シアン)が
破壊されてマゼンタ,シアンの染料前駆体がマイクロカ
プセルから流出して顕色剤と反応して発色し、それらが
混色して青色となる。この青色が前記透過性支持体31
を介して観察される。
【0038】また、グリーン光(約525nmの波長
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合、マゼン
タのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬化
性樹脂が感光硬化し、圧力現像によりイエロー,シアン
のマイクロカプセル32が破壊され、イエロー,シアン
の染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して
混色により緑色となる。
【0039】更に、レッド光(約650nmの波長の
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合、シアン
のみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬化性
樹脂が感光硬化し、圧力現像によりイエロー,マゼンタ
のマイクロカプセルが破壊され、イエロー,マゼンタの
染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混
色により赤色となる。
【0040】また、露光により全てのマイクロカプセル
が感光硬化したときは圧力現像してもそれらが破壊され
ないので発色は起こらず、光透過性支持体31を介して
前記シート状支持体35の表面が目視できる状態にあ
る。前記シート状支持体35の表面の白色が背景色とな
り、発色反応が起こった部分だけカラー画像が形成され
るのである。尚、この発色原理を自己発色と称する。ま
た、マイクロカプセル紙37における光透過性支持体3
1の表面を発色側面と称する。
【0041】本実施形態の場合、前記光透過性支持体3
1の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムが挙げられる。
【0042】また、この様なマイクロカプセルによる感
材は、湿度による影響を大きく受け、高湿条件にて保存
されると、光透過性支持体31やシート状支持体35が
吸湿し、その感度を大きく変動させてしまう。具体的に
は吸湿により感度が高くなるが、高湿保存時の温度条件
によりその感度は10倍程度以上に変動するものであ
り、本発明のような複数光源により一定露光エネルギー
密度にて感材を露光する画像形成装置においては、画質
を高品位に保つには、この変動要因は大きな技術的課題
となる。
【0043】この課題を解決するために、該光透過性支
持体31及びシート状支持体35には、耐湿材料を選択
するか、耐湿材料を更に外表面か内表面(カプセル側の
表面)に塗布することが望ましい。この様な耐湿材料の
例として、非晶質ポリオレフィン等の光学レンズ材料が
広く選択でき、また、塗布材料、方法としてSiO2等
の蒸着等が挙げられる。
【0044】また、更に別の技術的課題として、光透過
性支持体31を透過して紫外線がマイクロカプセルに放
射されることで、カプセルが黄色に変色し、白地の色
度、濃度が変化するという課題がある。この技術的課題
を解決するために、光透過性支持体31を紫外線の透過
率の低い材料を選ぶか、紫外線の透過率の低い材料を更
に外表面か内表面に塗布することが望ましい。
【0045】マイクロカプセル32としては、トリフェ
ニルメタン系、スピロピラン系染料の色原体、トリメチ
ロールプロパントリアクリレートの如きアクリロイル基
含有化合物の光硬化性樹脂、ならびにベンゾフェノン、
ベンゾイルアルキルエーテルの如き光重合開始剤等を、
ゼラチン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリイ
ソシアネート樹脂等の重合体壁に内包した物など公知の
ものを使用することができる。
【0046】又、共反応体33としては、マイクロカプ
セル32内の色原体の組成等との関連もあるが、酸性物
質、例えば、酸性白土、カオリン、酸性亜鉛、酸化チタ
ン等の無機酸化物、フェノールノボラック樹脂、あるい
は有機酸等の公知の顕色剤を用いることができる。
【0047】このマイクロカプセル32及び共反応体3
3に対し、更にバインダ、充てん剤、粘度調整剤等が添
加され、光透過性支持体31上に塗布ローラ、スプレ
イ、ドクタナイフ等により塗布され、混合塗着層34が
形成される。
【0048】シート状支持体35は、透明、半透明、ま
たは不透明な支持体、例えば、紙(セルロース)、合成
紙、ポリエステルやポリカーボネイト等の樹脂フィルム
等を用いることができる。また、湿度、紫外線の影響に
対する対策は上述の通りである。
【0049】ついで、図4〜図9を参照しながら、本発
明の露光ヘッド20の構成について説明する。
【0050】図4は、感光記録媒体としてのマイクロカ
プセル紙37を露光するための露光ヘッド20の要部の
みを示す模式的な断面図、図5はマスク保持部材14の
上面図、図6はマスク13の上面図、図7は、マイクロ
カプセル紙の露光エネルギー密度に対する発色濃度(反
射濃度)特性を示すグラフであり、図8は、各色のマイ
クロカプセルの暗時間に対する相対感度を示すグラフで
あり、図9は発光素子(LED)の配置を説明する説明
図である。
【0051】図4(a)において、露光ヘッド20は、
複数種類の発光素子7、8、9と、それらを支持(固
定)するための基板1と、マスク13、マスク保持部材
14とを備える。
【0052】図4(b)に示すように、基板1は、その
製造方法としては、ガラスエポキシ製の平板状の基板1
の表面に切削加工またはプレス加工等にてすり鉢状の凹
部4を形成し、さらにその表面には、電気信号を伝達す
るための所定の平面視ランドパターンの電極層3が無電
解メッキにより形成される。該電極層3は銅箔35μm
からなる。また、ボンディングワイヤーの接続点では、
ボンディングパッドとして、ニッケル5μm、金0.5
〜1.0μmをさらに銅箔上に形成し3層構成とす
る。このように、基板1の所定箇所に必要数の凹部4を
形成してから、所定パターンにて形成された電極層3を
形成し、該各凹部4に発光素子としてのLEDが銀ペー
ストまたはエポキシ系の接着剤にて接着される。
【0053】凹部の加工では、図4(b)に示すよう
に、断面すりばち状の凹部4が形成される。この場合、
各凹部4の底面4aは基板1の表面と平行に形成され、
その底面4aから上方に向けて広がるように傾斜状の側
面4bが形成されている。基板1の表面の電極層3も凹
部4表面に沿って所定のパターンにて形成される。
【0054】そして、図4(a)に示すように、前記凹
部4の底面4aの電極層3の表面に接着剤6にて、それ
ぞれ赤LED7、緑LED8、青LED9が配設され固
定されている。ここで、前記凹部4の深さは赤LED
7、緑LED8、青LED9の取付高さよりも若干深く
形成されているため、各LED7,8,9の頂部は前記
基板1の表面よりも沈んだ位置となる。この赤LED
7、緑LED8、青LED9の頂部からは、ボンディン
グワイヤ10によって、ランドパターンの電極層3の所
定位置に電気的結線が施されており、各LEDおよびボ
ンディングワイヤ10は、空気に触れないように透明な
封止材11にて封止してある。
【0055】前記接着剤6としては、赤LED7には銀
ペースト、緑LED8、青LED9にはエポキシ樹脂等
が用いられる。これは、赤LED7は底面が電気的端子
の1つとなるため、導電性の接着剤6によって基板1と
の電気的接続を行うことが必要であるのに対して、緑L
ED8、青LED9では、電気的端子が2点とも頂面に
配されているため、接着には絶縁性で透明なエポキシ樹
脂を用いるのである。透明な接着剤6を用いることで、
緑LED8、青LED9の内部で発生し、底面に進む出
力光は、この透明な接着剤6を通過して凹部4の底面4
aにて反射して再び頂面から出射されるため、出力光が
大きくなる効果がある。
【0056】赤LED7はその基本材料としてAlGa
Asが用いられ、高出力の公知技術であるDDH構造の
ものが適用できる。出力光の中心波長は約650nmで
ある。電気的端子は頂面に1個、底面に1個ある。緑L
ED8、青LED9は、ともにその基本材料としてGa
Nが用いられたものが適用できる。出力光の中心波長は
それぞれ約525nm、約470nmである。これらの
電気的端子は頂面に2個あり、底面にはないのである。
各LEDは電気的な2端子に所定方向に電流を流すこと
で出力光を空間中全方向に発する。全方向に発した出力
光は、一部は直接図面中上方に向かい、他の一部は凹部
4の側面4bにて反射作用を受け同様に図面中上方に出
射される。
【0057】ボンディングワイヤ10は、金線からな
り、各LEDの頂面とボンディングパッドの形成された
電極層3に対し、加熱及び超音波にてボンディング接着
される。
【0058】封止材11は熱硬化樹脂により形成され、
通常透明なシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられ
る。熱硬化条件は、通常温度は150℃、時間は4時間
程度である。LED等の一般半導体材料は空気に触れる
とその表面が酸化、吸湿等の作用を受け特性が急激に劣
化するという現象があるから、封止材11はこれを避け
る目的と、ボンディングワイヤ10等を機械衝撃により
破壊しないようにする目的がある。また、本実施例にお
いては封止材11により、マスク13、マスク保持部材
14を接着固定するという別の目的にも流用している。
【0059】基板1の上方には、貫通円形開口形状のピ
ンホール12を複数個(発光素子数と同一数)備えたマ
スク13が、マスク保持部材14を介して位置決めされ
て配設されている。マスク保持部材14は基板1上の位
置決め用ボス穴15に装着固定され、マスク保持部材1
4の上端面にはマスク保持用の位置決め溝14aが形成
されている。この位置決め溝14aに前記マスク13が
装填され、接着等の固定手段によりマスク13は基板1
と一体に固定される。本実施形態では、マスク13、マ
スク保持部材14は前記封止材11により、まとめて基
板1に一体化されている。
【0060】図5は、マスク保持部材14の上面図であ
り、前記凹部の位置も説明の便宜上図示してある。マス
ク保持部材14は基板1に形成された各凹部4を各々分
離するように分離壁(分離隔壁)2がマスク保持部材1
4に一体に形成されている。この分離壁2は、図4
(a)に示されているように、その下端面が基板1の非
凹部領域の上面(電極層3の上面を含む)に当接し、分
離壁2の上端面が前記マスク13の下端面に当接するも
のであり、基板1とマスク13との間の光伝播空間は、
この分離壁2により発光素子(LED)毎に分離されて
いる。つまり、ある凹部4内に配設されたLEDから出
射された光束は、その凹部を囲む分離壁2の存在のた
め、その凹部に対応するマスク13のピンホール12か
らのみ露光ヘッドの外部に出射し、他の凹部に対応する
ピンホールからは出射しないのである。迷光が発生しな
いので高解像度の画像形成が可能となる。
【0061】このマスク保持部材14は、高精度耐熱プ
ラスチック材料からなる単一の成型品であり、基板1上
の位置決めボス穴15をたよりにマスク13の3軸方向
の位置決めを行い、更に各発光素子の出力光が隣接する
対応しないピンホール12から出射されると言った迷光
の問題を引き起こさないように、各々の発光素子(LE
D)からの出力光を、分離壁2の作用にて個別の空間に
分割する事により分離するためのものである。前述の通
り、封止材11には熱硬化樹脂を用いるため、これを用
いてマスク保持材14およびマスク13を同時に位置決
め接着固定を行う場合、封止材11の硬化温度であって
もマスク保持部材14は変形を受けないように、耐熱性
の材料を用いることが必要である。この様な材料とし
て、POM等が選択できる。この分離壁2を備えたマス
ク保持部材14が光学的分離手段を構成している。実施
形態としては、分離壁をマスク保持部材と別体とする事
も可能であるし、基板側に一体化する事も可能である。
また、分離壁をマスクと一体化することも可能である。
また、分離する空間形状も四角のみならず丸形等その形
状も種々のものが採用可能である。
【0062】図6はマスク13の上面図である。マスク
13は厚さ0.1mm 程度のステンレス鋼により形成され、
その外形並びにピンホール12及び39は、エッチング
により加工されている。また、その表面はディッピング
工法により黒染め加工されており、光の無反射処理とな
る。また、光学的分離手段を備えた本発明の露光ヘッド
20では、隣接する光源への迷光の問題が解決されてい
ることから、この様な無反射処理は行わなくても特に問
題はないという効果が得られた。
【0063】ピンホール12はその穴径がφ0.2mm 〜φ
0.18mm程度に形成され、この穴径により、感光記録媒体
としてのマイクロカプセル紙37へ供給する光パターン
の解像度を決定している。また、穴径が約2倍のφ0.
4mmの副ピンホール39は後述するように副露光用の
ピンホールである。これらのピンホール12、39は前
記赤LED7、緑LED8、青LED9の頂部にそれぞ
れ対向して形成される。
【0064】図6に示すように、本実施形態では、画像
変調露光用として、赤色用の9個のLED7a、7b、
7c、…にて1セット、緑色用の10個のLED8a、
8b、8c、…にて1セット、青色用の10個のLED
9a,9b,9c、…にて1セット配設されている。特
に、緑色用の1個のLED8dと青色用の1個のLED
9dについては、画像の変調(所望の画像を形成するた
め赤青緑の各LEDを画像データに従ってオンオフ制御
すること)とは関係ない副露光用の発光素子として別に
配設してある。
【0065】本実施の形態では特に、以上のようにマト
リクス配列されたLEDを用いて、走査方向に斜めに3
個ずつ並んだLEDのグループの夫々により各色毎に同
一ドットを、合計3回ずつ画像変調露光し、且つこのL
EDのグループの夫々により、紙送り方向には3露光ラ
インおきに露光するように構成されている(即ち、走査
方向に斜めに並んだ3個のLEDのグループが、紙送り
方向に各色毎に3列ある)。
【0066】ここで、副露光の原理について、図7及び
図8を参照して説明する。
【0067】図7は、RGB3色のマイクロカプセルを
用いた露光及び現像における露光と発色濃度との関係の
具体的な一例を示すグラフであり、横軸に色毎の造像光
の露光によりマイクロカプセル紙上でドット(画素)を
形成すべき部分に与えられる露光エネルギー密度[J/
2]をとり、縦軸に各露光の後の現像により得られる
発色濃度(反射濃度:反射率の逆数)をとったものであ
る。
【0068】図7に示すように、各色について、露光エ
ネルギー密度を零(無露光状態)から徐々に上げて行っ
ても、マイクロカプセル紙37の発色濃度が無露光状態
から変化しない暗領域が存在する。この暗領域の大きさ
は、マイクロカプセルの種類及び色に応じて異なるもの
である。例えば、RGB3色の発光素子のうち緑や青の
発光素子では、発色濃度が飽和する露光エネルギー密度
EgやEbを基準(100%)として約20%の露光エ
ネルギー密度egやebまでは、発色濃度は無露光状態
から変化しない。即ち、緑や青の発光素子の場合には、
この0〜約20%のところに大きな暗領域が存在する。
また、赤の発光素子では、発色濃度が飽和する露光エネ
ルギー密度Erを基準(100%)として約4%の露光
エネルギー密度erになると、発色濃度は無露光状態か
ら変化し始める。即ち、赤の発光素子の場合には、0〜
約4%のところに小さな暗領域が存在するのみである。
このような暗領域は、露光エネルギーが、マイクロカプ
セルの硬度変化に寄与する前に、マイクロカプセルに混
入した酸素のために消費されたり、マイクロカプセル紙
37の基材に吸収されたり、マイクロカプセル等の熱エ
ネルギーへと変換されるなど諸要因に起因して生じるも
のであり、従って、前述したマイクロカプセル中の染料
前駆体(色原体)、共反応体(顕色剤)、重合開始剤等
の特性、露光用の造像光の波長、振幅、指向性等の特
性、感光記録媒体の材質、厚み、形状等の特性、露光や
現像の際の感光記録媒体の温度、大気圧等の露光・現像
環境などに応じて変化する。尚、酸素による硬化阻止は
以下の理由による。
【0069】即ち、露光により重合開始剤がラジカルを
発生するが、カプセル内に酸素が存在すると発生したラ
ジカルが酸素と結合してしまい、安定化状態となって、
重合が開始されないのである。従って、酸素を全て消費
するまでは、ラジカルは硬化性樹脂と反応せず、酸素が
無くなってから始めて反応が開始して、カプセルが硬化
しだすのである。
【0070】この図7に示したRGB3色の例の場合に
は、赤についてはこれらの条件を総合した結果、重合開
始剤の反応時間が比較的短くなり、緑及び青については
重合開始剤の反応時間が比較的長くなったため、このよ
うな露光エネルギーに対する濃度特性となったものであ
る。従って、常に、赤についての暗領域が小さいという
訳ではなく、緑や青についての暗領域が小さいように各
種材料や条件を設定することは可能である。
【0071】但し、本願発明者の研究によれば、一般に
長い波長領域では、光エネルギー(E=hν、h:プラ
ンク定数、ν:振動数)が小さいため、光硬化反応は起
こりにくい。これを補うために、より強力な重合開始剤
をマイクロカプセル内に含ませねばならないこととな
る。この結果として、図8の暗時間に対する相対感度特
性のグラフに示すように、緑や青よりも長波長の赤の場
合には、僅かな露光エネルギーの入力に対しても他の緑
や青と比較して敏感に反応する傾向を持ちやすい。尚、
図8に示す“暗時間”とは、露光エネルギー密度を一定
の基準値にした場合に発色濃度(反射濃度)に変化が起
こらない時間をいい、図7に示した暗領域に対応するも
のである。このように赤の場合には相対感度が高いた
め、RGB3色の場合の露光エネルギーに対する濃度特
性は図7のような関係を持つ場合が多い。
【0072】以上の結果、このような暗領域において
は、露光エネルギー密度を変動させても、即ち、ピンホ
ール12を介して発せられる光(画像変調光)を変調さ
せても、図7から明らかなように発色濃度が無露光状態
から変化しない。そこで、本実施の形態では、このよう
に暗領域内における無意味なLEDのオンオフ制御を行
わずに、画像変調によらずに定常的に発せられるピンホ
ール39を介して発せられるLED8d及び9dからの
光(副露光用の光)により、暗領域の少なくとも一部に
おける露光が行われるようにする。
【0073】この結果、画像変調光が暗領域の存在によ
り発色濃度変化に寄与しない状況は、完全に又はある程
度防止される。しかも、発色濃度を変化させるために必
要な露光エネルギーの全部を、後述のように比較的精度
の高い変調制御が必要であり、そのためエネルギー利用
効率が悪く露光密度エネルギー当たり比較的多くの個数
を必要とし且つ比較的大きな駆動エネルギーを必要とす
るLED8a、9a等に負担させるのではなく、画像変
調によらずに単に定常的に光を発するのみで足り、その
ためエネルギー利用効率が良く露光エネルギー密度当た
り比較的少ない個数で足り且つ比較的小さな駆動エネル
ギーのみを必要とする副露光用のLED8d及び9dに
も分担させている。このため、全体としてLEDの個数
及び駆動エネルギーを低減することが出来、LEDのコ
ストの面でも大変有利である。
【0074】特に、本実施の形態では、副露光用のピン
ホール39の穴径がφ0.4mm程度であり、画像変調
露光用のピンホール12の穴径がφ0.2mm 〜φ0.18mm程
度であるので(図6参照)、その開口面積は副露光用の
ピンホールの方が画像変調露光用のピンホールの4倍強
となり、開口を通過する光エネルギーも4倍強となるた
め、副露光におけるエネルギー利用効率が高まる。
【0075】本実施の形態における、青又は緑用の画像
変調用のLED1個当たりに必要とされる画像変調用パ
ワーPm及び副露光用のLED1個当たりに必要とされ
る画像変調用パワーPsは、解像度を200dpiと
し、キャリッジ送り速度を430mm/secとし、紙
送り速度を1.06mm/secとし、マイクロカプセ
ルによる発色濃度を飽和させるために必要な露光エネル
ギー密度を5J/m2とし、1ドットの面積を16.1
3nm(ナノメートル)2とし、1ドットの通過時間を
295.3μsec(マイクロ秒)とすると、同一ドッ
トは走査方向に並べられた3個のLEDのグループによ
り各色毎に合計3回ずつ画像変調露光される(即ち、各
グループ内で走査方向にLEDが3列並べられており、
各グループは紙送り方向に3露光ラインおきに露光す
る)ので、次式から計算される。
【0076】 Pm=4J/m2×16.13nm2/(3列×295.3μsec) =約73μW(マイクロワット) Ps=1J/m2×16.13nm2/(1列×295.3μsec) =約55μW(マイクロワット) 従って青又は緑用のLED10個全体の画像変調用のパ
ワーPTを計算すると、 PT=約73μW×9個+約55μW×1個=約712
μW となる。
【0077】従って、前述した図16を参照して示した
本願出願人により提案された技術による例(以下、比較
例という)と比較すると、両者共に、必要な露光エネル
ギー密度を5J/m2とした場合に、緑及び青について
必要なLEDの個数は、比較例では夫々12個であるの
に対し、本実施の形態の場合には、夫々10個で足り
る。即ち、LEDの個数を2個ずつ減らしても、同じだ
けの露光能力を実現できるので、特に高価な緑や青のL
EDの個数削減により得られるコストダウンの効果は大
きく、しかも、LEDの個数に応じて発光制御用のハー
ドウエアやソフトウエアも簡素化できるため、この個数
削減による効果は非常に大きい。
【0078】更に、この比較例における青又は緑用のL
ED12個全体の画像変調用のパワーPT(=約816
μW)と、上述した本実施の形態における青又は緑用の
LED10個全体の画像変調用のパワーPT(=約71
2μW)とを比較すれば、本実施の形態における副露光
がLED駆動電流を低減する上で如何に有利であるかが
分かる。比較例の場合には、解像度を維持するためには
ピンホールの大きさを大きくできないので、ピンホール
を大きくすることによる光エネルギーの利用効率を高め
る方法は根本的に成立しなかった。これに対し、本実施
の形態の場合には、副露光は画像変調とは無関係に定常
的に発せられる光により行われるので、解像度を超えて
複数画素を同時に副露光しても何等問題が生じないた
め、副露光用のピンホールを大きくでき、これにより、
全体として、マスクにより遮蔽される光量を減じつつ光
エネルギーの利用効率が飛躍的に高められるのである。
【0079】このように、緑及び青については、副露光
を行うことにより、副露光無しにて露光するシステムに
おいて必要なLED数が、緑、青とも各12個であった
のに対し、副露光によって12個中の1/5の露光エネ
ルギー量をただ1個のLEDによる副露光によりまかな
うことができ、緑、青とも結果的に画像変調用LED9
個と副露光用LED1個により露光ヘッドを構成できる
のである。
【0080】赤色用LEDについては副露光を行わない
のは、図7及び図8を用いて説明したように、赤色に感
光するマイクロカプセルについては青や緑のもののよう
に出力画像の濃度が変化しない暗領域は僅かであり、仮
に副露光をしたとすると、暗領域を超えて、画像と関係
なく発色してしまうためであり、逆に言えば、副露光な
しでも画像変調光のオンオフ制御が的確に濃度変化に反
映するために副露光の必要性がないためである。
【0081】このように必要な波長光にのみ副露光用の
光源を準備しているため、各色とも一回の定時間発光に
より同等の発色濃度(感光性樹脂の硬度が各色とも同
等)となるのである。マイクロカプセルに内包される感
光性樹脂は受けた光エネルギーに比例して硬化度が異な
り、カプセルを圧力現像したときにその硬化度に逆比例
してカプセル内の染料前駆体が外部に流出するので、形
成される画像の濃度は露光エネルギーに比例して変化す
ることとなるからである。つまり、各色の発色濃度の割
合がそれぞれ同等になるので、後に詳述する露光時間や
回数等の制御(光エネルギーの制御)が各カプセル毎に
同等になり、画像データの処理が簡単になるのである。
一回の前記変調露光に対する発色濃度が各色毎に異なる
ならば、所定の色合いの画像を形成するためには各色毎
にエネルギーを異ならせる必要となり、非常に複雑な変
調制御を行わなければならない。
【0082】また、画像変調露光用の赤、緑、青のLE
Dは、図9に示すように、赤色用のLED9個のうちX
方向(露光ヘッド20の往復移動方向)に並んだLED
7a、7b、7cの3個のグループにおいては、LED
7aとLED7bとの間隔X1、及びLED7bとLE
D7cとの間隔X1は、それぞれマイクロカプセル紙3
7に形成される画像の1画素(1ドット)の整数倍(例
えば16倍)の間隔にて配置される一方、Y方向(マイ
クロカプセル紙37の送り方向)には、LED7aとL
ED7bとの間隔Y1、及びLED7bとLED7cと
の間隔Y1は、マイクロカプセル紙37に形成される画
像の1画素(1ドット)分乃至その整数倍間隔だけずら
して配置されるように設定するものである。また、残り
の赤用のLEDについても、X方向に並んだ3個のグル
ープずつ同様に配列されている。
【0083】そして、このようにX方向に並んだ3個の
グループと隣接する3個のグループとのY方向における
間隔は12ドット分だけ離して配置されている。即ち、
図9において、Y2=10ドット(Y2+Y1+Y1=
12ドット)となるように配置されている。画像変調露光
用の緑色用の9個のLED8a、8b、8c、…及び青
色用の9個のLED9a、9b、9c、…についても、
上記赤色用のLEDと同様に配置されている。
【0084】そして、赤LED7のセット(図9で、一
番上方に位置するX方向に並んだ3個のグループ)と緑
LED8のセット(図9では略してあるが、一番下方に
位置するX方向に並んだ3個のグループ)との間隔は1
2ドット分だけ離して配置されている。同様に、緑LE
D8のセット(図9で、一番上方に位置するX方向に並
んだ3個のグループ)と青LED9のセット(図9では
略してあるが、一番下方に位置するX方向に並んだ3個
のグループ)との間隔は12ドット分だけ離して配置さ
れている。
【0085】ここで図9中、青LED9aと赤LED7
aとの間隔は、12×6=72画素分となる。これは各
色LEDの設置数(実施例で9個)の整数倍とするため
である。
【0086】このように配置された各LEDの配置関係
に一致するように前記マスク13に穿設されるピンホー
ル12の配置関係も設定されているのである。
【0087】この様な構成の露光ヘッド20を、画像デ
ータに従って対応するLEDを変調露光しながら図2中
横方向(図9のX方向)に沿って例えば+X方向に所定
速度Vにて移動させ、その後にマイクロカプセル紙37
を図中縦方向(図9のY方向)に1露光ライン分送って
から再び露光ヘッド20を−X方向に前記所定速度で移
動させながら変調露光し、その後再びマイクロカプセル
紙をY方向に1露光ライン分送ってから露光ヘッド20
を+X方向に移動させるとともにLEDを変調露光する
という動作を、3露光ラインの夫々について並列に繰り
返して所望の画像の露光を行うのである。このように移
動走査を行いながら、画像情報に従って各LEDを独立
に変調駆動することによって、所定の中心波長の光を、
所定の光パワーにて、所定時間、所定場所に供給するこ
とで、カラー画像の潜像を形成することができるもので
ある。
【0088】このように本実施の形態によれば、各色毎
にY方向に3列に並べられたLEDにより、大きな露光
動作単位としては3露光ライン毎に紙送りをしながら露
光を行うように構成したので、各色毎に1列のみ並べた
LEDを用いた場合と比べて画像形成速度をほぼ3倍に
できるので有利である。但し、このように各色毎に一列
のLEDのみ有する露光ヘッドであっても、本発明の副
露光による効果は同様に得られる。そして、小さな露光
動作単位としては、各露光ラインについて1ドット分だ
けずらして斜めにX方向に並べたLEDを1グループと
して同一ドットを時間間隔を広げて複数回露光するよう
にしたので後に詳述するように露光効率をアップでき
る。もちろん、この画像変調露光と平行して、副露光用
のLEDは画像変調とは関係なくマイクロカプセル紙の
画像形成エリアすべてに光を定常的に照射するので、解
像度を落とすことなくエネルギー効率の良い露光ができ
る。
【0089】図10は、前記キャリッジ48の移動(走
査)速度の時間変化を示すグラフであり、これを用いて
キャリッジの移動を説明する。
【0090】キャリッジ48は、キャリッジ駆動モータ
(サーボモータ)62等の駆動により、最高速度V(m
/sec)、走査周期T(sec)、速度一定時間Tc
(sec)をもって台形状の速度変化パターンで往復移
動させられる。
【0091】即ち、図10に示すように、キャリッジ4
8を最高一定走査速度±V(m/sec.) にて図2のX方
向に沿って往復移動(往復走査移動)させるものとす
る。図10において、時間軸(横軸)に対して傾斜して
いる部分は、往復の移動端での一旦停止と最高一定走査
速度±V(m/sec.) との間の加速域・減速域を示す。
また、時間Tcは、マイクロカプセル紙37の幅方向
(X方向)距離全体をキャリッジ48が通過するのに要
する時間(前記最高一定走査速度の所要時間)であり、
前記往復の走査周期Tとする。
【0092】そして、マイクロカプセル紙37の各露光
ライン(図2及び図9のX方向に沿う1ライン)では前
記複数の赤LED7からなる1セット、複数の緑LED
8からなる1セット、複数の青LED9からなる1セッ
トが画像情報に従って各々点灯制御される。この点灯制
御の際には、前記赤LED7の1セット、緑LED8の
1セット、青LED9の1セットの取付間隔(ピンホー
ル間隔)が存在するため、露光ライン中の1点に対する
露光は、キャリッジ48の走査移動に要する時間と、上
記間隔分だけマイクロカプセル紙37が送られる時間と
に応じた遅延時間tを加味して行われる。
【0093】即ち、Y方向への送り距離が1ドット分の
時には、マイクロカプセル紙37の1画素に注目してみ
ると、当該1つの画素点(露光点)を白色とするため、
G光とR光とB光とを照射するためには、例えばまず、
キャリッジ48の往路方向への移動時(図9のX方向移
動時)に、青LED9cに対向するピンホール12が前
記1画素点に位置している時に、当該青LED9cを所
定の短時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を
往路の終端で一旦停止させる。次いで、マイクロカプセ
ル紙37を1ドット分だけ図9のY方向に用紙送りを実
行した後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図9
のX′方向移動時)には、青LED9bに対向するピン
ホール12が前記1画素点に位置している時に、当該青
LED9bを所定の短時間Δtだけ一回点灯し、キャリ
ッジ48を復路の終端で一旦停止させる。さらに、マイ
クロカプセル紙37を1ドット分だけ図9のY方向に用
紙送りを実行した後、キャリッジ48の往路方向への移
動時(図9のX方向移動時)に、青LED9aに対向す
るピンホール12が前記1画素点に位置している時に、
当該青LED9aを所定の短時間Δtだけ一回点灯した
後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させる。こ
のようにすると、図11に示すように、着目した1つの
画素点に対して、前記走査周期Tの半分の時間ごとに、
青LED9c→9b→9aの順序で短時間Δtずつ点灯
することになる。
【0094】そして、次に、マイクロカプセル紙37を
12×3=36ドット分だけ図9のY方向に用紙送りを
実行した後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図
9のX′方向移動時)に、緑LED8cに対向するピン
ホール12が前記着目した1つの画素点に位置している
時に緑LED8cを所定の短時間Δtだけ1回点灯した
後、キャリッジ48を復路の終端で一旦停止させる。次
いで、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図9の
Y方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の往路
方向への移動時(図9のX方向移動時)に、緑LED8
bに対向するピンホール12が前記1画素点に位置して
いる時に、当該緑LED8bを所定の短時間Δtだけ一
回点灯した後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止
させる。さらに、マイクロカプセル紙37を1ドット分
だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ
48の復路方向への移動時(図9のX方向移動時)に、
緑LED8aに対向するピンホール12が前記1画素点
に位置している時に、当該緑LED8aを所定の短時間
Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を復路の終端
で一旦停止させるのである。
【0095】次いで、マイクロカプセル紙37を1ドッ
ト分だけ図9のY方向に用紙送りを実行した後、赤LE
Dに関しても赤LED7c→7b→7aの順序でキャリ
ッジ48を往復移動させつつ所定の短時間Δt毎に点灯
を繰り返すのである。
【0096】この走査露光時には上記した画像変調露光
の他に、青LED9dと緑LED8dとによる副露光が
常に行われる。副露光の光エネルギーは前記したように
カブセルが硬化しない最大の光エネルギー(好ましく
は、図7に示した暗領域の上限値に対応するエネルギ
ー)に設定されている。
【0097】従って、各青LED9a、9b、9c、
…、緑LED8a、8b、8c、…、赤LED9a、9
b、9c、…から照射される各色毎の光エネルギーは同
じとなっているが、青色波長光と緑色波長光に関して
は、ピンホール39を介してそれぞれ青LED9d、緑
LED8dから副露光される分の光エネルギーが追加さ
れているので、各色のマイクロカプセルはそれぞれ同じ
割合だけ硬化することとなる。この場合、各色のカプセ
ルの硬化度は最大となり、すべてのカプセルが加圧現像
しても破壊されず、発色反応は起こらない。つまり、前
記光透過性支持体31を介して前記シート状支持体35
の表面の色(白色)が目視できる状態のままとなる。
【0098】もちろん実際の画像形成動作においては、
画像変調露光用の青LED9a、9b、9c、…、緑L
ED8a、8b、8c、…、赤LED9a、9b、9
c、…から照射される光エネルギーを画像データに従っ
て変化させることにより画像データに対応する露光潜像
(カプセルの硬化度の変化パターン像)がマイクロカプ
セル紙37に形成されるのである。
【0099】尚、図11に示すように、マイクロカプセ
ル紙37の同一露光位置(1画素点)に複数回の露光を
時間間隔をあけて光照射する理由は下記の通りである。
【0100】即ち、図12に例示するように、縦軸にシ
アンの発色光学濃度を採り、横軸に露光エネルギー密度
(J/m2 )の総量を採る。図12において、実線Aは
赤LEDを1回のみ照射したときのシアンの発色光学濃
度の変化を示し、点線Bは赤LEDを前記走査周期Tの
半分の時間間隔をあけて3回に分割して光照射した場合
のシアンの発色光学濃度の変化を示す。
【0101】図12において、シアンの発色光学濃度が
10%濃度、つまりD10=0.42を得るためには、一回の光
照射では3.3 (J/m2 )の露光エネルギー密度を与え
る必要があるが、前述のように3回に分割して光照射す
ると総計で2.2 (J/m2 )の露光エネルギー密度を与
えればよいことになる。
【0102】この図12の比較から理解できるように、
露光エネルギー密度(J/m2 )が、0.5 〜3.3 の範囲
では、同じシアンの発色光学濃度の発現するためには、
3回に分割して光照射した場合は小さい露光エネルギー
密度にて済むが、1回の光照射の場合には大きい露光エ
ネルギー密度を必要とすることが判る。
【0103】光照射に伴うマイクロカプセル紙37にお
けるマイクロカプセル32の重合開始剤と光硬化性樹脂
との重合反応速度は、さほど高速でなく、一度に大量の
露光エネルギーを投入するよりも、適度の時間間隔にて
複数回(例えば2〜6回)に分けて少しずつ露光エネル
ギーを投入したほうが前記の重合反応が促進されやすい
からである。
【0104】つまり、1つの発光素子であるLEDの出
力を小さくした場合でも、乃至はLEDの設置個数が少
なくても、時間間隔を広げての露光により充分な発色光
学濃度を得ることができるのである。
【0105】ところで、マイクロカプセル紙37は、全
面的に速度一定にて露光、現像されることが好ましい。
このため、マイクロカプセル紙37を露光、現像するの
に最小限必要な速度一定時間Tcに対応する速度一定で
の移動距離L(m)は、少なくとも全てのピンホール1
2が通過する範囲以上と選ばなければならない。この速
度一定移動距離L(m)はマイクロカプセル紙37の幅
とピンホール12の配設パターン、最高速度V(m/se
c.) によって自由に設計することができるものである。
数値例を示せば、L=0.1118(m) 、V=0.86 (m/sec.)
である。これにより、A6判のサイズのマイクロカプセ
ル紙37の表面全体を露光、現像することができる。
【0106】次に、電気的な構成について説明する。図
13に感光感圧プリンタ80の制御回路(制御手段)の
電気的構成を示す。制御回路はCPU70、ROM7
1、RAM72からなる周知の論理演算回路から構成さ
れており、CPU70はI/Oポート73を介して外部
のホストコンピュータからのRGB画像データを入力す
るためのコネクタ74が接続され、前記露光ヘッド(各
LED)20、前記送りローラ68の駆動モータ78に
対する駆動回路77、前記キャリッジ送りサーボモータ
62に対する駆動回路76が接続されている。
【0107】前記ROM71には、装置全体の動作を制
御するためのプログラム、入力された画像データから露
光ヘッド20の各色LEDの点灯時間、タイミングを演
算決定するためのプログラム、BGR露光の順序に応じ
て送りローラ68及び排出ローラ75の駆動を制御し、
マイクロカプセル紙37の搬送を行うためのプログラ
ム、同様にBGR露光の順序に応じて前記キャリッジ送
り用のキャリッジ駆動モータ62を制御し、キャリッジ
を往復走査するプログラム等、種々のプログラムが記憶
され、CPU70はこれらのプログラムに従って動作す
る。また、RAM72は、外部からの入力データが一旦
記憶されるバッファである。感光感圧プリンタ80に、
出力画像のRGBデータが送られると、その画像データ
が順次RAM72のバッファに記憶される。
【0108】また、露光ヘッド20の各LEDは、図示
しない駆動回路により、フレキシブルハーネス487
(図2参照)を介して電気的に駆動を受け、キャリッジ
により移動されつつ画像情報に従って点灯消灯制御され
る。
【0109】次に、本実施形態の作用を図14及び図1
5のフローチャートを参照して説明する。
【0110】まず、使用者がカセット67をプリンタ本
体に装着し、電源スイッチをオンにすると、ヒータ64
a、64bに通電されて所定の温度にされる。
【0111】この後、プリンタに接続されたホストコン
ピュータから出力したい画像の画像データと、プリント
開始指令信号が入力される。画像データは2次元ビット
マップ形式のデータとして供給され、各画素についてR
GB成分毎の濃度を示す情報も画像データに含まれてい
る。入力された画像データはRAMに記憶される。
【0112】CPU70は、プリント開始指令信号に応
答して半月ローラ65、送りローラ68を回転させてカ
セット67からマイクロカプセル紙37を一枚繰り出し
て露光台66上に移動させる(S2)。この時、用紙先
端が露光ヘッド20上の青LED9dの移動軌跡上に位
置している。
【0113】この後、行カウンタjを初期化し(S
4)、各LEDに対する1露光ライン分の露光データ
(駆動データ)をセットする処理を行う(S6)。この
処理は、図14のフローチャートに示すように行われ
る。
【0114】図14において先ず、入力された画像デー
タの各画素の各色成分の濃度情報に基づき、各画素を1
回もしくは複数回(この実施形態の場合は最大3回)に
分けて露光する際の露光時のLEDの駆動データを演算
する。つまり、一つの画素に対し最大3回の露光が行わ
れるように、各露光回毎のLEDの駆動時間や発光強度
が設定される。つまり、求める画像濃度に対して露光エ
ネルギーの総量が対応づけられて前記ROM71中のテ
ーブルに記憶されているので、注目画素の各色毎の濃度
情報に基づいて各色毎の露光エネルギー総量が求められ
る。求められた露光エネルギー総量を3等分した値が露
光1回あたりの露光エネルギーとなる。ただしその値が
所定の基準値に満たない場合には露光回数を2回以下と
して各露光回毎の露光エネルギーを演算する。
【0115】求められた露光エネルギーの値に応じてL
EDの駆動時間や発光強度が前記ROM71にテーブル
として記憶されており、そのテーブルを参照して注目画
素の各色成分を1回もしくは複数回(最大3回)露光す
る際の、各回毎のLED駆動データが求められRAM7
2に順次記憶されていく。要するに、入力された画像デ
ータから3回分の露光用のLED駆動データが演算され
るのである。
【0116】この演算の後、画像データの示す画像の第
j行目の各画素のB光による露光第1回目の駆動データ
を青LED9c用の駆動データとしてラインメモリにセ
ット(記憶)し(S61)、次に、第j−1行目の各画
素のB光による露光第2回目の駆動データを青LED9
b用の駆動データとしてラインメモリにセットし(S6
2)、第j−2行目の各画素のB光による露光第3回目
の駆動データを青LED9a用の駆動データとしてライ
ンメモリにセットする(S63)。
【0117】この後、第j−U行目の各画素のG光によ
る露光第1回目の駆動データを緑LED8c用の駆動デ
ータとしてラインメモリにセットする(S64)。ここ
で、定数Uはこの実施形態の場合は12×3=36の値
である。これは、青LED9cと緑LED8cとの距離
が(12ドット×3列分=)36露光ライン分(ドット
分)であり、それだけ露光のタイミングが遅延するから
である。次に、第j−U−1行目の各画素のG光による
露光第2回目の駆動データを緑LED8b用の駆動デー
タとしてラインメモリにセットし(S65)、第j−U
−2行目の各画素のG光による露光第3回目の駆動デー
タを緑LED8a用の駆動データとしてラインメモリに
セットする(S66)。
【0118】更に、第j−V行目の各画素のR光による
露光第1回目の駆動データを赤LED7c用の駆動デー
タとしてラインメモリにセットする(S67)。ここ
で、定数Vはこの実施形態の場合は12×6=72の値
である。これは、青LED9cと赤LED7cとの距離
が(12ドット×6列分=)72露光ライン分(ドット
分)であり、それだけ露光のタイミングが遅延するから
である。
【0119】更に、第j−V−1行目の各画素のR光に
よる露光第2回目の駆動データを赤LED7b用の駆動
データとしてラインメモリにセットし(S68)、第j
−V−2行目の各画素のR光による露光第3回目の駆動
データを赤LED7a用の駆動データとしてラインメモ
リにセットし(S69)し、この処理ルーチンを抜け
る。尚、本実施の形態では特に、X方向に並べたLED
のグループを、各色毎にY方向に3列に並べた構成を用
いて露光を3露光ラインずつまとめて行うので、当該処
理ルーチンも3露光ラインの夫々について並列に行われ
る。
【0120】この後、CPU70はキャリッジ48をマ
イクロカプセル紙37の画像形成領域の外部の停止位置
からX方向へ移動させながら前記処理ルーチン(S6)
によりセットされた駆動データに基づいて各LEDを駆
動する。この時、各露光ラインの一端の画素に対応する
LEDの駆動データから他端側の画素に向けて順次デー
タが読み出されLEDが駆動される。キャリッジ48の
X方向の移動位置は、キャリッジ送りモータ62の駆動
量により把握され、露光ヘッドのピンホール12が位置
する場所にある画素を露光するために対応する駆動デー
タが順次読み出されるのである。また、図9に示すよう
に、各露光ライン毎に(即ちX方向に)、LEDの位置
は16ドット分ずれているので、第2回露光時と第3回
露光時では16ドット分、32ドット分ずつの遅延が存
在する。この時、本実施形態においては、各々のLED
からの出力光は前記分離壁2により互いに分離されてい
るため、ピンホール12から出射される光には不要な色
光が混在することはなく、画像データに基づいて忠実に
露光潜像を形成することができる。
【0121】また、キャリッジ48が移動されて露光が
行われる間、前記青LED9dと緑LED8dが常時点
灯され、B光とG光による副露光が行われる。
【0122】このようにして1ライン分の露光が終了し
てキャリッジ48が移動開始側と反対側に停止すると、
CPU70は送りローラ68を回転させてマイクロカプ
セル紙37を3ライン分搬送し、行カウンタjをインク
リメントする(S10)。
【0123】この後、CPU70は、露光が終了したか
否かを判別し(S12)、終了していないならば(S1
2;YES)、前記処理ステップS6に戻って次の露光
処理を行う。例えば、第1行目の画素に関して1回目の
露光が青LED9cにより直前に行われたのならば、第
2行目の画素に関しては1回目の露光が青LED9cに
より行われ、第1行目の画素に関しては2回目の露光が
青LED9bにより行われるのである。この次には第3
行目の画素に関して1回目の露光が青LED9cにより
行われ、第2行目の画素に関しては2回目の露光が青L
ED9bにより行われ、第1行目の画素に関しては最後
の3回目の露光が青LED9aにより行われるのであ
る。このようにして順次マイクロカプセル紙が送られな
がら画像変調用のLEDと副露光用LEDにより露光さ
れていくと、マイクロカプセル紙37は点接触圧力ロー
ラ46と土台47とに狭持されるようになり、露光済み
のカプセルの圧力現像も同時に行われるようになる。
【0124】このようにして露光と圧力現像とが同時的
に行われ、露光が終了すると、ステップS12がNOと
なり、CPU70は未だ圧力現像が行われていない潜像
形成領域のすべてにわたって圧力現像を繰り返し行う
(S14)。すなわち、LEDを消灯したままの状態で
キャリッジ48を移動し、1ライン分のマイクロカプセ
ル紙の送りを行うという動作を所定回繰り返すのであ
る。この後、キャリッジ48をカプセル紙通路の側方に
待避移動させ(S16)、排出ローラ75を駆動させて
現像済みのマイクロカプセル紙を装置外に排出する。こ
のようにして、画質の良好なフルカラー画像の形成が行
われ、マイクロカプセル紙そのものを保存することがで
きる。現像済みのマイクロカプセル紙は、可視画像が2
枚のシート(一方が透明)に狭持されているので、取り
扱い時に欠損することがなく、耐環境性もよく、長期保
存可能で見栄えがよくなる。
【0125】以上詳述したように、本発明の画像形成装
置としての感光感圧プリンタ80は、前述の実施形態に
のみ限定されるものではなく種々の変形が可能である。
【0126】本発明の感光記録媒体は前述のマイクロカ
プセル紙のみに限定されるものではなく種々の変形が可
能である。マイクロカプセル紙としては、前述の自己発
色型のものの他に、転写型のものも採用可能である。マ
イクロカプセルを担持する透明基材シートと、その基材
シートのマイクロカプセル面に対して顕色材を担持した
受像紙の顕色材面を重ね合わせて剥離可能に一体化して
おき、基材シートを露光ヘッド側にしてカートリッジか
ら給紙し、一体のまま露光、現像し、装置外に排出して
から受像紙を剥離するようにすれば良い。加圧破壊され
たマイクロカプセルから流出した色材としての染料前駆
体が受像紙の顕色剤に転写され、これと反応して発色
し、顕在化するのである。
【0127】また、染料前駆体の代わりに、予め着色さ
れた顔料や染料を感光物質と共にマイクロカプセルに内
包されることもできる。この場合は、顕色剤のない受像
紙(普通紙)を基材シートに剥離可能に一体化すること
により、転写型の画像形成が可能である。剥離すること
により、受像紙に画像が顕在化されるからである。
【0128】また、マイクロカプセル紙以外にも暗時間
の存在する感光記録媒体を用いた画像形成装置であれ
ば、本発明にかかる課題を有しているため、本発明の解
決手段を用いることで同等な効果が得られるものであ
る。
【0129】圧力現像手段として前記点接触ローラ46
の他に、点接触ボールや、線接触する加圧ローラを採用
することも可能である。このほかマイクロカプセルを加
圧破壊可能な実施形態の全てを採用することができる。
【0130】また、発光素子はLEDのみに限るもので
なく、EL発光素子、プラズマ発光素子、レーザ発光素
子等、様々な構造のものが適用できる。
【0131】また、発光素子は赤青緑から構成される必
要はなく、感光記録媒体の感度特性に合わせ、様々な波
長のものを選択することができる。例えば、赤外光、
赤、緑と選んでも良いし、遠赤外光、近赤外光、赤と選
んでも差し支えない。また、紫外線、遠紫外線も発光素
子の色の選択肢の有効な例である。
【0132】また、発光素子の色数は、赤緑青の3色に
限るものでなく、1色または2色でも良いし、発色剤に
イエロー、マゼンタ、シアン、黒を用いるような通常の
カラープリンタの如く4色また、それ以上を選択するこ
ともできる。
【0133】また、本実施の形態では、副露光は緑及び
青用に行われ赤用には行われなかったが、緑又は青のい
ずれか一つについて副露光を行ってもよく、また暗領域
の大きさによっては赤用に副露光を行ってもよく、結局
RGBやYMCの如何を問わず少なくとも一色について
の副露光を行えば本実施の形態におけるLEDの個数の
低減及び駆動エネルギーの低減という効果は得られる。
【0134】また、ピンホールを有するマスクを設ける
タイプの露光ヘッドに限られず、ピンホールの代わりに
集光レンズを設けたタイプの露光ヘッドであっても本実
施の形態におけるLEDの個数の低減及び駆動エネルギ
ーの低減という効果は得られる。更に、走査しないライ
ンヘッドタイプの露光ヘッドによっても送り方向に並べ
られたLEDにより副露光及び画像変調露光を同一ドッ
トに対し行えるので、本発明はなお有効に機能する。
【0135】
【発明の効果】以上詳細に説明したように請求項1に記
載の画像形成装置によれば、画像変調によらずに定常的
に発せられる第2光により、暗領域の少なくとも一部に
おける露光(副露光)が行われるので、発色濃度を変化
させるために必要な露光エネルギーの一部を、画像変調
によらずに単に定常的に光を発する副発光素子に分担さ
せることになり、解像度を落とすことなく、全体として
発光素子の個数及び駆動エネルギーを低減することが出
来る。
【0136】また、請求項2に記載の画像形成装置によ
れば、マスク手段の第1開口及び第2開口を通過した第
1光及び第2光により、感光記録媒体上においてドット毎
に潜像を形成でき、加圧現像手段によりドット毎に可視
像を形成でき、解像度の高い画像の形成が可能となる。
【0137】請求項3に記載の画像形成装置によれば、
第1の径より大きい第2径を持つ第2開口を通過した第
2光により、ドットを形成すべき複数の点が同時に露光
されるので、解像度を落とすことなく、副発光素子の光
エネルギーのマスク手段による損失を低減でき且つ発光
素子全体の光エネルギーの利用効率を飛躍的に高めるこ
とが可能となる。
【0138】請求項4に記載の画像形成装置によれば、
第2光学手段により副発光素子から発せられた第2光
は、ドットを形成すべき複数の点を同時に含むように感
光記録媒体上に導かれるので、解像度を落とすことな
く、発光素子全体の光エネルギーの利用効率を高めるこ
とができる。
【0139】請求項5に記載の画像形成装置によれば、
少なくとも感光記録媒体が露光ヘッドに対向している間
は、副発光素子から第2光が発し続けられるので、解像
度を落とすことなく、発光素子全体の駆動制御の簡素化
を図りつつ光エネルギーの利用効率を高めることができ
る。
【0140】以上の結果、本発明により、発光素子の利
用効率を高め、比較的少ない個数の発光素子を用いて且
つ発光素子の駆動エネルギーを低減しつつ高画質の画像
を形成可能な画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロカプセル紙を処理するための感光感圧
プリンタの断面図である。
【図2】前記感光感圧プリンタの要部の底面図である。
【図3】マイクロカプセル紙の模式的な断面図である。
【図4】(a)は露光ヘッドの模式的な断面図、(b)
は凹部の要部拡大断面図である。
【図5】マスク保持部材の上面図である。
【図6】マスクの上面図である。
【図7】マイクロカプセル紙の露光エネルギー密度に対
する発色濃度(反射濃度)特性を示すグラフである。
【図8】各色のマイクロカプセルの暗時間に対する相対
感度を示すグラフである。
【図9】LEDの配置を説明する説明図である。
【図10】キャリッジの移動速度を示すグラフである。
【図11】一つの画素に対する多数回露光のタイミング
チャートを示す図である。
【図12】多数回露光の効果を説明するグラフである。
【図13】感光感圧プリンタの電気的構成を表すブロッ
ク図である。
【図14】CPUの主な動作を示すフローチャートであ
る。
【図15】CPUの主な動作のうち、1ライン分の露光
データのセット処理を示すフローチャートである。
【図16】マイクロカプセル紙を圧力現像する現像器の
構成図である。
【符号の説明】
1…基板 2…分離壁 4…凹部 7、8、9…複数の発光素子としてのLED 12…開口としての ピンホール 13…マスク 14…マスク保持部材 20…露光ヘッド 32…マイクロカプセル 33…顕色材 37…感光記録媒体としてのマイクロカプセル紙 45…現像器 46…点接触圧力ローラ 80…画像形成装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色の色材を夫々内包すると共に互い
    に異なる所定波長の光により硬度の変化する複数種類の
    マイクロカプセルを担持する感光記録媒体を、形成すべ
    き画像の画像変調に応じて露光するための前記所定波長
    の第1光を変調させつつ発する前記複数色毎の主発光素
    子、及び前記画像変調によらずに露光するための前記所
    定波長の第2光を定常的に発する少なくとも一色の副発
    光素子を有する露光ヘッドと、 前記感光記録媒体を前記露光ヘッドに対して前記感光記
    録媒体に沿う所定の送り方向に相対移動させる送り手段
    と、 前記露光ヘッドを前記相対移動される感光記録媒体に対
    向させつつ前記感光記録媒体に対して前記搬送方向と交
    差する走査方向に相対移動させる走査手段と、 前記露光されて硬度の変化したマイクロカプセル及び露
    光されずに硬度の変化していないマイクロカプセルのう
    ち硬度の低い一方を加圧破壊することにより発色させて
    前記感光記録媒体に可視像を形成する加圧現像手段とを
    備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記主発光素子及び副発光素子の前面を
    覆うと共に、前記第1光及び第2光を前記感光記録媒体上
    の前記露光ヘッドに対向するドットを形成すべき複数の
    点に向けて夫々通過させる第1開口及び第2開口が設け
    られたマスク手段を更に備えたことを特徴とする請求項
    1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記第1開口は前記第1光が前記ドット
    を形成すべき一つの点のみを一時に露光できる第1の径
    を持ち、前記第2開口は前記第2光が前記ドットを形成
    すべき複数の点を同時に露光できる前記第1の径より大
    きい第2の径を持つことを特徴とする請求項2に記載の
    画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記主発光素子は、ドットを形成すべき
    一つの点のみを一時に含む第1光スポットを生成するよ
    うに前記第1光を前記感光記録媒体上に導く第1光学手
    段を有し、 前記副発光素子は、前記ドットを形成すべき複数の点を
    同時に含む前記第1光スポットよりも大きい径を持つ第
    2光スポットを生成するように前記第2光を前記感光記
    録媒体上に導く第2光学手段を有することを特徴とする
    請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記副発光素子は、少なくとも前記感光
    記録媒体が前記露光ヘッドに対向している間は、前記第
    2光を発し続けることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれか一項に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009539126A (ja) * 2006-05-30 2009-11-12 ディーアイジーイープリント・リミテッド 光学式プリンタに関する改良

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