JPH10316254A - 電子機器のカセット挿入部の構造 - Google Patents

電子機器のカセット挿入部の構造

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JPH10316254A
JPH10316254A JP9127627A JP12762797A JPH10316254A JP H10316254 A JPH10316254 A JP H10316254A JP 9127627 A JP9127627 A JP 9127627A JP 12762797 A JP12762797 A JP 12762797A JP H10316254 A JPH10316254 A JP H10316254A
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JP
Japan
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cassette
width
light
opening
door
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Application number
JP9127627A
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English (en)
Inventor
Naoki Katayama
直樹 片山
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイズの異なるカセットを、アダプタ等の特
別な手段を用いることなく、電子機器の挿入部に挿入す
ることができる電子機器のカセット挿入部の構造を提供
する。 【解決手段】 開口部を、幅の小さいカセットに対応す
る幅を有する第1の扉体111aと、該第1の扉体11
1aの隣の両側に位置し幅の小さいカセットが挿入され
た場合に生ずる開口部の前記残余の部分を閉塞する第2
の扉体111b,111bとにより閉塞する。幅の大き
いカセットを挿入する場合には第1及び第2の扉体が共
に開き、幅の小さいカセットを挿入する場合には、第1
の扉体111aのみが開き、両カセットの大きさの差に
より生ずる開口部の残余の部分を、第2の扉体111
b,111bによって閉塞する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオデッキ、感
光感圧プリンタ等の、電子機器のカセット挿入部の構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビデオデッキ、感光感圧プリ
ンタ等の電子機器において、各種の操作を行うために、
電子機器に設けられた開口部である挿入部に、カセット
が挿入されるものは知られている。かかる電子機器にお
いては、挿入されるカセットの大きさに応じて挿入部
(開口部)が形成されており、その挿入部よりの埃の進
入等を防止するために、蓋体が設けられたりしている。
【0003】かかる電子機器において、前記挿入部に異
なる大きさのカセットを挿入するものも知られている
が、従来、そのような場合には、一般に、アダプタを適
用して、異なる大きさのカセットを前記挿入部に挿入で
きるようにしているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、カセットの挿入の際に、アダプタを用いて挿入す
るのは面倒であり、また、使用者の操作性に劣る。ま
た、実際の使用において、アダプタがすぐに見つからな
い場合には、挿入できず、作業を進めることができな
い。
【0005】また、カセットの大きさを常に同一とする
ということも考えられるが、例えば感光感圧プリンタに
おいて用いられる遮光性カセットのように、予めサイズ
の異なるマイクロカプセル紙が積層状態で収納されてい
るものの場合には、カセットの大きさと、それに収納さ
れているマイクロカプセル紙の大きさとが異なると、使
用者に違和感を感じさせる。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、サイズの異なるカセットを、アダプタ等の特別な手
段を用いることなく、電子機器の挿入部に挿入すること
ができる電子機器のカセット挿入部の構造を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子
機器のケーシングにカセットが着脱可能に挿入される開
口部が設けられ、前記カセットは幅が異なる2種類であ
る電子機器のカセット挿入部の構造であって、前記開口
部は、幅の大きいカセットに対応して形成され、前記開
口部に、幅の小さいカセットが挿入された場合に、前記
両カセットの大きさの差により生ずる開口部の残余の部
分を閉塞する閉塞部材が変位可能に設けられているもの
である。ここで、「変位可能に設けられ」とは、開口部
に幅の小さいカセットが挿入された場合に、閉塞部材
が、カセットが何ら挿入されていない状態や幅の大きい
カセットが挿入されている状態とは異なる状態に変化し
て、幅の大きいカセットと幅の小さいカセットとの大き
さの差により生ずる開口部の残余の部分を閉塞すること
を意味し、「変位」には回転、移動、偏倚等のすべてが
含まれる。
【0008】請求項1の発明によれば、ケーシングの開
口部は幅の大きいカセットに対応して形成されているこ
とから、幅の大きいカセットを挿入する場合には、幅の
大きいカセットは隙間なく挿入される。その一方、幅の
小さいカセットを挿入する場合には、幅の大きいカセッ
トと幅の小さいカセットとの幅方向における大きさの差
により生ずる開口部の残余の部分が、変位可能に設けら
れた閉塞部材によって閉塞され、開口部は幅の小さいカ
セットと閉塞部材とによって閉塞され、幅の小さいカセ
ットの周囲に隙間が生ずることがない。よって、いずれ
のカセットを挿入しても、カセットと開口部との間に隙
間等が生ずることがなく、開口部を通じてのケーシング
内部と外部との連通が遮断され、ケーシング内部と外部
との遮断性が確保される。よって、開口部を通じての電
子機器内への埃等の侵入が回避される。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の電子機器の
カセット挿入部の構造において、前記閉塞部材が、幅の
小さいカセットに対応する幅を有する第1の扉体と、該
第1の扉体の隣側に位置し幅の小さいカセットが挿入さ
れた場合に生ずる開口部の前記残余の部分を閉塞する第
2の扉体とを有し、前記第1及び第2の扉体は、開閉可
能に軸支されている。
【0010】請求項2の発明によれば、幅の大きいカセ
ットが挿入される場合には、第1及び第2の扉体が共に
開かれ、幅の大きいカセットに対応して形成された開口
部に隙間なく挿入される。幅の小さいカセットを挿入す
る場合には、第1の扉体のみが開放され、両カセットの
大きさの差により生ずる開口部の残余の部分が、第2の
扉体によって閉塞される。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の電子機器の
カセット挿入部の構造において、第1及び第2の扉体
が、開口部の上側に位置する共通の回転軸について回転
可能に軸支されている。
【0012】請求項3の発明によれば、第1及び第2の
扉体が、開口部の上側に位置する共通の回転軸について
回転可能に軸支されていることから、簡単な構造で、開
口部に開放部分を生じさせることなく、種類の異なるカ
セットの挿入が許容される。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の電子機器の
カセット挿入部の構造において、前記第1の扉体が、幅
方向の両側縁部に第2の扉体の側縁部と重複する部分を
有する。
【0014】請求項4の発明によれば、第1の扉体が、
幅方向の両側縁部に第2の扉体の側縁部と重複する部分
を有することから、第1の扉体と第2の扉体との間にお
ける、ケーシングの内部と外部との遮断性が確保され
る。
【0015】請求項5の発明は、請求項3の電子機器の
カセット挿入部の構造において、前記第2の扉体は、第
1の扉体側に、挿入された幅の小さいカセットの側部に
沿って内部に延びる延長部を有する。
【0016】請求項5の発明によれば、幅の小さいカセ
ットを挿入した場合に、第2の扉体の延長部が、幅の小
さいカセットの側部に沿って内部に延びていることか
ら、前記延長部によって、幅の小さいカセットと第2の
扉体との間における、ケーシングの内部と外部との遮断
性が高められる。
【0017】請求項6の発明は、請求項2の電子機器の
カセット挿入部の構造において、前記第1の扉体が、水
平方向の回転軸を有し、第2の扉体は、鉛直方向の回転
軸を有するものである。
【0018】請求項6の発明によれば、請求項2の発明
と同様に、幅の大きいカセットが挿入される場合には、
第1及び第2の扉体が共に開かれ、幅の大きいカセット
に対応して形成された開口部に隙間なく挿入される。幅
の小さいカセットを挿入する場合には、第1の扉体のみ
が開放され、両カセットの大きさの差により生ずる開口
部の残余の部分が、第2の扉体によって閉塞される。
【0019】請求項7の発明は、請求項1の電子機器の
カセット挿入部の構造において、前記閉塞部材が、開口
部の側部に位置し開口部の内壁面に沿って進退可能に設
けられた可動部材と、該可動部材を挿入口側に付勢する
スプリング部材とを有し、前記可動部材が、幅の小さい
サイズのカセットの幅より大きくかつ幅の大きいサイズ
のカセットの幅より小さい間隔に配置されている。
【0020】請求項7の発明によれば、幅の大きいカセ
ットが挿入される場合には、可動部材がスプリング部材
のスプリング力に抗して後退し、挿入が許容される一
方、幅の小さいカセットが挿入される場合には、可動部
材は後退せず、両カセットの大きさの差により生ずる開
口部の残余の部分が、可動部材によって閉塞される。
【0021】請求項8の発明は、請求項7の電子機器の
カセット挿入部の構造において、前記可動部材の間の挿
入口が、挿入口の上側部分に水平方向の回転軸を有する
扉体にて閉塞されている。
【0022】請求項8の発明によれば、扉体によって、
可動部材間の挿入口が閉塞され、カセットが挿入されな
い際の、ケーシングの内部と外部との遮断が確実になさ
れる。
【0023】請求項9の発明は、請求項1の電子機器の
カセット挿入部の構造において、前記閉塞部材が、開口
部の幅方向の両側に設けられ鉛直方向の回転軸を有する
扉体である。
【0024】請求項9の発明によれば、幅の大きいカセ
ットが挿入される場合には、開口部の幅方向両側の扉体
が共に開かれ、幅の大きいカセットに対応して形成され
た開口部に隙間なく挿入される。幅の小さいカセットを
挿入する場合には、前記両扉体が、両カセットの大きさ
の差により生ずる開口部の残余の部分を閉塞するように
回転される。
【0025】請求項10の発明は、請求項1〜9のいず
れかの電子機器のカセット挿入部の構造において、前記
カセットが、感光記録媒体が収納されてなる遮光性カセ
ットであり、前記電子機器は、前記感光記録媒体を露光
する露光手段と、該露光手段により露光された感光記録
媒体を現像する現像手段とを備える画像形成装置であ
る。ここで、遮光性カセットは、所定形状の感光録媒体
を積層状態で収納する場合は勿論、例えばロール形状に
収納され、画像形成時に所定形状となるようにカットさ
れるようなものでもよい。
【0026】請求項10の発明によれば、種類の異なる
遮光性カセットを挿入しても、閉塞部材によって、遮光
性が確保され、感光記録媒体に対する露光手段による露
光、及び現像手段による現像に悪影響を与えることがな
い。
【0027】請求項11の発明は、請求項10の電子機
器のカセット挿入部の構造において、前記感光記録媒体
が、色材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が
変化する多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により
潜像を形成可能なものであり、前記現像手段が、露光手
段の露光により潜像が形成された感光記録媒体を加圧し
て機械的強度の低いマイクロカプセルを破壊し、マイク
ロカプセルから出る色材を介して潜像を顕在化させるも
のである。
【0028】請求項11の発明によれば、感光記録媒体
が、色材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が
変化する多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により
潜像を形成可能なものであることから、露光手段の露光
により潜像が形成される。そして、現像手段により、前
記潜像が形成された感光記録媒体が加圧され、機械的強
度の低いマイクロカプセルが破壊され、マイクロカプセ
ルから出る色材を介して潜像が顕在化せしめられる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。
【0030】図1〜図3は感光記録媒体であるマイクロ
カプセル紙を露光し現像するための画像形成装置(電子
機器)としての感光感圧プリンタの概略構成を示し、図
1はマイクロカプセル紙を収納する遮光性カセットが装
着される前の状態の側面断面図、図2は同平面断面図、
図3は遮光性カセットが装着された後の側面断面図であ
る。
【0031】図1〜図3において、感光感圧プリンタ8
0は、ケーシング81の前部に、遮光性カセット67A
又67Bが着脱可能に装着されており、該遮光性カセッ
ト67A又は67B内に、未感光の複数枚のマイクロカ
プセル紙37,・・が、積層された状態で収納されてい
る。このときの積層状態は、前記マイクロカプセル紙3
7,・・のうち、後述する光透過性支持体31(図6参
照)が上側に位置するようになっている。尚、本例で
は、マイクロカプセル紙37の種類は2種類(サイズ
3.5インチ×5インチと、サイズ4インチ×6インチ
との2種類)で、その種類に応じてそれらが収納される
遮光性カセット67A,67Bのサイズが異なってい
る。前記両遮光性カセット67A,67Bは、幅及び長
さが異なるが、高さは同一である。
【0032】前記遮光性カセット67A又は67Bがケ
ーシング81の開口部81aに挿入されてセットされて
いる状態で、遮光性カセット67A又は67Bからマイ
クロカプセル紙37が、給紙ローラ65により一枚ずつ
取り出され、案内板86上を経て、マイクロカプセル紙
37の先端部は、上側及び下側ローラ21A,21Bを
有する第1の送りローラ手段21により、露光ヘッド2
0に対向する露光台66に向かって図中左方に引き出さ
れる。露光台66は、露光ヘッド20に対して接離可能
にケーシング81内に支持されており、バネ部材(図示
せず)により上方向(露光ヘッド20側)に付勢されて
いる。尚、前記遮光性カセット67A又は67Bから取
り出された、露光前のマイクロカプセル紙37は、ケー
シング81の遮光カバー等により、未露光状態が保持さ
れる。
【0033】前記ケーシング81の開口部81aは、幅
の大きい遮光性カセット67Aに対応して形成され、前
記開口部81aには、幅の小さい遮光性カセットが挿入
された場合に、前記両遮光性カセット67A,67Bの
大きさの差により生ずるケーシング81の開口部81a
の残余の部分を閉塞する閉塞部材111が変位可能に設
けられている。
【0034】具体的には、図4(A)〜(C)に示すよ
うに、前記閉塞部材111は、幅の小さい遮光性カセッ
ト67Bに対応する幅を有し中央に位置する第1の扉体
111aと、該第1の扉体111aの隣の両側に位置し
幅の小さい遮光性カセット67Bが挿入された場合に生
ずる開口部81aの前記残余の部分を閉塞する第2の扉
体111b,111bとを有し、前記第1及び第2の扉
体111a,111b,111bは、開口部81aの上
側に位置する共通の回転軸111cについて開閉可能に
軸支されている。また、第1の扉体111aが、幅方向
の両側縁部に第2の扉体111bの側縁部と重複する部
分111d,11dを有する。
【0035】よって、幅の大きい遮光性カセット67A
が挿入される場合には、第1及び第2の扉体111a,
111b,111bが共に開かれ、幅の大きい遮光性カ
セット67Aに対応して形成された開口部81aに隙間
なく挿入される。幅の小さい遮光性カセット67Bが挿
入される場合には、第1の扉体111aのみが開放さ
れ、両遮光性カセット67A,67Bの大きさの差によ
り生ずる開口部81aの残余の部分が、第2の扉体11
1b,11bによって閉塞される。その結果、種類の異
なる、いずれの遮光性カセット67A,67Bを挿入し
ても、閉塞部材111(第1及び第2の扉体111a,
111b,111b)の協動作用によって遮光性が確保
され、マイクロカプセル紙37に対する露光ヘッド20
による露光、及び圧力現像手段45による現像に悪影響
を与えることがない。
【0036】特に、第1の扉体111aが、幅方向の両
側縁部に第2の扉体111b,111bの側縁部と重複
する部分111d,111dを有するようにしているこ
とから、遮光性カセット67A,67Bが挿入されてい
ない状態での、第1の扉体111aと第2の扉体111
b,111bとの間における、ケーシング81の内部と
外部との遮断性も確保される。また、図5(A)(B)
に示すように、前記第2の扉体111bが、第1の扉体
111a側に、挿入された幅の小さい遮光性カセット6
7Bの側部に沿って内部に延びる延長部111eを有す
るようにして、前記延長部111eによって、幅の小さ
い遮光性カセット67Bと第2の扉体111bとの間に
おける、ケーシング81の内部と外部との遮断性を高め
ることも可能である。
【0037】前記第1の送りローラ手段21の上流側に
は、マイクロカプセル紙37の先端部(頭部)を検出す
る紙位置検出センサ(図示せず)が所定位置に配設さ
れ、その検出結果に基づき、マイクロカプセル紙37の
幅方向において露光ヘッド20を往復移動させる露光タ
イミング、並びに第1の送りローラ手段21による送り
から後述の第2の送りローラ手段25による送りへ切換
えるタイミングを設定するようになっている。また、そ
れとは別に、マイクロカプセル紙37の送り経路にマイ
クロカプセル紙37の側縁部を検出することによりそれ
のサイズ(幅)を検出するための幅検出センサ22A,
22Bが一定間隔を存して並列に設けられている。
【0038】前記幅検出センサ22A,22Bの検出信
号は、後述するCPU70に入力され、幅検出手段70
Aにおいて、マイクロカプセル紙37が上記2種類のい
ずれであるかが判定され、マイクロカプセル紙37の幅
が検出される。そして、その検出結果(マイクロカプセ
ル紙37の幅)に基づき、往復移動幅変更手段70Bに
より露光ヘッド20(キャリッジ48)の往復移動幅が
設定され、第1の送りローラ手段21及び後述する第2
の送りローラ手段25によるマイクロカプセル紙37の
送り速度並びに後述する現像加圧手段45によるマイク
ロカプセル紙37の現像速度が速度変更手段70Cによ
って変更されるようになっている。
【0039】前記給紙ローラ65及び第1の送りローラ
手段21の駆動側ローラである上側ローラ21Aは共通
の駆動モータ23(パルスモータ)にて回転駆動され、
マイクロカプセル紙37は間欠送りされるようになって
いる。即ち、給紙ローラ65は、駆動モータ23にて直
接回転駆動される一方、第1の送りローラ手段21の上
側ローラ21Aは、ギヤ機構24を介して回転駆動され
るようになっている。また、第2の送りローラ手段25
の上側ローラ25Aも、同様にギヤ機構24を介して駆
動モータ23にて回転駆動され、第2の送りローラ手段
25も、第1の送りローラ手段21と同一の送り速度で
もって、マイクロカプセル紙37を搬送するようになっ
ている。
【0040】そして、前記第1の送りローラ手段21に
より搬送されるマイクロカプセル紙37の先端部分は、
下側の露光台66と上側の露光ヘッド20との間に進入
するようになっている。
【0041】また、前記露光台66のマイクロカプセル
紙37が接触する側の表面には、フィルム状のヒータで
あるプレヒータ64aが取着されている。このプレヒー
タ64aは、後に詳述するように、露光ヘッド20を往
復走査することで該露光ヘッド20によりマイクロカプ
セル紙37の選択的範囲に赤緑青の画像に対応した潜像
を形成する際に、感光感度を向上するべく所定の温度に
マイクロカプセル紙37を加熱するために使用される。
【0042】前記露光ヘッド20は、露光台66の上方
にマイクロカプセル紙37の幅方向(マイクロカプセル
紙37の送り方向(Y方向)と水平面で直交する方向
(X方向))において往復移動可能に配置されているキ
ャリッジ48の下面側に設けられており、該キャリッジ
48の下流側には、上側及び下側ローラ25A,25B
を有する第2の送りローラ手段25が設けられている。
【0043】また、前記マイクロカプセル紙37の送り
通路上であって前記第2の送りローラ手段25の下流側
には、1対の圧力現像ローラ46A,46Bを備える圧
力現像手段45が配設され、更にその下流側に、フィル
ム状のポストヒータ64b及び1対の排出ローラ75,
75が順に配設され、現像後のマイクロカプセル紙37
はケーシング81の上部の用紙排出部82に排出される
ようになっている。尚、前記ポストヒータ64bは、現
像が終了してカラー画像が発色したマイクロカプセル紙
37を60〜80℃程度に加熱することで、発色を定着
させる作用があるものである。また、前記ポストヒータ
64b及び前述したプレヒータ64aは、共に、ポリイ
ミド等の薄膜フィルム上に、導電性発熱体を印刷等にて
パターン化し、電流駆動を行うことでフィルム自身が発
熱するように構成されたものである。
【0044】前記第1及び第2の送りローラ手段21,
25の下側ローラ21B,25Bには、板バネ部材26
A,26Bを介して、いずれかのローラ21B,25B
を上側ローラ21A,25Aの方向に択一的に付勢する
切換手段27が設けられ、マイクロカプセル紙37が、
第1の送りローラ手段21又は第2の送りローラ手段2
5のいずれか一方のみによって送られるようになってい
る。即ち、下側ローラ21B,25Bの軸部に当接する
当接部を有する板バネ部材26A,26Bが、可動支持
部材30に連結され、該可動支持部材30をソレノイド
手段28にて進退させることで、いずれの送り手段2
1,25による送りを行うかを切り換えるようになって
いる。また、可動支持部材30は、コイルスプリング2
9にて第1の送りローラ手段21側に付勢され、ソレノ
イド手段28がオフ状態では、コイルスプリング29の
スプリング力によって可動支持部材30が第1の送りロ
ーラ手段21側に移動せしめられ、板バネ部材26Aが
第1の送りローラ手段21側の下側ローラ21Bを上方
に(上側ローラ21A側に)付勢する力の方が、板バネ
部材26Bが第2の送りローラ手段25側の下側ローラ
25Bを上方に付勢する力よりも大きくなるように構成
されている。一方、前記ソレノイド手段28がオン状態
では、可動支持部材30が第2の送りローラ手段25側
に移動され、板バネ部材26Bが第2の送りローラ手段
25の下側ローラ25Bを上側ローラ25Aへ付勢する
力の方が、板バネ部材26Aにより下側ローラ21Bを
上側ローラ21A側に付勢する力よりも大きくなる。こ
こで、ソレノイド手段28としては、電磁ソレノイドの
他に、エアシリンダやリニアモータ等の往復駆動手段を
使用することができる。尚、前記板バネ部材26A,2
6Bの強度、取付角度等を適宜選択することによって、
板バネ部材26A,26Bによる付勢力を調整して、下
側ローラ21B,25Bの上側ローラ21A,25Aに
対する接触圧力を0〜50gの範囲で調整することが可
能である。
【0045】前記キャリッジ48は、図中紙面に直交す
る方向(マイクロカプセル紙37の搬送方向に直交する
方向)に沿って延びるようにケーシング81内に平行に
固設された断面円形状の1対の案内軸49,49に摺動
可能に軸支されており、前記露光台66側の下面に露光
ヘッド20が取付固定されている。前記キャリッジ48
の下流側端部には、プーリ51,52間に回転可能に設
けられたタイミングベルト53が固着され、前記プーリ
51,52のうちの一方のプーリ51にキャリッジ駆動
モータ54が連結されている。よって、タイミングベル
ト53がモータ54によって回転されることで、キャリ
ッジ48が案内軸49,49に沿って往復駆動されるよ
うになっている。
【0046】前記キャリッジ駆動モータ54は、回転方
向と回転量を制御可能なものであって、一般的なDC/
ACモータが採用されている。そして、キャリッジ48
の走行方向に沿って設けられ透明なPETフィルムに黒
色の縦ストライプが印刷されたリニアエンコーダ62
と、キャリッジ48側に設けられ前記リニアエンコーダ
62に基づいてキャリッジ48の位置を検出するフォト
センサ63(例えば透過型フォトインタラプタ)により
位置検出手段が構成され、キャリッジの走査量がフォト
センサ63によりリニアエンコーダ62の縦ストライプ
を計数することによって決定される。そして、この位置
検出手段よりの信号に基づいて、キャリッジ48の往復
走査幅が演算される。尚、DC/ACモータのほかにも
オープンループ制御のパルスモータを採用することがで
き、この場合は、位置検出手段を省略することができ
る。
【0047】前記第2の送りローラ手段25を通過した
マイクロカプセル紙37は、湾曲形成されたガイド部材
83によって案内されて圧力現像手段45に送られる
が、その際、マイクロカプセル紙37は、それ自体の剛
性により、最初はガイド部材83に沿わず、圧力現像手
段45の方に送られないが(図3鎖線参照)、第2の送
りローラ手段25により順次間欠的に送り出されること
で、マイクロカプセル紙37が徐々に撓んでガイド部材
83に沿うようになり、圧力現像手段45に送られ、加
圧現像作用を受けるようになっている。即ち、第2の送
りローラ手段25と圧力現像手段45との間に、マイク
ロカプセル紙37の流れを一時的に停滞させ一定量のマ
イクロカプセル紙37を蓄積するバッファ部84が形成
されていることになり、第2の送り手段25による間欠
送りから、圧力現像手段45による連続送りに無理なく
移行するように構成されている。
【0048】前記圧力現像ローラ46A,46Bのう
ち、一方のローラ46Aはケーシング81に回転可能に
支持され、他方のローラ46Bは、回転軸55aを有す
る支持ブラケット55の一端部に回転可能に支持されて
いる。支持ブラケット55の他端部は、カム部材56に
当接する下側カム面55bを有し、上方に位置する加圧
部材57がスプリング部材58にて下方に付勢され、下
側カム面55bがカム部材56に常時当接するようにさ
れている。
【0049】前記圧力現像ローラ46A,46Bは、線
接触型の加圧ローラとして形成されており、マイクロカ
プセル紙37の送り方向に直交する軸線の回りについて
回転可能に支承されている。一方の圧力現像ローラ46
Bが、スプリング部材58の付勢力により他方の圧力現
像ローラ46Aに接触するように付勢されている。ま
た、圧力現像ローラ46Aは、キャリッジ駆動モータ5
4と反対側に位置する駆動モータ60にて、ギヤ機構6
1を介して回転駆動されるようになっている。
【0050】ここで、前記圧力現像ローラ46A,46
Bによるマイクロカプセル紙37の加圧力はスプリング
部材58のスプリング力を利用する代わりに、空圧器、
油圧器、ソレノイド等の他の加圧手段で代用することが
可能である。それに加えて、単に弾性体を使用するだけ
ではなく、電磁力を使用して加圧することも可能であ
り、要するに一方の現像加圧ローラを他方の現像加圧ロ
ーラ側(マイクロカプセル紙37側)に付勢する手段で
あれば何を使用してもよく、特に制限されない。
【0051】続いて、前記マイクロカプセル紙37の構
造について、断面構造を示す図6に基づいて説明する。
【0052】図6において下側に位置する光透過性支持
体31上に、色材としての共反応体と接触して発色する
成分(染料前駆体、以下、色原体と記述する場合があ
る)及び所定波長の光に感光することによりその機械的
強度が変化(感光硬化)する成分(光硬化性樹脂)とを
内包したマイクロカプセル32と、該マイクロカプセル
32中の染料前駆体(色原体)と反応する共反応体(顕
色剤)33とが混合塗着されてなる混合塗着層34が積
層され、更に、前記混合塗着層34上に、シート状支持
体35が積層されている。
【0053】前記マイクロカプセル32としては、3種
類の異なるマイクロカプセルが含まれており、その種類
の異なる各マイクロカプセルには、イエロー、マゼン
タ、シアンのうちの一つの色を発色するための無色の染
料前駆体と、光の3原色の各々の波長の光に感光して硬
化する光硬化性樹脂と、重合開始剤とが含まれている。
【0054】このため、例えばブルー光(約470nm
の波長光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合に
は、イエローのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセ
ル32の光硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプ
セル紙37に圧力をかけると、感光硬化したマイクロカ
プセル(この場合はイエロー)は破壊されず、硬化しな
かったマイクロカプセル(この場合はマゼンタ、シア
ン)が破壊されてマゼンタ、シアンの染料前駆体がマイ
クロカプセルから流出して顕色剤と反応して発色し、そ
れらが混色して青色となる。この青色が前記透過性支持
体31を介して観察されることになる。
【0055】また、グリーン光(約525nmの波長
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合には、マ
ゼンタのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光
硬化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙37
に圧力をかけると、圧力現像によりイエロー、シアンの
マイクロカプセル32が破壊され、イエロー、シアンの
染料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混
色により緑色となる。この緑色が前記透過性支持体31
を介して観察されることになる。
【0056】更に、レッド光(約650nmの波長の
光)をマイクロカプセル紙37に露光した場合には、シ
アンのみの染料前駆体を含んだマイクロカプセルの光硬
化性樹脂が感光硬化し、このマイクロカプセル紙37に
圧力をかけると、圧力現像によりイエロー、マゼンタの
マイクロカプセルが破壊され、イエロー、マゼンタの染
料前駆体と顕色剤との反応によりそれぞれ発色して混色
により赤色となる。この赤色が前記透過性支持体31を
介して観察されることになる。
【0057】また、露光により全てのマイクロカプセル
が感光硬化したときは、圧力現像しても、それらが破壊
されないので発色は起こらず、光透過性支持体31を介
して前記シート状支持体35の表面が目視できる状態に
ある。従って、前記シート状支持体35の表面の白色が
背景色となり、発色反応が起こった部分だけカラー画像
が形成されるのである。尚、この発色原理を自己発色と
称する。また、マイクロカプセル紙37における光透過
性支持体31の表面を発色側面と称する。
【0058】前記実施の形態の場合、前記光透過性支持
体31の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムが用いられ
る。
【0059】ところで、このようなマイクロカプセル3
2による感材は、湿度による影響を大きく受け、高湿条
件にて保存されると、光透過性支持体31やシート状支
持体35が吸湿し、その感度を大きく変動させてしま
う。具体的には、吸湿により感度が高くなるが、高湿保
存時の温度条件によりその感度は10倍程度以上に変動
するものであり、本発明のような複数光源により一定露
光エネルギー密度にて感材を露光する画像形成装置にお
いては、画質を高品位に保つには、この変動要因は大き
な技術的課題となる。
【0060】そこで、この課題を解決するために、前記
光透過性支持体31及びシート状支持体35として、耐
湿材料を選択するか、耐湿材料を更に外表面か内表面
(カプセル側の表面)に塗布することが望ましい。この
ような耐湿材料の例として、非晶質ポリオレフィン等の
光学レンズ材料が広く選択でき、また、耐湿材料を塗布
する場合の塗布材料、方法としてSiO2等の蒸着等が
挙げられる。
【0061】また、更に別の技術的課題として、光透過
性支持体31を透過して紫外線がマイクロカプセル32
に放射されることで、カプセルが黄色に変色し、白地の
色度、濃度が変化するという課題がある。そこで、この
課題を解決するために、前記光透過性支持体31とし
て、紫外線の透過率の低い材料を選ぶか、紫外線の透過
率の低い材料を更に外表面か内表面に塗布することが望
ましい。
【0062】前記マイクロカプセル32としては、トリ
フェニルメタン系、スピロピラン系染料の色原体、トリ
メチロールプロパントリアクリレートの如きアクリロイ
ル基含有化合物の光硬化性樹脂、並びにベンゾフェノ
ン、ベンゾイルアルキルエーテルの如き光重合開始剤等
を、ゼラチン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポ
リイソシアネート樹脂等の重合体壁に内包した物等の公
知のものを使用することができる。
【0063】また、前記共反応体33としては、マイク
ロカプセル32内の色原体の組成等との関連もあるが、
酸性物質、例えば、酸性白土、カオリン、酸性亜鉛、酸
化チタン等の無機酸化物、フェノールノボラック樹脂、
あるいは有機酸等の公知の顕色剤を用いることができ
る。
【0064】このマイクロカプセル32及び共反応体3
3の混合物に対し、更にバインダ、充てん剤、粘度調整
剤等が添加されて、光透過性支持体31上に塗布ロー
ラ、スプレイ、ドクタナイフ等により塗布され、混合塗
着層34が形成される。
【0065】前記シート状支持体35は、透明、半透
明、又は不透明な支持体、例えば、紙(セルロース)、
合成紙、ポリエステルやポリカーボネイト等の樹脂フィ
ルム等を用いることができる。また、湿度、紫外線の影
響に対する対策は、上述の通りである。
【0066】次いで、図7〜図11を参照しながら、前
記露光ヘッド20の構成について説明する。尚、図7及
び図8は、感光記録媒体としてのマイクロカプセル紙3
7を露光するための露光ヘッド20の要部のみを示す模
式的な断面図、図9はマスク保持部材14の上面図、図
10はマスク13の上面図、図11は発光素子(LE
D)の配置を説明する説明図である。
【0067】図7において、露光ヘッド20は、複数種
類の発光素子7,8,9と、それらを支持(固定)する
ための基板1と、マスク13と、マスク保持部材14と
を備える。
【0068】図8に示すように、基板1は、その製造方
法としては、まず、ガラスエポキシ製の平板状の基板1
の表面に、切削加工、プレス加工等にて、すり鉢状の凹
部4が形成され、更にその表面に、電気信号を伝達する
ための所定の平面視ランドパターンの電極層3が無電解
メッキにより形成される。前記電極層3は銅箔35μm
からなる。また、ボンディングワイヤー10の接続点で
は、ボンディングパッドとして、ニッケル5μm、金
0.5〜1.0μmを更に銅箔上に形成し、3層構成と
する。
【0069】このように、基板1の所定箇所に必要数の
凹部4を形成してから、所定パターンにて形成された電
極層3を形成し、該各凹部4に発光素子としてのLED
が銀ペースト又はエポキシ系の接着剤にて接着固定され
る。
【0070】凹部4の加工では、図8に詳細を示すよう
に、断面すりばち状の凹部4が形成される。この場合、
各凹部4の底面4aは基板1の表面と平行に形成され、
その底面4aから上方に向けて広がるように傾斜状の側
面4bが形成される。基板1の表面の電極層3も凹部4
の表面に沿って所定のパターンにて形成される。
【0071】そして、図7に示すように、前記各凹部4
の底面4aの電極層3の表面に、接着剤6にて、それぞ
れ赤LED7、緑LED8、青LED9が固定される。
ここで、前記凹部4の深さは赤LED7、緑LED8、
青LED9の取付高さよりも若干深く形成されているた
め、各LED7,8,9の頂部は前記基板1の表面より
も沈んだ位置となる。この赤LED7、緑LED8、青
LED9の頂部からは、ボンディングワイヤ10によっ
て、ランドパターンの電極層3の所定位置に電気的結線
が施されており、各LED7,8,9及びボンディング
ワイヤ10は、空気に触れないように透明な封止材11
にて封止されてある。
【0072】前記接着剤6としては、赤LED7には銀
ペースト、緑LED8、青LED9にはエポキシ樹脂等
が用いられる。これは、赤LED7は底面が電気的端子
の1つとなるため、導電性の接着剤6によって基板1と
の電気的接続を行うことが必要であるのに対して、緑L
ED8、青LED9では、電気的端子が2点とも頂面に
配設されているため、接着には絶縁性で透明なエポキシ
樹脂を用いているのである。透明な接着剤6を用いるこ
とで、緑LED8、青LED9の内部で発生し、底面に
進む出力光は、この透明な接着剤6を通過して凹部4の
底面4aにて反射して再び頂面から出射されるため、出
力光が大きくなるという効果がある。
【0073】前記赤LED7は、その基本材料としてA
lGaAsが用いられ、公知技術である高出力のDDH
構造のものが適用できる。出力光の中心波長は約650
nmである。電気的端子は、頂面に1個あり、底面に1
個ある。前記緑LED8、青LED9は、共にその基本
材料としてGaNが用いられたものが適用できる。出力
光の中心波長はそれぞれ約525nm、約470nmで
ある。これらの電気的端子は頂面に2個あり、底面には
ない。各LEDは電気的な2端子に所定方向に電流を流
すことで出力光を空間中全方向に発する。全方向に発し
た出力光は、一部は直接図面中上方に向かい、他の一部
は凹部4の側面4bにて反射作用を受け同様に図面中上
方に出射される。
【0074】前記ボンディングワイヤ10は、金線から
なり、各LEDの頂面とボンディングパッドの形成され
た電極層3に対し、加熱及び超音波にてボンディング接
着される。
【0075】前記封止材11は熱硬化樹脂により形成さ
れ、通常透明なシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が用い
られる。熱硬化条件は、通常温度は150℃、時間は4
時間程度である。LED等の一般半導体材料は空気に触
れると、その表面が、酸化、吸湿等の作用を受け特性が
急激に劣化するという現象があるから、封止材11はこ
れを避ける目的と、ボンディングワイヤ10等を機械衝
撃により破壊しないように保護する目的がある。また、
本実施の形態においては、封止材11を、マスク13及
びマスク保持部材14を接着固定するという別の目的に
も流用している。
【0076】前記基板1の上方には、貫通円形開口形状
のピンホール12を複数個(発光素子数と同一数)備え
たマスク13が、マスク保持部材14を介して位置決め
されて配設されている。マスク保持部材14は、基板1
上に位置決め用ボス穴15を用いて固定され、マスク保
持部材14の上端面にはマスク保持用の位置決め溝14
aが形成されている。この位置決め溝14aに前記マス
ク13が装着され、接着等の固定手段によりマスク13
は基板1と一体に固定される。本実施の形態では、マス
ク13及びマスク保持部材14は、共に、前記封止材1
1により、基板1上に一体化されている。
【0077】図9は、図1において露光台66側から見
たマスク保持部材14の平面図であり、前記凹部4の位
置も説明の便宜上図示してある。マスク保持部材14は
基板1に形成された各凹部4を各々分離するように分離
壁(分離隔壁)2がマスク保持部材14に一体に形成さ
れている。この分離壁2は、図7に示されるように、そ
の下端面が基板1の非凹部領域の上面(電極層3の上面
を含む)に当接し、分離壁2の上端面が前記マスク13
の下端面に当接するものであり、基板1とマスク13と
の間の光伝播空間は、この分離壁2により発光素子(L
ED)毎に分離されている。つまり、ある凹部4内に配
設されたLEDから出射された光束は、その凹部を囲む
分離壁2の存在のため、その凹部4に対応するマスク1
3のピンホール12からのみ露光ヘッド20の外部に出
射し、他の凹部4に対応するピンホール12からは出射
しない。よって、迷光が発生しないので、高解像度の画
像形成が可能となる。
【0078】前記マスク保持部材14は、高精度耐熱プ
ラスチック材料からなる単一の成型品であり、基板1上
の位置決めボス穴15に基づいてマスク13の3軸方向
の位置決めを行い、更に各LEDの出力光が隣接する対
応しないピンホール12から出射されるという迷光の問
題を引き起こさないように、各々の発光素子(LED)
からの出力光を、分離壁2の作用にて個別の空間に分割
することにより分離するためのものである。前述の通
り、封止材11には熱硬化樹脂を用いるため、これを用
いてマスク保持材14及びマスク13を同時に位置決め
して接着固定を行う場合において、封止材11の硬化温
度であってもマスク保持部材14は変形を受けないよう
に、耐熱性の材料を用いることが必要である。このよう
な材料として、POM等が選択できる。この分離壁2を
備えたマスク保持部材14が光学的分離手段を構成して
いる。また、他の実施形態としては、分離壁をマスク保
持部材と別体とすることも可能であるし、基板1側に一
体化することも可能である。また、分離壁をマスクと一
体化することも可能である。さらに、分離する空間形状
も、四角のみならず、丸形状等のその他の形状も種々の
ものを採用することができる。
【0079】図10は、図1において露光台66側から
見たマスク13の平面図である。マスク13は厚さ0.
1mm程度のステンレス鋼により形成され、その外形並
びにピンホール12,39は、エッチングにより加工さ
れている。また、その表面はディッピング工法により黒
染め加工されており、光の無反射処理となる。また、光
学的分離手段を備えた本実施の形態の露光ヘッド20で
は、隣接する光源への迷光の問題が解決されていること
から、このような無反射処理は行わなくても特に問題は
ないという効果が得られた。
【0080】前記ピンホール12はその穴径がφ0.2
mm〜φ0.18mm程度に形成され、この穴径によ
り、感光記録媒体としてのマイクロカプセル紙37へ供
給する光パターンの解像度を決定している。また、穴径
が約2倍のφ0.4mmの副ピンホール39は後述する
ように副露光用のピンホールである。これらのピンホー
ル12、39は前記赤LED7、緑LED8、青LED
9の頂部にそれぞれ対向して形成される。
【0081】図10に示すように、本実施の形態では、
画像変調露光用として、紙送り方向前方側から後方側に
かけて、赤色用の3個のLED7a,7b,7cにて1
セット、緑色用の3個のLED8a,8b,8cにて1
セット、青色用の3個のLED9a,9b,9cにて1
セットがそれぞれ配設されている。特に、緑色用の1個
のLED8dと青色用の1個のLED9dについては、
画像の変調(所望の画像を形成するため赤青緑の各LE
Dを画像データに従ってオン・オフ制御すること)とは
関係ない副露光用の発光素子として別に配設してある。
尚、図10中、7a〜7c,8a〜8d及び9a〜9d
はそれぞれ括弧内に記されているが、これは各LEDの
位置を示すものである。
【0082】緑、青においては、あるエネルギー密度レ
ベルまでは、光露光を行っても出力画像の濃度が変化し
ない領域(マイクロカプセルの感光性樹脂が硬化しない
領域)があり、具体的には最大濃度変化に必要なエネル
ギー密度の1/5の量を感材に露光しても、濃度が変化
しないという数値例がマイクロカプセル紙から得られ
た。この1/5のエネルギー密度量を、画像変調露光と
は無関係に常に照射することによって、使用するLED
の個数を減らすことができる。
【0083】尚、赤色用LEDには副露光用のものが存
在しないのは、赤色に感光するマイクロカプセルは青や
緑のものに対して出力画像の濃度が変化しない領域が十
分低いためである。つまり、赤色の露光に関しては上記
の副露光により濃度が変化しない領域が、最大濃度変化
に必要なエネルギー密度の1/20程度以下の量である
ためである。
【0084】本実施の形態では特に、以上のようにマト
リクス配列されたLEDを用いて、走査方向に斜めに3
個並んだLEDのグループの夫々により各色毎に同一ド
ット(同一画素点)を、合計3回ずつ画像変調露光し、
かつこのLEDのグループの夫々により、紙送り方向に
は1露光ラインずつ露光するように構成されている。従
って、1画素に注目すると、各色3回ずつ、合計9回の
露光が行われることになる。
【0085】また、画像変調露光用の赤、緑、青のLE
Dは、図11に示すように、赤色用のLED3個のうち
X方向(露光ヘッド20の往復移動方向)に並んだLE
D7a,7b,7cの3個のグループにおいては、LE
D7aとLED7bとの間隔X1、及びLED7bとL
ED7cとの間隔X1が、それぞれマイクロカプセル紙
37に形成される画像の1画素(1ドット)の整数倍
(例えば16倍)の間隔にて配置される一方、Y方向
(マイクロカプセル紙37の送り方向)には、LED7
aとLED7bとの間隔Y1、及びLED7bとLED
7cとの間隔Y1が、マイクロカプセル紙37に形成さ
れる画像の1画素(1ドット)分乃至その整数倍間隔だ
けずらして配置される。また、残りの赤色用のLEDに
ついても、X方向に並んだ3個のグループずつ同様に配
置されている。
【0086】そして、このようにX方向に並んだ3個の
グループと隣接する3個のグループとのY方向における
間隔は16ドット分だけ離して配置されている。即ち、
図9において、Y2=14ドット(Y2+Y1+Y1=
16ドット)となるように配置されている。
【0087】画像変調露光用の緑色用の3個のLED8
a,8b,8c及び青色用の3個のLED9a,9b,
9cについても、上記赤色用のLEDと同様に配置され
ている。
【0088】そして、赤LED7のセット(図11で、
一番下方に位置するX方向に並んだ3個のグループ)と
緑LED8のセット(図11では中央部に位置するX方
向に並んだ3個のグループ)との間隔は16ドット分だ
け離して配置されている。同様に、緑LED8のセット
(図11では中央部に位置するX方向に並んだ3個のグ
ループ)と青LED9のセット(図11では、一番上方
に位置するX方向に並んだ3個のグループ)との間隔は
16ドット分だけ離して配置されている。
【0089】ここで、図11中、青LED9aと赤LE
D7aとの間隔は、16×2=32画素分となる。これ
は各色LEDの設置数(実施例で3個)の整数倍からず
らすことで、紙送り等の誤差が3ライン周期で出たとき
に、横筋が顕在化しないような効果を得るためである。
【0090】このように配置された各LEDの配置関係
に一致するように前記マスク13に穿設されるピンホー
ル12の配置関係も設定されているのである。
【0091】このような構成の露光ヘッド20を、画像
データに従って対応するLEDを変調露光しながら図2
中横方向(図11のX方向)に沿って例えば+X方向に
所定速度Vにて移動させ、その後にマイクロカプセル紙
37を図中縦方向(図11のY方向)に1露光ライン分
送ってから再び露光ヘッド20を−X方向に前記所定速
度で移動させながら変調露光し、その後再びマイクロカ
プセル紙をY方向に1露光ライン分送ってから露光ヘッ
ド20を+X方向に移動させるとともにLEDを変調露
光するという動作を、9個の露光ラインの夫々について
並列に繰り返して所望の画像の露光を行うのである。
【0092】このように移動走査を行いながら、画像情
報に従って各LEDを独立に変調駆動することによっ
て、所定の中心波長の光を、所定の光パワーにて、所定
時間、所定場所に供給することで、カラー画像の潜像を
形成することができるものである。
【0093】図12は、前記キャリッジ48の移動(走
査)速度の時間変化を示すグラフであり、これを用いて
キャリッジ48の移動を説明する。
【0094】キャリッジ48は、キャリッジ駆動モータ
54(サーボモータ)等の駆動により、最高速度V(m
m/sec)、走査周期T(sec)、速度一定時間T
c(sec)をもって台形状の速度変化パターンで往復
移動させられる。
【0095】即ち、図12に示すように、キャリッジ4
8を最高一定走査速度±V(mm/sec)にて、マイ
クロカプセル紙37の幅方向(X方向)において往復移
動(往復走査移動)させるものとする。図12におい
て、時間軸(横軸)に対して傾斜している部分は、往復
の移動端での一旦停止と最高一定走査速度±V(mm/
sec)との間の加速域・減速域を示す。また、時間T
cは、マイクロカプセル紙37の幅方向(X方向)距離
全体をキャリッジ48が通過するのに要する時間(前記
最高一定走査速度の所要時間)であり、前記往復の走査
周期Tとする。
【0096】そして、マイクロカプセル紙37の各露光
ライン(図11のX方向に沿う1ライン)では前記複数
の赤LED7からなる1セット、複数の緑LED8から
なる1セット、複数の青LED9からなる1セットが画
像情報に従って各々点灯制御される。この点灯制御の際
には、前記赤LED7の1セット、緑LED8の1セッ
ト、青LED9の1セットの取付間隔(ピンホール間
隔)が存在するため、露光ライン中の1点に対する露光
は、キャリッジ48の走査移動に要する時間と、上記間
隔分だけマイクロカプセル紙37が送られる時間とに応
じた遅延時間tを加味して行われる。
【0097】即ち、Y方向への送り距離が1ドット分の
時には、マイクロカプセル紙37の1画素に注目してみ
ると、当該1つの画素点(露光点)を白色とするため、
G光とR光とB光とを照射するためには、例えばまず、
キャリッジ48の往路方向への移動時(図11のX方向
移動時)に、青LED9cに対向するピンホール12が
前記1画素点に位置している時に、図13に示すよう
に、当該青LED9cを所定の短時間Δtだけ一回点灯
した後、キャリッジ48を往路の終端で一旦停止させ
る。
【0098】次いで、マイクロカプセル紙37を1ドッ
ト分だけ図11のY方向に用紙送りを実行した後、キャ
リッジ48の復路方向への移動時(図11のX′方向移
動時)には、青LED9bに対向するピンホール12が
前記1画素点に位置している時に、当該青LED9bを
所定の短時間Δtだけ一回点灯し、キャリッジ48を復
路の終端で一旦停止させる。
【0099】さらに、マイクロカプセル紙37を1ドッ
ト分だけ図11のY方向に用紙送りを実行した後、キャ
リッジ48の往路方向への移動時(図11のX方向移動
時)に、青LED9aに対向するピンホール12が前記
1画素点に位置している時に、当該青LED9aを所定
の短時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を往
路の終端で一旦停止させる。
【0100】このようにすると、図13に示すように、
着目した1つの画素点に対して、前記走査周期Tの半分
の時間ごとに、青LED9c→9b→9aの順序で短時
間Δtずつ点灯することになる。
【0101】そして、次に、マイクロカプセル紙37を
14ドット(Y2)分だけ図10のY方向に用紙送りを
実行した後、キャリッジ48の復路方向への移動時(図
10のX′方向移動時)に、緑LED8cに対向するピ
ンホール12が前記着目した1つの画素点に位置してい
る時に緑LED8cを所定の短時間Δtだけ1回点灯し
た後、キャリッジ48を復路の終端で一旦停止させる。
次いで、マイクロカプセル紙37を1ドット分だけ図1
0のY方向に用紙送りを実行した後、キャリッジ48の
往路方向への移動時(図10のX方向移動時)に、緑L
ED8bに対向するピンホール12が前記1画素点に位
置している時に、当該緑LED8bを所定の短時間Δt
だけ一回点灯した後、キャリッジ48を往路の終端で一
旦停止させる。さらに、マイクロカプセル紙37を1ド
ット分だけ図10のY方向に用紙送りを実行した後、キ
ャリッジ48の復路方向への移動時(図10のX方向移
動時)に、緑LED8aに対向するピンホール12が前
記1画素点に位置している時に、当該緑LED8aを所
定の短時間Δtだけ一回点灯した後、キャリッジ48を
復路の終端で一旦停止させるのである。
【0102】次いで、マイクロカプセル紙37を14ド
ット分だけ図10のY方向に用紙送りを実行した後、赤
LEDに関しても赤LED7c→7b→7aの順序でキ
ャリッジ48を往復移動させつつ所定の短時間Δt毎に
点灯を繰り返すのである。
【0103】このように、前記1画素点については、合
計で9回のΔt毎の露光が行われることになる。
【0104】また、以上のようなキャリッジ48の往路
方向または復路方向への移動時におけるLEDによるΔ
t時間の点灯動作は、1ドットのY方向への紙送りが行
われる前に、9個の全てのLEDにより各1露光ライン
の全ドットに対して行われるため、前記往路方向または
復路方向への一回の移動時には、合計で9ラインの露光
が行われることになる。
【0105】更に、この走査露光時には上記した画像変
調露光の他に、青LED9dと緑LED8dとによる副
露光が常に行われる。副露光の光エネルギーは前記した
ようにカブセルが硬化しない最大の光エネルギーに設定
されている。
【0106】従って、各青LED9a,9b,9c、緑
LED8a,8b,8c、赤LED9a,9b,9cか
ら照射される各色毎の光エネルギーは同じとなっている
が、青色波長光と緑色波長光に関しては、ピンホール3
9を介してそれぞれ青LED9d、緑LED8dから副
露光される分の光エネルギーが追加されているので、各
色のマイクロカプセルはそれぞれ同じ割合だけ硬化する
こととなる。この場合、各色のカプセルの硬化度は最大
となり、すべてのカプセルが加圧現像されても破壊され
ず、発色反応は起こらない。つまり、前記光透過性支持
体31を介して前記シート状支持体35の表面の色(白
色)が目視できる状態のままとなる。
【0107】実際の画像形成動作においては、画像変調
露光用の青LED9a,9b,9c、緑LED8a,8
b,8c、赤LED9a,9b,9cから照射される光
エネルギーを画像データに従って変化させることにより
画像データに対応する露光潜像(カプセルの硬化度の変
化パターン像)がマイクロカプセル紙37に形成される
のである。
【0108】尚、図13に示すように、マイクロカプセ
ル紙37の同一露光位置(1画素点)に複数回の露光を
時間間隔をあけて光照射する理由は下記の通りである。
【0109】即ち、図14に例示するように、縦軸にシ
アンの発色光学濃度を採り、横軸に露光エネルギー密度
(J/m2 )の総量を採る。図14において、実線Aは
赤LEDを1回のみ照射したときのシアンの発色光学濃
度の変化を示し、点線Bは赤LEDを前記走査周期Tの
半分の時間間隔をあけて3回に分割して光照射した場合
のシアンの発色光学濃度の変化を示す。
【0110】図14において、シアンの発色光学濃度が
10%濃度、つまりD10=0.42を得るためには、一
回の光照射では3.3(J/m2 )の露光エネルギー密
度を与える必要があるが、前述のように3回に分割して
光照射すると総計で2.2(J/m2 )の露光エネルギ
ー密度を与えればよいことになる。
【0111】この図14の比較から理解できるように、
露光エネルギー密度(J/m2 )が、0.5〜3.3の
範囲では、同じシアンの発色光学濃度の発現するために
は、3回に分割して光照射した場合は小さい露光エネル
ギー密度にて済むが、1回の光照射の場合には大きい露
光エネルギー密度を必要とすることが判る。
【0112】光照射に伴うマイクロカプセル紙37にお
けるマイクロカプセル32の重合開始剤と光硬化性樹脂
との重合反応速度は、さほど高速でなく、一度に大量の
露光エネルギーを投入するよりも、適度の時間間隔にて
複数回(例えば2〜6回)に分けて少しずつ露光エネル
ギーを投入した方が前記の重合反応が促進されやすいか
らである。
【0113】つまり、1つの発光素子であるLEDの出
力を小さくした場合でも、乃至はLEDの設置個数が少
なくても、時間間隔を広げての露光により充分な発色光
学濃度を得ることができるのである。
【0114】そこで、本実施形態では、一つの画素に対
し最大3回の露光が行われるように、露光回毎のLED
の駆動時間や発光強度が設定される。そして、求められ
た露光エネルギー総量を3等分した値が露光1回あたり
の露光エネルギーとなる。但し、その値が所定の基準値
に満たない場合には露光回数を2回以下として各露光回
毎の露光エネルギーを演算する。
【0115】ところで、マイクロカプセル紙37は、全
面的に速度一定にて露光、現像されることが好ましい。
このため、マイクロカプセル紙37を露光、現像するの
に最小限必要な速度一定時間Tcに対応する速度一定で
の移動距離L(mm)は、少なくとも全てのピンホール
12が通過する範囲以上と選ばなければならない。この
速度一定移動距離L(mm)はマイクロカプセル紙37
の幅とピンホール12の配設パターン、最高速度V(m
m/sec)によって自由に設計することができるもの
である。
【0116】続いて、前記感光感圧プリンタ80の制御
回路の電気的構成を、図15に沿って説明する。
【0117】制御回路は、CPU70、ROM71、R
AM72からなる周知の論理演算回路から構成されてお
り、CPU70には、ゲートアレイからなるI/Oポー
ト73を介して、外部のホストコンピュータからのRG
B画像データを入力するためのコネクタ74、マイクロ
カプセル紙37の幅を検出するための幅検出センサ22
A,22Bがそれぞれ接続され、前記露光ヘッド20
(各LED)、前記送りローラ手段21,25の駆動モ
ータ23及び現像加圧ローラ手段45の駆動モータ60
に対する駆動回路77、前記キャリッジ駆動モータ54
に対する駆動回路78がそれぞれ接続されている。そし
て、CPU70が、前記幅検出センサ22A,22Bよ
りの信号を受けマイクロカプセル紙37の幅を検出する
幅検出手段70Aと、該幅検出手段70Aよりの信号を
受け、マイクロカプセル紙37の幅に応じて、キャリッ
ジ48(駆動モータ54)の走査幅を変更する走査幅変
更手段70Bと、前記幅検出手段70Aよりの信号を受
け、マイクロカプセル紙37の幅に応じて、両送りロー
ラ手段21,25(駆動モータ23)による送り速度及
び圧力現像手段45(駆動モータ60)による現像速度
を変更する速度変更手段70Cとを備える。
【0118】また、前記ROM71には、プリンタ全体
の動作を制御するためのプログラム、入力された画像デ
ータから露光ヘッド20の各色LEDの点灯時間、タイ
ミングを演算決定するためのプログラム、BGR露光の
順序に応じて、給紙ローラ65及び排出ローラ75,7
5の駆動を制御し、マイクロカプセル紙37の搬送を行
うためのプログラム、同様にBGR露光の順序に応じて
前記キャリッジ送り用のキャリッジ駆動モータ54を制
御し、キャリッジ48を往復走査するプログラム等、種
々のプログラムが記憶され、CPU70はこれらのプロ
グラムに従って動作する。また、RAM72は、外部か
らの入力データが一旦記憶されるバッファである。感光
感圧プリンタ80に、出力画像のRGBデータが送られ
ると、その画像データが順次RAM72のバッファに記
憶される。
【0119】また、露光ヘッド20の各LEDは、図示
しない駆動回路により、フレキシブルハーネス85(図
2参照)を介して電気的に駆動を受け、キャリッジ48
により移動されつつ画像情報に従って点灯消灯制御され
る。
【0120】次に、前記遮光性カセット67Aの構造に
ついて図16〜図21を参照しながら詳細に説明する。
なお、遮光性カセット67Bも基本的には遮光性カセッ
ト67Aと同一の構造であるので、その説明を省略す
る。
【0121】ここで、図16は遮光性カセット67Aを
示す図であり、図16(A)は底面図、図16(B)は
平面図、図16(C)は左側面図、図16(D)はA−
A線断面図、図16(E)は背面図である。
【0122】図16に示すように、遮光性カセット67
Aは、第1フレーム120と、該第1フレーム120に
嵌合される第2フレーム121と、該第2フレーム12
1の露出開口部を密封するシャッター部材122とを備
えており、これらの部材により遮光された状態で図16
(D)に示すようにマイクロカプセル紙37が収容され
ている。
【0123】以下、各構成部材について詳細に説明す
る。
【0124】まず、図17は第1フレーム120を示す
図であり、図17(A)は右側面図、図17(B)は平
面図、図17(C)はB−B線断面図、図17(D)は
底面図、図17(E)は突起部を示す一部拡大図であ
る。第1フレーム120には図17(B)に示すよう
に、マイクロカプセル紙を装填するための装填開口部1
20aが形成されており、該装填開口部120aの底部
には、後述するプレッシャーパッド123の背面を露出
させるための押圧開口部120bが形成されている。ま
た、第1フレーム120の側面及び背面には、図17
(A)、図17(B)及び図17(E)に示すように、
突起部120cが複数箇所に形成されており、第2フレ
ーム121に形成された凹部と嵌合するようになってい
る。
【0125】次に、図18は第2フレーム121を示す
図であり、図18(A)は右側面図、図18(B)は平
面図、図18(C)はC−C線断面図、図18(D)は
底面図である。第2フレーム121には図18(B)に
示すように、前記第1フレーム120に装填されるマイ
クロカプセル紙37の先端面を露出させるための露出開
口部121aが形成されており、該露出開口部121a
は後述するシャッター部材122により開放又は密封さ
れるようになっている。また、第2フレーム121の側
面には、図18(A)に示すように、前記第1フレーム
120の突起部120cと対応する位置に、凹部121
bが形成されており、上述したような突起部120cと
の嵌合を可能にしている。
【0126】次に、図19は感光記録媒体付勢手段とし
ての樹脂製のプレッシャーパッド123を示す図であ
り、図19(A)は平面図、図19(B)は右側面図、
図19(C)は底面図、図19(D)は正面図である。
しかし、このプレッシャーパッド123は、前記第1フ
レーム120の装填開口部120aの底部に載置され
(図21(B)参照)、該プレッシャーパッド123の
平板状の基板123dの一面に多数突設された支持部1
23a上にマイクロカプセル紙37が載置される。プレ
ッシャーパッド123の基板123dの他面には、図1
9(B)及び図19(C)に示すように、凸部123b
が形成されており、前記第1フレーム120に形成され
た押圧開口部120bから該凸部123bが露出される
ように配置されている。これにより、第1フレーム12
0の外側からプレッシャーパッド123を押圧すること
が可能となり、この押圧力により、マイクロカプセル紙
37は、上述した第2フレーム121の露出開口部12
1a側に付勢される。また、プレッシャーパッド123
の後部には、図19(A)〜図19(C)に示すよう
に、支持部付勢部材123cが形成されており、該プレ
ッシャーパッド123を第1フレーム120の底部側に
付勢するようになっている。即ち、図19(B)に示す
ように、支持部付勢部材123cは基板123dの後端
から凸部123b側へ折り曲げ形成されており、支持部
付勢部材123cの凸部123b側の面を第1フレーム
120に固定されることにより、基板123dが第1フ
レーム120に付勢されるのである。
【0127】次に、図20はシャッター部材122を示
す図であり、図20(A)は平面図、図20(B)は正
面図、図20(C)は右側面図である。シャッター部材
122は、図20(A)に示すように、露出開口部12
1aを塞ぐシャッター面部122aと、該シャッター面
部122aに連続して形成された弾性変形可能なシャッ
ター部材付勢手段としての付勢部122bとを有してお
り、該付勢部122bの先端部には、支持穴部122c
が設けられている。また、前記シャッター面部122a
の側部には、4箇所にフランジ部122dが設けられて
いる。そして、前記支持穴部122cは、図17(B)
に示す第1フレーム120の支持凸部120dと嵌合
し、また、前記フランジ部122dは同じく図17
(B)に示すガイド部120eと係合するようになって
おり、図21(A)に示すように取り付けられる。この
とき、シャッター部材122は、付勢部122bが縮む
ように取り付けられるため、図21(A)の矢印方向に
付勢される。しかし、図20(D)に示すように、シャ
ッター部材122の先端部122eには、切り欠き部1
22fが設けられており、該切り欠き部122fが第1
フレーム120の前縁部120eと係合するため、図2
1(A)に示す位置で係止される。さらに、図20
(A)に示すようにシャッター面部122a上には、係
合凸部122gが設けられており、該係合凸部122g
は図18(B)に示す第2フレーム121の案内溝部1
21c内を移動すると共に、案内溝部121c前方に設
けられた係止部121dと係合して、図21(B)に示
すように付勢される方向への移動を規制されている。
【0128】そして、以上のような第1フレーム12
0、第2フレーム121、プレッシャーパッド123、
シャッター部材122のそれぞれは、黒色のポリエステ
ルで形成されており、第1フレーム120と第2フレー
ム121が装填開口部120aを閉塞するように嵌合さ
れ、さらに、シャッター部材122が露光開口部121
aを、またプレッシャーパッド123が押圧開口部12
0bを閉塞することにより、マイクロカプセル紙37に
対する高い遮光性を保っている。
【0129】以上のように構成される遮光性カセット6
7A又は67Bが挿入されるケーシング81の開口部8
1a内には、前記係合凸部122gと係合する係合部材
(図示せず)が設けられており、遮光性カセット67A
又は67Bを開口部81aに挿入すると、前記係合部材
と前記係合凸部122gとが係合して前記シャッター部
材122を前記付勢部122bの付勢力に抗して開放位
置へと移動させる。
【0130】これにより、第2フレーム121に設けら
れた露出開口部121aは開状態となり、第1フレーム
120に収納されたマイクロカプセル紙37の先端面が
当該露出開口部121aから露出する。
【0131】また、ケーシング81には、外部付勢手段
としての押圧バネ124が設けられており(図3参
照)、遮光性カセット67A又は67Bの挿入時に、前
記第1フレーム120に設けられた押圧開口部120b
から露出するプレッシャーパッド123の凸部123b
に当該押圧バネ124が当接し、付勢するようになって
いる。これにより、マイクロカプセル紙37の先端部
は、前記露出開口部121a側に付勢され、遮光性カセ
ット67A又は67Bから引き出し可能となる。
【0132】従って、ケーシング81内に設けられた給
紙ローラ65を図1において時計回りに回転させること
により、マイクロカプセル紙37は遮光性カセット67
A又は67Bから引き出され、第1の送りローラ手段2
1により、露光ヘッド20と露光台66との間に搬送さ
れる。
【0133】一方、遮光性カセット67A又は67Bを
ケーシング81の開口部81aから引き抜いた場合は、
上述した係合部材による前記係合凸部122gに対する
付勢力が解除されるため、シャッター部材122は付勢
部122bの付勢力により再び前記露出開口部121a
を密封する。また、前記押圧バネ124による前記プレ
ッシャーパッド123の凸部123bに対する付勢力も
解除されるため、プレッシャーパッド123は、支持部
材付勢部材123cにより第1フレーム120の底面部
側へと付勢され、前記押圧開口部120bは前記凸部1
23b又はプレッシャーパッド123の背面により密封
される。
【0134】従って、遮光性カセット67A又は67B
は遮光状態となり、内部に収納されたマイクロカプセル
紙37を感光させない。尚、この底面部側への付勢は、
遮光状態とするために必須のものではなく、押圧開口部
120bとマイクロカプセル紙37との間の光路を複数
回屈折させるためのフランジを第1フレーム120やプ
レッシャーパッド123に設けることにより、押圧開口
部120bからマイクロカプセル紙37に至る光をカッ
トすることができる。また、支持部材付勢部材123c
を凸部123b側に屈曲形成する代わりに、支持部材付
勢部材123cを支持部123a側に屈曲形成し、支持
部材付勢部材123cの凸部123b側を第1フレーム
120に取着させておけば、第1フレーム120に対し
支持部123aあるいは基板123dの先端側が起き上
がった状態となり、支持部123aがマイクロカプセル
紙37を露出開口部121a側へ付勢可能となる。マイ
クロカプセル紙37の枚数に応じて基板123dと支持
部材付勢部材123cが湾曲し、その弾性復元力による
付勢するためである。但し、この付勢力はマイクロカプ
セル紙37の枚数に応じて変化するため、第1フレーム
120に押圧開口部120bを設け、ケーシング81側
から基板123d又は凸部123bを露出開口部121
a側へバネ等の付勢手段で付勢するようにしてもよい。
マイクロカプセル紙37を最後の1枚まで露出開口部1
21aに付勢して遮光性カセット67A又は67Bから
確実な取り出しを図るためである。
【0135】よって、ケーシング81の開口部81aへ
の非挿入時には遮光状態を保ち、本ケーシング81の開
口部81aへの挿入時にはマイクロカプセル紙37を容
易に取り出すことができる遮光性カセット67A又は6
7Bを用いたため、マイクロカプセル紙37に対する遮
光性を維持しつつ、マイクロカプセル紙の補充、交換の
容易化を図ることができ、複数の種類のマイクロカプセ
ル紙を自由に用いることができる。
【0136】それに加えて、そのような遮光性カセット
67A又は67Bが挿入されるケーシング81の開口部
81aには、第1及び第2の扉体111a,111b,
111bが開閉可能に軸支されているので、幅の大きい
遮光性カセット67Aが挿入される場合には、第1及び
第2の扉体111a,111b,111bが共に開か
れ、幅の大きい遮光性カセット67Aに対応して形成さ
れた開口部81aに隙間なく挿入される一方、幅の小さ
い遮光性カセット67Bが挿入される場合には、第1の
扉体111aのみが開放され、両遮光性カセット67
A,67Bの大きさの差により生ずる開口部81aの残
余の部分が、第2の扉体111b,11bによって閉塞
される。従って、いずれの遮光性カセット67A,67
Bが挿入されても、第1及び第2の扉体111a,11
1b,111bの協動作用によって、ケーシング81の
内部の遮光状態が確保される。
【0137】なお、さらにマイクロカプセル紙に対する
遮光性を向上させるため、シャッター部材122の先端
部122cと係合する第1フレーム120の前縁部12
0eに、図20(E)に示すように遮光部材としてのラ
シャ紙142を取着してもよい。また、このラシャ紙等
をシャッター部材122の先端部122cの切り欠き部
122fに取着するようにしてもよい。
【0138】次に、前記感光感圧プリンタ80の動作を
説明する。
【0139】まず、使用者がカセット67A又は67B
をプリンタにセットし、図示しない電源スイッチをオン
にすると、プレヒータ64a及びポストヒータ64bは
通電により所定の温度とされる。
【0140】この後、プリンタに接続されたホストコン
ピュータから出力したい画像の画像データ(RGBデー
タ)と共に、プリント開始指令信号が入力される。な
お、画像データは2次元ビットマップ形式のデータとし
て供給され、各画素についてRGB成分毎の濃度を示す
情報も含まれており、その画像データはR画像データ、
G画像データ、B画像データに分離されてRAM72の
バッファに記憶される。
【0141】CPU70は、プリント開始指令信号に応
答して、給紙ローラ65を回転させてカセット67A又
は67Bから、給紙ローラ65によりマイクロカプセル
紙37を一枚取り出し、第1の送りローラ手段21によ
り左方へ搬送され、露光ヘッド20の下側の露光台66
上に移動せしめられ、プリントが開始される。
【0142】マイクロカプセル紙37のひとつの露光点
に着目して説明を行うと、まず、第1のピンホール列の
LEDについては、キャリッジ48の移動に調時してR
画像データに従って赤LED7が点灯制御され、前記所
定時間tの後にG画像データに従って緑LED8が点灯
制御され、更に前記所定時間tの後にB画像データに従
って青LED9が点灯制御される。この露光制御が1露
光ラインの全ての露光点に関して行われる。また、第1
のピンホール列により形成された露光済みラインが用紙
送りにより第2のピンホール列に対向しているとき再び
この露光済みラインに同じデータに基づく各LEDの点
灯制御が行われ、更に用紙送りにより第3のピンホール
列に対向しているときにもこれが繰り返されるのであ
る。
【0143】このようにして、第1〜第3のピンホール
列から露光が行われて露光済みラインは、用紙送りによ
り圧力現像手段45により圧力現像されるのである。こ
のため、露光されたマイクロカプセル32は十分に感光
硬化され、感光硬化しなかったマイクロカプセル32の
みが圧力現像により破壊されて発色反応が行われるので
ある。
【0144】現像の後、マイクロカプセル紙37はヒー
タ64bにより60〜80℃程度に加熱され、カプセル
を完全に硬化させ、染料前駆体をカプセル内に閉じこめ
ることによって、最終的なカラー出力画像が定着された
状態として、排出部82に排出される。
【0145】以上詳述したように、本発明の画像形成装
置としての感光感圧プリンタ80は、前述した特定の実
施形態にのみ限定されるものではなく種々の変形が可能
である。
【0146】(1)前記実施の形態においては、電子機器
としての感光感圧プリンタに適用したものを説明してい
るが、本発明はそれに限定されるものではなく、電子機
器のケーシングにカセットが着脱可能に挿入される開口
部が設けられ、前記カセットは幅が異なる2種類であれ
ば、ビデオデッキ等の他のすべての電子機器に適用する
ことができる。
【0147】(2)前記実施の形態においては、閉塞部材
を構成する第1及び第2の扉体が、水平方向の共通の回
転軸を有する構造のものについて説明しているが、本発
明はそれに限定されるものではなく、他の構造のものに
対しても適用することができる。
【0148】例えば、図22に示すように、閉塞部材1
12が、中央部に位置し水平方向の回転軸112aを有
する第1の扉体112bと、該第1の扉体112bの両
側に位置し鉛直方向の方向の回転軸112c,112c
を有する第2の扉体112d,112dとを備える構造
としても、前記実施の形態の構造と同様に、幅の大きい
カセットが挿入される場合には、第1及び第2の扉体1
12b,112d,112dが共に開かれ、幅の大きい
カセットに対応して形成された開口部に隙間なく挿入さ
れる一方、幅の小さいカセットを挿入する場合には、第
1の扉体112bのみが開放され、両カセットの大きさ
の差により生ずる開口部の残余の部分が、第2の扉体1
12d,112dによって閉塞されるようにすることが
可能である。
【0149】また、図23(A)〜(C)に示すよう
に、閉塞部材113を、開口部81aの側部に位置し開
口部の内壁面に沿って進退可能に設けられた可動部材1
13a,113aと、該可動部材113a,113aを
挿入口側に付勢するスプリング部材113b,113b
とでもって構成し、前記可動部材113a,113a
を、幅の小さいサイズのカセットの幅より大きくかつ幅
の大きいサイズのカセットの幅より小さい間隔に配置す
るようにすることもできる。このようにすれば、幅の大
きいカセットが挿入される場合には、図23(B)に示
すように、可動部材113a,113aがスプリング部
材113b,113bのスプリング力に抗して後退し、
挿入が許容される一方、幅の小さいカセットが挿入され
る場合には、図23(A)に示すように、可動部材11
3a,113aは後退せず、両カセットの大きさの差に
より生ずる開口部の残余の部分が、可動部材113a,
113aによって閉塞される。
【0150】それに加えて、前記可動部材113a,1
13a間の挿入口が、挿入口の上側部分に水平方向の回
転軸を有する扉体(図示せず)にて閉塞されるようにす
れば、前記扉体によって、可動部材113a,113a
間の挿入口が閉塞され、カセットが挿入されない際の、
ケーシングの内部と外部との遮断を確実になすことがで
きる。
【0151】さらに、図24(A)(B)に示すよう
に、閉塞部材114を、単に、開口部の幅方向の両側に
設けられ鉛直方向の回転軸114a,114aを有する
扉体114b,114bで構成することもできる。この
ようにすれば、幅の大きいカセットが挿入される場合に
は、開口部の幅方向両側の扉体114b,114bが共
に大きく開かれ、幅の大きいカセットに対応して形成さ
れた開口部に隙間なく挿入される。幅の小さいカセット
を挿入する場合には、前記両扉体114b,114bが
共に小さく開かれ、両カセットの大きさの差により生ず
る開口部の残余の部分を閉塞するように開放される。
【0152】(3)前記実施の形態においては、マイクロ
カプセル紙37を用いているが、本発明はそれに限定さ
れるものではなく、種々の変形が可能である。マイクロ
カプセル紙としては、前述の自己発色型のものの他に、
転写型のものも採用可能である。マイクロカプセルを担
持する透明基材シートと、その基材シートのマイクロカ
プセル面に対して顕色材を担持した受像紙の顕色材面を
重ね合わせて剥離可能に一体化しておき、基材シートを
露光ヘッド側にしてカセットから給紙し、一体のまま露
光、現像し、装置外に排出してから受像紙を剥離するよ
うにすれば良い。加圧破壊されたマイクロカプセルから
流出した色材としての染料前駆体が受像紙の顕色剤に転
写され、これと反応して発色し、顕在化するのである。
【0153】また、マイクロカプセル紙において、染料
前駆体の代わりに、予め着色された顔料や染料を感光物
質と共にマイクロカプセルに内包されることもできる。
この場合は、顕色剤のない受像紙(普通紙)を基材シー
トに剥離可能に一体化することにより、転写型の画像形
成が可能である。剥離することにより、受像紙に画像が
顕在化されるからである。
【0154】(4)前記実施の形態においては、圧力現像
手段として線接触する圧力現像ローラを用いた圧力現像
ローラ手段を用いているが、その他に、点接触ボール
や、点接触する加圧ローラを用いた圧力現像手段を用い
ることは勿論、マイクロカプセルを加圧破壊可能な実施
の形態の全てを採用することができる。
【0155】(5)前記実施の形態においては、発光素子
はLEDを用いているが、それに限るものでなく、EL
発光素子、プラズマ発光素子、レーザ発光素子等、様々
な構造のものが適用できる。また、発光素子は赤青緑か
ら構成される必要はなく、感光記録媒体の感度特性に合
わせ、様々な波長のものを選択することができる。例え
ば、赤外光、赤、緑と選んでも良いし、遠赤外光、近赤
外光、赤と選んでも差し支えない。また、紫外線、遠紫
外線も発光素子の色の選択肢の有効な例である。また、
発光素子の色数は、赤緑青の3色に限るものでなく、1
色または2色でも良いし、発色剤にイエロー、マゼン
タ、シアン、黒を用いるような通常のカラープリンタの
如く4色また、それ以上を選択することもできる。
【0156】また、本実施の形態では、副露光は緑及び
青用に行われ赤用には行われなかったが、緑又は青のい
ずれか一つについて副露光を行ってもよく、また暗領域
の大きさによっては赤用に副露光を行ってもよく、結局
RGBやYMCの如何を問わず少なくとも一色について
の副露光を行えば本実施の形態におけるLEDの個数の
低減及び駆動エネルギーの低減という効果は得られる。
【0157】(6)前記実施の形態においては、ピンホー
ルを有するマスクを設ける密着タイプの露光ヘッド20
を用いているが、それに限られず、感光記録媒体の表面
に接触して、表面が削れたりピンホールが埃等により閉
塞されたり、騒音が発生したりするという問題を回避す
るために、ピンホールの代わりに集光レンズを設けた非
接触タイプの露光ヘッドとすることもできる。具体的に
は、例えば図25及び図26に示すように、ガラスエポ
キシ樹脂又はアルミニウム合金からなるLED基板91
に、3つの取付孔92a,92b,92c及び2つの位
置決め孔93a,93bが形成され、LED94a,9
4a,94b,94b,94c,94cが赤、赤、青、
青、緑、緑の順に配設されている。この基板91が、キ
ャリッジ95の側部に結像レンズ96(ガラス非球面レ
ンズ)と共に取り付けられ、各LED94a,94a,
94b,94b,94c,94cからの光が結像レンズ
96を通じて、露光台97上のマイクロカプセル紙98
上に収束される。なお、100,・・は取付孔92a〜
92cに挿通されるネジ、101,・・は位置決め孔9
a,93bに挿通される位置決めピンである。
【0158】(7)また、露光手段としては、前述のLE
D等の他に、液晶シャッタを用いる方法も採用可能であ
る。白色光源と、赤緑青フィルタと、フィルタ切換装置
と、液晶シャッタとを用い、フィルタを切換えながら、
液晶シャッタの所望の画素をオンオフさせて、所望の波
長光を透過させて、露光潜像を形成するようにしてもよ
い。
【0159】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0160】請求項1の発明は、上記のように、ケーシ
ングの開口部を幅の大きいカセットに対応して形成し、
前記開口部に、幅の小さいカセットが挿入された場合
に、前記両カセットの大きさの差により生ずる開口部の
残余の部分を閉塞する閉塞部材を変位可能に設けている
ので、幅の大きいカセットを挿入する場合には、幅の大
きいカセットを開口部との間に隙間を生ずることなく挿
入することができる一方、幅の小さいカセットを挿入す
る場合には、幅の大きいカセットと幅の小さいカセット
との幅方向における大きさの差により生ずる開口部の残
余の部分を、閉塞部材によって閉塞することができる。
よって、いずれのカセットを開口部に挿入しても、カセ
ットと開口部との間に隙間等が生ずることがなく、ケー
シングの内部と外部との遮断性を確保して、電子機器内
への埃等の侵入を回避することができる。
【0161】請求項2の発明は、前記閉塞部材を、幅の
小さいカセットに対応する幅を有する第1の扉体と、該
第1の扉体の隣側に位置し幅の小さいカセットが挿入さ
れた場合に生ずる開口部の前記残余の部分を閉塞する第
2の扉体とで構成し、前記第1及び第2の扉体を開閉可
能に軸支しているので、いずれのカセットを開口部に挿
入しても、簡単な構造で、カセットと開口部との間に隙
間等が生ずることがないようにして、ケーシングの内部
と外部との遮断性を確保することができる。
【0162】請求項3の発明は、第1及び第2の扉体
を、開口部の上側に位置する共通の回転軸について回転
可能に軸支しているので、簡単な構造で、開口部に開放
部分を生じさせることなく、種類の異なるカセットの挿
入が可能となる。
【0163】請求項4の発明は、第1の扉体が、幅方向
の両側縁部に第2の扉体の側縁部と重複する部分を有す
るようにしているので、第1の扉体と第2の扉体との間
における、ケーシングの内部と外部との遮断性を確保す
ることができる。
【0164】請求項5の発明は、幅の小さいカセットを
挿入した場合に、第2の扉体の延長部が、幅の小さいカ
セットの側部に沿って内部に延びるようにしているの
で、前記延長部によって、幅の小さいカセットと第2の
扉体との間において、ケーシングの内部と外部との遮断
性を高めることができる。
【0165】請求項6の発明は、第1の扉体が、水平方
向の回転軸を有し、第2の扉体は、鉛直方向の回転軸を
有するようにしているので、簡単な構造で、請求項2の
発明を同様な効果が得られる。
【0166】請求項7の発明は、幅の大きいカセットが
挿入される場合には、可動部材がスプリング部材のスプ
リング力に抗して後退し、挿入を許容する一方、幅の小
さいカセットが挿入される場合には、可動部材が後退せ
ず、両カセットの大きさの差により生ずる開口部の残余
の部分を、可動部材によって閉塞するようにしているの
で、幅の大きいカセットを挿入する場合と幅の小さいカ
セットを挿入する場合とでカセットの挿入に要する力を
変えることが可能となり、その力の相違により、操作者
は、挿入したカセットの種類を認識することができる。
よって、挿入する際に、ケーシングの内部と外部との遮
断性を確保して、カセットの挿入間違い等を認識するこ
とができる。
【0167】請求項8の発明は、さらに、前記可動部材
の間の挿入口を、挿入口の上側部分に水平方向の回転軸
を有する扉体にて閉塞するようにしているので、カセッ
トが挿入されない際においても、扉体によって、可動部
材間の挿入口を閉塞して、ケーシングの内部と外部とを
遮断することができる。
【0168】請求項9の発明は、前記閉塞部材を、開口
部の幅方向の両側に設けられ鉛直方向の回転軸を有する
扉体としているので、開口部の幅方向の両側に扉体をそ
れぞれ設けるという簡単な構造で、幅の小さいカセット
を挿入する場合には、前記両扉体によって、両カセット
の大きさの差により生ずる開口部の残余の部分を閉塞す
ることができる。
【0169】請求項10の発明は、特に、カセットを、
感光記録媒体が収納されてなる遮光性カセットとしてい
るので、種類の異なる遮光性カセットを挿入しても、閉
塞部材によって、遮光状態を確保することができ、感光
記録媒体に対する露光手段による露光、及び現像手段に
よる現像に影響を与えることがない。
【0170】請求項11の発明は、感光記録媒体が、色
材を内包し所定波長の光に感光して機械的強度が変化す
る多数のマイクロカプセルを備えかつ露光により潜像を
形成可能なものとしているので、露光手段の露光により
潜像を形成し、現像手段により、前記潜像が形成された
感光記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイクロカプ
セルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材を介して
潜像を顕在化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
概略構成を示し、遮光性カセットがセットされていない
状態の縦断面図である。
【図2】同横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
概略構成を示し、遮光性カセットがセットされた状態の
縦断面図である。
【図4】本発明に係る閉塞部材を示し、(A)は正面
図、(B)は底面図、(C)は側面図である。
【図5】本発明に係る閉塞部材の他の例を示し、(A)
は正面図、(B)は側面図である。
【図6】図1の感光感圧プリンタのマイクロカプセル紙
の模式的な断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
露光ヘッドの模式的な断面図である。
【図8】同露光ヘッドのは凹部の要部拡大断面図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタの
マスク保持部材の平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
のマスクの平面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
のLEDの配置を説明する説明図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
のキャリッジの移動速度を示すグラフである。
【図13】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
の一つの画素に対する多数回露光のタイミングチャート
を示す図である。
【図14】多数回露光の効果を説明するグラフである。
【図15】本発明の実施の形態に係る感光感圧プリンタ
の電気的構成を表すブロック図である。
【図16】本発明に係る遮光性カセットを示し、(A)
は底面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、はA−
A線断面図、(E)は背面図である。
【図17】本発明に係る遮光性カセットの第1フレーム
を示し、(A)は右側面図、(B)は平面図、(C)は
B−B線断面図、(D)は底面図、(E)は突起部を示
す一部拡大図である。
【図18】本発明に係る遮光性カセットの第2フレーム
を示し、(A)は右側面図、(B)は平面図、(C)は
C−C線断面図、(D)は底面図である。
【図19】本発明に係る遮光性カセットのプレッシャー
パッドを示し、(A)は平面図、(B)は右側面図、
(C)は底面図、(D)は正面図である。
【図20】本発明に係る遮光性カセットのシャッター部
材を示すし、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)
は右側面図である。
【図21】本発明に係る遮光性カセットにおいて、シャ
ッター部材が第2フレームに取り付けられ状態を示し、
(A)は平面図、(B)は一部を切除して示す平面図で
ある。
【図22】本発明に係る閉塞部材の他の実施の形態の正
面図である。
【図23】本発明に係る閉塞部材のさらに他の実施の形
態を示し、(A)は幅の大きいカセットを挿入した状態
の平面断面図、(B)は幅の小さいカセットを挿入した
状態の平面断面図、(C)はカセットが挿入されていな
い状態の正面図である。
【図24】本発明に係る閉塞部材のさらに別の実施の形
態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図25】他の実施の形態の露光ヘッドの基板の平面図
である。
【図26】同露光ヘッドの横断面図である。
【符号の説明】
20 露光ヘッド 21 第1の送りローラ手段 22A 幅検出センサ 22B 幅検出センサ 25 第2の送りローラ手段 32 マイクロカプセル 37 マイクロカプセル紙 45 圧力現像手段 48 キャリッジ 65 給紙ローラ 66 露光台 67A 遮光性カセット 67B 遮光性カセット 70 CPU 80 感光感圧プリンタ 81 ケーシング 81a 開口部 111 閉塞部材 111a 第1の扉体 111b 第2の扉体 111c 回転軸 111d 重複する部分 111e 延長部 112 閉塞部材 112a 水平方向の回転軸 112b 第1の扉体 112c 鉛直方向の回転軸 112d 第2の扉体 113 閉塞部材 113a 可動部材 113b スプリング部材 114 閉塞部材 114a 鉛直方向の回転軸 114b 扉体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 15/675 101 G11B 15/675 101Z 101A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子機器のケーシングにカセットが着脱
    可能に挿入される開口部が設けられ、前記カセットは幅
    が異なる2種類である電子機器のカセット挿入部の構造
    であって、 前記開口部は、幅の大きいカセットに対応して形成さ
    れ、 前記開口部に、幅の小さいカセットが挿入された場合
    に、前記両カセットの大きさの差により生ずる開口部の
    残余の部分を閉塞する閉塞部材が変位可能に設けられて
    いることを特徴とする電子機器のカセット挿入部の構
    造。
  2. 【請求項2】 前記閉塞部材は、幅の小さいカセットに
    対応する幅を有する第1の扉体と、該第1の扉体の隣側
    に位置し幅の小さいカセットが挿入された場合に生ずる
    開口部の前記残余の部分を閉塞する第2の扉体とを有
    し、 前記第1及び第2の扉体は、開閉可能に軸支されている
    ところの請求項1記載の電子機器のカセット挿入部の構
    造。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の扉体は、開口部の上側に
    位置する共通の回転軸について回転可能に軸支されてい
    るところの請求項1記載の電子機器のカセット挿入部の
    構造。
  4. 【請求項4】 前記第1の扉体は、幅方向の両側縁部に
    第2の扉体の側縁部と重複する部分を有するところの請
    求項3記載の電子機器のカセット挿入部の構造。
  5. 【請求項5】 前記第2の扉体は、第1の扉体側に、挿
    入された幅の小さいカセットの側部に沿って内部に延び
    る延長部を有するところの請求項3記載の電子機器のカ
    セット挿入部の構造。
  6. 【請求項6】 前記第1の扉体は、水平方向の回転軸を
    有し、第2の扉体は、鉛直方向の回転軸を有するもので
    あるところの請求項2記載の電子機器のカセット挿入部
    の構造。
  7. 【請求項7】 前記閉塞部材は、開口部の側部に位置し
    開口部の内壁面に沿って進退可能に設けられた可動部材
    と、該可動部材を挿入口側に付勢するスプリング部材と
    を有し、 前記可動部材が、幅の小さいサイズのカセットの幅より
    大きくかつ幅の大きいサイズのカセットの幅より小さい
    間隔に配置されているところの請求項1記載の電子機器
    のカセット挿入部の構造。
  8. 【請求項8】 前記可動部材の間の挿入口は、挿入口の
    上側部分に水平方向の回転軸を有する扉体にて閉塞され
    ているところの請求項7記載の電子機器のカセット挿入
    部の構造。
  9. 【請求項9】 前記閉塞部材は、開口部の幅方向の両側
    に設けられ鉛直方向の回転軸を有する扉体であるところ
    の請求項1記載の電子機器のカセット挿入部の構造。
  10. 【請求項10】 前記カセットは、感光記録媒体が収納
    されてなる遮光性カセットであり、 前記電子機器は、前記感光記録媒体を露光する露光手段
    と、該露光手段により露光された感光記録媒体を現像す
    る現像手段とを備える画像形成装置であるところの請求
    項1〜9のいずれかに記載の電子機器のカセット挿入部
    の構造。
  11. 【請求項11】 前記感光記録媒体は、色材を内包し所
    定波長の光に感光して機械的強度が変化する多数のマイ
    クロカプセルを備えかつ露光により潜像を形成可能なも
    のであり、 前記現像手段は、露光手段の露光により潜像が形成され
    た感光記録媒体を加圧して機械的強度の低いマイクロカ
    プセルを破壊し、マイクロカプセルから出る色材を介し
    て潜像を顕在化させるものであるところの請求項10記
    載の電子機器のカセット挿入部の構造。
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