JP3018327B2 - 寒冷地向け低硫黄軽油およびその製造方法 - Google Patents

寒冷地向け低硫黄軽油およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンなどの内燃機関の燃料として用いられ、特には寒冷地
において潤滑性に優れた、低硫黄軽油及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の環境問題に端を発して、ディーゼ
ル車排気ガスのNOX、パティキュレート低減のため、
ディーゼル車に用いる軽油中の硫黄分を0.05質量%
以下にすることが検討されている。
【0003】軽油中の硫黄分を0.05質量%以下とす
る脱硫(以下、深度脱硫という)方法としては、石油蒸
留留出油を2段水素化処理により脱硫する方法(特開平
6−25677号公報)、原料軽油を分留して複数の留
分に分割した後、水素化処理による脱硫処理、脱色処理
し、その後各留分を混合する方法(特開平6−4987
3号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、硫黄分が非常に
低い軽質な環境対応型ディーゼル軽油が発売されたスカ
ンジナビア諸国では、軽油の潤滑性の欠如によるとおも
われるディーゼル車のトラブルが発生した。
【0005】このため我が国でも、高圧下の境界潤滑部
の潤滑を燃料である軽油に頼るディーゼルエンジンの燃
料噴射ポンプなどの部品摩耗、焼け付きなどのトラブル
が多発する危険性が憂慮されている。この問題は、寒冷
地において適切な低温流動性を確保するために、潤滑性
が劣る精製灯油を多量に配合せざるを得ない寒冷地向け
の3号軽油や特3号軽油においてさらに重大である。3
号軽油や特3号軽油では、精製灯油の配合によって結果
的に軽油の潤滑性が一層悪化する。
【0006】この対策として、深度脱硫した軽油の潤滑
性を向上するため、添加剤の使用が検討されており、上
記3号軽油や特3号軽油では特に多量の添加剤が必要に
なる。しかし、このような潤滑性を向上させるための添
加剤は化学的に活性なものが多いため、多量に配合する
とエンジンオイルの添加剤、例えばCa系清浄剤と反応
しカーボンデポジットの発生量を増加させてしまう。ま
た、多量に添加する場合は、コスト的に不利になる等の
問題がある。
【0007】本発明は、こうした実情の下に、低硫黄分
を保持して環境保全に対応しつつ、潤滑性が向上した寒
冷地向け軽油を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、深度脱硫軽
油の潤滑性の低下が精製灯油の配合によって促進される
こと、一方脱ろう脱硫軽油基材は、低温流動性が通常の
軽油に比較して良好なため、潤滑性の劣る精製灯油の配
合割合を最小限にして軽油の潤滑性を確保できること、
さらに脱ろう脱硫軽油基材は、精製プロセス的に粘度−
圧力係数の低いn−パラフィン分などを水素化分解し、
同時に同係数の高い多環芳香族分を温存することから、
脱ろう脱硫軽油基材を配合すれば、ディーゼル車の燃料
噴射ポンプの如き高圧下において軽油の潤滑性が確保さ
れるとの着想を持ち、鋭意研究を行った。
【0009】その結果、寒冷地向けの3号軽油や特3号
軽油においても、脱ろう脱硫軽油基材を所定量配合する
ことにより、多環芳香族分に富み、耐摩耗性などの潤滑
性に優れることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明による軽油は、硫黄分が
0.05質量%以下、2環以上の多環芳香族分が1.1
〜15.0容量%であって、脱ろう脱硫軽油基材を軽油
全量基準で50容量%以上含むものである。さらに、こ
れだけで潤滑性が不十分な場合は、潤滑性向上剤を10
〜300mg/l添加することで目的は達成される。
【0011】ここで、硫黄分は、軽油中の硫黄または硫
黄化合物に含まれる硫黄の総質量の軽油全質量に占める
割合である。
【0012】また2環以上の多環芳香族分は、アミノ分
析カラム、示差屈折計検出器を装備した高速液体クロマ
トグラフにて軽油中の芳香族化合物のクロマトグラフを
得たときナフタレン以降に溶出する成分であり、具体的
にはナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、フル
オレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテ
ン、ピレン、クリセン、それらのアルキル置換誘導体な
どを指すものであって、その濃度は、2環以上の多環芳
香族分容量の軽油全容量に占める割合で示す。
【0013】2環以上の多環芳香族分は、1.1〜1
5.0容量%、好ましくは1.2〜10.0容量%、よ
り好ましくは1.3〜5.0容量%である。
【0014】2環以上の芳香族分が1.1容量%未満で
あれば、軽油の潤滑性の効果が弱い。一方、15.0容
量%を超えた場合であるが、潤滑性能に限ってみれば2
環以上の芳香族分濃度は高い方が好ましい。しかし、2
環以上の芳香族分が増加するとディーゼル車の排気ガス
に含まれるパティキュレートが増加する。X.Mont
agne等(X.Montagne,R.Boulet and J.C.Guibet;13t
h WPC "Fuel QualityEffect on Emissions of Compress
ion Ignition Engines",FUELS-GAS OIL,[16],1 (199
1).)の報告によると、2環以上の芳香族分が10容量
%を超えるとパティキュレートの増加が顕著になるとし
ている。従って、2環以上の芳香族分の実用上の上限は
15.0容量%が好ましく、パティキュレートの生成抑
制の点からは10.0容量%以下がより好ましい値とな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の軽油は、脱ろう脱硫軽油
基材を50容量%以上、好ましくは55容量%以上、よ
り好ましくは60容量%以上配合したもので、配合量は
JIS K2204に規定する流動点、目詰まり点規格
を満足する限りにおいて多量である方が望ましい。
【0016】脱ろう脱硫軽油基材の配合量が50容量%
に満たない場合は、結果的に潤滑性が劣る精製灯油の配
合量が多くなって軽油の潤滑性が悪くなる他、軽油の密
度、セタン指数が低下してディーゼル車の燃費、始動
性、排気ガス性状などが悪化する弊害があり好ましくな
い。
【0017】本発明の軽油は、軽油自体の潤滑性を補う
目的で、必要であれば潤滑性向上剤を添加することがで
きる。このような潤滑性向上剤としては、たとえば高級
脂肪酸、高級脂肪酸のメチル、エチル又はブチルエステ
ル、高級脂肪酸のポリエチレン又はポリプロピレングリ
コールエステル、パーム油、大豆油、ナタネ油、セチル
アルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコー
ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、セチルアミン、オレイルアミンなどが挙げられ、こ
れらの1種或いは2種以上を添加することができる。こ
こで、高級脂肪酸としては、たとえばラウリン酸、オレ
イン酸、リシノレン酸、リシノール酸、ステアリン酸、
エルカ酸、ヤシ脂肪酸、大豆脂肪酸、ナタネ脂肪酸など
が挙げられ、これらの1種或いは2種以上を使用するこ
とができる。この場合、効果の大きな添加剤を選択する
とともに、デポジットなどの問題を生じない範囲内で配
合する必要がある。しかし、脱ろう脱硫軽油を配合した
軽油の潤滑性向上剤必要量は、一般的に脱ろう脱硫軽油
基材を配合しない軽油に比較して少なく、軽油全量基準
で300mg/lを超えることはない。
【0018】潤滑性向上剤の添加量は、10mg/l以
下ではほとんど効果がなく、添加しない場合との差は僅
かである。従って、添加するのであれば、10〜300
mg/l、好ましくは50〜250mg/l、より好ま
しくは100〜200mg/lの範囲である。300m
g/lを超えると、デポジットなどの問題が生じるため
好ましくない。
【0019】本発明による軽油の製造方法は、水素化脱
硫工程と脱ろう工程を組み合わせて硫黄分を0.09質
量%以下にした脱ろう脱硫軽油基材に、硫黄分が0.0
15質量%以下の精製灯油を配合することを特徴とす
る。脱ろう脱硫軽油基材は、原油の常圧蒸留装置から得
られる直留軽油、直留軽油に原油の常圧蒸留装置から得
られる直留灯油、接触分解装置から得られる接触分解軽
油、重油直接脱硫装置から得られる直脱軽油などを配合
したものを原料油として、水素化脱硫工程と脱ろう工程
を組み合わせて生産した軽油基材である。脱ろう脱硫軽
油基材の密度(15℃)は0.82〜0.88g/cm
3、硫黄分は0.09質量%以下、沸点範囲は160〜
380℃、動粘度(30℃)は2.5〜9.0mm2
sのものである。ここで本発明に使用する脱ろう脱硫軽
油基材を得るための前記水素化脱硫工程のプロセス、運
転条件は特に限定するものではなく、公知の任意の軽油
脱硫装置を適宜組み合わせて使用することができる。脱
ろう工程は、Pt−H−モルデナイト、合成ゼオライト
などの特殊な触媒を使用して、原料油中のn−パラフィ
ン、側鎖の少ないパラフィンを選択的に水素化分解し、
低温流動性の優れた軽油基材を得る工程であって、例え
ば石油学会編「新石油精製プロセス」に記載のあるBP
接触脱ろう法、MDDW法の他、FTZ法などが知られ
ている。本発明に使用する脱ろう脱硫軽油基材を得るた
めの前記脱ろう工程は、プロセス、原料油、運転条件を
特に限定するものではなく、公知の任意の装置が採用で
きる。また接触分解装置は、無定形シリカアルミナ、ゼ
オライトなどの触媒を使用して、軽油から減圧軽油まで
の石油留分の他、重油間接脱硫装置から得られる間脱軽
油、重油直接脱硫装置から得られる直脱重油、常圧残渣
油などを接触分解して高オクタン価ガソリン基材を得る
装置であって、例えば石油学会編「新石油精製プロセ
ス」に記載のあるUOP接触分解法、フレキシクラッキ
ング法、ウルトラ・オルソフロー法、テキサコ流動接触
分解法などの流動接触分解法、RCC法、HOC法など
の残油流動接触分解法があるが、本発明における接触分
解装置は、プロセス、原料油、運転条件を特に限定する
ものではなく、公知の任意の装置が採用できる。
【0020】また、本発明の軽油の製造に使用する前記
硫黄分が0.015質量%以下の精製灯油は、公知の水
素化脱硫法、水素化分解法などにより製造することがで
きる。
【0021】また、本発明の軽油の製法にはその他、直
留灯油、直留軽油、脱硫軽油、重油直接脱硫装置から得
られる直脱軽質軽油、重油間接脱硫装置から得られる間
脱軽質軽油、接触分解装置から得られる接触分解軽油の
他、水素化分解灯油、水素化分解軽油なども目的とする
軽油を製造し得る範囲内で使用することができる。
【0022】また本発明の軽油には、以下に述べる公知
の燃料油添加剤を単独もしくは組み合わせて使用するこ
とができる。これらの添加剤としては、例えばエチレン
酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミドなどの
低温流動性向上剤、硝酸エステル、有機過酸化物などの
セタン価向上剤、アルケニルコハク酸イミド、ポリアル
キルアミンなどの清浄分散剤、フェノール系、アミン系
などの酸化防止剤、サリチリデン誘導体などの金属不活
性化剤、アゾ染料などの着色剤などがある。これらの添
加剤の配合量は任意であるが、各々の添加剤の配合量は
軽油全量基準で0.5質量%以下、好ましくは0.2質
量%以下である。
【0023】本発明による寒冷地向け軽油は、上述以外
の性状について特に限定するものではないが、内燃機関
用燃料として、密度(15℃)は0.81〜0.87g
/cm3、沸点範囲は145〜380℃、動粘度(30
℃)は1.7〜6.0mm2/s、かつセタン価は45
以上、好ましくは50以上であることが望ましい。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限
定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例に
おいて、密度(15℃)、蒸留性状、硫黄分、動粘度
(30℃)、目詰まり点、流動点、芳香族分、2環以上
の多環芳香族分、試験鋼球の摩耗痕径は次に示す方法に
より求めた。
【0025】密度(15℃)はJIS K 2249
(原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・
容量換算表)により、蒸留性状はJIS K 2254
(石油製品−蒸留試験方法)の常圧法蒸留試験方法によ
り、硫黄分はJIS K 2541(原油及び石油製品
−硫黄分試験方法)により、動粘度(30℃)はJIS
K 2283(原油及び石油製品−動粘度試験方法及び
粘度指数算出方法)の動粘度試験方法により、目詰まり
点はJIS K 2288(軽油−目詰まり点試験方
法)により、流動点はJIS K 2269(原油及び
石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法)の流
動点試験方法により求めた。芳香族分と2環以上の芳香
族分は、(社)石油学会が平成7年3月に発行した「軽
油組成分析法に関する報告書(平成6年度活動報告)」
に記載する「軽油留分の芳香族炭化水素タイプ分析方法
(高速液体クロマトグラフ法)(案)」により求めた。
【0026】ここで2環以上の多環芳香族分とは、2環
芳香族分と3環+4環芳香族分の合計であり、芳香族分
とは、2環以上の多環芳香族分と1環芳香族分の総計を
指す。
【0027】試験鋼球の摩耗痕径は、ISO/DIS
12156−1.2(DieselEngines −
Diesel Fuel Lubricity −
Part 1;Test Method)に規定するH
FRR(High Frequency Recipr
ocating Rig)に準拠して、試験した。摩耗
痕径(以下WSD)の値が小さいものほど軽油の潤滑性
が良好であることを示しており、この値はディーゼルエ
ンジンの燃料噴射装置の耐久性と相関が高いことが知ら
れている。
【0028】実施例及び比較例の軽油の性状及びその評
価結果(WSD)を表1、2に示す。また実施例と比較
例に用いた脱ろう脱硫軽油基材、脱硫軽油基材及び精製
灯油の性状を表3に示す。
【0029】表1の実施例1の軽油は脱ろう脱硫軽油基
材A70部に精製灯油30部を、実施例2は脱ろう脱硫
軽油基材A50部に精製灯油50部を、実施例3は脱ろ
う脱硫軽油基材B70部に精製灯油30部を配合したも
のである。また比較例1の軽油は脱ろう脱硫軽油A30
部と脱硫軽油A30部に精製灯油40部を、比較例2は
脱ろう脱硫軽油B50部に精製灯油50部を、比較例3
は脱ろう脱硫軽油B30部と脱硫軽油B30部に精製灯
油40部を配合したものである。各々、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体系の低温流動性向上剤(エクソン化学(株)
製PARAFLOW240)100mg/lを添加して
いる。
【0030】表2の実施例4の軽油は脱ろう脱硫軽油基
材A60部に精製灯油40部を配合し、前述の低温流動
性向上剤200mg/lを添加したもので、実施例5は
これに高級脂肪酸エステル系潤滑性向上剤(エクソン化
学(株)製PARADYNE631)200mg/lを添
加したものである。また、実施例6の軽油は脱ろう脱硫
軽油基材B60部に精製灯油40部を配合し、前述の低
温流動性向上剤200mg/lを添加したもので、実施
例7はこれに上記高級脂肪酸エステル系潤滑性向上剤2
00mg/lを添加したものである。上述の実施例に対
する表2の比較例4の軽油は、脱硫軽油基材A30部に
精製灯油70部を配合し前述の低温流動性向上剤100
mg/lを添加したもので、比較例5はこれに前述の潤
滑性向上剤500mg/lを添加したものである。ま
た、比較例6は脱硫軽油基材B30部に精製灯油70部
を配合し前述の低温流動性向上剤100mg/lを添加
したもので、比較例7の軽油はこれに前述の潤滑性向上
剤500mg/lを添加したものである。
【0031】本発明による実施例は、多環芳香族分が
1.1容量%未満或いは脱ろう脱硫軽油基材が軽油全量
基準で50容量%未満の軽油に比較して、WSD値が低
い。また、潤滑性向上剤を添加することにより、さらに
WSD値を低下させることができる。潤滑性向上剤によ
るWSD値低下効果は、2環以上の多環芳香族分が3.
5容量%以上の場合により有効である。実施例と比較例
の比較から、脱ろう脱硫軽油基材の配合による摩耗防止
効果が大きいことが分る。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表3の脱硫軽油基材Aは、中東系原油の常
圧蒸留装置から得られる硫黄分1.3質量%の直留軽油
を、反応塔水素分圧:3.9×106〜4.9×106
a(約40〜50kgf/cm2)、反応温度:330
〜340℃、LHSV:2.0〜2.5の条件にて、ア
ルミナ坦体/Co−Mo系硫化物触媒を用い水素化脱硫
したものである。また、脱硫軽油基材Bは、上述と同じ
直留軽油を、反応塔水素分圧:5.9×106〜6.9
×106Pa(約60〜70kgf/cm2)、反応温
度:340〜360℃、LHSV:1.5〜2.0の条
件にて、アルミナ坦体/Co−Mo系硫化物触媒を用い
水素化脱硫したものである。
【0036】脱ろう脱硫軽油基材A、Bは、それぞれ上
記脱硫軽油基材A、Bを、反応塔水素分圧:2.0×1
6〜3.9×106Pa(約20〜40kgf/c
2)、反応温度:300〜400℃、LHSV:1.
0〜2.0の条件にて、合成ゼオライト触媒を用い接触
脱ろうしたものである。
【0037】
【発明の効果】上述のように、本発明による軽油は、2
環以上の多環芳香族分が1.1容量%以上、かつ脱ろう
脱硫軽油基材を軽油全量基準で50容量%以上含むもの
であって、寒冷地向けの低硫黄軽油としては優秀な潤滑
性を有するものである。従って、潤滑性向上剤を添加す
る場合であっても、他例に比較してごく少量配合するだ
けでよい。本発明は、環境対策上必要とされる低硫黄化
に対応しつつ、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の燃
料とした場合に燃料噴射装置などの部品に摩耗、焼け付
きなどを起こすことが無く、かつ燃費、始動性、排気ガ
ス特性などに優れた寒冷地向け軽油を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C10G 71/00 C10G 71/00 C10M 101/02 C10M 101/02 C10N 40:25

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄分が0.05質量%以下、2環以上
    の多環芳香族分が1.1〜15.0容量%であって、脱
    ろう脱硫軽油基材を軽油全量基準で50容量%以上含む
    ものであることを特徴とする寒冷地向け低硫黄軽油。
  2. 【請求項2】 潤滑性向上剤を10〜300mg/l配
    合したものであることを特徴とする請求項1記載の寒冷
    地向け低硫黄軽油。
  3. 【請求項3】 水素化脱硫工程と脱ろう工程を組み合わ
    せて硫黄分を0.09質量%以下にした脱ろう脱硫軽油
    基材に、硫黄分が0.015質量%以下の精製灯油を配
    合することを特徴とする請求項1または2に記載の寒冷
    地向け低硫黄軽油の製造方法。
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