JP2001098286A - 軽油組成物 - Google Patents

軽油組成物

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JP2001098286A
JP2001098286A JP28077299A JP28077299A JP2001098286A JP 2001098286 A JP2001098286 A JP 2001098286A JP 28077299 A JP28077299 A JP 28077299A JP 28077299 A JP28077299 A JP 28077299A JP 2001098286 A JP2001098286 A JP 2001098286A
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gas oil
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exhaust gas
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Takashi Hoshino
崇 星野
Koji Oyama
宏次 尾山
Takashi Kaneko
タカシ 金子
Atsushi Akimoto
淳 秋本
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Eneos Corp
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Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排出ガス浄化装置の効果を十分に発揮させ環
境性能を向上させると共に、エンジンの耐久性に影響す
る潤滑性能を向上させることができる軽油組成物を提供
する。 【解決手段】 硫黄分0.005質量%以下であり、か
つ40℃、200kgf/cm2における粘度が2〜6
mPa・sである軽油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽油組成物に関す
る。更に詳しくは、排出ガス浄化装置の効果を十分に発
揮させ環境性能を向上させると共に、エンジンの耐久性
に影響する潤滑性能に優れる軽油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年社
会的に環境問題への関心が高まり、自動車、特にディー
ゼル自動車からの排出ガス抑制が求められている。現在
ディーゼル自動車からの排出ガス抑制は燃焼改善や排出
ガス浄化装置による対応が進められている。特に排出ガ
ス浄化装置による対応はガソリン自動車でも行われてお
り今後主流になっていくと考えられるが、ディーゼル自
動車では浄化性能や耐久面において課題が多く残されて
いる。燃料に対してはこれら排出ガス浄化装置の効果を
十分に発揮するため、性状や組成を改善することが今後
最も重要な項目となっている。特に軽油中の硫黄分は排
出ガス浄化装置の性能を大きく低下させる組成のひとつ
である。しかし燃料性状や組成はエンジン内燃焼や他の
実用性能に対しても大きく影響するため、実用的、総合
的な観点からは変更することが困難となっていた。特に
燃料中の硫黄分を低減した場合、あわせて燃料の潤滑性
能が低下し、エンジンの燃料ポンプ摩耗等エンジン自体
の耐久性に問題を生じることが懸念されており、硫黄分
を低減することが困難となっていた。そこで、本発明
は、このような実状に鑑みなされたものであり、その目
的は、排出ガス浄化装置の効果を十分に発揮させ環境性
能を向上させると共に、エンジンの耐久性に影響する潤
滑性能を向上させることができる軽油組成物を提供する
ことにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、硫黄分0.00
5質量%以下であり、かつ40℃、200kgf/cm
2における粘度が2〜6mPa・sである軽油組成物を用い
た場合、排出ガス浄化装置の性能を十分に引出すことで
排出ガス中の有害成分を抑制しつつ、燃料ポンプの摩耗
を防ぎエンジンの性能さらには耐久性を向上させること
を見出し本発明を完成させるに至った。
【0004】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明の軽油組成物は、硫黄分0.005質量
%以下であり、かつ40℃、200kgf/cm2にお
ける粘度(以下、単に「高圧粘度」という。)が2〜6
mPa・sであることが必要である。本発明の軽油組成物
の硫黄分は、排出ガスの後処理装置の耐久性やエンジン
内部の腐食を抑える点から、0.005質量%以下であ
ることが必要であり、好ましくは0.001質量%以下
である。本発明において、硫黄分とはJIS K 25
41「硫黄分試験方法」により測定される硫黄分の含有
量を意味している。また、本発明の軽油組成物は、高圧
粘度が2〜6mPa・sであることが必要である。高圧粘
度の下限値は、低すぎると燃料ポンプの潤滑性が低下し
燃料ポンプの駆動トルク上昇を起こす可能性があること
から、2mPa・s以上であることが必要であり、好まし
くは2.5mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上
である。一方、高圧粘度の上限値は、高すぎるとせん断
抵抗が大きくなりやはり燃料ポンプの駆動トルク上昇を
起こす可能性があることから、6mPa・s以下であるこ
とが必要であり、好ましくは5mPa・s以下、より好ま
しくは4.5mPa・s以下である。本発明において、高
圧粘度とは落体式粘度計を用いて油温40℃、圧力20
0kg/cm2の条件にて測定される粘度を意味してい
る。
【0005】本発明の軽油組成物の蒸留性状については
特に制限はない。しかし、下記の性状を満たしているこ
とが望ましい。 初留点 :135〜200℃ 10容量%留出温度(T10):155〜230℃ 30容量%留出温度(T30):175〜260℃ 50容量%留出温度(T50):190〜300℃ 70容量%留出温度(T70):220〜330℃ 90容量%留出温度(T90):290〜350℃ 95容量%留出温度(T95):310〜360℃ 蒸留終点 :330〜370℃ 軽油組成物の初留点の下限値は、低すぎると一部の軽質
留分が気化して噴霧範囲が広がりすぎ、未燃分として排
ガスに同伴される炭化水素量が増加する恐れがあること
から、135℃以上が好ましく、より好ましくは140
℃以上、さらにより好ましくは145℃以上である。一
方、初留点の上限値は、高すぎると低温始動性及び低温
運転性に不具合を生じる可能性があることから、200
℃以下であることが好ましい。軽油組成物のT10の下限
値は、低すぎると初留点が低すぎる場合と同様な理由か
ら、排ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸念される
ため、155℃以上が好ましく、より好ましくは165
℃以上である。一方、T10の上限値は、高すぎると低温
始動性及び低温運転性に不具合を生じる心配があること
から、230℃以下であることが好ましい。軽油組成物
のT30の下限値は、低すぎると上述と同じ理由から、排
ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸念されるため1
75℃以上が好ましく、より好ましくは180℃以上、
さらにより好ましくは185℃以上である。一方、T30
の上限値は、高すぎると低温始動性及び低温運転性に不
具合を生じる可能性があることから、260℃以下であ
ることが好ましい。軽油組成物のT50の下限値は、燃費
及びエンジン出力の面から、190℃以上が好ましく、
より好ましくは195℃以上、さらにより好ましくは2
00℃以上である。一方、T50の上限値は、排出ガス中
の粒子状物質(PM)濃度を増加させないために、30
0℃以下であることが好ましい。軽油組成物のT70の下
限値は、上記T50と同様T70は燃費とエンジン出力を左
右するため、燃費をより向上させ、エンジンの出力をよ
り高めるために、220℃以上が好ましく、より好まし
くは225℃以上、さらにより好ましくは230℃以上
である。一方、T70の上限値は、低温運転性の点から及
び排出ガス中のPM濃度を増加させないために、330
℃以下であることが好ましい。軽油組成物のT90の下限
値は、燃料噴射ポンプにおける潤滑性の点から、290
℃以上が好ましく、より好ましくは300℃以上であ
る。一方、T90の上限値は、低温運転性の点から及び排
出ガス中のPM濃度を増加させないために、350℃以
下であることが好ましい。軽油組成物のT95の下限値
は、燃料噴射ポンプにおける潤滑性の点から、310℃
以上が好ましい。一方、T95の上限値は、低温運転性の
点から及び排出ガス中のPM濃度を増加させないため
に、360℃以下であることが好ましい。軽油組成物の
蒸留終点の下限値は、燃料噴射ポンプにおける潤滑性の
点から、330℃以上が好ましい。一方、蒸留終点のの
上限値は、低温運転性の点から及び排出ガス中のPM濃
度を増加させないためには、370℃以下であることが
好ましい。本発明において、蒸留性状(初留点、T10
30、T50、T70、T90、T95、蒸留終点)は、全てJ
IS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によっ
て測定される値である。
【0006】本発明の軽油組成物のセタン指数、セタン
価については特に制限はない。しかし、排出ガス中のN
Ox、PM、アルデヒドの各濃度をより低減させること
ができることから、セタン指数は45以上であることが
好ましく、より好ましくは48以上、最も好ましくは5
0以上である。セタン価は45以上であることが好まし
く、より好ましくは48以上、最も好ましくは50以上
である。本発明において、セタン指数とは、JIS K
2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン
価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数
方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出し
た価を意味している。また、セタン価とは、JIS K
2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン
価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「7.セタン
価試験方法」に準拠して測定されるセタン価を意味して
いる。本発明の軽油組成物の動粘度については特に制限
はない。しかし、燃料噴射時期の制御及びエンジンに付
設された分配型燃料噴射ポンプの潤滑性の点から、30
℃における動粘度の下限値は、1.7mm2/s以上で
あることが好ましく、より好ましく1.9mm2/s以
上、最も好ましくは2.0mm2/s以上である。ま
た、30℃における動粘度の上限値は、排出ガス中のP
M濃度を増加させないためにも、また低温での始動性に
及ぼす影響を小さくさせるためにも、6.0mm2/s
以下であることが好ましく、より好ましくは5.0mm
2/s以下、最も好ましくは4.5mm2/s以下であ
る。本発明において、動粘度とはJIS K 2283
「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出
方法」により測定される動粘度を意味している。本発明
の軽油組成物の15℃における密度については特に制限
はない。しかし、燃料消費率及び加速性をより向上させ
ることができることから、その下限値は800kg/m
3以上であることが好ましい。一方、15℃における密
度の上限値は、排出ガス中のPM濃度をより低下させる
ことができることから、860kg/m3以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは850kg/m3以下で
ある。本発明において、密度とはJIS K 2249
「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・
容量換算表」により測定される密度を意味している。本
発明の軽油組成物において、飽和分、オレフィン分及び
芳香族分の各含有量については特に制限はないが、下記
を満たすことが望ましい。 飽和分含有量 :60〜95容量% オレフィン分含有量:5容量%以下 芳香族分含有量 : 5〜40容量% 軽油組成物の飽和分含有量の下限値は、排出ガス中のN
Ox及びPMの各濃度を低下させることから、60容量
%以上であることが好ましく、より好ましくは70容量
%以上であり、さらにより好ましくは75容量%以上で
ある。一方、飽和分含有量の上限値は、低温始動性及び
低温運転性を良好に維持することから、95容量%以下
であることが好ましく、より好ましくは90容量%以
下、さらにより好ましくは80容量%以下である。軽油
組成物のオレフィン分含有量は、当該組成物の安定性の
観点から、5容量%以下が好ましく、より好ましくは3
容量%以下、最も好ましくは1容量%以下である。軽油
組成物の芳香族分含有量の下限値は、燃料消費率及びエ
ンジン出力に関係することから、一般的には5容量%以
上が好ましく、より好ましくは10容量%以上、さらに
より好ましくは20容量%以上、最も好ましくは25容
量%以上である。一方、芳香族分含有量の上限値は、排
出ガスに含まれるNOx及びPMの各濃度に関係するこ
とから、40容量%以下であることが好ましく、より好
ましくは35容量%以下、最も好ましくは30%以下で
ある。本発明において、飽和分含有量、オレフィン分含
有量及び芳香族分含有量は、JIS K 2536に規
定する「石油製品−成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法
に準拠して測定される飽和分、オレフィン分及び芳香族
分の容量百分率(容量%)を意味している。本発明の軽
油組成物の流動点(PP)については特に制限はない。
しかし、低温始動性ないしは低温運転性の点から、PP
は0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−5
℃以下、最も好ましくは−10℃以下である。本発明に
おいてPPとは、JIS K 2269「原油及び石油
製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測
定される流動点を意味している。本発明の軽油組成物の
目詰まり点(CFPP)については特に制限はない。し
かし、一般的には軽油組成物のCFPPは0℃以下であ
ることが好ましく、より好ましくは−5℃以下、さらに
より好ましくは−10℃以下、最も好ましくは−20℃
以下である。本発明においてCFPPとは、JIS K
2288「軽油−目詰まり点試験方法」により測定さ
れる目詰まり点を意味している。本発明の軽油組成物の
曇り点(CP)については特に制限はない。しかし、低
温始動性ないしは低温運転性の点から、CPは0℃以下
であることが好ましい。本発明においてCPとは、JI
S K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石
油製品曇り点試験方法」により測定される流動点を意味
している。
【0007】本発明の軽油組成物は、硫黄分及び高圧粘
度が規定値となっていれば良く、その製造方法は特に限
定されず従来周知の任意の方法を採用することができ、
軽油基材を1種又は2種以上使用し、必要に応じて添加
剤を配合して製造される。本発明において軽油基材とし
ては、具体的には例えば、原油の常圧蒸留装置から得ら
れる直留軽油;常圧蒸留装置から得られる直留重質油や
残査油を減圧蒸留装置にかけて得られる減圧軽油;減圧
蒸留装置から得られる減圧軽油を水素化精製して得られ
る水素化精製軽油;直留軽油を通常の水素化精製より苛
酷な条件で一段階又は多段階で水素化脱硫して得られる
水素化脱硫軽油;脱硫又は未脱硫の減圧軽油、減圧重質
軽油あるいは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解
軽油;原油の常圧蒸留により得られる直留灯油;直留灯
油を水素化精製して得られる水素化精製灯油;原油の常
圧蒸留によって得られる軽油留分を分解して得られる分
解灯油等が挙げられ、これら基材の1種もしくは2種以
上が使用可能である。
【0008】添加剤としては、まず潤滑性向上剤、セタ
ン価向上剤、清浄剤等が挙げられる。潤滑性向上剤とし
ては、例えば、カルボン酸系、エステル系、アルコール
系及びフェノール系の各潤滑性向上剤等が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上が任意に使用可能である。この
中でも、カルボン酸系、エステル系の潤滑性向上剤が好
ましい。カルボン酸系の潤滑性向上剤としては、例え
ば、リノ−ル酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン
酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸等が挙げられ、これ
らの1種又は2種以上が任意に使用可能である。エステ
ル系の潤滑性向上剤としては、例えば、グリセリンのカ
ルボン酸エステル等が挙げられる。カルボン酸エステル
を構成するカルボン酸は、1種であっても2種以上であ
ってもよく、その具体例としては、リノ−ル酸、オレイ
ン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキ
サデセン酸等が挙げられる。潤滑性向上剤の含有量は特
に制限はない。しかし、潤滑性向上剤の効能を引き出す
ためには、具体的には、分配型噴射ポンプを搭載したデ
ィーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプの駆動トル
ク増を抑制し、ポンプの摩耗を低減させるためには、潤
滑性向上剤の配合量の下限値は、軽油組成物全量基準で
35質量ppm以上であることが好ましく、50質量p
pm以上であることがより好ましい。そして、配合量の
上限値はそれ以上加えても添加量に見合う効果が得られ
ないことから、150質量ppm以下であることが好ま
しく、100質量ppm以下であることがより好まし
い。なお、潤滑性向上剤と称して市販されている商品
は、それぞれ潤滑性向上に寄与する有効成分が適当な溶
剤で希釈された状態で入手されるのが通例である。こう
した市販品を本発明の軽油組成物に配合した場合にあっ
ては、潤滑性向上剤に関して上述した配合量は、有効成
分としての配合量を意味している。
【0009】本発明でいうセタン価向上剤には、当業界
でセタン価向上剤として知られる各種の化合物を任意に
使用することができ、例えば、硝酸エステルや有機過酸
化物等が使用可能である。しかし、本発明のセタン価向
上剤としては、硝酸エステルを用いることが好ましい。
硝酸エステルには、2−クロロエチルナイトレート、2
−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレ
ート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、
第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第
一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、
n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレー
ト、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシル
ナイトレート、エチレングリコールジナイトレート等の
種々のナイトレート等が包含される。この中でも、炭素
数6〜8のアルキルナイトレートが好ましい。また、セ
タン価向上剤としては1種の単一の化合物を用いても良
く、また、2種以上の化合物を組み合わせて用いても良
い。本発明の軽油組成物におけるセタン価向上剤の含有
量は特に制限はない。しかし、その下限値は、ディーゼ
ルエンジン排出ガスのNOx濃度、PM濃度、アルデヒ
ド濃度等をより低減させることができることから、軽油
組成物全量基準で500質量ppm以上であることが好
ましく、より好ましくは600質量ppm以上、さらに
より好ましくは700質量ppm以上、さらに一層より
好ましくは800質量ppm以上、最も好ましくは90
0質量ppm以上である。一方、セタン価向上剤の含有
量の上限値は、軽油組成物全量基準で、1400質量p
pm以下であることが好ましく、より好ましくは125
0質量ppm以下、さらにより好ましくは1100質量
ppm以下、最も好ましくは1000質量ppm以下で
ある。なお、セタン価向上剤と称して市販されている商
品は、セタン価向上に寄与する有効成分、つまり、セタ
ン価向上剤を適当な溶剤で希釈した状態で入手されるの
が通例である。こうした市販品を使用して本発明の軽油
組成物を調製する場合には、上記セタン価向上剤の含有
量は軽油組成物中の前記有効成分の含有量を表す。
【0010】本発明でいう清浄剤としては、例えば、イ
ミド系化合物;ポリブテニルコハク酸無水物とエチレン
ポリアミン類とから合成されるポリブテニルコハク酸イ
ミド等のアルケニルコハク酸イミド;ペンタエリスリト
ール等の多価アルコールとポリブテニルコハク酸無水物
から合成されるポリブテニルコハク酸エステル等のコハ
ク酸エステル;ジアルキルアミノエチルメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピ
ロリドン等とアルキルメタクリレートとのコポリマー等
の共重合系ポリマー、カルボン酸とアミンの反応生成物
等の無灰清浄剤等が挙げられ、これらの中の任意の1種
又は2種以上が使用可能である。これらの中でも、アル
ケニルコハク酸イミド及びカルボン酸とアミンとの反応
生成物が好ましい。アルケニルコハク酸イミドとして
は、分子量1000〜3000程度のアルケニルコハク
酸イミドを単独使用する場合と、分子量700〜200
0程度のアルケニルコハク酸イミドと分子量10000
〜20000程度のアルケニルコハク酸イミドとを混合
したもの等が挙げられる。カルボン酸とアミンとの反応
生成物を構成するカルボン酸は1種であっても2種以上
であってもよく、その具体例としては、炭素数12〜2
4の脂肪酸及び炭素数7〜24の芳香族カルボン酸等が
挙げられる。炭素数12〜24の脂肪酸としては、リノ
ール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
た、炭素数7〜24の芳香族カルボン酸としては、安息
香酸、サリチル酸等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。また、カルボン酸とアミンとの反応生
成物を構成するアミンは、1種であっても2種以上であ
っても良い。ここで用いられるアミンとしては、オレイ
ルアミンが代表的であるが、これに限定されるものでは
なく、各種アミンが使用可能である。清浄剤の配合量は
特に制限はない。しかし、清浄剤を配合した効果、具体
的には、燃料噴射ノズルの閉塞抑制効果を引き出すため
には、清浄剤の配合量の下限値は、組成物全量基準で3
0質量ppm以上であることが好ましく、より好ましく
は60質量ppm以上、最も好ましくは80質量ppm
以上である。一方、清浄剤の配合量の上限値は、配合量
が多すぎても、それに見合う効果が期待できず、逆にデ
ィーゼルエンジン排出ガス中のNOx、PM、アルデヒ
ド等を増加させる恐れがあることから、300質量pp
m以下であることが好ましく、より好ましくは180質
量ppm以下である。清浄剤の配合量が30質量ppm
に満たない場合には添加しても効果が現れない可能性が
あり好ましくない。なお、先のセタン価向上剤の場合と
同様、清浄剤と称して市販されている商品は、それぞれ
清浄に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈された状態
で入手されるのが通例である。こうした市販品を本発明
の軽油組成物に配合した場合にあっては、清浄剤に関し
て上述した配合量は、有効成分としての配合量を意味し
ている。
【0011】さらに、本発明の軽油組成物には、他の性
能をさらに高める目的でその他の公知の燃料油添加剤を
単独で、又は数種類組み合わせて添加することもでき
る。これら添加剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アルケニルコハク酸アミド等の低温流動
性向上剤;フェノール系、アミン系等の酸化防止剤;サ
リチリデン誘導体等の金属不活性化剤;ポリグリコール
エーテル等の氷結防止剤;脂肪族アミン、アルケニルコ
ハク酸エステル等の腐食防止剤;アニオン系、カチオン
系、両性系界面活性剤等の帯電防止剤;アゾ染料等の着
色剤;シリコン系等の消泡剤等が挙げられる。これらそ
の他の添加剤の添加量は任意に決めることができるが、
添加剤個々の添加量は、軽油組成物全量基準でそれぞれ
0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下である
のが通常である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるも
のではない。実施例1〜3及び比較例1〜2 表1に示す性状を有する各種(実施例1〜3及び比較例
1〜2)の軽油組成物をそれぞれ製造した。これら各試
料油(軽油組成物)について、エンジン単体を用いて排
出ガス評価及び耐久運転後の噴射ポンプ駆動トルク評価
を下記の方法により行った。その結果を表1に併記し
た。
【0013】排出ガス評価 下記車両を用いて10.15モード試験を行い、排出ガ
ス性能評価としてPMとTHCを測定した。PMは堀場
製作所製のダイリュウショントンネルを用いて、フィル
ター上に捕集し、PMの重量を測定した。THCは希釈
後の排出ガスを水素炎イオン化検出法で測定を行った。 (試験車両) エンジン :直列4気筒 DOHC 排気量 :2.5L 噴射方式 :直噴式 噴射ポンプ :分配型電子制御噴射ポンプ 噴射ノズル開弁圧 :200kgf/cm2 後処理 :酸化触媒 触媒容量 :2L耐久噴射ポンプ駆動トルク評価 排気量2Lの4気筒エンジンを使用し、回転数4200
rpm、4/4負荷の条件において3時間連続運転を行
い、試験前後の噴射ポンプ駆動トルクを測定した。噴射
ポンプの駆動トルクは、噴射ポンプ単体でトルクレンチ
を用いて、ポンプが回転するトルクとして測定した。試
験前に比べて試験後の噴射ポンプ駆動トルクが2kgf
・m以上増加した場合、不合格とした。
【0014】
【表1】
【0015】表1の結果から明らかなように、本発明に
かかる実施例1〜3の軽油組成物は、いずれも排出ガス
性能が良く近年の高性能エンジンへ十分な性能を持ち、
かつ噴射ポンプの耐久性に対しても良好なことが分か
る。これに対して、高圧粘度が規定範囲でない比較例1
〜2は排出ガス性能が悪く、かつ噴射ポンプの駆動トル
クが上昇する。
【0016】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、排出ガス
浄化装置の効果を十分に発揮させ環境性能を向上させる
と共に、エンジンの耐久性に影響する潤滑性能を向上さ
せる軽油組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 タカシ 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 秋本 淳 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄分0.005質量%以下であり、か
    つ40℃、200kgf/cm2における粘度が2〜6
    mPa・sである軽油組成物。
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