JP5537961B2 - 軽油組成物 - Google Patents
軽油組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5537961B2 JP5537961B2 JP2010006935A JP2010006935A JP5537961B2 JP 5537961 B2 JP5537961 B2 JP 5537961B2 JP 2010006935 A JP2010006935 A JP 2010006935A JP 2010006935 A JP2010006935 A JP 2010006935A JP 5537961 B2 JP5537961 B2 JP 5537961B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light oil
- volume
- oil composition
- density
- range
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
- Lubricants (AREA)
Description
特許文献1には、水素化分解軽油(HCGO)基材を有効に利用した技術であり、環境負荷が少なく(低硫黄分)、かつゴムの収縮を生じない低硫黄軽油及びその製造方法が開示されている。また、特許文献2には、高圧噴射装置で使用可能な特定組成のディーゼルエンジン用燃料油組成物が開示されている。
本発明は、このような状況下、低炭素(低CO2 の排出量)で、かつ運転性(加速性、始動性)が良好な環境対応型軽油組成物を提供するものである。
〔1〕以下の(1)〜(7)の性状を有する軽油組成物、
(1)密度(15℃):0.830〜0.840g/cm3
(2)芳香族分含有量:13〜19容量%
(3)硫黄分含有量:6質量ppm以下
(4)動粘度(30℃):4.6〜6.0mm2/s
(5)セタン指数:55〜70
(6)セタン価:57以上
(7)蒸留性状
T10:205〜265℃
T50:280〜320℃
T90:350〜365℃
[3]前記脱硫灯油(DK)の15℃における密度が0.780〜0.810g/cm3、セタン指数が40〜60であり、前記脱ろう軽油(DWGO)の15℃における密度が0.820〜0.860g/cm3、セタン指数が50〜70であり、かつ前記水素化分解軽油(HCGO)の密度が0.800〜0.850g/cm3、セタン指数が55〜78であることを特徴とする上記[2]に記載の軽油組成物、及び
〔4〕燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に用いられる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の軽油組成物、
に関する。
すなわち、(1)15℃における密度は、0.825〜0.840g/cm3であり、この範囲であると、燃費を良好に保つことができ、燃焼性を良好にし、排気ガス中の全炭化水素(THC)、一酸化炭素(CO)及び粒子状物質(PM)の発生を抑制することができるとともに、エンジンの出力低下を生じさせることもない。この点から、15℃における密度は、0.830〜0.840g/cm3であることが好ましい。
上記密度は、JIS K 2249の「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」に従って測定した値である。
なお、上記芳香族分含有量は、石油学会規格JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に従って測定した値である。
なお、硫黄分含有量は、JIS K 2541−2の「原油及び石油製品−硫黄分試験方法−微量電量滴定式酸化法」に従って測定した値である。
本発明の軽油組成物は、上述のように、密度と動粘度の値のバランスを最適化したことから、燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車においても、加速性や始動性などの運転性能が良好で、かつ、密度が高く、芳香族分含有量が低いため、環境性能も良好になる。
なお、上記30℃における動粘度は、JIS K 2283の「原油及び石油製品−同粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に従って測定した値である。
なお、セタン指数は、JIS K2280の「オクタン価及びセタン価試験方法ならびにセタン指数算出方法」によって測定され算出される値である。
なお、セタン価は、JIS K2280の「オクタン価及びセタン価試験方法ならびにセタン指数算出方法」によって測定され算出される値である。
T10:205〜265℃
T50:280〜320℃
T90:340〜370℃
なお、上記T10ないしT90は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」に基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
(8)曇り点(CP)(JIS K 2269に準拠して測定):低温流動性の確保の観点から、5℃以下、より好ましくは3℃以下
(9)目詰まり点(CFPP)(JIS K 2288に準拠して測定):低温流動性の確保の観点から、−8℃以下、より好ましくは−10℃以下
(10)流動点(JIS K 2269に準拠して測定):低温流動性の確保の観点から、−10℃以下、より好ましくは−12.5℃以下
上記本発明の軽油組成物は、上記性状及び組成を有し、優れた加速性、始動性等の運転性能を得る観点から、脱硫灯油(DK)を0〜25容量%、脱ろう軽油(DWGO)を60〜85容量%、水素化分解軽油(HCGO)を10〜30容量%含有することが好ましい。
本発明の軽油組成物は、動粘度を高く保つにはDKが少ないほうが良いことから、DKを0〜25容量%含有することが好ましく、一方、低温流動性維持の観点からは、上記DKを少なくとも5容量%は混合することが好ましいことから、上記DKを本発明の軽油組成物中に5〜25容量%含有することがより好ましく、5〜20容量%含有することがより好ましく、5〜15容量%含有することが更に好ましい。DK量を調整することで前記動粘度の値が調整され、DKの量が少ない程、動粘度が高くまた密度も高い。
また、DWGOの15℃における密度は0.820〜0.860g/cm3の範囲であることが好ましく、さらには0.820〜0.850g/cm3の範囲であることが好ましい。この範囲であると製品軽油の密度が抑制され、排気ガス中の粒子状物質(PM)が低減するなど、排気性状が良好となる。次に30℃における動粘度は2.0〜6.0mm2/sの範囲であることが好ましく、またセタン指数が50〜70の範囲であることが好ましい。
本発明における軽油組成物は、動粘度を高くし、適度に密度を抑える観点から、上記HCGOを10〜30容量%含有することが好ましく、13〜27容量%含有することがより好ましく、13〜25容量%含有することがより好ましく、15〜26容量%含有することがより好ましく、15〜22容量%含有することが更に好ましい。
本発明の軽油組成物は、密度と動粘度のバランスを最適化したセタン指数の高い軽油組成物であることから、燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に適したものであり、環境対応型軽油として好適に使用しうるものである。
〔軽油組成物の性状と組成〕
(1)密度
JIS K 2249に準拠して測定した。
(2)芳香族分含有量
石油学会規格JPI−5S−49−97に準拠して測定した。
(3)硫黄分含有量
JIS K 2541−2に準拠して測定した。
(4)動粘度
JIS K 2283に準拠して測定した。
(5)セタン指数
JIS K 2280に準拠して測定した。
JIS K 2280に準拠して測定した。
(7)蒸留性状
JIS K 2254により測定した。
(8)曇り点(CP)
JIS K 2269に準拠して測定した。
(9)目詰まり点(CFPP)
JIS K 2288に準拠して測定した。
(10)流動点
JIS K 2269に準拠して測定した。
表1に示す仕様の試験車両を用いて、図1に示す試験運転モードで、発進全開加速性能および追越全開加速性能を評価した。
図1に示す試験運転モードの繰り返しにより、0km/hから80km/hまでの発進全開加速性能、および40km/hから80km/hまでの追越全開加速性能を、外気温20℃で評価した。アクセル制御は、明電舎製の運転ロボットを用い、暖機条件としては、ATF温度が100℃以上になった時点で試験を開始した。
表2に示す仕様の試験車両を用いて、環境温度−10℃における始動性の評価を行った。始動時の操作としては,ニュートラルギア、アクセル全開の状態で、キーイン後直ちにエンジン始動操作を行った。評価項目としては、始動時間を測定し、始動時間は図2に示すとおり、計測したバッテリ電圧をもとに、始動操作によるクランキングの開始から、クランキングによるバッテリ電圧の振幅が消滅するまでの時間とした。
表3に示した性状及び組成を有する各基材を、表4に示す割合で混合して、軽油組成物を調製した。その性状及び組成を表4に示す。
通常、動粘度が高い軽油では、ディーゼルエンジン筒内での燃焼性や、燃料噴射時の霧化性能が悪化し、加速性が悪化する傾向にあるが、本発明の高動粘度軽油組成物では、密度を大きくすることにより、単位時間あたりにディーゼルエンジン筒内に投入される燃料重量、および発熱量を上昇させたことによって、動粘度の影響を上回る発進全開加速性能を発揮することができたものである。
同様に、各実施例は比較例よりも40−80km/h(追越全開加速試験)でも加速時間が短縮し、追越全開加速性能が向上していることがわかる。
表3に示した性状及び組成を有する各基材を、表5に示す割合で混合して、軽油組成物を調製した。その性状及び組成を表5に示す。
通常、コモンレール形式のディーゼルエンジンにおいては、動粘度が低下すると、燃料の微粒化が過度に促進され、空気との混合が十分でなくなるため、燃焼性が悪化し、始動性が悪化する傾向にある。しかし、本発明の軽油組成物においては、動粘度を調整することにより、燃焼性が悪化せず、始動性を向上させることに成功している。
Claims (4)
- 以下の(1)〜(7)の性状を有する軽油組成物
(1)密度(15℃):0.830〜0.840g/cm3
(2)芳香族分含有量:13〜19容量%
(3)硫黄分含有量:6質量ppm以下
(4)動粘度(30℃):4.6〜6.0mm2/s
(5)セタン指数:55〜70
(6)セタン価:57以上
(7)蒸留性状
T10:205〜265℃
T50:280〜320℃
T90:350〜365℃ - 脱硫灯油(DK)を0〜25容量%、脱ろう軽油(DWGO)を60〜85容量%、及び水素化分解軽油(HCGO)を10〜30容量%含有することを特徴とする請求項1に記載の軽油組成物。
- 前記脱硫灯油(DK)の15℃における密度が0.780〜0.810g/cm3、セタン指数が40〜60であり、前記脱ろう軽油(DWGO)の15℃における密度が0.820〜0.860g/cm3、セタン指数が50〜70であり、かつ前記水素化分解軽油(HCGO)の密度が0.800〜0.850g/cm3、セタン指数が55〜78であることを特徴とする請求項2に記載の軽油組成物。
- 燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の軽油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010006935A JP5537961B2 (ja) | 2009-08-07 | 2010-01-15 | 軽油組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009184444 | 2009-08-07 | ||
JP2009184444 | 2009-08-07 | ||
JP2010006935A JP5537961B2 (ja) | 2009-08-07 | 2010-01-15 | 軽油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011052199A JP2011052199A (ja) | 2011-03-17 |
JP5537961B2 true JP5537961B2 (ja) | 2014-07-02 |
Family
ID=43941518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010006935A Active JP5537961B2 (ja) | 2009-08-07 | 2010-01-15 | 軽油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5537961B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016148007A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | 出光興産株式会社 | ディーゼル燃料油組成物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3886549B2 (ja) * | 1994-12-07 | 2007-02-28 | 出光興産株式会社 | 燃料組成物 |
JP2001158890A (ja) * | 2000-12-15 | 2001-06-12 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 燃料組成物 |
JP3990231B2 (ja) * | 2002-08-20 | 2007-10-10 | 新日本石油株式会社 | 軽油組成物 |
JP2004244628A (ja) * | 2003-01-20 | 2004-09-02 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 低硫黄軽油及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-01-15 JP JP2010006935A patent/JP5537961B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011052199A (ja) | 2011-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006342235A (ja) | ディーゼルエンジン用燃料油組成物 | |
JP5432521B2 (ja) | ガソリン組成物 | |
JP4460200B2 (ja) | 燃料油基材およびそれを含有する軽油組成物 | |
JP2005054102A (ja) | ガソリン | |
KR101280850B1 (ko) | 경유 조성물 | |
EP3397735A1 (en) | Fuel oil "a" composition | |
JP2011105958A (ja) | 軽油組成物の製造方法 | |
JP2004315604A (ja) | 予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物 | |
JP4815251B2 (ja) | 軽油組成物 | |
JP2005220329A (ja) | 軽油組成物 | |
JP5537961B2 (ja) | 軽油組成物 | |
JP5084583B2 (ja) | 軽油組成物の製造方法 | |
JP2005220330A (ja) | 軽油組成物 | |
JP4938333B2 (ja) | ガソリン組成物 | |
JP4052773B2 (ja) | 軽油組成物 | |
JP2004244628A (ja) | 低硫黄軽油及びその製造方法 | |
JP4914629B2 (ja) | 軽油組成物 | |
JP4119190B2 (ja) | 軽油組成物及びその製造方法 | |
JP4659380B2 (ja) | ガソリン組成物 | |
JP2007269859A (ja) | 軽油組成物 | |
JP4926514B2 (ja) | 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物 | |
JP2007270038A (ja) | ガソリン組成物 | |
JP3949501B2 (ja) | 燃料油組成物 | |
JP2001098285A (ja) | 軽油組成物 | |
JP5154813B2 (ja) | 燃料油組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120713 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130716 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20140408 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5537961 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140428 |