JP5537961B2 - 軽油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料直接噴射方式等のディーゼルエンジン車に適した軽油組成物に関する。
近年、地球温暖化の観点から低炭素燃料(CO2 排出量が少ない燃料)が求められている。一方、ディーゼルエンジン車においても粒子状物質(PM)や低NOx排出の観点からコモンレール方式等の燃料高圧噴射方式の高性能ディーゼルエンジン車が開発の主流となっている。しかし、加速性や低温時の冷機始動性の面からはまだ不十分であり、さらなる向上が求められている。
特許文献1には、水素化分解軽油(HCGO)基材を有効に利用した技術であり、環境負荷が少なく(低硫黄分)、かつゴムの収縮を生じない低硫黄軽油及びその製造方法が開示されている。また、特許文献2には、高圧噴射装置で使用可能な特定組成のディーゼルエンジン用燃料油組成物が開示されている。
特開2004−244628号公報 特開2008−138144号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術では、CO2 排出量の観点からの環境性能については不十分であり、ディーゼルエンジン車の運転性能という観点からも十分ではなかった。また、特許文献2記載の燃料油組成物は、動粘度が低いことから、加速性、始動性等の運転性能が十分ではなかった。
本発明は、このような状況下、低炭素(低CO2 の排出量)で、かつ運転性(加速性、始動性)が良好な環境対応型軽油組成物を提供するものである。
本発明は、
〔1〕以下の(1)〜(7)の性状を有する軽油組成物、
(1)密度(15℃):0.830〜0.840g/cm3
(2)芳香族分含有量:13〜19容量%
(3)硫黄分含有量:質量ppm以下
(4)動粘度(30℃):4.6〜6.0mm2/s
(5)セタン指数:55〜70
(6)セタン価:57以上
(7)蒸留性状
T10:205〜265℃
T50:280〜320℃
T90:350〜365
〔2〕脱硫灯油(DK)を0〜25容量%、脱ろう軽油(DWGO)を60〜85容量%、及び水素化分解軽油(HCGO)を10〜30容量%含有することを特徴とする上記[1]に記載の軽油組成物、
[3]前記脱硫灯油(DK)の15℃における密度が0.780〜0.810g/cm3、セタン指数が40〜60であり、前記脱ろう軽油(DWGO)の15℃における密度が0.820〜0.860g/cm3、セタン指数が50〜70であり、かつ前記水素化分解軽油(HCGO)の密度が0.800〜0.850g/cm3、セタン指数が55〜78であることを特徴とする上記[2]に記載の軽油組成物、及び
〔4〕燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に用いられる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の軽油組成物、
に関する。
本発明によれば、動粘度及びセタン価、セタン指数が高い軽油組成物が得られることから、燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に使用しても運転性(加速性、始動性)に優れ、かつ密度が高く、芳香族分含有量が少ないため、環境性能も良好な軽油組成物を提供することができる。
実施例の加速試験で使用した試験運転モードを示す。 実施例の始動性試験で使用した試験運転モードを示す。
本発明の軽油組成物は上記(1)〜(7)の性状を有する。
すなわち、(1)15℃における密度は、0.825〜0.840g/cm3であり、この範囲であると、燃費を良好に保つことができ、燃焼性を良好にし、排気ガス中の全炭化水素(THC)、一酸化炭素(CO)及び粒子状物質(PM)の発生を抑制することができるとともに、エンジンの出力低下を生じさせることもない。この点から、15℃における密度は、0.830〜0.840g/cm3であることが好ましい。
上記密度は、JIS K 2249の「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」に従って測定した値である。
また、(2)芳香族分含有量は13〜20容量%であり、上記範囲内にあれば、排気ガス浄化触媒による排気ガスの浄化性能を向上させることができ、排気ガス中のTHC、CO及びPMの増加を抑制することができ、環境性能に優れる。この点から、芳香族分含有量は13〜19容量%であることがより好ましい。
なお、上記芳香族分含有量は、石油学会規格JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に従って測定した値である。
本発明の軽油組成物においては、(3)硫黄分含有量が10質量ppm以下である。硫黄分含有量を10質量ppm以下とすることで、排気ガス中のSOx濃度を減少さることができ環境性能に優れ、さらには排気ガス浄化触媒への負担を小さくすることによって、該触媒の寿命を延長させることができる。また排気ガス中の粒子状物質(PM)に含まれる硫酸塩の含有量を減少させることができる。このような観点から、軽油組成物中の硫黄分含有量は、8質量ppm以下であることがより好ましく、6質量ppm以下であることが更に好ましい。
なお、硫黄分含有量は、JIS K 2541−2の「原油及び石油製品−硫黄分試験方法−微量電量滴定式酸化法」に従って測定した値である。
また、本発明の軽油組成物の(4)動粘度(30℃)は4.6〜6.0mm2/sである。動粘度が上記範囲であれば、潤滑性維持と適正噴霧の確保の点で好ましく、加速性や始動性などの運転性能に優れる。この点で、上記動粘度は4.7〜5.7mm2/sであることが好ましく、4.8〜5.7mm2/sであることがより好ましく、5.0〜5.7mm2/sであることが更に好ましい。
本発明の軽油組成物は、上述のように、密度と動粘度の値のバランスを最適化したことから、燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車においても、加速性や始動性などの運転性能が良好で、かつ、密度が高く、芳香族分含有量が低いため、環境性能も良好になる。
なお、上記30℃における動粘度は、JIS K 2283の「原油及び石油製品−同粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に従って測定した値である。
更に本発明の軽油組成物においては、(5)セタン指数が55〜70である。セタン指数が上記範囲内であれば、ディーゼル燃料に使用した場合、異常燃焼によるディーゼルノックを生ずる恐れがなく、排気ガス中のNOxやPMの増大を抑制することができ、環境性能に優れる。このように、本発明の軽油組成物は、セタン指数が高いことから、燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車においても、加速性や始動性などの運転性能が良好である。上記観点から、上記セタン指数は、56〜70であることが好ましく、より好ましくは57〜70であり、更に好ましくは58〜70である。
なお、セタン指数は、JIS K2280の「オクタン価及びセタン価試験方法ならびにセタン指数算出方法」によって測定され算出される値である。
また、本発明の軽油組成物の(6)セタン価は57以上である。セタン価がこの範囲であることにより、排気ガスの浄化性能を向上させることができる。この点から、セタン価は57〜65であることが好ましい。
なお、セタン価は、JIS K2280の「オクタン価及びセタン価試験方法ならびにセタン指数算出方法」によって測定され算出される値である。
本発明の軽油組成物の(7)蒸留性状は以下の通りである。
T10:205〜265℃
T50:280〜320℃
T90:340〜370℃
上記蒸留性状は各々上記値を有することにより、それぞれ高粘度の軽油がエンジン内で良好な噴霧を形成でき、燃焼状態を良好に保つ効果を奏する。以上の観点から、上記蒸留性状は、10容量%留出温度(T10)が205〜256℃、さらには205〜250℃、50容量%留出温度(T50)が290〜310℃、90容量%留出温度(T90)が350〜365℃であることが好ましい。
なお、上記T10ないしT90は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」に基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
本発明の軽油組成物は、上記性状に加え、更に以下の性状の少なくとも一つを有することが好ましい。
(8)曇り点(CP)(JIS K 2269に準拠して測定):低温流動性の確保の観点から、5℃以下、より好ましくは3℃以下
(9)目詰まり点(CFPP)(JIS K 2288に準拠して測定):低温流動性の確保の観点から、−8℃以下、より好ましくは−10℃以下
(10)流動点(JIS K 2269に準拠して測定):低温流動性の確保の観点から、−10℃以下、より好ましくは−12.5℃以下
本発明の軽油組成物は、上述の性状及び組成を有することにより、高動粘度かつ高セタン指数の軽油組成物となるが、コモンレール方式等の燃料高圧噴射方式のディーゼルエンジン車に用いた場合においても運転性(加速性、始動性)が良好で、かつ高密度で低芳香族分含有量のため、環境性能も良好なものとなる。
上記本発明の軽油組成物は、上記性状及び組成を有し、優れた加速性、始動性等の運転性能を得る観点から、脱硫灯油(DK)を0〜25容量%、脱ろう軽油(DWGO)を60〜85容量%、水素化分解軽油(HCGO)を10〜30容量%含有することが好ましい。
脱硫灯油(DK)とは、常圧蒸留装置から留出する直留灯油留分を脱硫触媒にて脱硫した留分をいい、硫黄含有量は10質量ppm以下であることが好ましい。脱硫は通常行われる方法で行うことができ、例えば固定床流通反応装置を用いて、Co−Mo/アルミナ触媒、Ni−Mo/アルミナ触媒等の脱硫触媒の存在下、30〜100kg/cm2Gの圧力下、好ましくは50〜70kg/cm2Gの圧力下、300〜400℃、好ましくは330〜360℃の温度で、液空間速度(LHSV)0.5〜5h-1、好ましくは1〜2h-1の条件で深度脱硫反応を行い、その後ストリッパーで硫化水素とナフサ留分を除去してDKを得るものである。
また、脱硫灯油(DK)の15℃における密度は0.780〜0.810g/cm3の範囲であることが好ましく、さらには0.790〜0.800g/cm3の範囲であることが好ましい。この範囲であると出力及び燃費の悪化を抑制することができるという利点がある。さらに、DKの30℃における動粘度は1.30〜1.55mm2/sの範囲であることが好ましい。また、セタン指数は40〜60の範囲であることが好ましく、さらには43〜60の範囲であることが好ましい。この範囲であると着火性が良好となる。
本発明の軽油組成物は、動粘度を高く保つにはDKが少ないほうが良いことから、DKを0〜25容量%含有することが好ましく、一方、低温流動性維持の観点からは、上記DKを少なくとも5容量%は混合することが好ましいことから、上記DKを本発明の軽油組成物中に5〜25容量%含有することがより好ましく、5〜20容量%含有することがより好ましく、5〜15容量%含有することが更に好ましい。DK量を調整することで前記動粘度の値が調整され、DKの量が少ない程、動粘度が高くまた密度も高い。
前記脱ろう軽油(DWGO)とは通常の軽油基材からワックス分を除去したものであり、具体的には炭素数20以上のノルマルパラフィン成分を15容量%以下としたものが好ましく、さらには12容量%以下、特には10容量%以下であることが好ましい。炭素数20以上のノルマルパラフィン成分が上記範囲を超えると、製品軽油の低温流動性が不十分となり、曇り点や流動点が十分低下しない場合がある。また、曇り点は−20℃〜5℃の範囲であることが好ましい。脱ろう処理の方法としては、特に限定されず、例えばゼオライト系等の脱ろう触媒を用い、310〜380℃の範囲で30〜70kg/cm2Gの圧力下、1.0〜2.0hr-1の液空間速度(LHSV)で行うことができる。
脱ろう軽油(DWGO)はさらに脱硫処理されていることが好ましく、その硫黄含有量は10質量ppm以下であることが好ましい。脱硫方法としては、通常の脱硫処理によることができ、例えば、Co−Mo/アルミナ触媒、Ni−Mo/アルミナ触媒等の脱硫触媒の存在下、30〜100kg/cm2Gの圧力下、好ましくは50〜70kg/cm2Gの圧力下、300〜400℃、好ましくは330〜360℃の温度で、液空間速度(LHSV)0.5〜5h-1、好ましくは1〜2h-1の条件で深度脱硫反応を行うことでなされる。
また、DWGOの15℃における密度は0.820〜0.860g/cm3の範囲であることが好ましく、さらには0.820〜0.850g/cm3の範囲であることが好ましい。この範囲であると製品軽油の密度が抑制され、排気ガス中の粒子状物質(PM)が低減するなど、排気性状が良好となる。次に30℃における動粘度は2.0〜6.0mm2/sの範囲であることが好ましく、またセタン指数が50〜70の範囲であることが好ましい。
本発明の軽油組成物は、低温流動性を向上させ、運転性(加速性)を向上させる観点から、上記脱ろう軽油(DWGO)を60〜85容量%含有することが好ましく、より好ましくは65〜80容量%であり、更に好ましくは67〜77容量%である。
本発明における水素化分解軽油(HCGO)とは、重質軽油(HGO)、減圧軽油(VGO)あるいはこれらの混合油を触媒の存在下で水素化分解し、当該分解生成油を蒸留分離して得られたものである。従来、軽油基材として用いられているHCGOは、硫黄含有量が0.0001〜0.2質量%のものが一般的であったが、本発明においてはHCGOの硫黄含有量が10質量ppm以下のものを使用することが好適である。HCGOの硫黄含有量を10質量ppm以下とすることによって、環境負荷の小さい軽油が製造できる。以上の観点からHCGOの硫黄含有量は好ましくは7質量ppm以下、さらには5質量ppm以下であることが特に好ましい。
次に、本発明における水素化分解軽油(HCGO)の15℃における密度は0.800〜0.850g/cm3の範囲であることが好ましい。密度が上記範囲内であれば燃費が良好であり、排気ガス性状が優れる。以上の観点から、HCGOの密度は0.815〜0.840g/cm3の範囲であることが好ましい。
本発明における水素化分解軽油(HCGO)はその芳香族分含有量が7.0〜19.5容量%であることが好ましい。芳香族分含有量が上記範囲内であれば、製品軽油中の芳香族分が少なくなり、排気ガス中の粒子状物質(PM)が抑制される。以上の観点から、HCGOの芳香族分含有量は8.0〜15.0容量%の範囲であることが好ましく、10.0〜15.0容量%の範囲であることが更に好ましい。
また、芳香族化合物には一環芳香族化合物と二環以上の多環芳香族化合物があるが、本発明における水素化分解軽油(HCGO)においては、一環芳香族化合物の含有量が7.0〜15.0容量%の範囲であることが好ましく、さらには8.0〜15.0容量%の範囲であることが好ましい。一環芳香族化合物がこの範囲であるとポンプ等に使用されるゴムの収縮がなく、また排気ガス中の粒子状物質(PM)を低減できる。一方、二環芳香族化合物の含有量は4.0容量%以下であることが好ましく、さらには3.0容量%以下であることが好ましい。二芳香族化合物の含有量がこの範囲であると排気ガス中のPMを低減できる。さらに、三環以上の芳香族化合物の含有量は0.5容量%以下であることが好ましく、さらには0.3容量%以下であることが好ましい。三環以上の芳香族化合物の含有量がこの範囲であると排気ガス中のPMを低減できる。
さらに、本発明における水素化分解軽油(HCGO)はそのセタン指数が55〜78の範囲であることが好ましく、さらには57〜78の範囲であることが好ましい。この範囲であると燃焼性が良く、排気ガス性状が良好となる。
本発明における軽油組成物は、動粘度を高くし、適度に密度を抑える観点から、上記HCGOを10〜30容量%含有することが好ましく、13〜27容量%含有することがより好ましく、13〜25容量%含有することがより好ましく、15〜26容量%含有することがより好ましく、15〜22容量%含有することが更に好ましい。
本発明の軽油組成物は、以上の点から、また低炭素(低CO2排出量)で、かつ運転性(加速性、始動性)が良好な環境対応型軽油を提供する観点から、前記脱硫灯油(DK)の15℃における密度が0.780〜0.810g/cm3、セタン指数が40〜60であり、前記脱ろう軽油(DWGO)の15℃における密度が0.820〜0.860g/cm3、セタン指数が50〜70であり、かつ前記水素化分解軽油(HCGO)の密度が0.800〜0.850g/cm3、セタン指数が55〜78であることが好ましい。
本発明の軽油組成物には、必要に応じて、その他の軽油基材、あるいは各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、流動性向上剤、潤滑性向上剤、セタン価向上剤、界面活性剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、清浄剤、酸化防止剤、色相改善剤、など公知の燃料添加剤が挙げられる。これらは一種または数種組み合わせて添加することができる。
本発明の軽油組成物は、密度と動粘度のバランスを最適化したセタン指数の高い軽油組成物であることから、燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に適したものであり、環境対応型軽油として好適に使用しうるものである。
本発明の軽油組成物は、前記脱硫灯油(DK)、脱ろう軽油(DWGO)、水素化分解軽油(HCGO)などの基材、及び必要に応じ他の軽油基材や前記添加剤を適宜混合して製造することができる。これらの基材の混合割合は、好ましくは、前述の各基材の軽油組成物中の含有量となるような量とする。
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。なお、軽油組成物の性状は次の方法に従って求めた。
〔軽油組成物の性状と組成〕
(1)密度
JIS K 2249に準拠して測定した。
(2)芳香族分含有量
石油学会規格JPI−5S−49−97に準拠して測定した。
(3)硫黄分含有量
JIS K 2541−2に準拠して測定した。
(4)動粘度
JIS K 2283に準拠して測定した。
(5)セタン指数
JIS K 2280に準拠して測定した。
(6)セタン価
JIS K 2280に準拠して測定した。
(7)蒸留性状
JIS K 2254により測定した。
(8)曇り点(CP)
JIS K 2269に準拠して測定した。
(9)目詰まり点(CFPP)
JIS K 2288に準拠して測定した。
(10)流動点
JIS K 2269に準拠して測定した。
(11)発進全開加速試験、および(12)追越全開加速試験
表1に示す仕様の試験車両を用いて、図1に示す試験運転モードで、発進全開加速性能および追越全開加速性能を評価した。
図1に示す試験運転モードの繰り返しにより、0km/hから80km/hまでの発進全開加速性能、および40km/hから80km/hまでの追越全開加速性能を、外気温20℃で評価した。アクセル制御は、明電舎製の運転ロボットを用い、暖機条件としては、ATF温度が100℃以上になった時点で試験を開始した。
Figure 0005537961
(13)始動性試験
表2に示す仕様の試験車両を用いて、環境温度−10℃における始動性の評価を行った。始動時の操作としては,ニュートラルギア、アクセル全開の状態で、キーイン後直ちにエンジン始動操作を行った。評価項目としては、始動時間を測定し、始動時間は図2に示すとおり、計測したバッテリ電圧をもとに、始動操作によるクランキングの開始から、クランキングによるバッテリ電圧の振幅が消滅するまでの時間とした。
Figure 0005537961
実施例1〜3及び比較例1、2
表3に示した性状及び組成を有する各基材を、表4に示す割合で混合して、軽油組成物を調製した。その性状及び組成を表4に示す。
Figure 0005537961
Figure 0005537961
各実施例は比較例よりも0−80km/h(発進全開加速試験)での加速時間が短縮し、発進全開加速性能が向上している。
通常、動粘度が高い軽油では、ディーゼルエンジン筒内での燃焼性や、燃料噴射時の霧化性能が悪化し、加速性が悪化する傾向にあるが、本発明の高動粘度軽油組成物では、密度を大きくすることにより、単位時間あたりにディーゼルエンジン筒内に投入される燃料重量、および発熱量を上昇させたことによって、動粘度の影響を上回る発進全開加速性能を発揮することができたものである。
同様に、各実施例は比較例よりも40−80km/h(追越全開加速試験)でも加速時間が短縮し、追越全開加速性能が向上していることがわかる。
実施例4〜6及び比較例3
表3に示した性状及び組成を有する各基材を、表5に示す割合で混合して、軽油組成物を調製した。その性状及び組成を表5に示す。
Figure 0005537961
各実施例は比較例よりも環境温度−10℃における始動性について、始動時間が短縮しており、性能の向上が認められる。
通常、コモンレール形式のディーゼルエンジンにおいては、動粘度が低下すると、燃料の微粒化が過度に促進され、空気との混合が十分でなくなるため、燃焼性が悪化し、始動性が悪化する傾向にある。しかし、本発明の軽油組成物においては、動粘度を調整することにより、燃焼性が悪化せず、始動性を向上させることに成功している。
本発明の軽油組成物は、軽油として好適な基本性能を有すると共に、低炭素(低CO2排出量)で、かつ燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に用いても、運転性(加速性、始動性)が良好であることから、環境対応型軽油として好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 以下の(1)〜(7)の性状を有する軽油組成物
    (1)密度(15℃):0.830〜0.840g/cm3
    (2)芳香族分含有量:13〜19容量%
    (3)硫黄分含有量:質量ppm以下
    (4)動粘度(30℃):4.6〜6.0mm2/s
    (5)セタン指数:55〜70
    (6)セタン価:57以上
    (7)蒸留性状
    T10:205〜265℃
    T50:280〜320℃
    T90:350〜365
  2. 脱硫灯油(DK)を0〜25容量%、脱ろう軽油(DWGO)を60〜85容量%、及び水素化分解軽油(HCGO)を10〜30容量%含有することを特徴とする請求項1に記載の軽油組成物。
  3. 前記脱硫灯油(DK)の15℃における密度が0.780〜0.810g/cm3、セタン指数が40〜60であり、前記脱ろう軽油(DWGO)の15℃における密度が0.820〜0.860g/cm3、セタン指数が50〜70であり、かつ前記水素化分解軽油(HCGO)の密度が0.800〜0.850g/cm3、セタン指数が55〜78であることを特徴とする請求項2に記載の軽油組成物。
  4. 燃料直接噴射方式のディーゼルエンジン車に用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の軽油組成物。
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