JP4926514B2 - 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物 - Google Patents

圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4926514B2
JP4926514B2 JP2006081080A JP2006081080A JP4926514B2 JP 4926514 B2 JP4926514 B2 JP 4926514B2 JP 2006081080 A JP2006081080 A JP 2006081080A JP 2006081080 A JP2006081080 A JP 2006081080A JP 4926514 B2 JP4926514 B2 JP 4926514B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
oil composition
fuel oil
fuel
boiling point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006081080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007254601A (ja
Inventor
重行 田中
保 田中
康司 北野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Oil Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Cosmo Oil Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosmo Oil Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Cosmo Oil Co Ltd
Priority to JP2006081080A priority Critical patent/JP4926514B2/ja
Publication of JP2007254601A publication Critical patent/JP2007254601A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4926514B2 publication Critical patent/JP4926514B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

本発明は、圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に関し、さらに詳しくは、優れた排気ガス特性と燃焼騒音の低い予混合圧縮自己着火燃焼を達成することができる燃料油組成物に関する。
近年、環境問題から自動車から排出される排気ガスの低減や熱効率の向上が求められている。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べ熱効率が高く、地球温暖化に関係があるといわれている二酸化炭素(CO)の排出量が低い特性を有する。しかしながら、通常の拡散燃焼によるディーゼルエンジンでは、部分的に燃料の濃度が濃すぎる、高温燃焼する領域が形成されるなどの理由により、スモークや酸化窒素(NOx)の排出が問題となっている。これを解決するための新技術として、予混合圧縮自己着火エンジンが注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
上記予混合圧縮自己着火エンジンで行われる予混合圧縮自己着火燃焼は、燃料と空気が希薄予混合された状態で圧縮されることにより、燃料が自己着火し燃焼する現象であり、通常のディーゼルエンジンにおいても、燃料を早期に噴射することによる燃料噴射時期の調整によって希薄予混合気を形成し、それを圧縮着火させることにより、排気ガス中のNOxやスモークを同時に低減することが可能である。しかしながら、一般に、高負荷条件において予混合圧縮着火燃焼を応用すると、混合気形成の悪化や急速な燃焼形態により排出ガスが増加するだけでなく燃焼騒音の増大も発生する場合があり、予混合圧縮自己着火燃焼は比較的負荷の低い領域に限られている。したがって、高負荷領域での運転は、燃料噴射時期を変化させることにより通常の拡散燃焼を行う運転が必要となるため、予混合圧縮自己着火エンジンにおいても、一般的なディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル(ホールノズル)や燃焼室形状が求められる。ここで、ホールノズルを用いた通常のディーゼルエンジンにおいて、一般的な軽油を用いて早期噴射による予混合圧縮自己着火燃焼により運転を行った場合、従来の一般的な軽油を用いた拡散燃焼に依存するディーゼル燃焼による運転の場合に比べれば、NOxやスモークの発生が抑制されて、排気ガスがこれらの含有量の少ない優れた特性を示すが、まだNOxやスモークの発生の抑制が満足できるものではなく、また、燃焼騒音の発生を招くなど、十分に優れた運転特性を示す予混合圧縮自己着火燃焼を達成することは困難であった。
予混合圧縮自己着火燃焼では、燃料がエンジンシリンダー内に噴射された後、空気と予混合され、燃料の酸化反応が逐次的に進行し着火・燃焼という過程を経るので、燃料と空気の予混合気の形成と着火時期が重要なポイントであって、燃料自体の物理特性や化学特性が大きく影響する。それ故、燃料の性状によっては、通常のホールノズルや燃焼室形状のディーゼルエンジンにおいても予混合圧縮自己着火燃焼を達成できる可能性があると考えられる。この考えに基づき、燃料組成物の蒸留性状やセタン価を制御することにより排出ガスの少ない予混合圧縮着火燃焼を可能にした予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この燃料油組成物では、まだ上述した燃焼騒音に関する課題は解決されておらず、予混合圧縮自己着火燃焼に用いる燃料の品質を更に改善して、低排出ガス特性と低燃焼騒音特性を両立させることが求められている。
特開2004−315604号公報 Rudolf H. Stanglemaier and Charles E. Roberts, SAE Paper NO.1999−01−3682
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたものであり、予混合圧縮自己着火燃焼における燃料の性状の及ぼす影響の大きさに着目し、予混合圧縮自己着火燃焼と燃料の性状の関係を十分に究明して、十分に優れた排気ガス特性を示し、かつ燃焼騒音の低い予混合圧縮自己着火燃焼を達成することができる燃料油組成物を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、燃料全体中に占める芳香族量を一定範囲に制御し、かつ一定の沸点留分毎の芳香族量を一定範囲に制御することで、早期噴射により予混合圧縮着火燃焼を行う場合におけるスモークの排出や燃焼騒音を合わせて低減することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、次の圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供する。
(1)初留点が20℃以上135℃以下、50%留出点が60℃以上250℃以下、終点が200℃以上350℃以下であり、30℃における動粘度が0.4mm /s以上3.0mm /s以下であり、硫黄分が10質量ppm以下であり、燃料全体のセタン価が30〜50の範囲にあり、燃料全体中に占める全芳香族量が45容量%以下であり、2環芳香族量が3容量%以下であり、150℃以上の沸点を有する芳香族量が20容量%以下であり、かつ全芳香族量の30容量%以上が150℃未満の留分中に含まれることを特徴とする圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
(2)沸点が150℃未満の留分のセタン価が10以上45以下であり、沸点が150℃以上の留分のセタン価が30以上95以下であることを特徴とする上記(1)に記載の圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
(3)沸点が150℃未満の留分のセタン価(150−CN)と沸点が150℃以上の留分のセタン価(150+CN)の比〔(150−CN)/(150+CN)〕が1以下であることを特徴とする上記(2)に記載の圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
)終点が200℃以上300℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
本発明によれば、十分に優れた排気ガス特性を示し、かつ低い燃焼騒音を示す予混合圧縮自己着火燃焼を達成することができる燃料油組成物が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の燃料油組成物は、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分、ナフサ留分を脱硫して得られる脱硫ナフサ、脱硫ナフサを接触改質して得られる改質ガソリン、および改質ガソリンからベンゼンを取り除いた脱ベンゼン改質ガソリン、原油を常圧蒸留して得られる灯軽油留分、灯軽油留分を脱硫して得られる脱硫灯軽油、重質油を接触分解、水素化分解、あるいは熱分解して得られる、ガソリン、灯軽油留分、オレフィンとイソブタンから生成されるアルキレート、ナフサ留分を接触処理し、異性化したアイソメレート、炭素数4あるいは5の炭化水素などを適宜配合して調製することができる。また、フィッシャートロプシュ合成によるパラフィン系炭化水素やアルコール燃料、種々の炭素数を有するパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤などを原料として用いることもできる。また、本発明の燃料油組成物は、上記のように各種の原料留分を適宜配合して好適に調整することができるが、必要に応じて、原油からの直留留分として取得することも可能である。
本発明の燃料油組成物において、硫黄分は10質量ppm以下であって、好ましくは8質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppmより多いと、排気ガス中の硫黄酸化物の含有量が多くなる場合があり、また該排気ガスを処理する触媒を被毒する場合がある。硫黄分は、JIS K 2541の微量電量滴定式酸化法により測定できる。
本発明の燃料油組成物において、初留点は20℃以上135℃以下であって、好ましくは20℃以上100℃以下である。135℃より初留点が高いと、燃料油組成物の揮発性が乏しくなることから、燃料油組成物と空気の混合割合が低くなるため、予混合圧縮自己着火燃焼を行う場合、スモークや炭化水素が多く排出される場合がある。初留点が20℃より低いと、燃料ポンプや燃料パイプ中に燃料油組成物の蒸気が多量に発生して燃料油組成物の流通が妨げられる場合がある。
本発明の燃料油組成物において、50%留出点は60℃以上250℃以下であって、好ましくは80℃以上230℃以下であり、より好ましくは100℃以上200℃以下である。250℃より50%留出点が高いと、燃料の揮発性が乏しくなることから、燃料油組成物と空気の混合割合が低くなるため、予混合圧縮自己着火燃焼を行う場合、スモークや炭化水素が多く排出される場合がある。50%留出点が60℃より低いと、燃料ポンプや燃料パイプ中に燃料油組成物の蒸気が多量に発生して燃料油組成物の流通が妨げられる場合がある。
本発明の燃料油組成物において、終点は200℃以上350℃以下であって、好ましくは200℃以上300℃以下である。350℃より終点が高いと、燃料油組成物の揮発性が乏しくなることから、燃料油組成物と空気の混合割合が低くなるため、予混合圧縮自己着火燃焼を行う場合、スモークや炭化水素が多く排出される場合がある。終点が200℃より低いと、夏場などの高温時に燃料ポンプや燃料パイプ中に燃料油組成物の蒸気が多量に発生して燃料油組成物の流通が妨げられる場合があるのに加え、燃料としての蒸留範囲が極端に狭くなるために、得率が少なくなりすぎて効率的でない。
上記初留点や、50%留出点や、終点といった蒸留性状は、JIS K 2254の石油製品蒸留試験方法の常圧法により測定できる。
本発明の燃料油組成物において、30℃における動粘度は0.4mm/s以上3.0mm/s以下であって、好ましくは0.4mm/s以上2.5mm/s以下であり、さらに好ましくは0.5mm/s以上2.0mm/s以下である。動粘度が3.0mm/sより高いと、燃料油組成物の噴霧角度が狭くなり、微粒化が促進されにくいことから、予混合気の形成が悪くなる。動粘度が低すぎる場合には、燃料ポンプなどの磨耗を生じる場合があり好ましくない。動粘度は、JIS K2283の石油製品動粘度試験方法により測定できる。
本発明の燃料油組成物において、セタン価は30以上50以下であって、好ましくは35以上45以下である。予混合圧縮自己着火燃焼を行う場合において、セタン価が30より低いと、炭化水素の排出量が増加する場合がある。一方、セタン価が50より高いと、予混合圧縮自己着火燃焼をより高負荷で達成しようとする場合、急激な熱発生を伴う場合があることから、燃焼騒音が高くなる場合がある。
本発明の燃料油組成物において、沸点が150℃未満の留分のセタン価(以下、150−CNとも表す)は10以上45以下が好ましく、さらに好ましくは10以上40以下である。予混合圧縮自己着火燃焼を行う場合において、沸点が150℃未満の留分のセタン価が10より低いと、炭化水素の排出量が増加する場合がある。一方、沸点が150℃未満の留分のセタン価が45より高いと、予混合圧縮着火燃焼を行う場合において燃焼騒音が大きくなる場合がある。
本発明の燃料油組成物において、沸点が150℃以上の留分のセタン価(以下、150+CNとも表す)は30以上95以下が好ましく、さらに好ましくは35以上95以下である。予混合圧縮自己着火燃焼を行う場合において、沸点が150℃以上の留分のセタン価が35より低いと、炭化水素の排出量が増加する場合があり、さらに予混合圧縮着火燃焼において燃焼騒音が大きくなる場合がある。一方、沸点が150℃以上の留分のセタン価が95より高くなっても燃焼騒音が大きくなる場合がある。
本発明の燃料油組成物において、沸点が150℃未満の留分のセタン価(150−CN)と沸点が150℃以上の留分のセタン価(150+CN)の比〔(150−CN)/(150+CN)〕は、1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.8以下である。この比が1以下であれば、予混合圧縮着火燃焼における燃焼騒音を一層抑制することが可能となる。
セタン価は、JIS K 2280の燃料油セタン価試験方法により測定できる。留分別のセタン価については、それぞれの留分に該当する燃料調製用基材のセタン価を測定してもよいし、本発明の燃料油組成物を蒸留により分留し、それぞれの留分のセタン価を測定してもよい。
本発明の燃料油組成物において、燃料全体中に占める全芳香族量は45容量%以下であり、好ましくは35容量%以下である。45容量%より全芳香族量が多いと予混合圧縮着火燃焼時にスモークの排出が多くなる場合がある。
本発明の燃料油組成物において、燃料全体中に占める2環芳香族量は3容量%以下であり、好ましくは2容量%以下である。3容量%より2環芳香族が多いと、予混合圧縮着火燃焼時にスモークの排出が多くなる場合がある。
本発明の燃料油組成物において、燃料全体中に占める150℃以上の沸点を有する芳香族量は20容量%以下であり、好ましくは15容量%以下である。150℃以上の沸点を有する芳香族量が20容量%より多いと予混合圧縮着火燃焼時にスモークの排出が多くなる場合がある。
また、本発明の燃料油組成物においては、全芳香族量の30容量%以上が、沸点が150℃未満の留分中に含まれる。沸点が150℃未満の留分中に含まれる芳香族が、全芳香族量の30容量%より少ないと、予混合圧縮着火燃焼において燃焼騒音が大きくなる場合があり、またスモークの増大を引き起こす場合もある。
本発明において、燃料油組成物の芳香族量は、沸点200℃程度までのガソリン留分についてはJIS K 2536-2 石油製品−成分試験方法により、灯軽油留分については、JPI-5S-49-97に記載の方法により測定できる。留分別の芳香族量や割合については、基材の芳香族量と配合処方から算出してもよいし、燃料油組成物を蒸留により分留し、それぞれの留分について上記の方法で測定して求めてもよい。
本発明の燃料油組成物には、必要に応じて公知の燃料添加剤、例えば、酸化防止剤、氷結防止剤、助燃剤、帯電防止剤、防錆剤、識別剤、着色剤、清浄剤、セタン価向上剤、消泡剤、酸化防止剤、流動性向上剤、潤滑性向上剤などを、適量添加することができる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例1〜3 および比較例1〜5
表1に示す性状を有する燃料油組成物を下記のようにして調製し、その評価を下記の方法により行った。
実施例1:原油を常圧蒸留して得られる重質ナフサ留分(沸点範囲80℃〜140℃)と灯油留分(沸点範囲145℃〜245℃)をそれぞれ水素化脱硫処理した基材を等容量混合して調製した。
実施例2:沸点範囲104℃〜177℃の重質リフォーメートを43容量%、70℃〜103℃の沸点範囲のn−パラフィンを13容量%、169℃〜257℃の沸点範囲のn−パラフィンを35容量%、166℃〜266℃の沸点範囲のイソパラフィン溶剤を9容量%の割合で混合して調製した。
実施例3:流動接触分解装置から留出する沸点範囲78℃〜207℃の重質流動接触分解ガソリンを水素化脱硫処理した基材を62容量%、95℃〜254℃の沸点範囲のn−パラフィン混合物を38容量%の割合で混合して調製した。
比較例1:161℃〜245℃の沸点範囲を有する芳香族溶剤を31容量%、αメチルナフタレンを2.8容量%、75℃〜150℃の沸点範囲を有するn−パラフィン混合物を55容量%、炭素数14のn−パラフィンを11.2容量%の割合で混合して調製した。
比較例2:原油を常圧蒸留して得られる灯軽油留分(沸点範囲170℃〜360℃)を水素化脱硫処理した基材に沸点範囲が200℃〜330℃のイソパラフィン溶剤を47容量%配合して調製した。
比較例3:原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(145℃〜245℃)を水素化脱硫処理した基材に、沸点範囲が80℃〜240℃のイソパラフィン溶剤を80容量%配合して調製した。
比較例4:一般的な2号軽油を用いた。
比較例5:沸点範囲104℃〜177℃の重質リフォーメートを用いた。
Figure 0004926514
評価試験エンジンとして、直列4気筒、排気量2L、コモンレール方式の燃料噴射装置およびインタークーラー付のターボ加給機、クールド排ガス再循環装置が搭載されているディーゼルエンジンを使用した。本試験エンジンの主要緒元を表2に示す。本試験エンジンにおいて、圧縮比を15とし、燃料の噴射時期を、通常のディーゼル燃焼の場合に比べ早期に設定することにより、予混合圧縮自己着火燃焼を可能にしている。
Figure 0004926514
上記試験エンジンを用いて、エンジン回転数:2000rpm、燃料噴射圧力:50MPa、噴射時期:上死点30°前、トルク:60Nmの条件で、各実施例、各比較例で調製した燃料油組成物の予混合圧縮着火燃焼時の燃焼騒音、炭化水素排出量(THC)、NOx排出量、スモーク排出量(FNS)を測定した。なお、NOx、CO、THCなど排ガス測定については、自動車排ガス分析計で排気管から直接測定した。燃焼騒音については、燃焼騒音計を用いて、エンジン筒内圧力波形から導出した。評価結果を表3に示す。
Figure 0004926514
*1:Filter Smoke Number;紙を通して所定量の排気ガスを吸引し、付着したスモークの反射率を測定する評価方法。評価は、真っ白=0、真っ黒=10とし、真っ白と真っ黒の間を0〜10で評価する。すなわち、測定用紙に光を照射し、その反射光を反射率計で計測することにより、次式で与えられる。
FSN=(Rf−Rs)/Rf×10
式中:Rf:排気ガスを吸引する前の用紙の反射率計値
Rs:排気ガスを吸引し、スモークが付着した用紙の反射率計値
燃料油組成物の評価に当たり、好適に排出ガスの少ない状態で予混合圧縮着火燃焼が達成されていると判断できる排出ガスレベルを、スモーク排出量:0.3以下、NOx排出量:30ppm以下、炭化水素排出量:3000ppm以下であるときとした。
表3から明らかなように、本発明に規定する要件、すなわち初留点が20℃以上135℃以下、50%留出点が60℃以上250℃以下、終点が200℃以上350℃以下であり、30℃における動粘度が0.4mm /s以上3.0mm /s以下であり、硫黄分が10質量ppm以下であり、燃料全体のセタン価が30〜50の範囲にあり、更に燃料全体中に占める全芳香族量が45容量%以下であり、2環芳香族量が3容量%以下であり、150℃以上の沸点を有する芳香族量が20容量%以下であり、かつ全芳香族量の30%以上が、沸点が150℃未満の留分中に含まれる芳香族であるという要件を満たす実施例1〜3の燃料油組成物は、好適に排出ガスの少ない状態で予混合圧縮自己着火燃焼を達成することができ、その燃焼騒音は、比較例1〜5の当該要件を満たさない燃料油組成物の燃焼騒音より遥かに良好な騒音特性を示す。

Claims (4)

  1. 初留点が20℃以上135℃以下、50%留出点が60℃以上250℃以下、終点が200℃以上350℃以下であり、30℃における動粘度が0.4mm /s以上3.0mm /s以下であり、硫黄分が10質量ppm以下であり、燃料全体のセタン価が30〜50の範囲にあり、燃料全体中に占める全芳香族量が45容量%以下であり、2環芳香族量が3容量%以下であり、150℃以上の沸点を有する芳香族量が20容量%以下であり、かつ全芳香族量の30容量%以上が150℃未満の留分中に含まれることを特徴とする圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
  2. 沸点が150℃未満の留分のセタン価が10以上45以下であり、沸点が150℃以上の留分のセタン価が30以上95以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
  3. 沸点が150℃未満の留分のセタン価(150−CN)と沸点が150℃以上の留分のセタン価(150+CN)の比〔(150−CN)/(150+CN)〕が1以下であることを特徴とする請求項2に記載の圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
  4. 終点が200℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。
JP2006081080A 2006-03-23 2006-03-23 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物 Expired - Fee Related JP4926514B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006081080A JP4926514B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006081080A JP4926514B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007254601A JP2007254601A (ja) 2007-10-04
JP4926514B2 true JP4926514B2 (ja) 2012-05-09

Family

ID=38629156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006081080A Expired - Fee Related JP4926514B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4926514B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5350769B2 (ja) * 2007-12-18 2013-11-27 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 低温、予混合化圧縮着火エンジン用燃料油組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226875A (ja) * 2001-01-29 2002-08-14 Korin Chin ディーゼル燃料
FR2849052B1 (fr) * 2002-12-19 2009-05-01 Inst Francais Du Petrole Methode d'elaboration de formulations de carburants permettant un fonctionnement optimum d'un moteur developpe pour le mode de combustion hcci
JP4454247B2 (ja) * 2003-04-14 2010-04-21 コスモ石油株式会社 予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物
JP2005343917A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Idemitsu Kosan Co Ltd 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007254601A (ja) 2007-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5178253B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP5355064B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4454247B2 (ja) 予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物
JP5019802B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4634103B2 (ja) 予混合圧縮自己着火方式・火花点火方式併用エンジン用燃料
JP4896652B2 (ja) 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物
JP4109043B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP2005343917A (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物
JP4926514B2 (ja) 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物
JP4926513B2 (ja) 圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物
JP4634104B2 (ja) 予混合圧縮自己着火方式・火花点火方式併用エンジン用燃料
JP4458405B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4815178B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4109053B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4109048B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4659380B2 (ja) ガソリン組成物
JP5140858B2 (ja) 予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物
JP4109049B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4109047B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP6071695B2 (ja) 予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物
JP4109044B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4109051B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4109052B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4109054B2 (ja) 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料
JP4938332B2 (ja) ガソリン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081208

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4926514

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees