JP2005343917A - 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】予混合圧縮自己着火式エンジンの排出ガス中に含まれるNOxやPMなどの低減を図れるとともに、燃費を向上させることができる予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物を提供すること。
【解決手段】下記の式(1)及び式(2)の蒸留性状を有し、かつセタン価、密度、全芳香族分、2環以上の芳香族分、硫黄分及び窒素分が所定の条件を満たす予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物を用いることにより、前記課題を達成することができる。
【数1】
Figure 2005343917

【数2】

Description

本発明は、予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物に関する。
ディーゼルエンジンでは、圧縮工程でのピストン上昇により燃焼室内の空気を高度に圧縮して温度を上げ、燃料である軽油の臨界温度以上に達したところに燃料を噴霧し自己着火燃焼させる方式が取られている。そのため、ディーゼルエンジンは燃焼効率が良く、自動車、船舶、建設機械、発電機等に搭載され、広く社会に普及している。しかしながら、ディーゼルエンジンの排出ガス中には、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(Particulate Matter:PM)、未燃焼炭化水素(Thermal Hydro Carbon:THC) 等の環境汚染物質が多く含まれている。
そこで、環境汚染物質の低減を目的として、エンジン本体の改良、酸化触媒やDPF(Diesel Particulate Filter)等による対策が種々講じられてきた。その一つとして、予混合圧縮自己着火燃焼方式が提案されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1)。
この方式を用いた予混合圧縮自己着火式エンジンとは、吸気行程初期から圧縮行程の中期までの間にシリンダ内へ燃料を噴射し、噴射された燃料を圧縮行程で気化混合させ、圧縮行程の終わりに自然発火により着火燃焼させるエンジンである。予混合圧縮自己着火式エンジンでは燃料と空気とが均一にかつ希薄に混合した状態で燃焼することになるため燃焼温度が高温にならない。そのため、NOxやPMの発生を大幅に抑制することができる。また、予混合圧縮自己着火式エンジンは燃焼速度が大きいため理想サイクルに近いことと高圧縮比で運転できることから高効率である。燃料として予混合気体を用いる点で火花点火エンジン(ガソリンエンジン)に近く、自発点火により燃焼が開始される点で圧縮点火エンジン(ディーゼルエンジン)に近い。それ故、両者の中間に位置する新しい燃焼方式のエンジンと言える。
これまで、予混合圧縮自己着火燃焼に適した燃料油を得ることを目的として各種の検討が行われてきた。例えばセタン価の異なる複数の燃料油を用いた例や(例えば、特許文献2)、着火性を高めた揮発性燃料を用いた例が提案されている(例えば、特許文献3)。
社団法人自動車技術会 学術講演会前刷集981(1998)49〜52頁 特開平9−158810号公報 特開2001−355471号公報 特開2004−91657号公報
しかし、特許文献2に記載された燃料油は、具体的に有効な油種が不明である上に、異なる複数の燃料油を必要とすれば、燃料油の充填や供給が煩雑になり、またエンジンの構造も複雑になるため経済的に不都合である。また、特許文献3に記載された燃料油は揮発性が非常に高く、いわゆるガソリンに近いものであり、燃費がよくないという問題がある。
本発明は、このような状況を考慮して、エンジンからの排出ガス中に含まれるNOx及びPMを低減し、燃費にも優れた予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物を提供することを目的とする。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、下記式(1)及び式(2)に示す蒸留性状を有し、かつ下記(3)〜(8)を具備することを特徴とする。
Figure 2005343917
Figure 2005343917
(3)セタン価:65以下
(4)密度:0.801g/cm3以上
(5)全芳香族分:5容量%以上
(6)2環以上の芳香族分:8容量%以下
(7)硫黄分:10質量ppm以下
(8)窒素分:50質量ppm以下
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物によれば、式(1)及び式(2)に示される蒸留性状を有し、また、(3)〜(8)に示す特徴を有するため、適度の揮発性と着火性を備え、エンジン内で燃料油組成物の効率的な燃焼が可能となる。さらに、NOx、PM及びTHC(未燃焼炭化水素)等の環境汚染物質を低減できるだけでなく、密度も高いため、燃費にも優れている。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は10%残油の残留炭素分が0.1質量%以下であることが好ましい。10%残油の残留炭素分が0.1質量%以下であると、エンジンを構成する燃料噴射ポンプの状態を良好に保つことができる。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、HFRR(High Frequency Reciprocating Rig)試験における磨耗痕が500μm以下であることが好ましい。HFRR試験における磨耗痕が500μm以下であると、エンジンを構成する燃料噴射ポンプの状態を良好に保つことができる。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、誘導期間(I.P.)が960分以上であることが好ましい。誘導期間(I.P.)が960分以上であると、燃料油組成物の安定性がよいため、エンジンを構成する燃料噴射ポンプの状態を良好に保つことができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
本発明において、予混合圧縮自己着火式エンジンとは、HCCIエンジン(Homogeneous Charge Compression Ignition Engine)とも称されるタイプのエンジンのことである。予混合圧縮自己着火式エンジンは、吸気行程初期にエンジン室内に燃料を噴射し、噴射された燃料を圧縮行程で気化混合させ、圧縮行程の終わりに自然発火により着火燃焼させる。エンジン室内では燃料と空気とが均一にかつ希薄に混合した状態で燃焼することになるため燃焼温度が高温にならない。そのため、従来のディーゼルエンジンと比べて、NOxやPMの発生を抑制することができる。また、高圧縮比で運転できることから高効率である。燃料として予混合気体を用いる点で火花点火エンジン(ガソリンエンジン)に近く、自発点火により燃焼が開始される点で圧縮点火エンジン(ディーゼルエンジン)に近い。本発明の燃料油組成物は予混合圧縮自己着火式エンジンと、火花点火式ガソリンエンジンや電気モータなどを併用するハイブリッド式エンジンに対しても適用することができる。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は下記式(1)及び式(2)で示される性状を有する。
Figure 2005343917
Figure 2005343917
これらは蒸留性状を表し、式(1)で示される値が2200℃を超えると、排出ガス中のTHC(未燃焼炭化水素)が増加する。好ましくは2020℃以下であり、より好ましくは1900℃以下である。
これらの留出温度のうちでは、燃料油組成物の燃焼性に与える影響の点で特にT90が重要である。T90は400℃以下であることが望ましい。T90が400℃を超えると、排出ガス中のPMや煤が増加するおそれがある。燃費改善効果や排出ガス中のPMや煤の低減効果を考慮すると、T90は270〜360℃であることが好ましく、280〜350℃がさらに好ましい。
また、式(2)で示されるΔE270が20容量%未満になると、排出ガス中のTHCが増加する場合がある。ΔE270は、40容量%以上であることが好ましい。なお、式(1)におけるT50、70、T90、及び式(2)におけるΔE270は、例えば、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験法」に準拠して測定することができる。
(3)セタン価:
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物はセタン価が65以下である。セタン価が65を超えると、予混合気体形成に悪影響を与え、NOx排出量が増加する。好ましくは55以下である。このセタン価は、例えばJIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」に準拠して測定することができる。
(4)密度:
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、燃費向上の観点より、密度が0.801g/cm3以上とされている。密度が0.801g/cm3未満では燃費が悪化する。好ましくは0.820g/cm3以上、さらに好ましくは0.830g/cm3以上である。この密度は、例えばJIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」に準拠して測定することができる。
(5)全芳香族分:
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、その組成として、全芳香族分が5容量%以上である。全芳香族分が5容量%未満ではセタン価が低下して、予混合気体の形成に悪影響を与える。好ましくは10容量%以上、より好ましくは15容量%以上である。全芳香族分は、例えば、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」に準拠して測定することができる。
(6)2環以上の芳香族分:
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、その組成として、2環以上の芳香族分が8容量%以下である。2環以上の芳香族分が8容量%を越えると排出ガス中のPMが増加する。好ましくは3容量%以下である。前記した、全芳香族分と2環以上の芳香族分が上述の範囲にあると、予混合気体が形成しやすくなり、排出ガス中のPM低減に優れた効果がある。2環以上の芳香族分は、例えばJIS K 2536「石油製品−成分試験方法」に準拠して測定することができる。
(7)硫黄分:
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、硫黄分が10質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppmを超えると、排出ガスに含まれるPM中のサルフェート含有量が増加する。サルフェートは、硫酸塩と1.3倍程度の結合水を含む状態でPM中に存在するが、その量は燃料油組成物中の硫黄含有率に依存する。硫黄分は好ましくは5質量ppm以下である。この硫黄分はJIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」に準拠して測定することができる。
(8)窒素分:
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は窒素分が200質量ppm以下である。窒素分が200質量ppmを超えると、いわゆるヒューエルNOxが増加する。ヒューエルNOxとは燃料油組成物に由来するNOxのことである。窒素分は好ましくは100質量ppm以下であり、さらに好ましくは50質量ppm以下である。この窒素分は、例えば、化学発光法により測定された値である。
本発明の燃料油組成物は、任意の方法で製造することができる。例えば、次に示す軽油基材を用いて、前記の蒸留性状、密度及びセタン指数等の条件を満たすように適宜配合することにより調製することができる。そのような軽油基材としては、例えば、原油の常圧蒸留によって得られる直留軽油、常圧蒸留によって得られる直留重油や残渣油を減圧蒸留して得られる減圧軽油、減圧軽油を水素化精製して得られる水素化精製軽油、直留軽油を水素化脱硫して得られる水素化脱硫軽油、水素化脱硫軽油をさらに脱ろうして得られる脱ろう脱硫軽油、減圧軽油や脱硫重油を接触分解して得られる接触分解軽油、原油の常圧蒸留によって得られる直留灯油、直留灯油を水素化精製して得られる水素化生成灯油、原油の常圧蒸留によって得られる軽油留分を分解して得られる分解灯油、オレフィンの重合により得られる合成油などが挙げられる。
本発明の燃料油組成物にはさらに、本発明の目的及び効果が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を適宜配合することができる。潤滑性向上剤としては、例えば、カルボン酸系、エステル系、アルコール系などがある。セタン指数向上剤としては、例えば、硝酸エステル系や有機過酸化物系などがある。エンジン清浄剤としては、例えば、イミド系化合物、アルケニルコハク酸誘導体、コハク酸エステル、共重合系ポリマーなどがある。流動性向上剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミドなどがある。酸化防止剤としては、例えばフェノール系、アミン系などがある。本発明の燃料油組成物にはこれらを一種あるいは二種以上添加することができる。また、これらの添加剤の添加量は必要に応じて適宜選定すればよいが、通常は添加剤の合計量として、燃料油組成物に対して0.5質量%以下とすることが好ましい。
このようにして得られた本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、前記した蒸留性状とセタン価、密度、全芳香族分、2環以上の芳香族分、硫黄分及び窒素分が前記の条件を満たすことにより、エンジン内で効率的な燃焼が可能となり、排出ガス中のNOx、PM、PM中のサルフェート及びTHCを低減できるだけでなく、低負荷領域から高負荷領域にわたって安定的にエンジンを制御でき、燃費にも優れるという効果を奏する。その作用機構は以下のように推定される。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は蒸留性状、セタン価、全芳香族分、2環以上の芳香族分が所定の範囲であるため、着火時期が早すぎも遅すぎもせず、適度の自己着火性を持っている。いわば、エンジンのノズルから噴射された燃料油組成物の着火時期が上死点近くに自動的に制御されることになる。それ故、必然的に熱効率が高くなる。
また、着火時期が早すぎないため、燃料油組成物と空気との混合時間が十分とれることになり、燃料油組成物のエンジン内濃度分布が均一となり、結果として良好な予混合圧縮自己着火燃焼が達成され、NOx、PM及びTHCの生成を抑制できるものと考えられる。さらに、燃料油組成物中の硫黄分、窒素分が所定量以下であるため、PM中のサルフェートや、いわゆるヒューエルNOx(燃料に起因するNOx)も低減できる。また、密度が十分高いため燃費にも優れることになる。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は10%残油の残留炭素分が0.1質量%以下であることが好ましい。10%残油の残留炭素分とは燃料油組成物を蒸留し、10%留出残油となるように調整したものに対する残留炭素分である。この値が0.1質量%を超えると、燃焼室内においてカーボンが生成しやすくなり、燃料噴射ポンプの性能低下を起こす可能性が高まる。10%残油の残留炭素分は、例えばJIS K 2270「原油及び石油製品−残留炭素分試験方法」により測定された値である。
本発明の燃料油組成物は、多段噴射機構を有する予混合圧縮自己着火式のエンジンに使用すると効果的である。多段噴射機構を有するエンジンの構造については種々の形態があるが、たとえば、パイロット噴射機構を取り付けたエンジンがより効果的である。ここで、パイロット噴射とは、圧縮工程において主噴射の前に少量の燃料を噴射をすることをいう。
また、本発明の燃料油組成物はコモンレール噴射システムに使用することも効果的である。ここで、コモンレール噴射システムとは、電子制御により、必要な噴射圧力、噴射量等を必要なタイミングで制御できるシステムである。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物はHFRR(High Frequency Reciprocating Rig)試験の磨耗痕が500μm以下であることが好ましい。HFRR試験の磨耗痕は燃料油組成物の潤滑性の尺度であり、この値が500μmを超えると燃料噴射ポンプの性能低下を起こす可能性が高まる。好ましくは460μm以下であり、より好ましくは420μm以下である。このHFRR試験の磨耗痕は、例えば石油学会規格JPI−5S−50−98「軽油−潤滑油試験方法」により測定された値である。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は誘導期間(I.P.)が960分以上であることが好ましい。I.P.は燃料油組成物の耐酸化安定性の尺度であり、この値が960分未満であると、燃料油組成物が酸化劣化してガム分が生成するため燃料噴射ポンプの性能低下を起こしやすくなる。好ましくは1440分以上である。組成物の誘導期間(I.P.)はJIS K 2287「ガソリン−酸化安定性試験方法−誘導期間法」により測定される値である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等の記載内容に何ら制限されるものではない。
[実施例1、2及び比較例1、2]
表1に本発明の燃料油組成物及び比較用の燃料油組成物について性状を示す。
(燃料油組成物の性状)
Figure 2005343917
(燃料油組成物の性状測定法)
蒸留性状 :JIS K 2254「石油製品−蒸留試験法」に準拠して測定
した。
セタン価 :JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」に準
拠して測定した。
密度 :JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法」に準
拠して測定した。
全芳香族分 :JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」に準拠して測
定した。
二環芳香族分 :同 上
硫黄分 :JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」に
準拠して測定した。
窒素分 :化学発光法により測定した。
10%残油の残留炭素分:JIS K 2270「原油及び石油製品−残留炭素分試
験方法」に準拠して測定した。
HFRR :石油学会規格JPI−5S−50−98「軽油−潤滑性試験方
法」に準拠して測定した。
誘導期間(I.P.):JIS K 2287「ガソリン−酸化安定性試験方法−誘
導期間法」に準拠して測定した。
[試験例1]
下記に示す仕様の予混合圧縮自己着火式エンジンを用いて、前記のようにして得られた実施例1及び2、並びに比較例1及び2の燃料油組成物を下記の運転条件により運転した場合における、エンジン出口におけるNOx濃度、PM発生量、PM中のSOF分の量、PM中のサルフェート量及びTHC(未燃焼炭化水素)の量を測定して比較・評価した。
(エンジンの仕様)
シリンダ直径×ピストン工程:105mm×115mm
行程容積 :1000cm3
弁機構 :吸気2弁、排気2弁
燃焼室 :フラットディッシュ型
圧縮比 :18.0
燃料噴射圧力 :40MPa
(エンジン運転条件)
燃料噴射時期 :上死点前40deg
エンジン回転数:2000rpm
エンジン負荷 :50%
EGR :20%
(排出ガス試験方法)
(1)NOx(窒素酸化物)
エンジンの排気管に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部を抜き取って、
自動車排出ガス分析装置(MEXA−9100DGR:(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
(2)PM(粒子状物質)
エンジンの排気管に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部をマイクロトンネル((株)堀場製作所製)に導入・希釈し、捕集フィルターによりサンプリングを行った後、重量測定を行った(新型自動車審査関係基準集:交文社 438頁)。なお、PMの捕集はエンジン条件を定常とし、30分間実施した。
(3)SOF(PM中の溶剤可溶分)
PMを捕集したフィルターをソックスレー抽出し(ジクロロメタン溶媒)、抽出により減少した重量をSOF量とした。
(4)サルフェート(PM中の硫黄酸化物)
SOF抽出後のフィルターに残存したPMを試料としてイオンクロマト法により測定した。
(5)THC(未燃焼炭化水素)
エンジンの排気管に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部を抜き取り、スモークメータ(MEXA−130S:(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
(結 果)
Figure 2005343917
表2に示す結果からわかるように、実施例1、2の燃料油組成物を用いた場合、比較例1、2に対して、排出される環境汚染物質が総合的に少なくなっている。それ故、本発明にかかる燃料油組成物は環境に対する負荷が低く、環境にやさしいといえる。なお、比較例1はNOxの値だけは83質量ppmと比較的少ないが、燃料油組成物の蒸留性状や硫黄分等が本願発明のものと異なり、その結果、排出ガス中のPM、SOF、サルフェート及びTHCがいずれも多くなっている。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物は、予混合圧縮自己着火式エンジンに用いた場合に、排出ガス中に含まれるNOxやPMなどの低減を図ることができるとともに、燃費を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 下記式(1)及び式(2)に示す蒸留性状を有し、かつ下記(3)〜(8)を具備することを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物。
    Figure 2005343917
    Figure 2005343917
    (3)セタン価:65以下
    (4)密度:0.801g/cm3以上
    (5)全芳香族分:5容量%以上
    (6)2環以上の芳香族分:8容量%以下
    (7)硫黄分:10質量ppm以下
    (8)窒素分:50質量ppm以下
  2. 請求項1に記載の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物において、
    10%残油の残留炭素分が0.1質量%以下であることを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物において、
    HFRR(High Frequency Reciprocating Rig)試験における磨耗痕が500μm以下であることを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物において、
    誘導期間が960分以上であることを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物。
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