JP5518454B2 - ディーゼルハイブリッド用燃料組成物 - Google Patents

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本発明は、ディーゼルハイブリッド用燃料組成物、特には、排出ガス中の煤、窒素酸化物等の環境負荷物質の排出量を低減させ、二酸化炭素排出量を削減することが可能なディーゼルハイブリッド用燃料組成物に関するものである。
ディーゼルハイブリッド車は、ガソリンハイブリッド車に比較して内燃機関の燃焼効率が高い分二酸化炭素排出量が少ないという利点を有するが、煤や窒素酸化物等の環境負荷物質の排出量が圧倒的に多く、排出ガスの後処理触媒のコストが嵩むという不利な点を有する。この為、速度が一定の定常走行に比べて、空燃比制御が難しく煤の排出量が多くなる加減速の過渡走行時はエンジンを停止し、モーターを駆動させる。さらに、窒素酸化物排出量が著しく増加する中負荷以上の定常走行領域においては、モーターをエンジンと併行して駆動させることにより、所定負荷範囲内で駆動するエンジン出力だけでは不足する駆動力をモーターにより補うことで、後処理触媒前で窒素酸化物の排出量を削減することが提案されている(非特許文献1)。しかしながら、モーターの蓄電量によりモーターの駆動補助が限定され、窒素酸化物排出量の大幅な削減が困難であるという不利な点を有するといった課題があり、また燃料品質に着目し、煤や窒素酸化物等の環境負荷物質の排出量を抑制し、二酸化炭素排出量を低減するといった燃料品質についての検討もなされていない。
一方で、内燃機関だけで駆動するディーゼル自動車については、排出ガスの後処理触媒前でのエンジンから排出される(エンジンアウトの)煤や窒素酸化物等の環境負荷物質の排出量を削減することについては、燃料の面からも検討されており、例えば、310℃以上の高沸点留分が粒子状物質の生成に大きく影響することから、90%留出温度を低下させることにより粒子状物質の生成を抑制した軽油組成物や、軽質化により特に粒子状物質を構成する溶剤可溶分を減少させた軽油組成物が提案されている(非特許文献2及び3)。また、粒子状物質の生成をエンジンの全負荷範囲で大幅に抑制する為にセタン価向上剤を含有し、90%留出温度を低くしたディーゼルエンジン用燃料油組成物(特許文献1)や、90%留出温度及び二環以上の芳香族含有量を低くしたディーゼルエンジン用燃料油組成物(特許文献2)が提案されている。また、排出ガス中の粒子状物質、窒素酸化物、未燃焼炭化水素といった環境汚染物質の排出量を大幅に低減する為に、硫黄分を低くし、蒸留性状と芳香族含有量が特定の条件を満たすディーゼルエンジン用燃料油組成物(特許文献3)が提案されている。
特開2000−144155号公報 特開2001−303076号公報 特開2001−303080号公報
ニルス、クラウデ他,「ディーゼハイブリッド電気自動車のNOx及びPM排出量低減の方策」,SAE 2009−01−1305 渡辺、秋本他、「軽質化軽油の排出ガス低減効果」,石油・石油化学討論会講演要旨集,p.172−173(2000) 武井、藤本他,「ディーゼル排出ガス低減に関する軽油性状の研究」,(社)自動車技術会 学術講演会前刷集,9540426(1995)
しかしながら、これらの提案では、燃料品質に着目し、燃料品質を適正な範囲にすることにより、ディーゼルハイブリッド車のモーター補助で煤や窒素酸化物等の環境負荷物質の排出量を抑制し、なおかつ燃焼効率を最大にする条件下でエンジンを駆動することによって二酸化炭素排出量を低減することについては報告されていない。
また、エンジンアウトの排出ガスは、通常、後処理触媒の酸化触媒で酸化され、更に、煤はディーゼル・パーティキュレート・フィルター(DPF)で除去されるが、この場合、窒素酸化物の排出量は触媒による後処理の前後で変化しないことから、エンジンアウトでは、窒素酸化物の排出量を低く維持することが必要である。また、煤の排出量が多いと、DPFへの煤の堆積量が増加して、再生頻度が増加することから、エンジンアウトでは、煤の排出量も低いことが望ましい。しかしながら、前述の窒素酸化物排出量と煤排出量は、一般にトレードオフの関係にあり、一方の排出量を低減すると、もう一方の排出量が増加してしまう。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、ディーゼルハイブリッド車のエンジンアウトの煤及び窒素酸化物の排出量を低く維持し、燃焼効率が最大となる点でエンジンを駆動することが可能な燃料組成物を提供することにある。
本発明者らは、ディーゼルハイブリッド車のエンジン条件として排出ガス循環(EGR)量が多く、燃焼用空気が加圧されて多くエンジン室に導入される(過給する)場合に、エンジンアウトの煤や窒素酸化物排出量を低く維持できること、また燃焼効率が最大となる為には、ピストンが最上部に到達した(圧縮上死点)直後に燃焼させる様にする為、上記EGR量を多くしても着火し、かつ燃焼熱量の増大が速すぎない様にすることが必要であることを見出した。とりわけ、燃焼熱量の増大が速すぎるとエンジン騒音が増加し、またエンジン壁が高温の燃焼ガスに曝されることで損傷するといった重大事故に繋がるおそれがある。EGR量が多くても燃料が着火し且つ燃焼熱量の増大が速すぎない様にするには、燃料の揮発性や粘性といった物理性状を適切にして燃料と空気との混合を良好にし、物理的な着火遅れを抑制するとともに、酸素不足による未燃焼の炭化水素や、一酸化炭素及び煤の発生を抑制する。また、セタン価や芳香族分といった化学性状を適切にすることで、窒素酸化物の排出を抑制し、高EGR量の低酸素濃度において着火性を維持し、急激な燃焼や不完全燃焼による排出ガス性状の悪化を抑制する。このようにEGR量を多くしても燃料が着火し、かつ燃焼熱量の増大が速すぎない様にすることで、燃焼効率が最大化できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、セタン価が55〜58、全芳香族分が5.3〜6.6容量%2環以上の芳香族分が0.8容量%以下、ナフテン分が5〜25容量%、15℃における密度が0.7977〜0.8180g/cm3、30℃における動粘度が3.4〜5.0mm2/s、90%留出温度が300〜330℃、次式:
A=200×密度+0.4×セタン価+0.1×全芳香族分
[式中、密度は燃料組成物の15℃での密度(g/cm3)で、セタン価は燃料組成物のセタン価で、全芳香族分は燃料組成物の全芳香族分(容量%)である]で表されるAの値が182.5〜186.9であることを特徴とする。
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、硫黄分が1質量ppm以下、イソパラフィン分が34〜50容量%であることが好ましい。
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、水素/炭素比(H/C比)が1.95〜2.1であることが好ましい。
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、EGR量が多くても着火し且つ燃焼熱量の増大が速すぎないため、エンジンからの窒素酸化物(NOx)排出量及び煤排出量を低減した上で、燃焼効率を高くすることができ、これにより、二酸化炭素排出量を削減できるという格別の効果を奏する。また、本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物によれば、煤の排出量を低減することにより、煤除去フィルターに堆積する煤の燃焼頻度を低減することもできる。
(セタン価)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、セタン価が50〜65の範囲であることが必要である。燃料組成物のセタン価が低すぎると低温時の始動性が悪化し、未燃焼の炭化水素排出量が増加し、更には燃焼熱量の増大が速くなりすぎる為、セタン価は50以上であり、好ましくは52以上、更に好ましくは53以上、より一層好ましくは54以上、特に好ましくは55以上である。一方、燃料組成物のセタン価が高すぎると高負荷時に着火し易くなり、予混合期間が十分に取れなくなって、煤の排出量が増加する為、セタン価は65以下であり、好ましくは63以下、更に好ましくは60以下、特に好ましくは58以下である。ここで、セタン価は、JIS K2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に規定された方法で測定されるものである。
(芳香族分)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、全芳香族分が8容量%以下であることが必要である。燃料組成物中の全芳香族分が高すぎると、煤の排出量が増加し、また発熱量が増加することで窒素酸化物排出量も増加する為、全芳香族分は8容量%以下であり、好ましくは7容量%以下である。一方、燃料組成物の全芳香族分が低すぎても発熱量が低下することで燃料消費量が増加する為、全芳香族分は好ましくは1容量%以上、更に好ましくは2容量%以上である。また、同様にして、1環芳香族分については、燃料組成物中の1環芳香族分が高すぎると煤と窒素酸化物排出量が増加し、低すぎると発熱量が低下して燃料消費量が増加する為、1環芳香族分は3〜7.2容量%が好ましく、更に好ましくは4〜6容量%である。さらに、煤の排出量を減少させるためには、2環以上の芳香族分が燃料組成物中0.8容量%以下であることが必要である。なお、2環以上の芳香族分のうち2環芳香族分は、煤の排出量を減少させる観点から、燃料組成物中0.5容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.4容量%以下である。一方、3環以上の芳香族分については、同様の観点から、燃料組成物中0.3容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.2容量%以下である。なお、これら芳香族分は、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に規定された方法で測定されるものである。
(ナフテン分)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、煤の排出量を低減し、また、燃費を良好に維持する観点から、ナフテン分が5〜25容量%であることが必要である。該ナフテン分は、煤排出量及び燃費の観点から、好ましくは11〜24容量%、更に好ましくは11.5〜23.5容量%、特に好ましくは12〜23容量%である。なお、特に限定されるものではないが、該ナフテン分の分析には、Agilent Technologies社製HP−6890N型FID検出器付きGC及び日本電子社製AccuTOF JMS−T100GC飛行時間型質量分析計からなるGCシステムを用いることができる。詳細な分析条件は次の通りである。
1次カラム:微極性カラム(Supelco社製PTE−5、長さ30m、内径0.25mm、フィルム厚0.25μm)
モジュレータ中空カラム:長さ2m、内径0.25mm
2次カラム:高極性カラム(Supelco社製SpelcoWAX10、長さ2m、内径0.25mm、フィルム厚0.25μm)
昇温条件:10℃/分(50℃(5分保持)から280℃(27分保持))
注入口温度:280℃
注入量:1.0μl
スプリット比:100:1
キャリアガス:ヘリウム(He)、1.0ml/分
モジュレータ温度:下記のコールド温度、ホット温度を繰り返す。
ホットジェットガス温度:150℃(5分保持)から320℃(33分保持)に10℃/分で昇温。
コールドジェットガス温度:約−140℃
モジュレータ頻度:6秒間で0.3秒間ホット温度、その後5.7秒間コールド温度。
インターフェイス中空カラム:長さ0.5m、内径0.25mm
FIDガス条件:水素(45mL/分)、空気(450mL/分)、メークアップヘリウム(25mL/分)
ここで、上記GCシステムは、炭素数7〜44の化合物を測定することが可能であり、測定したピーク(山形)の溶出時間とマススペクトルから、それぞれのピーク(山形)に対応する化合物を同定する。同定された全ピーク(山形)の合計を含有量合計(100ピーク体積%)とし、それぞれのピーク(山形)から対応するそれぞれの化合物の含有量をピーク体積%として算出し、これを容量%とする。ナフテン分(容量%)は、ナフテン環を骨格に持つ成分の合計含有量として求められる。
(密度)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、15℃における密度が0.79〜0.83g/cm3であることが必要である。燃料組成物の15℃での密度をこの範囲にすることにより、燃費を良好に維持でき、排出ガス性状を最適化することが出来る。該密度は、燃費及び排出ガス性状を更に向上させる観点から、0.795〜0.828g/cm3が好ましい。該密度は、JIS K2249「原油及び石油製品密度試験方法」に規定された方法で測定されるものである。
(動粘度)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、30℃における動粘度が3.4〜5.0mm2/sの範囲である。動粘度をこの範囲にすることにより、燃料噴射ポンプでの潤滑性を保持することができ、また、燃料噴射時の燃料の微粒化を促進して排出ガス性状を良好にすることができる。該動粘度は、潤滑性及び排出ガス性状を更に向上させる観点から、好ましくは3.6〜4.8mm2/sの範囲である。ここで、該動粘度は、JIS K2283「動粘度試験方法」に規定された方法により、30℃で測定されるものである。
(蒸留性状)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、揮発性を良好にすることにより煤の排出量を低減し、また、燃費を良好に維持する観点から、90%留出温度が300〜330℃の範囲であることが必要である。なお、該90%留出温度は、揮発性及び燃費の更なる向上の観点から、305℃〜328℃の範囲内が好ましい。なお、これら蒸留性状は、JIS K2254「蒸留試験方法」に規定された方法により求められるものである。
(硫黄分)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、排出ガス中の硫黄酸化物の低減、及び排出ガスの後処理装置の耐久性向上の観点から、硫黄分が2質量ppm以下であるのが好ましく、更に好ましくは硫黄分が1質量ppm以下である。なお、該硫黄分は、JIS K2541−6「硫黄分試験方法(紫外蛍光法)」に規定された方法で測定されるものである。
(煤排出量指標A)
本発明者らが、市販のディーゼルエンジンを用いた数十の実験データを基に、エンジンアウトの煤排出量について検討したところ、エンジンアウトの煤排出量の大小は、密度、セタン価及び全芳香族の三つの指標で表現できることを確認した。即ち、本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、次式:
A=200×密度+0.4×セタン価+0.1×全芳香族分
[式中、密度は燃料組成物の15℃での密度(g/cm3)で、セタン価は燃料組成物のセタン価で、全芳香族分は燃料組成物の全芳香族分(容量%)である]で表されるAの値(煤排出量の指標)が190以下であることが必要である。ここで、上記式のAの値が190以下であると、煤の排出量を大幅に抑えることができる。また、本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物においては、Aの値が好ましくは188以下、更に好ましくは185以下、特に好ましくは183以下である。
(イソパラフィン分)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、煤の排出量を低減し、また、燃費を良好に維持する観点から、イソパラフィン分が好ましくは34〜50容量%、更に好ましくは35〜49容量%の範囲である。該イソパラフィン分の分析は、上述のナフテン分の分析と同様にして行うことができる。
(水素/炭素比(H/C比))
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、微小粒子の個数を大幅に低減する観点から、水素/炭素比(H/C比)が1.95〜2.1の範囲であることが好ましく、特に2.0〜2.1の範囲が好ましい。該H/C比は、有機元素分析により水素(H)分と炭素(C)分を測定して、H/C比(モル比)を求めるものである。
(真発熱量)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、燃料消費量を良好にする観点で、真発熱量については42,900kJ/kg以上が好ましく、更に好ましくは42,980kJ/kg以上、特に好ましくは43,000kJ/kg以上である。
(ディーゼルハイブリッド用燃料組成物の調製)
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、原料油として、例えば、常圧蒸留装置、接触分解装置、熱分解装置等から得られる各種の軽油留分、すなわち沸点が140〜400℃の範囲で留出した留分を用いて、適宜混合して水素化脱硫するか、水素化脱硫後に適宜混合することにより得られるが、芳香族を多く含む原料油を処理する場合は、製品の硫黄分や芳香族分を所定範囲にするために、反応温度や水素分圧を高くし、また水素/オイル比を高くすることが有効である。なお、芳香族を多く含む原料油は難脱硫成分も多く含むことから、水素化脱硫にあたっては硫黄分を選択的に除去する触媒を用いることが好ましい。水素化脱硫は、例えば、Co、Mo及びNiの1種以上を含有し、又所望によりPを担持した水素化触媒を用い、反応温度が270〜380℃、好ましくは295〜360℃、反応圧力が2.5〜8.5MPa、好ましくは2.7〜7.0MPa、液体空間速度(LHSV)が0.9〜6.0h-1、好ましくは0.9〜5.4h-1、水素/オイル比が130〜300Nm3/kLの条件の範囲で適宜選択して、上述した本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物が得られる様にするとよい。
本発明では、上記水素化脱硫した軽油留分に、灯油留分、GTL油、BTX(ベンゼン、トルエン、キシレン類)を製造する際の副生成留分、潤滑油を製造する際の副生成留分、ノルマルパラフィン化合物、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン化合物、イソパラフィン系溶剤、芳香族化合物、芳香族系溶剤、バイオマス由来の燃料基材、ナフテン化合物、ナフテン系溶剤、等を適宜配合して、上述の性状、品質に合ったディーゼルハイブリッド用燃料組成物を調製することができる。
なお、上記方法で得られたディーゼルハイブリッド用燃料組成物には、低温流動性向上剤、耐摩耗性向上剤、セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防止剤等の公知の燃料添加剤を添加してもよい。低温流動性向上剤としては、エチレン共重合体などを用いることができるが、特には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸のビニルエステルが好ましく用いられる。耐摩耗性向上剤としては、例えば長鎖脂肪酸(炭素数12〜24)又はその脂肪酸エステルが好ましく用いられ、10〜500質量ppm、好ましくは50〜100質量ppmの添加量で十分に耐摩耗性が向上する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ディーゼルハイブリッド用燃料組成物の調製>
まず以下のようにして、評価試験のために用いるディーゼルハイブリッド用燃料組成物(供試燃料1〜5)を調製した。これら供試燃料1〜5の組成等の分析値を表1に示す。分析は、上述した方法によるが、H/C比については、有機元素分析装置(LECO社製CHN−1000型)を用いて、H分とC分を測定して、その比を求めた。また、セタン指数はJIS K2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に規定された方法で測定し、1環芳香族分はJPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に規定された方法で測定した。更に、真発熱量は、JIS K2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」に規定された方法で測定した。
供試燃料1:GTL軽油(モスガス社製)を40容量%、蒸留範囲が210〜255℃のイソパラフィン系溶剤であるNAS−4(日油株式会社製)を20容量%、蒸留範囲が209〜231℃のナフテン系溶剤であるエクソールD−80(関東燃料株式会社取扱い)を40容量%混合して調製した。
供試燃料2:供試燃料1を50容量%、韓国油公製の市販水素化分解軽油を50容量%配合して調製した。
供試燃料3:韓国油公製の市販水素化分解軽油
供試燃料4:市販の1号軽油
供試燃料5:市販の1号軽油(供試軽油4より重質)
Figure 0005518454


次に上記供試燃料について、ディーゼルハイブリッド車でのエンジン条件を想定し、想定したエンジン定常条件におけるエンジン出口直後の排出ガス性状としてスモーク(煤)値(%)、窒素酸化物(NOx)の排出量(g/kWh)、一酸化炭素(CO)の排出量(g/kWh)、未燃焼炭化水素(THC)の排出量(g/kWh)及び二酸化炭素(CO2)の排出量(kg/kWh)と、燃料消費量(BSFC)(kJ/kg)とを求めた。得られた数値を比較例2の供試燃料4(市販の1号軽油)を基準にして相対評価で示した。これらの結果を表2に示す。なお、○は基準に対して良好で、△は基準と同等で、×は基準に対して劣っていることを示す。また、想定したエンジン定常条件を下記に示す。
<供試エンジン諸元と運転条件>
気筒数: 4気筒
総排気量: 約2L
圧縮比: 約17
定常条件: 1500rpm、1/4負荷
EGR率: 50%
過給圧 : 約300kPa
Figure 0005518454
これらの結果から、本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物である実施例1及び2の供試燃料は、比較例1、2及び3の供試燃料に比較してスモーク値、NOx排出量、CO排出量、THC排出量及びCO2排出量も少なく、燃料消費量が良好であることが分かる。
本発明のディーゼルハイブリッド用燃料組成物は、ディーゼルハイブリッド車に使用されるディーゼルエンジン用燃料又はその混合基材として好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. セタン価が55〜58、全芳香族分が5.3〜6.6容量%2環以上の芳香族分が0.8容量%以下、ナフテン分が5〜25容量%、15℃における密度が0.7977〜0.8180g/cm3、30℃における動粘度が3.4〜5.0mm2/s、90%留出温度が300〜330℃、次式:
    A=200×密度+0.4×セタン価+0.1×全芳香族分
    [式中、密度は燃料組成物の15℃での密度(g/cm3)で、セタン価は燃料組成物のセタン価で、全芳香族分は燃料組成物の全芳香族分(容量%)である]で表されるAの値が182.5〜186.9であることを特徴とするディーゼルハイブリッド用燃料組成物。
  2. 硫黄分が1質量ppm以下、イソパラフィン分が34〜50容量%であることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルハイブリッド用燃料組成物。
  3. 水素/炭素比(H/C比)が1.95〜2.1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のディーゼルハイブリッド用燃料組成物。
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