JP3744672B2 - パティキュレート低減用軽油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート(粒子状物質)を低減することができるパティキュレート低減用軽油組成物に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】
ディーゼルエンジンの排気ガスにおける規制対象物質の1つとしてパティキュレートがある。パティキュレートは、主としてすす(カーボン粒子)および燃料の不完全燃焼によって生成される炭化水素およびその部分酸化物を含む。パティキュレートの低減については、ディーゼルエンジンの燃焼系の最適化が図られる一方で、軽油燃料についても改善が求められている。
【0003】
軽油燃料の組成からパティキュレートを低減するには、高沸点留分の低減、イオウ成分の低減、セタン価の増加、および芳香族炭化水素、特に多環芳香族炭化水素の低減などの方策が有効であることが知られている。しかし、本願発明者等の研究によれば、上述の方策だけでは、パティキュレートの抑制が不十分であることが判明した。
【0004】
本発明の目的は、芳香族化合物の含有量が低減された軽油組成物において、さらに確実にパティキュレートの低減を達成することができるパティキュレート低減用軽油組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等の研究によれば、芳香族化合物の含有量の低減ならびに沸点の低下が図られた軽油組成物であっても、パティキュレートの減少は必ずしも満足できるものではないことが判明した。そして、本発明者等は、これらの2因子の他に、炭化水素の分枝構造の有無や分枝数がパティキュレートの生成に大きな影響を与えることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明のパティキュレート低減用軽油組成物は、13C核磁気共鳴(以下、「13C−NMR」という)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜50ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜50ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が、30%以下であることを特徴とする。
【0007】
13C−NMRスペクトルにおいて、詳細は後述するが、化学シフトが0〜50ppmの領域には、主として、不飽和結合を含まない炭化水素部分を構成する炭素に起因するピークが含まれ、化学シフトが33〜50ppmの領域には、主として、分枝構造を有する飽和炭化水素部分内の3級または4級の炭素あるいはそれらの炭素に隣接する炭素に起因するピークが含まれる。つまり、化学シフトが33〜50ppmの領域にあるピーク群のピーク総面積は、分枝構造を有する炭化水素の含有量の程度あるいは分枝数の程度を示すものである。
【0008】
本発明によれば、化学シフトが0〜50ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜50ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合を特定値以下、具体的には30%以下、好ましくは20%以下にすることにより、軽油組成物における分枝構造を有する炭化水素を低減することになる。その結果、排気ガス中のパティキュレートを確実に低減することができる。
【0009】
本発明の軽油組成物においては、芳香族化合物の含有量は、好ましくは25体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。このように芳香族化合物の含有量を低減することによって、パティキュレートをさらに確実に低減することができる。ここで、芳香族化合物とは、芳香族炭化水素や芳香環を分子内に持つ添加剤等を含む。そして、前記芳香族化合物には通常多環芳香族炭化水素が含まれ、この多環芳香族炭化水素の含有量は5体積%以下であることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、具体的なデータを参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1(A),(B)は、13C−NMRスペクトルの例を示し、図1(A)は本発明の実施の形態に係る軽油組成物(実施例1)のスペクトルであり、図1(B)は、比較用の軽油組成物(比較例1)のスペクトルである。
【0012】
本発明においては、13C−NMRスペクトルにおいて、化学シフトが0〜50ppmにおけるピーク群P1のピーク総面積S1に対する、化学シフトが33〜50ppmにおけるピーク群eのピーク総面積S2の割合{(S2/S1)×100}が、30%以下、好ましくは20%以下である。なお、図1(A),(B)において、スペクトルのピーク群P2は溶媒のピークを示す。
【0013】
図1(A),(B)に示すスペクトルにおいて、ピーク群P1に属するピークの中で顕著なピークa〜dは、図2(A)に示すように、分枝鎖を有さない飽和炭化水素を構成する特定の炭素に対応している。なお、図2(A)〜図2(E)において、炭素に対応して付されている数値は、化学シフトの数値を示している。また、化学シフトが33〜50ppmにおけるピーク群eに属するピークは、例えば図2(B)〜図2(E)にその一部を示すように、分枝構造を有する分子内の3級または4級の炭素、あるいはそれらの炭素に隣接する炭素に対応している。ピーク群eに属する分子構造としては、図2(B)〜図2(E)に限定されず、他にも多数存在する。そして、このことは公知であって、例えば文献(戸田芙三夫、大島時生編集,13CNMRデータブック)に示されている。
【0014】
すなわち、軽油を構成する炭化水素において、3級または4級の炭素を有する飽和炭化水素部分、たとえば一例として、アルキル基(CnH2n+1)、アルケニル基(CnH2n-1)、アルキニル基およびアルカジエニル基(CnH2n-3)、アルカトリエニル基(CnH2n-5)などを含む炭化水素は全て、上記の化学シフトで33〜50ppmの領域にピークを生ずる。
【0015】
表1に、図1(A)および(B)の各スペクトルにおける、前記ピーク総面積S1に対する各ピークa〜dの面積の割合、および前記ピーク総面積S1に対するピーク群eのピーク総面積S2の割合を示す。表1に示すように、本発明の実施例1においては、ピーク群eのピーク総面積の割合は17.7%であり、比較例1においては、ピーク群eのピーク総面積の割合は30.5%である。
【0016】
【表1】
以下に、実験に用いられた軽油組成物のサンプルおよび各種の解析結果について説明する。
【0017】
(サンプルの主要な性状)
表2に、本発明の実施例1および比較例1の軽油組成物の性状を示す。比較例1は市販品(スェーデン Class 1 軽油(シェル製))であって、パティキュレートの低減を目的として、一般の市販品に比べて芳香族含有率の低減および沸点の低下が高いレベルで行われたものである。
【0018】
一方、実施例1の軽油組成物は、パティキュレートの低減を目的として、やはり一般の市販品に比べて芳香族含有率の低減および沸点の低下が行われているものの、芳香族含有率は比較例1より約10体積%多く、かつT50−T90における沸点は比較例1に比べて約23〜33℃高いものである。表2において、蒸留特性の欄で記載されている「T5、T10…、T97」は、それぞれ5%、10%…、97%が留出する温度を示す。
【0019】
なお、これらの各軽油組成物について燃焼特性を調べたところ、軽負荷時,中負荷時ともに、熱発生パターンや混合気形成,火炎発達過程にほとんど違いはなく、燃焼特性に基本的な差がないことが確認されている。
【0020】
【表2】
(パティキュレート(PM)の比較)
次に、実施例1および比較例1の各軽油組成物について、軽負荷時に発生するパティキュレート(PM)量の測定結果を図3および図4に示す。パティキュレートは、可溶性有機物質(SOF)すなわち有機溶媒に溶解する物質、および主としてすすからなる不溶性物質(IOF)すなわち有機溶媒に溶解しない物質からなる。パティキュレートの測定は、たとえば文献(F.Black,SAE790422)などに記載された方法によった。なお、図3は、燃料噴射時期がクランク角度で上死点前4度の場合を示し、図4は、燃料噴射時期がクランク角度で0度(上死点)の場合を示す。図3および図4において、記号Aで示すグラフは実施例1を、記号Bで示すグラフは比較例1の結果を示す。
【0021】
図3および図4から、実施例1の軽油組成物は、比較例1の軽油組成物に比べてパティキュレート量、特にIOF量が著しく低減されていることがわかる。すなわち、比較例1においては、芳香族含有率ならびに沸点の低減が高いレベルで行われているにもかかわらず、実施例1よりパティキュレート量の低減効果が劣ることがわかる。
【0022】
このように、一見矛盾した現象の原因を探るために、軽油組成物の熱分解による生成物を解析した。
【0023】
(熱分解生成物の解析)
表2に示す実施例および比較例にかかる軽油組成物の熱分解生成物は流動反応管を用いて得られ、さらに該熱分解生成物はガスクロマトグラフィによって分析された。流動反応管を用いた測定における条件は、キャリアガスとして窒素ガスを用い、サンプルの希釈率を重量で50倍とし、反応時間(反応管におけるガスの滞留時間)を0.65秒、反応温度を850℃とした。
【0024】
図5に、流動反応管を用いた軽油組成物の熱分解によって得られた各生成物(アセチレン,プロパジエン,ベンゼン,トルエン)の濃度を示す。アセチレン,プロパジエンなどの不飽和結合を有する炭化水素、およびベンゼン,トルエンなどの芳香族炭化水素は、パティキュレートの前駆体となる多環芳香族炭化水素の生成原因物質となる。
【0025】
図5から、比較例1にかかる軽油組成物の熱分解生成物は、実施例1のそれに比べて2〜3倍生成していることがわかる。このように、比較例1の軽油組成物においては、芳香族炭化水素の含有量を大幅に低減したにも拘わらず、熱分解によって多環芳香族化合物の生成原因物質が多量に生成するため、結果的にパティキュレートの低減効果が失われるばかりかむしろ増加する場合がある。
【0026】
そこで、パティキュレートの前駆体となる多環芳香族炭化水素の生成原因物質に与える軽油中の炭化水素の分枝の有無やその数の影響についてパラフィンを例に更に詳細に検討した。
【0027】
(パラフィン分子構造のパティキュレート生成への影響の解析)
(1)流動反応管を用いた、パラフィン分枝構造が熱分解生成物に及ぼす影響の解析
目的;
本実験では、軽油中のパラフィンの分子構造が、パティキュレートの生成原因物質となる多環芳香族炭化水素の前駆体の生成に及ぼす影響を軽油組成物の化学的性状面から調査するために、分枝の有無やその数の異なる幾つかの単純なパラフィンをサンプル例として用い、流動反応管による熱分解の生成物を分析する。
【0028】
測定方法;
前述した軽油組成物の熱分解の場合と同じ流動反応管を用い、反応温度を除き同一条件下で測定を行った。具体的には、測定条件は以下の通りである。
【0029】
キャリアガス:窒素ガス
サンプルの希釈率:重量で50倍
反応時間:0.65秒
反応温度:1000℃
サンプルとしては、炭素数6のヘキサンを用いた。具体的には、n−ヘキサン、2−メチルペンタン(分枝数1のi−ヘキサン)および2,2−ジメチルブタン(分枝数2のi−ヘキサン)の3種類を用いた。
【0030】
結果;
熱分解による生成物(アセチレン,プロパジエン,ベンゼン,トルエン)の各濃度を図6に示す。図6から、プロパジエン、ベンゼンおよびトルエンの何れの場合も、分枝数が多くなるに従って、多環芳香族炭化水素の前駆体となる前記物質が多量に生成されることがわかる。ただし、アセチレンの場合には、分枝炭素の影響をあまり受けないことがわかる。
【0031】
(2)衝撃波管を用いた、パラフィン分子構造がすす生成に及ぼす影響
目的;
本実験では、軽油中のパラフィンの分子構造がすす生成量に及ぼす影響を軽油組成物の化学的性状面から調査するために、分子構造の異なる幾つかの単純なパラフィンを燃料とし、衝撃波管によって形成される理想的な燃焼場(瞬時に形成される空間的に均一な高温・高圧場)でのすす生成量を測定する。すなわち、本実験の目的は、ディーゼルエンジン内の複雑な現象を単純化して、パラフィンの分子構造がすす生成量に影響することを化学的に証明することにある。
【0032】
実験方法;
衝撃波管は、例えば、文献”Technopia 世界科学大辞典”講談社発行、Vol.8,pp.188−189、あるいは”A ConceptualModel for Soot Formation in Pyrolysis of Aromatic Hydrocarbons”Combustion and Flame 49.pp.275−282(1983)に示されるように、物理化学の分野で多用されている装置である。本実験で用いた衝撃波管は、円筒型ステンレス製(外径89.1mm,内径78.1mm)で、低圧室および高圧室の長さはそれぞれ6mおよび3mである。
【0033】
実験は、先ず低圧室と高圧室とをアルミニウムの隔膜(ダイアグラム)で仕切り、低圧室および高圧室を真空に排気した後、低圧室には、表3に示す、アルゴンで希釈した試験燃料ガスを、高圧室には駆動ガスとしてヘリウムを各々所定の圧力に充填した。つぎに隔膜を撃針で破るかあるいは高圧室の圧力自体で自爆させることにより、衝撃波を発生させた。隔膜から低圧室端壁に向かって音速あるいはそれ以上の速度で進行する衝撃波(入射衝撃波)は、低圧室端壁に到達して反射され反射衝撃波となる。この反射衝撃波の背後には瞬時に高温場が形成(持続時間は1.5ミリ秒程度)され、これによって試験燃料ガスを反応させて、すすを生成させた。なお反射衝撃波が形成する反応場の初期温度は、低圧室の入射衝撃波の速度を測定することで容易に算出できる。
【0034】
反応によって生成したすすの量は、低圧室の端壁から1cmの距離に設置した一対の光学窓を通過させたヘリウムネオンレーザの透過率によって測定した。すなわち、ヘリウムネオンレーザがすす粒子によって散乱されて減衰するために透過率が減少することを利用して、すすの定量を行うことができる。本実験では、すす生成量を示す指標として、実測のヘリウムネオンレーザの透過率から、公知の次式(1)で定義される“すす転化率”(初期の燃料中の全炭素原子のうちすす粒子に転化した割合)を求めた。次式(1)は、たとえば文献”Soot Formation in Shock−Tube Pyrolysis of Toluene,Toluene−Methanol,Toluene−Ethnol,and Toluene−Oxygen Mixtures” Combustion and Flame 104.pp.51−65(1996)に記載されている。
【0035】
式(1);
反応開始t秒後のすす転化率は、実験で測定したヘリウムネオンレーザの透過率T(t)を用いて、公知の次式(2)によって求めることができる。
【0036】
式(2);
なお、本実験ではE(m)=0.253を用いた。
【0037】
本実験では、分子構造の異なるパラフィンとして、ヘキサンを5種類用いた。表3に、低圧室充填(試験燃料)ガス組成、反応初期温度、反応初期圧力および反射衝撃波背後の初期炭素濃度を示す。
【0038】
なお、反射衝撃波背後の温度(反応初期温度)は、高圧室に充填する駆動ガス(ヘリウム)の充填圧力を調整することで変化させた。また表3中の低圧室充填ガス組成のうちパラフィンと酸素との比率は当量比にして10であり、この当量比はディーゼルエンジン内の過濃な混合気部分に相当する条件である。
【0039】
【表3】
結果;
図7〜図11に結果を示す。図7〜図11では、横軸は反射衝撃波背後の温度(反応初期温度)、縦軸は反応開始後1ミリ秒後のすす転化率を示す。いずれの結果も、ある温度ですす転化率が最大値を示す形状、すなわちベル型特性を示す。
【0040】
図7〜図11に示すベル型のカーブのピーク値を比較したものを図12に示す。実験No.1のn−ヘキサン(分枝数0のヘキサン)に較べて、実験No.2およびNo.3のメチルペンタン(分枝数1のi−ヘキサン)、実験No.4およびNo.5のジメチルブタン(分枝数2のi−ヘキサン)の順に、すす転化率(すす生成能)が高くなる。すなわち、すす生成能は分枝数が多いほど大きくなる。しかし、実験No.2およびNo.3、あるいは実験No.4およびNo.5の比較から、分枝の炭素の位置は、すす生成能に小さな影響を与えるのみである。
【0041】
以上から、
(1)分枝炭素を有するパラフィンは、分枝のないパラフィンよりすすが生成しやすいこと、および
(2)すす生成能は、パラフィン中の分枝炭素の位置の影響は小さく、分枝数によってまず決定されること、
がわかる。このように、軽油組成物中のパラフィンの分子構造がすす生成量に及ぼす影響が、ディーゼルエンジン内の複雑な現象を排除した本実験によって、化学的に確認された。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)および(B)は、実施例1および比較例1について行った13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】(A)〜(E)は、図1(A),(B)に示すスペクトルのピークに対応する分子構造と化学シフトとを示す図である。
【図3】実施例1および比較例1について求めたパティキュレートの測定値を示す図である。
【図4】実施例1および比較例1について求めたパティキュレートの測定値を示す図である。
【図5】実施例1および比較例1について求めた、流動反応管による熱分解生成物とその濃度を示す図である。
【図6】分子構造の異なるヘキサンについて求めた、流動反応管による熱分解生成物とその濃度を示す図である。
【図7】衝撃波管を用いた、実験No.1における反応初期温度とすす転化率との関係を示す図である。
【図8】衝撃波管を用いた、実験No.2における反応初期温度とすす転化率との関係を示す図である。
【図9】衝撃波管を用いた、実験No.3における反応初期温度とすす転化率との関係を示す図である。
【図10】衝撃波管を用いた、実験No.4における反応初期温度とすす転化率との関係を示す図である。
【図11】衝撃波管を用いた、実験No.5における反応初期温度とすす転化率との関係を示す図である。
【図12】図7〜図11に示す各ピーク値のすす転化率を比較して示す図である。
Claims (3)
- 13C核磁気共鳴(NMR)スペクトルにより特定される化学シフトが0〜50ppmの領域であって、主に、不飽和結合を含まない炭化水素部分を構成する炭素に起因するピークが含まれるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜50ppmの領域であって、主に、分枝構造を有する飽和炭化水素部分内の3級または4級の炭素あるいはそれらの炭素に隣接する炭素に起因するピークが含まれるピーク群のピーク総面積の割合が、30%以下であり、軽油組成物における分枝構造を有する炭化水素を低減してパティキュレートの生成のもとになる成分の発生を抑制するようにし、かつ、芳香族化合物の含有量は、13.9〜25体積%であり、
前記芳香族化合物は多環芳香族炭化水素を含み、該多環芳香族炭化水素の含有量は5体積%以下である、パティキュレート低減用軽油組成物。 - 請求項1において、
前記化学シフトが0〜50ppmの領域であって、主に、不飽和結合を含まない炭化水素部分を構成する炭素に起因するピークが含まれるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜50ppmの領域であって、主に、分枝構造を有する飽和炭化水素部分内の3級または4級の炭素あるいはそれらの炭素に隣接する炭素に起因するピークが含まれるピーク群のピーク総面積の割合は、20%以下であるパティキュレート低減用軽油組成物。 - 請求項1または2において、
前記芳香族化合物の含有量は、20体積%以下であるパティキュレート低減用軽油組成物。
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