JP3017926B2 - 保存可能な野菜搾汁液の製造法 - Google Patents
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Description
用される野菜搾汁液の製造法に関し、更に詳細には、室
温等で保存しても特有の臭気がほとんど発生せず、しか
も弱塩基性陰イオン交換樹脂に起因する樹脂臭をも有さ
ない保存可能な野菜搾汁液の製造法に関する。
単に摂取することのできる野菜飲料への期待が高まりを
見せている。しかし、現在商品として提供されている野
菜飲料は、90%程度のトマトジュースにその他の野菜
汁を10%程度混合したトマトミックスジュースであっ
たり、比較的臭気の少ないニンジンやホウレンソウ等の
野菜汁を多くの果汁分と混合してミックスジュースの形
で商品化されているに過ぎず、純粋な意味での野菜ジュ
ースは、トマトジュースやニンジンジュースを別として
未だ商品として提供されていないのが現状である。
ベツ、カリフラワー、コールラビー等の、ある種のガン
成育をさまたげる働きがあると報告されているあぶらな
科の野菜類や、大根、オニオン、なす等の野菜を搾汁し
た後、単独もしくは果汁等との混合等により飲料とした
場合、これを室温レベルの温度にて保存すると、特有の
臭気が発生し、缶詰やアセプティック充填での紙容器製
品等「常温流通品」としての商品化がなしえないのが現
状であった。
酸を添加した後、これを所謂バッチ法で弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂により処理するか、あるいは弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂カラムで循環処理すれば、野菜臭や異臭が除
去された中性付近の野菜汁液を得ることができ、しかも
この樹脂処理野菜汁液を用れば「高温保存に耐える飲
料」を作ることが出来ることを見出し、特許出願した
(特願平 7−79351号)。
ン交換樹脂は、作用基としてアミン類を有するため、当
該樹脂で野菜汁の処理を行った場合、アミン類の不完全
結合部分が露出して回収液に移行しやすく、いわゆる樹
脂臭とよばれる不快な臭気が残存することがあった。
20%程度の希釈飲料や果汁等との混合飲料とするこ
と、あるいはこれを上回る香気を添加香料等の作用によ
り「樹脂臭が気にならない程度の飲料」とすることは可
能であるが、本来アミン系の物質が食品に移行すること
は食品衛生上あまり好ましいことではなく、その改良が
求められている。
オン交換樹脂の有する優れた異臭原因物質除去作用を利
用しながら、当該樹脂に起因するアミン臭のない野菜搾
汁液の製造法の開発が求められており、本発明はこれを
満足する野菜搾汁液の提供を課題とするものである。
処理工程における弱塩基性陰イオン交換樹脂に起因する
アミン臭の発生を防ぐべく鋭意研究を行った結果、野菜
搾汁の処理に先立ち、弱塩基性陰イオン交換樹脂を有機
酸で処理すればアミン臭の発生が有効に防げることを見
いだし本発明を完成した。
野菜汁とし、次いで有機酸を添加し、更にこの野菜汁を
予め有機酸を吸着させた弱塩基性陰イオン交換樹脂にて
処理することを特徴とする保存可能な野菜搾汁液の製造
法である。
着させた弱塩基性陰イオン交換樹脂(以下、「有機酸吸
着樹脂」ということがある)は、弱塩基性陰イオン交換
樹脂、例えば、脱塩・脱酸用のポーラス化した弱塩基性
陰イオン交換樹脂に、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒
石酸、乳酸、L−アスコルビン酸等の有機酸溶液を通液
し、有機酸を吸着せしめた後、水等で洗浄したものであ
る。
樹脂としては、ダイアイオン WA20、WA21、W
A30、アンバーライトIRA−93ZU等が例示され
るが、樹脂再生時の酸洗浄の耐性の面からアンバーライ
トIRA94S、アンバーライトIRA−94S−HG
(オルガノ(株)製)等が好ましい。
る有機酸の量は、樹脂容量に対して2〜3当量程度とす
ることが好ましい。 具体的には、2〜3当量g/10
00ミリリットルの濃度のものを1BV(ベッドボリュ
ーム:樹脂容量)流すか、これより薄い液をその希釈倍
数分の容量で流せば良い。 過剰な有機酸の添加は、引
き続く水洗浄の終了を遅らせるので好ましくない。
の不快な樹脂臭を含む排出水を十分に除去するために行
う。 この不快な樹脂臭は、弱塩基性陰イオン交換樹脂
のアミン系作用基の不完全な結合物が、酸性サイドでの
樹脂膨脹もあいまち、有機酸と共に流れ出してくるため
に生ずるものと考えられている。
換樹脂中に滞留する有機酸がその特性上簡単に排出され
ないため、大量の水を用いて洗浄を行うことが必要であ
る。一般に水洗浄は、樹脂量に対して10倍量以上用い
るべきであり、14倍量以上、特に16倍量以上の水を
用いて行うことが好ましい。 洗浄が十分であるかどう
かは、排出水の臭気により確認することができるが、そ
の他、排出水中の有機酸酸度やpHを目安として用いる
こともできる。
着させた有機酸の排出水中の酸度を測定し、その酸度が
0.2%以下、好ましくは0.1%以下となった時点を洗
浄の完了時とすれば良い。 なお、ここでいう酸度と
は、検体(排出水)100g中に含まれる有機酸の重量
%として定義される。 また、pHで見た場合は、pH
2.6以上、好ましくはpH2.8以上となった点を洗浄
の完了点とすれば良い。
例えば飲用に適する井戸水、水道水等の上水を用いるこ
とができるが、これらの硬度が高い場合は、カルシュウ
ム分等を除去した軟水を使用することが好ましい。 ま
た、洗浄には脱イオン水を用いることが理想的ではある
が、経済性も考慮し、大部分を一般水で洗浄し、最後に
2BV程度の脱イオン水で洗浄することが好ましい。
機酸吸着および洗浄は、処理後経時的に樹脂中の不完全
結合作用基が露出することがあるので、野菜汁処理の当
日または前日に行うことが好ましい。
樹脂を用いる野菜汁処理について説明する。
法によりブランチング処理・破砕・搾汁して得た野菜汁
であっても、また、低温搾汁して得た野菜汁てあっても
よいが、野菜をアスコルビン酸存在下、低温で破砕・搾
汁し、これを加熱して生体酵素を失活させる方法を採用
することが好ましく、この方法で得た野菜汁を利用する
ことが結果的により良い風味のものを得ることができ
る。 搾汁時に野菜に添加するアスコルビン酸の濃度
は、60〜200mg%とすることが好ましい。
に、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、L−アスコル
ビン酸等の有機酸を添加する。搾汁された直後の野菜汁
のpHは、6.0程度の中性であるが、野菜汁のpHが
3.0〜4.5程度、特に3.5〜4.0程度となる量の有
機酸を添加することが好ましい。 pHが4.5以上であ
ると野菜汁が劣化しやすく好ましくない。 また、pH
が3.0以下である場合は、食品として扱いにくいのみ
ならず、野菜汁のpHがいわゆる樹脂pHを下回る場合
は、新たに樹脂臭が発生するおそれがある。 なお、こ
こでいう樹脂pHとは、排出水のpHを意味する。
は、前記のようにして調製された有機酸吸着樹脂による
樹脂処理に付される。この樹脂処理は、所謂バッチ法
や、バッチ法の一部とされる、網目かごに樹脂を詰めジ
ュースの入ったタンク中で上下させる半連続法であって
も良く、これらでも少量生産は実施可能であるが、樹脂
再生法を考え、また大量・連続・省力化生産の経済性を
も考慮すればカラム式イオン交換法を用いて連続処理す
る方法が勝る。
理方法を例に挙げ、具体的に有機酸吸着樹脂による樹脂
処理を説明する。まず、前記のごとくして得られた有機
酸吸着樹脂を所定量カラムに充填する。また、場合によ
っては、弱塩基性陰イオン交換樹脂を所定量カラムに充
填した後、前記方法に従い、有機酸吸着及び水洗を行っ
たものを利用しても良い。カラムに充填する樹脂量は、
処理すべき野菜汁の濃度によるが、ストレート濃度[例
えばキャベツ汁ならばブリックス糖度5(以下、ブリッ
クス糖度を「Bx」と略記する)]であれば100部に
対し容量比10〜30部程度、望ましくは15〜25部
程度とすればよい。
き、搾汁時期と樹脂処理時期を分け、野菜汁の保管コス
ト軽減やタンク等付帯設備の小型化を図ることもでき
る。この場合は、前工程で得られた野菜汁を凍結保存と
しておき、樹脂処理開始前に解凍することになる。 こ
の場合、処理すべき野菜汁の濃度が高くなるが、野菜汁
のBxと使用樹脂量には比例関係があるので、野菜汁の
Bxに応じて適宜樹脂量を決めることが望ましい。 例
えばキャベツ汁のBxが10となれば、使用樹脂量は前
記の2倍量、Bx15であれば前記の3倍量程度にすれ
ばよい。
ク等関連設備、回収収率等を考えるとBx15処理(樹
脂量は野菜汁100部に対し60部程度)位とすること
が最も扱い易く、好ましい。 また、処理前の野菜汁に
は有機酸が添加されているため、そのpHは処理濃度に
関係なく3.5〜4.0付近であることが望ましい。
濃縮したものの有機酸吸着樹脂処理において、野菜汁を
有機酸吸着樹脂カラムに流し込む速度は、SV(空間速
度;Spaced Velocity)を2〜20BV/h程度、すな
わち、3〜30分で樹脂1容量分の野菜汁を流す程度で
あり、望ましくはSVが8〜10程度である。
たものとなり、処理終了時も水が混入することから収率
面の経済性と仕上げ製品の濃度を考慮し、回収時期が決
められる。1樹脂容量に対し、どの位の野菜汁を流すか
は、その目的とする野菜汁の例えば高温保存耐性の期待
度に合わせ選択されるべきである。前記した樹脂容量に
対する野菜汁処理量、野菜汁処理量に対する樹脂容量は
あくまでも目安であるが、Bx15程度のキャベツ汁で
あれば、樹脂容量1部に対し3部程度を越すと徐々に野
菜汁臭が残り始め、高温保存耐性のある野菜汁が得られ
にくくなる。
量1部に対し、上記Bx15の野菜汁を10部程度まで
流しても全く流出してくることはない。 また、処理前
4.0程度であった野菜汁のpHも4.1〜4.5程度と
なって回収されることから、樹脂処理中の微生物問題に
も極めて有利な条件となり、そのまま製品もしくは製品
原料として使用可能なものとして得ることができるが、
混在する可能性のある樹脂破片等を除去するため、仕上
げ濾過することが好ましく、必要に応じて濃縮処理を行
っても良い。
味で、β−サイクロデキストリンをストレート濃度(B
x5の野菜汁)当り0.1〜0.5%添加、溶解すること
も一法である。更にまた、保存劣化を防ぐ能力をつけ加
える意味で、食塩をストレート濃度当り0.08〜0.3
%添加溶解することも効果的である。
汁液は、たとえば低温搾汁時に加え、樹脂処理を開始す
る直前に含まれていたアスコルビン酸、含有していたア
ミノ態窒素成分もほとんど失うことはなく、野菜汁の有
効成分がほとんど残存しているものである。
野菜汁液として得ることが好ましく、このような透明化
された野菜汁液を得るために、各処理工程の何れかに少
なくとも1回の透明化処理工程を行うことが好ましい。
特に樹脂処理前の段階で透明化処理を行うことがより
好ましい。 透明化処理には、例えば、破砕・搾汁した
野菜汁に有機酸を添加して懸濁物沈殿を促した後、ペク
チナーゼ等による酵素処理にて透明化する方法や、野菜
汁をUF膜を利用して透明化する方法が挙げられる。
る酵素処理後の透明化は、従来から行われている濾過処
理法で十分であり、また、透明化に使用した酵素の失活
は85℃以上の加熱処理が行われる。 特に、有機酸添
加後の低pH状態の野菜汁を酵素処理し、この酵素を失
活させるため加熱することは、同時にタンパク質等の二
次沈殿物形成を促し、これを遠心分離・ケイソウ土濾過
等で除去できるので効率的である。
陰イオン交換樹脂は、再生処理を行い、繰り返し使用す
ることができる。再生処理は、アルカリ洗浄、酸洗浄、
アルカリ洗浄の順で行うことが好ましく、再生終了の確
認は、排出水の臭気、pH、フェノールフタレンの着色
のないこと等で行うことができる。
供することもできるが、必要に応じて味覚や風味を調整
するための各種の添加物、例えば、塩、砂糖等の甘味
料、酸味料、香料、保存料等を加えることも可能であ
り、本発明中にそのような工程を加えることができる。
また、透明もしくは混濁果物ジュースと混合し、ミッ
クスジュースとすることも可能である。
てのみならず、これを例えばペクチン、寒天、カラギナ
ン等の増粘もしくはゲル化多糖類、発酵乳、卵黄等と組
合せ、例えば、野菜ゼリー、野菜入りヨーグルト、野菜
プリン、ジャム等の食品とすることも可能である。ま
た、グミ、チョコレート、パン、飴等の食品への利用も
可能である。
汁液が得られる作用機序は明らかではないが、有機酸を
予め弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させ、次いで十分
に水で洗浄することにより樹脂臭の原因とされる不完全
結合状態のアミン類が酸により十分に除去される結果、
有機酸を添加した野菜汁を処理しても不完全結合のアミ
ン類が回収液に移行することがなく、従っていわゆる樹
脂臭が発生しないものと推定される。
された有機酸や野菜汁に添加された有機酸により樹脂表
面に新たな架橋体が形成され、野菜臭の原因となる臭気
物質もしくはその前駆物質が吸着されることにより不快
臭の原因となる物質が除去され、常温保存可能な野菜汁
が得られるものと推定される。
陰イオン交換樹脂の使用例としては夏みかんやグレープ
フルーツの減酸処理が知られてはいたが、これは果汁の
酸味低下のためであり、不快臭成分等の除去については
全く示唆されていない。
汁処理を行い、硝酸イオンを減少させる方法(「人参ジ
ュースの製造方法」特開昭59−31678号)が知ら
れているが、「硝酸イオン除去率が60〜70%程度に
処理することが、得られる人参ジュースの香味の低下が
なく望ましい」とあり、硝酸イオン除去のための弱塩基
性陰イオン交換樹脂処理が、香味の低下に幾分つながる
ことが暗にのべられ、実施例でも、「従来法と香味にお
いて有為差はない。」とのべる等、硝酸イオン成分の除
去が目的であり、不快臭成分の除去を示唆していないこ
とは明らかである。
ス等を処理する例としては、例えば、強酸性陽イオン交
換樹脂を使用して温州みかんの加熱臭前駆物質といわれ
るs−メチルメチオニンスルホニウムを除去する方法
(おさ島豊ら「温州ミカン果汁中のs−メチルメチオニ
ンスルホニウムの除去」, 農芸化学会誌, Vo1.59,
No.5, 1985年)や、野菜汁を陽イオン交換体で
処理して高品質の野菜汁を製造する方法、(「野菜ジュ
ースの製造方法」特開平5−56711号)等が見られ
るが、いずれも酸性陽イオン交換樹脂処理であり、本発
明で利用する弱塩基性陰イオン交換樹脂、特に有機酸処
理した弱塩基性陰イオン交換樹脂を使用することに関し
てはなんらの示唆もない。
させ、イオンを錯塩として樹脂に吸着させる方法、具体
的には塩基性樹脂にクエン酸を吸着させ、Fe、Al、
V等の多価イオンを錯塩として樹脂に吸着させてアルカ
リ金属等と分離させる方法は公知(例えば、三菱化成テ
クニカルサービスシリーズ、ダイヤイオンイオン交換樹
脂・合成吸着剤、マニュアル〔II〕、p35〜)であ
り、工業的金属イオンの除去方法として工業用塩酸の精
製方法等では実施されているものもある。
快臭成分が上記のような金属分あるいはこれと関連があ
るかどうかは全く不明であり、しかも、上記方法が食品
工業へ適用された例もなく、少なくとも本願発明を示唆
するものでないことは明らかである。
搾汁液は、従来知られていたイオン交換樹脂の作用によ
るものでなく、これらと全く別の新しい作用機序による
ものと判断される。
発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等
になんら制約されるものではない。
に4分割し、巻葉をバラバラにした後食品用洗剤にて洗
浄した。 水シャワーにて洗剤をリンスした後0.3%の
「アスコルビン酸溶液浸漬」を3分間行った。
のアスコルビン酸溶液をミクログレーダー上部より滴下
しつつ破砕を行った。 破砕されたキャベツをフェッタ
ー型スクリュープレスにて搾汁し、集液した。 この搾
汁液を110℃、10秒の高温短時間加熱を行い、アス
コルビン酸105mg%を含むpH5.7のキャベツ粗
汁を得た。
0.25%を添加し、pHが4.0付近であることを確認
したのち、ペクチナーゼSS(ヤクルト薬品工業(株)
製)を0.05%添加し、45℃で1時間の酵素反応を
行った。 酵素反応後、95℃、10秒の短時間加熱を
行い、冷却した後、ドラバル型遠心分離機にて懸濁物の
除去を行った。 更に#200のケイ藻土を用い仕上げ
濾過を行ったのち、Bx30まで減圧濃縮を行った。
IRA−94Sをカラムに充填し(樹脂容量:1000
リットル)、これに1規定のクエン酸3BV量を用いて
有機酸(クエン酸)を吸着させ、イオン交換水18BV
で水洗浄した。 この有機酸処理カラムの樹脂pHは2.
82、クエン酸酸度は0.08%であった。
5°に希釈し、処理用野菜汁(アスコルビン酸310m
g%、pH3.99、クエン酸酸度1.3%)を得た。こ
の野菜汁2000リットルを、上記(3)の有機酸処理
カラムを用い、下向流にて処理した。 樹脂処理条件
は、通液スピードをSV10、通液量1000リットル
/6分とした。
との切替えタイミングによる回収液の低濃度化を避ける
ため、処理開始5分迄及び、処理後の水滴下開始より5
分以降のものを廃棄とした。得られた野菜汁(回収液)
は、Bx14.4、pH4.3で、その回収液量が193
0リットルであった。
処理IRA−94Sカラムの樹脂再生洗浄操作は次のご
とくして行った。すなわち、まず内容物の特に着色成分
の洗浄を行うため、(5)の処理終了後、一般水2BV
以上を流し、内容物の水洗浄を行った後、1NのNaO
Hにより2.5BV分をSV=10程度で流す。 続いて
イオン交換水にて5BV以上の洗浄を行った後、1Nの
塩酸2.5BV分をSV=10程度で流す。 更に、イオ
ン交換水にて5BV以上の洗浄を行った後、1NのNa
OHを2.5BV分をSV=10程度で流し、再度5B
V以上のイオン交換水で洗浄を行う。
性に戻す事及び一度目のアルカリ洗浄で落ちきれなかっ
た着色成分が、酸洗浄による樹脂の膨張作用で再びアル
カリ液との接触の機会をもたらす作用で、より効果的に
洗浄する事を目的とするものである(アルカリサイドで
は樹脂が逆に収縮するため、一度のアルカリ洗浄では、
着色成分が除去できないことがある)。
部のβ−サイクロデキストリンを加え、20分間攪拌溶
解した。
に4分割し、巻葉をバラバラにした後、食品用洗剤にて
洗浄した。水リンス後、熱水にてキャベツの芯様の最厚
部の中心が85℃に達するまで加熱した。
を行い、集液後110℃、10秒の高温短時間加熱の
後、アスコルビン酸を約100mg%となるよう添加
し、pH6.0のキャベツ粗汁を得た。
し、pH4.0に調整した。 このとき使用したクエン酸
量は1000リットル当たり2.6kgであった。 これ
にペクチナーゼSS(ヤクルト薬品工業(株)製)を0.
05%添加し、45℃、1時間の酵素反応を行った。
酵素反応後、95℃、10秒の短時間加熱を行い、冷却
後ドラバル型遠心分離機にて生成した懸濁物を除去し
た。 得られた野菜汁は実施例1のものに比べ、やや濁
りが見られたことから、#500のケイ藻土濾過を行っ
たのち#200のケイ藻土で仕上げ濾過を行い、Bx3
0まで濃縮を行い、濃縮野菜汁を得た。
し、処理用野菜汁(アスコルビン酸295mg%、pH
3.95)を得た。この野菜汁2000リットルを、実
施例1(3)と同様にして予め有機酸吸着・水洗浄を行
ったIRA−94Sカラム(樹脂容量1000リット
ル;樹脂pH2.83、クエン酸酸度 0.07%)を用
い、下向流にて処理した。
0、通液量1000リットル/6分とし、水との切替え
タイミングによる回収液の低濃度化を避けるため、処理
開始5分迄及び、処理後の水滴下開始より5分以降のも
のを廃棄とした。得られた回収野菜汁は、Bx14.
2、pH4.3で、その回収液量は1940リットルで
あった。なお、使用したIRA−94Sカラムは、実施
例1の(6)と同様に樹脂再生洗浄を行なう。
字に4分割し、巻葉をバラバラにした後食品用洗剤にて
洗浄した。 水リンス後、熱水にてキャベツの芯様の最
厚部の中心が85℃に達するまで加熱した。グレーダに
て破砕後油圧プレスにて搾汁を行い、集液後110℃、
10秒の高温短時間加熱の後、アスコルビン酸が約10
0mg%となるよう添加し、pH5.9のキャベツ粗汁
を得た。
(ヤクルト薬品工業(株)製)を0.05%添加し、45
℃、1時間の酵素反応を行った。 次いで、95℃、1
0秒の短時間加熱を行い、冷却後ドラバル型遠心分離機
にて懸濁物を除去した。更に、#500のケイ藻土濾過
を行ったのち#200のケイ藻土で仕上げ濾過を行い、
Bx30まで濃縮を行い、濃縮野菜汁を得た。 この時
の性状は、Bx30.2、クエン酸酸度0.32%、pH
5.1であった。
し、処理用野菜汁(アスコルビン酸293mg%、pH
5.2)を得た。
に対し、実施例1の(6)と同様に樹脂再生洗浄を行っ
たIRA−94Sを600ミリリットル加え、10分間
穏やかに混合し、80メッシュフィルターで樹脂を分離
した。得られたキャベツ汁は、pH9.8を示し、アン
モニア様の臭気を有しており、飲用に耐えるものではな
かった。
した後、20%クエン酸液を用い、pH4.0とした。
に対し、実施例1の(6)と同様に樹脂再生洗浄を行っ
たIRA−94Sを600ミリリットルを加え、10分
間穏やかに混合し、80メッシュフィルターで樹脂を分
離した。得られたキャベツ汁は、Bx11.8 pH7.
2を示した。
した後、20%クエン酸液を用い、pH4.0とした。
を、樹脂再生処理を行ったIRA−94Sカラム(樹脂
容量500ミリリットル)を用い、下向流にて処理し
た。得られたキャベツ汁の初流は強烈なアンモニア臭を
有しており廃棄したが、その後のキャベツ汁もアンモニ
ア様の臭気を有し、飲用に耐えるものではなかった。
られた野菜汁を各原液(オリジナル)の30%液(Bx
換算1.5)の濃度に調整した後、クエン酸を添加し、
全てのpHを4.0として100ml瓶にホットパック
し、成分評価を行った。 この結果を表1に示す。
有量20mg%に調整した後、それぞれホットパックし
た。製造日のものと製造後37℃にて所定日数保存した
ものを、それぞれ冷却して官能検査に供した。
研究員9名のパネルにより、 キャベツ感、 異臭
(漬物臭、古漬臭…あらかじめ同様の臭いで訓練した)
樹脂臭(アミン臭…あらかじめ未使用のIRA−9
4Sの臭いで訓練した)を官能評価し、以下の6段階で
評価した。 製造当日の野菜汁のキャベツ感、異臭およ
び樹脂臭を表2に、37℃で4週間および8週間保存し
た後のキャベツ感および異臭を表3に示す。
に、本発明法による野菜搾汁液は、成分的に従来法とほ
とんど変わらないにもかかわらず、37℃での保存によ
っても、ほとんど異臭を発生させないものであった。ま
た、比較例3に比べ、実施例1〜3は、樹脂臭が全く認
められないレベルのものであった。
に発生する漬物臭等と表現される異臭を防ぐことができ
ず、事実上商品として提供できなかった、キャベツ、ブ
ロッコリーを含め多くの野菜類の野菜搾汁液を通常の常
温保管商品とすることが可能となり、更に、これらを解
決するために弱塩基性陰イオン交換樹脂に有機酸を接触
させる特殊な方法による野菜汁の製造の際、どうしても
回避できなかった樹脂臭の混入を防ぐことが可能とな
る。従って、簡単な摂取することのできる新しいタイプ
の野菜飲料を、自然な風味で且つ食品衛生上も好ましい
形で提供することができるので、食品産業上の意義の大
きいものである。 以 上
Claims (7)
- 【請求項1】 野菜を破砕・搾汁して野菜汁とし、次い
で有機酸を添加し、更にこの野菜汁を予め有機酸を吸着
させた弱塩基性陰イオン交換樹脂にて樹脂処理すること
を特徴とする保存可能な野菜搾汁液の製造法。 - 【請求項2】 有機酸を吸着させた弱塩基性陰イオン交
換樹脂が、弱塩基性陰イオン交換樹脂に有機酸を吸着さ
せた後、水により酸度が0.2%以下となるまで洗浄し
たものである請求項1記載の保存可能な野菜搾汁液の製
造法。 - 【請求項3】 樹脂処理を、搾汁した野菜汁100部に
対し、10部〜100部の有機酸を吸着した弱塩基性陰
イオン交換樹脂を用いて行う請求項第1項または第2項
記載の保存可能な野菜搾汁液の製造法。 - 【請求項4】 有機酸添加後の野菜汁のpHが樹脂pH
より高いものである請求項第1項ないし第3項のいずれ
かの項に記載の保存可能な野菜搾汁液の製造法。 - 【請求項5】 各処理工程のいずれかに少なくとも1回
の透明化処理を行う請求項第1項〜第4項のいずれかの
項記載の保存可能な野菜搾汁液の製造法。 - 【請求項6】 野菜汁に、更にサイクロデキストリンを
添加することを特徴とする請求項第1項〜第5項のいず
れかの項記載の保存可能な野菜搾汁液の製造法。 - 【請求項7】 請求項第1項〜第6項のいずれかの項記
載の方法により製造された野菜搾汁液を含有する食品。
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