JP2003164272A - 清涼飲料水 - Google Patents
清涼飲料水Info
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Abstract
等を必要とせず、又pH調整剤等の風味に大きな影響を
与える原料を用いることなく或いはかかる原料を用いた
場合においても極微量に抑えて低温殺菌することができ
る清涼飲料水を提供する。また、ミネラルウォーター類
に、例えば保健機能を有する原料を加え、外観、風味に
おいて実質的にミネラルウォーターと何らかわらない新
規な機能性ウォーター製品としての清涼飲料水を提供す
る。 【解決手段】原料水及び原料水以外の他の原料を含み、
低温殺菌処理を施した容器入り清涼飲料水であって、当
該原料水として酸性イオン水を用いることにより清涼飲
料水のpHを4.5以下に制御したことを特徴とする清
涼飲料水。
Description
容器入り清涼飲料水に関し、さらに詳しくは、これまで
飲用に供されていなかった酸性イオン水を原料水として
用いた低温殺菌処理を施した容器入り清涼飲料水に関す
る。
ば、清涼飲料水を低温殺菌し、これを洗浄した容器に熱
間充填後、密封(ホットパック)する製法、あるいは清
涼飲料水を洗浄した容器に充填密封した後、低温殺菌す
る製法等が知られている。又、清涼飲料水を容器に充填
密封した後、加圧下で高温殺菌するレトルト殺菌による
製法が知られている。更に、低温殺菌、高温殺菌等によ
り清涼飲料水を加熱殺菌した後、これを無菌室内におい
て予め殺菌処理した容器に充填密封する製法、所謂、無
菌充填による製法が知られている。
は、高温殺菌用の耐熱性容器や加圧加熱殺菌装置のよう
な重厚な設備等が必要になる。又、無菌充填による製法
にあっては、無菌充填のための特殊な設備、無菌維持の
ための複雑な制御等が必要になる。
記した重厚な設備、無菌維持のための複雑な制御等は不
要である。しかし、低温殺菌するためには、クエン酸等
の酸味料により清涼飲料水のpHを酸性に調整する必要
がある。そのため、かかる酸味料を用いた清涼飲料水に
ついては、酸味料の風味をマスキングする等の風味上の
調整が必要になるという問題を有していた。殊に、ミネ
ラルウォーター類に僅かな風味を付与したフレーバーウ
ォーターを製造する場合、或いはミネラルウォーター類
に、例えば保健機能を有する原料を加え、外観、風味に
おいて実質的にミネラルウォーターと何らかわらない新
規な機能性ウォーター製品を製造する場合においても、
かかる風味上の問題が大きな障害となっていた。
して、イオン交換水又は天然水中にボイソンベリーフレ
ーバー、ブルーベリーフレーバー等の特定フレーバー、
砂糖及びクエン酸を特定割合で含有したpH3.0〜
5.0の容器詰フレーバーウォーター(特開平7−31
433号)が知られている。しかし、かかる容器詰フレ
ーバーウォーターは、pHを調節するための酸味料とし
て、クエン酸を用いており、かかるクエン酸の酸味をマ
スキングする等の風味上の調整が必要になる。なお、上
記容器詰フレーバーウォーターにおいて用いられている
イオン交換水は、特にイオン交換方法についての明示は
ないが、一般に、清涼飲料水の原料水として用いられる
イオン交換水であって、陽イオン交換樹脂と陰イオン交
換樹脂の両方を用いて水中のイオンを除去した純水であ
ると思われる。
換水を用いた他の飲料としては、イオンを除去しかつ脱
気処理して得られた脱気イオン交換処理水を用いて飲料
原料を抽出したもの(特開2000−93130号)、
近時、その保健機能が注目され、それ自体が製品として
上市されているアルカリイオン水等が知られている。
良、下痢の改善等、消化機能の回復、糖尿病、高血圧、
アレルギー性の皮膚炎等に効果があるといわれ、これま
でも広く飲用に供されている。また、お茶、紅茶など飲
料の抽出、炊飯等にも用いられている。このアルカリイ
オン水は、電気分解によりマイナス電極側で作られたも
のであり、反対に、マイナス電極側で作られる酸性イオ
ン水は、肌の手入れ、麺の茹で水、野菜等の洗浄に用い
られているが、一般には飲用に供されていない。
ネラルウォーター製品としては、アルカリイオン水の他
に、多く見受けられない。これは、上記した風味上の問
題が大きな障害となっているものと思われる。
は制御が複雑な殺菌設備等を必要とせず、又pH調整剤
等の風味に大きな影響を与える原料を用いることなく或
いはかかる原料を用いた場合においても極微量に抑えて
低温殺菌することができる清涼飲料水を提供することを
目的とする。
に、例えば保健機能を有する原料を加え、外観、風味に
おいて実質的にミネラルウォーターと何らかわらない新
規な機能性ウォーター製品としての清涼飲料水を提供す
ることを目的とする。
として全く利用されていなかった酸性イオン水を原料水
として用い、更に清涼飲料水に加える原料として、酸性
イオン水に加えた時に当該酸性イオン水のpHがほとん
ど変動しない原料を用いることにより、上記目的を達成
することができるという知見に基づき完成されたもので
ある。
他の原料を含み、低温殺菌処理を施した容器入り清涼飲
料水であって、当該原料水として酸性イオン水を用いる
ことにより清涼飲料水のpHを4.5以下に制御したこ
とを特徴とする清涼飲料水である。
して酸性イオン水を用いる。上記酸性イオン水は、水源
より採取した地下水等の原水をイオン交換処理或いは電
気分解することにより製造する。
により行う。具体的には、水素イオン形の陽イオン交換
体を用い、原水中に含まれるカルシウムイオン、マグネ
シウムイオン、ナトリウムイオンを水素イオンと置換す
ることにより酸性イオン水を製造する。具体的には、上
記陽イオン交換体をカラムに充填し、原水を当該カラム
に通水する方法(カラム方式)、原水中に上記陽イオン
交換体を添加し攪拌する方法(バッチ式)等により行え
ばよい。又、上記電気分解は、プラス電極とマイナス電
極の間に隔膜(多孔質膜)を設置し、電気分解した後、
プラス電極側で製造された酸性イオン水を採取する。
法又は電気分解等においてその処理条件を適宜設定し、
或いは上記イオン交換樹脂法又は電気分解等の処理によ
り得られた酸性イオン水に、処理前の原水を加えること
等により、pH2.0〜4.5に調整し、これを原料水
として使用する。上記範囲よりもpHが低い場合には、
酸味が強くなり飲用に適さず、反対に上記範囲よりもp
Hが高い場合には、レトルト殺菌のような高温殺菌が必
要になる。上記方法により得られた酸性イオン水は、原
水にクエン酸等の酸味料を入れて同じpHに調整したも
のと比し、ほとんど酸味が感じられない。そのため、清
涼飲料水の風味にほとんど影響を及ぼすことがない。
他の原料は、酸性イオン水に加えたときに、当該酸性イ
オン水のpHが大きく変動しない、即ちpH変動幅が0
〜2.5になるものを用いることが望ましい。一方、当
該他の原料として、酸性イオン水のpHを大きく変動さ
せるものを用いてもよい。しかし、この場合には、上記
pH変動幅が0〜2.5になるよう、その添加量を調整
する必要がある。このように、本発明によれば、酸性イ
オン水に他の原料を加えた時に、酸性イオン水のpH変
動幅が0〜2.5になるため、清涼飲料水のpHを4.
5以下に制御することができる。
条件を満たすものであれば、水溶性或いは不溶性、保健
機能を有するもの等、いかなる性質を有するものも使用
できる。具体的には、食物繊維、ビタミン、ミネラル、
コラーゲン等のタンパク質、カフェイン、その他各種香
料等を例示することができ、これらは単独又は混合して
用いてもよい。
し、また酸性イオン水に加えた時にpHがほとんど変動
しないものとして、食物繊維が例示できる。食物繊維と
は、ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成
分のことをいい、コレストロールの吸収抑制作用、血糖
の上昇抑制作用、血圧の上昇抑制作用、変異原性物質の
生成抑制作用、滞腸時間の短縮による排便促進作用等々
の機能を有することが知られている。又、上記食物繊維
は、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維に分類され、不溶
性食物繊維として、セルロース、ヘミセルロース、ペク
チン(不溶性)、リグニン、イヌリン、キチン等、又、
水溶性食物繊維として、ペクチン(水溶性)、グルコマ
ンナン、ガラクトマンナン、寒天、アルギン酸、カラギ
ーナン、難消化性デキストリン等が知られている。
的に無色透明、かつ無味無臭であり、又水と同程度の粘
性を有し、更に水溶性であるため、これを用いることに
より、外観、風味において実質的にミネラルウォーター
とかわらない新規な機能性を有するウォーター製品を製
造することができる。又、上記難消化性デキストリン
は、無味無臭ではあるが、微かに甘味が感じられるた
め、上記したウォーター製品は、かかる難消化性デキス
トリンにより酸性イオン水の微かな酸味が程好くマスキ
ングされ、上記した通り、実質的にミネラルウォーター
とかわらない風味に調整される。
場合、他の原料の性質により異なるが、酸性イオン水と
他の原料の重量比が、1:0.01〜2、好ましくは
1:0.01〜0.05になるようにすることが望まし
い。他の原料の量が少ない場合には、清涼飲料水に特定
の機能或いは特有の風味を付与することができず、反対
に、その量が多い場合には、前記した通り、清涼飲料水
のpHが4.5を超えてしまうおそれがある。
料を加えても、清涼飲料水のpHが4.5以下に制御さ
れているため、低温殺菌することができる。これによ
り、レトルト殺菌のように、高温殺菌用の耐熱性容器や
加圧加熱殺菌装置のような重厚な設備等が不要になる。
又、無菌充填のように特殊な設備、無菌維持のための複
雑な制御等が不要になる。ここでいう低温殺菌とは、食
品衛生法において規定されているpH4.0未満の清涼
飲料水、及びpH4.0以上の清涼飲料水(pH4.6
以上で、かつ、水分活性が0.94を超えるものを除
く。)の殺菌方法、即ち、前者は、中心部の温度を65
℃で10分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を
有する方法、後者は、中心部の温度を85℃で30分間
加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で
あって、65℃以上100℃未満の低温域の殺菌温度に
おいて上記規定を満足するように設定した殺菌条件のこ
とをいう。
入り清涼飲料水を製造する場合には、例えば、清涼飲料
水を低温殺菌し、これを洗浄した容器に熱間充填後、密
封(ホットパック)する方法、あるいは清涼飲料水を洗
浄した容器に充填密封した後、低温殺菌する方法等によ
り行えばよい。
耐え得るものであればよく、例えば、ポリプロピレン、
ポリエチレン等のオレフィン系のプラスチック、ポリア
ミド、ポリエチレンテレフタレート、ガラス等を用いる
ことができる。以下、本発明を実施例等により、更に詳
しく説明する。
を、水素イオン形の陽イオン交換樹脂(商品名:IR1
20B(H)AG、オルガノ株式会社製)を収納したカ
ラムに通水し、pH3.8の酸性イオン水を得た。次
に、上記酸性イオン水500mlに、水溶性である難消
化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2H、松谷
化学工業株式会社製)3.3gを混合して食物繊維入り
の清涼飲料水を得た。これを、チューブラー式加熱殺菌
機(VHX型、岩井機械工業株式会社製)を用いて、9
5℃、6秒間相当の殺菌処理を施した後、直ちに洗浄し
たPETボトルに充填密封し、ホットパック処理した食
物繊維入りの清涼飲料水A(pH3.8)を得た。
微かに感じられる酸味は、難消化性デキストリンの有す
る甘味により消失し、実質的に無味無臭であり、また透
明性を有し、ミネラルウォーターと何らかわらないのも
のであった。
を、電気分解装置(α1500、アマノ株式会社製)に
より電気分解し、プラス電極側から採取したpH3.8
の酸性イオン水を用いること以外は、実施例1と同様の
方法により、ホットパック処理した食物繊維入りの清涼
飲料水B(pH3.8)を得た。
涼飲料水Aと同様、実質的に無味無臭であり、また透明
性を有し、ミネラルウォーターと何らかわらないのもの
であった。
に、クエン酸0.12gを添加し、pH3.8に調整
し、これに実施例1で用いた難消化性デキストリン3.
3gを混合して食物繊維入りの清涼飲料水を得た。これ
を実施例1と同様の方法によりホットパック処理し、食
物繊維入りの清涼飲料水C(pH3.8)を得た。
を有し、ミネラルウォーターと何らかわらないものであ
ったが、刺激的な酸味が強く感じられ、風味において
は、ミネラルウォーターとは全く異質のものであった。
に、比較的風味に影響の少ないグルコン酸0.3gを添
加し、pH3.8に調整する以外は、比較例1と同様の
方法により、ホットパック処理した食物繊維入りの清涼
飲料水D(pH3.8)を得た。
を有し、ミネラルウォーターと何らかわらないものであ
った。しかし、まろやかではあるが酸味が強く感じら
れ、風味においては、ミネラルウォーターとは異質のも
のであった。
に、比較的風味に影響の少ないリン酸0.07gを添加
し、pH3.8に調整する以外は、比較例1と同様の方
法により、ホットパック処理した食物繊維入りの清涼飲
料水E(pH3.8)を得た。
を有し、ミネラルウォーターと何らかわらないものであ
った。しかし、清涼飲料水Dと同様、まろやかではある
が酸味が感じられ、風味においては、ミネラルウォータ
ーとは異質のものであった。
飲料水A、Bは、外観、風味において実質的にミネラル
ウォーターと何らかわらないものであった。これに対
し、比較例においてpH調整剤を用いて得られた清涼飲
料水C〜Eは、ミネラルウォーターに食物繊維の保健機
能は付与することができるものの、酸味が感じられ、無
味無臭のウォーター製品としては不適であった。
雑な殺菌設備等を必要とせず、又pH調整剤等の風味に
大きな影響を与える原料を用いることなく或いはかかる
原料を用いた場合においても極微量に抑えて低温殺菌す
ることができる清涼飲料水を得ることができる。
健機能を有する原料を加え、外観、風味において実質的
にミネラルウォーターと何らかわらない新規な機能性ウ
ォーター製品としての清涼飲料水を得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 原料水及び原料水以外の他の原料を含
み、低温殺菌処理を施した容器入り清涼飲料水であっ
て、当該原料水として酸性イオン水を用いることにより
清涼飲料水のpHを4.5以下に制御したことを特徴と
する清涼飲料水。 - 【請求項2】 上記酸性イオン水のpHが、2.0〜
4.5である請求項1記載の清涼飲料水。 - 【請求項3】 上記他の原料により変動する酸性イオン
水のpH変動幅が0〜2.5である請求項1又は請求項
2記載の清涼飲料水。 - 【請求項4】 上記他の原料が、水溶性物質である請求
項1乃至請求項3のいずれかに記載の清涼飲料水。 - 【請求項5】 上記他の原料が、食物繊維である請求項
1乃至請求項4のいずれかに記載の清涼飲料水。 - 【請求項6】 上記食物繊維が、難消化性デキストリン
である請求項5記載の清涼飲料水。
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- 2001-11-30 JP JP2001366312A patent/JP3545742B2/ja not_active Expired - Fee Related
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