JP3016252U - 農作物用切断機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 農作物の根元、葉先といった端部をきれいに
等しい位置で直角に切り揃えると共に、農作物を連続的
に切断できる作業性に優れた農作物用切断機を提供す
る。 【構成】 切断機１は、ネギ３３を水平に搬送するベル
トコンベア２の横に、所定長さにわたり無端平ベルト１
５を設け、ベルトコンベア２の搬送速度と同一速度で送
り、ネギ３３のガイド部としている。このガイド部の搬
送方向前方のベルトコンベア２左右にモータ２１，２２
により回転する回転刃１９，２０を設けている。ベルト
コンベア２上面の両縁部にはネギ３３の押え手段として
無端Ｖベルト６，７が配置され、押えプーリ８，９によ
り上から加圧している。ベルトコンベア２の駆動力は、
装置下部のモータから無端チェーン２７を介して伝わ
り、さらに歯車２８，２９を介して無端Ｖベルト６，７
を同期させて動かす仕組みである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はネギ、人参等の農作物の鱗茎や根元、葉先といった端部を切断処理す る農作物用切断機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のネギ、人参等の農作物の鱗茎や根元、葉先といった端部を切断・分離す る装置としては、Ｖ字形断面の細長い受部材を所定ピッチで複数取付けたコンベ アの搬送経路途中の側部に回転刃を設けた構造のものが知られており、受部材に ネギを一本ずつ載せ、搬送される間に根元または葉先、あるいは両方を回転刃で 連続的に切断するというものであった。この方式の装置では、ネギを載せる位置 によって切断する端部の長さが変わり、長さが揃わないばかりでなく、ネギの根 部が曲がっている場合には切断面が鱗茎に対して斜めになり、きれいに直角に切 ることができなかった。また、受部材に一本ずつ載せなければならないため、連 続作業とはいえ、作業性があまりよくなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、上記した問題を解決し、農作物の端部をき れいに等しい位置で直角に切り揃えると共に、農作物を連続的に切断できる作業 性に優れた農作物用切断機を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の構成は、 １） 農作物を水平に搬送するフラットベルトを用いたベルトコンベアを設け、 該ベルトコンベア供給側の横に農作物の端部を押し当てて揃えるガイド部を所定 長さ設け、このガイド部のベルトコンベア搬送方向前方に農作物を搬送方向に切 断する回転刃を設け、搬送される農作物が前記回転刃に接触する前後において農 作物をベルトコンベアに押し付ける押え手段を設けた農作物用切断機 ２） 前記ガイド部として、ベルトコンベア面と垂直で、ベルトコンベアの搬送 方向と同一方向かつ搬送速度と同一速度で送られる無端平ベルトを設け、ベルト 面に農作物の端部を押し当てて揃えるようにした前記１）に記載の農作物用切断 機 ３） 前記無端平ベルトを、搬送方向に進む程横のベルトコンベア側へ近づくよ うに取付けた前記２）に記載の農作物用切断機 ４） 前記押え手段として、前記ベルトコンベアの側縁の上方にベルトコンベア 搬送方向と同一方向かつ搬送速度と同一速度で送られる無端ベルトを設け、該無 端ベルトを回転刃手前で上からベルトコンベアに向けて押し付ける押えプーリを 設ける構造とした前記１）に記載の農作物用切断機 ５） 前記押え手段として、前記ベルトコンベアの側縁の上方にベルトコンベア 搬送方向と同一方向かつ搬送速度と同一速度で送られる無端ベルトを設け、該無 端ベルトを回転刃手前で上からベルトコンベアに向けて押し付ける押えプーリを 設ける構造とした前記２）または３）に記載の農作物用切断機 ６） 前記回転刃及びガイド部のある側と反対側の前記ベルトコンベア横に、農 作物を搬送方向に切断する回転刃及び、搬送される農作物が該回転刃に接触する 前後において農作物をベルトコンベア上に押し付ける押え手段を設けた前記１） または４）に記載の農作物用切断機 ７） 前記回転刃及びガイド部のある側と反対側の前記ベルトコンベア横に、農 作物を搬送方向に切断する回転刃及び、搬送される農作物が該回転刃に接触する 前後において農作物をベルトコンベア上に押し付ける押え手段を設けた前記２） ，３），５）いずれか記載の農作物用切断機 にある。

【０００５】 本考案の農作物の位置を揃えるガイド部としては、上記した無端平ベルトを用 いる他、端部を当てて揃えるガイド板等を用いてもよい。またガイド板には揃え やすいよう角度を付けたり、位置調節自在としてもよい。 本考案の農作物をベルトコンベア上に押し付ける押え手段としては、上記した 無端ベルトを用いるもの以外に、スキー板状等の押え板をバネ等で加圧したもの 等も用いることができる。

【０００６】

【作用】

本考案の農作物用切断機では、ベルトコンベアの供給側に農作物をその根元等 端部をガイド部に当てながら載せると、端部がガイド部により根を基準として位 置が整った状態で搬送される。その後回転刃手前から押え手段で農作物の端部が ベルトコンベアに押し付けられ、切断箇所が動かないよう保持されながら、回転 刃により端部がガイド部と回転刃の設定間隔分だけ切断・分離される。分離後、 農作物はベルトコンベアで搬送されて搬出側から搬出され、分離された端部は回 転刃横から落下する。

【０００７】 ガイド部として垂直の無端平ベルトを設けた構成では、農作物の根元等を平ベ ルト面に当て、端揃えをしてベルトコンベア上に載せると平ベルト面がベルトコ ンベア同様に動き、端部と平ベルト面との間にすべりを生じさせずに農作物の姿 勢を保持したまま回転刃へ導く。

【０００８】 無端平ベルトが搬送方向へ進むに従ってベルトコンベアに寄っていくようにし た構成では、農作物の根元等を平ベルト面に確実に当てず多少雑な状態でベルト コンベア上に載せても、搬送される間に根元が平ベルト面に徐々に近付いて当た り、位置が調整されていく。最終的に所定の切断長さが必ず確保されて農作物は 回転刃へ送られる。

【０００９】 押え手段として押えプーリで加圧される無端ベルトを設けた構成では、ガイド 部で正しく揃えられた農作物の切断位置のすぐ横を無端ベルトがベルトコンベア に押し付け、農作物を保持したままベルトコンベアと等速で動いて、農作物との 間にすべりを生じさせずに回転刃へ農作物を導く。回転刃の直前では押えプーリ の加圧により無端ベルトとベルトコンベアによる農作物の保持力にがさらに強化 され、農作物が回転刃に接触する際に回転刃の回転力につられて農作物が動くの を確実に防いでいる。

【００１０】 回転刃及びガイド部のある側と反対側のベルトコンベア横にも回転刃と押え手 段を設けた構成では、ベルトコンベア供給側に農作物を載せ搬送すると、農作物 の両端部がそれぞれ押え手段で押し付けられて切断箇所が保持され、両側の回転 刃で農作物は両端例えば根元と葉先を同時に切断・分離され長さの揃った状態と なる。

【００１１】

【実施例】

本考案の実施例について以下の図面に基づいて説明する。本実施例は搬送方向 に進む程ベルトコンベアに近付くよう設けた無端平ベルトをガイド部とし、回転 刃及び無端ベルトによる押え手段をベルトコンベア両側に取付けたネギ用切断機 の例である。 図１は実施例を示す平面図、図２は実施例を示す左側面図、図３は実施例の要 部を示す正面図、図４は実施例の搬送及び切断動作説明図、図５は実施例のガイ ド部使用状態を示す説明図、図６は実施例の無端ベルトによるネギ保持状態を示 す説明図である。

【００１２】 本実施例の切断機１では、ネギ３３を水平に搬送するベルトコンベア２の横に 、ベルトコンベア２供給側から所定長さにわたり、ベルトコンベア面に対しベル ト面が垂直をなす無端平ベルト１５を設け、この無端平ベルト１５の出口側を入 口側よりも２ｃｍ程度ベルトコンベア側に寄せて設置し、ベルトコンベア２の搬 送速度と同一速度で送るようにして平ベルト面がガイド面１５ａとなるガイド部 としている。無端平ベルト１５の駆動は、ベルトコンベア２の従動ローラ４横の プーリ部４ａから無端Ｖベルト１８によりガイドプーリ１６に回転が伝わること でなされる。無端平ベルト１５の搬送方向前方のベルトコンベア２左右にモータ ２１，２２により回転する搬送方向に平行かつベルトコンベア面に垂直な回転刃 １９，２０を設けている。回転刃１９，２０下方には切断した端部を切断機１横 に排出する排出ガイド２３，２４が設けられている。ベルトコンベア２上面の両 縁部の回転刃１９，２０手前からベルトコンベア２搬出側までの上方には、押え 手段としての無端Ｖベルト６，７が設けられ、下面がベルトコンベア２に接触す るようプーリ４間に配置されている。無端Ｖベルト６，７には回転刃１９，２０ 手前でベルトを加圧してネギ３３の保持力を確実にするためばね３２で下方に付 勢された押えプーリ８，９が接している。これら押えプーリ８，９はそれぞれ押 えプーリ支持アーム１０，１１に取付けられており、この押えプーリ支持アーム １０，１１は上部プーリ軸１４に回動自在に支えられている。無端Ｖベルト６， ７のプーリ１２が取付けられた搬出側プーリ軸１３及び上部プーリ軸１４、また ベルトコンベア２の駆動ローラ３及び従動ローラ４は装置枠２５に回動自在に支 持されており、装置枠２５内のモータ２６からの駆動力が無端チェーン２７を介 して駆動ローラ３に伝えられ、さらに駆動ローラ３から歯車２８，２９を介して 搬出側プーリ軸１３へ伝えられる仕組みとなっている。 本実施例のガイド部の他の例として、無端平ベルトの代わりに固定式のガイド 板をガイド面として使用することができる。この場合ガイド板のガイド面側は滑 らかにする。

【００１３】 本実施例の切断機１を用いるには、まずモータ２１，２２，２６を駆動させて 回転刃１９，２０とベルトコンベア２、無端平ベルト１５及び無端Ｖベルト６， ７をそれぞれ作動させる。作業者はベルトコンベア２の供給側からネギ３３をネ ギ長手方向が搬送方向と直角となるようにして根元をガイド面１５ａに軽く当て ながら次々と載せていく。ネギ３３はガイド面１５ａに当たりながらベルトコン ベア２で搬送されることで適正な切断長さに調節され、その後無端ｖベルト６， ７で上から押さえられて切断箇所が保持される。ネギ３３は無端Ｖベルト６，７ とベルトコンベア２に挟まれた状態のまま搬送され、ベルトコンベア２横の回転 刃１９，２０により両端部３４を切断・分離され長さの揃った状態となる。切り 揃えられたネギ３３はベルトコンベア２の搬出側から搬出され、切断した端部３ ４は排出ガイド２３，２４上を通って切断機１横に排出される。 本実施例の切断機は、ネギをベルトコンベア上に載せて搬送するので、根元の 曲がったものでも根が直角に切断されるよう向きを変えて載せることができ、美 しい直角の切り口が容易に得られる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は上記した構成を採用することにより、農作物を、その端部をガイド部 に当てながら載せるだけで、適正な切断長さが確保され、農作物の端部をいつも 等しい長さで切り揃えることができる。また、押え手段が端部を切断する際の農 作物の不要な動きを抑えるため、切り口が直角平面に保たれる。端部の曲がった 農作物でも、端部がガイド部に直角に当たるよう向きを変えて載せられるため、 直角な最小断面の切り口が容易に得られる。農作物の供給もベルトコンベア上に 次々に載せるだけなので、労力を軽減でき作業性が向上する。

【００１５】 ガイド部として無端平ベルトを設けた構成を採用すると、農作物の端部と平ベ ルト面との間にすべりによる抵抗が発生せず、抵抗によって端部位置がずれ、切 断面に影響が出るのを防げる。

【００１６】 無端平ベルトがベルトコンベアに寄っていくようにした構成を採用すると、無 端ベルトの斜行により農作物の端部を強制的に適正な切断長さに合わせられ、ガ イド面の始めの方で必ずしも端部が平ベルト面に当たってなくてもよいことから 、農作物を位置合せを気にせず載せることができ、作業時間が短縮され作業能率 が上がる。

【００１７】 押え手段として押えプーリで加圧される無端ベルトを設けた構成を採用すると 、無端ベルトが農作物を保持しながら農作物と共に動くので、農作物と押え手段 との間にすべりによる抵抗が発生せず、抵抗で農作物が動いて切断位置がずれる のを防げる。

【００１８】 回転刃及びガイド部のある側と反対側のベルトコンベア横にも回転刃と押え手 段を設けた構成を採用すると、農作物の両端部を同時に切断・分離できるため、 別々に切断する手間が省け、作業時間が短縮される。また、農作物の長さが一定 に揃うため、決められた寸法が必要な農作物の加工に適し、容易に規格を満たす 寸法に加工できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例を示す平面図である。

【図２】実施例を示す左側面図である。

【図３】実施例の要部を示す正面図である。

【図４】実施例の搬送及び切断動作説明図である。

【図５】実施例のガイド部使用状態を示す説明図であ
る。

【図６】実施例の無端ベルトによるネギ保持状態を示す
説明図である。

【符号の説明】

１ 切断機 ２ ベルトコンベア ３ 駆動ローラ ４ 従動ローラ ４ａ プーリ部 ５ テンションローラ ６ 無端Ｖベルト ７ 無端Ｖベルト ８ 押えプーリ ９ 押えプーリ １０ 押えプーリ支持アーム １１ 押えプーリ支持アーム １２ プーリ １３ 搬出側プーリ軸 １４ 上部プーリ軸 １５ 無端平ベルト １５ａ ガイド面 １６ ガイドプーリ １７ ガイドプーリ １８ 無端Ｖベルト １９ 回転刃 ２０ 回転刃 ２１ モータ ２２ モータ ２３ 排出ガイド ２４ 排出ガイド ２５ 装置枠 ２６ モータ ２７ 無端チェーン ２８ 歯車 ２９ 歯車 ３０ 供給台 ３１ シュート ３２ ばね ３３ ネギ ３４ 端部

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 農作物を水平に搬送するフラットベルト
   を用いたベルトコンベアを設け、該ベルトコンベア供給
   側の横に農作物の端部を押し当てて揃えるガイド部を所
   定長さ設け、このガイド部のベルトコンベア搬送方向前
   方に農作物を搬送方向に切断する回転刃を設け、搬送さ
   れる農作物が前記回転刃に接触する前後において農作物
   をベルトコンベアに押し付ける押え手段を設けた農作物
   用切断機。
2. 【請求項２】 前記ガイド部として、ベルトコンベア面
   と垂直で、ベルトコンベアの搬送方向と同一方向かつ搬
   送速度と同一速度で送られる無端平ベルトを設け、ベル
   ト面に農作物の端部を押し当てて揃えるようにした請求
   項１に記載の農作物用切断機。
3. 【請求項３】 前記無端平ベルトを、搬送方向に進む程
   横のベルトコンベア側へ近づくように取付けた請求項２
   に記載の農作物用切断機。
4. 【請求項４】 前記押え手段として、前記ベルトコンベ
   アの側縁の上方にベルトコンベア搬送方向と同一方向か
   つ搬送速度と同一速度で送られる無端ベルトを設け、該
   無端ベルトを回転刃手前で上からベルトコンベアに向け
   て押し付ける押えプーリを設ける構造とした請求項１に
   記載の農作物用切断機。
5. 【請求項５】 前記押え手段として、前記ベルトコンベ
   アの側縁の上方にベルトコンベア搬送方向と同一方向か
   つ搬送速度と同一速度で送られる無端ベルトを設け、該
   無端ベルトを回転刃手前で上からベルトコンベアに向け
   て押し付ける押えプーリを設ける構造とした請求項２ま
   たは３に記載の農作物用切断機。
6. 【請求項６】 前記回転刃及びガイド部のある側と反対
   側の前記ベルトコンベア横に、農作物を搬送方向に切断
   する回転刃及び、搬送される農作物が該回転刃に接触す
   る前後において農作物をベルトコンベア上に押し付ける
   押え手段を設けた請求項１または４に記載の農作物用切
   断機。
7. 【請求項７】 前記回転刃及びガイド部のある側と反対
   側の前記ベルトコンベア横に、農作物を搬送方向に切断
   する回転刃及び、搬送される農作物が該回転刃に接触す
   る前後において農作物をベルトコンベア上に押し付ける
   押え手段を設けた請求項２，３，５いずれか記載の農作
   物用切断機。