JP3015204B2 - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JP3015204B2
JP3015204B2 JP4160770A JP16077092A JP3015204B2 JP 3015204 B2 JP3015204 B2 JP 3015204B2 JP 4160770 A JP4160770 A JP 4160770A JP 16077092 A JP16077092 A JP 16077092A JP 3015204 B2 JP3015204 B2 JP 3015204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報を記録、
再生する光ディスクの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、光ディスクの基板は、ガラス等か
らなるディスク基板表面に液状のフォトレジストをスピ
ンコート法により塗布してフォトレジスト膜を形成し、
このフォトレジスト膜にガイドトラック等のパターンを
有するフォトマスク板を重ね合わせて紫外線等を照射す
ることによりフォトレジスト膜を露光し、未露光部分を
現像後、ディスク基板をエッチング処理して凹凸の溝を
形成し、その後、残存したフォトレジスト膜を除去する
ことにより作成されている。
【0003】また、光ディスクは、記録層を保護するた
めに、ディスク基板表面に液状の紫外線硬化性樹脂もし
くは熱硬化性樹脂をスピンコート法により塗布し、紫外
線照射もしくは加熱することにより硬化させて保護膜を
形成し、製造されている。
【0004】以下、従来のスピンコート法について、デ
ィスク基板表面にフォトレジストを塗布する場合を例に
とり、図5ないし図7に基づいて説明する。
【0005】先ず、図5(a)に示すように、ディスク
基板31をターンテーブル32に固定した後、ディスク
基板31をターンテーブル32と一体的に図6のタイム
チャートに示す塗布回転数W11(50〜1000 rpm)で回転
させながら、ディスク基板31の内周部上方に配したノ
ズル35からディスク基板31表面に溶剤で希釈したフ
ォトレジスト33を吐出する。ディスク基板31表面に
フォトレジスト33を塗布した後、ディスク基板31を
図6に示す乾燥回転数W12(2000 rpm以上)で回転させ
ることにより、図5(b)に示すように、余分なフォト
レジスト33を除去すると共に、フォトレジスト33を
乾燥させてフォトレジスト膜33aを形成する。
【0006】また、例えば、特開昭60−182534
号公報では、ディスク基板表面に均一な保護膜を形成す
るために、ディスク基板を回転させながらディスク基板
表面に液状の樹脂を塗布した後、回転数を上げて余分な
樹脂をディスク基板から振り落とし、その後、さらに回
転数を上げてディスク基板表面の樹脂を均一な膜厚に制
御すると共に、樹脂を乾燥する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスピンコート法でディスク基板31にフォトレジス
ト膜33aを形成した場合には、余分なフォトレジスト
33の除去とフォトレジスト膜33aの乾燥とが同時に
行われるため、図5(b)に示すように、ディスク基板
31の外周部に表面張力による余分なフォトレジスト3
3の盛り上がり部34が形成される。
【0008】このように盛り上がり部34が形成される
と、図7に示すように、次工程で、チャッキングテーブ
ル36にディスク基板31を固定し、ガイドトラック等
のパターン37を有するフォトマスク板38を重ね合わ
せて紫外線を照射する際に、盛り上がり部34のために
フォトレジスト膜33aとフォトマスク板38とを密着
させることができず、両者の間に空間部39が生じる。
このように空間部39が生じると、フォトレジスト膜3
3aにパターン37を高精度で転写することが困難とな
り、不鮮明な基板しか作成できない。よって、高品質の
光ディスクを製造することができなくなる。
【0009】鮮明な基板を作成するためには、盛り上が
り部34の厚み量を 1.0μm以下とし、盛り上がり部3
4によるフォトレジスト膜33aとフォトマスク板38
との密着不良を、無視できる程度にまで低減することが
要求される。しかしながら、上記従来のスピンコート法
では、ディスク基板31のエッチング処理の条件に対応
してフォトレジスト膜33aの膜厚を変更し、かつ、盛
り上がり部34の厚み量を 1.0μm以下とするためには
希釈率の異なるフォトレジスト33、およびフォトレジ
ストを吐出するためのノズル35を多数準備しなければ
ならず、装置の大型化やコストの増大を招来するという
問題を有している。また、例えば、フォトレジスト33
が高粘度の場合には、表面張力のために、ターンテーブ
ル32の回転数を最高値(およそ6000 rpm)にしても盛
り上がり部34の厚み量を 1.0μm以下とすることがで
きないという問題を有している。
【0010】また、上記従来の方法でディスク基板に紫
外線硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂の保護膜を形成し
た場合にも、ディスク基板の外周部に遠心力による樹脂
の盛り上がり部が形成される。盛り上がり部が形成され
ると、この部分を硬化させるために必要以上に紫外線照
射もしくは加熱を行わなければならず、保護膜の形成工
程に時間が掛かるばかりか、盛り上がり部の体積収縮の
ために、硬化後にディスク基板の外周部付近の保護膜が
剥離を起こして記録層に腐食等の損傷を与えるという問
題を有している。従って、保護膜を形成する場合にも、
ディスク基板の外周部に形成された盛り上がり部が剥離
を起こさないように数μm以下とすることが要求され
る。
【0011】本発明の光ディスクの製造方法は、以上の
点に鑑みなされたものであり、余分な樹脂で形成される
盛り上がり部が無視できる程度にまで低減された、均一
な樹脂膜を有する、信頼性に優れた高品質の光ディスク
を製造することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスクの製
造方法は、第一の回転数で基板を回転させながら、この
基板の表面に液状の樹脂を吐出することで、この基板表
面全体に上記樹脂を拡げて塗布する第1工程と、第1工
程後、回転数を第一の回転数より大きい第二の回転数に
固定して所定時間上記基板を回転する第2工程と、第2
工程後、回転数を第一、第二の回転数より大きい第三の
回転数に固定して所定時間基板を回転させて、上記基板
外周部にある未乾燥の盛り上がり部を除去する第3工程
と、を含み、第2工程は、第二の回転数及びその回転時
間により基板表面に形成する樹脂膜の厚さを制御する工
程であり、且つ、第2工程の終了時点において、外周部
に形成される盛り上がり部が流動でき、且つ、前記回転
時間を増しても外周部以外の樹脂の膜厚が変わらない程
度にまで、基板表面の樹脂膜を半乾燥する、工程である
ことを特徴とする
【0013】
【作用】本発明は、第二の回転数、及び該回転数の回転
時間により基板表面に形成する樹脂膜の厚さを制御する
工程において、外周部以外の樹脂膜の厚さが流動せず、
外周部に形成される盛り上がり部が流動できる程度に基
板表面の樹脂膜を半乾燥する工程を有しており、基板表
面の樹脂膜が半乾燥状態において所望の膜厚に制御さ
れ、後の工程でその樹脂膜の厚みに変動を与えないよう
にすることができるとともに、半乾燥状態で存在した余
分な樹脂で形成された盛り上がり部は、さらのその後
の、第一、第二の回転数より大きい第三の回転数で基板
を回転させて、上記基板の外周部にある未乾燥の盛り上
がり部を除去する工程により無視できる程度に低減さ
れ、基板表面上に変動のない均一な樹脂膜で、また外周
部の盛り上がり部も無視できる程度の微少な有用な基板
が提供できる。
【0014】また、例えば、樹脂がフォトレジストの場
合には、余分なフォトレジストで形成される盛り上がり
部が許容限度以下に低減された、均一なフォトレジスト
膜をディスク基板表面に形成することができる。これに
より、フォトレジスト膜にフォトマスク板を密着して重
ね合わせることができ、ガイドトラック等のパターンを
高精度で転写することができる。従って、鮮明な基板を
作成することができ、信頼性に優れた高品質の光ディス
クを製造することが可能となる。
【0015】さらに、樹脂が紫外線硬化性樹脂もしくは
熱硬化性樹脂の場合には、余分な樹脂で形成される盛り
上がり部が無視できる程度に低減された、均一な保護膜
をディスク基板表面に形成することができる。これによ
り、保護膜を硬化させる際に用いられる紫外線照射量も
しくは熱量を必要最小限にできると共に、保護膜形成の
工程時間を短縮することができる。また、硬化後、盛り
上がり部が剥離して記録層に腐食等の損傷を与えること
もない。従って、信頼性に優れた高品質の光ディスクを
製造することが可能となる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図4に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0017】先ず、図1(a)に示すように、基板1を
ターンテーブル2に固定した後、基板1をターンテーブ
ル2と一体的に第一の回転数W1 で回転させながら、基
板1の内周部近傍の上方に配したノズル5から基板1表
面に液状の樹脂3を所定量吐出する。第一の回転数W1
は、樹脂3の粘度等にもよるが、50 rpm以上、2000 rpm
以下が望ましく、再現性良く樹脂3を基板1表面全体に
塗布するためには、 250 rpm以上、 750 rpm以下がより
望ましい。第一の回転数W1 が50 rpm未満であれば、樹
脂3が基板1表面全体に拡がらずに基板1の中心穴1a
に入り込んでしまう。また、第一の回転数W1 が2000 r
pmより大きければ、樹脂3が基板1表面全体に拡がる以
前に乾燥し、基板1表面に樹脂3が塗布されない部分が
発生してしまう。尚、回転時間t1 は、第一の回転数W
1 や樹脂3の粘度等に応じて最適な時間に設定すればよ
い。
【0018】ノズル5から基板1表面への樹脂3の吐出
を停止した後、図1(b)に示すように、基板1を第二
の回転数W2 で回転させることにより、基板1表面に形
成される樹脂膜3aを所望の膜厚に制御すると共に、樹
脂膜3aが遠心力等で流動せず、かつ、基板1の外周部
に表面張力等により形成される余分な樹脂3の盛り上が
り部4が流動できる程度に、樹脂膜3aを半乾燥させ
る。第二の回転数W2 は、樹脂3の粘度や希釈に用いる
溶剤の種類等にもよるが、再現性良く樹脂膜3aの膜厚
を制御するためには、 500 rpm以上、4000 rpm以下が望
ましい。第二の回転数W2 が 500 rpm未満であれば、樹
脂膜3aを半乾燥させるのに長時間を要するために生産
性が低下する。また、第二の回転数W2 が4000 rpmより
大きければ、樹脂膜3aを一定の膜厚に制御する以前に
乾燥するために、均一な樹脂膜3aを形成することが困
難となる。尚、回転時間t2 は、第二の回転数W2 や樹
脂3の粘度、溶剤の種類等に応じて最適な時間に設定す
ればよい。
【0019】また、第二の回転数W2 および回転時間t
2 で樹脂膜3aの膜厚が制御できるように、第一の回転
数W1 から第二の回転数W2 への立ち上げ時間t11は、
樹脂3の希釈に用いる溶剤の種類等にもよるが、2〜3
秒以内に設定すればよい。立ち上げ時間t11が長くなる
と、第一の回転数W1 から第二の回転数W2 への立ち上
げの途中で樹脂3が乾燥してしまい、樹脂膜3aの膜厚
を制御することが困難となる。
【0020】次に、図1(c)に示すように、基板1を
第三の回転数W3 で回転させることにより、基板1の外
周部に形成された未乾燥の余分な樹脂3の盛り上がり部
4を基板1から振り落として除去する。第三の回転数W
3 は、樹脂3の粘度や溶剤の種類等にもよるが、盛り上
がり部4を基板1から振り落とすために第一の回転数W
1 および第二の回転数W2 よりも大きくする必要があ
り、4000 rpm以上が望ましい。尚、回転時間t3 は、第
三の回転数W3 や樹脂3の粘度、溶剤の種類等に応じて
最適な時間に設定すればよい。
【0021】また、第三の回転数W3 で基板1表面から
盛り上がり部4を除去できるように、第二の回転数W2
から第三の回転数W3 への立ち上げ時間t22は、樹脂3
の希釈に用いる溶剤の種類等にもよるが、2〜3秒以内
に設定すればよい。立ち上げ時間t22が長くなると、第
二の回転数W2 から第三の回転数W3 への立ち上げの途
中で盛り上がり部4が乾燥してしまい、基板1の外周部
から除去できなくなる。
【0022】以上の方法により、例えば、基板1がディ
スク基板であり、樹脂3がフォトレジストであれば、デ
ィスク基板の外周部に形成される盛り上がり部が許容限
度以下に低減された、均一なフォトレジスト膜(樹脂膜
3a)がディスク基板表面に形成される。これにより、
フォトレジスト膜にフォトマスク板(図示せず)を密着
して重ね合わせることができ、ガイドトラック等のパタ
ーンを高精度で転写することができる。従って、鮮明な
基板を作成することができ、信頼性に優れた高品質の光
ディスクを製造することが可能となる。
【0023】また、例えば、基板1がディスク基板であ
り、樹脂3が紫外線硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂で
あれば、ディスク基板の外周部に形成される盛り上がり
部が無視できる程度にまで低減された、均一な保護膜
(樹脂膜3a)をディスク基板表面に形成することがで
きる。これにより、保護膜を硬化させる際に用いられる
紫外線照射量もしくは熱量を必要最小限にできると共
に、保護膜形成の工程時間を短縮することができる。ま
た、硬化後にディスク基板の外周部付近の保護膜が剥離
して記録層に腐食等の損傷を与えることもない。従っ
て、信頼性に優れた高品質の光ディスクを製造すること
が可能となる。
【0024】尚、本発明の光ディスクの製造方法におい
ては、第二の回転数W2 および回転時間t2 で基板1を
回転させることにより基板1表面に形成される樹脂膜3
aの膜厚を種々変更させることができるので、例えば、
希釈率の異なる樹脂3や、これら樹脂3を吐出するノズ
ル5を多数用意する等の必要は無い。従って、装置の大
型化やコストの増大を招来しない。
【0025】以下、図2ないし図4を用いて、本発明の
光ディスクの製造方法を、ディスク基板表面にフォトレ
ジスト膜を形成する場合を例に挙げて具体的に説明す
る。
【0026】ガラス製のディスク基板(基板1)表面
に、シプレイ社製フォトレジストAZ1400−27を2倍容
量の希釈用シンナーで希釈したフォトレジスト溶液(樹
脂3)を塗布し、図2に示すタイムチャートに従って、
フォトレジスト膜(樹脂膜3a)を形成したところ、表
1に示す膜厚および盛り上がり量(盛り上がり部4)の
フォトレジスト膜がディスク基板表面に形成された。但
し、フォトレジスト膜の形成方法は、第一の回転数W1
を 500 rpm、回転時間t1 を 3秒とし、第二の回転数W
2 および回転時間t2 を表1に示した値とし、第三の回
転数W3 を4500 rpm、回転時間t3 を15秒とした。ま
た、第一の回転数W1 への立ち上げ時間t0、第一の回
転数W1 から第二の回転数W2 への立ち上げ時間t11
第二の回転数W2 から第三の回転数W3 への立ち上げ時
間t22、および、停止するまでの制動時間t33を全て2
秒とした。尚、盛り上がり量は、フォトレジスト膜表面
からの盛り上がり部の高さを示している。
【0027】
【表1】
【0028】シプレイ社製のフォトレジストAZ1400-2
7を2倍容量の希釈用シンナーで希釈したフォトレジス
ト溶液を用いた場合、第1のNo.1〜5から、例えば、
回転時間t2を一定(5秒)にし、第二の回転数W2を変
化させることにより、盛り上がり量が許容限度の1.0μ
m以下で、しかも、膜厚が300〜370nmの任意の値に設
定されたフォトレジスト膜をディスク基板表面に形成す
ることが可能であることがわかる。また、No.5〜7
No.6は参考例)から、第二の回転数W2を一定(240
0rpm)にし、回転時間t2を変化させてることにより、
盛り上がり量が許容限度の1.0μm以下で、しかも、膜
厚が250〜300nmの任意の値に設定されたフォトレジス
ト膜をディスク基板表面に形成することが可能であるこ
とがわかる。更に、No.5,7では回転数によらずフォ
トレジスト膜厚が一定であり、第二の回転数W 2 での回
転工程終了時点において基板1の外周部以外の樹脂が流
動しない状態となっており、この工程で膜厚が制御され
ることが分かる。一方、No.6(参考例)では、No.
5,7よりもフォトレジスト膜厚が薄くなっている。こ
のことは、回転時間が少なすぎて、第三の回転数W 3
の回転工程により樹脂が流動していることを示してお
り、No.6(参考例)では膜厚制御が十分に行えていな
いことが分かる
【0029】次に、ガラス製のディスク基板表面に、シ
プレイ社製のフォトレジストAZ1400-27を4倍容量の
希釈用シンナーで希釈したフォトレジスト溶液を塗布
し、図3に示すタイムチャートに従って、フォトレジス
ト膜を形成したところ、表2に示す膜厚および盛り上が
り量のフォトレジスト膜がディスク表面に形成された。
なお、この表2の結果は本発明の参考例である。但し、
フォトレジスト膜の形成方法は、第一の回転数W1を5
00rpm、回転時間t1を3秒とし、第二の回転数W2
500rpm、回転時間t2を表2に示した値とし、第三の
回転数W3を4500 rpm、回転時間t3を15秒とした。ま
た、第一の回転数W1への立ち上げ時間t0、第一の回転
数W1から第二の回転数W2への立ち上げ時間t11、第二
の回転数W2から第三の回転数W3への立ち上げ時間
22、および、停止するまでの制動時間t33を全て2秒
とした。尚、盛り上がり量は、フォトレジスト膜表面か
らの盛り上がり部の高さを示している。
【0030】
【表2】
【0031】シプレイ社製フォトレジストAZ1400−27
を4倍容量の希釈用シンナーで希釈したフォトレジスト
溶液を用いた場合、表2の No.11〜16から、例えば、第
二の回転数W2 を一定( 500 rpm)にし、回転時間t2
を変化させることにより、盛り上がり量が許容限度の
1.0μm以下で、しかも、膜厚が70〜170 nmの任意の
値に設定されたフォトレジスト膜をディスク基板表面に
形成することが可能であることがわかる。
【0032】次に、ガラス製のディスク基板表面に、シ
プレイ社製フォトレジストAZ1400−27を2倍容量の希
釈用シンナーで希釈したフォトレジスト溶液を塗布し、
図4に示すタイムチャートに従って、フォトレジスト膜
を形成したところ、表3に示す膜厚および盛り上がり量
のフォトレジスト膜がディスク基板表面に形成された。
但し、フォトレジスト膜の形成方法は、第一の回転数W
1 を1000 rpm、回転時間t1 を 3秒とし、第二の回転数
2 および回転時間t2 を表3に示した値とし、第三の
回転数W3 を4500 rpm、回転時間t3 を15秒とした。ま
た、第一の回転数W1 への立ち上げ時間t0 、第一の回
転数W1 から第二の回転数W2 への立ち上げ時間t11
第二の回転数W2 から第三の回転数W3 への立ち上げ時
間t22、および、停止するまでの制動時間t33を全て2
秒とした。尚、盛り上がり量は、フォトレジスト膜表面
からの盛り上がり部の高さを示している。
【0033】
【表3】
【0034】シプレイ社製のフォトレジストAZ1400-2
7を2倍容量の希釈用シンナーで希釈したフォトレジス
ト溶液を用いた場合、第3のNo.21〜25から、例えば、
回転時間t2を一定(5秒)にし、第二の回転数W2を変
化させることにより、盛り上がり量が許容限度の1.0μ
m以下で、しかも、膜厚が300〜370nmの任意の値に設
定されたフォトレジスト膜をディスク基板表面に形成す
ることが可能であることがわかる。また、No.25〜27
No.26は参考例)から、第二の回転数W2を一定(240
0rpm)にし、回転時間t2を変化させてることにより、
盛り上がり量が許容限度の1.0μm以下で、しかも、膜
厚が250〜300nmの任意の値に設定されたフォトレジス
ト膜をディスク基板表面に形成することが可能であるこ
とがわかる。更に、No.25,27では回転数によらずフォ
トレジスト膜厚が一定であり 第二の回転数W 2 での回転
工程終了時点において基板1の外周部以外の樹脂が流動
しない状態となっており、この工程で膜厚が制御される
ことが分かる。一方、No.26(参考例)では、No.2
5,27よりもフォトレジスト膜厚が薄くなっている。
このことは、回転時間が少なすぎて、第三の回転数W 3
での回転工程により樹脂が流動していることを示してお
り、No.26(参考例)では膜厚制御が十分に行えてい
ないことが分かる
【0035】以上のように、樹脂3がフォトレジストの
場合には、余分なフォトレジストで形成される盛り上が
り部4が許容限度( 1.0μm)以下に低減された、均一
なフォトレジスト膜をディスク基板表面に形成すること
ができる。これにより、フォトレジスト膜にフォトマス
ク板(図示せず)を密着して重ね合わせることができ、
ガイドトラック等のパターンを高精度で転写することが
できる。従って、鮮明な基板を作成することができ、信
頼性に優れた高品質の光ディスクを製造することが可能
となる。
【0036】次に、図2および図3を用いて、本発明の
光ディスクの製造方法を、ディスク基板表面に保護膜を
形成する場合を例に挙げて具体的に説明する。
【0037】記録層が形成されたディスク基板(基板
1)表面に、帯電防止効果を有する、粘度20 mPa・s の
紫外線硬化樹脂(樹脂3)を塗布し、図2に示すタイム
チャートに従って、保護膜(樹脂膜3a)を形成したと
ころ、膜厚が 1.1μmで、盛り上がり量(盛り上がり部
4)が 6.0μmの保護膜がディスク基板表面に形成され
た。但し、保護膜の形成方法は、第一の回転数W1 を 1
00 rpm、回転時間t1 を5秒とし、第二の回転数W2 を1
500 rpm、回転時間t2 を15秒とし、第三の回転数W3
を5000 rpm、回転時間t3 を20秒とした。また、第一の
回転数W1 への立ち上げ時間t0 、第一の回転数W1
ら第二の回転数W2 への立ち上げ時間t11、第二の回転
数W2 から第三の回転数W3 への立ち上げ時間t22、お
よび、停止するまでの制動時間t33を全て2秒とした。
尚、盛り上がり量は、保護膜表面からの盛り上がり部の
高さを示している。
【0038】このようにしてディスク基板表面に形成さ
れた保護膜は、保護膜表面からの盛り上がり量が無視で
きる程度に低減されており、800mJ/cm2 の紫外線を照射
することにより保護膜および盛り上がり部を完全に硬化
させることができた。また、硬化後、盛り上がり部が剥
離して記録層が腐食する等という不都合も生じなかっ
た。
【0039】次に、記録層が形成されたディスク基板表
面に、帯電防止効果を有する、粘度15 mPa・s の紫外線
硬化樹脂を塗布し、図3に示すタイムチャートに従っ
て、保護膜を形成したところ、膜厚が 1.1μmで、盛り
上がり量が 4.5μmの保護膜がディスク基板表面に形成
された。但し、保護膜の形成方法は、第一の回転数W1
を 500 rpm、回転時間t1 を 5秒とし、第二の回転数W
2 を 500 rpm、回転時間t2 を25秒とし、第三の回転数
3 を5000 rpm、回転時間t3 を20秒とした。また、第
一の回転数W1 への立ち上げ時間t0 、第一の回転数W
1 から第二の回転数W2 への立ち上げ時間t11、第二の
回転数W2 から第三の回転数W3 への立ち上げ時間
22、および、停止するまでの制動時間t33を全て2秒
とした。尚、盛り上がり量は、保護膜表面からの盛り上
がり部の高さを示している。
【0040】このようにしてディスク基板表面に形成さ
れた保護膜は、保護膜表面からの盛り上がり量が無視で
きる程度に低減されており、800mJ/cm2 の紫外線を照射
することにより保護膜および盛り上がり部を完全に硬化
させることができた。また、硬化後、盛り上がり部が剥
離して記録層が腐食する等という不都合も生じなかっ
た。
【0041】以上のように、樹脂3が紫外線硬化性樹脂
の場合には、余分な紫外線硬化性樹脂で形成される盛り
上がり部4が無視できる程度に低減された、均一な保護
膜をディスク基板表面に形成することができる。また、
樹脂3が熱硬化性樹脂の場合にも、同様にして盛り上が
り部4が無視できる程度に低減された、均一な保護膜を
ディスク基板表面に形成することができる。これによ
り、保護膜を硬化させる際に用いられる紫外線照射量や
熱量を必要最小限にできると共に、保護膜形成の工程時
間を短縮することができる。また、硬化後、盛り上がり
部4が剥離して記録層に腐食等の損傷を与えることもな
い。従って、信頼性に優れた高品質の光ディスクを製造
することが可能となる。
【0042】一方、記録層が形成されたディスク基板表
面に、帯電防止効果を有する、粘度30 mPa・s の紫外線
硬化樹脂を塗布し、比較のために従来のスピンコート法
の説明に際し使用した図6に示すタイムチャートに従っ
て、保護膜を形成したところ、膜厚が 1.1μmで、盛り
上がり量が15.0μmの保護膜がディスク基板表面に形成
された。但し、保護膜の形成方法は、塗布回転数W11
100 rpm、回転時間t1 を 5秒とし、乾燥回転数W12
3000 rpm、回転時間t2 を45秒とした。また、塗布回転
数W11への立ち上げ時間t0 、塗布回転数W11から乾燥
回転数W12への立ち上げ時間t11、および、停止するま
での制動時間t33を全て2秒とした。尚、盛り上がり量
は、保護膜表面からの盛り上がり部の高さを示してい
る。
【0043】このように従来のスピンコート法でディス
ク基板表面に形成された保護膜は、保護膜表面からの盛
り上がり量が非常に大きいので、2400mJ/cm2の紫外線を
照射しなければ盛り上がり部を完全に硬化させることが
できなかった。しかも、硬化後、盛り上がり部が剥離し
て剥離部分から記録層の腐食等が発生した。
【0044】
【発明の効果】本発明は、上述のように、半乾燥状態に
おいて所望の膜厚に制御され、後の工程で樹脂膜の厚み
に変動のない基板が得られるとともに、半乾燥状態で存
在した余分な樹脂で形成された盛り上がり部は無視でき
る程度に低減される、有用な基板表面の均一な樹脂膜形
成方法が提供できる。
【0045】
【0046】また、例えば、樹脂がフォトレジストの場
合には、余分なフォトレジストで形成される盛り上がり
部が許容限度以下に低減された、均一なフォトレジスト
膜をディスク基板表面に形成することができる。これに
より、フォトレジスト膜にフォトマスク板を密着して重
ね合わせることができ、ガイドトラック等のパターンを
高精度で転写することができる。従って、鮮明な基板を
作成することができ、信頼性に優れた高品質の光ディス
クを製造することが可能となるという効果を奏する。
【0047】さらに、樹脂が紫外線硬化性樹脂もしくは
熱硬化性樹脂の場合には、余分な樹脂で形成される盛り
上がり部が無視できる程度に低減された、均一な保護膜
をディスク基板表面に形成することができる。これによ
り、保護膜を硬化させる際に用いられる紫外線照射量も
しくは熱量を必要最小限にできると共に、保護膜形成の
工程時間を短縮することができる。また、硬化後、盛り
上がり部が剥離して記録層に腐食等の損傷を与えること
もない。従って、信頼性に優れた高品質の光ディスクを
製造することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における樹脂膜の形成手順を
示す説明図である。
【図2】上記樹脂膜の形成手順における回転数・回転時
間の一例を示すタイムチャートである。
【図3】上記樹脂膜の形成手順における回転数・回転時
間の他の例を示すタイムチャートである。
【図4】上記樹脂膜の形成手順における回転数・回転時
間のさらに他の例を示すタイムチャートである。
【図5】従来のスピンコート法における樹脂膜の形成手
順を示す説明図である。
【図6】上記従来の樹脂膜の形成手順における回転数・
回転時間の一例を示すタイムチャートである。
【図7】上記従来のディスク基板表面のフォトレジスト
膜にフォトマスク板を重ね合わせた状態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 3 樹脂 3a 樹脂膜 4 盛り上がり部 W1 第一の回転数 W2 第二の回転数 W3 第三の回転数

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転数で基板を回転させながら、
    この基板の表面に液状の樹脂を吐出することで、この基
    板表面全体に上記樹脂を拡げて塗布する第1工程と、 第1工程後、回転数を第一の回転数より大きい第二の回
    転数に固定して所定時間上記基板を回転する第2工程
    と、 第2工程後、回転数を第一、第二の回転数より大きい第
    三の回転数に固定して所定時間基板を回転させて、上記
    基板外周部にある未乾燥の盛り上がり部を除去する第3
    工程と、を含み、 第2工程は、 第二の回転数及びその回転時間により基板表面に形成す
    る樹脂膜の厚さを 制御する工程であり、且つ、 第2工程の終了時点において、外周部に形成される盛り
    上がり部が流動で き、且つ、前記回転時間を増しても外
    周部以外の樹脂の膜厚が変わらない程 度にまで、基板表
    面の樹脂膜を半乾燥する、 工程であることを特徴とする光ディスクの製造方法
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