JP3012197U - 自然石点在の多自然型河床構築ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、現地の切込砂利を表面の型枠面と
して主要型枠とし、これをコンクリートコに合着させ、
コンクリートブロック製品で有りながら、コンクリート
肌に見せず、現地の河川河床の石の配列を構築すると共
に河川の自然生態系をも考慮した製品を安価に提供する
事を目的としている。 【構成】 施工現場の河川より採集の切込砂利を敷き、
ここに大小の現地石と練り上げ粘土塊を配設し、製品表
面の型枠とし、これに接着剤を塗布してコンクリートを
打設し、この大小石と細砂や木片、粘土を含む切込砂利
が製品の表面に合着合体して成る自然石点在の多自然型
河床構築ブロックの構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリートブロックでありながら、現地の河川河床と同じ石の凹凸 配列を構築すると同時に自然生態系を考慮し、変化に富んだ異型孔を設けて構築 してなる多自型然河川河床根固めブロックに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の河川河床根固めブロックには、 通常コンクリート肌の製品、 着色 を含む擬木擬石製品、 蛇籠根固め（布団籠を含め）、 自然石埋設ブロッ ク等が有った。

【０００３】 しかし、これらの製品には次の様な欠点と課題が有った。

【０００４】 通常のコンクリート製品では、コンクリートの肌が見えて冷たさを与えるば かりか、均一的で時代のニーズである美的効果は期待出来無かった、又、出来上 がり製品が滑面の為に、水生植物の根付きも悪く、ここで棲息する水中動物の良 き環境とは言え無かった。

【０００５】 着色した製品ですと、洪水時の流石や流木で破損部分のコンクリート肌が露 出し、年月が経過すると、の製品同様好ましい製品とは言え無かった、色をコ ンクリートに混合したものでは、冬期河川水が渇水した時に水面より露出した部 分に白華現象（エフロレンセンス）ばかりか、凍結融解を繰返し凍害劣化破損を 生ずる欠点が有った。

【０００６】 蛇籠ですと、河川棲息小動物の棲息地となり好ましいものであるが、蛇籠詰 石の不足と石詰め作業に熟練した技術と必要以上の時間を要するばかりか、年月 が経過すると蛇籠鉄線が腐食すると魚捕りの子供達が怪我をする事がしばしば起 こっていた。

【０００７】 コンクリート版に自然石を埋設した製品は、同じ様な大きさの石を点在又は 、蜜に埋設していたものであるが、前者は、石と石の隙間がコンクリート肌で違 和感が有り、後者は、使用する石の量が多く又、配列とコンクリート打設に時間 を必要とし、製品コストも高いなものであった。

【０００８】 加えて、現地の河川河床の石の粒度配列との差が有り、自然環境と河川生態系 を考慮するには、何か、もの足りないもので有った。

【０００９】 そこで、本考案者達は、長い間これらの製品の製造と施工に従事しながら本考 案製品の解決課題を次の様にしたものである。

【００１０】

【考案の解決課題】 コンクリート製品でも表面がコンクリート肌に見えない現地河川河床と同じ 様な河床粒度配列の製品とする。 河川根固め製品として、型状、大きさ（厚さを含め）が容易に出来る様にす ると同時に型枠コストを低減し、コンクリート剥離剤を使用しないでの製品製造 とする。 現地河川河床の石の粒度配列を考慮しコンクリート製品として違和感を無く した製品とする。 製品床版に凹凸を設け水生植物の根付きを良くし小動物の生態系をも考慮し た製品とする。 加えて、水生植物の群生部をも設けた製品も考慮する。

【００１１】 以上の解決課題を考慮し、本考案の解決手段を次の様にしたものである。

【００１２】

【考案が解決しょうとする手段】

型枠は、輪郭のみの簡単な立ち上がり型枠（鋼鉄、木製、ゴムベルト）のみと し、中に現地の切込砂利を入れ、これと現地の大型石と河川の中位いの石（砂利 のオーバサイズ）との埋設配列とし、それに異型孔を設ける為に粘土塊を使用し 、これを底面（完成品は表面）の型枠とし、ここで剥離剤を使用せず、コンクリ ート接着剤を塗布しコンクリートを打設して本考案の製品とする様にする。

【００１３】 これを実施例図で順次説明する。

【００１４】

【考案の実施例】

図２は、本考案の河川根固めブロックの代表製品の製造状態の断面概要例図であ るが、まず、本製品の製造型枠は、輪郭構成のみの型枠として、比較的製品厚を 有し量産の必要のあるものは、鋼鉄製、製品厚の必要とし無い場合は木製のパネ ル、輪郭型状が複雑で製品厚が薄いものは、ゴムベルトを使用して輪郭型枠１． とする。

【００１５】 これを輪郭型枠１．押さえの外切込砂利２．（砂でも良い）と中入れ現地切込 砂利３．との間にセッテングする。

【００１６】 この時の中入れ現地切込砂利３．の深さは使用する大型石４−１．の大きさ（ 高さ）で決める、次に現地の河川河床粒度配列を考慮し、大型石４−１．の数を 決め、この数を中入れ現地切込砂利３．を掘ってセッテング（セッテングは、打 設されるコンクリートＣ．に食い込み合着するための高さｈ．を残して）する。

【００１７】 セッテングされた大型石４−１．のバランスと現地の河川河床粒度配列と調和 が取れ、違和感の無い範囲で現地採集の中くらいの砂利５．（現地砂利のオーバ サイズ）の適量を中に入れ現地切込砂利３．に押し込んで配設する。

【００１８】 ここまで完成したら、餅状に練った粘土塊６．を大小適所適所に中入れ現地切 込砂利３．に動かぬ程度に押し込んで配設し、ここで普通のコンクリート製品の 様に剥離剤を使用せずに逆にコンクリート接着剤を一面に塗布し、必要に応じ鉄 筋８．を装着し流動コンクリートＣ．を打設して本考案の製品とするものである 。

【００１９】 この埋設される大型石４−１．の代わり又は混設して図５．の様な孔１０．を 有する天然孔有木９−１．、自然加工孔有石９−２．を埋設し、河川棲息小動物 の自然環境を、より考慮した製品とする事も有る。

【００２０】 大型石４−１．のより大きく質量の有る大型石４−２．は、図３．の如く製品 の版コンクリートＣ．に凹部孔１１．を設けて置き、現地で設置施工するもので あるが、表面仕上げはコンクリートモルタルの上に切込砂利を叩き込んで仕上げ る様にする。

【００２１】 図４．の如く［請求項２］の水生植物の土嚢植袋１２．（ネットに植物根を入れ たものでも良い）を合設する製品は、切込砂利に埋設する部分（製品完成時表面 露出部）のみをビニール幕Ａ．で覆い製造するものであるが、製品初期養生は通 常コンクリート製品の蒸気養生は避け、自然養生の製造とすると同時に、このビ ニール幕Ａ．の剥ぎ取りは、製品が現地施工後の流水前とする。 この様な本考案製品には、次の様な作用、効果が有る。

【００２２】

【考案の作用、効果】 製品の施工状態の表面が河川河床粒度の石の大きさの凹凸、その外の部分は コンクリートに付着した河川切込砂利（細砂や木片、粘土分を含めた）の為にコ ンクリート製品で有りながら、コンクリート肌に見えないし、違和感が無い。

【００２３】 製品型枠の主要な部分が河川切込砂利と輪郭立ち上がり部は簡単な型枠の為 に製品型状や大きさが変化しても容易迅速に製品が製造出来、コストも従来の製 品型枠に比較し安価で有る。

【００２４】 加えて、コンクリートに剥離剤を使用しないので、自然石あるいは、切込砂利 とコンクリートの付着も良く、その凹凸構築は現地河川の環境を考慮した製品と 言える。

【００２５】 製品床版に粘土塊を使用しているので、製品施工後にこの粘土塊が流水に溶 け、変化に富んだ凹部構築の孔の為に水生植物の根付きを良くし、小動物の隠れ 場や餌場とも成り得るので自然生態系環境をも考慮した製品とも言える。

【００２６】 製品表面が自然石と切込砂利の為に、従来の蛇籠の様に年月が経過して腐食 鉄線による子供達の怪我する心配が無い。

【００２７】 更に、図４、に説図の如く、この床版の要所要所に水生植物の土嚢植袋を埋 設した製品とする事は、これからの時代のニーズで有る自然環境と河川生態系を より考慮に入れた製品と言える。 加えて、この自然石の河床配列の凹凸を有する製品を道路又は、宅地造成の土 留擁壁面製品として使用した場合は苔や草花の棲息壁面を構築出来るものである 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の代表製品の断面概要図。

【図２】代表的製品の製造状態の断面概要例図。

【図３】孔を設けて超大型石を現地で合設出来る製品の
断面概要図。

【図４】水生植物の土嚢植袋を合設して成る製品の断面
概要図。

【図５】水生小動物の生態系を考慮して必要に応じ合設
する孔有木、孔有石の斜視図である。

【図６】河川に本考案製品を使用した施工実施例の標準
断面概要図。

【符号の説明】 １ 輪郭型枠 ２ 輪郭型枠外押さえ切込砂利 ３ 現地切込砂利 ４−１ 大型石 ４−２ 超大型石 ５ 中位の砂利（現地砂利のオーバサイズの石） ６ 餅状の粘土塊 ７ コンクリートに付着合体する切込砂利 ８ 鉄筋 ９−１ 孔有木 ９−２ 孔有石 １０ 小動物棲息孔 １１ 凹部孔 １２ 土嚢植袋（植物根ネット巻でも良い） １３ 水生植物 １４ ジョイント筋 Ａ ビニール幕 Ｂ 紙かビニールシート Ｃ 流動コンクリート Ｄ 河川護岸ブロック（環境用化粧ブロック） Ｅ 裏込み材（採石か切込砂利） Ｆ 基礎コンクリート Ｇ 基礎栗石 Ｈ・Ｈ・Ｗ・Ｌ 洪水水位 Ｍ・Ｗ・Ｌ 平水位 Ｌ・Ｗ・Ｌ 底水位

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブロックの表面を自然河川河床石の粒度
   配列に合わせ、且つコンクリートブロック肌に見せない
   様にするために、最初輪郭のみの型枠に使用大型石の高
   さに合わせた深さに現地より採集した切込砂利を入れ、
   この切込砂利を掘って大型石を要所要所に点在配設し、
   更に河川粒度に合わした数量の中位いの石を切込砂利に
   押し込んで配設し、その適当な位置に餅状に練った粘土
   塊を盛り上げて、この表面全体にコンクリート接着剤を
   塗布して、鉄筋を配設し流動コンクリートを打設して合
   体してなる自然石点在の多自然型河床構築ブロック
2. 【請求項２】 床版の要所要所に水生植物の土嚢植袋を
   合設して成る［請求項１］の自然石点在の多自然型河床
   構築ブロック。