JP2998000B2 - 建築部材用継手装置 - Google Patents
建築部材用継手装置Info
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Description
筋構造建築物の簡易建築物等を建築するのに好適な骨組
を構築するための建築部材用継手装置に関する。
法と枠工法なるものが良く知られている。前者は、スケ
ルトンスキン工法やポスト&ビーム工法とも称されるも
ので、柱、梁を主体として構成する架構方法である。
ォームフレーム工法とも称されるもので、根太で組まれ
た床の枠組に対して構造物用合板又はそれと同等以上の
性能を有する面材を打ち付けて形成した床に、枠材で組
まれた壁の枠組に対して構造用合板その他これに類する
ものを打ち付けて形成した壁体をくぎ及び金物で取り付
けて建築物を建築するものである。
と、まず、空間の構成は、前者は「軸(線)」、後者は
「版(面)」である。床面、壁面等の剛性付与構造は、
前者は「火打ちばり、筋かい」、後者は「構造用合板張
り」である。使用する木材は、前者は「正方形を主とし
た大断面・長尺材(通し柱)を含む」、後者は「小断面
・短尺材を主とする」である。施工時の工程は、前者は
「一階・二階軸,小屋連続建上げ,床」、後者は「一階
床→一階壁→二階床→二階壁→小屋(ステップ作業)」
である。
家屋等の建築物の施工においては、基礎を構成した後、
木材等の建築部材を巧みに切断し切欠加工してこれらを
構造力学に沿って巧みに組み立て結合し、特に建築部材
の重要接続部分をボルト等で固定している。しかし、こ
のような古来の方法では、建築部材の結合等高度の技量
と熟練を要し、作業能率,建築部材の経済性,結合部分
の強度等に劣り、工期が長く、結局高価となる。
り上記の経済性の問題を幾分は解決するが、耐久性,強
度(特に結合部)に劣り、多様性に欠け、建築後使用す
る期間の経過に従ってみすぼらしくなり、長期の使用に
なると、建築の落ち着き感,重量感等の良さを醸し出す
ことができない。そこで、本願出願人は、上記の如き構
造部材の結合について永年鋭意研究の結果、従来の最も
簡単な結合方法、例えば鉄板とボルト・ナットを種々組
み合わせる方法に比して更に簡単であり、しかも、強度
において古来の木造刻み込み方式にも優る建築部材用継
手を開発した。
によって明らかにされている。即ち、この継手は、立方
体若しくは直方体形状の基本継手本体に対し、該基本継
手本体表面から、該表面に略直交する平面内を外向きに
延びる板状部材を溶接固定したものであり、該板状部材
には、ボルト等の固定具が挿通し得る孔を設けたもので
ある。このものは、基本継手部材本体と板状部材の形
状,数及び方向を変えて組み合わせることにより多数の
種類の継手部材が得られる。
は、次のような問題点があった。即ち、上記のような立
方体若しくは直方体形状の基本継手本体を適用した結
果、継手として重量がかなり嵩み、材料費も多く必要と
なって、コスト的に不利である。又、重量が重い結果、
取扱に苦慮し、建築部材の結合作業が難しい。又、継手
を製作するに当たって、溶接箇所が多い等工数が掛り、
製作性に劣るものである。
合、梁同士の結合、柱と梁との結合等に、夫々異なる種
類の継手を使用する必要があるため、継手の製作に手間
が掛り、その管理も煩雑となる。本発明は以上のような
従来の問題点に鑑み、建築部材として、規格化されたプ
レカット部材を使用可能とし、これを結合して建築物の
骨組を形成するに好適な規格化された継手部材からなる
建築部材用継手装置であって、在来軸組工法と枠組壁工
法の両特徴を混合した建築物等に適した骨組を構築し得
る継手装置を提供することを課題とする。
の発明は、以下のAに示される締結手段と共に用いら
れ、Bに示される基本継手部材に、Cに示される少なく
とも1つの応用継手部材を組み合わせて構成された建築
部材用継手装置とした。
部材が嵌合される空間を形成するみぞ形の水平断面形状
をなす3つの側板部と、3つの側端が前記側板部の内面
への固定部となる水平方向に配置される端板部と、を含
んで構成され、前記側板部のうち両側端に他の側板部が
固定される側板部に、第1の前記締結手段が挿通される
挿通孔が開設された基本継手部材。
を受ける水平方向に配置される受板部と、該水平建築部
材の一側面を支持する鉛直方向に配置される支持板部
と、を含んで構成され、前記受板部及び支持板部の夫々
の一側端が相互を固定するための固定部となり、該受板
部及び支持板部の他の一側端が前記基本継手部材への固
定部となると共に、前記支持板部に前記水平建築部材を
連結するための第2の前記締結手段が挿通される挿通孔
が開設された応用継手部材。
本発明を詳述する。本発明に係る継手装置(以下、コネ
クタという)の一実施形態の構成を、図1〜図3に示
す。この実施形態のコネクタ1A〜1Cは、材軸が鉛直
方向に延びる鉛直建築部材としての柱と柱、柱と材軸が
水平方向に延びる水平建築部材としての横架材を夫々結
合するためのものである。
製の、基本継手部材2とこれと必要数組付けられる応用
継手部材3とから構成される。まず、第1の実施例とし
て建築構造物の基礎部分に、鉛直建築部材としての柱1
0と、水平建築部材としての横架材11とを結合するた
めのコネクタ1Aを、図1に基づいて説明する。
延びる鉛直建築部材が嵌合されるみぞ形の水平断面形状
を構成する3つの側板部2a〜2cと、3つの側端が前
記側板部2a〜2cの内面への固定部となる水平方向に
配置される端板部2dと、を含んで構成されている。こ
の端板部2dは、3つの側板部2a〜2cが構成するみ
ぞ形の内部形状と略同じ方形状に形成され、その3つの
側端が夫々側板部2a〜2c内面下部に溶接により固着
される。また、この側板部2a〜2cのうち両側端に他
の側板部が固定される側板部2bには、締結手段の一例
としてのボルトとナットのうちボルトが挿通される挿通
孔4が2ヵ所に開設され、柱10をコネクタ1Aに強固
に固定するために使用される。
2dには、ボルトが挿通される挿通孔5が2ヵ所に開設
され、図示しない建築構造物の基礎から突出するアンカ
ーボルトを挿通し、ナットにより基本継手部材2が基礎
に強固に固定される。また、図1のコネクタ1Aには、
応用継手部材3が1つ固着されている。この応用継手部
材3は、材軸が水平方向に延びる水平建築部材としての
横架材11を受ける水平方向に配置される受板部3a
と、横架材11の側面を支持する鉛直方向に配置される
支持板部3bと、を含んで構成され、受板部3a及び支
持板部3bの夫々の一側端が相互を固定するための固定
部となり、受板部3a及び支持板部3bの他の一側端が
基本継手部材2の側板部2aへの固定部となると共に、
支持板部3bに横架材11を連結するためのボルトが挿
通される挿通孔6が開設されている。この場合、受板部
3a及び支持板部3bは、方形状に形成された後で溶接
により相互に固着される。
材3の鉛直断面形状がL字形になっている一方の端部
は、基本継手部材2への固定部となり、この固定部が基
本継手部材2の側板部2aに溶接により固着される。な
お、図1に示す第1の実施例では、応用継手部材3を基
本継手部材2に対して1つのみ設けているが、この応用
継手部材3を、基本継手部材2の側板部2a〜2cの外
面及びみぞ形が開口する端部のいずれにも設けることが
でき、また、必要に応じ最大4つ設けることができる。
しての柱10の柱頭部に使用され、柱10に水平建築部
材としての横架材11を結合するためのコネクタ1B
を、図2に基づいて説明する。但し、基本継手部材2及
び応用継手部材3の基本的な構成は、上述したコネクタ
1Aと同一であるので、その説明は省略し、ここでは、
コネクタ1Aとの相違点のみを説明する。
応用継手部材3とから構成されている。この基本継手部
材2を構成する端板部2dは、柱10の柱頭部に使用で
きるように、3つの側板部2a〜2cが構成するみぞ形
の内部形状と略同じ方形状に形成され、その3つの側端
が夫々側板部2a〜2c内面上部に溶接により固着され
る。また、この端板部2dには、コネクタ1Aのように
挿通孔が設けられていない。なお、コネクタ1Aと全く
同一の基本継手部材2(端板部2dに挿通孔5が開設さ
れているもの)を共通部品として使用する場合には、コ
ネクタ1Bの基本継手部材2の端板部2dに挿通孔5が
開設されていても差し支えない。
用継手部材3を、基本継手部材2の側板部2a〜2cの
外面及びみぞ形が開口する端部のいずれにも設けること
ができ、また、必要に応じ最大4つ設けることができる
ことは言うまでもない。次に、第3の実施例として鉛直
建築部材としての柱10と柱10を連結する中間部に使
用され、柱10と柱10との連結部に水平建築部材とし
ての横架材11を結合するためのコネクタ1Cを、図3
に基づいて説明する。ここでも、基本継手部材2及び応
用継手部材3の基本的な構成は、上述したコネクタ1A
及び1Bと同一であるので、その説明は省略し、ここで
は、コネクタ1A及び1Bとの相違点のみを説明する。
応用継手部材3とから構成されている。この場合には、
基本継手部材2を構成する3つの側板部2a〜2cは、
コネクタ1A及び1Bに比べ、鉛直方向に延伸した方形
状になっている。この基本継手部材2を構成する端板部
2dは、柱10と柱10とを連結できるように、3つの
側板部2a〜2cが構成するみぞ形の内部形状と略同じ
方形状に形成され、その3つの側端が夫々側板部2a〜
2c内面中央部に溶接により固着される。即ち、端板部
2dによってみぞ形の形状が上下に2分割されることに
なる。
その上下に2分割されたみぞ形の内部夫々に、ボルトが
挿通される挿通孔4が2ヵ所ずつ、即ち、計4ヵ所開設
されている。この場合にも、コネクタ1A及び1Bと同
様に、応用継手部材3を、基本継手部材2の側板部2a
〜2cの外面及びみぞ形が開口する端部のいずれにも設
けることができ、また、必要に応じ最大4つ設けること
ができることは言うまでもない。
した建築部材の結合形態を、図4に基づいて説明する。
ここでは、代表例として図1のコネクタ1Aの結合形態
について説明し、他のコネクタ1B及び1Cの結合形態
は、基本的にはコネクタ1Aと同様であるので省略す
る。図4は、第1の実施例としてのコネクタ1Aを用い
て、鉛直建築部材としての柱10及び水平建築部材とし
ての横架材11を、建築構造物の基礎12に結合する一
例を示している。
いるアンカーボルト13を、基本継手部材2を構成する
端板部2dに開設した挿通孔5(図示せず)に挿通し、
端板部2dからのボルト突出部にワッシャ及びナット1
2(以下、ナットと略記する)を嵌合することで、コネ
クタ1Aを基礎12に強固に固定する。そして、基本継
手部材2の側板部2a〜2cから構成される水平断面形
状がみぞ形の内部に柱10を嵌合し、側板部2bの挿通
孔4から挿通したボルトを柱10の挿通孔10aに挿入
し、柱10の反対側からのボルト突出部にナット(図示
せず)を嵌合することで、柱10を強固に結合する。こ
の場合のボルトは、柱10の挿通孔10aから挿入する
ようにしてもよい。なお、柱10の下端に、コネクタ1
Aを基礎12に固定したナット14との干渉をさける溝
を形成しておけば、柱10の下端端部が端板部2dに突
き当たるので、柱10の材軸下向き荷重に対してより有
利になる。
手部材3の受板部3aに横架材11を仮置きし、支持板
部3bから挿通したボルトを横架材11の挿通孔11a
に挿入し、横架材11の反対側からのボルト突出部にナ
ット(図示せず)を嵌合することで、柱10を強固に結
合する。この場合のボルトは、横架材11の挿通孔11
aから挿入するようにしてもよい。ここで、横架材11
に応用継手部材3の受板部3aの逃げ11bを予め形成
しておけば、横架材11の下面が基礎12と同一面に配
置されるようになるので、例えば、横架材11の下部に
基礎12がある場合には、横架材11の撓み等を防止す
ることができる。
は、締結手段の一例としてボルトとナットを使用した
が、この締結手段に限らず、例えば、図5に示すような
ドリフトピン(図5(a) 及び(b) )或いはラグスクリュ
ー(図5(c) )等の締結手段を使用してもよい。但し、
図5に示す締結手段は、本実施形態の締結手段を必要と
する全ての箇所で使用できるわけではなく、例えば、図
4における柱10を結合する場合のように、建築部材に
いかなる方向の荷重が加わっても、建築部材がコネクタ
から外れるおそれのない場合にのみ使用できる。
は、本発明の出願人が現在特許出願中のものである。以
上説明したコネクタ1A〜1Cによれば、単なるボルト
締め等の締結手段を用いるという単純な作業によるのみ
で、基礎への建築部材の結合及び建築部材同志の結合が
完了できる。そして、建坪及び高さも極少量の定尺品で
自由に変えることができ、建築完了後においても、予め
増改築を予定して、それ用の継手装置を用いておけば、
その増改築も極めて容易であり、あたかも色々な形状の
ブロック玩具を組み合わせる如く、少数規格品を用いて
需要者の要求に応じて各種各様の家屋を次々に構成する
ことができる。又、継手装置及びこれによって接続され
る建築部材を規格化できるので、継手装置を工場で全て
用意し、使用する建築部材のみを工場でプレカットして
用意すれば良い。更に、継手装置を用いて行う建築部材
の結合は極めて強固であり、従来公知の単なる鉄板やボ
ルト・ナットを用いる方法に比して圧倒的に強度が大で
ある。
りである。即ち、従来の立方体若しくは直方体形状の継
手本体に代えて、単なる水平断面形状がみぞ形の継手部
材を基本のものとして使用するので、継手装置として重
量並びに材料の低減を図れ、コストダウンを図れると共
に、重量が軽い結果、取扱も簡単で、建築部材の結合作
業が容易である。
が少ない等工数が少なく、製作性に優れるものである。
明によれば、継手装置として重量並びに材料の低減を図
れ、コストダウンを図れると共に、基礎への建築部材の
結合及び建築部材同志の結合作業の簡略化を図れ、作業
能率をより向上できる。又、製作性に優れ、建築部材間
の寸法に誤差が生じ難い。
築部材の締結が行え、アイテムを少なくすることがで
き、製作性の向上やコスト低減に貢献する。特に、本発
明の継手装置を使用した建築方法は、複雑な仕口、継手
が不要であり、構造上の強度のばらつきもなく、建築部
材の結合は極めて強固である。又、建築作業が非常に行
い易く、工期が著しく短縮でき、極めて経済的であり、
少数規格品を用いて需要者の要求に応じて各種各様の建
築物を次々に構造することができる。
施例を示す斜視図
ンの一例を示す斜視図、(b) はドリフトピンの他の一例
を示す斜視図、(c) はラグスクリューの一例を示す正面
図
Claims (1)
- 【請求項1】以下のAに示される締結手段と共に用いら
れ、Bに示される基本継手部材に、Cに示される少なく
とも1つの応用継手部材を組み合わせて構成された建築
部材用継手装置。 A 締結手段 B 材軸が鉛直方向に延びる少なくとも1つの鉛直建築
部材が嵌合される空間を形成するみぞ形の水平断面形状
をなす3つの側板部と、3つの側端が前記側板部の内面
への固定部となる水平方向に配置される端板部と、を含
んで構成され、前記側板部のうち両側端に他の側板部が
固定される側板部に、第1の前記締結手段が挿通される
挿通孔が開設された基本継手部材。 C 材軸が水平方向に延びる水平建築部材を受ける水平
方向に配置される受板部と、該水平建築部材の一側面を
支持する鉛直方向に配置される支持板部と、を含んで構
成され、前記受板部及び支持板部の夫々の一側端が相互
を固定するための固定部となり、該受板部及び支持板部
の他の一側端が前記基本継手部材への固定部となると共
に、前記支持板部に前記水平建築部材を連結するための
第2の前記締結手段が挿通される挿通孔が開設された応
用継手部材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33053495A JP2998000B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 建築部材用継手装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33053495A JP2998000B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 建築部材用継手装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09165831A JPH09165831A (ja) | 1997-06-24 |
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Family
ID=18233716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33053495A Expired - Lifetime JP2998000B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 建築部材用継手装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2998000B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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-
1995
- 1995-12-19 JP JP33053495A patent/JP2998000B2/ja not_active Expired - Lifetime
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