JP2893579B2 - 建築部材用継手装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、木造家屋或いは鉄
骨構造建築物等を建築するのに好適な骨組を構築するた
めの建築部材用継手装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の建築物の建築方法として、軸組工
法と枠工法なるものが良く知られている。前者は、スケ
ルトンスキン工法やポスト＆ビーム工法とも称されるも
ので、柱、梁を主体として構成する架構方法である。

【０００３】後者は、ツーバイフォー工法やプラットフ
ォームフレーム工法とも称されるもので、根太で組まれ
た床の枠組に対して構造物用合板又はそれと同等以上の
性能を有する面材を打ち付けて形成した床に、枠材で組
まれた壁の枠組に対して構造用合板その他これに類する
ものを打ち付けて形成した壁体をくぎ及び金物で取りつ
けて建築物を建築するものである。

【０００４】これら工法の主たる違いを比較して述べる
と、まず、空間の構成は、前者は「軸（線）」、後者は
「版（面）」である。床面、壁面等の剛性付与構造は、
前者は「火打ちばり、筋かい」、後者は「構造用合板張
り」である。使用する木材は、前者は「正方形を主とし
た大断面・長尺材（通し柱）を含む」、後者は「小断面
・短尺材を主とする」である。施工時の工程は、前者は
「一階・二階軸，小屋連続建上げ，床」、後者は「一階
床→一階壁→二階床→二階壁→小屋（ステップ作業）」
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、木造
家屋等の建築物の施工においては、基礎を構成した後、
木材等の建築部材を巧みに切断し切欠加工してこれらを
構造力学に沿って巧みに組み立て結合し、特に建築部材
の重要接続部分をボルト等で固定している。しかし、こ
のような古来の方法では、建築部材の結合等高度の技量
と熟練を要し、作業能率，建築部材の経済性，結合部分
の強度等に劣り、工期が長く、結局高価となる。

【０００６】一方、近年のプレハブ建築は大量生産によ
り上記の経済性の問題を幾分は解決するが、耐久性，強
度（特に結合部）に劣り、多様性に欠け、建築後使用す
る期間の経過に従ってみすぼらしくなり、長期の使用に
なると、建築の落ち着き感，重量感等の良さを醸し出す
ことができない。そこで、本願出願人は、上記の如き構
造部材の結合について永年鋭意研究の結果、従来の最も
簡単な結合方法、例えば鉄板とボルト・ナットを種々組
み合わせる方法に比して更に簡単であり、しかも、強度
において古来の木造刻み込み方式にも優る建築部材用継
手を開発した。

【０００７】これは、特開昭５１−１０７６２６号公報
によって明らかにされている。即ち、この継手は、立方
体若しくは直方体形状の基本継手本体に対し、該基本継
手本体表面から、該表面に略直交する平面内を外向きに
延びる板状部材を溶接固定したものであり、該板状部材
には、ボルト等の固定具が挿通し得る孔を設けたもので
ある。このものは、基本継手部材本体と板状部材の形
状，数及び方向を変えて組み合わせることにより多数の
種類の継手部材が得られる。

【０００８】しかしながら、かかる従来の継手にあって
は、次のような問題点があった。即ち、上記のような立
方体若しくは直方体形状の基本継手本体を適用した結
果、継手として重量がかなり嵩み、材料費も多く必要と
なって、コスト的に不利である。又、重量が重い結果、
取扱に苦慮し、建築部材の結合作業が難しい。又、継手
を製作するに当たって、溶接箇所が多い等工数が掛り、
製作性に劣るものである。

【０００９】更に、従来の継手にあっては、柱同士の結
合、梁同士の結合、柱と梁との結合等に、夫々異なる種
類の継手を使用する必要があるため、継手の製作に手間
が掛り、その管理も煩雑となる。本発明は以上のような
従来の問題点に鑑み、建築部材として、規格化されたプ
レカット部材を使用可能とし、これを結合して建築物の
骨組を形成するに好適な規格化された継手部材からなる
建築部材用継手装置であって、在来軸組工法と枠組壁工
法の両特徴を混合した建築物等に適した骨組を構築し得
る継手装置を提供することを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】このため、請求項１に係
る発明は、以下のＡに示される締結手段と共に用いら
れ、Ｂに示される基本継手部材単独若しくは該基本継手
部材に、Ｃ及びＥに示される第１及び第３の応用継手部
材の少なくとも１つを組み合わせて、若しくは、前記基
本継手部材に、前記第１の応用継手部材とＤに示される
第２の応用継手部材を組み合わせて、若しくは、前記基
本継手部材に、前記第１の応用継手部材と前記第２の応
用継手部材と前記第３の応用継手部材を組み合わせて構
成された建築部材用継手装置。

【００１１】Ａ 締結手段 Ｂ 板面が鉛直面内に延び、材軸が鉛直方向に延びる第
１の鉛直建築部材を連結するための第１の前記締結手段
が挿通される挿通孔が開設された第１の連結用板部と、
前記第１の連結用板部の少なくとも一方の側端部から、
該第１の連結用板部と面一に延び、材軸が水平方向に延
びる第１の水平建築部材を連結するための第２の前記締
結手段が挿通される挿通孔が開設された第２の連結用板
部と、板面が水平面内に延び、前記基本継手部材の第１
及び第２の連結用板部の少なくとも一方の下端に固定さ
れる第１の端板部と、を含んで構成された基本継手部
材。

【００１２】Ｃ 板面が水平面内に延び、前記基本継手
部材の第１の連結用板部の上端に固定可能な第２の端板
部を含んで構成された第１の応用継手部材。 Ｄ 板面が鉛直面内に延び、前記第１の応用継手部材の
第２の端板部の上端に固定可能で、材軸が鉛直方向に延
びる第２の鉛直建築部材を連結するための第３の前記締
結手段が挿通される挿通孔が開設された第３の連結板部
を含んで構成された第２の応用継手部材。

【００１３】Ｅ 前記基本継手部材に連結される前記鉛
直建築部材の端部のうち前記第１及び第２の連結用板部
に平行な少なくとも１つの側面に固定取付されるための
第２の前記締結手段が挿通される挿通孔が開設された側
板部と、該側板部の中央部に一側端が固定され、前記第
１及び第２の連結用板部に直角に延び、前記第１の水平
建築部材に対して直角方向に延び、材軸が水平方向に延
びる第２の水平建築部材を連結するための第４の前記締
結手段が挿通される挿通孔が開設された第３の連結用板
部と、を含んで構成された第３の応用継手部材。

【００１４】請求項２に係る発明は、前記第３の応用継
手部材の側板部下端と第３の連結用板部下端に固定さ
れ、水平方向に配置される受板部を設けるようにした。
請求項３に係る発明は、前記基本継手部材の第１の端板
部に、基礎に固定取付されるための第５の前記締結手段
が挿通される挿通孔を開設するようにした。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。本発明に係る継手装置（以下、コネ
クタと言う）の一実施形態の構成を、図１に示す。この
実施形態のコネクタ１は、材軸が鉛直方向に延びる鉛直
建築部材としての柱と柱とを結合し、結合された柱に対
して材軸が水平方向に延びる水平建築部材としての梁を
結合するものである。

【００１６】かかるコネクタ１は、夫々金属製の、基本
継手部材２とこれと選択的に組み付けられる第１〜第３
の応用継手部材３〜５とから構成される。かかる各種の
継手部材の構成を詳述する。前記基本継手部材２は、板
面が鉛直面内に延び、材軸が鉛直方向に延びる第１の鉛
直建築部材としての下側の柱６Ａを連結するための第１
の締結手段としてのボルトとナットのうちボルトが挿通
される挿通孔７が開設された第１の連結用板部２Ａと、
この第１の連結用板部２Ａの少なくとも一方（実施形態
では一方）の側端部から、該第１の連結用板部２Ａと面
一に延び、材軸が水平方向に延びる第１の水平建築部材
としての第１の梁８を連結するための第２の締結手段と
してのボルトとナットのうちボルトが挿通される挿通孔
９が開設された第２の連結用板部２Ｂと、板面が水平面
内に延び、前記基本継手部材２の第１及び第２の連結用
板部２Ａ，２Ｂの少なくとも一方（本実施形態では、第
２の連結用板部２Ｂ）の下端に固定される第１の端板部
２Ｃと、を含んで構成される。

【００１７】この場合、前記第１の連結用板部２Ａのボ
ルト挿通孔７は、上部において左右２ヵ所に開設され
る。又、前記第２の連結用板部２Ｂのボルト挿通孔９
は、上部と下部の２ヵ所に開設される。第１の応用継手
部材３は、板面が水平面内に延び、前記基本継手部材２
の第１の連結用板部２Ａの上端に固定可能な第２の端板
部３Ａを含んで構成されている。

【００１８】この場合、端板部３Ａは方形状に形成さ
れ、その下板面中央部に、第１の連結用板部２Ｂの上端
が溶接により固着される。第２の応用継手部材４は、板
面が鉛直面内に延び、前記第１の応用継手部材３の第２
の端板部３Ａの上端に固定可能で、材軸が鉛直方向に延
びる第２の鉛直建築部材としての上側の柱６Ｂを連結す
るための第３の締結手段を構成するボルトとナットのう
ちボルトが挿通される挿通孔１１が開設された第３の連
結板部４Ａを含んで構成されている。

【００１９】この場合、連結板部４Ａは方形状に形成さ
れ、その下端が、前記第２の端板部３Ａの上板面中央部
に溶接により固着され、挿通孔１１は左右２ヵ所に開設
される。第３の応用継手部材５は、前記基本継手部材２
に連結される前記柱６Ａの端部のうち前記第１及び第２
の連結用板部２Ａ，２Ｂに平行な少なくとも１つ（本実
施形態においては１つ）の側面に固定取付されるための
第２の締結手段としてのボルトとナットのうちボルトが
挿通される挿通孔１０が開設された側板部５Ａと、この
側板部５Ａの中央部に一側端が固定され、前記第１及び
第２の連結用板部２Ａ，２Ｂに直角に延び、前記第１の
梁８に対して直角方向に延びて材軸が水平方向に延びる
第２の水平建築部材としての第２の梁１２を連結するた
めの第４の締結手段としてのボルトとナットのうちボル
トが挿通される挿通孔１３が開設された第３の連結用板
部５Ｂと、を含んで構成される。

【００２０】この場合、側板部５Ａと連結用板部５Ｂ
は、夫々方形状に形成され、両者は溶接により固着され
る。又、側板部５Ａにおいて挿通孔１０は、第３の連結
用板部５Ｂを間に挟んだ両側２ヵ所に、第３の連結用板
部５Ｂにおいて挿通孔１３は、上下２ヵ所に、夫々開設
される。

【００２１】尚、第３の応用継手部材５の側板部５Ａの
上端には、水平方向に張り出す柱受板部５Ｃが設けられ
ており、側板部５Ａが締結される柱６Ａの頭部を受ける
ことができるようになっている。かかる図１及び図２の
実施形態においては、基本継手部材２に対して、第１〜
第３の応用継手部材３〜５全てを組み付けて構成してあ
り、第３の応用継手部材３は、基本継手部材２に連結さ
れた柱５の一側面に対応して１つ設けられている。

【００２２】ここで、本実施形態においては、第３の応
用継手部材５の側板部５Ａ下端と第３の連結用板部５Ｂ
下端に固定され、水平方向に配置される受板部１４が設
けられている。次に、かかる構成のコネクタ１を使用し
た建築部材の結合形態について説明する。

【００２３】図１は、コネクタ１を用いて、上下の柱６
Ｂ、６Ａ同士を結合すると共に、連結された柱６Ｂ、６
Ａに対して２つの梁８，１２を結合する例である。即
ち、下側の柱６Ａの接合端部に予め切って形成した一文
字形状の溝に、基本継手部材２の連結用板部２Ａが挿入
されるようにして、下側の柱６Ａを基本継手部材２にセ
ットし、第１の応用継手部材３の端板部３Ａに柱頭部を
受けさせる。

【００２４】そして、第３の応用継手部材５の側板部５
Ａから挿入したボルトを柱６Ａ、基本継手部材２の連結
用板部２Ａ、柱６Ａの順に通し、この柱６Ａからのボル
トの突出端部にナットを締め付けて、柱６Ａを基本継手
部材２に締結すると同時に、柱６Ａに第３の応用継手部
材５を締結する。又、上側の柱６Ｂの接合端部に予め切
って形成した一文字形状の溝に、第２の応用継手部材４
の連結板部４Ａが挿入されるようにして、上側の柱６Ｂ
を基本継手部材２にセットし、ボルトとナットを使用し
て締結する。

【００２５】そして、図６に示すように、梁１２の接合
端部に予め切って形成した一文字形状の溝１２Ａに、第
３の応用継手部材５の連結用板部５Ｂの端部が夫々挿入
されるようにして、梁１２を受板部１４上にセットし、
ボルトとナットを使用して締結する。更に、梁１２と同
様に、梁８の接合端部に予め切って形成した一文字形状
の溝に、基本継手部材２の連結用板部２Ｂの端部が夫々
挿入されるようにして、梁１２を端板部２Ｃ上にセット
し、ボルトとナットを使用して締結する。

【００２６】尚、上側の柱６Ｂや梁８，１２を締結する
ためのボルトとナットとからなる締結手段に代えて、図
７（Ａ），（Ｂ）に示すようなドリフトピンＡ，Ｂや、
同図（Ｃ）に示すようなコーチスクリュー（ラグスクリ
ュー）Ｃを用いても良い。ドリフトピンＡのａ部は、抵
抗を持つように溝が網目状に型押しにて形成されてい
る。

【００２７】又、ドリフトピンＢの基端部には、２枚の
羽根ｂが固着されており、この羽根ｂが木部に食い込ん
で、ピンＢの打ち込み後に、該ピンＢが戻るのを防止す
るようにしている。尚、このドリフトピンＢは、本出願
人が先に出願したものである。上述したように、図１の
実施形態のコネクタ１においては、基本継手部材２に対
して、第１〜第３の応用継手部材３〜５全てを組み付け
て構成してあり、第３の応用継手部材４は、基本継手部
材２に締結される柱６Ａの片方の側面に対応して１つ設
けるようにしたが、要は基本継手部材２単独で若しくは
基本継手部材に、第１の応用継手部材３及び第３の応用
継手部材５の少なくとも１つを組み合わせてコネクタを
構成すれば良く、或いは、基本継手部材２に、第１の応
用継手部材３と第２の応用継手部材４を組み合わせて、
若しくは、基本継手部材２に、第１の応用継手部材３と
第２の応用継手部材４と第３の応用継手部材５を組み合
わせて、コネクタを構成すれば良く、その使用目的に応
じて、基本継手部材２単独とするか、基本継手部材２に
組み付ける応用継手部材３〜５を適宜選択することによ
り、種々の形態のコネクタを形成できる。

【００２８】これらのコネクタの例を図２及び図３に示
す。図２のコネクタ１は、基礎に柱６Ａと材軸が水平方
向に延びる水平建築部材としての土台１４を連結するた
めのもので、基本継手部材２単独で構成したものであ
り、基本継手部材２は、第１の連結用板部２Ａと、第２
の連結用板部２Ｂと、第１及び第２の連結用板部２Ａ，
２Ｂの両方の下端に固定される第１の端板部２Ｃと、を
含んで構成される。

【００２９】この場合、基本継手部材２の第１の端板部
２Ｃに、基礎に固定取付されるための第４の締結手段と
してのボルトとナットのうちボルトが挿通される挿通孔
１５が開設されている。かかるコネクタ１の使用に際し
ては、その端板部２Ｃを基礎から突出するアンカーボル
トのボルト部にナットを用いて締結し、連結用板部２Ａ
に柱６Ａを締結すると共に、連結板部２Ｂに土台１４を
締結する。

【００３０】図３のコネクタ１は、柱頭部に使用される
もので、基本継手部材２に、第１の応用継手部材３のみ
を組み合わせて構成したものであり、基本継手部材２
は、第１の連結用板部２Ａと、第２の連結用板部２Ｂ
と、第２の連結用板部２Ｂの下端のみに固定される第１
の端板部２Ｃと、を含んで構成される。かかるコネクタ
１の使用に際しては、下側の柱６Ａを基本継手部材２の
連結用板部２Ａに締結し、柱６Ａを基本継手部材２にセ
ットし、第１の応用継手部材３の端板部３Ａに柱頭部を
受けさせ、又、基本継手部材２の連結用板部２Ｂに梁１
１を締結する。

【００３１】尚、図２及び図３のコネクタ１の使用に際
しては、図１に示した第３の応用継手部材５を組み合わ
せても良い。上記の各コネクタ１においては、基本継手
部材２において、第２の連結用板部２Ｂを、第１の連結
用板部２Ａの一方の側端部に連接する構成としたが、図
４及び図５に示すように、第２の連結用板部２Ｂを、第
１の連結用板部２Ａの両方の側端部に連接する構成とし
ても良く、この場合は、２つの第２の連結用板部２Ｂ
に、梁等の水平建築部材を連結できるコネクタとなる。

【００３２】以上説明したコネクタによれば、単なるボ
ルト締め等の締結手段を用いるという単純な作業による
のみで、建築部材の結合が完了できる。そして、建坪及
び高さも極少量の定尺品で自由に変えることができ、建
築完了後においても、予め増改築を予定して、それ用の
継手装置を用いておけば、その増改築も極めて容易であ
り、あたかも色々な形状のブロック玩具を組み合わせる
如く、少数規格品を用いて需要者の要求に応じて各種各
様の家屋を次々に構成することができる。又、継手装置
及びこれによって接続される建築部材を規格化できるの
で、継手装置を工場で全て用意し、使用する建築部材の
みを工場でプレカットして用意すれば良い。更に、継手
装置を用いて行う建築部材の結合は極めて強固であり、
従来公知の単なる鉄板やボルト・ナットを用いる方法に
比して圧倒的に強度が大である。

【００３３】上記継手装置の特記すべき特徴は、次の通
りである。即ち、従来の立方体若しくは直方体形状の継
手本体に代えて、２つの板部からなる形状の継手部材を
基本のものとして使用するので、継手装置として重量並
びに材料の低減を図れ、コストダウンを図れると共に、
重量が軽い結果、取扱も簡単で、建築部材の結合作業が
容易である。

【００３４】又、継手を製作するに当たって、溶接箇所
が少ない等工数が少なく、製作性に優れるものである。
尚、本実施形態においては、第３の応用継手部材の側板
部下端と第３の連結用板部下端に固定され、水平方向に
配置される受板部を設けるようにしたから、梁を安定し
て受けることができ、梁の結合状態を強固に行うことが
できる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る発
明によれば、継手装置として重量並びに材料の低減を図
れ、コストダウンを図れると共に、建築部材の結合作業
の簡略化を図れ、作業能率をより向上できる。又、製作
性に優れ、建築部材間の寸法に誤差が生じ難い。

【００３６】更に、建築部材の縦横に捕らわれずに、建
築部材の締結が行え、アイテムを少なくすることがで
き、製作性の向上やコスト低減に貢献する。特に、本発
明の基本継手部材は、２つの板部のみからなる単純な形
状のものであるから、製作性に優れている。尚、本発明
の継手装置を使用した建築方法は、複雑な仕口、継手が
不要であり、構造上の強度のばらつきもなく、建築部材
の結合は極めて強固である。又、建築作業が非常に行い
易く、工期が著しく短縮でき、極めて経済的であり、少
数規格品を用いて需要者の要求に応じて各種各様の建築
物を次々に構造することができる。

【００３７】請求項２に係る発明によれば、梁等の水平
建築部材を安定して受けることができ、水平建築部材の
結合状態を強固に行うことができる。請求項３に係る発
明によれば、基礎において使用されるコネクタを形成で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る建築部材用継手装置の一実施形
態を示す斜視図

【図２】 他の実施形態を示す斜視図

【図３】 更に他の実施形態を示す斜視図

【図４】 更に他の実施形態を示す斜視図

【図５】 更に他の実施形態を示す斜視図

【図６】 梁の接合端部を示す斜視図

【図７】 締結手段の他の実施形態を示す図で、
（Ａ），（Ｂ）はドリフトピンを示し、（Ｃ）はコーチ
スクリュー（ラグスクリュー）を示す

【符号の説明】

１ コネクタ ２ 基本継手部材 ２Ａ 第１の連結用板部 ２Ｂ 第２の連結用板部 ２Ｃ 第１の端板部 ３ 第１の応用継手部材 ３Ａ 第２の端板部 ４ 第２の応用継手部材 ４Ａ 第３の連結板部 ５ 第３の応用継手部材 ５Ａ 側板部 ５Ｂ 第３の連結用板部 ６Ａ 柱 ６Ｂ 柱 ７ 挿通孔 ８ 梁 ９ 挿通孔 １０ 挿通孔 １１ 挿通孔 １２ 梁 １３ 挿通孔

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】以下のＡに示される締結手段と共に用いら
   れ、Ｂに示される基本継手部材単独若しくは該基本継手
   部材に、Ｃ及びＥに示される第１及び第３の応用継手部
   材の少なくとも１つを組み合わせて、若しくは、前記基
   本継手部材に、前記第１の応用継手部材とＤに示される
   第２の応用継手部材を組み合わせて、若しくは、前記基
   本継手部材に、前記第１の応用継手部材と前記第２の応
   用継手部材と前記第３の応用継手部材を組み合わせて構
   成された建築部材用継手装置。 Ａ 締結手段 Ｂ 板面が鉛直面内に延び、材軸が鉛直方向に延びる第
   １の鉛直建築部材を連結するための第１の前記締結手段
   が挿通される挿通孔が開設された第１の連結用板部と、 前記第１の連結用板部の少なくとも一方の側端部から、
   該第１の連結用板部と面一に延び、材軸が水平方向に延
   びる第１の水平建築部材を連結するための第２の前記締
   結手段が挿通される挿通孔が開設された第２の連結用板
   部と、 板面が水平面内に延び、前記基本継手部材の第１及び第
   ２の連結用板部の少なくとも一方の下端に固定される第
   １の端板部と、 を含んで構成された基本継手部材。 Ｃ 板面が水平面内に延び、前記基本継手部材の第１の
   連結用板部の上端に固定可能な第２の端板部を含んで構
   成された第１の応用継手部材。 Ｄ 板面が鉛直面内に延び、前記第１の応用継手部材の
   第２の端板部の上端に固定可能で、材軸が鉛直方向に延
   びる第２の鉛直建築部材を連結するための第３の前記締
   結手段が挿通される挿通孔が開設された第３の連結板部
   を含んで構成された第２の応用継手部材。 Ｅ 前記基本継手部材に連結される前記鉛直建築部材の
   端部のうち前記第１及び第２の連結用板部に平行な少な
   くとも１つの側面に固定取付されるための第２の前記締
   結手段が挿通される挿通孔が開設された側板部と、 該側板部の中央部に一側端が固定され、前記第１及び第
   ２の連結用板部に直角に延び、前記第１の水平建築部材
   に対して直角方向に延び、材軸が水平方向に延びる第２
   の水平建築部材を連結するための第４の前記締結手段が
   挿通される挿通孔が開設された第３の連結用板部と、 を含んで構成された第３の応用継手部材。
2. 【請求項２】前記第３の応用継手部材の側板部下端と第
   ３の連結用板部下端に固定され、水平方向に配置される
   受板部を設けるようにしたことを特徴とする請求項１記
   載の建築部材用継手装置。
3. 【請求項３】前記基本継手部材の第１の端板部に、基礎
   に固定取付されるための第５の前記締結手段が挿通され
   る挿通孔が開設されたことを特徴とする請求項１又は２
   記載の建築部材用継手装置。