JP2996825B2 - シリンダヘッドの組立方法 - Google Patents

シリンダヘッドの組立方法

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F7/00Casings, e.g. crankcases or frames
    • F02F7/006Camshaft or pushrod housings

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DOHCエンジンにお
けるシリンダヘッドの組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カムシャフトをセンタ割りで配設
するシリンダヘッド構造を有するDOHCエンジンで
は、カムシャフトの軸受部分をR加工するために、カム
シャフトタイミング駆動軸側と背向する側面側からドリ
ルを用いてR加工を行っている。このR加工の結果、シ
リンダヘッドの前記側面には半円形切欠が形成される
が、このような半円形切欠は不要なものであるので、シ
リンダヘッドカバーが取り付けられてエンジンが組み立
てられる際にはセミサーキュラと呼ばれる栓を用いて密
閉される。この場合、シール品質を確保するために、シ
リンダヘッドとシリンダヘッドカバーと栓とが接触する
部分に、常温加硫型シリコンゴムシール剤等の現場成形
ガスケット(FIPG)によりいわゆる三方合せシール
を実施している。また、実公平4−29041号公報の
内燃機関のカムシャフトエンドジャーナルの盲栓構造の
ように、電子燃料制御装置用のセンサを取り付けない場
合に開放状態になるエンドジャーナル部のホルダの外端
を、帽状の芯材が鋼板からなる盲栓により閉塞するもの
も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報のものにあっ
ては、このような密閉のための栓を有するシリンダヘッ
ドの組立は、栓をシリンダヘッド側の切欠部分に係止さ
せた状態で、電子燃料制御装置用のセンサ取付のための
取付フランジを取着して行っている。つまり、栓の取り
付けはシリンダヘッドの組立中に同時に行わなければな
らず、前記取付フランジとシリンダヘッドとの間に、ゴ
ム製の栓が噛み込むことによりシール性が十分でなくな
る可能性があり、また長期に亘って使用した場合、ゴム
のへたりから油洩れを起こす恐れもある。しかもこのよ
うな噛み込み状態は、組立後は発見し難く、組立作業を
自動化しにくい要因の一つであった。また、栓の材質を
アルミニウムとした場合、加工上寸法精度を極めて高く
するする必要があり、あらたに問題を提起するものとな
った。したがって、シリンダヘッドにシリンダヘッドカ
バーを取着し、その後外側から栓を装着して、切欠部分
を閉塞するようなシリンダヘッドの組立は、栓の材質及
び形状からみて熟練を要する作業を必要とした。
【0004】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係るシリンダヘッドの組立方法
は、一方のカムシャフトの一方端がシリンダヘッドカバ
ーより突出し、その一方端にタイミングベルトが架設さ
れ、他方のカムシャフトの一方端がシリンダヘッドの端
壁部に設けられた軸受部とその軸受部に取り付けられる
軸受部材とで軸支され、前記軸受部材の軸受曲面とシリ
ンダヘッドとを合せることにより円形となる半円形の切
欠部を前記端壁部に有するDOHCエンジンを組み立て
る際に、前記軸受部材の取着の後にシリンダヘッドの切
欠部と前記軸受部材の軸受曲面とにより形成される円形
開口に略同一外径の栓を圧入することを特徴とする。
【0006】
【作用】このような構成のものであれば、シリンダヘッ
ドに軸受部材を取着した後に切欠部により形成される円
形開口部に、その円形開口部に略同一外径の栓を圧入す
るので、前記円形開口を閉塞する作業を簡素化する。し
たがって、軸受部材をシリンダヘッドに取着する作業に
おいても、その両者により前記栓を挾み込む構成ではな
いので、前記栓を支持しながらシリンダヘッドの軸受部
に軸受部材を固着する必要がない。しかも、前記栓は圧
入するので、栓の外周に均等にシールを施すことが可能
となり、油洩れ等に対する性能が向上する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0008】図1は、3気筒DOHCエンジンのシリン
ダヘッド1の平面図で、スパークプラグについては図示
が省略してある。
【0009】シリンダヘッド1は、例えばアルミダイカ
スト製のもので、スパークプラグが取り付けられるプラ
グ取付孔11を中心にして、その左右に吸気バルブ及び
排気バルブ用のバルブ孔12が穿設されている。そし
て、そのバルブ孔12を覆うようにして2本のカムシャ
フト2a、2bが、シリンダヘッド1内に設けられた3
カ所の軸受部13により回転可能に装着されている。軸
受部13は、その中央部分に側面視半円形の軸受曲面を
有しており、その左右に、前記軸受曲面と同一の曲面を
有するカムシャフトベアリングキャップ15の固定穴1
6を有し、カムシャフトベアリングキャップ15とによ
りカムシャフト2a、2bの軸受として機能する。軸受
部13及び後述する軸受部13bは、その軸受曲面をド
リルなどで研磨するいわゆるR加工が施される。しかし
て、シリンダヘッド1内部が組み立てられた後には、図
2、3に示すシリンダヘッドカバー3により、その上面
開口部分が閉鎖される。
【0010】カムシャフト2aの一方端21aは、シリ
ンダヘッド1の外側まで延長されており、タイミングベ
ルトが架設されるプーリを取り付けるようになってい
る。また、カムシャフト2bは、その一方端21bがシ
リンダヘッド1の端壁部14に設けられた軸受部13b
に軸支され、その他方端22bはカムポジションセンサ
を接続できるように形成されている。カムシャフト2a
とカムシャフト2bとは、シリンダヘッド1内でギヤに
より連動するように構成されており、カムシャフト2a
がタイミングベルトで回転されると、カムシャフト2b
はギヤによりカムシャフト2aとは反対方向に回転する
ものである。それぞれの軸受部13、13bにおいて、
カムシャフト2a、2bは下面に側面視半円形の軸受曲
面15aを有する軸受部材であるカムシャフトベアリン
グキャップ15により、上方向への移動を禁止されてい
る。
【0011】軸受部13bは、シリンダヘッド1の端壁
部14形成されるもので、軸受曲面131bより外側部
分にはカムシャフト2bの軸方向への移動を禁止する鍔
23bを回転可能に枢支する溝132bが形成されてい
る。したがって、軸受部13bと端壁部14の内面との
間に間隙はない。そして、溝132bの外側には、後述
する円形栓であるカムシャフトジャーナル用シールプラ
グ4と圧接する切欠部である曲面141が形成されてい
る。この曲面141は、軸受部13、13bをR加工す
る際に端壁部14に形成されるものであってもよく、し
たがって、軸受曲面131bと同形であってよい。この
溝132b及び曲面141に対応して、軸受を形成する
カムシャフトベアリングキャップ15にも、鍔23bを
枢支する溝15bと、カムシャフトジャーナル用シール
プラグ4と圧接する曲面15cとが形成されている。
【0012】カムシャフトジャーナル用シールプラグ4
は、断面形状がコ字形の円盤で、金属製円盤4aの外周
部分に外周ゴム4bが取り付けられて形成されている。
しかして、その厚みは、上記曲面141の幅と略同一に
形成されており、圧入された際にはカムシャフト2bの
鍔23bと当接しないものである(図5)。
【0013】シリンダヘッドカバー3は、その中央部分
にスパークプラグに接続されるハイテンションコードを
挿入する透孔31が穿設され、図2に示すように、その
周囲部分の6カ所にはシリンダヘッド1に固定するボル
トを挿入するための取付孔32が設けられている。ま
た、シリンダヘッド1の端壁部14に対応する側のシリ
ンダヘッドカバー3の端面33には、カムシャフト2a
の一方端21aを避ける切欠部34と、カムシャフトベ
アリングキャップ15の円筒部15dに接触する切欠部
35とが形成されている。そして、シリンダヘッドカバ
ー3の外周部分を構成して下を向いている面、つまり組
み立てられた際にシリンダヘッド1の外周部分の上面と
対向する面には溝36が形成され、ガスケット5が取り
付けられる(図4)。
【0014】以上の構成において、シリンダヘッド1の
組立は、吸、排気バルブ、カムシャフト2a、2b間に
取り付けられるギヤ、カムシャフト2a、2bなどを、
所定の位置に組み込む。カムシャフト2a、2bは、3
カ所の軸受部13において、カムシャフトベアリングキ
ャップ15と同等のカムシャフトベアリングキャップに
より回転可能に軸支されて組み込まれる。しかして、カ
ムシャフト2bの一方端21b側の軸受部13bには、
カムシャフトベアリングキャップ15が2本のボルトで
固定される。この後、シリンダヘッド1の端壁部14に
形成された曲面141と、カムシャフトベアリングキャ
ップ15の曲面15cとで形成される円形開口6に、カ
ムシャフトジャーナル用シールプラグ4を圧入する。圧
入に際しては、例えば専用の治具を用い、カムシャフト
ジャーナル用シールプラグ4の凹部4cにその治具を嵌
着し、その状態でこのカムシャフトジャーナル用シール
プラグ4の端面41がシリンダヘッド1の外壁と面一に
なる位置まで圧入すればよい。
【0015】そして、シリンダヘッド1内部の組立が完
了すると、最後に、シリンダヘッドカバー3の外周部分
の下向き面にガスケット36を固着し、そのシリンダヘ
ッドカバー3をシリンダヘッド1の上面開口部分に載置
し、取付孔32に固定用のボルトを挿入してシリンダヘ
ッドカバー3を取り付ける。
【0016】このように、カムシャフト2a、2bの軸
受部13、13bの加工のために形成されるシリンダヘ
ッド1の端壁部14の無用な曲面141を、圧入作業に
より取り付けることができるので、シリンダヘッド1の
組立工程が簡素化できる。しかも、カムシャフトジャー
ナル用シールプラグ4は円盤形状であるので、三方合せ
シール部分がなくなり、シール性能も半円形のものに比
べて格段に向上する。しかして、このように、カムシャ
フト2bの一方端21bをシリンダヘッド1の端壁部1
4に軸受部13bを形成して軸支しているので、シリン
ダヘッド1をコンパクトにすることができ、しかもカム
シャフトジャーナル用シールプラグ4とタイミングベル
トとの干渉を防止することができる。
【0017】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではない。
【0018】その他、各部の構成は図示例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形が可能である。
【0019】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、シリ
ンダヘッドの切欠部と軸受部材の軸受曲面とにより形成
される円形開口に略同一外径の栓を圧入してその開口を
閉塞しているので、その取り付け作業を容易にしかも簡
素にすることができる。しかも、このような構造とする
ことにより、栓の厚さを極力薄くすることが可能で、よ
って、クランク軸方向のエンジン寸法を最小限にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシリンダヘッドを示す平面
図。
【図2】同実施例のシリンダヘッドカバーを示す平面
図。
【図3】同実施例のシリンダヘッドカバーの正面図
【図4】同実施例のカムシャフトジャーナル用シールプ
ラグの取付構造を示す要部を拡大した分解斜視図。
【図5】同実施例のカムシャフトジャーナル用シールプ
ラグの取付構造を示す要部を拡大した断面図。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド 2a…カムシャフト 2b…カムシャフト 3…シリンダヘッドカバー 4…カムシャフトジャーナル用シールプラグ 6…円形開口 13、…軸受部 13b…軸受部 14…端壁部 21a、21b…一方端 22b…他方端 131b…軸受曲面 141…曲面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23P 21/00 303 F01L 1/04 F02F 1/24 F02F 11/00 F16J 10/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方のカムシャフトの一方端がシリンダヘ
    ッドカバーより突出し、その一方端にタイミングベルト
    が架設され、他方のカムシャフトの一方端がシリンダヘ
    ッドの端壁部に設けられた軸受部とその軸受部に取り付
    けられる軸受部材とで軸支され、前記軸受部材の軸受曲
    面とシリンダヘッドとを合せることにより円形となる半
    円形の切欠部を前記端壁部に有するDOHCエンジンを
    組み立てる際に、 前記軸受部材の取着の後にシリンダヘッドの切欠部と前
    記軸受部材の軸受曲面とにより形成される円形開口に略
    同一外径の栓を圧入することを特徴とするシリンダヘッ
    ドの組立方法。
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