JPH0523791Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ガスケツトを挟んで互いに締結した
シリンダブロツク及びシリンダヘツドとの側面
に、タイミングベルト又はタイミングチエン若し
くはタイミングギヤーに対するタイミングカバー
を、シリンダブロツクとシリンダヘツドとの両方
に跨つて締結する場合における気密装置に関する
ものである。

〔従来技術〕

最近の内燃機関では、クランク軸の回転をシリ
ンダヘツドに軸支のカム軸に伝達するタイミング
ベルト又はタイミングチエン若しくはタイミング
ギヤーを覆うタイミングカバーは、例えば、実開
昭54−158109号公報等に記載されているように、
シリンダブロツク及びシリンダヘツドの側面にそ
の両方に跨つて締結することが行われており、こ
の場合、シリンダブロツクとシリンダヘツドとの
間には、シール用のヘツドガスケツトを介挿する
一方、前記タイミングカバーとシリンダブロツク
及びシリンダヘツドとの間にもシール用のカバー
ガスケツトを介挿することにより、気密を保持す
るように構成している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、シリンダブロツクの側面と、シリンダ
ヘツドの側面とを、同一平面状に仕上げ加工する
ことは、比較的に容易であるが、シリンダブロツ
クとシリンダヘツドとの間に介挿したヘツドガス
ケツトの端面を、シリンダブロツク及びシリンダ
ヘツドの側面と同一平面状に揃えることは、寸法
的にきわめて困難であつて、ヘツドガスケツトの
端面が、シリンダブロツク及びシリンダヘツドの
側面より突出したり、或いは、シリンダブロツク
及びシリンダヘツドの側面より凹んだりすること
になり、前者のように、ヘツドガスケツトの端面
がシリンダブロツク及びシリンダヘツドの側面よ
り突出している場合には、前記タイミングカバー
とシリンダブロツク及びシリンダヘツドの側面と
の間に介挿したシール用のカバーガスケツトを締
め付けることができないので、気密性が低下する
ことになり、また、後者のように、ヘツドガスケ
ツトの端面がシリンダブロツク及びシリンダヘツ
ドの側面より凹んでいる場合には、カバーガスケ
ツトとヘツドガスケツトの端面との間に溝状の〓
間ができるから、これでまた気密性が低下するの
であり、特に、タイミングカバー内に潤滑油を必
要とする場合には、潤滑油の漏れが発生するので
あつた。

本考案は、この問題を解消することを目的とす
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、ヘツドガス
ケツトを挟んで互いに締結されるシリンダブロツ
ク及びシリンダヘツドの側面に、タイミングベル
ト又はタイミングチエン若しくはタイミングギヤ
ーを覆うタイミングカバーを、当該タイミングカ
バーとシリンダブロツク及びシリンダヘツドとの
間にシール用のカバーガスケツトを挟んで締結し
て成る内燃機関において、前記ヘツドガスケツト
の端面を、シリンダブロツク及びシリンダヘツド
の側面より凹ませ、この凹ませた部分に、耐熱弾
性体製のガスケツトを、前記ヘツドガスケツトに
係着して挿入する構成にした。

〔考案の作用・効果〕

このように、ヘツドガスケツトの端面を、シリ
ンダブロツク及びシリンダヘツドの側面より凹ま
せたことにより、ヘツドガスケツトが寸法誤差の
ためにシリンダブロツク及びシリンダヘツドの側
面から突出することがないから、タイミングカバ
ーとシリンダブロツク及びシリンダヘツドとの間
に介挿したカバーガスケツトを十分に締め付ける
ことができる一方、前記ヘツドガスケツトの端面
を凹ませた部分に、耐熱弾性体製ガスケツトを挿
入したことにより、カバーガスケツトとヘツドガ
スケツトの端面との間における溝状の〓間を、前
記耐熱弾性体製ガスケツトによつて完全に詰める
ことができるのである。

また、前記耐熱弾性体製ガスケツトを、前記ヘ
ツドガスケツトに対して係着したことにより、前
記耐熱弾性体製ガスケツトのシリンダブロツクと
シリンダヘツドとの間への装着は、前記ヘツドガ
スケツトのシリンダブロツクとシリンダヘツドと
の間への装着と同時に行うことができるから、前
記耐熱弾性体製ガスケツトを使用することによる
組立て手数の増大を回避できる。

従つて、本考案によると、シリンダブロツク及
びシリンダヘツドの側面に、タイミングカバー
を、シリンダブロツクとシリンダヘツドとの両方
に跨つて締結する場合において、その締結箇所に
おける気密性を、組立て手数の増大を伴うことな
く確実に向上できる効果を有する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明する
と、図において符号１はシリンダブロツクを、符
号２はシリンダヘツドを、符号３はクランク軸の
回転を前記シリンダヘツド２に軸支したカム軸に
伝達するためのタイミングベルト及びタイミング
チエン若しくはタイミングギヤー（いずれも図示
せず）を覆うタイミングカバーを各々示し、前記
シリンダブロツク１とシリンダヘツド２とは、そ
の間にヘツドガスケツト４を挟んで図示しないボ
ルトにて締結され、また、前記タイミングカバー
３は、シリンダブロツク１及びシリンダヘツド２
の側面１ａ，２ａに対して、その両方に跨り、且
つ、その間にカバーガスケツト５を挟んで、複数
本のボルト６にて締結されている。

前記ヘツドガスケツト４の端面４ａを、シリン
ダブロツク１及びシリンダヘツド２の側面１ａ，
２ａより適宜寸法Ｓだけ凹ませ、この凹ませた部
分に、耐熱性ゴム等の耐熱弾性体製のガスケツト
７を、前記ヘツドガスケツト４に対して以下に述
べるように適宜な手段にて係着した状態で挿入す
る。

この耐熱弾性体製ガスケツト７を、ヘツドガス
ケツト４に対して係着するに際しては、耐熱弾性
体製ガスケツト７をヘツドガスケツト４に接着剤
で接着することに加えて、第３図及び第４図に示
すように、断熱弾性体製ガスケツト７に断面Ｌ型
の溝７ａを設ける一方、前記ヘツドガスケツト４
における両面のグロメツト板４ｂ，４ｃのうち一
方のグロメツト板４ｂにリツプ部４ｄを設けて、
このリツプ部４ｄに前記耐熱弾性体製ガスケツト
７を被嵌することによつて係着したり、又は、第
５図及び第６図に示すように、ヘツドガスケツト
４における両グロメツト板４ｂ，４ｃ密着して、
これに断面コ字状に形成した耐熱弾性体製ガスケ
ツト７を被嵌すると共に、耐熱弾性体製ガスケツ
ト７の内部に造形した突起７ｂを、前記両グロメ
ツト板４ｂ，４ｃに穿設した孔４ｅに嵌めること
によつて係着したり、或いは、第７図及び第８図
に示すように、断面Ｔ字型にした耐熱弾性体製ガ
スケツト７を、互いに内向きに曲げた両グロメツ
ト板４ｂ，４ｃの間に挿入することによつて係着
したり、更には、第９図及び第１０図に示すよう
に、断面Ｔ字型にした耐熱弾性体製ガスケツト７
を、両グロメツト板４ｂ，４ｃの間に挿入すると
共に、耐熱弾性体製ガスケツト７に一体的に造形
した突起７ｃを、両グロメツト板４ｂ，４ｃのう
ち一方又は両方に穿設した孔４ｆに嵌めることに
よつて係着するようにしても良いのである。

このように、ヘツドガスケツト４の端面４ａ
を、シリンダブロツク１及びシリンダヘツド２の
側面１ａ，２ａより適宜寸法Ｓだけ凹ませたこと
により、タイミングカバー３とシリンダブロツク
１及びシリンダヘツド２との間に介挿したカバー
ガスケツト５を十分に締め付けることができる一
方、前記ヘツドガスケツト４の端面４ａを凹ませ
た部分に、耐熱弾性体製ガスケツト７を挿入した
ことにより、カバーガスケツト５とヘツドガスケ
ツト４の端面４ａとの間における溝状の〓間を、
前記耐熱弾性体製ガスケツト７によつて完全に詰
めることができるから、タイミングカバー３内を
気密状態にできるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は分解し
た状態を示す斜視図、第２図は組立てた状態の断
面図、第３図、第５図、第７図及び第９図はヘツ
ドガスケツトに対して耐熱弾性体製ガスケツトを
係着する場合における各種実施例を示す斜視図、
第４図は第３図による係着の断面図、第６図は第
５図による係着の断面図、第８図は第７図による
係着の断面図、第１０図は第９図による係着の断
面図である。 １……シリンダブロツク、１ａ……シリンダブ
ロツクの側面、２……シリンダヘツド、２ａ……
シリンダヘツドの側面、３……タイミングカバ
ー、４……ヘツドガスケツト、４ａ……ヘツドガ
スケツトの端面、５……カバーガスケツト、７…
…耐熱弾性体製ガスケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドガスケツトを挟んで互いに締結されるシ
   リンダブロツク及びシリンダヘツドの側面に、タ
   イミングベルト又はタイミングチエン若しくはタ
   イミングギヤーを覆うタイミングカバーを、当該
   タイミングカバーとシリンダブロツク及びシリン
   ダヘツドとの間にシール用のカバーガスケツトを
   挟んで締結して成る内燃機関において、前記ヘツ
   ドガスケツトの端面を、シリンダブロツク及びシ
   リンダヘツドの側面より凹ませ、この凹ませた部
   分に、耐熱弾性体製のガスケツトを、前記ヘツド
   ガスケツトに係着して挿入したことを特徴とする
   内燃機関の気密装置。