JPH0429041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は内燃機関のカムシヤフトエンドジヤー
ナルの盲栓構造に関するものである。

（従来の技術） 車両の内燃機関においてオーバーヘツドカムシ
ヤフト（以下OHCと記す）タイプのエンジンは、
シリンダヘツド上にカムシヤフトを設け、カムシ
ヤフトはヘツド上に設けられたホルダで支持さ
れ、電子燃料制御式のものではカムシヤフト端部
からシリンダヘツド、ヘツドカバー外方にセンサ
を延出し、カムシヤフトの回転でピストン位置等
を検出するTDCセンサやクランク角センサを駆
動する。

（考案が解決しようとする技術課題） 以上において、気化器仕様のエンジンでは上記
センサの必要がなく、ためにカムシヤフト端部を
支持するエンドジヤーナル部が開放されることと
なり、気化器仕様型ではエンドジヤーナル部に盲
栓を設けて閉塞シールしているが、従来では単純
なキヤツプ状のものを開放部に嵌装しているだけ
のため、カム室内圧で外方に飛び出す、もしくは
内側に入り込む虞れがある。

本考案は以上の技術課題を解決すべくなされた
もので、その目的とする処は、盲栓を強固、確実
にエンドジヤーナル部に閉塞取り付け、抜け出
し、飛び出しのない盲栓構造を提供するにある。

（技術課題を解決するための手段） 以上の技術課題を解決するための手段は、半割
状の２つのホルダを接合してカムシヤフトエンド
部を支持するようにしたカムシヤフト支持構造に
おいて、２つのホルダの外方端にそれぞれ係止部
を設け、該係止部に弾性部材から成る略円筒状の
盲栓の外周に設けた環状溝を係合保持せしめるよ
うにし、該盲栓の円筒内周部に少なくとも環状溝
と対応した部分が中空状をなす補強環を設け、該
補強環の内方開口端の縁部に係止フランジ部を形
成した補強環を設けたことである。

（上記手段による作用） 上記手段によれば、軸方向へのカム室内の圧力
が盲栓に作用しても盲栓はその外周の環状溝と各
ホルダの上下半割係止部で係合保持されるため保
持が強固、確実で、抜け出しや飛び出しは防止さ
れ、また、盲栓が弾性変形できるため、シール性
の向上、締め付け誤差の吸収および動弁室内の圧
力の緩和が図れる。

（実施例） 次に本考案の好適一実施例を添付図面を参照し
つつ詳述する。

第１図はエンジン要部の説明的縦断面図で、エ
ンジン１はシリンダブロツク２、シリンダヘツド
３及び不図示のクランクケース等からなり、シリ
ンダボア内にはピストン４が嵌装され、シリンダ
ヘツド３の燃焼室３０１の天井３０２には吸・排
気弁５が臨み、OHCエンジンを構成する。

シリンダヘツド３上にはバルブ５を駆動するカ
ムシヤフト６が横架され、不図示のタイミングベ
ルト等でクランクシヤフト出力により駆動され、
カムシヤフト６はカム部６０１及びジヤーナル部
６０２を備え、ジヤーナル部は上下のホルダ７，
８により支持される。

カムシヤフト６のエンドジヤーナル部６０３は
シリンダヘツド３の端部の上部に設けた上向半円
状で二つ割状のロアホルダ１０でその下半を支持
し、一方、別体の下向半円状の二つ割状の上半部
をなすアツパホルダ１１でその上半を支持し、ア
ツパホルダ１１を不図示のボルトでロアホルダ１
０側、即ちシリンダヘツド側に結着し、エンドジ
ヤーナル部６０３を抱持する。以上のシリンダヘ
ツド３上はヘツドカバー１２で密閉する如く覆
い、シリンダヘツド３上には密閉されたカム室１
３が形成される。

カムシヤフト６の軸方向外方には電子燃料制御
装置用のセンサ１４が設けられ、これのケーシン
グ１４１の基端部１４２をアツパホルダ１１の延
出部に設けた取付フランジ部１１３にボルト１５
を介して結着し、センサ１４の検出軸１４３をカ
ツプリング１４４を介してホルダ１０，１１内の
空所で結合し、エンジン運転状況の検出を行う。

ところで気化器仕様のエンジンではセンサ１４
は取り付けられない。かかる仕様の場合にはエン
ドジヤーナル部６０３のホルダ１０，１１の外端
は開放されることとなり、オイル漏れ等を防止す
るために盲栓で該開放部を閉塞する。

エンドジヤーナル部６０３を支持する上下のホ
ルダ１０，１１の支持部１０１，１１１の軸方向
外方には夫々対称的に半円状ををなし、接合した
状態で円をなす係止部１０２，１１２を一体に形
成する。実施例では係止部１０２，１１２の内径
を支持部１０１，１１１の内径よりも大きくした
が同径、或いはこれよりも小径でも良い。

第２図は盲栓で、有底キヤツプ状をなす。

盲栓１６は芯材１７と本体１８とからなり、芯
材１７は鋼板のプレス成形品からなつて帽状をな
し、底部１７１、胴部１７２、開放端の外方折曲
フランジ部１７３を備え、本体１８は底部１７１
の外端面に接合されたこれより充分大径の底部１
８１、胴部１７２周を覆う胴部１８２、フランジ
部１７３外側を覆い、これよりも大径のフランジ
部１８３を備え、フランジ部１８３と底部１８１
の外周フランジ部１８４間の胴部で環状溝１８５
を形成し、溝１８５にはリング状の突条１８６…
…が所定ピツチで複数設けられ、かかる本体１８
はゴム等で形成され、芯材１７表面に焼付一体モ
ールド成形等で接合されている。上述のフランジ
部１７３は係止フランジ部に相当して芯材１７が
補強環を構成する。

以上の盲栓１６の溝１８５は係止部１０２，１
１２の軸方向長さに等しく、係止部１０２，１１
２間に溝１８５を臨ませて係止し、これによりフ
ランジ部１８３，１８４が係止部１０２，１１２
の内・外周辺部に当接して軸方向を拘束し、特に
芯材１７のフランジ部１７３がカム室１３内に臨
むこととなり、又本体のフランジ部１８３，１８
４が内・外周辺部に密着し、又突条１８６……が
係止部１０２，１１２内周壁に変形密着してシー
ル効果を高める。かかる盲栓を装着した状態を第
１図の鎖線１６Ａとして示した。

そして、盲栓１６は芯材１７が径方向に弾性変
形するため、ホルダ１０，１１の締め付け誤差を
吸収でき、また、芯材１７の弾性で本体１８をホ
ルダ１０，１１に密着させてシール性を向上で
き、さらに、動弁室の内圧を緩和することもでき
る。

（考案の効果） 以上で明らかな如く本考案によれば、盲栓はホ
ルダ側のジヤーナル支持部外方に設けた円形係止
部にそのリング状溝が係止保持され、従つて盲栓
の保持は強固、確実になされ、カム室内圧が高圧
となつても抜け出したり、飛び出したりすること
がなく、栓機能を確実に保証することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はエンジン要部の縦断面図、第２図は盲栓の拡大
縦断面図である。 尚、図面中６はカムシヤフト、６０３はエンド
ジヤーナル部、１０，１１はこれのホルダ、１０
２，１１２は係止部、１６は盲栓、１８３，１８
４は係止フランジ部（補強環）、１８５は溝であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 半割状の２つのホルダを接合してカムシヤフト
   エンド部を支持するようにしたカムシヤフト支持
   構造において、 前記２つのホルダの外方端にそれぞれ係止部を
   設け、該係止部に弾性部材から成る略円筒状の盲
   栓の外周に設けた環状溝を係合保持せしめるよう
   にし、該盲栓の円筒内周部に少なくとも環状溝と
   対応した部分が中空状をなす補強環を設け、該補
   強環の内方開口端の縁部に係止フランジ部を形成
   したことを特徴とする内燃機関のカムシヤフトエ
   ンドジヤーナルの盲栓構造。