JP2996047B2 - フイルム巻層体の包装方法およびその方法により包装されたフイルム巻層体 - Google Patents

フイルム巻層体の包装方法およびその方法により包装されたフイルム巻層体

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JP2996047B2 JP5086922A JP8692293A JP2996047B2 JP 2996047 B2 JP2996047 B2 JP 2996047B2 JP 5086922 A JP5086922 A JP 5086922A JP 8692293 A JP8692293 A JP 8692293A JP 2996047 B2 JP2996047 B2 JP 2996047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフイルム
を巻芯上にロール状に巻いたフイルム巻層体の包装方法
およびその方法により包装されたフイルム巻層体に関
し、とくに防湿が要求されるフイルム、たとえば蒸着用
フイルムに適用して最適なフイルム巻層体の包装方法お
よびその方法により包装されたフイルム巻層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフイルム巻層体の保
管に際しては、その雰囲気中の水分が製品外観上好まし
くない欠点の原因となり後工程における収率の低下につ
ながることから、プラスチックフイルム巻層体の包装方
法に関する種々の提案が行なわれている。たとえば、特
公昭59−51号公報では、厚物ポリエステルフイルム
およびその加工品について、巻製品の端部を密封包装す
ることにより部分的な平面性悪化の防止が図られてい
る。また、実公昭59−2699号公報では、ポリエス
テルフイルム巻製品の外周面を水蒸気透湿度3g/(m
2 ・24時間)以下の包装材を用いて包装することによ
り、巻製品の周上における突起物の発生を防ぐ提案がな
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の包装方法は内容物の平面性保持や、巻製品
の変形防止といった目的に対しては有効であるものの、
例えば真空条件下の蒸着加工時に問題となるプラスチッ
クフイルム巻製品のブロッキング起因によるフイルム破
断等を防止するには不十分であった。
【0004】とくに、フイルム巻層体を真空中で巻き戻
す工程を有する二次加工等においては、フイルム巻き戻
し時にとくにフイルム巻層体表層部にフイルムのずれが
生じたり、巻き戻し最中にフイルム切れを起こしたりし
て、トラブルを生じることがある。このような現象は、
夏場(高温多湿時)に多発し、巻層間の高温多湿の空気
がこれを助長していると考えられている。
【0005】そこで本発明は、上記のような問題点に着
目し、とくに蒸着用ポリエステルフイルムのフイルム巻
層体が二次加工されるまで、該フイルム巻層体を、望ま
しい防湿状態に保つことができ、二次加工時の上記のよ
うなトラブルの発生を抑制することのできるフイルム巻
層体の包装方法およびその方法により包装されたフイル
ム巻層体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
請求項1に係るフイルム巻層体の包装方法は、蒸着用ポ
リエステルフイルムを巻芯上にロール状に巻いたフイル
ム巻層体の外周面をカバーフイルムで覆うとともに、乾
燥剤をカバーフイルム外面に貼り付け、さらに、水蒸気
透湿度2.0g/(m2 ・24時間)未満のプラスチッ
クフイルムチューブで包装するとともに、該フイルムチ
ューブ端部を結束して前記フイルム巻層体を密封包装す
る方法からなる。そして本発明に係るフイルム巻層体
は、この方法により包装されている。
【0007】また、本発明の請求項3に係るフイルム巻
層体の包装方法は、さらに、フイルム巻層体の両端面に
対向させて防湿板を配設することを特徴とする方法から
なる
【0008】本発明に使用されるプラスチックフイルム
チューブの水蒸気透湿度については、2.0g/(m2
・24時間)以上の場合、蒸着用プラスチックフイルム
巻状物の乾燥状態が保持されず十分な効果が得られな
い。好ましくは1.0g/(m2 ・24時間)未満であ
り、さらに好ましくは0.5g/(m2 ・24時間)未
満である。なお、下限は特に限定しないが、プラスチッ
クフイルムチューブの厚さと実用性を考慮すれば、0.
01g/(m2 ・24時間)以上が好適である。ここ
で、水蒸気透湿度についてはJIS−Z−0208に従
い、40℃、相対湿度90%条件下の測定値とする。
【0009】なお、プラスチックフイルムチューブの材
質は特に限定せず、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ナイロンなどいずれでもよく、これら2種
類以上の材料から構成される複合フイルムでもよい。ま
た、水蒸気透湿度を低減する目的から、プラスチックフ
イルムチューブに金属膜の形成を実施してもよい。金属
の種類は特に限定されるものではなく、アルミニウム、
ニッケル、銅、クロムなどが例示され、各々単独でも、
混合でも、合金でも、積層でもよい。金属膜の形成方法
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などが挙げられ、そのいずれでもよい。ま
た、プラスチックフイルムにアルミニウム、錫、銅等の
金属箔をラミネートしたフイルムを用いてもよい。
【0010】本発明におけるフイルム巻層体、つまり
着用ポリエステルフイルムの巻層体とは、円筒形の巻芯
の円周上へ蒸着されるべきフイルムを所定の幅で巻いた
ものを意味する。ここで蒸着されるべきフイルムの材質
は、本発明では、ポリエステルである。
【0011】蒸着用フイルム巻層体の包装方法について
は、水蒸気透湿度2.0g/(m2・24時間)未満の
プラスチックフイルムチューブを使用すれば、その包装
方法は限定されず、プラスチックフイルム状物の枚数は
1枚でも2枚以上の複数枚でもよい。また、内容物を密
封する方法としては、チューブ端部を結束する方法が用
いられ、この結束方法としては、金属製リングにより結
束する方法、ゴムバンドにより結束する方法などが挙げ
られ、これら単独でもあるいは組み合せでもよい。
【0012】さらに、本発明に係るフイルム巻層体の包
装方法は、蒸着用ポリエステルフイルムを巻芯上にロ
ール状に巻いたフイルム巻層体の外周面をカバーフイル
ムで覆うとともに、上述の如く、フイルム巻層体の両端
面に対向させて防湿板、たとえば円板状乾燥剤を配設し
て、フイルム巻層体を前記巻芯、カバーフイルム、防湿
板、たとえば円板状乾燥剤)で囲み、該フイルム巻層体
をフイルムチューブ内に密封する方法を使用できる。
【0013】このフイルム巻層体の包装方法において
は、フイルム巻層体をフイルムチューブ内に密封するに
際し、該フイルムチューブ内に乾燥剤、例えばシリカゲ
ルを収容することが好ましい。乾燥剤収容位置は、基本
的にはカバーフイルム被覆および防湿板付設フイルム巻
層体とフイルムチューブとの間であれば任意の位置でよ
いが、乾燥剤を、カバーフイルム外面に貼り付けておく
ことにより、設置位置が安定するとともに、複数の吸湿
剤を収容する場合にも、該吸湿剤を適切に(例えば最適
なピッチで)配設できる。また、巻芯が紙管からなる場
合には、紙管内からフイルム巻層体側に透湿するおそれ
があるので、紙管内にも乾燥剤を収容しておくことが好
ましい。
【0014】また、上記円板状乾燥材などからなる防湿
はフイルム巻層体の両端面に対向させて設けられる
が、フイルム巻層体端面を傷つけたり端面巻層を折った
りしないために、防湿板を、フイルム巻層体の端面との
間に隙間を持たせて設けることが望ましい。とくに、巻
芯がフイルム巻層体の両端面から突き出している場合、
該巻芯両端部上に、防湿板を設けることにより、このよ
うな配置を容易に採ることができる。
【0015】また、フイルム巻層体をフイルムチューブ
内に密封するには、フイルムチューブ内を極力低湿度状
態にしておくことが望ましいので、フイルム巻層体をフ
イルムチューブ内に密封する前に、該フイルムチューブ
内から脱気して、フイルムチューブ内の空気量を減らし
ておくことが好ましい。ただし、真空に近い状態まで脱
気する必要はない。また、フイルムチューブの密封をよ
り完全に近い状態で行うために、結束手段(例えば市販
の金属結束具、あるいは、いわゆるシムインシュロック
等)を用いる。
【0016】さらに、カバーフイルム外側からフイルム
巻層体側への透湿をより抑えるためには、該カバーフイ
ルムに防湿性に優れたフイルム、例えば金属蒸着フイル
ムや厚さ100μm以上の厚手のフイルムを使用すれば
よく、外気からフイルムチューブ内への透湿をより抑え
るためには、該フイルムチューブにも、防湿性に優れた
フイルム、例えば金属蒸着フイルム(例えばアルミ蒸着
フイルム)を使用すればよい。
【0017】
【作用】請求項1に係る方法においては、フイルム巻層
体は、カバーフイルムの外面に乾燥剤が貼り付けられ、
極めて低い水蒸気透湿度のプラスチックフイルムチュー
で密封包装されとともに、フイルムチューブ端部が結
束されるので、極低湿度雰囲気下に維持されることにな
り、二次加工における前述の如きトラブルの発生が抑制
される。
【0018】請求項3に係る方法においては、さらにフ
イルム巻層体両端面部に防湿板(たとえば、円板状乾燥
剤)が配設されて、フイルム巻層内への透湿が防止され
るとともに、巻層間からの除湿も可能となり、フイルム
巻層内も極低湿度状態に保たれる。
【0019】このようなフイルム巻層体の包装方法にお
いては、フイルムチューブ内に密封されたフイルム巻層
体のとくに巻層間介在空気が極低湿度状態に保たれる。
すなわち、フイルム巻層体の表層側にはカバーフイルム
が存在するので、基本的に該カバーフイルムによってフ
イルム巻層体表面側からフイルム巻層体内への透湿が防
止され、また、カバーフイルム表面側に乾燥剤を設けて
おくことによりより完全に透湿が防止される。
【0020】また、フイルム巻層体の両端面側には防湿
が存在するので、該防湿板の吸湿性能により、側方か
らフイルム巻層体両端面側への透湿が遮断される。ま
た、もともとフイルム巻層体の巻層間に介在していた空
気中の湿気もこの防湿板に吸湿される。したがって、フ
イルム巻層体の巻層間が高湿になることはなく、極めて
低湿度の状態に維持される。
【0021】その結果、上記のように包装されたフイル
ム巻層体は、開梱されるまで、例えば二次加工に供され
るまで、極めて低湿度の状態に維持され、前述したよう
な二次加工におけるトラブル発生の原因が除去される。
【0022】
【実施例】以下に、本発明のフイルム巻層体の包装方法
およびその方法により包装されたフイルム巻層体の望ま
しい実施例を、図面を参照して説明する。図1ないし図
4は、本発明の一実施例に係る方法によって包装された
フイルム巻層体の望ましい包装形態を示している。図1
および図2において、1は、巻芯2上にロール状に巻か
れた蒸着用ポリエステルフイルムのフイルム巻層体を示
している。本実施例では、巻芯2の長さはフイルム巻層
体1の幅よりも大きく、巻芯2の両端を突き出した状態
でフイルムが巻かれている。
【0023】実施例に係るフイルム巻層体の包装方法
においては、フイルム巻層体1の外周面がカバーフイル
ム3で覆われる。カバーフイルム3は、図3にも示すよ
うに、フイルム巻層体1の外周面に巻かれ、巻き方向両
端部がオーバーラップされてテープ4で止められる。カ
バーフイルム3は、図2にも示すように、フイルム巻層
体1の幅よりも大きい幅を有しており、フイルム巻層体
1に対し、その幅方向両端部側に突き出た状態で巻かれ
ている。カバーフイルム3は、本実施例では125μm
厚程度の厚手のフイルムからなっているが、金属蒸着フ
イルム(例えばアルミ蒸着フイルム)からなっていても
よい。
【0024】このフイルム巻層体1の両端面に対向させ
て、吸湿性材料からなる防湿板5(たとえば、円板状乾
燥剤)が設けられる。防湿板5は、フイルム巻層体1の
両端部から突き出た巻芯2の各端部上に、嵌合により固
定されている。防湿板5は、フイルム巻層体1の両端面
と接触しないように位置されており、フイルム巻層体1
の端面との間に適当な隙間が設けられている。
【0025】防湿板5を構成する材料は、吸湿性材料か
らなるものであれば特に限定されないが、好ましくは、
吸湿性が高く、かつある程度の強度を持ちそれ自身で形
状保持性のあるものがよい。具体的には、例えば、新富
士製紙(株)製のIDシート(二軸配向ポリプロピレン
フイルム間に吸湿剤として塩化カルシウムとパルプを介
在させた、かなり剛性の高いシート)が挙げられる。こ
のような比較的剛性の高い材料で防湿板5を構成するこ
とにより、防湿板5に、後述の防湿性能に加え、フイル
ム巻層体1の端面保護機能を持たせることができる。
【0026】防湿板5が付設された状態では、図2に示
すように、カバーフイルム3の幅方向両端縁と各防湿板
5の内側面が密着して、この間に実質的に隙間がない状
態にすることが好ましい。すなわち、フイルム巻層体1
は、巻芯2と、カバーフイルム3と、各防湿板5とによ
って囲まれる。
【0027】次に、フイルムチューブ6によって上記カ
バーフイルム被覆および防湿板付設フイルム巻層体1を
密封するのであるが、密封するに際し(完全に密封する
前に)、該フイルムチューブ6内に乾燥剤7を収容する
ことが望ましい。乾燥剤7としては、除湿剤として一般
に用いられているシリカゲルや、市販されている他の高
性能乾燥剤(例えば、(株)雪江堂製:OZO)が適用
できる。
【0028】この乾燥剤7は、フイルムチューブ6内
おいて、図示の如くカバーフイルム3上(外面)に貼り
付けられ、それによって、位置を固定でき、かつ、フイ
ルムチューブ6内に均一に配設(例えば望ましい間隔、
望ましいピッチで配設)できる。貼り付け方法は任意の
適当な方法でよい。
【0029】また、図示は省略するが、とくに巻芯3が
紙管からなる場合には、紙管内からフイルム巻層体1側
への透湿を防止するために、該紙管内にも乾燥剤7を収
容しておくことが好ましい。金属製や比較的肉厚のプラ
スチック製の巻芯3の場合には、基本的に巻芯を通して
フイルム巻層体1側への透湿はないので、巻芯3内には
乾燥剤7は不要である。
【0030】図2のようなカバーフイルム被覆および
湿板付設フイルム巻層体1が、図1に示すように、フイ
ルムチューブ6によって密封される。密封は例えば次の
ように行われる。まず、所定長のフイルムチューブ6の
一端側を結束具8で結束し、該フイルムチューブ6内に
上記フイルム巻層体1を収容する。しかる後に、フイル
ムチューブ6の他端側を結束具8で結束し、フイルム巻
層体1をフイルムチューブ6内に密封する。
【0031】好ましくは、密封前に、フイルムチューブ
6内から脱気し、密封されるフイルムチューブ6内の空
気量の絶対量を減らしておく。すなわち、内在する水分
量自体を小さくしておく。
【0032】結束具8としては、とくに限定されず、実
質的に完全密封できるものであればよい。たとえば、市
販の金属結束具や、いわゆるシムインシュロックを適用
できる。
【0033】また、フイルムチューブ6の材質として
は、とくに前述の如き低水蒸気透湿度のプラスチックフ
イルム状物が好ましい。たとえば、金属蒸着フイルム
(例えば両面あるいは片面アルミ蒸着フイルム)が好適
に使用できるが、アルミ箔ラミネートフイルム、あるい
はアルミ箔単体のチューブであってもよい。
【0034】上記のように梱包されたフイルム巻層体1
は、図1に示す状態のまま保管、運搬することも可能で
あるが、保管、運搬上の安定性、取扱性の面から、およ
び、多段積み等を可能とするために、さらに、図4に示
すような側板9およびワッシャ10を用いることが好ま
しい。
【0035】つまり、フイルムチューブ6両端の結束具
8による結束部を巻芯2内に入れ、側方から角板からな
る側板9をフイルムチューブ6を介して巻芯2の端面に
押し当てるとともに、該側板9を通してワッシャ10の
突き出し部を巻芯2内に挿入し、該突き出し部外周で巻
芯2を内面側から支持し、巻芯2を支持したワッシャ1
0を側板9で支持する。保管、運搬時には、側板9が接
地され、あるいは側板9を介して多段積みされる。
【0036】上記のようなフイルム巻層体1の梱包方法
においては、フイルムチューブ6内に密封されたフイル
ム巻層体1は、カバーフイルム3、巻芯2、両防湿板
によって囲まれる。カバーフイルム3は、厚手のフイル
ムや金属蒸着フイルムで構成されるので、カバーフイル
ム3を通しての透湿は抑えられ、カバーフイルム3表面
に乾燥剤7を貼り付けることにより、透過のおそれのあ
る湿気もこの部位で乾燥剤7によって吸湿されるので、
一層完全に透湿が抑えられる。
【0037】また、巻芯2内からは、巻芯2が非透湿性
の材料からなる限り、基本的に透湿はないが、巻芯2が
紙管からなる場合には、巻芯2内にも乾燥剤7を収容し
ておくことにより、巻芯2内からの透湿も実質的に完全
に防止される。
【0038】上記の包装方法において、フイルム巻層体
1の防湿に対する大きな効果は、円板状乾燥剤からなる
防湿板5によっても、得ることができる。即ち、前述し
たような高温多湿時のトラブルは、その大部分がフイル
ム巻層間に介在する空気中の湿気に起因している。多湿
の外気は、フイルム巻層体1の端面から最も侵入しやす
い。防湿板5は、このような多湿の空気がフイルム巻層
体1の端面から侵入することを防止する。防湿板5は吸
湿性材料からなるので、フイルム巻層間に残存していた
湿気を吸湿することは勿論のこと、側方からフイルム巻
層間に侵入しようとする湿気を吸湿する。したがって、
フイルム巻層体1のフイルム巻層間は、極めて低湿度状
態、あるいは実質的に絶乾状態に保たれる。
【0039】なお、防湿板5を構成する吸湿性材料の吸
湿可能量は、当然ながら有限であるが、フイルム巻層体
1全体がフイルムチューブ6内に密封されているので、
フイルムチューブ6内の全水分量はもともと多くない。
したがって、防湿板5を構成する吸湿性材料が飽和状態
に達することはなく、その吸湿性能は長期間安定して維
持される。フイルムチューブ6密封前に脱気しておけ
ば、フイルム巻層体1に対する防湿性能はさらに向上す
る。
【0040】次に本発明より具体的な実施例に基づき説
明する。 実施例1 蒸着用フイルム巻層体として、ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムをプラスチック製巻芯に巻いたものを使用
した。このとき、ポリエチレンテレフタレートフイルム
の幅は500mm、長さは11500m、厚さはJIS
−C−2318に従い測定した結果1.6μmであっ
た。なお、巻芯の幅は570mm、外径162mmであ
り、ポリエチレンテレフタレートフイルムの巻かれてい
ない部分が幅方向の両端に均等に残るようにした。
【0041】一方、プラスチックフイルムチューブは厚
さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムにア
ルミニウムを真空蒸着し、蒸着膜上へポリエチレンを厚
さ30μmとなるよう均一にラミネートした。このよう
にして得られたプラスチックフイルムチューブの水蒸気
透湿度は0.5g/(m2 ・24時間)であった。上記
の構成によるプラスチックフイルムチューブについて、
595mmと1300mmの2種類の長さの辺からなる
長方形に裁断したシート2枚を用意し、互いにラミネー
ト層が接する向きで4つの頂点を重ね、1300mmの
2辺のみを10mmの幅でシールした。これにより、折
り径595mm、長さ1300mmのチューブが得られ
た。
【0042】蒸着用フイルム巻層体と150gのシリカ
ゲル乾燥剤をカバーフイルムの外面に貼り付けて上記チ
ューブの内側に入れ、残る2辺の開放部を束ね金属製リ
ングにより束を固定し、評価用サンプルとした。上記評
価用サンプルを恒温恒湿槽中に40℃・90%RHの条
件で25日間保管した後、評価用サンプルを開封し真空
度1×10-2Paの条件下にて真空蒸着加工を実施し
た。蒸着加工時のフイルム破断の発生率は5.8%と少
なく良好であった。ここにフイルム破断の発生率は、下
記の式により定義する。 発生率(%)=[(フイルム破断回数)/(全試行回数)]×100
【0043】比較例1 プラスチックフイルムチューブとして、厚さ30μmの
ポリエチレン製フイルムからなる折り径600mm、長
さ1300mmのチューブ2枚を重ねて使用した点を除
き実施例1と同条件の試料を恒温恒湿槽中に40℃・9
0%RHの条件で25日間保管した後、同条件で真空蒸
着加工を実施した。なお、ここで使用したポリエチレン
製フイルム2枚の水蒸気透湿度は10.0g/(m2
24時間)であった。結果は、フイルム破断の発生率が
17.5%であった。
【0044】実施例2 蒸着用フイルム巻層体として、ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムをプラスチック製巻芯に巻いたものを使用
した。このとき、ポリエチレンテレフタレートフイルム
の幅は500mm、長さは11500m,厚さはJIS
−C−2318に従い測定した結果1.6μmであっ
た。なお、巻芯の幅は570mm、外径162mmであ
り、ポリエチレンテレフタレートフイルムの巻かれてい
ない部分が幅方向の両端に均等に残るようにした。
【0045】一方、プラスチックフイルムチューブは厚
さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムにア
ルミニウムを真空蒸着し、蒸着膜上へポリエチレンを厚
さ30μmとなるよう均一にラミネートした。このよう
にして得られたプラスチックフイルムチューブの水蒸気
透湿度は0.5g/(m2 ・24時間)であった。上記
の構成によるプラスチックフイルムチューブについて、
595mmと1300mmの2種類の長さの辺からなる
長方形に裁断したシート2枚を用意し、互いにラミネー
ト層が接する向きで4つの頂点を重ね、1300mmの
2辺のみを10mmの幅でシールした。これにより、折
り径595mm、長さ1300mmのチューブが得られ
た。
【0046】図2に示したように、カバーフイルム3で
蒸着用フイルム巻層体を覆い、該蒸着用フイルム巻層体
とその両端部にフイルム巻状物の端面に触れないように
防湿 板としての円板状乾燥剤(新富士製紙(株)製ID
シート乾燥剤)を上記チューブの内側に入れ、カバーフ
イルム3の外面に図1に示したように乾燥剤を貼り付け
るとともに、上記チューブの残る2辺の開放部を束ね金
属製リングにより束を固定し、評価用サンプルとした。
【0047】上記評価用サンプルを恒温恒湿槽中に40
℃・90%RHの条件で25日間保管した後、評価用サ
ンプルを開封し真空度1×10-2Paの条件下にて真空
蒸着加工を実施した。蒸着加工時のフイルム破断の発生
率は0.4%と非常に良好であった。
【0048】以上の各実施例においては、最外層包装材
としてフイルムチューブ(プラスチックフイルム状物)
を用いたが、図2あるいは図4に示した包装形態のフイ
ルム巻層体を、低水蒸気透湿度材料で形成された包装容
器に密封収容することも可能である。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によって、
とくに蒸着加工時のフイルム破断を減少させる蒸着用プ
ラスチックフイルム巻層体およびその包装方法を得るこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る包装方法により包装さ
れたフイルム巻層体の透視斜視図である。
【図2】図1のフイルム巻層体包装形態の部分縦断面図
である。
【図3】図1のフイルム巻層体包装形態の部分側面図で
ある。
【図4】図1のフイルム巻層体包装形態にさらに側板お
よびワッシャを加える場合の部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 フイルム巻層体 2 巻芯 3 カバーフイルム 4 テープ 5 防湿板 6 フイルムチュー 7 吸湿剤(乾燥剤) 8 結束具 9 側板 10 ワッシャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 友加 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ 株式会社 滋賀事業場内 (56)参考文献 実開 昭55−395(JP,U) 実開 昭54−154924(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 81/24 B65D 81/26

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着用ポリエステルフイルムを巻芯上に
    ロール状に巻いたフイルム巻層体の外周面をカバーフイ
    ルムで覆うとともに、乾燥剤をカバーフイルム外面に貼
    り付け、さらに、水蒸気透湿度2.0g/(m2 ・24
    時間)未満のプラスチックフイルムチューブで包装する
    とともに、該フイルムチューブ端部を結束して前記フイ
    ルム巻層体を密封包装することを特徴とするフイルム巻
    層体の包装方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法により包装されたフイル
    ム巻層体。
  3. 【請求項3】 さらに、フイルム巻層体の両端面に対向
    させて防湿板を配設することを特徴とする、請求項1の
    フイルム巻層体の包装方法。
  4. 【請求項4】 乾燥剤を、巻芯内にも収容する請求項1
    または3のフイルム巻層体の包装方法。
  5. 【請求項5】 前記乾燥剤がシリカゲルである請求項
    1、3、4のいずれかに記載のフイルム巻層体の包装方
    法。
  6. 【請求項6】 前記巻芯が、フイルム巻層体の両端面か
    ら突き出しており、該巻芯両端部上に、前記防湿板を、
    フイルム巻層体の端面との間に隙間を持たせて設ける請
    求項3ないし5のいずれかに記載のフイルム巻層体の包
    装方法。
  7. 【請求項7】 前記フイルム巻層体をフイルムチューブ
    内に密封する前に、該フイルムチューブ内から脱気する
    請求項1、3ないし6のいずれかに記載のフイルム巻層
    体の包装方法。
  8. 【請求項8】 前記カバーフイルムが金属蒸着フイルム
    からなる請求項1、3ないし7のいずれかに記載のフイ
    ルム巻層体の包装方法。
  9. 【請求項9】 前記カバーフイルムが、厚さ100μm
    以上の厚手のフイルムからなる請求項1、3ないし8の
    いずれかに記載のフイルム巻層体の包装方法。
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