JPS5843313B2 - フイルム包装体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は巻取紙、コイル等の外周を完全に密着、密閉す
る簡単な構造の包装体に関するものである。

従来紙巻取、コイル等の外周の包装はコイル外周にコイ
ル巾より大きい巾の包装紙を巻きつけ、接着テープ（こ
て固定した後、両側面にあたる部分のひだを１枚づつ人
力で折込みコイル内外周を締着したものがあるが、ひだ
があるため完全な密着及び密閉が不可能で、又ひだを折
込む時の作業が面倒な欠点があった。

このほか紙巻取、コイル等の胴部と鏡面に厚紙等の保護
材を当てコーナーとなる円周に沿って粘着テープを貼っ
て固定する包装体もあるが、粘着テープ部分でひだがで
きるため完全な密着及び密閉が不可能で、又非常に手間
がかへる。

又紙巻取及びコイル等の胴部と鏡面に厚紙等の保護材を
固定した後、シュリンクフィルムからなる袋をかぶせ、
熱によりシュリンクさせる包装体もあるが、保護材を胴
部及び鏡面部（こ接着固定する必要があり、又貸をかぶ
せる手間が大変で、シュリンクのための設備も犬がかり
になる。

本発明の目的は以上の欠点を解決し、完全な密閉及び密
着が行われ、かつ保護材を接着する必要がなく、従来よ
りも遥かに簡単に、しかも安価に得られる包装体を提供
することにある。

以下本発明の具体例を第１図及び第２図について説明す
る。

コイル状内容物１の胴部２及び鏡面部３，３′に保護材
４及び５，５′を当て、伸縮性を有するフィルム６で保
護材４の全面と保護材５，５′の一部を連続して被覆し
て包装する。

この場合鏡面部３゜３′の端部から距離ａだけ伸縮性を
有するフィルム６が被覆している。

内容物１の胴部２及び鏡面部３，３′の保護材４及び５
，５′は本発明ではポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン発泡スチロール等の合成樹脂や、段ボール
、板紙、厚紙等が使用されるが、場合によっては金属板
なども使用可能で、何れも内容物の胴部２及び鏡面部３
，３′の形にあわせて作成し使用される。

後述するようにフィルムの収縮性を利用して保護材５及
び５′を完全に密閉密着するためには距離ａは通常１ｃ
ｒｒＬ以上必要であり、本発明の収縮自在のフィルム６
も包装した場合、この条件を満足することが必要である
。

これに適合するフィルムとしてはポリオレフィンフィル
ム等で、エチレン酢ピ共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチ
レン−エチルアクリル共重合体、エチレン不飽和カルボ
ン酸共重合体のイオン化物等がある。

しかし本発明の伸縮自在のフィルムとして最も良好なの
は第４図に示すように表層７′はスリップ性のある樹脂
フィルムを用い、裏層７は強度、伸縮力及び粘着性のあ
る樹脂フィルムからなる多層フィルム６′であり、この
場合表層の樹脂フィルム７′としては高密度、中密度及
び低密度のポリエチレン、ポリプロピレン等及び之等に
スリップ剤、アンティブロッキング剤を添加したものが
ある。

裏層の樹脂フィルム７としてはエチレン酢ビ共重合体、
エチレン−エチルアクリル共重合体等及び之等に防曇剤
、帯電防止剤を添加したものがあり、この裏層の樹脂フ
ィルムの粘着性は石油系粘着剤等の添加等により強化で
きる。

多層フィルムの製造法としては共押出インフレーション
、共押出キャステング、共押出コーテング等がある。

多層フィルムが本発明で最も優れている理由はコイル状
物体や紙巻取等は多段積みされ、取扱いの際にずらす必
要のある場合が多い。

この時、フィルム同志が密着すると紙巻取等をずらすこ
とができず、無理に動かすとフィルムが破れる。

このような目的に対しては、表層７′としてポリオレフ
ィン系の樹脂等をベースとするスリップ性の改善された
樹脂を用い、裏層７としては伸縮性、強度にすぐれた樹
脂、例えばエチレン酢ビ共重合体を用いる。

このように表層γ′と裏層７で物性の異なったフィルム
を用いることにより、その目的を達成できる。

この時、裏層７に粘着性を与えると各層のフィルムが一
層化し、より好ましいハンドリンク特性を示す。

粘着化する方法としては、各種の粘着剤等の添加等があ
る。

勿論表層フィルム７′と裏層フィルム７の間に何かのフ
ィルムを入れても差支えないＯ 又本発明のフィルムの厚さは１０〜１００μ程度ならば
伸縮性が高ければすべて使用できる。

又本発明ではコーナ一部８．８’、８“、８“′に第３
図のように角当て材９を用いコーナーを補強した後本発
明のフィルムで包装することもできる。

本発明の包装体を作るには例えば第７図のようにコイル
状物体や紙巻取等の内容物１を回転させ、胴部保護剤４
及び鏡面部保護材５，５′を図のように挿入し、本発明
のフィルム６を巻きつけ、ドライブロール１０及び１０
′で回転させ乍ら、フィルム繰り出しロール１１にブレ
ーキをかけることＩこより、フィルムに張力を与え内容
物を巻いていけばよい（一層以上伺層かに巻き、必要な
らば巻き終了部分は接着剤等で封着すればよい）ので包
装作業が極めて簡単である。

勿論内容物は第５図及び第６図のように多角筒のもので
あっても本発明は適用可能である。

本発明は以上説明したように、内容物のコーナ一部の密
着密閉が完全に行われ、又保護材４及び５．５′を接着
させる必要がなくかつ包装作業が簡単なので、包装合理
化に寄与するところが大きく、従って包装原価も削減さ
れる。

更に本発明（こよれば内容部１の胴部２が完全に本発明
のフィルム６で被覆されていて胴部２は完全に耐水性で
あるから、第８図のように多段積み重ねた場合、積み重
ね最上部と最下部のみに耐水性材料を使用すれば中間段
の包装体の鏡面部には厚紙等を用いても防湿性が優れる
。

又本発明の保護材４ 、５ 、５’をすべて合成樹脂で
作成した場合は、構成資材よりして錆等の発生がなく、
勿論錆による内容物１の変質或いは錆の内容物１への付
着がない利点がある。

又本発明で保護材に透視性の合成樹脂を使用すれば、そ
の内容物１をどこからでも識別できる利点がある。

以上のように胴部の保護材４と鏡面部の保護材５．５′
及び本発明のフィルム６の種類を変え種々組合せること
により本発明の特徴を失わすに種々の用途が存在する。

実施例 １ 紙巻取に段ボールシートからなる胴部及び鏡面部の保護
材と底型ボードからなる角あて材を結束したものに表層
は１５μの低密度ポリエチレンで裏層は２５μのエチレ
ン酢ビ共重合体からなる二重フィルムを用いて、胴部保
護材の全面と鏡面部保護材の一部を連続して被覆した。

包装作業は簡単で、コーナ一部の密着、密閉は完全であ
った。

又これを多段に積重ね、最上部と最下部をこの二層フィ
ルムで被覆貯蔵した結果、紙巻取をずらして取出すのが
容易であり、又ずらした場合フィルムは破断せず、更に
防湿性が遥かに優れ、屋外貯蔵も可能であった。

実施例 ２ 紙巻取の胴部と鏡面部を発砲スチロール保護材で被覆し
たものに表層は厚さ１０μの中密度ポリエチレン、裏層
は厚さ２５μのエチレン酢ビ共重合体で、裏層は石油系
粘着剤を加え粘着化した二層フィルムを用いて、胴部保
護材の全部と鏡面部保護材の一部を連続被覆した本発明
の包装体は包装作業が簡単でコーナ一部の密着、密閉は
完全で、防湿性は従来得られない良好な結果を示し包装
合理化に寄与した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図で、第２図は第
１図のＡ−Ａ′面における断面図である。 第３図は本発明の他の実施例を示す断面図、第４図は本
発明の多層フィルムを使用した場合の実施例を示す断面
図、第５図は本発明の他の実施例を示す斜視図、第６図
は第５図のＢ −Ｂ’而における断面図である。 第７図は本発明の包装体を作成するための一実施例であ
り、第８図は本発明の包装体を多段積みした時の斜視図
である。 １・・・・・・内容物、２・・・・・・内容物の胴部、
３・・・・・・内容物の鏡面部、４・・・・・・胴部の
保護材、５．５’・・・・・・鏡面部の保護材、６，６
′・・・・・・本発明のフィルム、８．８’、８“、８
“′・・・・・・内容物のコーナー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内容物１の胴部２及び鏡面部３に少なくとも保護材
   ４及び５を設け、表層を裏層よりも滑り易く構成した伸
   縮性フィルム６又は６′で、フィルムの伸縮性を利用し
   胴部の保護材４の全面と鏡面部の保護材５の一部を連続
   して密着被覆してなるフィルム包装体。 ２ 伸縮性フィルムがポリエチレンの表層とエチレン酢
   ビ共重合体の表層とから成る特許請求の範囲第１項記載
   のフィルム包装体。