JP2985443B2 - 2−(2−クロロ−4−置換メチルフェノキシ)エチルカルバミン酸誘導体、その製造法、その中間体およびそれを有効成分とする有害生物防除剤 - Google Patents

2−(2−クロロ−4−置換メチルフェノキシ)エチルカルバミン酸誘導体、その製造法、その中間体およびそれを有効成分とする有害生物防除剤

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JP2985443B2
JP2985443B2 JP3306164A JP30616491A JP2985443B2 JP 2985443 B2 JP2985443 B2 JP 2985443B2 JP 3306164 A JP3306164 A JP 3306164A JP 30616491 A JP30616491 A JP 30616491A JP 2985443 B2 JP2985443 B2 JP 2985443B2
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晶 首藤
典保 坂本
博 岸田
博明 藤本
公利 梅田
憲忠 松尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な2−(2−クロ
ロ−4−置換メチルフェノキシ)エチルカルバミン酸誘
導体、その製造法、その中間体およびそれを有効成分と
する有害生物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】これまである種のカルバミン酸誘導体が
有害生物防除効果を有することは、たとえば特開昭54−
151929号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の化合物は、有害生物防除剤の有効成分として必ずしも
常に充分なものであるとはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況に鑑み、よりすぐれた有害生物防除効果を有する化合
物を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、下記の一般式
化8で示される2−(2−クロロ−4−置換メチルフェ
ノキシ)エチルカルバミン酸誘導体(以下、本発明化合
物と記す。)が、きわめて高い幼若ホルモン様活性を有
することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発
明は、一般式 化8
【0005】
【化8】
【0006】〔式中、R1 は1−エチルプロピル基また
はイソブトキシ基を表し、R2 はメチル基またはエチル
基を表す。〕で示される2−(2−クロロ−4−置換メ
チルフェノキシ)エチルカルバミン酸誘導体、その製造
法、その中間体およびそれを有効成分とする有害生物防
除剤を提供するものである。
【0007】本発明化合物は、大部分の従来の殺虫剤と
は著しく異なり、昆虫に対してすぐれた幼若ホルモン様
活性を有する。すなわち、成虫への変態の阻害、卵のふ
化の阻害および成虫の不妊化などの作用を示す。この結
果、本発明化合物は、既存の殺虫剤に抵抗性の発達した
害虫類も含めて、種々の害虫、すなわち農林園芸害虫、
貯穀害虫および衛生害虫等に対して、主として、成長調
節剤、不妊化剤、殺卵剤あるいは増殖抑制剤として作用
し、高い防除効果を示す。
【0008】一般式 化8で示される本発明化合物は、
たとえば、以下の方法により製造することができる。
【0009】(製造法A)一般式 化9
【0010】
【化9】
【0011】〔式中、R1 は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアミン系化合物と一般式 化10
【0012】
【化10】
【0013】〔式中、R2 は前記と同じ意味を表し、L
1 はハロゲン原子を表す。〕で示されるカルボン酸系化
合物とを反応させることによって製造することができ
る。製造法Aにおいては、反応は、適当な塩基の存在
下、反応に影響しない溶媒中で行なうのが好ましい。
【0014】使用可能な塩基としては、たとえば炭酸カ
リウム等の炭酸アルカリまたはトリエチルアミン、ピリ
ジン等の有機塩基をあげることができる。また必要に応
じて、反応系にアンモニウム塩(たとえばトリエチルベ
ンジルアンモニウムクロライド等)等の触媒を添加して
もよい。
【0015】使用可能な溶媒としては、たとえばアセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、ヘキ
サン、トルエン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素類、アセトニトリル、ニトロメタンまたはジメチ
ルスルホキシド等をあげることができる。また必要に応
じて、これらの溶媒の混合溶媒や水との混合溶媒も使用
することができる。
【0016】反応温度は、通常、−20℃から反応に使
用する溶媒の沸点の範囲をとることができるが、−5℃
から反応に使用する溶媒の沸点までの温度がより望まし
い。
【0017】原料のモル比は任意に設定できるが、等モ
ルまたはそれに近い比率で反応を行なうのが有利であ
る。
【0018】反応終了後の反応液は、有機溶媒抽出、濃
縮等の通常の後処理を行い、目的の本発明化合物を得る
ことができる。必要ならば、クロマトグラフィー、蒸
留、再結晶等の通常の操作によって精製することもでき
る。
【0019】(製造法B)一般式 化11
【0020】
【化11】
【0021】〔式中、R1 は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるイソシアネート系化合物と一般式 R2 −O
H 〔式中、R2 は前記と同じ意味を表す。〕で示されるア
ルコール系化合物とを反応させることによって製造する
ことができる。製造法Bにおいては、反応は、必要に応
じて、適当な触媒の存在下、反応に影響しない溶媒中で
行なうのが好ましい。
【0022】使用可能な触媒としては、たとえばトリエ
チルアミン、ピリジンもしくは酢酸ナトリウム等の有機
塩基または塩化アルミニウム、塩化水素もしくはボロン
トリフルオライドエーテル錯体(BF3 ・(C2 5
2 O)等の酸をあげることができる。
【0023】使用可能な溶媒としては、たとえばベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリッ
クトリアミド等の極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素類、アセトニトリルまたはニトロメタ
ン等をあげることができる。また必要に応じて、これら
の溶媒の混合溶媒も使用することができる。反応温度
は、通常、−20℃から反応に使用する溶媒の沸点の範
囲をとることができるが、−5℃から反応に使用する溶
媒の沸点までの範囲がより望ましい。
【0024】原料のモル比は任意に設定できるが、等モ
ルまたはそれに近い比率で反応を行なうのが有利であ
る。
【0025】反応終了後の反応液は、有機溶媒抽出、濃
縮等の通常の後処理を行い、目的の本発明化合物を得る
ことができる。必要ならば、クロマトグラフィー、蒸
留、再結晶等の通常の操作によって精製することもでき
る。
【0026】(製造法C)一般式 化12
【0027】
【化12】
【0028】〔式中、R1 は前記と同じ意味を表し、M
1 はアルカリ金属原子または水素原子を表す。〕で示さ
れるフェノール系化合物と一般式 化13
【0029】
【化13】
【0030】〔式中、R2 は前記と同じ意味を表し、L
2 はハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基またはト
ルエンスルホニルオキシ基を表す。〕で示されるカルボ
ン酸系化合物とを反応させることによって製造すること
ができる。製造法Cにおいては、反応は、適当な塩基の
存在下、不活性溶媒中で行なうのが好ましい。ただし、
1 がアルカリ金属原子の場合は、塩基の存在は必ずし
も必要ではない。
【0031】使用可能な溶媒としては、たとえばメタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
第3ブチルアルコール等の低級アルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベン
ゼン、トルエン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミ
ド等の極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素類、アセトニトリル、ニトロメタンまたは水等を
あげることができる。また必要に応じて、これらの溶媒
の混合溶媒も使用することができる。
【0032】使用可能な塩基としては、たとえば苛性カ
リ、苛性ソーダ等の苛性アルカリ、炭酸カリウム等の炭
酸アルカリ、金属ナトリウム等のアルカリ金属、水素化
ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物またはナトリウ
ムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、トリエチル
アミン、ピリジン等の有機塩基等があげられる。また必
要に応じて、反応系にアンモニウム塩(たとえばトリエ
チルベンジルアンモニウムクロライド等)等の触媒を添
加してもよい。
【0033】反応温度としては、−20℃から反応に使
用する溶媒の沸点の範囲をとることができるが、−5℃
から反応に使用する溶媒の沸点までの範囲がより望まし
い。
【0034】反応に供する原料および塩基のモル比は任
意に設定できるが、等モルまたはそれに近い比率で反応
を行なうのが有利である。
【0035】反応終了後の反応液は、有機溶媒抽出、濃
縮等の通常の後処理を行い、目的の本発明化合物を得る
ことができる。必要ならば、クロマトグラフィー、蒸
留、再結晶等の通常の操作によって精製することもでき
る。
【0036】本発明化合物の原料となる一般式 化10
で示されるカルボン酸系化合物、一般式 R2 −OH 〔式中、R2 は前記と同じ意味を表す。〕で示されるア
ルコール系化合物および一般式 化13で示されるカル
ボン酸系化合物は市販されているものを用いるか、また
は市販される化合物から、たとえば、J. Prakt. Chem.,
21, 124(1880) 等に記載される公知技術およびそれに準
じた通常の方法により調整することができる。本発明化
合物の原料となる一般式 化9で示されるアミン系化合
物、一般式化11で示されるイソシアネート系化合物お
よび一般式 化12で示されるフェノール系化合物は、
たとえば、以下に示される通常の方法(反応式 化14
および反応式 化15)等により製造することができ
る。
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】〔式中、R1 は前記と同じ意味を表し、M
1 ′はアルカリ金属原子を表す。〕また、一般式 化1
【0040】
【化16】
【0041】〔式中、R1 は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるフェノール系化合物〔一般式 化12で示さ
れるフェノール系化合物のうち、M1 が水素原子を表す
場合に相当〕は、たとえば、以下に示される通常の方法
等により製造することができる。一般式 化17
【0042】
【化17】
【0043】〔式中、R1 は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるフェノール誘導体から溶媒の存在下、塩素化
剤を反応させることにより、一般式化16で示されるフ
ェノール誘導体を合成することができる。
【0044】上記反応において塩素化剤としては、塩
素、次亜塩素酸t−ブチルまたは塩化スルフリル等を用
いることができる。また、必要に応じて溶媒を使用する
ことができ、使用し得る溶媒としては、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、四塩化炭素、ベンゼン、酢酸等が
挙げられる。ここで用いる溶媒は塩素化剤の種類に応じ
て使い分けることは言うまでもない。反応温度として
は、−78℃から反応に使用する溶媒または塩素化剤
(塩化スルフリル等)の沸点の範囲をとることができる
が、−20℃から反応に使用する溶媒または塩素化剤
(塩化スルフリルなど)の沸点までの範囲が望ましい。
反応に供する原料および塩素化剤のモル比は任意に設定
できるが、等モルまたはそれに近い比率で反応を行なう
のが有利である。
【0045】反応終了後の反応液は、有機溶媒抽出、濃
縮等の通常の後処理を行い、目的の化合物を得ることが
できる。
【0046】必要ならば、クロマトグラフィー、蒸留、
再結晶等の通常の操作によって精製することもできる。
【0047】また、一般式 化17で示されるフェノー
ル誘導体は、市販されているものを用いるか、または市
販される化合物から公知の方法により製造することがで
きる。
【0048】本発明化合物が効果を発揮する害虫類とし
ては、たとえば下記のものがあげられる。
【0049】半翅目害虫 トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ等のウ
ンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバ
イ、クロスジツマグロヨコバイ、イナズマヨコバイ、チ
ャノミドリヒメヨコバイ、フタテンヒメヨコバイ等のヨ
コバイ類、ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ等のア
ブラムシ類、カメムシ類、タバココナジラミ、オンシツ
コナジラミ等のコナジラミ類、カイガラムシ類、グンバ
イムシ類、キジラミ類等
【0050】鱗翅目害虫 ニカメイガ(ニカメイチュウ)、コブノメイガ、ノシメ
コクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨ
トウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ
類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、
ハモグリガ類、ホソガ類、キバガ類、ドクガ類、ウワバ
類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫
Agrothis spp.)、ヘリオティス属害虫 (Heliothis sp
p.) 、コナガ、イガ、コイガ等
【0051】双翅目害虫 アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイ
シマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ
等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバ
エ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエ
バエ、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、タマバ
エ類、ミバエ類、ミギワバエ類、ショウジョウバエ類、
チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類等
【0052】鞘翅目害虫 ウェスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワ
ーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒ
メコネガ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾ
ウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメ
ノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマ
シ類、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シ
バンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属
Epilachna spp.) 、ヒラタキイムシ類、ナガシンクイ
ムシ類、カミキリムシ類等
【0053】網翅目害虫 チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、ト
ビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
【0054】総翅目害虫 ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ハ
ナアザミウマ等
【0055】膜翅目害虫 アリ類、カブラハバチ等のハバチ類等
【0056】直翅目害虫 ケラ、バッタ等
【0057】隠翅目害虫 ヒトノミ等
【0058】シラミ目害虫 ヒトジラミ、ケジラミ等
【0059】等翅目害虫 ヤマトシロアリ、イエシロアリ等等に効果を発揮する。
さらにその中でも、半翅目害虫の防除により適し、特に
稲作物を加害するウンカ類およびヨコバイ類に対しては
特に卓効を示し、すぐれた防除効果を発揮する。
【0060】他の殺虫剤および/または殺ダニ剤を添加
することにより、本発明化合物の害虫防除は、より多種
の害虫類およびより多様な使用場面への実用的適用が可
能となる。適する添加剤としては、例えばフェニトロチ
オン〔O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−ニト
ロフェニル)ホスホロチオエート〕、フェンチオン
〔O,O−ジメチル O−〔3−メチル−4−(メチル
チオ)フェニル〕ホスホロチオエート〕、ダイアジノン
〔O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチ
ルピリミジン−4−イルホスホロチオエート〕、クロル
ピリホス〔O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリク
ロロ−2−ピリジルホスホロチオエート〕、アセフェー
ト〔O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエー
ト〕、メチダチオン〔S−2,3−ジヒドロ−5−メト
キシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−
イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエー
ト〕、エチルチオメトン〔O,O−ジエチル S−2−
エチルチオエチルホスホロジチオエート〕、DDVP
〔2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート〕、ス
ルプロホス〔O−エチル O−4−(メチルチオ)フェ
ニル S−プロピルホスホロジチオエート〕、シアノホ
ス〔O−4−シアノフェニル O,O−ジメチルホスホ
ロチオエート〕、サリチオン〔2−メトキシ−4H−
1,3,2−ベンゾジオキサホスフィニン−2−スルフ
ィド〕、ジメトエート〔O,O−ジメチル−S−(N−
メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート〕、フ
ェントエート〔エチル2−ジメトキシホスフィノチオイ
ルチオ(フェニル)アセテート〕、マラチオン〔ジエチ
ル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネー
ト〕、トリクロルホン〔ジメチル 2,2,2−トリク
ロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート〕、アジンホ
スメチル〔S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,
2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチル O,O−
ジメチルホスホロジチオエート〕、モノクロトホス〔ジ
メチル(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイ
ル)ビニルホスフェート〕等の有機リン系化合物、
【0061】BPMC(2−sec −ブチルフェニルメチ
ルカルバメート〕、ベンフラカルブ〔エチル N−
〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−
7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N
−イソプロピル−β−アラニネート〕、プロポキスル
〔2−イソプロポキシフェニル N−メチルカルバメー
ト〕、カルボスルファン〔2,3−ジヒドロ−2,2−
ジメチル−7−ベンゾ〔b〕フラニル N−ジブチルア
ミノチオ−N−メチルカーバメート〕、カルバリル〔1
−ナフチル−N−メチルカルバメート〕、メソミル〔S
−メチル−N−〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオ
アセトイミデート〕、エチオフェンカルブ〔2−(エチ
ルチオメチル)フェニルメチルカーバメート〕、アルジ
カルブ〔2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンア
ルデヒド O−メチルカルバモイルオキシ〕、オキサミ
ル〔N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシ
イミノ−2−(メチルチオ)アセタミド〕等のカーバメ
ート系化合物、
【0062】エトフェンプロックス〔2−(4−エトキ
シフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベ
ンジルエーテル〕、フェンバレレート〔(RS)−α−
シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2−(4−
クロロフェニル)−3−メチルブチレート〕、エスフェ
ンバレレート〔(S)−α−シアノ−3−フェノキシベ
ンジル(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチ
ルブチレート〕、フェンプロパトリン〔(RS)−α−
シアノ−3−フェノキシベンジル2,2,3,3−テト
ラメチルシクロプロパンカルボキシレート〕、シペルメ
トリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジ
ル(1RS,3RS)−(1RS,3RS)−3−
(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート〕、ペルメトリン〔3−フェ
ノキシベンジル(1RS,3RS)−(1RS,3R
S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−メチ
ルシクロプロパンカルボキシレート〕、シハロトリン
〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(Z)−(1RS,3RS)−3−(2−クロロ−3,
3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキシレート〕、デルタメトリン
〔(S)−α−シアノ−m−フェノキシベンジル(1
R,3R)−3(2,2−ジブロモビニル)−2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキシレート〕、シクロプロト
リン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェ
ニル)シクロプロパンカルボキシレート〕等のピレスロ
イド化合物、
【0063】ブプロフェジン(2−tert−ブチルイミノ
−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−トリ
アジアジナン−4−オン〕等のチアジアジン誘導体、イ
ミダクロプリド〔1−(6−クロロ−3−ピリジルメチ
ル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミ
ン〕等のニトロイミダゾリジン誘導体、カルタップ
〔S,S′−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス
(チオカーバメート)〕、チオシクラム〔N,N−ジメ
チル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン〕、ベ
ンスルタップ〔S,S′−2−ジメチルアミノトリメチ
レン ジ(ベンゼンチオサルフォネート)〕等のネライ
ストキシン誘導体、エンドスルファン〔6,7,8,
9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,
9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3
−ベンゾジオキサチエピンオキサイド〕、γ−BHC
〔1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサ
ン〕等の塩素化炭化水素化合物、クロルフルアブロン
〔1−(3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−ト
リフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニ
ル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレ
ア〕、テフルベンズロン〔1−(3,5−ジクロロ−
2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフル
オロベンゾイル)ウレア〕、フルフェノクスロン〔1−
〔4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキ
シ)−2−フルオロフェニル〕−3−(2,6−ジフル
オロベンゾイル)ウレア〕等のベンゾイルフェニルウレ
ア系化合物、アミトラズ〔N,N′〔(メチルイミノ)
ジメチリジン〕ジ−2,4−キシリジン〕、クロルジメ
ホルム〔N′−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−
N,N−ジメチルメタニミダミド〕等のホルムアミジン
誘導体等が挙げられる。
【0064】本発明化合物を有害生物防除剤の有効成分
として用いる場合は、本の何らの成分も加えず、そのま
ま使用してもよいが、通常は、固体担体、液体担体、ガ
ス状担体、餌等と混合し、必要あれば界面活性剤、その
他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、水
中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粒剤、粉剤、
エアゾール、自己燃焼型燻煙剤・化学反応型燻煙剤・多
孔セラミック板燻煙剤等の加熱燻煙剤、ULV剤、毒餌
等に製剤して使用する。
【0065】これらの製剤には、有効成分として本発明
化合物を、通常、重量比で0.001 %〜95%含有する。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、たとえば粘
土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベ
ントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク
類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石
英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、
化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉
末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、た
とえば水、アルコール類(メタノール、エタノール
等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、
芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素
類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エス
テル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(ア
セトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類
(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド
類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメ
タン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルス
ルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられ、
ガス状担体、すなわち噴霧剤としては、たとえばフロン
ガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチル
エーテル、炭酸ガス等があげられる。
【0066】界面活性剤としては、たとえばアルキル硫
酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリー
ルスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類およびそ
のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエ
ーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘
導体等があげられる。
【0067】固着剤や分散剤等の製剤用補助剤として
は、たとえばカゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん
粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸
等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶
性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸類等)等があげられ、安定剤として
は、たとえばPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BH
T(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノ
ールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの
混合物)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸または
そのエステル等があげられる。
【0068】自己燃焼型燻煙剤の基材としては、たとえ
ば硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、
ニトロセルロース、エチルセルロース、木粉などの燃焼
発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロ
ム酸塩、クロム酸塩などの熱分解刺激剤、硝酸カリウム
などの酸素供給剤、メラミン、小麦デンプンなどの支燃
剤、硅藻土などの増量剤、合成糊料などの結合剤等があ
げられる。化学反応型燻煙剤の基材としては、たとえば
アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水塩、
酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性
白土などの触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンス
ルホニルヒドラジン、ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発砲剤、天
然繊維片、合成繊維片等の充填剤等があげられる。
【0069】毒餌の基材としては、たとえば穀物粉、植
物精油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒド
ロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸
化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の
誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料等の誘引性香料
等があげられる。
【0070】フロアブル剤(水中懸濁剤または水中乳濁
剤)の製剤は、一般に1〜75%の化合物を0.5〜15
%の分散剤、0.1〜10%の懸濁助剤(たとえば、保護
コロイドやチクソトロピー性を付与する化合物)、0〜
1.0%の適当な補助剤(たとえば、消泡剤、防錆剤、安
定化剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防菌剤、防燻
剤等)を含む水中で微小に分散させることによって得ら
れる。水の代わりに化合物がほとんど溶解しない油を用
いて油中懸濁剤とすることも可能である。保護コロイン
ドとしては、たとえばゼラチン、カゼイン、ガム類、セ
ルロースエーテル、ポリビニルアルコール等が用いられ
る。チクソトロピー性を付与する化合物としては、たと
えばベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケー
ト、キサンタンガム、ポリアクリル酸等があげられる。
【0071】このようにして得られる製剤は、そのまま
であるいは水等で希釈して用いる。また、他の殺虫剤、
殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節
剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等と混合し
て、または混合せずに同時に用いることもできる。
【0072】本発明化合物を農業用有害生物防除剤とし
て用いる場合、その施用量は、通常、10アールあた
り、0.001gから500gであり、好ましくは0.1
gから500gである。乳剤、水和剤、フロアブル剤等
を水で希釈して用いる場合は、その施用濃度は通常、0.
0001ppm 〜1000ppm であり、粒剤、粉剤等は何ら希釈す
ることなく製剤のままで施用する。また、防疫用有害生
物防除剤として用いる場合には、乳剤、水和剤、フロア
ブル剤等は、通常水で0.0001ppm 〜10000ppmに希釈して
施用し、油剤、エアゾール、燻煙剤、ULV剤、毒餌等
についてはそのまま施用する。
【0073】これらの施用量、施用濃度は、いずれも製
剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種
類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲にか
かわることなく増加させたり、減少させたりすることが
できる。
【0074】
【実施例】以下、本発明を製造例、製剤例および試験例
により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。まず、本発明化合物の
製造例を示す。
【0075】製造例1 (製造法A)による化合物
(1)の製造 2−〔2−クロロ−4−(2−エチルブチル)フェノキ
シ〕エチルアミン0.50gおよびクロロギ酸エチル0.2
1gをアセトン20mlに溶かした溶液に、炭酸カリウム
0.27gを加え、攪拌しながら24時間加熱還流した。
反応液を濃縮後、残渣を水50mlに投入し、酢酸エチル
100mlで2回抽出した。酢酸エチルの溶液を乾燥・濃
縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2
−〔2−クロロ−4−(2−エチルブチル)フェノキ
シ〕エチルカルバミン酸エチルエステル0.39gを得
た。なお、化合物番号を(1)とする。収 率:61%
24.8 D 1.5122
【0076】製造例2 (製造法A)による化合物
(2)の製造 2−(2−クロロ−4−イソブトキシメチルフェノキ
シ)エチルアミン 0.40gおよびクロロギ酸エチル0. 1
7gをアセトン20mlに溶かした溶液に、炭酸カリウム
0.22gを加え、攪拌しながら24時間加熱還流した。
反応液を濃縮後、残渣を水50mlに投入し、酢酸エチル
100mlで2回抽出した。酢酸エチルの溶液を乾燥・濃
縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2
−(2−クロロ−4−イソブトキシメチルフェノキシ)
エチルカルバミン酸エチルエステル0.34gを得た。な
お、化合物番号を(2)とする。 収 率:67% n24.8 D 1.5089
【0077】製造例3 (製造法B)による本発明化合
物(3)の製造 2−〔2−クロロ−4−(2−エチルブチル)フェノキ
シ〕エチルイソシアネート0.60gおよびピリジン数滴
をメタノール10mlに溶かし、反応液を加熱し、還流さ
せた。1時間後、反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーに付し、2−〔2−クロロ−4−(2
−エチルブチル)フェノキシ〕エチルカルバミン酸メチ
ルエステル0.35gを得た。なお、化合物番号を(3)
とする。 収 率:53% n23.5 D 1.5127
【0078】製造例4 (製造法C)による本発明化合
物(4)の製造 2−クロロ−4−イソブトキシメチルフェノール0.30
gおよびN,N−ジメチルホルムアミド20mlを反応容
器に入れ、攪拌下、2−クロロエチルカルバミン酸メチ
ルエステル0.20gおよび炭酸カリウム0.41gを加
え、50℃で7時間加熱した。反応液を氷水100gに
投入し、酢酸エチルで100mlで2回抽出した。酢酸エ
チル溶液を乾燥・濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーに付し、2−(2−クロロ−4−イソブトキシ
メチルフェノキシ)エチルカルバミン酸メチルエステル
0.51gを得た。なお、化合物番号を(4)とする。 収 率:33% n23.9 D 1.5092
【0079】次に中間体製造例を示す。 中間体製造例 中間体化合物(5)の製造 2−クロロ−4−(2−エチルブチル)フェノール2.
00g、クロロアセトニトリル0.71g、ジメチルホルムア
ミド150mlおよび炭酸カリウム1.56gを反応容器に入
れ、攪拌する。油浴にて内温70〜80℃で5時間攪拌
した後、室温まで反応液を冷却する。反応液を水中に投
じ、酢酸エチル100mlで2回抽出後、酢酸エチル溶液
を水200mlで2回洗浄する。該酢酸エチル溶液を硫酸
マグネシウムで乾燥した後、濾過して、濃縮することに
よって、2−クロロ−4−(2−エチルブチル)フェノ
キシ〕アセトニトリルを粗生成物として得る。この粗生
成物2.00gおよびテトラヒドロフラン200mlを反応容
器に入れ、0℃に冷却する。攪拌下、内温を0〜5℃に
保ちながら、ボランテトラヒドロフラン錯体(1.0MT
HF溶液)120mlをゆっくり滴下する。滴下終了後、
室温まで上昇し、一夜攪拌する。反応液を水300mlに
投じ、テトラヒドロフランを減圧下で除去した後、該反
応生成物を塩析下、酢酸エチル100mlで3回抽出し、
さらに5%塩酸水溶液、水および10%苛性ソーダ水溶
液それぞれ200mlで洗浄する。該酢酸エチル溶液を硫
酸マグネシウムで乾燥した後、濾過して、濃縮すること
によって、2−クロロ−4−(2−エチルブチル)フェ
ノキシ〕エチルアミンを得る。なお、化合物番号を
(5)とする。
【0080】中間体製造例 中間体化合物(6)の製造 2−クロロ−4−イソブトキシメチルフェノール3.00
g、クロロアセトニトリル1.05g、ジメチルホルムアミ
ド150mlおよび炭酸カリウム2.32gを反応容器に入
れ、攪拌する。油浴にて内温70〜80℃で5時間攪拌
した後、室温まで反応液を冷却する。反応液を水中に投
じ、酢酸エチル100mlで2回抽出後、酢酸エチル溶液
を水200mlで2回洗浄する。該酢酸エチル溶液を硫酸
マグネシウムで乾燥した後、濾過して、濃縮することに
よって、2−クロロ−4−イソブトキシメチルフェノキ
シ〕アセトニトリルを粗生成物として得る。この粗生成
物3.00gおよびテトラヒドロフラン200mlを反応容器
に入れ、0℃に冷却する。攪拌下、内温を0〜5℃に保
ちながら、ボランテトラヒドロフラン錯体(1.0MTH
F溶液)177mlをゆっくり滴下する。滴下終了後、室
温まで上昇し、一夜攪拌する。反応液を水300mlに投
じ、テトラヒドロフランを減圧下で除去した後、該反応
生成物を塩析下、酢酸エチル100mlで3回抽出し、さ
らに5%塩酸水溶液、水および10%苛性ソーダ水溶液
それぞれ200mlで洗浄する。該酢酸エチル溶液を硫酸
マグネシウムで乾燥した後、濾過して、濃縮することに
よって、2−クロロ−4−イソブトキシメチルフェノキ
シ〕エチルアミンを得る。なお、化合物番号を(6)と
する。
【0081】次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表
し、本発明化合物は、前記と同じ化合物番号で表す。
【0082】製剤例1 乳剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々10部を、キシレン
35部およびジメチルホルムアミド35部に溶解し、こ
れにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14
部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を
加え、よく攪拌混合して各々の10%乳剤を得る。
【0083】製剤例2 水和剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々20部を、ラウリル
硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2
部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪素土54部
を混合した中に加え、ジュースミキサーで攪拌混合して
20%水和剤を得る。
【0084】製剤例3 粒剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々5部にドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部お
よびクレー60部を加え、充分攪拌混合する。次いで、
これらの混合物に適量の水を加え、さらに攪拌し、造粒
機で製粒し、通風乾燥して5%粒剤を得る。
【0085】製剤例4 粉剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々0.3部、合成含水酸
化珪素微粉末1部、凝集剤として商品名 ドリレスB
(三共社製)1部、クレー7.7部を乳鉢でよく混合した
後に、ジュースミキサーで攪拌混合する。得られた混合
物にカットクレー90部を加えて、袋混合し、各々の粉
剤を得る。
【0086】製剤例5 粉剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々0.3部、有機リン系
化合物としてフェニトロチオン2部、合成含水酸化珪素
微粉末3部、凝集剤として商品名 ドリレスB(三共社
製)1部、クレー3.7部を乳鉢でよく混合した後に、ジ
ュースミキサーで攪拌混合する。得られた混合物にカッ
トクレー90部を加え、袋混合し、各々の粉剤を得る。
【0087】製剤例6 粉剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々0.3部、カーバメー
ト系化合物としてBPMC(O−sec −ブチルフェニル
N−メチルカーバメート)2部、合成含水酸化珪素微
粉末3部、凝集剤として商品名 ドリレスB(三共社
製)1部、クレー3.7部を乳鉢でよく混合した後に、ジ
ュースミキサーで攪拌混合する。得られた混合物にカッ
トクレー90部を加え、袋混合し、各々の粉剤を得る。
【0088】製剤例7 粉剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々1部を適当量のアセ
トンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、P
AP0.3部およびクレ−93.7部を加え、ジュースミキ
サーで攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%
粉剤を得る。
【0089】製剤例8 フロアブル剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々10部を、ポリビニ
ルアルコール6部を含む水溶液40部中に加え、ミキサ
ーで攪拌し、分散剤を得る。この中に、キサンタンガム
0.05部およびアルミニウムマグネシウムシリケート0.1
部を含む水溶液40部を加え、さらに、プロピレングリ
コール10部を加えて穏やかに攪拌混合して各々の10
%水中乳濁剤を得る。
【0090】製剤例9 油剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々0.1部をキシレン5
部およびトリクロロエタン5部に溶解し、これを脱臭灯
油89.9部に混合して0.1%油剤を得る。
【0091】製剤例10 油性エアゾール 本発明化合物(1)〜(4)の各々0.1部、テトラメス
リン0.2部、d−フェノスリン0.1部、トリクロロエタ
ン10部および脱臭灯油59.6部を混合溶解し、エアゾー
ル容器に充填し、バルブ部分を取り付けた後、該バルブ
部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)30部を加圧充填
して油性エアゾールを得る。
【0092】製剤例11 水性エアゾール 本発明化合物(1)〜(4)の各々0.2部、d−アレス
リン0.2部、d−フェノスリン0.2部、キシレン5部、
脱臭灯油3.4部および乳化剤{アトモス300(アトラ
スケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したもの
と、純粋50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部
分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油
ガス)40部を加圧充填して水性エアゾールを得る。
【0093】製剤例12 加熱燻煙剤 本発明化合物(1)〜(4)の各々100mgを適量のア
セトンに溶解し、4.0cmX4.0cm、厚さ1.2cmの多孔セ
ラミック板に含浸させて加熱燻煙剤を得る。
【0094】次に本発明化合物が、有害生物防除剤の有
効成分として有用であることを試験例により示す。な
お、本発明化合物は前記と同じ化合物番号で示し、比較
対照に用いた化合物は表1に記載の化合物番号で示す。
【0095】
【表1】
【0096】試験例1 トビイロウンカ幼虫に対する変
態阻害作用 製剤例1に準じて得られた供試化合物の乳剤を、水で所
定濃度に希釈して、ポリエチレンカップ植えのイネ苗
に、20ml/2ポットの割合で散布した。風乾後、ポッ
トあたりトビイロウンカ3令幼虫を10頭放飼し、10
日後に羽化阻害率を求めた。その結果、本発明化合物
(1) 、 (2) 、(3) 、 (4) は供試濃度5ppmお
よび50ppbで各々100%羽化を阻害した。一方、
対照化合物(A)は供試濃度5ppmで58%しか羽化
を阻害せず、供試濃度50ppbにおいてはほとんど薬
剤の効果は認められなかった。
【0097】試験例2 トビイロウンカに対する増殖抑
制作用 製剤例1に準じて得られた供試化合物の乳剤を、水で所
定濃度に希釈して、ポリエチレンカップ植えのイネ苗
に、20ml/2ポットの割合で散布した。風乾後、ポッ
トあたりトビイロウンカ成虫を5雄5雌放虫し、3日間
産卵させた。2週間後に、次世代の生存若虫数を調査
し、増殖抑制率を求めた。その結果、本発明化合物
(1) 、 (2) 、 (3) 、 (4) は供試濃度20ppm
で100%羽化を阻害した。一方、対照化合物(A)は
供試濃度20ppmで38%しか羽化を阻害しなかっ
た。
【0098】試験例3 トビイロウンカに対する増殖抑
制作用 製剤例1に準じて得られた供試化合物の乳剤を、水で所
定濃度に希釈して、鉢(1/5000a)植えのイネ苗(丈
約20cm)に、40ml/2ポットの割合で散布した。風
乾後、ポットを金網ゲ−ジで覆い、ポットあたりトビイ
ロウンカ成虫を10雄10雌放虫し、温室内に放置し
た。約3週間後に、次世代の生存若虫数を調査し、増殖
抑制率を求めた。その結果、本発明化合物(1) 、
(2) 、 (3)、 (4) は供試濃度100ppmで100
%羽化を阻害した。
【0099】
【発明の効果】本発明化合物は、半翅目害虫、鱗翅目害
虫、双翅目害虫、鞘翅目害虫、網翅目害虫、総翅目害
虫、直翅目害虫、膜翅目害虫、隠翅目害虫、シラミ目害
虫、等翅目害虫等に対し、優れた防除効力を有し、有害
生物防除剤として種々の用途に供し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 269/06 C07C 269/06 (72)発明者 藤本 博明 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 梅田 公利 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 松尾 憲忠 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 化1 【化1】 〔式中、R1は1−エチルプロピル基またはイソブトキ
    シ基を表し、R2はメチル基またはエチル基を表す。〕
    で示される2−(2−クロロ−4−置換メチルフェノキ
    シ)エチルカルバミン酸誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 化2 【化2】 〔式中、R1は1−エチルプロピル基またはイソブトキ
    シ基を表す。〕で示されるアミン系化合物と一般式 化
    3 【化3】 〔式中、R2はメチル基またはエチル基を表し、L1はハ
    ロゲン原子を表す。〕で示されるカルボン酸系化合物と
    を反応させることを特徴とする請求項1記載の2−(2
    −クロロ−4−置換メチルフェノキシ)エチルカルバミ
    ン酸誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式 化4 【化4】 〔式中、R1は1−エチルプロピル基またはイソブトキ
    シ基を表す。〕で示されるイソシアネート系化合物と一
    般式 R2−OH 〔式中、R2はメチル基またはエチル基を表す。〕で示
    されるアルコール系化合物とを反応させることを特徴と
    する請求項1記載の2−(2−クロロ−4−置換メチル
    フェノキシ)エチルカルバミン酸誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】一般式 化5 【化5】 〔式中、R1は1−エチルプロピル基またはイソブトキ
    シ基を表し、M1はアルカリ金属原子または水素原子を
    表す。〕で示されるフェノール系化合物と一般式 化6 【化6】 〔式中、R2はメチル基またはエチル基を表し、L2はハ
    ロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基またはトルエン
    スルホニルオキシ基を表す。〕で示されるカルボン酸系
    化合物とを反応させることを特徴とする請求項1記載の
    2−(2−クロロ−4−置換メチルフェノキシ)エチル
    カルバミン酸誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】一般式 化7 【化7】 〔式中、R1は1−エチルプロピル基またはイソブトキ
    シ基を表す。〕で示されるアミン系化合物。
  6. 【請求項6】請求項1記載の2−(2−クロロ−4−置
    換メチルフェノキシ)エチルカルバミン酸誘導体を有効
    成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤。
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