JP3721595B2 - エーテル化合物、その用途およびその製造中間体 - Google Patents

エーテル化合物、その用途およびその製造中間体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の目的】
本発明はエーテル化合物、その用途およびその製造中間体に関する。
【発明の構成】
本発明者らは、すぐれた有害生物防除効果を有する化合物を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、下記の一般式 化6で示されるエーテル化合物が、優れた有害生物防除効果を有することを見出し、本発明に至った。
【0002】
即ち、本発明は、一般式 化6
【化6】
Figure 0003721595
〔式中、R1 はハロゲン原子を表わす。
Aは、下記式Q−1〜Q−11で示される基のいずれかを表わす。
-CH (R2 )- (CH2 ) m -CH (R3 ) -N(R4 )-C (=Y) -X-R5 (Q−1)
-CH (R2 )- (CH2 ) m -CH (R3 ) -X-C (=Y)-N (R5 ) R6 (Q−2)
-CH (R2 )- (CH2 ) m -CH (R3 ) -W-C (=Y) -cyclo-C3 H5 (Q−3)
-CH (R2 )- (CH2 ) m -CH (R3 ) -CH (R7 ) -O-R8 (Q−4)
-CH (R2 )- (CH2 ) m -CH (R3 ) -CH2 -B (Q−5)
【化7】
Figure 0003721595
2 、R3 、R4 およびR7 は独立して水素原子またはメチル基を表わし、R5 およびR8 は独立して、炭素数1〜4のアルキル基(ハロゲン原子もしくはメトキシ基で置換されてもよい)、炭素数3〜4のアルケニル基(ハロゲン原子で置換されてもよい)または炭素数3〜4のアルキニル基(ハロゲン原子で置換されてもよい)を表わし、R6 はR5 で表わされる基または水素原子を表わし、R9 はハロゲン原子を表わすか、または炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基を表わし、R10およびR11は独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のアルケニル基を表わし、Bは一般式 化8
【化8】
Figure 0003721595
で示される基を表わす。
Eは一般式 化9
【化9】
Figure 0003721595
で示される基を表わし、R12はハロゲン原子を表わすか、またはハロゲン原子で置換されてもよいメチル基を表わす。
XおよびYは独立して酸素原子または硫黄原子を表わし、Wは酸素原子、硫黄原子またはNHを表わし、l、mおよびnは独立して0〜2の整数を表わす。〕で示されるエーテル化合物(以下、本発明化合物と記す。)およびそれを有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤を提供する。
【0003】
本発明は、さらに、本発明化合物の製造中間体として有用な、一般式 化10
【化10】
Figure 0003721595
〔式中、Eは前記と同じ意味を表わす。〕
で示されるフェノール化合物をも提供する。
【0004】
本発明化合物は、特に昆虫に対してすぐれた幼若ホルモン様活性、すなわち、成虫への変態の阻害、卵のふ化の阻害および成虫の不妊化などの作用を示す。この結果、本発明化合物は、既存の殺虫剤に抵抗性の発達した害虫類も含めて、種々の害虫、すなわち農林園芸害虫、貯穀害虫および衛生害虫等に対して、主として、成長調節剤、不妊化剤、殺卵剤あるいは増殖抑制剤として作用し、高い防除効果を示す。
【0005】
本発明化合物において、
1 、R9 およびR12で表わされるハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、
5 、R6 およびR8 で表わされる炭素数1〜4のアルキル基(ハロゲン原子もしくはメトキシ基で置換されてもよい)とは、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基等であり、
5 、R6 およびR8 で表わされる炭素数3〜4のアルケニル基(ハロゲン原子で置換されてもよい)とは、たとえばアリル基、2−メチルアリル基、2−ブテニル基、1−メチルアリル基、2−クロロアリル基、3,3−ジクロロアリル基等であり、
5 、R6 およびR8 で表わされる炭素数3〜4のアルキニル基(ハロゲン原子で置換されてもよい)とは、たとえばプロパルギル基、2−ブチニル基、4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニル基等であり、
9 で表わされる炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基とは、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等であり、
10およびR11で表わされる炭素数1〜4のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、2−メチルエチル基、ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基または1,1−ジメチルエチル基であり、
10およびR11で表わされる炭素数3〜4のアルケニル基とは、アリル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基または1−メチルアリル基であり、
12で表わされるハロゲン原子で置換されてもよいメチル基とは、たとえばメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等である。
本発明化合物において、CH2 −Eの置換位置は、A−Oに対し、p位またはm位が好ましく、p位が特に好ましい。
また、本発明化合物において、Eは式〔a〕
Figure 0003721595
〔式中、R12およびnは前記と同じ意味を表わす。〕
で示される基が好ましく、その中でもnが0が好ましい。Aは、Q−1、Q−2、Q−3、Q−5およびQ−10が好ましく、その中でも、R2 、R3 およびR4 が各々水素原子が好ましく、mは0が好ましい。Aとして特に好ましいものとして、Q−1があげられる。Bは上記式〔a〕で示される基が好ましい。
本発明化合物において、不斉炭素原子が存在する場合があるが、本発明には生物活性を有する光学活性なそれぞれの異性体((+)−体、(−)−体)およびそれらのあらゆる比率の混合物が含まれる。
【0006】
本発明化合物は、たとえば以下の方法により製造することができる。
一般式 化11
【化11】
Figure 0003721595
〔式中、R1 、Eおよびlは前記と同じ意味を表わす。〕
で示されるフェノール誘導体と、一般式 化12
【化12】
A−L
〔式中、Aは前記と同じ意味を表わし、Lはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)メシルオキシ基またはトシルオキシ基を表わす。〕
で示される化合物とを塩基の存在下に反応させることにより製造する方法。
本反応は通常、不活性有機溶媒中で行なう。使用し得る溶媒は、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の極性溶媒類、水等あるいはそれらの混合物であり、反応をより円滑に進めるために、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の相間移動触媒を添加することもできる。
使用し得る塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド類、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基等である。
反応は通常0℃〜 200℃または使用する溶媒の沸点の範囲で行なわれ、好ましくは 20 ℃〜 120℃の範囲で行われる。反応時間は通常1〜50時間である。
反応に供する試剤の量は、一般式 化11で示されるフェノール誘導体1モルに対し、一般式 化12で示される化合物および塩基は各々通常、1〜10モル、好ましくは1〜2モルの割合である。
反応終了後の反応液は、必要に応じ塩化アンモニウム水溶液等を加えて中和した後、有機溶媒抽出、濃縮等の通常の後処理を行うことにより、本発明化合物を単離することができる。必要に応じ、シリカゲルクロマトグラフィーや再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0007】
本発明化合物は以下に示す反応スキーム化13、化14、化15または化16に従って製造することもできる。
【化13】
Figure 0003721595
【0008】
【化14】
Figure 0003721595
【0009】
【化15】
Figure 0003721595
【0010】
【化16】
Figure 0003721595
〔上記式 化13、化14、化15および化16において、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、X、Y、lおよびmは前記と同じ意味を表わし、Q1 、Q2 、Q3 、Q4 、Q5 、はハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を表わし、Tはアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)の四級アンモニウム塩またはNH2 (R5 )R6 を表わす。〕
【0011】
次に、本発明化合物の例を表1〜表14に示す。
【表1】
一般式
Figure 0003721595
Figure 0003721595
【0012】
【表2】
Figure 0003721595
【0013】
【表3】
Figure 0003721595
【0014】
【表4】
Figure 0003721595
【0015】
【表5】
Figure 0003721595
【0016】
【表6】
Figure 0003721595
【0017】
【表7】
Figure 0003721595
【0018】
【表8】
Figure 0003721595
【0019】
【表9】
Figure 0003721595
【0020】
【表10】
Figure 0003721595
【0021】
【表11】
(表10の続き)
Figure 0003721595
【0022】
【表12】
(表11の続き)
Figure 0003721595
【0023】
【表13】
(表12の続き)
Figure 0003721595
【0024】
【表14】
(表13の続き)
Figure 0003721595
【0025】
一般式 化11で示されるフェノール誘導体(一般式 化10で示されるフェノール化合物を含む)は、たとえば以下の方法により製造することができる。
一般式 化17
【化17】
Figure 0003721595
〔式中、R1 、Eおよびlは前記と同じ意味を表わし、R13は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチル基等)またはフェニル基を表わす。〕
で示されるフェノールエステル誘導体を塩基性条件下に加水分解する方法。
使用し得る塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩等があげられる。
本反応は通常溶媒中で行い、使用し得る溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、水等、及びそれらの混合物があげられる。
反応は通常0℃〜 200℃または使用する溶媒の沸点の範囲で行なわれ、好ましくは20℃〜 120℃の範囲で行われる。反応時間は通常1〜50時間である。
用いられる試剤の量は、一般式 化17で示されるフェノールエステル誘導体1モルに対し、塩基は任意のモル数を使用できるが、好ましくは1〜2モルの割合である。
【0026】
一般式 化17で示されるフェノールエステル誘導体は、たとえば以下の方法により製造することができる。
一般式 化18
【化18】
Figure 0003721595
〔式中、R1 、R13、lおよびLは前記と同じ意味を表わす。〕
で示されるフェノールエステル化合物を、一般式 化19
【化19】
E−H
〔式中、Eは前記と同じ意味を表わす。〕
で示される化合物とを塩基の存在下に反応させる方法。
本反応は通常、不活性有機溶媒中で行なう。使用し得る溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の極性溶媒類等、あるいはそれらの混合物があげられる。
使用し得る塩基としては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸化物、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド(例えばメトキシド、エトキシドのようなC1 〜C4 アルコキシド等)類、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基等があげられる。
反応は通常0℃〜 200℃または使用する溶媒の沸点の範囲で行なわれ、好ましくは20℃〜 120℃の範囲で行われる。反応時間は通常1〜50時間である。
反応に供する試剤の量は、一般式 化18で示されるフェノールエステル化合物1モルに対し、一般式 化19で示される化合物および塩基は各々通常、1〜10モル、好ましくは1〜2モルの割合である。
【0027】
次に、一般式 化10で示されるフェノール化合物の例を表15に示す。
【表15】
一般式 化10で示される化合物〔但し、E1 、E2 およびE3 は表1に記載のものと同じ意味を表わし、(R12n の置換位置のナンバリングは表1に記載のものと同じ意味を表わす。〕
Figure 0003721595
【0028】
本発明化合物が効果を発揮する有害生物としては、たとえば下記のものがあげられる。
半翅目害虫
トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ、クロスジツマグロヨコバイ、イナズマヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ、フタテンヒメヨコバイ等のヨコバイ類、ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ等のアブラムシ類、カメムシ類、タバココナジラミ、オンシツコナジラミ等のコナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鱗翅目害虫
ニカメイガ(ニカメイチョウ)、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ホソガ類、キバガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ類のアグロティス属害虫(Agrothis spp.)、ヘリオティス属害虫 (Heliothis spp.) 、コナガ、イガ、コイガ等
双翅目害虫
アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オカイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、タマバエ類、ミバエ類、ミギワバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類等
鞘翅目害虫
ウェスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコネガ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属 (Epilac hna spp.) 、ヒラタキイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類等
網翅目害虫
チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
総翅目害虫
ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
膜翅目害虫
アリ類、カブラハバチ等のハバチ類等
直翅目害虫
ケラ、バッタ等
隠翅目害虫
ヒトノミ等
シラミ目害虫
ヒトジラミ、ケジラミ等
等翅目害虫
ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
等の害虫類。
ハダニ類
ニセナミハダニ、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等
マダニ類
オウシマダニ等
室内違性ダニ類
コナダニ類、チリダニ類、ツメダニ類、イエダニ類等
等の有害ダニ類
【0029】
本発明化合物に他の殺虫剤および/または殺ダニ剤を添加することにより、本発明化合物による害虫防除は、より多種の害虫類およびより多様な使用場面への実用的適用が可能となる。
適する添加剤としては、例えばフェニトロチオン〔O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート〕、フェンチオン〔O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル〕ホスホロチオエート〕、ダイアジノン〔O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート〕、クロルピリホス〔O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート〕、アセフェート〔O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート〕、メチダチオン〔S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート〕、エチルチオメトン〔O,O−ジエチル S−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート〕、DDVP〔2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート〕、スルプロホス〔O−エチル O−4−(メチルチオ)フェニル S−プロピルホスホロジチオエート〕、シアノホス〔O−4−シアノフェニル O,O−ジメチルホスホロチオエート〕、サリチオン〔2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスフィニン−2−スルフィド〕、ジメトエート〔O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート〕、フェントエート〔エチル 2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート〕、マラチオン〔ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート〕、トリクロルホン〔ジメチル 2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート〕、アジンホスメチル〔S−3,4−ジヒドロ−4−オキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート〕、モノクロトホス〔ジメチル(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニルホスフェート〕等の有機リン系化合物、
【0030】
BPMC(2−sec −ブチルフェニルメチルカルバメート〕、ベンフラカルブ〔エチル N−〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N−イソプロピル−β−アラニネート〕、プロポキスル〔2−イソプロポキシフェニル N−メチルカルバメート〕、カルボスルファン〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ〔b〕フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート〕、カルバリル〔1−ナフチル−N−メチルカーバメート〕、メソミル〔S−メチル−N−〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミデート〕、エチオフェンカルブ〔2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート〕、アルジカルブ〔2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシ〕、オキサミル〔N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセタミド〕等のカーバメート系化合物、
【0031】
エトフェンプロックス〔2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル〕、フェンバレレート〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート〕、エスファンバレレート〔(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート〕、フェンプロパトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート〕、シペルメトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS)−(1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート〕、ペルメトリン〔3−フェノキシベンジル(1RS,3RS)−(1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−メチルシクロプロパンカルボキシレート〕、シハロトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1RS,3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート〕、デルタメトリン〔(S)−α−シアノ−m−フェノキシベンジル(1R,3R)−3(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート〕、シクロプロトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート〕等のピレスロイド化合物、
【0032】
ブプロフェジン(2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−トリアジアジナン−4−オン)等のチアジアジン誘導体、イミダクロプリド(1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン〕等のニトロイミダゾリジン誘導体、カルタップ(S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)〕、チオシクラム〔N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン〕、ベンスルタップ〔S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレン ジ(ベンゼンチオサルフォネート)〕等のネライストキシン誘導体、エンドスルファン〔6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド〕、γ−BHC〔1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン〕等の塩素化炭化水素化合物、クロルフルアズロン〔1−(3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア〕、テフルベンズロン〔1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア〕、フルフェノクスロン〔1−〔4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア〕等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、アミトラズ〔N,N’〔(メチルイミノ)ジメチリジン〕ジ−2,4−キシリジン〕、クロルジメホルム〔N’−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルメタニミダミド〕等のホルムアミジン誘導体等があげられる。
【0033】
本発明化合物を有害生物防除剤の有効成分として用いる場合は、他の何らの成分も加えず、そのまま使用してもよいが、通常は、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌等と混合し、必要あれば界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粒剤、粉剤、エアゾール、自己燃焼型燻煙剤・化学反応型燻煙剤・多孔セラミック板燻煙剤等の加熱燻煙剤、ULV剤、毒餌等に製剤して使用する。
これらの製剤には、有効成分として本発明化合物を、通常、重量比で 0.001%〜95%含有する。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、たとえば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、たとえば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられ、ガス状担体、すなわち噴霧剤としては、たとえばフロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、たとえばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類およびそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があげられる。
固着剤や分散剤等の製剤用補助剤としては、たとえばカゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)等があげられ、安定剤としては、たとえばPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸またはそのエステル等があげられる。
【0034】
自己燃焼型燻煙剤の基剤としては、たとえば硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルローズ、エチルセルローズ、木粉などの燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩などの熱分解刺激剤、硝酸カリウムなどの酸素供給剤、メラミン、小麦デンプンなどの支燃剤、珪藻土などの増量剤、合成糊料などの結合剤等があげられる。
化学反応型燻煙剤の基材としては、たとえばアルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水塩、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土などの触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジン、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、天然繊維片、合成繊維片等の充填剤等があげられる。
毒餌の基材としては、たとえば穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止材、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料等の誘引性香料等があげられる。
フロアブル剤(水中懸濁剤または水中乳濁剤)の製剤は、一般に1〜75%の化合物を0.5〜15%の分散剤、0.1〜10%の懸濁助剤(たとえば、保護コロイドやチクソトロピー性を付与する化合物)、0〜1.0%の適当な補助剤(たとえば、消泡剤、防錆剤、安定化剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防菌剤、防燻剤等)を含む水中で微小に分散させることによって得られる。水の代わりに化合物がほとんど溶解しない油を用いて油中懸濁剤とすることも可能である。保護コロインドとしては、たとえばゼラチン、カゼイン、ガム類、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール等が用いられる。チクソトロピー性を付与する化合物としては、たとえばベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケート、キサンタンガム、ポリアクリル酸等があげられる。
【0035】
このようにして得られる製剤は、そのままであるいは水等で希釈して用いる。また、他の殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等と混合して、または混合せずに同時に用いることもできる。
本発明化合物を農業用有害生物防除剤として用いる場合、その施用量は、10アールあたり、通常、0.001gから 500gであり、好ましくは0.1gから 500gである。乳剤、水和剤、フロアブル剤等を水で希釈して用いる場合は、その施用濃度は通常、0.0001ppm 〜1000ppm であり、粒剤、粉剤等は何ら希釈することなく製剤のままで施用する。また、防疫用有害生物防除剤として用いる場合には、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は、通常水で0.0001ppm 〜10000ppmに希釈して施用し、油剤、エアゾール、燻煙剤、ULV剤、毒餌等についてはそのまま施用する。
これらの施用量、施用濃度は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫等の有害生物の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲にかかわることなく増加させたり、減少させたりすることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を製造例、製剤例および試験例等により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1
4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール〔これは以下のようにして得た:ピラゾール(351mg) 、4−アセトキシベンジルブロミド(1g)、無水炭酸カリウム(1.30g)及び無水、N,N−ジメチルホルムアミド(30ml) の混合物を撹拌下 100℃で3時間加熱した。次いで、反応混合物を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液 200mlに注加し、酢酸エチル50mlで2回抽出した、有機層を合せ、飽和食塩水50mlで洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をエタノール (20ml) に溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液1.03mlを加え、室温にて一夜撹拌した。次いで、反応混合物に水10mlを加え、減圧下に濃縮して、大部分のエタノールを除き、得られた残渣を氷冷した酢酸 310mgと水 100mlの混合物中へ投入し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合せ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。〕を無水N,N−ジメチルホルムアミド(20ml) に溶解し、2−クロロエチルカルバシン酸メチルエステル(710mg)及び炭酸カリウム (1.43g)を加え、60℃で6時間加熱撹拌した。反応液を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液 100mlに投入し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合せ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルカルバミン酸メチルエステル(化合物3)128 mgを得た。
収率 10%(4−アセトキシベンジルブロミドから)
【0037】
製造例2
炭酸カリウム 435mg、2−クロロ−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェノール 300mgおよび無水N,N−ジメチルホルムアミド30mlの混合物中へ、2−クロロエチルカルバミン酸メチルエステル 216mgの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液2mlを撹拌下室温にて滴下した。滴下終了後、該混合物を60℃で6時間加熱撹拌したのち、氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−〔2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルカルバミン酸メチルエステル(化合物7) 329mgを得た。
収率74%
【0038】
製造例3
4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール〔これは製造例1の〔〕内に記載の方法と同一の方法で得た。〕を無水N,N−ジメチルホルムアミド(20ml) に溶解し、2−クロロエチルカルバシン酸エチルエステル(782mg)及び炭酸カリウム (1.43g)を加え、60℃で6時間加熱撹拌した。反応液を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液 100mlに注加し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合せ、飽和食塩水で洗浄後,無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルカルバミン酸エチルエステル(化合物1) 149mgを得た。
収率 11%(4−アセトキシベンジルブロミドから)
【0039】
製造例4
2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール〔これは以下のようにして得た:ピラゾール(275mg) 、4−アセトキシ−3−クロロベンジルブロミド(1g)、無水炭酸カリウム(1.11g)及び無水、N,N−ジメチルホルムアミド(30ml) の混合物を撹拌下 100℃で3時間加熱した。次いで、反応混合物を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液 200mlに注加し、酢酸エチル50mlで2回抽出した、有機層を合せ、飽和食塩水50mlで洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をエタノール (20ml) に溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液0.97mlを加え、室温にて一夜撹拌した。次いで、反応混合物に水10mlを加え、減圧下に濃縮して、大部分のエタノールを除き、得られた残渣を氷冷した酢酸 291mgと水 100mlの混合物中へ注加し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合せ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。〕を無水N,N−ジメチルホルムアミド(20ml) に溶解し、2−クロロエチルカルバシン酸エチルエステル(613mg)及び炭酸カリウム (1.23g)を加え、60℃で6時間加熱撹拌した。反応液を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液 100mlに注加し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合せ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−〔2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルカルバミン酸エチルエステル(化合物2) 189mgを得た。
収率 14%(4−アセトキシ−3−クロロベンジルブロミドから)
【0040】
製造例5
炭酸カリウム 298mg、2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール 300mgおよび無水N,N−ジメチルホルムアミド 200mlの混合物中へ、4−クロロベンジルクロリド 232mgの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液2mlを撹拌下室温にて滴下した。滴下終了後、同温にて12時間撹拌したのち、氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−クロロ−1−(4−クロロベンジルオキシ)−4−(1−ピラゾリル)メチルベンゼン(化合物4) 454mgを得た。
収率95%
【0041】
製造例6
炭酸カリウム 387mg、2−クロロ−4−(2−ピリドン−1−イル)メチルフェノール 300mgおよび無水N,N−ジメチルホルムアミド 200mlの混合物中へ、2−クロロエチルカルバミン酸エチルエステル 212mgの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液2mlを撹拌下室温にて滴下した。滴下終了後、60℃で6時間加熱撹拌したのち、氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−〔2−クロロ−4−(2−ピリドン−1−イル)メチルフェノキシ〕エチルカルバミン酸エチルエステル(化合物34) 303mgを得た。
収率68%
【0042】
製造例7
炭酸カリウム 211mg、4−(5−クロロ−2−ピリドン−1−イル)メチルフェノール 300mgおよび無水N,N−ジメチルホルムアミド20mlの混合物中へ、2−クロロ−5−(クロロメチル)ピリジン 206mgの無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液2mlを撹拌下室温にて滴下した。滴下終了後、同温にて12時間撹拌したのち、氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、1−{(2−クロロピリジン−5−イル)メチルオキシ}−4−{(5−クロロ−2−ビリドン−1−イル)メチル}ベンゼン(化合物29) 397mgを得た。
収率87%
【0043】
製造例8
無水N,N−ジメチルホルムアミド5mlと水素化ナトリウム(60%オイルディスパージョン)62mgの混合物中に、ピラゾール 100mgを添加し、30分間撹拌した。次に、3−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロピルブロミド(後記参考製造例1にて製造) 434mgの無水N,N−ジメチルホルムアミド5ml溶液を滴下した。滴下終了後、室温下に5時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル50mlで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、無色油状の1−{3−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロピル}ピラゾール(化合物31) 340mgを得た。
収率82%
【0044】
製造例9
2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルアミン(後記参考製造例2にて製造) 300mg、トリエチルアミン 210mgおよび無水トルエン20mlの混合物中へ、シクロプロパンカルボニルクロリド 159mgの無水トルエン溶液2mlを氷冷下撹拌しつつ滴下した。滴下終了後、該混合物を0〜10℃にて1時間撹拌したのち、氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、N−{2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチル}シクロプロパンカルボキサシド(化合物14) 100mgを得た。
収率25%
製造例10
2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エタノール(後記参考製造例3にて製造)500mg 、トリエチルアミン 255mgおよび乾燥トルエン20mlの混合物中へ、エチルイソシアネート 179mgの無水トルエン溶液1mlを滴下した。滴下終了後、該混合物を室温にて一昼夜攪拌したのち、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、エチルカルバミン酸2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルエステル(化合物37)87mgを得た。
収率13%
製造例11
4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール〔これは製造例1の〔 〕内に記載と同様の方法で得た。〕2g、グリシドール 936mg、乾燥キシレン10ml及び触媒量のテトラメチルアンモニウムクロリドの混合物を60℃で6時間加熱攪拌した。反応液をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−ヒドロキシ−3−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロパノール 941mgを得た。
この2−ヒドロキシ−3−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロパノール 941mg、プロピオンアルデヒド 308mg、乾燥トルエン20ml及び触媒量のp−トルエンスルホン酸の混合物を攪拌下に4時間加熱還流した。反応液を氷冷した5%炭酸水素ナトリウム水溶液 100mlに注加し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合せ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン(化合物38)723mg を得た。
収率66%(2−ヒドロキシ−3−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロパノールから)
【0045】
次に、本発明化合物の例のいくつかを化合物番号および物性値と共に表16〜表19に示す。(一般式 化6で示される化合物の各置換基の定義で示す。)
【表16】
一般式 化6で示される化合物。
Figure 0003721595
【0046】
【表17】
(表16の続き)
Figure 0003721595
【0047】
【表18】
(表17の続き)
Figure 0003721595
【表19】
(表18の続き)
Figure 0003721595
【0048】
次に、一般式 化10で示される中間体の製造例を示す。
中間体の製造例1
2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノールの製造
(1) 2−クロロ−4−メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエートの製造2−クロロ−4−メチルフェノール(100g)、トリエチルアミン (92.3g)および無水テトラヒドロフラン(1リットル)の混合物中に、撹拌下、ピバリン酸クロリド(93.0g)を5−10℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間撹拌後、反応混合物を氷水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。得られたジエチルエーテル抽出溶液を3%塩酸水、次いで水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた油状物を減圧蒸留することにより、無色透明液状の2−クロロ−4−メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(155.3g)を得た。
収率97.7%
b.p. 113−8℃/5mmHg;nD 21.8 1.4949
(2) 4−ブロモメチル−2−クロロフェニル 2,2−ジメチルプロパノエートの製造
2−クロロ−4−メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート (50.0g)、無水炭酸ナトリウム(23.8g)および四塩化炭素(500ml)の混合物に、極微量のベンゾイルパーオキシドを加え、臭素 (35.2g)を60℃で3時間かけて撹拌下滴下した。反応の進行(臭素の赤色が消失する)を見ながら、適宜、極微量のベンゾイルパーオキシドを加え、反応が完全に終了するまで撹拌を続けた。
反応終了後、混合物を10℃まで冷却し、吸引ろ過により不溶分を除去した後、減圧下に濃縮し、淡黄色固体状の4−ブロモメチル 2−クロロフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(68.7g)を得た。みかけ収率 101.7%。これをヘキサンとトルエンの混合溶媒から再結晶することにより、白色結晶を得た。
m.p.63.3℃
(3) 2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエートの製造
ピラゾール(15.3g)、水素化ナトリウム(60%、8.99g)および無水N,N−ジメチルホルムアミド(200ml) の混合物を窒素雰囲気下、60−70℃で2時間撹拌し、水素の発生が止まった後、10℃に冷却した。次いで混合物中に撹拌下、4−ブロモメチル−2−クロロフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(68g)の無水、N,N−ジメチルホルムアミド (300ml)溶液を室温下、1時間で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間撹拌し、冷却後、氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル抽出溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、目的とする2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(39.5g)を無色油状物として得た。
収率60%
D 21.81.5461
(4) 2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノールの製造
2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(20.0g)、20%水酸化ナトリウム水溶液(50ml) およびエタノール (300ml)の混合物を5時間加熱還流した後、減圧下に濃縮し、水を加えた後、濃塩酸によりpH6.0に調整した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、目的とする白色結晶状の2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール(11.5g)を得た。
収率80.7%
m.p.152.9 ℃
【0049】
中間体の製造例2
2−クロロ−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェノールの製造
(1) 2−クロロ−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェニル2,2−ジメチルプロパノエートの製造
2H−1,2,3−トリアゾール(2.26g)、水素化ナトリウム(60%、1.31g)および無水N,N−ジメチルホルムアミド(100ml)の混合物を窒素雰囲気下、60−70℃で2時間撹拌し、水素の発生が止まった後、10℃に冷却する。次いで、混合物中に撹拌下、4−ブロモメチル−2−クロロフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(10g)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)溶液を室温下、1時間で滴下する。滴下終了後、80℃で1時間撹拌し、冷却後、氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。得られた酢酸エチル抽出溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮する。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、目的とする2−クロロ−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエートを得る。
(2) 2−クロロ−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェノールの製造
2−クロロ−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェニル
2,2−ジメチルプロパノエート(3g)、20%水酸化ナトリウム水溶液(10ml) およびエタノール(60ml) の混合物を5時間加熱還流した後、減圧下に濃縮し、水を加えた後、濃塩酸によりpH6.0に調整する。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、目的とする2−クロロ−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリルメチル)フェノールを得る。
同様な方法により、4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール、4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェノール、2−メチル−4−(2−2H−1,2,3−トリアゾリル)メチルフェノール、2−メチル−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノールを得ることができる。
【0050】
中間体の製造例3
(1) 2−クロロ−4−(2−ピリドン−1−イル)メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエートの製造
2−ピリドン(3.11g)、水素化ナトリウム(60%、1.31g)および無水N,N−ジメチルホルムアミド(100ml)の混合物を窒素雰囲気下、60−70℃で2時間撹拌し水素の発生が止まった後、10℃に冷却した。次いで、混合物中に撹拌下、4−ブロモメチル−2−クロロフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(10g)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)溶液を室温下、1時間で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間撹拌し、冷却後氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル抽出溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、目的とする2−クロロ−4−(2−ピリドン−1−イル)メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(7.60g)を白色結晶として得た。
収率73%
m.p. 145.2℃
(2) 2−クロロ−4−(2−ピリドン−1−イル)メチルフェノールの製造
2−クロロ−4−(2−ピリドン−1−イル)メチルフェニル 2,2−ジメチルプロパノエート(7.6g)、20%水酸化ナトリウム水溶液(19ml) およびエタノール (200ml)の混合物を5時間加熱還流した後、減圧下に濃縮し、水を加えた後、濃塩酸によりpH6.0に調整した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、目的とする白色結晶状の2−クロロ−4−(2−ピリドン−1−イル)メチルフェノール(3.98g)を得た。
収率71%
m.p.193.5 ℃
【0051】
次に、前記製造例8および9に使用する原料化合物の製造例を各々参考製造例1および2に示す。
参考製造例1
4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール5g、1,3−ジブロモプロパン
11.59 gおよび水50mlの混合物中へ、水酸化ナトリウム1.38gを水10mlに溶解した水溶液を加熱還流下撹拌しつつ30分かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌下に加熱還流したのち、室温まで冷却し、ジエチルエーテル 300mlを加えた。有機層を、5N水酸化ナトリウム水溶液および水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、3−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロピルブロミド(4.76g)を白色結晶として得た。
収率56%
m.p.42〜47℃
【0052】
参考製造例2
(1) 4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール15g、1,2−ジブロモエタン32.35 gおよび水 150mlの混合物中へ、水酸化ナトリウム4.13gを水30mlに溶解した水溶液を加熱還流下撹拌しつつ30分かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌下に加熱還流したのち、室温まで冷却し、ジエチルエーテル 300mlを加えた。有機層を、5N水酸化ナトリウム水溶液、水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルブロミド(11.44g)を白色結晶として得た。
収率47%
m.p.63〜65℃
(2) 2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルブロミド5.0g、フタルイミドカリウム3.95gおよび乾燥ジメチルスルホキシド50mlの混合物を撹拌しつつ60℃で15時間加熱した。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。結晶性残渣を酢酸エチルトルエンおよびエタノールの混合溶媒から再結晶し、N−{2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチル}フタルイミド(3.0g)を白色結晶として得た。
収率49%
m.p. 142〜145 ℃
(3) N−{2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチル}フタルイミド2.79g、抱水ヒドラジン0.47gおよびメタノール30mlの混合物を撹拌下に1時間加熱還流した。反応液を減圧下に濃縮して大部分のメタノールに除いたのち、塩化メチレン 200mlを加えた。有機層を2N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、目的とする2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エチルアミン(1.69g)を無色油状物として得た。
収率97%
D 23.81.5686
次に、前記製造例10に使用する原料化合物の製造例を示す。
参考製造例3
2−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エタノールの製造
4−(1−ピラゾリル)メチルフェノール60g、クロロ酢酸エチル54.9g、炭酸カリウム95.1g及び無水ジメチルホルムアミド 500mlの混合物を50℃で5時間加熱攪拌した後、室温まで冷却した。反応液を水1lに注加し、酢酸エチル 200mlで2度抽出した。有機層を合わせて、水、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、油状の粗4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ酢酸エチルを得た。
水素化リチウムアルミニウム38gを無水テトラヒドロフラン 500mlに懸濁した液中へ、攪拌下、−78℃で、上記粗4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ酢酸エチルの無水テトラヒドロフラン 100ml溶液を30分かけて滴下した。同温で1時間攪拌後、−20℃でさらに2時間攪拌した。反応液を再び−78℃に冷却し、水38ml、15%水酸化ナトリウム水溶液38mlおよび水 114mlを順次同温にて滴下し、さらにトルエン 500ml、テトラヒドロフラン 500mlおよび無水硫酸ナトリウム 200gを順次加え、室温にて2時間攪拌した後、反応液をセライトを介してろ過し、ろ液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、白色結晶の2−〔4−(ピラゾリル)メチルフェノキシ〕エタノール64.5gを得た。
収率 86%(4−(1−ピラゾリル)メチルフェノールから)
m.p. 56〜58℃
【0053】
次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表し、本発明化合物は表16〜表18に記載の化合物番号で表す。
製剤例1 乳剤
本発明化合物 (1)〜(39)の各々10部を、キシレン35部およびジメチルホルムアミド35部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、よく撹拌混合して各々の10%乳剤を得る。
製剤例2 水和剤
本発明化合物 (1)〜(39)の各々20部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土54部を混合した中に加え、ジュースミキサーで撹拌混合して各々の20%水和剤を得る。
製剤例3 粒剤
本発明化合物 (1)〜(39)の各々5部に、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部およびクレー55部を加え充分撹拌混合する。ついで、これらの混合物に適当量の水を加え、さらに撹拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して各々の5%粒剤を得る。
製剤例4 粉剤
本発明化合物 (1)〜(39)の各々1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびクレー93.7部を加え、ジュースミキサーで撹拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
製剤例5 フロアブル剤
本発明化合物 (1)〜(39)の各々20部とソルビタントリオレエート1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部と混合し、サンドグラインダーで微粉砕 (粒径3μ以下)した後、この中に、キサンタンガム0.05部およびアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて撹拌混合して各々の20%水中懸濁剤を得る。
製剤例6 油剤
本発明化合物 (1)〜(39)の各々0.1部をキシレン5部およびトリクロロエタン5部に溶解し、これを脱臭灯油89.9部に混合して各々の0.1%油剤を得る。
製剤例7 油性エアゾール
本発明化合物 (1)〜(39)の各々0.1部、テトラメスリン0.2部、d−フェノスリン0.1部、トリクロロエタン10部および脱臭灯油59.6部を混合溶解し、エアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)30部を加圧充填して各々の油性エアゾールを得る。
製剤例8 水性エアゾール
本発明化合物 (1)〜(39)の各々0.2部、d−アレスリン0.2部、d−フェノスリン0.2部、キシレン5部、脱臭灯油3.4部および乳化剤{アトモス300(アトラスケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したものと、純水50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して各々の水性エアゾールを得る。
製剤例9 蚊取線香
本発明化合物 (1)〜(39)の各々0.3gにd−アレスリン0.3gを加え、アセトン20mlに溶解し、蚊取線香用担体 (タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の割合で混合)99.4gと均一に撹拌混合した後、水 120mlを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥して各々の蚊取線香を得る。
製剤例10 電気蚊取マット
本発明化合物 (1)〜(39)の各々0.4g、d−アレスリン0.4gおよびピペニルブトキサイド0.4gにアセトンを加えて溶解し、トータルで10mlとする。この溶液0.5mlを、2.5cm×1.5cm、厚さ0.3cmの電気マット用基剤(コットンリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて、各々の電気蚊取マットを得る。
製剤例11 加熱燻煙剤
本発明化合物 (1)〜(39)の各々 100mgを適量のアセトンに溶解し、4.0cm×4.0cm、厚さ1.2cmの多孔セラミック板に含浸させて各々の加熱燻煙剤を得る。
製剤例12 毒餌
本発明化合物 (1)〜(39)の各々10mgをアセトン0.5mlに溶解し、この溶液を、動物用固型飼料粉末 (飼育繁殖用固型飼料粉末CE−2、日本クレア株式会社商品名)5gに処理し、均一に混合する。ついでアセトンを風乾し、各々の0.5%毒餌を得る。
【0054】
次に、本発明化合物が有害生物防除剤の有効成分として有用であることを試験例により示す。なお、本発明化合物は表16〜表18に記載の化合物番号で示す。
試験例1 トビイロウンカ幼虫に対する変態阻害作用(茎葉散布)
製剤例1に準じて得られた供試化合物の乳剤を、水で所定濃度に希釈して、ポリエチレンカップ植えのイネ苗に、20ml/2ポットの割合で散布した。風乾後、ポットあたりトビイロウンカ3令幼虫を10頭放飼し、10日後に羽化阻害率を下記 数1により求めた。
【数1】
Figure 0003721595
その結果を表20に示す。
【表20】
Figure 0003721595
【0055】
試験例2 トビイロウンカ幼虫に対する変態阻害作用(かん注処理)
製剤例1に準じて得られた供試化合物の乳剤を水で所定濃度に希釈して650ml容のポリエチレンカップに入れた。穴のあいたフタをした後、130ml容のポリエチレンカップ植えのイネを穴に入れ、底面が薬液に沈む様にした。処理2日後にトビイロウンカ3令幼虫を10頭放飼し、10日後に羽化阻害率を前記数1により求めた。(2反復)その結果を表21に示す。
【表21】
Figure 0003721595
【0056】
試験例3 (アカイエカに対する羽化阻害作用)
製剤例1に準じて供試化合物を乳剤にし、それを水で希釈し、その後0.7mlを 100mlのイオン交換水に加えた (有効成分濃度3.5ppm)。その中にアカイエカ終令幼虫20頭を放ち、餌を与え8日間飼育し、羽化阻害率を前記数1により求めた。結果を表22に示す。
【表22】
Figure 0003721595
【0057】
試験例4 ワタアブラムシに対する殺虫試験
製剤例1に準じて得られた供試化合物の乳剤を、水で所定濃度に希釈して、ポリエチレンカップ植えのキュウリの株元に、10cc/1ポットの割合でかん注した。薬液処理3日後に、アブラムシ成虫を5頭本葉上に放飼した。放飼14日後に、式 数2により防除価を求めた。
【数2】
Figure 0003721595
Cb :無処理区の処理前の虫数
Cai:無処理区の観察時の虫数
Tb :実験区の処理前の虫数
Tai:実験区の観察時の虫数
その結果を表23に示す。
【表23】
Figure 0003721595
【0058】
【発明の効果】
本発明化合物は優れた有害生物防除効果を示す。

Claims (7)

  1. 一般式 化1
    Figure 0003721595
    〔式中、R1 はハロゲン原子を表わす。
    Aは、下記式Q−5で示される基を表わす。
    -CH (R2 )- (CH2 ) m -CH (R3 ) -CH2 -B (Q−5)
    2およびR3 は独立して水素原子またはメチル基を表わし、
    Bは一般式 化3
    Figure 0003721595
    で示される基を表わす。
    Eは一般式 化4
    Figure 0003721595
    で示される基を表わし、R12はハロゲン原子を表わすか、またはハロゲン原子で置換されてもよいメチル基を表わす。
    l、mおよびnは独立して0〜2の整数を表わす。〕で示されるエーテル化合物。
  2. Eが式〔a〕
    Figure 0003721595
    〔式中、R12およびnは前記と同じ意味を表わす。〕
    で示される基である請求項1記載のエーテル化合物。
  3. nが0である請求項2記載のエーテル化合物。
  4. 2 およびR3 が各々水素原子であり、mが0である請求項1記載のエーテル化合物。
  5. 1−{3−〔4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロピル}ピラゾール。
  6. 1−{3−〔2−クロロ−4−(1−ピラゾリル)メチルフェノキシ〕プロピル}ピラゾール。
  7. 請求項1記載のエーテル化合物を有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤。
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