JP2968021B2 - シート状パック剤 - Google Patents

シート状パック剤

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばパック化粧品として用いられるシー
ト状パック剤に関し、特に、シートを構成する粘着性膏
剤層の保形性を担う成分が改良されたシート状パック剤
に関する。
〔従来の技術〕
パック適用法は、主として女性の美容法として用いら
れている。従来のパック法では、先ず、1液型または2
液型の水溶液性パック剤を対象面(顔面)に塗布するこ
とにより、あるいはエアゾール形態となっているパック
剤を顔面等に直接噴き付けることにより適用する。次
に、塗布あるいは噴き付けられたパック剤が自然乾燥す
るのを待ち、必要時間経過後、これを皮膚から剥がし取
っている。なお、1液型のパック剤では、塗布は一度で
済むが、2液型パック剤では第1液を塗布し乾燥した
後、さらに第2液をその上から塗布するという操作が必
要となる。
上記のような1液型パック剤は、例えば特開昭55−16
4614号、特開昭57−4909号、及び特開昭60−94904号等
に開示されている。他方、2液型パック剤は例えば特開
昭55−35030号に、エアゾールパック剤は特開昭61−153
170号に開示されている。
しかしながら、上述した何れの形態のパック剤におい
ても、塗布あるいは噴き付けるという操作が非常に面倒
であり、かつかなりの時間を要していた。
のみならず、時間をかけて丁寧に塗布したとしても、
顔面上に均一に塗布することが難しく、実際には不可能
に近かった。このことは、エアゾール型のパック剤にお
いても同様であった。
また、塗布または噴き付け後に自然乾燥させねばなら
ないため、自然乾燥を待つ間パック剤を適用された者は
じっとしていなければならず、少なくとも大きく動くこ
とができないため、非常に不便であった。
特に、2液型の場合には、第1液の塗布から自然乾燥
に至るまでの時間が長いため、より一層長時間の間、塗
布された者はじっとしていなければならなかった。
さらに、適用後に顔面から乾燥皮膜を剥がし取る際に
も、塗布時の厚みの不均一性や、乾燥時間及び乾燥性に
及ぼす環境条件(気温、大気中の湿度、周囲の風通しの
良否等)等により、皮膜の性質や剥離力等が大きく左右
される。その結果、ある場合には剥がし難かったり、あ
る場合には容易に剥がれてしまったりし、時には皮膜が
破断したりすることがあった。すなわち、従来のパック
剤では、乾燥皮膜の性質や剥離力等がばらつくため、顔
面等からの引き剥がし作業を非常に均一には行い得なか
った。
上記のような塗布あるいは噴き付けに起因する問題を
解消するものとして、シート状パック剤が提案されてい
る(特開昭58−180408号及び特開昭61−260007号)。こ
れらの先行技術に開示されているシート状パック剤で
は、美顔成分を含む粘着性シート体が、そのままの形態
で皮膚に密着される。従って、顔面への塗布や噴き付け
といった作業を要するパック剤に比べて極めて簡単に顔
面に適用することができる。また、乾燥させて皮膜を形
成させる必要もないため、手を汚さずに簡単にパック剤
を適用することができるという利点も有する。
しかしながら、特開昭58−180408号及び特開昭61−26
0007号に開示されているシート状パック剤は、ポリアク
リル酸及び/またはポリアクリル酸塩を用いて構成され
ている。従って、水、可塑剤または架橋剤等の配合比が
最適条件を少しでも外れると、その物性値が大きく変動
し、シート状パック剤としての商品価値が大きく損なわ
れるという問題があった。すなわち、組成変更の許容幅
が非常に狭く、得られるシート状パック剤の物性及び性
状の可変範囲が非常に狭いため、得られる商品の幅が制
約されるという問題があった。例えば、粘着力と、軟ら
かさ、クッション性あるいは粘弾性的性状等の機械的性
質とが一義的に相関するため、両方の性質をそれぞれ自
由に選択することが非常に困難であった。
また、ポリアクリル酸(塩)系成分は、完全な中性の
ものが非常に少ない。すなわち、あるものは酸性であ
り、あるものはアルカリ性等に偏っているが通常であ
る。従って、弱い皮膚や特異な感受性を有する皮膚に対
して刺激をもたらすおそれがあった。
さらに、ポリアクリル酸(塩)系成分では保水能力に
限界がある。従って、長時間保管している間に乾燥し、
シート状パックとして用い得ないおそれもあった。
また、上記のようなポリアクリル酸(塩)系成分を用
いたシート状パック剤の製造は、方法的に非常に煩雑で
あり、少しでも溶解の順序等を誤ったり、条件が外れる
とゲル化し、所望のシート状パック剤を得ることができ
なかった。のみならず、製造工程に長時間を要するとい
う問題もあった。
さらに、特開昭61−260007号に開示されているシート
状パック剤では、カルボキシル基を有する親水性ポリマ
ーをポリアクリル酸塩系成分に含有させた組成も開示さ
れているが、基材中に含有されている美肌成分によって
は、該美肌成分とカルボキシル基とが反応し、美肌成分
が不活性化されたり、変質されたりするおそれがあっ
た。よって、美肌性成分あるいは薬剤の種類が制約され
るおそれがあった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上述した従来のシート状パック剤の種々の
欠点を解消するものであり、粘着性膏剤層の物性値や感
触等を変更することが容易であり、皮膚に与えられる美
肌成分のような有効成分の種類についての制約が少な
く、皮膚に対して有害な刺激をもたらすおそれがなく、
かつ製造容易なシート状パック剤を抵抗することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のシート状パック剤は、柔軟性を有するプラス
チックフイルムよりなる裏打ち支持体層と、この裏打ち
支持体層の一方面に設けられた粘着性膏剤層とを備える
シート状パック剤であり、上記粘着性膏剤層の保形性を
担う成分が、ポリビニルピロリドン及び/またはビニル
ピロリドンを主成分とする共重合体よりなる第1の成分
と、アクリル酸及び/またはメタクリル酸の重合体及び
/または共重合体よりなる第2の成分との混合物からな
り、第1の成分中のビニルピロリドン成分含有量と、第
2の成分中の(メタ)アクリル酸成分含有量との比率
が、97:3〜70:30とされていることを特徴とする。
本発明のシート状パック剤の構造 本発明にかかるシート状パック剤の構造例を、第1図
及び第2図に示す。
第1図に示すシート状パック剤20では、薄くかつ柔軟
性を有するプラスチックフイルムからなる裏打ち支持体
層1の一方主面に、パック剤機能を有する粘着性膏剤層
2が貼り付けられている。粘着性膏剤層2の表面には、
表面が剥離性を有する保護紙3が積層されている。な
お、裏打ち支持体層1及び粘着性膏剤層2により、シー
ト状パック剤本体10が構成されている。
使用に際しては、図示のように、保護紙3を剥離し、
顔面等の対象面に粘着性膏剤層2を貼り付ければよい。
すなわち、予め所定厚みに構成された粘着性膏剤層2を
貼り付けることによりパックし得るため、シート状パッ
ク剤を常に均一な厚みで顔面等に適用することができ
る。
第2図は、本発明のシート状パック剤の他の構造例を
示す部分切欠拡大断面図である。第2図のシート状パッ
ク剤21では、裏打ち支持体層1の一方面に積層されてい
る粘着性膏剤層2内に補強用の芯材4が埋設されてい
る。補強用芯材4は、例えば伸縮性の大きなポリウレタ
ン繊維や不織布のような材料で構成されている。なお、
11は裏打ち支持体層1及び粘着性膏剤層2で構成される
シート状パック剤本体を示す。
シート状パック剤21においても、粘着性膏剤層2の表
面側に表面が剥離性を有する保護紙3が積層されてい
る。
なお、第1図及び第2図に示したシート状パック剤2
0,21は、あくまでも本発明にかかるシート状パック剤の
構造を例示的に示すものに過ぎず、図示の構造から適宜
変形されてもよい。例えば、保護紙3に変えて、粘着性
膏剤層2に対して剥離性を有する表面を有するプラスチ
ックフイルムを積層してもよい。また、シート状パック
剤20,21を収納する袋の内面を剥離性表面とすることに
より、保護紙3を省略してもよい。
裏打ち支持体層 本発明において用いられる裏打ち支持体層は、粘着性
膏剤層をシート状に維持するために設けられているもの
である。従って、粘着性膏剤層中の薬効成分に影響を与
えない限り、柔軟性を有する任意のプラスチックフイル
ムを、裏打ち支持体層を構成する材料として用いること
ができる。例えばポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共
重合体(EVA)、軟質ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン
樹脂(PVdC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、
炭化水素系熱可塑性各種ブロックコポリマー等が挙げら
れる。
また、裏打ち支持体層を構成するプラスチックフイル
ムの厚みは、好ましくは、その最終的な柔軟性が厚み5
〜50μmの軟質ポリエチレンの柔軟性に匹敵するように
定めることにより、顔面等への適用を円滑にすることが
できる。
粘着性膏剤層の基本組成 本発明は美肌成分のような薬効成分を含有させる粘着
性膏剤層の基本的組成に特徴を有する。すなわち、ポリ
ビニルピロリドン及び/またはビニルピロリドンを主成
分とする共重合体よりなる第1の成分と、該第1の成分
よりも少ない量のアクリル酸及び/またはメタクリル酸
の重合体またはこれらの共重合体よりなる第2の成分と
からなる混合物により、粘着性膏剤層の保形性を担う成
分(すなわち機械的強度を受け持つ成分)が構成されて
いることに特徴を有する。なお、ビニルピロリドンを主
成分とする共重合体なる表現における「主成分」とは、
60%以上の割合でビニルピロリドンが共重合体中に含ま
れていることを意味する。
第1の成分と第2の成分との混合比率は、第2の成分
のポリマー中にアクリル酸及び/またはメタクリル酸成
分が何%組み込まれているかにより、その限界が左右さ
れる。従って、第2の成分中の(メタ)アクリル酸成分
が占めている重量に関連して表現すると、後述の理由か
ら明らかなように、第1の成分のビニルピロリドン成分
含有量と、第2の成分中の(メタ)アクリル酸成分含有
量との比率が、97:3〜70:30までの範囲内とする。
なお、粘着性膏剤層は、適用の容易性や接触感の観点
から、通常は0.5〜3.0mm程度の厚みに形成される。
粘着性膏剤層の作用 本発明では、上記のような特定組成の混合物を用いて
粘着性膏剤層が構成されているため、粘着性膏剤層は下
記のような作用を発揮する。
すなわち、皮膚に対して軽く接触させるだけで、即座
に皮膚に粘着し、長時間そのまま適用させたとしても、
容易に剥がれることがない。すなわち、ワンタッチ式で
適用することができる。
また、粘着力の強度、膏剤層としての感触性、及び層
全体の腰の強さすなわち保形性等の基本的な性能が、上
記第1,第2の成分値を変更することにより、さらに軟化
剤量や他の含有成分量等により自由に調節することがで
きる。
本願発明者は、第1の成分を粘着性膏剤層の保形成分
として用い、これに適宜の水分及び/または保水性の多
価アルコール系軟化剤を加えた配合系が、本発明の目的
とするパック剤用粘着性膏剤として皮膚に対して優れた
感触性及び適合性を有することを見出した。しかしなが
ら、含有水分や軟化剤量等の多寡により、その強度ある
いは腰の強さが大きく左右されがちであることも見出し
た。
すなわち、第1の成分を主成分として用いた粘着性膏
剤層では、その保形性が水分等に大きく左右され過ぎる
ことを見出し、さらにこの問題点を改良する組成とし
て、本発明のように第1,第2の2種の成分を用いれば、
軟化作用に対する抵抗性が高められ、パック剤用粘着性
膏剤層に適した保形用ポリマーとなり得ることを見出
し、本発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明では、第2の成分の添加により、第
1の成分が架橋反応に似た変化を生じ、第2の成分の添
加量に応じてゲル化の度合が増大される。そして、この
ゲル化の程度が進行するに連れて、系全体の耐水性及び
耐軟化剤性が高められるのである。
第2の成分により第1の成分がゲル化あるいは擬ゲル
化を呈するのは、第2の成分中のカルボキシル基による
ものと考えられる。従って、その機序を量的比率でとら
える場合、第2の成分中のアクリル酸とメタクリル酸と
の合計量を基準にすることが合理的である。すなわち、
上記のような見方をすれば、第1の成分中のビニルピロ
リドン成分に対し、第2の成分中の(メタ)アクリル酸
成分量が増大する程、ゲル化の度合が増し、その保形性
能が高められる。
もっとも、ゲル化の度合が大きくなり過ぎると、水あ
るいはアルコール等のような成形時の溶媒に不溶解とな
り、成形が不可能となってしまう。他方、ゲル化の度合
が少な過ぎると、耐水性及び保形性が低下することにな
る。従って、許容され得る限界的な混合比率としては、
〔第1の成分〕:〔第2の成分〕=97:3〜70:30であ
る。但し、〔第1の成分〕=第1の成分中のビニルピロ
リドン含有量またはその比率、〔第2の成分〕=第2の
成分中の(メタ)アクリル酸含有量またはその比率であ
る。
よって、希望とする粘着性膏剤層の保形性及び機械的
強度に応じて、第一義的に〔第1の成分〕:〔第2の成
分〕が定められ、またその比に応じて、さらに軟化剤量
や含有水分量等を調節することによって、様々な物性及
び使用感を粘着性膏剤層に与えることができる。
第1の成分の好ましい例 第1の成分を構成する具体的な材料としては、以下の
ものが挙げられる。
(i)純粋なポリビニルピロリドン; ・Kollidon K−90(BASF社) Mn(平均分子量)…360,000 ・Kollidon K−30(BASF社) Mn…10,000 (ii)酢酸ビニルとの共重合体として; ・Kollidon VA−64(BASF社) 組成:ビニルピロリドン含有量比率:60 酢酸ビニル含有量率 :40 また、上記した市販品以外にも、必要に応じて各種の
共重合体を用いることができる。共重合モノマーとして
は、(メタ)アクリル酸エステルが適している。
第2の成分の好ましい例 (i)(非架橋タイプの)ポリアクリル酸; 一般の市販品として入手可能な各種銘柄、グレードの
ポリアクリル酸を基本的にはすべて用いることができ
る。例えば、ジュリマーAC(10P、10H等);日本純薬
社、アロン−A10H;東亜合成社。
(ii)微架橋ポリアクリル酸; ・ジュンロン(PW−110、PW−150等)(日本純薬社製) ・カーボポール(#940、#941)(B.F.グッドリッチ社
製) (iii)アクリル酸・メタクリル酸共重合体例; ・ジュリマーAC−20(日本純薬社製) 組成:アクリル酸含有量比率:50 メタクリル酸含有量比率:50 (iv)メタクリル酸・メタクリル酸エステル系共重合体
例; ・オイドラギッドL(Rohm Pharma社製) 組成:メタクリル酸含有量比率:55 メタクリル酸メチル含有量比率:50 ・オイドラッドE(Rohm Pharma社製) 組成:メタクリル酸含有量比率:44 メタクリル酸ブチル含有量比率:44 ジメチルアミノエチルメタクリレート含有量比
率:12 粘着性膏剤層に含まれ得る他の成分 本発明のシート状パック剤の粘着性膏剤層には、保水
作用及び軟化作用を有する水溶性の軟化剤を含有させる
ことが好ましい。このような軟化剤としては、例えばグ
リセリンのような低分子量多化アルコールが挙げられ
る。また、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、マ
ルチトール、ソルビトール、分子量1000以下のポリエチ
レングリコール、分子量2000以下のポリプロピレングリ
コール、またはポリエチレン・プロピレングリコール等
を適宜用いることができる。
上記のような軟化剤は、保形成分である第1の成分及
び第2の成分の合計量を100とした場合、400以下、好ま
しくは50〜200の重量比で添加される。
上記の軟化剤の作用は以下のとおりである。
仮に、軟化剤の量及び性質が同一であっても、保形性
ポリマー成分の違いにより、当然のことながら全体とし
ての性能は大きく異なってくる。保形性ポリマー成分側
を一定不変とした場合、軟化剤の量が増大するに連れ
て、(a)粘着性すなわち皮膚に対する粘着力が増大
し、(b)大気との平衡状態間における含有水分量が増
大し、(c)一般的に添加される有効成分あるいは薬効
成分の包含許容量が増大し、(d)粘着性膏剤層自体の
柔軟性及び接触感等が向上するが、他方、内部強度すな
わち保形性が低下する。
実際には、保形性ポリマー成分の個々の組成及び混合
割合等と、目的とする粘着性膏剤層の粘着性、柔軟性、
含水率、肌触り感、含有させるべき有効成分の種類また
は量との間の総合的なバランスにより、軟化剤の種類や
量が最適なように定められる。すなわち、上記のような
観点から、軟化剤は、保形性ポリマー成分の合計量100
重量部当たり400重量部以下とされるのである。逆に、
軟化剤を400重量部を超えて添加すると、粘着性膏剤層
が軟化し過ぎ、その保形能力が消失し、あるいは粘着力
が増大し過ぎて皮膚から剥がす際に苦痛を与えたり、軟
化剤成分が遊離・浸出するといった欠点が増大する傾向
が生じる。
本発明においては、粘着性膏剤層中に、上記軟化剤の
他、粘着性膏剤層の機械的強度を直接的に補強するため
に、粘着性膏剤層中に柔軟性を有する不織布等の部材を
埋設することが好ましい(前述した第2図の構造例にお
ける芯材)。
また、粘着性膏剤層中には、有効成分の含有量向上あ
るいは好ましい粘着力の観点から、10%以上の水分が含
有されていることが好ましい。
さらに、主保形成分である第1の成分及び第2の成分
の合計成分以外に、該合計量が50%以下の割合で、他の
水溶性または親水性ポリマーを添加してもよい。もっと
も、その場合には、粘着性膏剤層の性質を左右すつもの
としてではなく、単なる増量剤的にあるいは補助的な改
質剤として用いられる。このような増量剤または改質剤
として用い得るポリマーとしては、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、プルラン、ペクチン、アラビアガム、グアーガム、
ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテル、メチル
ビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、トラガカン
トガム、カルボキシメチル化デン粉、及びポリ(メタ)
アクリル酸のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩等
が挙げられる。
有効成分 本発明の粘着性膏剤層には、目的とする用途に応じ
て、美容促進的有効成分や薬効成分が添加されるが、添
加される美容促進的有効成分または薬効成分としては、
ビタミン類、アロエ抽出成分、各種アミノ酸、甘草抽出
成分(その他一般の生薬抽出成分)、ヒアルロン酸、葉
緑素、保存安定剤(例えばパラベン)、香料、清涼剤、
皮膚栄養剤、着色剤、充填剤または界面活性剤等の1種
類以上が適宜添加される。
製造方法 本発明のシート状パック剤は、基本的には粘着テープ
またはシートの製造方法と同じ原理で行われる。すなわ
ち、大きくは下記の二つの工程で製造される。
(i)粘着性膏剤を溶媒(水、アルコールまたは両者の
混合系)中に溶解して塗布するための溶解工程 (ii)上記で得た溶液を塗布・乾燥することにより成形
する工程 (i)溶解工程 簡便には、水を溶媒として用い、常法に従って溶解槽
中に水及び各種成分を順次投入し、撹拌・混合すること
により、塗工用溶液を調製することができる。
この場合、水及び各種成分の同時投入を行った場合に
は、溶解速度の遅い第1の成分及び第2の成分等のポリ
マーからなる保形成分は、予め単独の溶液として調整し
ておき、最後に他の成分と共に混合するのが好ましい。
また、第1の成分及び第2の成分の相互の反応が早
く、水溶液中ではすぐにゲル化・不溶解となるような組
成系の場合にはアルコールを溶解として用い、アルコー
ル溶液または水−アルコール混合系溶液として調製され
る。
さらに、ポリマー成分濃度は、塗布に適した粘度、約
10〜100d′pasとなるように調製される。
(ii)成形工程 本工程も、常法に従って行われる。最終的に第1図及
び第2図に示した構造例を得る場合を例にとり説明す
る。
第1図のシート状パック剤を得る場合には、表面剥離
性の保護紙3の原反の剥離性表面上に、粘着性膏剤溶液
を塗布しつつ、適当な水分保有量となるまで乾燥させ
る。次に、粘着性膏剤層表面に、裏打ち支持体層1を構
成するフイルムを積層し、押圧することによりシート状
パック剤20を得ることができる。
また、第2図のシート状パック剤21を得るにあたって
は、表面剥離性の保護紙3上に粘着性膏剤層溶液全体の
約半分量を塗布し、その上から補強用芯材4を積層し、
続いて粘着性膏剤層溶液の残り全量をその上から塗布
し、続いて一定含水率となるまで乾燥する。最後に、粘
着性膏剤層2の上から裏打ち支持体層1を積層し、押圧
することによるシート状パック剤21を得ることができ
る。
なお、上記シート状パック剤20,21は、原反サイズで
製造し、しかる後所定サイズに切断されて構成される
が、使用に際しては、保護紙3の粘着性膏剤層2と接触
している面が剥離性を有するため、転写の原理により、
保護紙3のみが容易に剥がし取られる。従って、シート
状パック剤本体10,11が容易に得られ、顔面等に貼り付
けるのに使用される。
裏打ち支持体層1の粘着性膏剤層2と接触する面に
は、粘着性膏剤層2との密着性を高め、その間での剥離
を防止するために、必要に応じてアンカー剤すなわち接
着性向上用下塗り剤を塗工しておいてもよい。
また、粘着性膏剤層2は、図示のように単一の組成層
として一層のみを設ける必要は必ずしもない。すなわ
ち、本発明のシート状パック剤における粘着性膏剤層の
要件を満たす複数層の粘着性膏剤層を積層してもよい。
同様に、粘着性膏剤層を設けるにあたり、保形成分と
しては、第1の成分のみあるいは第1の成分を主体とす
る層と、第2の成分のみあるいは第2の成分を主体とす
る層を薄層として数回に渡り塗り重ねることにより、第
1,第2の成分を含有する粘着性膏剤層を構成してもよ
い。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、単に皮膚に接触する
だけで適用することができ、製品個体間の品質差や適用
時の個人差が生じ難く、粘着性膏剤層の粘着力により長
時間適用することが可能であるといった種々の効果を有
するシート状パック剤が提供される。そして、本発明の
シート状パック剤では、粘着性膏剤層の保形性を担う成
分が、ポリビニルピロリドン及び/またはビニルピロリ
ドンを主成分とする共重合体よりなる第1の成分と、ア
クリル酸及び/またはメタクリル酸の重合体及び/また
共重合体よりなる第2の成分との混合物から構成され、
第1の成分中のビニルピロリドン成分含有量と、第2の
成分中の(メタ)アクリル酸成分含有量との比率が、9
7:3〜70:30とされているため、用途や薬効成分に応じた
様々な物性及び性状のシート状パック剤を容易に得るこ
とができ、かつ完全な中性のものを得ることも容易であ
るため、皮膚の弱い者や特異な感受性を有する皮膚に対
して刺激を与えることもない。
しかも、ポリアクリル酸塩系成分を用いた従来のシー
ト状パック剤では、製造条件が厳しく、溶解の順序等を
誤ったり、条件がずれたりしただけでゲル化してしまう
のに対し、本発明では、上記第1,第2の成分の混合物を
主体とするため、製造容易であり、かつ比較的短時間で
製造することができる。
〔実施例の説明〕
以下、本発明の非限定的な実施例につき説明する。
実施例1 〈粘着性膏剤用主成分溶液の調製〉 (重量部) ・ポリビニルピロリドン(第1の成分) …80 (Kollidon−K−90/BASF社製) ・微架橋ポリアクリル酸(第2の成分) …20 (ジュンロンPW−110/日本純薬製) ・マルチトール(保水用成分) …150 ・水 …1000 上記組成中、第1の成分の10%水溶液を予め調製して
おき、それにマルチトール、第2の成分を順次添加し、
撹拌・混合してゆき、最後に再び差額の水分(325重量
部)を加えて撹拌・混合・溶解することにより、上記組
成による粘着製膏剤のためのベースとなるマスター溶液
を調製した。
〈有効成分、湿潤助剤等の添加〉 上記マスター溶液100重量部あたり、 (重量部) ・日局アロエ粉末の飽和水溶液 …2.0 ・ヒアルロン酸ナトリウム …0.03 ・グリチルリチン酸ジナトリウム …0.2 ・ノニオンOT−220(湿潤助剤) …1.0 を添加撹拌・混合することによってパック用としての粘
着性膏剤の最終的な溶液が調製された。
〈パック剤原反シートの成形〉 表面にポリエチレン膜がラミネート加工されたクラフ
ト紙(市販品)の加工面上に、上記最終的な粘着性膏剤
溶液を、1m2あたり約1,800gとなる割合で塗布してゆ
き、乾燥ゾーンを通すことによってその中の一部に水分
を蒸発させて残留含有水分を20±5%とし、引き続きそ
の露出した表面に、予めコロナ放電処理された厚さ30μ
mのEVAフイルムを、そのコロナ処理面が膏剤層面と接
する相対関係で積層・圧着することによって、第1図の
シート状パック剤20の構造を有する、パック剤の原反と
なるシートを得た。
得られた原反のパック剤を適宜切断・包装等すること
によって製品とすることができる。
実施例2 〈粘着性膏剤用主成分溶液の調製〉 (重量部) ・ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体 (第1の成分) … 65 (Kollidon VA−64/BASF社製) ・メタクリル酸・メタクリル酸メチル( 44:56)共重合体(第2の成分) … 35 (オイドラギッドL) ・グリセリン(保湿用軟化剤) … 80 ・エチルアルコール …700 ・水 …100 上記組成溶液の調製においては、先に第1の成分の15
%エチルアルコール溶液を調製しておき、次のこの溶液
に第2の成分の微粉末を投入・撹拌・混合し、さらにグ
リセリン及び残りの溶媒成分等を順次添加・混合し、粘
着性膏剤のベースとなるマスター溶液を得た。
〈有効成分等の添加〉 (重量部) 上記マスター溶液100重量部あたり; ・ヒアルロン酸ナトリウム …0.02 ・10%葉緑素水溶液 …0.20 ・アスコルビン酸 …0.1 を投入し、撹拌・混合し、最終的な溶液が得られた。
〈パック剤原反シートの成形〉 表面にシリコーン剥離処理が施された剥離紙上に、上
記膏剤溶液を、第1回目として1m2あたり約800gとなる
ように塗布し、引き続きその上からポリウレタン不織布
(25g/m2)を置き重ねてゆき、さらにその上から同じ膏
剤溶液を1m2あたり約800gで塗布し、これを乾燥ゾーン
を通過させて含有水分率が15±5%となるところまで乾
燥させた後、その露出した表面に厚さ80μmのポリウレ
タンフイルムを積層・圧着することにより、第2図のシ
ート状パック剤21の構造を有する、パック剤の原反とな
るシートを得た。
これを適宜のサイズに切断・包装等することによって
目的製品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のシート状パック剤の一構造例を示す部
分切欠断面図、第2図は本発明のシート状パック剤の他
の構造例を説明するための部分切欠断面図である。 図において、1は裏打ち支持体層、2は粘着性膏剤層、
10,11はシート状パック剤本体、20,21はシート状パック
剤を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 39/06 C08L 39/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柔軟性を有するプラスチックフイルムより
    なる裏打ち支持体層と、裏打ち支持体層の一方面に設け
    られた粘着性膏剤層とを備えるシート状パック剤であっ
    て、 前記粘着性膏剤層の保形性を担う成分が、ポリビニルピ
    ロリドン及び/またはビニルピロリドンを主成分とする
    共重合体よりなる第1の成分と、 アクリル酸及び/またはメタクリル酸の重合体及び/ま
    たは共重合体よりなる第2の成分との混合物からなり、 第1の成分中のビニルピロリドン成分含有量と、第2の
    成分中の(メタ)アクリル酸成分含有量との比率が、9
    7:3〜70:30とされていることを特徴とする、シート状パ
    ック剤。
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