JP2953534B2 - ポリエステル樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物およびその用途

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JP2953534B2 JP29482090A JP29482090A JP2953534B2 JP 2953534 B2 JP2953534 B2 JP 2953534B2 JP 29482090 A JP29482090 A JP 29482090A JP 29482090 A JP29482090 A JP 29482090A JP 2953534 B2 JP2953534 B2 JP 2953534B2
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、透明性、ガスバリヤ性、溶融成形性、延伸
性および機械的強度に優れ、容器などの素材として適し
た性能を有するポリエステル樹脂組成物、およびこのポ
リエステル樹脂組成物を用いた延伸成形体、延伸中空成
形用プリフォーム、延伸中空成形体に関する。
発明の技術的背景 従来から、日本酒などの酒類、ビールおよび清涼飲料
などの炭酸飲料、調味料、油、化粧品、洗剤などの容器
の素材としてはガラスが広く使用されている。
ガラス容器は、優れた透明性、成形性およびガスバリ
ヤ性を有しているが、製造コストが高いという問題があ
り、通常、使用後の空容器を回収し循環再使用すること
によりコストの低減が図られている。
しかし、ガラス容器は重いため回収の際に運送経費が
かさみ、コストの低減を充分に図ることができない。さ
らに、運搬の際などに破損し易く、取り扱いにくいとい
う問題がある。
このためガラス容器に代わり次第にプラスチック容器
が使用されるようになってきている。
このようなプラスチック容器の製造に用いられるプラ
スチック素材は、容器の製造時に要求される特性である
溶融成形性、延伸性などに優れ、かつ得られた容器の機
械的強度、透明性などが優れていることが求められてい
る。
このような特性を有する素材として、ポリエチレンテ
レフタレートがあり、ポリエチレンテレフタレートは、
透明性、機械的強度などに優れ、しかも成形性も良好で
ありプラスチック容器の素材として適している。
しかし、炭酸飲料、ビールなどのようなスパークリン
グ飲料の容器は、内部に高圧の炭酸ガスなどが充填され
ているため、この内部充填ガスの漏出を防止するために
非常に高いガスバリヤ性を有することが必要である。こ
のように高いガスバリヤ性の要求される用途において
は、プラスチック素材の中でも比較的高いガスバリヤ性
を有しているポリエチレンテレフタレートであってもガ
スバリヤ性が充分ではない。
したがって、ポリエチレンテレフタレートを上記のよ
うな高いガスバリヤ性を必要とする用途に使用する場合
には、容器の肉厚を厚くするなどの方法によりガスバリ
ヤ性を確保しなければならず、コスト的に不利である。
現在、ポリエステル樹脂容器への需要は益々増大しつ
つあるが、上記のような非常に高いガスバリヤ性が必要
な用途にポリエステル樹脂容器を使用するためには、現
在使用されているポリエチレンテレフタレートの優れた
特性を損なうことなく、ポリエチレンテレフタレートに
高いガスバリヤ性を賦与する必要がある。
このような要請のもとにポリエチレンテレフタレート
について、種々の改良が試みられている。
たとえば、特開昭59−64624号公報にはポリエチレン
イソフタレートのようなポリアルキレンイソフタレート
およびそのコポリマー、ならびにこれらのポリマーある
いはコポリマーを用いて得られた成形体が開示されてい
る。
また、特開昭59−64049号公報には、上記のポリアル
キレンイソフタレートまたはそのコポリマーからなる層
と、ポリエチレンテレフタレートのようなポリアルキレ
ンテレフタレートまたはそのコポリマーからなる層とか
ら構成される多層包装材料およびそれからなる成形体が
開示されている。
さらに、特開昭59−39547号公報には、最内層がエチ
レンテレフタレートを主な繰り返し単位とするポリエス
テルからなり、外層がエチレンイソフタレートを主な繰
り返し単位とするポリエステルからなる耐ガス透過性多
層容器であって、この容器の肉薄部分を少なくとも一方
向に配向させることにより耐ガス透過性を向上させた多
層容器が開示されている。
また、特開昭56−64866号公報には、最外層および最
内層がエチレンテレフタレートを主な構成単位とするポ
リエステルからなり、中間層がm−キシレンジアミンま
たはm−キシリレンジアミンとp−キシリレンジアミン
との混合物をジアミン成分とするポリアミドからなり、
かつ肉薄部分が少なくとも一方向に配向されている多層
容器が開示されている。
さらに、特開昭58−183243号公報には、2つの内外両
表面層がポリエチレンテレフタレートからなり、そして
中間層がポリエチレンナフタレートとキシリレン基含有
ポリアミドとの混合材料からなる二軸延伸ブロー成形ビ
ン体が開示されている。
このように従来技術において、ポリエチレンテレフタ
レートのようなポリアルキレンテレフタレート自体の構
造あるいは配向性などを変えることにより、ポリアルキ
レンテレフタレートのガスバリヤ性を改善しようとする
試みが数多くなされているが、ポリアルキレンテレフタ
レートのガスバリヤ性はスパークリング飲料用に適する
程度までには向上していない。
したがって、スパークリング飲料の容器のように高い
ガスバリヤ性を必要とする容器の場合には、多層構造に
したり、肉厚にするなど、従来から樹脂容器に利用され
ていたガスバリヤ性を向上させるための技術を利用せざ
るを得なかった。
また、上記のような方法とは別にポリエチレンテレフ
タレートにポリエチレンナフタレートを配合することに
よりポリエチレンテレフタレートのガスバリヤ性が向上
することが知られている。
しかし、ポリエチレンナフタレートをポリエチレンテ
レフタレートに配合して成形体を製造すると、ガスバリ
ヤ性は向上するものの成形体の透明性が低下する傾向が
あり、透明性を維持しながらガスバリヤ性を向上させる
ことは困難であった。
発明の目的 本発明は、このような従来技術に伴う問題点を解決し
ようとするものであって、優れた透明性、ガスバリヤ
性、溶融成形性、延伸性および機械的強度を有するポリ
エステル樹脂組成物、およびこのポリエステル樹脂組成
物を用いた延伸成形体、延伸中空成形用プリフォーム、
延伸中空成形体を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、 (A)o−クロロフェノール中25℃で測定した極限粘度
[η]が0.6〜1.5dl/gであるポリエチレンテレフタレー
ト50〜95重量%と、 (B)(i)ジカルボン酸成分単位が、ジカルボン酸成
分を構成する成分単位を100モル%とした場合に2,6−ナ
フタレンジカルボン酸成分単位が60〜98モル%であり、
かつ、一般式[I] HOOC−(CH2−COOH ・・・[I] (式中、nは2〜10の整数) で表わされるジカルボン酸成分単位が40〜2モル%であ
り、 (ii)ジオール成分単位がエチレングリコール成分単位
からなり、かつ、 (iii)o−クロロフェノール中25℃で測定した極限粘
度[η]が0.3〜1.5dl/gであり、ナトリウムD線下室温
で測定した屈折率が1.60〜1.635である共重合ポリエチ
レンナフタレート50〜5重量%と、 からなることを特徴としている。
また、本発明に係る延伸成形体、延伸中空成形用プリ
フォームおよび延伸中空成形体は上記のようなポリエス
テル樹脂組成物からなることを特徴としているので、透
明性およびガスバリヤ性などに優れている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るポリエステル樹脂組成物および該
ポリエステル樹脂組成物からなる延伸成形体、延伸中空
成形用プリフォーム、延伸中空成形体について具体的に
説明する。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、 (a)特定の極限粘度[η]を有するポリエチレンテレ
フタレートと、 (b)特定の屈折率を有する共重合ポリエチレンナフタ
レートと、 からなっている。
本発明において用いられるポリエチレンテレフタレー
ト(以下、PETと記載することもある)は、テレフタル
酸成分単位を主たるジカルボン酸成分とし、エチレング
リコール成分単位を主たるジオール成分としているが、
このポリエチレンテレフタレートは他のジカルボン酸成
分単位および/または他のジオール成分単位を有してい
てもよい。
テレフタル酸成分単位以外の他の芳香族系ジカルボン
酸成分単位として、具体的には、 フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸などから誘導される成分単位を挙げることができ
る。
また、エチレングリコール成分単位以外のジオール成
分単位として、具体的には、 ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シ
クロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
1、4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1、3−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
2、2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)スルホンなどの炭素原子数が3〜15のジオールから
誘導される成分単位を挙げることができる。
また、本発明に用いられるポリエチレンテレフタレー
トは、前記芳香族系ジカルボン酸成分単位および前記ジ
オール成分単位の他に必要に応じて、他の多官能性化合
物から誘導される成分単位を有していてもよい。
多官能性化合物成分単位を形成する多官能性化合物と
して、具体的には、 トリメリット酸、トリメシン酸、3、3′、5、5′
−テトラカルボキシジフェニルなどの芳香族系多塩基
酸; ブタンテトラカルボン酸などの脂肪族系多塩基酸; フロログルシン、1、2、4、5−テトラヒドロキシ
ベンゼンなどの芳香族系ポリオール; グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールなどの脂肪族系ポリオ
ール; 酒石酸、リンゴ酸などのオキシポリカルボン酸などか
ら誘導される成分単位を挙げることができる。
このような本発明で用いられるポリエチレンテレフタ
レートを構成するジカルボン酸成分単位では、ジカルボ
ン酸成分を構成する成分単位を100モル%とした場合
に、テレフタル酸成分単位が通常50〜100モル%、好ま
しくは70〜100モル%の量で、テレフタル酸成分単位以
外の芳香族系ジカルボン酸成分単位が通常0〜50モル
%、好ましくは0〜30モル%の量で存在していることが
望ましく、ジオール成分単位では、ジオール成分を構成
する成分単位を100モル%とした場合に、エチレングリ
コール成分単位が通常50〜100モル%、好ましくは70〜1
00モル%の量で、エチレングリコール成分単位以外のジ
オール成分単位が通常0〜50モル%、好ましくは0〜30
モル%の量で存在していることが望ましく、また、多官
能化合物成分単位が通常0〜2モル%、好ましくは0〜
1モル%の量で存在していることが望ましい。
このようなポリエチレンテレフタレートでは、極限粘
度[η](o−クロロフェノール中25℃で測定した値)
は、通常0.6〜1.5dl/g、好ましくは0.7〜1.2dl/gである
ことが望ましい。また、融点は通常210℃〜265℃、好ま
しくは220〜260℃であることが望ましく、ガラス転移温
度は通常50〜120℃、好ましくは60〜100℃であることが
望ましい。
本発明において用いられる、共重合ポリエチレンナフ
タレート(以下、Co−PENと記載することもある)は、 2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位、および、一
般式[I] HOOC−(CH2−COOH ・・・[I] (式中、nは2〜10の整数) で表わされるジカルボン酸成分単位を主たるジカルボン
酸成分とし、 エチレングリコール成分単位を主たるジオール成分と
している。
一般式[I]で表わされるジカルボン酸から誘導され
るジカルボン酸成分単位では、nが2〜8の脂肪族ジカ
ルボン酸から誘導されるジカルボン酸成分単位が好まし
く、より好ましくはnが4〜8の脂肪族ジカルボン酸か
ら誘導されるジカルボン酸成分単位であることが望まし
い。
このような共重合ポリエチレンナフタレートを構成す
るジカルボン酸成分では、ジカルボン酸成分を構成する
成分単位を100モル%とした場合に、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸成分単位が通常60〜98モル%、好ましくは80
〜95モル%の量で存在していることが望ましく、また、
一般式[I]で表わされるジカルボン酸成分単位が通常
40〜2モル%、好ましくは20〜5モル%の量で存在して
いることが望ましい。
ジオール成分では、ジオール成分を構成する成分単位
を100モル%とした場合に、エチレングリコール成分単
位が通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%の量
で存在していることが好ましい。
上記共重合ポリエチレンナフタレートでは10モル%以
下の他のジカルボン酸成分単位および/またはジオール
成分単位を含んでいてもよい。
2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位、および一般
式[I]で表わされるジカルボン酸成分単位以外の他の
ジカルボン酸成分単位として、具体的には、 テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−
ジフェニルスルホンジカルボン酸、4−4′−ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、ジブロムテレフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸; アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカ
ルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸; 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパン
ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式
ジカルボン酸; グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロ
キシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸から
誘導されるジカルボン酸成分単位などが挙げられる。
エチレングリコール成分単位以外の他のジオール成分
単位として、具体的には、 プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジ
エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペン
タメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デ
カメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、p−
キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールA、p,p−ジフェノキシスルホン、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−
ビス(p−β−ヒドロキシエトキシフェノール)プロパ
ン、ポリアルキレングリコール、p−フェニレンビス
(ジメチルシロキサン)、グリセリンなどから誘導され
るジオール成分単位が挙げられる。
また、本発明において用いられるポリエチレンナフタ
レート樹脂は、トリメシン酸、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペン
タエリスリトールなどの多官能化合物から導かれる成分
単位を少量たとえば2モル%以下の量で含んでいてもよ
い。
さらに本発明において用いられるポリエチレンナフタ
レート樹脂は、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホ
ンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレ
ングリコール、フェノキシポリエチレングリコールなど
の単官能化合物から導かれる成分単位を少量たとえば2
モル%以下の量で含んでいてもよい。
このような共重合ポリエチレンナフタレートでは、極
限粘度[η](o−クロロフェノール中25℃で測定した
値)は通常0.3〜1.5dl/g、好ましくは0.4〜0.9dl/gであ
ることが望ましく、ナトリウムD線下室温で測定した屈
折率は通常1.60〜1.635、好ましくは1.61〜1.630である
ことが望ましい。また、融点は通常240〜280℃、好まし
くは240〜260℃であることが望ましく、ガラス転移温度
は通常80〜120℃、好ましくは90〜110℃であることが望
ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、上記のよう
なポリエチレンテレフタレートおよび上記共重合ポリエ
チレンナフタレートとからなっている。
このようなポリエステル樹脂組成物では、ポリエチレ
ンテレフタレートが通常50〜95重量%、好ましくは70〜
90重量%の量で、共重合ポリエチレンナフタレートが通
常50〜5重量%、好ましくは30〜10重量%の量で含まれ
ていることが望ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物を製造するに
は、上記ポリエチレンテレフタレートと上記共重合ポリ
エチレンナフタレートとを、たとえばヘンシェルミキサ
ー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレ
ンダーなどで混合する方法、さらには混合後一軸押出
機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで
溶融混合し、あるいは粉砕する方法を採用することがで
きる。
なお、このようなポリエステル樹脂組成物には、前記
ポリエチレンテレフタレートおよび前記共重合ポリエチ
レンナフタレートの他に、核剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、
防曇剤、滑剤、離型剤、無機充填剤、顔料などの各種の
添加剤を配合することができる。
このようなポリエステル樹脂組成物は、フィルム、シ
ート、繊維、容器、その他種々の形状の成形体の素材と
して未延伸の状態で使用することができるが、延伸成形
体、延伸中空成形体用プリフォームおよび延伸中空成形
体として使用することもできる。
このポリエステル樹脂組成物の延伸成形体には、一軸
延伸成形体および二軸延伸成形体があり、その形態はフ
ィルム、シート、繊維のいずれであってもよい。
このようなポリエステル樹脂組成物の延伸成形体は従
来公知の方法で製造することができ、通常、前記ポリエ
ステル樹脂組成物より成形したフィルムまたはシートな
どのプリフォームをそのまま、あるいは組成物のガラス
転移温度以下に冷却して固化させたのちにガラス転移点
ないし融点、好ましくはガラス転移点ないし融点よりも
80℃高い温度の範囲で延伸処理が施される。
また、延伸成形体にヒートセット処理をする場合は、
前記延伸温度ないしそれより高い温度で短時間加熱する
ことにより行われる。
ポリエステル樹脂組成物の延伸成形体を製造する方法
として、プリフォームがフィルムまたはシートである場
合には、前述のように、一軸延伸法、二軸延伸法、同時
二軸延伸法、二軸延伸した後にさらにいずれかの一方向
に逐次延伸を繰り返す方法、真空成形法などを挙げるこ
とができる。
ここでポリエステル樹脂組成物の延伸成形体が一軸延
伸成形体である場合、その延伸倍率は、通常1.1〜10
倍、好ましくは1.2〜8倍、より好ましくは1.5〜7倍で
あることが望ましい。
また、該延伸成形体が二軸延伸成形体である場合、そ
の延伸倍率は縦軸方向には、通常1.1〜8倍、好ましく
は1.2〜7倍、より好ましくは1.5〜6倍であり、横軸方
向には、通常1.1〜8倍、好ましくは1.2〜7倍、より好
ましくは1.5〜6倍であることが望ましい。
次に、本発明に係る延伸中空成形体用プリフォームお
よび延伸中空成形体の製造方法について説明する。
本発明に係る延伸中空成形体用プリフォームは従来公
知の方法によって製造することができ、通常上記のよう
なポリエステル樹脂組成物を、射出成形機、押出成形
機、圧縮成形機、中空成形機などの成形機に供給して加
熱溶融するか、あるいはこれらの成形機に加熱溶融状態
で供給し、中空成形体用プリフォームを成形する。
次に、該プリフォームを延伸適正温度まで加熱し延伸
成形する。
延伸成形時には、プリフォームの温度は通常80〜110
℃、好ましくは90〜100℃であることが望ましい。
本発明に係る延伸中空成形体は、一軸延伸中空成形
体、二軸延伸中空成形体のいずれであってもよい。
一軸延伸中空成形体である場合、その延伸倍率は、通
常1.1〜10倍、好ましくは1.2〜8倍、より好ましくは1.
5〜7倍であることが望ましい。
また、該延伸成形体が二軸延伸中空成形体である場
合、その延伸倍率は縦軸方向には、通常1.1〜8倍、好
ましくは1.2〜7倍、より好ましくは1.5〜6倍であり、
横軸方向には、通常1.1〜8倍、好ましくは1.2〜7倍、
より好ましくは1.5〜6倍であることが望ましい。
発明の効果 本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、ポリエチレ
ンテレフタレートと、特定の屈折率を有する共重合ポリ
エチレンナフタレートとからなっているので、ポリエチ
レンテレフタレートの透明性を損なうことなくポリエス
テル樹脂組成物のガスバリヤ性を向上させることができ
る。しかも、このような共重合ポリエチレンナフタレー
トの配合によって、ポリエチレンテレフタレートが有す
る溶融成形性、延伸性、機械的強度などの優れた特性が
損なわれることがない。
また、このようなポリエステル樹脂組成物を用いるこ
とにより、透明性およびガスバリヤ性に優れた延伸成形
体、延伸中空成形体を製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、特に限定しない
限り「部」との表現は「重量部」を意味する。
なお、本明細書において、ポリエステル樹脂組成物の
物性は、以下のようにして測定される。
[組成] ポリエステル樹脂組成物の組成は、磁気共鳴スペクト
ルを測定することにより決定した。
[極限粘度] 極限粘度[η]は、o−クロロフェノール中25℃で測
定した。
[屈折率] アタゴ(株)製アッベ屈折率計302型を用いて、25℃
(室温)でナトリウムD線によって測定した。
[透明性] 日本電色工業(株)製NDH−20D型ヘイズメータを用い
て、JIS−K 6714に準じて測定した。
[炭酸ガス透過係数] モコン(MOCON)社製パーマトラン(PERMATRAN)C−
IV装置を用いて、25℃で測定した。
《Co−PENの製造例》 参考例1 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下、DMNと
記載することもある。)1649g(ジカルボン酸成分を100
モル%とした場合に90モル%に相当)、セバシン酸ジメ
チル173g(ジカルボン酸成分を100モル%とした場合に1
0モル%に相当)、エチレングリコール1040g、酢酸マグ
ネシウム1.61gを精留塔の付いたオートクレーブに仕込
み、常圧で160℃〜230℃の条件で約5時間攪拌しながら
反応させた。
この反応にともなって、生成するメタノールは90%以
上であった。
次に、二酸化ゲルマニウムとテトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド20%水溶液とを2:8の重量比で含む混合
溶液1.7gをさらに反応系に加え、10分間攪拌した後、リ
ン酸モノメチルとリン酸ジメチルとを5:5の重量比で混
合した混合物の10%エチレングリコール溶液6.5gを加え
て、約10分間攪拌した。
その後、約1時間で280℃まで昇温しながら、系を約1
Torrまで減圧し、その状態で約4時間反応させ、未反応
のエチレングルコールを系外に留去した。
得られた共重合ポリエチレンナフタレートを構成する
ジカルボン酸成分単位では、ジカルボン酸成分単位を10
0モル%とした場合に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分
単位の含有率は90モル%であった。
この共重合ポリエチレンナフタレートについて極限粘
度、屈折率を測定した。
結果を表1に示す。
参考例2 参考例1においてDMNとセバシン酸ジメチルをそれぞ
れ1466g(ジカルボン酸成分を100モル%とした場合に80
モル%に相当)、346g(ジカルボン酸成分を100モル%
とした場合に20モル%に相当)とした以外は、参考例1
と同様の方法で共重合ポリエチレンナフタレートを得
た。
この共重合ポリエチレンナフタレートについて、極限
粘度、屈折率を測定した。
結果を表1に示す。
参考例3〜10 参考例1においてセバシン酸ジメチルの代わりに各種
のジカルボン酸ジメチルを表1に示すように用い、参考
例1と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得
た。
この共重合ポリエチレンナフタレートについて極限粘
度、屈折率を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1 [PETとのブレンド] 150℃で10時間乾燥させたポリエチレンテレフタレー
ト(三井ペット樹脂(株)製、三井ペットJ125)100重
量部に対して、参考例1の共重合ポリエチレンナフタレ
ートを25部配合し、この混合物を20mmφ一軸押出機を用
いて、270〜300℃で溶融押出し、冷却後カッターを用い
て切断し、ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエ
チレンナフタレートとからなる組成物のペレットを作成
した。
さらに、このペレットを用いてプレス成形を行い、約
500μmの厚さをもつプレスシート作成した。
[二軸延伸フィルムの作成] 次に、この組成物のプレスシートを二軸延伸装置を用
いて縦方向および横方向にそれぞれ3倍に同時延伸して
二軸延伸フィルムを作成した。
得られた二軸延伸フィルムは、厚さが約50μmであ
り、厚さむらも少なく均一であった。
この二軸延伸フィルムについて透明性、炭酸ガス透過
係数を測定した。
結果を表2に示す。
実施例2〜10 実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートに対し
て、参考例1〜4および参考例6で得られた共重合ポリ
エチレンナフタレートを表2に示すように配合して、実
施例1と同様にして均一に延伸された厚さ50μmの二軸
延伸フィルムを得た。
この二軸延伸フィルムについて透明性、炭酸ガス透過
係数を測定した。
結果を表2に示す。
比較例1 実施例1と同様のポリエチレンテレフタレート100部
に対して、参考例5で得られた共重合ポリエチレンナフ
タレートを25部配合し、実施例1と同様にして均一に延
伸された厚さ50μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムには透明感がなかった。
この二軸延伸フィルムについて透明性、炭酸ガス透過
係数を測定した。
結果を表3に示す。
比較例2〜12 実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートに対し
て、参考例5および参考例7〜11で得られた共重合ポリ
エチレンナフタレートを表3のように配合し、実施例1
と同様にして均一に延伸された厚さ50μmの二軸延伸フ
ィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムにはいずれも透明感がなか
った。
この二軸延伸フィルムについて透明性、炭酸ガス透過
係数を測定した。
結果を表3に示す。
実施例11〜20 [プリフォームの作成] 実施例1〜10におけるポリエチレンテレフタレートと
共重合ポリエチレンナフタレートとを混合し、得られた
混合物を射出成形機を用いて成形温度約270℃でそれぞ
れ射出成形して、厚さが約3.2mmであるプリフォーム
(コールドパリソン)を作成した。
[ボトルの作成] 次に、得られたプリフォームを、それぞれ二軸延伸吹
込成形して容量が約1リットルの延伸ボトルを作成し
た。得られた延伸ボトルは透明性は良好であった。
このボトルについて透明性、炭酸ガス透過性を測定し
た。
結果を表4に示す。
比較例13〜20 比較例1〜12におけるポリエチレンテレフタレートお
よび共重合ポリエチレンナフタレートを用いた以外は実
施例11と同様にして延伸ボトルを作成した。
得られた延伸ボトルは透明性に欠けていた。
このボトルについて透明性、炭酸ガス透過性を測定し
た。
結果を表5に示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)o−クロロフェノール中25℃で測定
    した極限粘度[η]が0.6〜1.5dl/gであるポリエチレン
    テレフタレート50〜95重量%と、 (B)(i)ジカルボン酸成分単位が、ジカルボン酸成
    分を構成する成分単位を100モル%とした場合に2,6−ナ
    フタレンジカルボン酸成分単位が60〜98モル%であり、
    かつ、一般式[I] HOOC−(CH2−COOH ・・・[I] (式中、nは2〜10の整数) で表わされるジカルボン酸成分単位が40〜2モル%であ
    り、 (ii)ジオール成分単位がエチレングリコール成分単位
    からなり、かつ、 (iii)o−クロロフェノール中25℃で測定した極限粘
    度[η]が0.3〜1.5dl/gであり、ナトリウムD線下室温
    で測定した屈折率が1.60〜1.635である共重合ポリエチ
    レンナフタレート50〜5重量%と、 からなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項第1項に記載のポリエステル樹脂組
    成物からなることを特徴とする延伸成形体。
  3. 【請求項3】請求項第1項に記載のポリエステル樹脂組
    成物からなることを特徴とする延伸中空成形体用プリフ
    ォーム。
  4. 【請求項4】請求項第1項に記載のポリエステル樹脂組
    成物からなることを特徴とする延伸中空成形体。
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