JP2952535B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2952535B2 JP4004945A JP494592A JP2952535B2 JP 2952535 B2 JP2952535 B2 JP 2952535B2 JP 4004945 A JP4004945 A JP 4004945A JP 494592 A JP494592 A JP 494592A JP 2952535 B2 JP2952535 B2 JP 2952535B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料(以下、単に「感光材料」とも言う)に関し、詳しく
は、牛骨を原料とした等電点5.2以上のアルカリ処理ゼ
ラチンをバインダーとして含有するハロゲン化銀写真感
光材料に関する。
【0002】
【発明の背景】写真感光材料のバインダーとしてはゼラ
チンが広く用いられており、近年においては、写真性能
への悪影響が少ないという点で等電点4.5〜5.0の牛骨を
原料としたアルカリ処理(石灰処理)ゼラチンが一般に
用いられている。
【0003】一方、カラーペーパー等に供される直接鑑
賞用感光材料においては、高画質化の要求が強く、特に
表面光沢の高い画像を与えることが望まれている。
【0004】表面光沢を高めるための技術として、例え
ば特公昭51-43777号、同56-23142号、同59-28900号に
は、感光材料の表面保護層のバインダーとして酸処理ゼ
ラチンを用いることが開示されている。又、特開昭61-1
17534号、同61-233737号には豚皮石灰処理ゼラチンを用
いる技術が記載されている。
【0005】これらの技術を用いると表面光沢の向上は
見られるものの、多数の写真構成層を支持体上に多層同
時塗布する近年の感材塗布製造工程において塗布性の劣
化を生じ易く、塗布ムラや塗布故障に起因する濃度ム
ラ、故障スポットが発生する問題を有している。
【0006】又、当業界においては、近年、感光材料の
迅速処理化が望まれており、カラーペーパー等において
は優れた迅速処理適性を有する塩化銀含有率の高いハロ
ゲン化銀粒子を含有する感光材料が用いられるようにな
った。
【0007】この高塩化銀含有感光材料のバインダーに
等電点6.0〜9.5の酸処理ゼラチンを用いる技術が特開昭
63-229456号、同63-229457号、特開平1-304461号に、
又、等電点5.2以上のゼラチンを用いる技術が特開平2-1
88753号、同3-185442号に記載されているが、これらは
いずれも感光材料表面の汚染防止やランニング処理にお
ける写真性能の変動改良、更にはステイン防止等の画像
保存性の改良を意図したものであり、これらに記載され
た酸処理ゼラチンや豚皮石灰処理ゼラチンを用いた場合
にも、前述の塗布性の劣化を生じ易いという欠点があ
る。
【0008】更に、市場において感光材料は一般に冷蔵
庫等に保存され、順次取り出されて使用されるが、冷蔵
庫から取り出した直後に感光材料の表面に指などで触れ
て圧力が加えられると、指紋状に減感マークが発生する
(以下、フィンガープリンティングという)問題があ
る。特に、前述の高塩化銀含有感光材料にバインダーと
して酸処理ゼラチンや豚皮石灰処理ゼラチンを用いた時
に、このフィンガープリンティングの発生が顕著になる
ことが判り、感光材料の取り扱い上大きな問題となっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みて為されたものであり、本発明の第1の目的は、表面
光沢の高い画像を与えるハロゲン化銀写真感光材料を提
供することにある。又、第2の目的は、感光材料製造時
の塗布性に優れ、塗布ムラや塗布故障に起因する濃度ム
ラ、故障スポットの発生が抑えられたハロゲン化銀写真
感光材料を提供することにある。更に、第3の目的は、
フィンガープリンティング(減感マーク)の発生が抑え
られたハロゲン化銀写真感光材料を提供することにあ
る。
【0010】
【発明の構成】本発明の上記目的は、支持体上に少なく
とも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む写真構成層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料において、該写真構成層の
少なくとも1層が、牛骨を原料とした等電点5.2以上の
アルカリ処理ゼラチンを含有するハロゲン化銀写真感光
材料によって達成される。
【0011】特に、前記写真構成層のうち少なくとも支
持体から最も遠い位置に塗設される表面保護層が、前記
牛骨を原料とした等電点5.2以上のアルカリ処理ゼラチ
ンを含有する場合、及び/又は前記ハロゲン化銀乳剤層
の少なくとも1層が、95モル%以上の塩化銀からなるハ
ロゲン化銀粒子を含有する場合に本発明の効果がより有
効に発揮できるので好ましい態様と言える。
【0012】
【発明の具体的構成】以下に本発明をより詳細に説明す
る。
【0013】通常、写真工業界で用いられるゼラチンに
は、コラーゲンからの製造工程において、石灰などによ
る処理を伴うアルカリ処理ゼラチン、及び塩酸などによ
る処理を伴う酸処理ゼラチンがあり、一般に牛骨、牛
皮、豚皮などを原料として製造される。
【0014】これらのゼラチンの製法、性質等の詳細に
ついては、例えばArthur Veis著「The Macromolecular
Chemistry of Gelatin」,Academic Press,187〜217頁
(1964年)、T.H.James:The Theory of the Photographic
Process 4th.ed.1977,(Macmillan)55頁、科学写真便
覧(上)72〜75頁(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真
編119〜124頁(コロナ社)等に記載されている。
【0015】本発明の感光材料を形成する写真構成層の
少なくとも1層には、牛骨を原料とした等電点5.2以上
のアルカリ処理ゼラチン(以下、単に本発明のゼラチン
とも言う)が含有される。本発明のゼラチンの等電点は
好ましくは5.2〜6.0であり、更に好ましくは5.2〜5.5で
ある。
【0016】本発明において等電点とは、両性電解質の
水溶液中における電荷の代数和が0になる時の溶液の水
素イオン濃度で表され、パギィ法(写真用ゼラチン試験
法合同審議会発行、第6版、1987年10月)に基づいて測
定されるものである。即ち、1%ゼラチン水溶液をカチ
オン及びアニオン交換樹脂の混床カラムに通した後、pH
を測定することによって求められる。
【0017】なお、本発明のゼラチンの等電点は、硬膜
処理を施す以前のゼラチンに関するものであり、即ち、
写真構成層を形成する塗布液に添加されるゼラチンの等
電点で規定される。
【0018】本発明のゼラチンは、本発明のゼラチンが
添加される写真構成層に含有される全ゼラチン量に対し
て、好ましくは50wt%以上であり、更に好ましくは80wt
%以上、最も好ましくは実質的に100wt%である。更に
本発明のゼラチンを他のゼラチンとブレンドして用いる
場合は、ブレンド後のゼラチンの等電点が5.2以上であ
ることが好ましい。
【0019】本発明のゼラチンが含有される写真構成層
を形成する塗布液のpHと本発明のゼラチンの等電点との
差は0.3より大きいことが好ましい。この差が0.3以下に
なると保護コロイド性の著しい低下が見られ好ましくな
い。
【0020】本発明のゼラチンのゼリー強度(パギィ法
による)は、好ましくは250g以上であり、特に好ましく
は270g以上である。本発明のゼラチンのカルシウム含有
(パギィ法による)は、好ましくは1000ppm以下であ
り、特に好ましくは500ppm以下である。ゼラチン中のカ
ルシウム含量を低減させるには、一般にイオン交換樹脂
カラムによる処理が好ましく用いられる。
【0021】又、本発明に用いられるゼラチンは、写真
的活性を低減させる目的で過酸化水素等による酸化処理
を行うこともできる。
【0022】本発明のゼラチンの分子量としては特に制
限はないが、好ましくは平均分子量で1万〜20万であ
る。
【0023】本発明のゼラチンは、牛骨からのアルカリ
処理ゼラチンの製造過程において、原料である牛骨から
燐酸カルシウム等を塩酸等により除去する過程や、それ
によって得られたオセインを石灰漬けする過程の条件を
調整することによって得られる。又、通常の牛骨を原料
とした等電点5.0以下のアルカリ処理ゼラチンに、アミ
ド化もしくはエステル化等の化学処理を施してカルボキ
シル基を減じ、等電点を上げることによっても得られる
が、このような化学処理を施したゼラチンは本発明の効
果の点で好ましくない。
【0024】本発明の感光材料は、単一の写真構成層か
ら成るものでも、複数の写真構成層から成るものでもよ
い。複数の写真構成層から成る場合、支持体から最も遠
い位置に塗設された表面保護層に本発明のゼラチンが含
有されることが、本発明の効果を発揮する上で特に好ま
しい。
【0025】本発明の感光材料に用いられるバインダー
(又は保護コロイド)としては、前記ゼラチン以外にゼ
ラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマ
ー、蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるい
は共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コロ
イドも用いることができる。
【0026】本発明の感光材料の支持体上に塗布された
ゼラチンを含む親水性コロイドの総和は8.0g/m2未満で
あることが好ましい。
【0027】本発明の感光材料に含有されるゼラチンは
硬膜剤によって硬膜される。
【0028】用いることのできる硬膜系としては特に制
限はなく、写真業界において公知の硬膜剤、例えばアル
デヒド系、活性ビニル系、活性ハロゲン系、エポキシ
系、エチレンイミン系、メタンスルホン酸エステル系、
カルボジイミド系、イソオキサゾール系、カルバモイル
ピリジニウム塩等のカルボキシル活性化型硬膜剤及び高
分子硬膜剤等を挙げることができる。特に好ましく用い
られる硬膜剤は、ビニルスルホン系硬膜剤(例えば特開
平2-188753号の13〜14頁に記載された化合物H−1〜H
−24等)、及び/又はクロロトリアジン系硬膜剤(例え
ば特開平1-216340号20〜21頁に記載された化合物II−1
〜II−13,III−1〜III−10等)、もしくは特開平2-82
237号、同1-129245号等に記載されたカルボキシル活性
化型硬膜剤である。
【0029】本発明の感光材料の膨潤率(処理液中にお
ける親水性コロイド層の膜厚/乾燥状態における親水性
コロイド層の膜厚)は好ましくは1.5〜4.0であり、更に
好ましくは2.0〜3.0である。
【0030】本発明の感光材料がカラー写真感光材料の
場合は、複数のそれぞれ異なった感光波長域を有するハ
ロゲン化銀乳剤層と複数の非感光性親水性コロイド層か
ら成る多層積層構成をとる。このような多層構成を有す
る感光材料の塗布方法としては、多層同時塗布が可能な
スライドホッパー法、あるいはカーテンコーティング法
等が有利に用いられる。特に塗布の安定性の点からスラ
イドホッパー法が好ましく用いられる。スライドホッパ
ー法に関しては、特開昭52-115214号、同54-1350号、同
56-108566号、同60-126648号、特開平2-83066号、同2-2
16139号等に記載された技術を参考にすることができ
る。
【0031】又、感光材料の大量生産化、製造コスト低
減の要求に応えるため、より速い塗布速度で塗布するこ
とが求められており、本発明の感光材料の塗布速度は、
好ましくは100m/min以上、更に好ましくは150m/min以
上であり、高速な塗布速度で塗布された時に本発明の効
果はより有効に発揮される。
【0032】本発明のハロゲン化銀乳剤層に用いられる
ハロゲン化銀としては、塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭
化銀、沃臭化銀、塩沃化銀等の任意のハロゲン化銀が挙
げられる。
【0033】本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀
粒子は、95モル%以上の塩化銀含有率を有しており、臭
化銀含有率は5モル%以下、沃化銀含有率は0.5モル%
以下であることが好ましい。更に好ましくは、臭化銀含
有率が0.1〜2モル%の塩臭化銀である。該ハロゲン化
銀粒子は、単独で用いてもよいし、組成の異なる他のハ
ロゲン化銀粒子と混合して用いてもよい。又、塩化銀含
有率が95モル%以下のハロゲン化銀粒子と混合して用い
てもよい。又、95モル%以上の塩化銀含有率を有するハ
ロゲン化銀粒子が含有されるハロゲン化銀乳剤層におい
ては、該乳剤層に含有される全ハロゲン化銀粒子に占め
る塩化銀含有率95モル%以上のハロゲン化銀粒子の割合
は60重量%以上、好ましくは80重量%以上である。ハロ
ゲン化銀粒子の組成は、粒子内部から外部に至るまで均
一なものであってもよいし、粒子内部と外部の組成が異
なっていてもよい。又、粒子内部と外部の組成が異なる
場合、連続的に組成が変化してもよいし、不連続であっ
てもよい。
【0034】ハロゲン化銀粒子の粒子径は特に制限はな
いが、迅速処理性及び感度等、他の写真性能等考慮する
と、好ましくは0.2〜1.6μm、更に好ましくは0.25〜1.2
μmの範囲である。
【0035】ハロゲン化銀粒子の粒子径の分布は、多分
散であってもよいし、単分散であってもよい。好ましく
はハロゲン化銀粒子の粒径分布において、その変動係数
が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン
化銀粒子である。ここで変動係数は粒径分布の広さを示
す係数であり、次式によって定義される。
【0036】変動係数=粒径分布の標準偏差/平均粒径 本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性
法、アンモニア法のいずれで得られたものでもよい。
又、粒子は一時に成長させてもよいし、種粒子を作った
後、成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる
方法は同じであっても、異なってもよい。又、可溶性銀
塩と可溶性ハロゲン化塩を反応させる形式としては、順
混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、
いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好まし
い。更に同時混合法の一形式として、特開昭54-48521号
等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェッ
ト法を用いることもできる。
【0037】更に必用であればチオエーテル、イミダゾ
ール等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。又、メルカ
プト基含有化合物、含窒素ヘテロ環化合物又は増感色素
のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、又は粒子
形成終了の後に添加して用いてもよい。
【0038】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は、任意のものを用いることができる。好ましい一つ
の例は、{100}面を結晶表面として有する立方体であ
る。又、米国特許4,183,756号、同4,225,666号、 特開昭
55-26589号、 特公昭55-42737号等や、ザ・ジャーナル・
オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photgr.Sc
i.),21,39(1973)等の文献に記載された方法によ
り、8面体、14面体、12面体等の形状を有する粒子を作
り、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する
粒子を用いてもよい。本発明に用いられるハロゲン化銀
粒子は、単一の形状からなる粒子でも、種々の形状の粒
子が混合されたものでもよい。
【0039】本発明においては、ハロゲン化銀粒子を形
成する過程及び/又は成長させる過程で、カドミウム
塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を
含む)、ロジウム塩(錯塩を含む)、鉄塩(錯塩を含む)を
用いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び/又は粒子
表面に包含させることができ、又、適当な還元的雰囲気
下に置くことにより、粒子内部及び/又は粒子表面に還
元増感核を付与することができる。
【0040】ハロゲン化銀粒子を含有する乳剤は、ハロ
ゲン化銀粒子の成長の終了後に不要な可溶性塩類を除去
してもよいし、あるいは含有させたままでもよい。
【0041】本発明において、乳剤に用いられるハロゲ
ン化銀粒子は、潜像が主として表面に形成される粒子で
あってもよく、又、主として粒子内部に形成される粒子
でもよい。好ましくは潜像が主として表面に形成される
粒子である。
【0042】本発明において、乳剤は常法により化学増
感される。即ち、銀イオンと反応できる硫黄を含む化合
物や、活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレン化合物
を用いるセレン増感法、還元性物質を用いる還元増感
法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法など
を単独又は組み合わせて用いることができる。
【0043】又、乳剤は、増感色素を用いて所望の波長
域に光学的に増感できる。増感色素としては、シアニン
色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、スチリル色素及びヘミオキサノール色素等を用
いることができる。これらの具体例としては、例えば特
願平2-76278号76〜82頁に記載された例示化合物BS−
1〜BS−9,GS−1〜GS−5,RS−1〜RS−
8及びIRS−1〜IRS−10等を挙げることができ
る。又、これらに組み合わせて用いることのできる強色
増感剤としては、例えば特願平2-76278号84〜85頁に記
載された例示化合物SS−1〜SS−9等を挙げること
ができる。
【0044】本発明の感光材料に用いられる色素形成カ
プラーは、各々の乳剤層に対して乳剤層の感光スペクト
ル光を吸収する色素が形成されるように選択されるのが
普通であり、青感性乳剤層にはイエロー色素形成カプラ
ーが、緑感性乳剤層にはマゼンタ色素形成カプラーが、
赤感性乳剤層にはシアン色素形成カプラーが用いられ
る。しかしながら、目的に応じて上記組合せと異なった
用い方でカラー感光材料を作ってもよい。
【0045】本発明において、イエロー色素形成カプラ
ーとしてはアシルアセトアニリド系カプラーを好ましく
用いることができる。これらのうち、ベンゾイルアセト
アニリド系及びピバロイルアセトアニリド系化合物が有
利である。
【0046】以下、本発明に好ましく用いられるイエロ
ーカプラーの具体例を挙げる。
【0047】
【化1】
【0048】
【化2】
【0049】
【化3】
【0050】更に、上記化合物以外にも、特開昭63-856
31号7〜16頁に記載の例示化合物Y−1〜Y−146、同6
3-97951号6〜10頁に記載の例示化合物Y−1〜Y−9
8、特開平1-156748号18〜20頁に記載の例示化合物Y−
1〜Y−24、同2-298943号4〜7頁に記載の例示化合物
I−1〜I−50及び特開昭62-215272号114〜120頁に記
載の例示化合物Y−1〜Y−48を挙げることができる。
【0051】本発明において、マゼンタ色素形成カプラ
ーとしては、5-ピラゾロン系、ピラゾロアゾール系、ピ
ラゾロベンツイミダゾール系カプラー等の公知のカプラ
ーを用いることができる。
【0052】以下、本発明に好ましく用いられるマゼン
タカプラーの具体例を挙げる。
【0053】
【化4】
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】更に上記化合物以外にも、特開昭62-16633
9号18〜32頁に記載の例示化合物1〜223、特開平2-1000
48号5〜6頁に記載の例示化合物M−1〜M−29、同3-
214155号9〜12頁に記載の例示化合物M−1〜M−30、
及び特開昭62-215272号104〜114頁に記載の例示化合物
M−1〜M−47等を挙げることができる。
【0057】本発明において、シアン色素形成カプラー
としてはナフトール系及びフェノール系カプラーを好ま
しく用いることができる。
【0058】特に本発明がカラーペーパー等の直接鑑賞
用の感光材料として用いられる場合には、色素画像の堅
牢性や色再現性の点で、例えば米国特許2,895,826号、
特開昭50-112038号、同53-109630号、同55-163537号、
同63-96656号に開示されている2,5-ジアシルアミノフェ
ノール系シアンカプラーや、米国特許3,772,002号、同
4,443,536号等に記載の5位に炭素原子数2以上のアル
キル基を有するフェノール系シアンカプラーが有利に用
いられる。
【0059】又、ナフトール系、フェノール系シアンカ
プラー以外にも、特開平1-156748号、同3-174153号、同
3-196039号等に開示されているイミダゾール系シアンカ
プラーや特開平2-136854号、同3-196039号等に開示され
ているピラゾロアゾール系シアンカプラー、ピラゾロア
ジン系シアンカプラー、更には、特開平3-103848号、同
3-103849号に開示されているヒドロキシピリジン系シア
ンカプラー、ヒドロキシジアジン系シアンカプラー、特
開平3-206450号に開示されているアミノピリジン系シア
ンカプラー等が色再現性、画像保存性、復色性の点で優
れており、有利に用いられる。
【0060】以下に、本発明に用いられるシアンカプラ
ーの具体例を示す。
【0061】
【化7】
【0062】
【化8】
【0063】
【化9】
【0064】更に上記化合物以外にも、フェノール系シ
アンカプラーとして特開昭63-96656号4〜6頁に記載の
例示化合物C−1〜C−31、特開平1-196048号10〜13頁
に記載の例示化合物III−1〜III−31,IV−1〜IV−2
0、特開平3-109549号9〜11頁に記載の例示化合物C−
1〜C−22、及び特開昭62-215272号99〜103頁に記載の
例示化合物C−1〜C−42等を挙げることができ、フェ
ノール系以外のシアンカプラーとして特開平2-136854号
5〜7頁に記載の例示化合物A−1〜A−13,B−1〜
B−16,C−1〜C−8,D−1〜D−8、特開平3-10
3848号7〜13頁に記載の例示化合物(1)〜(69)、特
開平3-196039号10〜16頁及び18〜20頁に記載の例示化合
物C−1〜C−103,D−1〜D−31等を挙げることが
できる。
【0065】色素形成カプラー等の疎水性化合物は、通
常、沸点約150℃以上の高沸点有機溶媒又は水不溶性高
分子化合物に必要に応じて低沸点及び/又は水溶性有機
溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バ
インダー中に界面活性剤を用いて撹拌器、ホモジナイザ
ー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波装
置等の分散手段を用いて乳化分散した後、目的とする親
水性コロイド層中に添加すればよい。
【0066】本発明に用いられる高沸点有機溶媒として
は、フタル酸エステル、燐酸エステル等のエステル類、
有機酸アミド類、ケトン類、炭化水素化合物等が挙げら
れる。これらの具体例としては、例えば特開平1-196048
号4〜7頁に記載の例示化合物A−1〜A−120、8〜
9頁に記載の例示化合物II−1〜II−29、14〜15頁に記
載の例示化合物H−1〜H−22、特開平1-209446号3〜
7頁に記載の例示化合物S−1〜S−69、特開昭63-253
943号10〜12頁に記載の例示化合物I−1〜I−95等を
挙げることができる。
【0067】カプラー等の分散に用いられる水不溶性で
有機溶媒可溶性なポリマーとしては、(1)ビニル重合
体及び共重合体、(2)多価アルコールと多塩機酸との
縮重合体、(3)開環重合法により得られるポリエステ
ル、(4)その他、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
【0068】これら重合体の数平均分子量は特に制限は
ないが、好ましくは20万以下であり、更に好ましくは5,
000〜10万である。
【0069】以下に好ましく用いられるポリマーの具体
例を示す。ただし、共重合体はモノマーの重量比を示し
た。
【0070】(PO−1)ポリ(N-t-ブチルアクリルア
ミド) (PO−2)N-t-ブチルアクリルアミド-メチルメタク
リレート共重合体(60:40) (PO−3)ポリブチルメタクリレート (PO−4)メチルメタクリレート-スチレン共重合体
(90:10) (PO−5)N-t-ブチルアクリルアミド-2-メトキシエ
チルアクリレート共重合体(55:45) (PO−6)ω-メトキシポリエチレングリコールアク
リレート(付加モル数n=9)-N-t-ブチルアクリルア
ミド共重合体(25:75) 更に上記化合物以外にも、特開昭64-537号10〜15頁に記
載の例示化合物P−1〜P−200等を挙げることができ
る。
【0071】本発明の感光材料には、色カブリ防止剤、
画像安定化剤、硬膜剤、可塑剤、イラジエーション防止
染料、ポリマーラテックス、紫外線吸収剤、ホルマリン
スカベンジャー、現像促進剤、現像遅延剤、蛍光増白
剤、マット剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤等を任意
に用いることができる。これらの化合物については、例
えば特開昭62-215272号、同63-46436号等に記載されて
いる。又、本発明の感光材料は、当業界公知の発色現像
処理を行うことにより画像を形成することができる。
【0072】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されない。
【0073】実施例1 紙支持体の片面にポリエチレンを、もう一方の面(乳剤
層塗布面)に酸化チタンを含有するポリエチレンをラミ
ネートした支持体上に、表1及び表2に示す構成の各層
をスライドホッパーを用いて多層同時に塗設し、多層カ
ラー感光材料試料101を作成した。塗布液は下記の如く
調製した。
【0074】第1層塗布液 イエローカプラー(YC−5)26.7g、色素画像安定化
剤(ST−1)10.0g,(ST−2)6.67g、ステイン防
止剤(HQ−1)0.67g及び高沸点有機溶媒(DNP)6.
67gに酢酸エチル60mlを加えて溶解し、この溶液を20%
界面活性剤(SU−2)7mlを含有する10%ゼラチン水
溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散さ
せてイエローカプラー分散液を作成した。この分散液を
下記条件にて作成した青感性ハロゲン化銀乳剤(銀10g
含有)と混合し、更にイラジエーション防止染料(AI
−3)を加え、第1層塗布液を調製した。
【0075】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に調製した。
【0076】又、硬膜剤として第2層及び第4層に(H
H−1)を、第7層に(HH−2)を添加した。塗布助
剤として界面活性剤(SU−1),(SU−3)を添加
し、表面張力を調整した。塗布液のpHは、希硫酸もしく
は希水酸化カリウムを用いて5.9に調整した。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】各層に用いられた添加剤は以下の通りであ
る。
【0080】HH−1:テトラキス(ビニルスルホニル
メチル)メタン HH−2:2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン・
ナトリウム SU−1:トリ-i-プロピルナフタレンスルホン酸ナト
リウム SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2-エチルヘキシル)エステル
・ナトリウム SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフ
ルオロペンチル)エステル・ナトリウム ST−3:1,4-ジブトキシ-2,5-ジ-t-ブチルベンゼン DOP:ジオクチルフタレート DNP:ジノニルフタレート DIDP:ジ-i-デシルフタレート PVP:ポリビニルピロリドン HBS−1:1-ドデシル-4-(p-トルエンスルホンアミ
ド)ベンゼン HQ−1:2,5-ジ-t-オクチルハイドロキノン HQ−2:2-ヘキサデシル-5-メチルハイドロキノン
【0081】
【化10】
【0082】
【化11】
【0083】各感色性乳剤は以下のように作成した。
【0084】(青感色性塩臭化銀乳剤)…EmA 平均粒径0.7μm、臭化銀含有率90モル%の塩臭化銀乳剤
に、チオ硫酸ナトリウムを用いて、57℃で最適に増感
し、増感色素(D−1)及び安定剤としてZ−1を添加
した。
【0085】(緑感色性塩臭化銀乳剤)…EmB 平均粒径0.5μm、臭化銀含有率70モル%の塩臭化銀乳剤
に、チオ硫酸ナトリウムを用いて、59℃で最適に増感
し、増感色素(D−2)及び安定剤としてZ−1を添加
した。
【0086】(赤感色性塩臭化銀乳剤)…EmC 平均粒径0.4μm、臭化銀含有率60モル%の塩臭化銀乳剤
に、チオ硫酸ナトリウム、増感色素(D−3)及びフェ
ノール樹脂を用いて、60℃で最適に増感し、安定剤とし
てZ−1を添加した。
【0087】Z−1:4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7
-テトラザインデン
【0088】
【化12】
【0089】次に試料101のゼラチンを以下に示すよう
に変える以外は試料101と同様にして試料102〜114を作
成した。
【0090】 試料No. 第1層 第2層 第3層 第4層 第5層 第6層 第7層 101 A A A A A A A 102 A A A A A A B 103 A A A A A A C 104 A A A A A A D 105 A A A A A A E 106 A A A A A A F 107 A A A A A A G 108 A A A A A A H 109 A A A A A A I 110 A A A A A A J 111 A A A A A G G 112 A G A G A G G 113 G G G G G G G 114 E E E E E E E ゼラチンの内容は以下の通り(括弧内は等電点)。
【0091】A:牛骨を原料としたアルカリ処理ゼラチ
ン(5.0) B:豚皮を原料としたアルカリ処理ゼラチン(5.4) C:牛骨を原料とした酸処理ゼラチン(5.6) D:豚皮を原料とした酸処理ゼラチン(7.1) E:豚皮を原料とした酸処理ゼラチン(8.8) F:牛骨を原料としたアルカリ処理ゼラチン(5.2) G:牛骨を原料としたアルカリ処理ゼラチン(5.4) H:牛骨を原料としたアルカリ処理ゼラチン(5.6) I:ゼラチンAにメタノールと塩酸でエステル化処理を
施したエステル化ゼラチン(5.5) J:ゼラチンAに1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミドとエチレンジアミンを用いてアミノ
エチルアミド化を施したアミド化ゼラチン(5.4) ゼラチンA〜E,F〜Hは両イオン交換処理が施されて
おり、ゼラチンA〜E,F〜Jのカルシウム含量はいず
れも100ppm以下である。
【0092】尚、各試料とも写真構成層塗設後、一旦冷
却してゼラチン層をセットさせ、その後、50℃で乾燥さ
せた。
【0093】更に、これらの試料を35℃・60%RHの条件
下に5日間保持し硬膜を施した。
【0094】このようにして作成した試料を用いて以下
の評価を行った。
【0095】〈光沢の評価〉白色光で露光した試料を、
下記に示す現像処理工程で処理して作製した黒地試料の
表面の光沢度を日本電色工業(株)製VG−ID型光沢度計に
より入射角60°、受光角60°で測定した。
【0096】〈塗布性の評価〉均一な露光を施した試料
を同様に処理して作製したグレー試料10m2当たりに見ら
れる故障スポット点数及び濃度ムラを目視で評価した。
【0097】◎:濃度にムラが見られない ○:濃度にムラが僅かに見られるが商品として可 △:濃度にムラが見られ商品としては好ましくない ×:濃度にムラが著しく画質を損ねる 〈フィンガープリンティング耐性の評価〉未露光試料を
冷蔵庫(10℃)に24時間放置した後、直ちに23℃・80%
RHの暗所に移し60秒経過後、指で試料塗布側表面に触
れ、次いで画像状白色光露光を施し、下記に示す現像処
理工程で処理した試料の指紋状減感の程度を目視で評価
した。
【0098】◎:全く減感が生じない ○:減感が僅かに見られるが商品として可 △:減感が見られ商品としては好ましくない ×:著しく減感を生ずる結果を表3に示す。
【0099】 基準処理工程 温 度 時 間 発色現像 38℃ 3分30秒 漂白定着 33℃ 1分30秒 水 洗 25〜30℃ 3分 乾 燥 60〜80℃ 約2分 処理液組成を以下に示す。
【0100】発色現像液 ベンジルアルコール 15ml エチレングリコール 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 0.7g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ポリ燐酸(TPPS) 2.5g 3-メチル-4-アミノ-N-エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル) アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.0g 水酸化カリウム 2.0g 水を加えて全量を1リットルとし、pH10.20に調整する。
【0101】漂白定着液 エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 炭酸カリウム又は氷酢酸でpH7.1に調整し、水を加えて全量を1リットルとす る。
【0102】
【表3】
【0103】表3から明らかなように、通常、写真感光
材料に好ましく用いられる等電点5.0以下の牛骨を原料
としたアルカリ処理ゼラチンのみを用いた試料101は、
故障スポットの発生や濃度ムラが無く、フィンガープリ
ンティング耐性にも優れるが、光沢度が低い。又、表面
保護層のゼラチンに豚皮を原料としたゼラチンや酸処理
ゼラチンを用いた試料102〜105及び114は、いずれも光
沢度の向上が見られるが、故障スポットの発生が多く、
濃度ムラが見られ好ましくない。しかも、フィンガープ
リンティング耐性の劣化も見られる。
【0104】これに対して、本発明のゼラチンを用いて
いる試料106〜113は、いずれも光沢度が高く、故障スポ
ットの発生が抑えられ、濃度ムラも小さく、フィンガー
プリンティング耐性にも優れている。
【0105】本発明の試料の中で更に詳細に見ると、エ
ステル化もしくはアミド化のような化学処理を施して等
電点を上げた本発明のゼラチンI及びJを用いた試料10
9及び110は、光沢度の向上効果が小さい。
【0106】一方、等電点がより好ましい範囲である5.
2〜5.5の間にある本発明のゼラチンF及びGを用いた試
料106,107及び111〜113は、本発明の効果の点で特に優
れた試料であることがわかる。更に、試料107、111〜11
3の比較から、本発明の効果を得るためには本発明のゼ
ラチンを表面保護層に用いることがより効果的であるこ
とがわかる。
【0107】実施例2 実施例1と同じ支持体上に、表4及び5に示す構成の各
層を実施例1と同様にして塗設し、多層カラー感光材料
試料201を作成した。塗布液は下記の如く調製した。
【0108】第1層塗布液 イエローカプラー(YC−8)26.7g、色素画像安定化
剤(ST−1)10.0g,(ST−2)6.67g、ステイン防
止剤(HQ−1)0.67g及び高沸点有機溶媒(DNP)
6.67gに酢酸エチル60mlを加えて溶解し、この溶液を20
%界面活性剤(SU−2)7mlを含有する10%ゼラチン
水溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散
させてイエローカプラー分散液を作製した。この分散液
を下記に示す青感性ハロゲン化銀乳剤(銀8.67g含有)
と混合し、更にイラジエーション防止染料(AI−3)
を加え第1層塗布液を調製した。
【0109】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に調製した。
【0110】又、硬膜剤として第2層及び第4層に(H
H−1)を、第7層に(HH−2)を添加した。塗布助
剤として、界面活性剤(SU−1),(SU−3)を添
加し、表面張力を調整した。塗布液のpHは、希硫酸もし
くは希水酸化カリウムを用いて5.9に調整した。
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】各層に用いた添加剤は以下の通りであ
る。。
【0114】HQ−3:2,5-ジ-sec-ドデシルハイドロ
キノン HQ−4:2,5-ジ-sec-テトラデシルハイドロキノン HQ−5:2-sec-ドデシル-5-sec-テトラデシルハイド
ロキノン HQ−6:2,5-ジ(1,1-ジメチル-4-ヘキシルオキシカル
ボニルブチル)ハイドロキノン F−1:2-メチル-5-クロロ-イソチアゾリン-3-オン
【0115】
【化13】
【0116】青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)の調
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1000ml中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=6.5、pH=3.0に制御しつつ30
分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)を
pAg=7.3、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加し
た。この時pAgの制御は特開昭59-45437号記載の方法に
従い行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウムの水溶
液を用いて行った。
【0117】(A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) 塩化ナトリウム 102.7g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った
後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、変動
係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤
EMP−1を得た。
【0118】上記乳剤EMP−1に対し、下記化合物を
用い50℃にて90分化学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀
乳剤(Em−B)を得た。
【0119】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 D−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 D−4 1×10-4モル/モルAgX緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G)の調製 (A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)
の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、
平均粒径0.43μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5モ
ル%の単分散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0120】EMP−2に対し、下記化合物を用いて55
℃で120分化学熟成を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤
(Em−G)を得た。
【0121】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 D−2 4×10-4モル/モルAgX赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R)の調製 (A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)
の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、
平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5モ
ル%の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0122】EMP−3に対し、下記化合物を用いて60
℃で90分化学熟成を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(E
m−R)を得た。
【0123】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 D−3 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカ
プトテトラゾール
【0124】
【化14】
【0125】次に、試料201のゼラチンを試料102〜114
と同じゼラチンに変える以外は試料201と同様にして試
料202〜214を作成した。
【0126】尚、各試料とも写真構成層塗設後、一旦冷
却してゼラチン層をセットさせ、その後、50℃で乾燥さ
せた。更にこれらの試料を35℃・60%RHの条件下に5日
間保持し硬膜を施した。
【0127】このようにして作成した試料を用いて下記
に示す処理工程に従って連続処理を行った。
【0128】 処理工程 処理温度 時 間 発色現像 35.0±0.3℃ 45秒 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60〜80℃ 60秒 各処理液の組成を以下に示す。なお、各処理液の補充量
は感光材料1m2当たり80mlである。
【0129】発色現像液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエタノールアミン 10g 18g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 5g 9g 塩化カリウム 2.4g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1.0g 1.8g N-エチル-N-β-メタンスルホンアミド エチル-3-メチル-4-アミノアニリン硫酸塩 5.4g 8.2g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.0g 1.8g 炭酸カリウム 27g 27g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpHを10.10に、補充液はpHを 10.60に調整する。
【0130】漂白定着液 (タンク液と補充液は同一) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpHを5.7に調整 する。
【0131】安定化液 (タンク液と補充液は同一) F−1 1.0g エチレングリコール 1.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 2.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又は水酸化カリウムでpHを7.0に調整 する。
【0132】連続処理後、実施例1と同様な評価を行っ
た。
【0133】結果を表6に示す。
【0134】
【表6】
【0135】表6から明らかなように、本実施例におい
ても本発明の効果が得られた。特に、本実施例で示した
ように塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤を用いた場
合、従来から知られる酸処理ゼラチンや豚皮を原料とし
たゼラチンを用いるとフィンガープリンティング耐性が
劣化するのに対し、本発明のゼラチンを用いた本発明の
試料は良好なフィンガープリンティング耐性を有するこ
とがわかる。
【0136】
【発明の効果】本発明により、高い表面光沢を有し、濃
度ムラや故障スポットによる画質の劣化が防止され、か
つフィンガープリンティング耐性に優れたハロゲン化銀
写真感光材料を提供することができた。
フロントページの続き (72)発明者 米山 孝一 神奈川県小田原市堀ノ内28番地コニカ株 式会社内 審査官 秋山 祐子 (56)参考文献 特開 平2−305876(JP,A) 特開 平3−185442(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/047

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を含む写真構成層を有するハロゲン化銀写真感
    光材料において、該写真構成層の少なくとも1層が、牛
    骨を原料とした等電点5.2以上のアルカリ処理ゼラチン
    を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
  2. 【請求項2】 前記写真構成層のうち少なくとも支持体
    から最も遠い位置に塗設される表面保護層が、前記牛骨
    を原料とした等電点5.2以上のアルカリ処理ゼラチンを
    含有することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀
    写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1
    層が、95モル%以上の塩化銀からなるハロゲン化銀粒子
    を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
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