JP2952087B2 - 表面に窒化層を有するホウ酸アルミニウムウィスカー及びプリフォームの製造方法 - Google Patents

表面に窒化層を有するホウ酸アルミニウムウィスカー及びプリフォームの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はFRMの補強材として用
いられる、表面に窒化層を有するホウ酸アルミニウムウ
ィスカー及びプリフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホウ酸アルミニウムは、一般的にnAl
2 3 ・mB2 3 の化学式で示される。そのウィスカ
ーには、9Al2 3 ・2B2 3 と2Al2 3 ・B
2 3 との2つが存在する。このうち、9Al2 3
2B2 3 のウィスカーは、チタン酸カリウムウィスカ
ー以上の強度及びSiCウィスカーに匹敵する弾性率を
有し、しかも耐熱性、耐薬品性を有するため、FRM用
の強化繊維として期待されている。
【0003】しかし、このホウ酸アルミニウムウィスカ
ーをFRMの強化繊維として使用する場合、マトリック
ス金属によっては、金属とウィスカーとが反応してウィ
スカーの特性が失われる。例えば、マトリックス金属が
AlやMgなど非常に還元性の強い金属を含む場合、こ
れらの金属がホウ酸アルミニウムウィスカー中の酸素と
反応してAl2 3 やMgOが生成するため、十分な補
強効果が得られないという問題があった。
【0004】また、ホウ酸アルミニウムウィスカー、S
iCウィスカー、Si3 4 ウィスカーなどをFRMの
強化繊維として使用する場合、プリフォームとして使用
するのが一般的であり、プリフォームの状態でも高い強
度を保持することが要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マト
リックス金属との反応を防止することができ、FRMの
補強繊維として有効に使用することができる表面に窒化
層を有するホウ酸アルミニウムウィスカー及びプリフォ
ームを製造できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の表面に窒
化層を有するホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方法
は、ホウ酸アルミニウムウィスカーを、炭化水素ガスと
アンモニアガスとの混合ガス中又はアンモニアガス中
で、1100〜1400℃に加熱し、ホウ酸アルミニウ
ムウィスカーの表面に窒化層を形成させることを特徴と
するものである。
【0007】本発明の表面に窒化層を有するホウ酸アル
ミニウムウィスカープリフォームの製造方法は、ホウ酸
アルミニウムウィスカーの成形体を、炭化水素ガスとア
ンモニアガスとの混合ガス中又はアンモニアガス中で、
1100〜1400℃に加熱し、成形体を構成するホウ
酸アルミニウムウィスカーの表面に窒化層を形成させる
ことを特徴とするものである。以下、本発明を更に詳細
に説明する。
【0008】本発明においては、ホウ酸アルミニウムウ
ィスカーを成形せずに反応させ、表面に窒化層を形成さ
せた後、ウィスカーを成形してプリフォームを製造して
もよいし、ホウ酸アルミニウムウィスカーの成形体を反
応させることにより、表面に窒化層を有するウィスカー
のプリフォームを製造してもよい。
【0009】後者の方法において、ホウ酸アルミニウム
ウィスカーの成形体を作製する方法としては、一般的な
方法を用いることができる。例えば、ホウ酸アルミニウ
ムウィスカーを金型に充填してプレスする方法、ホウ酸
アルミニウムウィスカーを溶媒に分散させ、溶媒を吸引
ろ過すると同時に成形して乾燥する方法などが採用でき
る。ただし、この段階で、ウィスカーがからまって毛玉
ができたり、気孔が成形体中に取り込まれないようにす
ることが重要である。いずれの成形方法でも、プレス圧
などを制御することにより成形体のかさ密度を調整すれ
ば、窒化層を形成した後のプリフォームのかさ密度、す
なわち複合材料とした場合のVf値(繊維体積百分率)
を調整できる。
【0010】本発明において、炭化水素ガスとアンモニ
アガスとの混合比に関しては、炭化水素ガスの割合が増
えると、窒化層の形成速度は速くなるものの、カーボン
が副生しやすくなり、後で脱炭工程が必要になる。この
ため、炭化水素ガス/アンモニアガスの比(体積比)
は、0/100〜50/100の範囲が好ましく、更に
0/100〜20/100の範囲がより好ましい。
【0011】本発明において、反応温度に関しては、1
100℃未満では窒化層の形成反応の進行が遅くなり、
1400℃を超えるとウィスカー基体内部まで窒化が進
行しすぎて、ホウ酸アルミニウムウィスカーの基本特性
が損なわれる。逆に、加熱温度によって、窒化層の厚さ
を制御できる。また、表面に窒化層を有するは時間とと
もに進行するため、各温度における加熱時間を調整する
ことによっても、窒化層の厚さを制御できる。
【0012】本発明の方法によりホウ酸アルミニウムウ
ィスカーを窒化すると、その表面にAlN層や、BN系
などの窒化層が形成される。この際、窒化はホウ酸アル
ミニウムウィスカーの表面から徐々に進行し、ホウ酸ア
ルミニウムウィスカー基体と窒化層との界面には、中間
層として酸窒化物が形成される。このため、基体と窒化
層との熱膨張係数及び弾性率の違いによる窒化層のはが
れは生じない。
【0013】本発明の方法を用いれば、ウィスカーに損
傷を与えることなく表面に窒化層を形成できる。このウ
ィスカーをFRMの補強繊維として用いた場合、窒化層
によりウィスカーとマトリックス金属との反応を防止す
ることができ、ウィスカーによる補強効果を十分に発揮
させることができる。また、本発明の方法を用いれば、
表面に窒化層を有するウィスカープリフォームを簡便に
製造することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 [実験No.1〜11]ウィスカーとしてホウ酸アルミ
ニウムウィスカー(化学式9Al2 3 ・2B2 3
平均径0.7μm、平均長さ20μm)を用いた。
【0015】これらの原料を、表1に示す条件で反応さ
せた。なお、表1では炭化水素ガスをHC、アンモニア
ガスをNH3 と表示している。反応後、ウィスカーの性
状を走査電子顕微鏡(SEM)観察及び粉末X線回折分
析で調査した。これらの結果を表1に併記する。なお、
表1中の結晶相の欄において、Sは強、Mは中、Wは
弱、Trは微弱のX線ピークを表わす。表1から明らか
なように、適当な条件を設定すれば、ウィスカーの表面
に窒化層が形成されることがわかる。
【0016】
【表1】 [実験No.21〜32]ウィスカーとしてホウ酸アル
ミニウムウィスカー(化学式9Al2 3 ・2B
2 3 、平均径0.7μm、平均長さ20μm)を用い
た。
【0017】ウィスカーを金型に充填し、反応後に得ら
れるウィスカープリフォームの繊維体積率(Vf値)が
所定値となるようにプレス圧を調整して金型成形した。
得られた成形体(35mm×20mm×100mm)を
用い、表2に示す条件で反応させた。反応後のプリフォ
ームのVf値を気孔率から求め、プリフォームを構成す
るウィスカーの性状を走査電子顕微鏡(SEM)観察及
び粉末X線回折分析で調査した。これらの結果を表2に
併記する。表2でも表1と同様な結果が得られているこ
とがわかる。
【0018】
【表2】 [FRMの作製]
【0019】表1のNo.2、4、6、7、11、表2
のNo.22、24、27、28の表面に窒化層を有す
るウィスカー又はプリフォームを用い、一般的に用いら
れる溶湯鍛造法によりAl合金(2.5wt%Mg含
有)をマトリックスとしたFRMを作製した。
【0020】得られたFRMの曲げ強度及び曲げ弾性率
を評価した。比較のために、マトリックス金属のみ、及
び表面に窒化層を形成していないウィスカーを用いて作
製されたFRMについても、同様に曲げ強度及び曲げ弾
性率を評価した。これらの結果を表3に示す。
【0021】表3から明らかなように、本発明の方法で
製造された表面に窒化層を有するウィスカー又はそのプ
リフォームを用いて作製されたFRMは、曲げ強度及び
曲げ弾性率が優れている。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法を用い
れば、ホウ酸アルミニウムウィスカーの表面に形成され
た窒化層によりウィスカーとマトリックス金属との反応
を防止できるので、ウィスカーによる補強効果を十分に
発揮させることができる。また、本発明の方法を用いれ
ば、表面に窒化層を有するウィスカーのプリフォームを
簡便に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正隆 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社中央研究所内 (72)発明者 山下 肇 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社中央研究所内 (72)発明者 黒野 信久 愛知県名古屋市港区築三町1丁目11番地 株式会社エス・ティー・ケー・セラミ ックス研究所内 (72)発明者 斎藤 肇 愛知県名古屋市港区築三町1丁目11番地 株式会社エス・ティー・ケー・セラミ ックス研究所内 (56)参考文献 特開 平2−167897(JP,A) 特開 平1−278500(JP,A) 特開 平3−237095(JP,A) 特開 平4−305099(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ酸アルミニウムウィスカーを、炭化
    水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス中又はアンモニ
    アガス中で、1100〜1400℃に加熱し、ホウ酸ア
    ルミニウムウィスカーの表面に窒化層を形成させること
    を特徴とする表面に窒化層を有するホウ酸アルミニウム
    ウィスカーの製造方法。
  2. 【請求項2】 ホウ酸アルミニウムウィスカーの成形体
    を、炭化水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス中又は
    アンモニアガス中で、1100〜1400℃に加熱し、
    成形体を構成するホウ酸アルミニウムウィスカーの表面
    に窒化層を形成させることを特徴とする表面に窒化層を
    有するホウ酸アルミニウムウィスカープリフォームの製
    造方法。
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