JP2949178B2 - 水なし平板印刷インキ用バインダー - Google Patents
水なし平板印刷インキ用バインダーInfo
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水なし平版印刷インキ用バインダーに関する。
親油性の画線部および親水性の非画線部からなる版に対
して、インキを供給すると同時に湿し水を供給し、水と
インキの反発性を利用することによりインキ画像を形成
させている。ところが、この平版印刷法を採用する場合
には、通常湿し水のコントロールが難しく、印刷インキ
の乳化によるインキ光沢の低下、地汚れの発生などの湿
し水に起因する弊害が問題視されてきた。
法が種々提案されており、なかでも非画線部をシリコー
ン層で形成した水なし平版を使用し該シリコーン層とイ
ンキとの反発性を利用してインキ画像を形成せしめる方
法が実用化されつつある。しかしながら、該水なし平版
印刷方法を適用するにあたり、従来の印刷インキをその
まま使用した場合には、いわゆる地汚れが発生するとい
う問題がある。この現象が生じる理由は定かではない
が、水なし平版印刷方法では従来方法のような湿し水に
よる冷却効果がないため、印刷機の運転時間の経過につ
れてローラー相互間の摩擦などにより、版面温度が上昇
しインキの凝集力が低下する結果、非画線部にまでイン
キが付着するものと考えられる。
分の使用量を増加させて、インキの凝集力を上げるとい
う方法が考えられるが、斯かる場合には耐地汚れ性はあ
る程度改良されるが、ブランケットへのパイリングや紙
ムケなどのトラブルが発生するという不利がある。上記
問題を解決するために、樹脂中にモノカルボン酸などの
線状成分を導入して樹脂粘度を低下させることができる
ものの、単なるモノカルボン酸を使用した場合にはミス
チングやセットが低下する傾向が大きい。また、他の試
みとして、ワニスに対して例えば、ステアリン酸アルミ
ニウム、アルミニウムオクテートなどのアルミニウム化
合物を添加して、樹脂をゲル化させる方法がある。しか
しながら、この方法を用いて耐地汚れ性を改良しようと
する場合には、一般にインキ粘度が増大してしまい、イ
ンキの転移性が極めて悪くなるという問題点がある。こ
のように従来の公知のいずれの方法においても、さらに
改良の余地がある。
欠点を解消せんとするものである。すなわち、耐地汚れ
性に優れ、乾式平版印刷に適した新規な水なし平版印刷
インキを提供しうるバインダーを提供することにある。
版印刷インキ組成物を提供しうるバインダーを見出すべ
く鋭意検討を行なった。その結果、下記の特定反応生成
物をバインダーとして使用した場合には、本目的に合致
する優れた印刷インキ組成物を容易に収得しうるという
事実を見い出した。本発明はこの新しい知見に基づいて
初めて完成されたものである。
酸またはその無水物、(c)レゾール型フェノール樹脂
および(d)多価アルコールからなる反応生成物であっ
て、(a)成分および(b)成分と、(c)成分を加熱
反応させた後、(d)成分を加熱反応させて得られる反
応生成物、または(a)成分、(b)成分および(d)
成分を加熱反応させた後、(c)成分を加熱反応させて
得られる反応生成物であること特徴とする水なし平版印
刷インキ用バインダーに係わる。
う)としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロ
ジン、これらの変性物などを例示できる。該変性方法と
しては、不均化、水素添加、重合、アルデヒド変性、カ
ルボン酸変性などがあげられる。
(以下、(b)成分という)としては、下記の各種のも
のを例示できる。炭素数10〜40の直鎖または分技鎖状
のアルキルコハク酸およびその無水物、炭素数10〜40の
直鎖または分技鎖状のアルケニルコハ酸およびその無水
物、炭素数10〜40の直鎖または分技鎖状のα,ω−ジ
カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸付加高級脂肪
酸などである。
ゴマー化してなる内部オレフィンオリゴマーまたはα−
オレフィンオリゴマーと、マレイン酸もしくは無水マレ
イン酸とを反応させることにより、更には該反応物を水
素化することにより得ることができる。前記の化合物
の具体例としては、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラ
デカン二酸、ヘキサンデカン酸、オクタデカン二酸、ア
イコサン二酸、ドコサン二酸、テトラコサン二酸、テト
ラトリアコンタン二酸など、あるいはこれらに対応する
分技鎖状のジカルボン酸を挙げることができる。また、
上記の化合物は、アクリル酸、メタアクリル酸、無水
マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸を、桐油、
アマニ油、サフラワー油、大豆油、脱水ヒマシ油、綿実
油などの半乾性油または乾性油からえられる高級脂肪酸
に付加反応させることにより収得しうる。
としては、フェノール類とホルムアルデヒドを通常F/P
が1.0〜1.3の範囲内で、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ触媒の存在下に
付加・縮合してえられる各種公知の縮合物があげられ、
必要によりこれを中和・水洗して得られるものを使用し
うる。ここにフェノール類としては、石炭酸、クレゾー
ル、アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−
ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェ
ノールAなどを例示できる。尚、ホルムアルデヒドとは
ホルムアルデヒドの供給物質を意味し、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒドなどを例示することができ
る。
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール等
があげられる。
(a)〜(d)成分をそれぞれ特定量づつ反応させて得
られるものである。上記反応生成物の製造方法は特に制
限はされず、従来公知のロジン変性フェノール樹脂の製
造方法を実質的に変更せずに採用することができる。例
えば、(a)成分および(b)をそれぞれ所定量ずつ添
加し、ついで180〜260゜程度まで昇温し同温度で(c)
成分を滴下しながら1〜10時間程度加熱反応させたの
ち、さらに所定量の(d)成分を添加し230〜300℃程度
で2〜30時間程度反応させる方法を例示しうる。更に
は、(a)成分、(b)成分および(d)成分をあらか
じめ230〜300℃程度で2〜20時間程度エステル化反応さ
せたのち、ついで(c)成分を添加し230〜300℃程度で
1〜10時間程度加熱反応させる方法も採用できる。
は(a)成分を基準として適宜決定される。すなわち、
(a)成分の仕込み量100重量部に対し、(b)成分の
仕込み量は通常1〜30重量部程度、好ましくは3〜25重
量部とされる。1重量部未満の場合には目的とする耐地
汚れ性の優れた印刷インキ用バインダーを収得できず、
また30重量部を越える場合にはインキの流動性およびセ
ット性が不良となる。(c)成分の仕込み量は通常10〜
120重量部程度、好ましくは10〜100重量部とされる。10
重量部未満の場合にはインキの光沢、転移性が不良とな
り、また120重量部を越える場合にはセット、耐ミスチ
ング性が低下する。(d)成分の仕込み量は通常5〜13
重量部とされる。5重量部未満の場合には分子量や軟化
点が上がりにくいためセット性が低下し、13重量部を越
える場合には溶解性が低下し、転移不良を来す不利があ
る。
用される樹脂は、その軟化点が通常120℃以上、好まし
くは140〜200℃程度とされる。120℃未満の場合には乾
燥性、セットが顕著に低下するためである。また本発明
の樹脂の分子量は、特に制限はされないが、通常は3万
以上が好ましい。
は、通常の方法により各種公知の顔料、石油系溶剤、乾
性油、耐摩擦性向上剤、ドライヤー等の各種添加剤等を
適宜配合して練肉することにより印刷インキとすること
ができる。該インキは、特に水なし平版用のオフセット
印刷に賞用しうるほか、通常の平版印刷、凸版印刷、グ
ラビア印刷にも好適に使用することができる。尚、上記
インキ調製の際、本発明の効果を低減させない範囲内で
ロジン変性フェノール樹脂等の公知の印刷インキ用バイ
ンダーを併用しうることはもとよりである。
従来の問題点を悉く解消しうる優れた性能を有するとい
う理由は定かではないが、樹脂構成成分中の特に(b)
成分に起因して、樹脂中に弱い網状構造がより多く形成
されることとなり、そのため1官能性線状化合物を使用
した場合に見られるような耐ミスチング性やセット性の
悪化が防止されるとともに、(b)成分が線状化合物で
あるため、光沢向上に寄与するレベリング性を高度に維
持することができるためであると推定される。
が、本発明がこれら実施例に限定されないことはもとよ
りである。尚、以下「部」とは重量部を示す。
フラスコに、ガムロジン1700部、炭素数16のアルケニル
コハク酸無水物250部およびp−オクチルフェノール−
ホルムアルデヒド初期縮合物1000部を仕込んだ後、撹拌
下に250〜260℃まで昇温し、同温度で約3時間反応さ
せ、更にグリセリン150部を添加し、酸価が25以下とな
るよう反応し、本発明の印刷インキ用バインダー約2600
部を得た。このものは、酸価22、軟化点159℃であっ
た。
ルコハク酸無水物の仕込み量を第1表に示すように変化
させた他は同様にして反応を行い、各種の本発明の印刷
インキ用バインダーを得た。それらの樹脂恒数は第1表
に示す。
水物250倍に変えて、第1表に示すような(b)成分を
使用した他は同様にして反応を行い、各種の本発明の印
刷インキ用バインダーを得た。それらの樹脂恒数は第1
表に示す。
水物250倍に変えて、第1表に示すような(b)成分を
使用した他は同様にして反応を行い、各種の比較用の印
刷インキ用バインダーを得た。それらの樹脂恒数は第1
表に示す。
(株)製、商品名「タマノル350」)を使用した。その
樹脂恒数は第1表に示す。
バインダーおよび比較例1〜3で得られた比較用の印刷
インキ用バインダーを用いて、以下の方法によりインキ
調製を行い、それらのインキ性能を評価した。評価結果
は第2表に示す。
素溶剤(三菱化成(株)製、ダイヤレン168)30部を混
合溶解してワニスを得た。これらのワニスを用いて、つ
ぎの配合割合で3本ロールにより練肉してインキとし
た。
フロー値が17±0.5となるように適宜調整した。
製)にてアート紙に展色した後、20℃、65%R.H.にて24
時間調湿し、60゜−60゜の反射率を光沢計により測定し
た。
製)にてアート紙に展色した後、展色物を時間ごとに分
割し、RIテスターローラーを用いて展色物から別のアー
ト紙上へのインキの付着度を観察し、インキが付着しな
くなるまでの時間(分)を測定した。
うるようにした印刷機に、水なし平版(東レ(株)製)
を取り付け、版面を昇温しながら印刷し、一定のベタ濃
度において印刷物に地汚れが発生したときの版面温度を
地汚れ温度とした。
ンダーよれば、光沢に優れ、セット、流動性、ミスチン
グ等の印刷適性を充分満足し、しかも耐地汚れ性を顕著
に改良しうるという格別の効果が奏される。
Claims (2)
- 【請求項1】(a)ロジン類、(b)炭素数10〜40の脂
肪族多塩基酸またはその無水物、(c)レゾール型フェ
ノール樹脂および(d)多価アルコールからなる反応生
成物であって、(a)成分および(b)成分と、(c)
成分を加熱反応させた後、(d)成分を加熱反応させて
得られる反応生成物、または(a)成分、(b)成分お
よび(d)成分を加熱反応させた後、(c)成分を加熱
反応させて得られる反応生成物であることを特徴とする
水なし平版印刷インキ用バインダー。 - 【請求項2】前記(a)成分の仕込み量100重量部に対
し、(b)成分の仕込み量が1〜30重量部、(c)成分
の仕込み量が10〜120重量部、(d)成分の仕込み量が
5〜13重量部である請求項1記載の水なし平版印刷イン
キ用バインダー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4351990A JP2949178B2 (ja) | 1990-02-23 | 1990-02-23 | 水なし平板印刷インキ用バインダー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4351990A JP2949178B2 (ja) | 1990-02-23 | 1990-02-23 | 水なし平板印刷インキ用バインダー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03244676A JPH03244676A (ja) | 1991-10-31 |
JP2949178B2 true JP2949178B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=12665997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4351990A Expired - Lifetime JP2949178B2 (ja) | 1990-02-23 | 1990-02-23 | 水なし平板印刷インキ用バインダー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2949178B2 (ja) |
-
1990
- 1990-02-23 JP JP4351990A patent/JP2949178B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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